証跡ファイルのヘッダー・レコード

証跡の各ファイルの先頭部分に、ファイル・ヘッダー・レコードが格納されています。ファイル・ヘッダーには、証跡ファイル自体に関する情報が含まれます。以前のリリースのOracle GoldenGateには、このヘッダーは含まれません。

ファイル・ヘッダーは、データ・レコードに先行する証跡ファイルの先頭部分にレコードとして格納されます。証跡のヘッダーに格納されているレコードに関する情報によって、Oracle GoldenGateプロセスは、各レコードがOracle GoldenGateの現行リリースでサポートされる形式であるかどうかを判断できます。

証跡ヘッダー・フィールドはトークンとして格納されます。トークンの形式はOracle GoldenGateのすべてのバージョンで同じです。Oracle GoldenGateのあるバージョンで与えられたトークンがサポートされない場合、そのトークンは無視されます。非推奨のトークンには、Oracle GoldenGateの以前のバージョンとの互換性が保たれるようデフォルト値が割り当てられます。

Oracle GoldenGateの異なるプロセス・バージョン間でファイルの上位互換性または下位互換性を保証するため、標準化されたトークン形式でファイル・ヘッダー・フィールドが書き込まれます。プロセスの新規バージョンによって作成される新しいトークンは、古いバージョンでは無視されるため、下位互換性が保持されます。同様に、Oracle GoldenGateの新しいバージョンでは、古いトークンがサポートされます。また、新しいプロセス・バージョンによってあるトークンが非推奨になっても、そのトークンにはデフォルト値が割り当てられるため、古いバージョンも引き続き正しく動作します。ファイル・バージョンを指定するトークンは、COMPATIBILITYです。このトークンは、ログダンプ・ユーティリティで表示することや、@GETENV関数のGGFILEHEADERオプションを使用して取得することができます。

証跡またはExtractファイルのバージョンは、そのファイルを読み取るプロセスのバージョン以下である必要があります。それ以外の場合、プロセスは異常終了します。また、データ・ポンプの出力証跡またはファイルは、Oracle GoldenGateによって強制的に入力証跡またはファイルと同じバージョンに設定されます。再起動時に、Extractは、各ファイルのバージョンがただ1つになるように証跡を1つの新規ファイルにまとめます(ファイルが空ではない場合)。

Oracle GoldenGate 21c以降、Oracleデータベースの場合は、DB_UNIQUE_NAMEパラメータを使用してデータベースのグローバルに一意の名前を指定できます。このデータベース・パラメータが設定されていない場合、DB_UNIQUE_NAMEDB_NAMEと同じです。この機能では、証跡ファイル・ヘッダーを表示することで、証跡データのソースを一意に識別できます。

DbUniqueNameトークンの使用の詳細は、GETENVパラメータを参照してください。

ノート:

DbUniqueNameトークンは19.1互換性レベルで証跡ファイルに書き込まれますが、その互換性レベルをサポートする以前のOracle GoldenGateリリースでは、新しいトークンは無視されます。トークンは、データベース情報グループに属します。DB_UNIQUE_NAMEの可能なすべての値を30文字に制限して収めることができるように、このフィールドは65536バイトに制限されます。

Oracle GoldenGateプロセスは独立しており、異なるOracle GoldenGateリリースのプロセスが混在できるため、各証跡ファイルのファイル・ヘッダーにはバージョン・インジケータが含まれています。デフォルトでは、証跡ファイルのバージョンは、そのファイルを作成したプロセスの現行バージョンです。証跡のバージョンを設定する必要がある場合、EXTTRAILEXTFILERMTTRAILまたはRMTFILEパラメータのFORMATオプションを使用します。

証跡のヘッダーは、ログダンプ・ユーティリティのFILEHEADERコマンドを使用して表示できます。ファイル・ヘッダーのトークンの詳細は、Oracle GoldenGateログダンプ・リファレンスを参照してください。