5 PCPコマンド・リファレンス

この表では、PCPコマンドについて説明します。

アクション コマンド 説明
パフォーマンス・メトリック・レポート・ツール。 pmrep

Performance Metrics Collector Daemon (pmcd)サービスによって収集されたデータからレポートを生成します。

任意のパフォーマンス・メトリック値ダンパー。 pmval

特定のパフォーマンス・メトリックの現在の値またはアーカイブされた値をpmcdサービスから出力します。

特定のパフォーマンス・メトリックに関する詳細情報を確認します。 pminfo

特定のパフォーマンス・メトリックの現在の値またはアーカイブされた値をpmcdサービスから出力します。

高レベルのシステム・パフォーマンスの概要。 pmstat

指定された間隔で1行のシステム・パフォーマンスの概要を出力します。デフォルトでは、5秒ごとに新しい行が出力されます。

アーカイブされたログを比較し、違いをレポートします。 pmdiff

Performance Metrics Logger (pmlogger)サービスによって作成された2つのアーカイブ・ログとの違いを出力します。

収集されたパフォーマンス・データまたはライブ・パフォーマンス・データをプレーン・テキストとして出力します。 pmdumptext

pmcdサービスによって収集された情報を含むASCII形式のプレーン・テキスト・ファイルを生成します。

既存のログ・アーカイブの内部情報を出力します。 pmdumplog

pmloggerサービスによって収集されたアーカイブ・データのメタデータを出力します。

PCP内でdstatコマンドを実行します。 pcp dstat

非推奨のdstatユーティリティに依存するレガシー・スクリプトおよびトラブルシューティング手順の互換性を提供します。

リアルタイムでのライブ・パフォーマンス・メトリックの確認

ライブ・パフォーマンス・メトリックを確認するには、pmrepおよびpmvalコマンドを使用します。

eth0ネットワーク・インタフェースからのすべての送信メトリックをリアルタイムで監視するには、pmrepコマンドを使用します。

sudo pmrep -i eth0 -v network.interface.out

2秒間隔で各パーティションのライブ・ハード・ドライブ操作を監視するには、pmvalコマンドを使用します。

sudo pmval -t 2sec -f 3 disk.partitions.write

記録されたパフォーマンス・メトリックの確認

pmdumptextpmstatおよびpmdiffコマンドを使用して、pmloggerサービスによって収集されたメトリックを確認します。

pmloggerサービスが生成するアーカイブは、すべて/var/log/pcp/pmlogger/hostnameディレクトリに格納されます。アーカイブされたパフォーマンス・メトリックを確認するには、このディレクトリに移動します。

指定した期間内の特定のパフォーマンス・メトリックのデータを確認するには、pmdumptextコマンドを使用します。たとえば、CPU負荷のリソース使用率メトリック、メモリー使用量、および特定の日付の13:00から14:00までのディスク書込み操作を確認するには、次のようにします。

sudo pmdumptext -Xlimu -t 10m -S @13:00 -T @14:00 'kernel.all.load[1]' 'mem.util.used' 'disk.partitions.write' -a 20250113.0.xz

pmstatコマンドでは、sarコマンドによって生成されるのと同様の形式でシステム・パフォーマンス・メトリックを提供できます。たとえば、特定の日付の09:00から10:00までの10分間隔で平均化されたパフォーマンス・メトリックを確認するには、次のようにします:

sudo pmstat -t 10m -S @09:00 -T @10:00 -a 20250113.0.xz

2つの期間のメトリックを比較するには、pmdiffコマンドを使用します。たとえば、ある日の02:00から03:00のメトリックを、別の日の09:00から10:00のメトリックと比較するには、次のようにします。

