1 高可用性クラスタリングについて

この章では、複数のノードで実行されているサービスへの継続的なアクセスを提供する高可用性(HA)クラスタを作成するようにPacemakerおよびCorosyncテクノロジを設定および構成する方法について説明します。

Oracle Linuxの高可用性サービスは、Corosync機能やPacemaker機能など、いくつかのオープン・ソース・パッケージで構成されます。これらのツールを使用すると、Oracle Linux上で実行されているアプリケーションおよびサービスの高可用性を実現できます。Corosync、Pacemakerおよび依存関係と関連パッケージは、https://linux.oracle.comにあるUnbreakable Linux Network (ULN)またはhttps://yum.oracle.comにあるOracle Linux yumサーバーからダウンロードできます。

Corosyncはオープン・ソースのクラスタ・エンジンで、障害が発生した場合にプロセスを再起動できる可用性マネージャ、構成および統計データベース、クォーラムが達成されたり失われた場合にアプリケーションに通知できるクォーラム・システムなど、いくつかの高可用性機能を実装するAPIが含まれています。

CorosyncはPacemakerとともにインストールされます。これは、クラスタにデプロイされるソフトウェアのライフ・サイクルを管理する、オープン・ソースの高可用性クラスタ・リソース・マネージャです。Pacemakerもまた、高可用性サービスを提供します。これは、クラスタ・エンジンによって提供されるAPIを使用して、ノードおよびリソースレベルの障害を検出し、リカバリすることで実現されます。

Pacemakerには、Pacemakerコマンド・シェル(pcs)も付属しています。pcsコマンドを使用して、クラスタとそのリソースにアクセスして構成できます。pcsデーモンは、クラスタ内の各ノードでサービスとして実行され、クラスタ内のすべてのノードで構成の変更を同期できます。

Oracleでは、Oracle Linux 8でのアクティブ/パッシブ型2ノード(1:1)クラスタ構成に使用されるCorosyncおよびPacemakerをサポートしています。クラスタリング・サービスのサポートとは、これらのサービスを使用してクラスタ化されたOracle製品のサポートを意味しているわけではないことに注意してください。

Oracleでは、Oracle Databaseを使用した高可用性クラスタリングのためのOracle Clusterwareも提供しています。詳細は、https://www.oracle.com/database/technologies/rac/clusterware.htmlを参照してください。