2 一般的な要件
この章では、モジュラ・ソース・パッケージと標準ソース・パッケージの両方をビルドするために必要な手順について説明します。システムをビルド・サーバーとして準備するには、サポートされていないソフトウェアを含む開発者リポジトリを有効にする必要があります。システムに最新の更新が適用されていることを確認し、必要なビルド・パッケージと従属物をインストールする必要があります。
モジュラ・パッケージをビルドする場合は、設定の手順がさらにいくつか必要になります。たとえば、さらに、ソース・コンテンツをリモートGitサービスでホストするか独自のGitリポジトリ内でローカルでホストする必要があります。モジュラ・パッケージのリポジトリにソース・コードを移入する必要があり、モジュール・ビルド・サービスを適切に構成する必要があります。また、モジュラRPMを生成できるように、モジュール・ビルド・サービスおよび関連ツールを構成する必要があります。詳細は、「モジュールのビルド」を参照してください。
必要な開発者リポジトリの有効化
重要:
次のリポジトリを有効にすると、サポートされていないパッケージがシステムで実行されることになる可能性があります。ソースからモジュラRPMパッケージをビルドするために使用されるシステムは、本質的に、サポートされていないシステムです。これらの手順を進める場合は、オラクル社から直接サポートを受けることのない、専用のシステムを使用します。
Oracle Linux 8用に入手可能なソースのビルドに必要な開発ツール、ライブラリおよび従属物の多くは、サポートされていない開発者リポジトリでホストされています。続行する前に、ご使用のシステムが最新の状態であり、リリース・パッケージの最新バージョンをインストールしてあることを確認してください。
sudo dnf update
oracle-epel-release-el8
パッケージをまだインストールしていない場合はそれをインストールし、必要なすべての開発者リポジトリを有効にします。
sudo dnf install oracle-epel-release-el8
sudo dnf config-manager --enable ol8_codeready_builder
sudo dnf config-manager --enable ol8_developer_EPEL
sudo dnf config-manager --enable ol8_distro_builder
パッケージ化ツールとモジュール・ビルド・サービスのインストール
次のように、ソースtarファイルおよびSPECファイルからRPMバイナリをビルドするために必要なツールとユーティリティ、およびMBSをインストールします。
sudo dnf install -y rpm-build yum-utils mock module-build-service oracle-mbs-tools
すべてのソース・パッケージのビルドを開始できるようにするためや、独自のビルド要件を満たすために、追加で従属物をインストールする必要がある場合があります。一般的に、ビルド・チームは、次のものを追加でインストールします。
sudo dnf install -y gcc python3-service-identity
オプションで、RPMソースの格納にGit Large File Storage (LFS)を使用する場合は、次のようにgit-lfs
パッケージをインストールします。
sudo dnf install git-lfs