sudo pmdiff -S @02:00 -T @03:00 -B @09:00 -E @10:00 20250114.0.xz 20250113.0.xz

記録されたパフォーマンス・メトリックの詳細の確認

pminfoコマンドを使用して、特定のパフォーマンス・メトリックに関する詳細情報を確認します。

特定のメトリックに関する詳細情報を確認するには、pminfoコマンドを使用します。たとえば、空きメモリーの詳細を確認するには、次のようにします。

sudo pminfo -df mem.freemem -a 20250113.0.xz

パフォーマンス・メトリックが取得されたときのシステム・ステータスの確認

pmdumplogおよびpminfoコマンドを使用して、パフォーマンス・メトリックが取得されたときにシステム・ステータスを検証します。

パフォーマンス・メトリックを含むアーカイブに含まれるホスト、タイムゾーンおよび期間を確認するには、pmdumplogコマンドを使用します。

sudo pmdumplog -L 20250113.0.xz

有効なすべてのパフォーマンス・メトリックのリストを確認するには、pminfoコマンドを使用します。

sudo pminfo -a 20250113.0.xz

PCPを使用したdstatの実行

pcp dstatコマンドを使用して、PCPによって収集されたパフォーマンス・メトリックを確認します。

以前のOracle Linuxリリースで提供されたdstatユーティリティは、積極的には開発されなくなりました。かわりに、Performance Co-Pilot (PCP)は、システム・パフォーマンスの問題を診断するための同じ機能を多数提供します。

pcp dstatコマンドに指定されたコマンド・オプションを確認するには、次のコマンドを実行します:

pcp dstat -h
Usage: pcp-dstat [-afv] [options...] [delay [count]]
Versatile tool for generating system resource statistics
            
Dstat options:
-c, --cpu             enable cpu stats
-C 0,3,total          include cpu0, cpu3 and total
-d, --disk            enable disk stats
-D total,sda          include sda and total
...

デフォルトでは、他のオプションを指定せずにこのコマンドを実行すると、CPU、ディスク、ネットワーク、ページおよびシステムに関する統計が表示されます:

pcp dstat
You did not select any stats, using -cdngy by default.
----total-usage---- -dsk/total- -net/total- ---paging-- ---system--
usr sys idl wai stl| read  writ| recv  send|  in   out | int   csw 
0   0 100   0   0|   0     0 | 198B  719B|   0     0 | 156   254 
0   0 100   0   0|   0    12k|  66B  302B|   0     0 | 160   264 
0   0  99   0   0|   0     0 | 132B  384B|   0     0 | 136   219 
...

ツールの前の反復と同様に、pcp dstatでは、実行中のメトリックと統計のリストをリアルタイムで生成します。プロセスを停止するには、[Ctrl]キーを押しながら[C]キーを押します。

異なるオプションを使用して、pcp dstatコマンドからの情報出力を絞り込むことができます。たとえば、CPU 1のメトリックのみを表示するには、次のコマンドを実行します:

pcp dstat -c -C 1,total
-----cpu1-usage---------total-usage----
usr sys idl wai stl:usr sys idl wai stl
0   0 100   0   0:  0   0 100   0   0
1   0 100   0   0:  0   0  99   0   0
0   0 100   0   0:  0   0 100   0   0
...

同様に、特定のインタフェース(ens3など)のネットワーク統計情報のみを表示し、合計を表示するには、次のコマンドを実行します:

pcp dstat -n -N ens3,total
--net/ens3---net/total-
recv  send: recv  send
66B  350B:  66B  350B
66B  190B:  66B  190B
66B  198B:  66B  198B
66B  198B:  66B  198B
...

後で確認できるように、収集される統計情報をファイルに格納するには、このコマンドに-o outputfileオプションを含めます。

たとえば、ネットワーク統計を収集して/tmp/netstat-logファイルに情報を保存し、-fオプションを使用して完全な情報を出力するには、次のコマンドを実行します:

pcp dstat -n -f -o /tmp/netstat-log
--net/ens3-----net/lo--
recv  send: recv  send
66B  358B:   0     0 
66B  174B:   0     0 
66B  190B:   0     0 
341B  419B:   0     0 
66B  190B:   0     0 
66B  190B:   0     0 
66B  190B:   0     0

出力はプレーン・テキスト形式で保存されます。/tmp/netstat-logファイルの内容を確認するには、次のコマンドを実行します:

cat /tmp/netstat-log
...
"Host:","hostname",,,,"User:","user"
"Cmdline:","pcp-dstat -n -f -o /tmp/netstat-log",,,,"Date:","date"
"net/ens3",,"net/lo",
"net/ens3:recv","net/ens3:send","net/lo:recv","net/lo:send"
65.934,357.641,0,0
66.000,173.999,0,0
66.000,190.001,0,0
340.992,418.991,0,0
66.001,190.004,0,0
66,190,0,0
66.000,189.999,0,0