比較: 最長共通句
「最長共通句」比較では、2つの文字列値を比較し、両方の値に共通する最長句(その句が文字列値の全部か一部かに関係なく)の単語数を判断することにより、2つの値が一致しているかどうかを判断します。
句は、スペースで区切られた単語の連続として定義されます。
「最長共通句」比較を使用して、複数の単語が含まれ、その単語の順序が重要である文字列値の一致を検索します(たとえば、名称全体を照合する場合)。
「最長共通句」比較は、実質的に、「単語一致数」の順序に依存するバージョンです。デシジョン表内の下位の一致ルールでこれを使用すると、類似性はあるが他のルールを使用すると一致にならない(たとえば、一致しない単語が複数あるため)一致候補を検索してレビューできます。
この比較では、結果バンドの使用がサポートされています。
次の表に、構成オプションを示します。
オプション | タイプ | 説明 | デフォルト値 |
---|---|---|---|
データなしのペアを照合 |
はい/いいえ |
このオプションは、識別子の2つのデータなし(Null、または空白文字のみを含む)値を比較した際に、比較結果を判断します。 「いいえ」に設定した場合、データなし値と別のデータなし値を比較した際、「データなし」の比較結果が返されます。 「はい」に設定した場合、データなし値と別のデータなし値を比較した際、0の比較結果が返されます。「データなし」結果が返されるのは、データなし値と移入値を比較した場合のみです。 |
いいえ |
大文字/小文字を区別しない |
はい/いいえ |
値を比較する際に、大文字/小文字を区別しないかどうかを設定します。 |
はい |
文字エラーの許容範囲 |
整数 |
このオプションは、単語を相互に比較する際に許容される文字編集の回数を指定します。文字編集距離が指定された数値以下の単語はすべて、同じとみなされます。 たとえば、1に設定した場合、「95 Charnwood Court, Mile End, Parnham, Middlesex」と「95 Charwood Court, Mile End, Parnam, Middlesex」はこの許容範囲を考慮するとすべての単語が相互に一致するため、最長共通句の長さは7語になります。 |
0 |
数の許容範囲を無視 |
はい/いいえ |
このオプションを使用すると、すべてが数値で構成される単語に対して、文字エラーの許容範囲を無視できます。 たとえば、「はい」に設定して、文字エラーの許容範囲を1にした場合、数値95と96は異なるとみなされるため、1文字しか違わないにもかかわらず、「95 Charnwood Court, Mile End, Parnham, Middlesex」と「96 Charnwood Court, Mile End, Parnam, Middlesex」の最長共通句の長さは6語になります。 「いいえ」に設定した場合、数値は他の単語と同様に処理されるため、前述の例では95と96は同じとみなされ、最長共通句の長さは7語になります。 |
はい |
許容範囲値をパーセンテージ値で処理 |
はい/いいえ |
これを使用すると、文字エラーの許容範囲を、単語長(文字数)に対するパーセントとして処理できます。たとえば、1つの単語で5文字ごとに1つの文字エラーを許容するには、20%の値を使用します。 このオプションは、短い単語が1文字異なるだけで同じと処理されることを防ぐ一方で、長い単語では入力ミスとして許容できるようにする場合に役立ちます。たとえば、「Parnham」と「Parnam」は同じとみなしますが、「Bath」と「Batt」は別として処理されます。 「はい」に設定した場合、単語に差異があるが同じとみなすために、「文字エラーの許容範囲」オプションは、1つの単語内で差異を許容できる文字数の最大パーセントとして入力する必要があります。たとえば、Trueに設定した場合、文字エラーの許容範囲を20%とすると、ParnamとParnhamは同じとみなされます。これは、これらの編集距離が1であり、かつ、ワード長が7文字を超える場合は、1文字の一致エラーの割合が14%となり、20%のしきい値を下回るためです。一方、BathとBattという値は文字の一致エラーの割合が25% (4文字のうち1つがエラー)であるため、同じとはみなされません。 「いいえ」に設定した場合、「文字エラーの許容範囲」オプションは単語間の文字編集の許容範囲として処理されます。 |
いいえ |
例
この例では、「最長共通句」比較を使用して、顧客名の一致候補を識別します。次のオプションを指定します。
-
データなしのペアを照合= いいえ
-
大文字/小文字を区別しない = はい
-
文字エラーの許容範囲 = 0
-
数の許容範囲を無視= いいえ
-
許容範囲値をパーセンテージ値で処理= いいえ
結果例
次の表に、前述の構成を使用した比較結果をいくつか示します。
表1-48 結果例: 最長共通句
値A | 値B | 比較結果 |
---|---|---|
Mike Robert Davis |
Robert Mike Davis |
1 |
Mike Robert Davis |
Robert Davis |
2 |
Mike Roberts |
Mike Robert Davis |
1 |
Mike Robert Davis |
Mike Davis |
1 |
Ian Stanley James |
Ian S James |
1 |
Ian James |
Ian James Smith |
2 |
Ian James Smith |
Ian James SMITH |
3 |