リリース12cにおけるこのマニュアルの新機能 (12.2.1.4.0)

次のトピックはOracle JDeveloperとOracle Application Development Framework (Oracle ADF)の新機能と変更された機能、およびこのガイドで説明されているその他の重要な変更点について概要を示しています。以前のJDeveloperリリースでは、このドキュメントは『Oracle Application Development Framework Fusion開発者ガイド』というタイトルでした。

リリース12c (12.2.1.4.0)の新機能と変更された機能

Oracle JDeveloperおよびOracle Application Development Framework (Oracle ADF)のOracle Fusion Middlewareリリース12c (12.2.1.4.0)には、次の新しい開発機能と変更された開発機能が含まれています。これらの機能について、このガイドで説明します。

  • ADF RESTフレームワークのランタイムおよびデザインタイム

    • 4つの新しいADF RESTフレームワーク・バージョンが追加され、RESTリソースに対する新しいランタイム・サポートが提供されます。リクエストを処理するデフォルトのフレームワーク・バージョンを宣言することで、RESTアプリケーション開発者は特定のADF RESTフレームワークで導入される機能を選択できます。デフォルトのADF RESTフレームワーク・バージョンは、adf-config.xmlファイルでアプリケーション別に宣言されます。JDeveloperリリース12.2.1.4.0では、フレームワーク・バージョン4、5、6および7が既存のバージョン1から3に追加されています。
      • バージョン4以降では、application/vnd.oracle.adf.error+jsonまたはapplication/jsonのメディア・タイプに対してADF RESTリクエストが作成されると、レスポンスに例外の詳細が表示されるようになります。「例外ペイロード・エラー・レスポンスの取得」を参照してください。
      • バージョン5以降では、行一致検索を使用してネストされたLOVリソースにアクセスすることで、リソースのフィルタ処理をサポートします(例: /rest/v1/Cities?finder=ByState;name='California')。このバージョン以降、行コンテキストのLOV URLがペイロードおよび記述で返されなくなります。最上位レベルのリソースを指すLOVリソースURLのみが記述され、ペイロードに含まれます。「フレームワーク・バージョン5以降でのLOV有効属性値の取得」を参照してください。

      • バージョン6以降では、リソース・フィールドとリンクやヘッダーなどのアイテム・コンテキスト情報を容易に区別できます。このバージョンでは、新しい要素@contextが導入され、アイテムのすべての情報が@contextの下に移動します。バージョン6では、レスポンスでの警告詳細の取得もサポートしています。「グループ化されたコンテキスト情報を持つリソースのフェッチ」および「ペイロード・レスポンス内の警告メッセージの取得」を参照してください。

      • バージョン7 (12.2.1.4.0の最新バージョン)では、最上位レベルのLOVがサポートされ、ADF REST記述で行レベルのLOVリソースの記述が削除され、リソース・アイテムのペイロード・リンク・セクションからLOVリンクが削除されます。以前のフレームワーク・バージョンでは、RESTリソースの行コンテキストでLOVがサポートされていました。「ADF RESTフレームワークのバージョニングに関する必知事項」を参照してください。

      使用可能なすべてのフレームワーク・バージョンで導入されている機能の概要については、「ADF RESTフレームワークのバージョニングに関する必知事項」を参照してください。
    • ADF RESTリソース・カタログの記述を制限する様々な方法が用意されています。カタログの記述を、最小限の詳細(最小限の記述)のみを取得することで、または(設計時にリソースに対して指定された)リソースの可視性 - プライベート、パブリックまたはその両方に基づいて取得することで、あるいは親リソースを取得してオプションでネストされた子リソースを除外または含めることで取得できるようになりました。「ADF RESTカタログの記述の取得」を参照してください。

    • ADF RESTリソースを記述する様々な新しい方法が用意されています。リソースの記述を、2つ以上の名前付きリソースを取得することで、filtersまたはpartialDescriptionパラメータを使用してリソースの記述を制限することで、および特定のバージョンのリソースを識別するためにWebサーバーによって割り当てられたETag値に基づいてリソースを取得することで、取得できるようになりました。「ADF RESTリソースの記述の取得」を参照してください。

    • ADF RESTリソースの記述では、プロパティ“mandatory”を使用して、属性が必須かどうかを特定します。リソースの記述の“mandatory”プロパティは、設計時に指定されたビュー・オブジェクト属性メタデータに基づきます。「ADF RESTリソースの必須属性に関する必知事項」を参照してください。

    • POSTメソッドの新規アップサート・モードでは、ペイロードのコンテンツをマージして、存在するリソース・アイテムを更新するか、存在しない場合はリソース・アイテムを作成できます。「リソース・アイテムの更新または作成(Upsert)」を参照してください。

    • 単一引用符(フレームワーク・バージョン2以降)を使用してリテラル値を定義することで、ADF REST GETリクエストの問合せパラメータ文字列で特殊文字を使用できます。「GETメソッドの操作」を参照してください。

    • タイプが文字列のリソース・アイテムの大/小文字を区別したソートが、ADF REST GETリクエストのorderBy問合せ文字列パラメータによってサポートされるようになりました。orderBy句では、デフォルトで大文字を含むレコードが最初にソートされ、次に小文字がソートされます。大/小文字を区別しないソートを行うには、orderBy句をupper(attrName)またはlower(attrName)と組み合せます。「リソース・コレクションのソート」を参照してください。

    • ADF RESTフレームワークで、Cache-Controlの構成オプションがサポートされるようになりました。これらの追加の構成オプションは、RESTリソースのソース・エディタで指定できます。リソースで定義されている場合、ADF RESTレスポンスのペイロードにCache-Controlヘッダーが追加されます。「Cache - Controlヘッダーに関する必知事項」を参照してください。

    • JDeveloperの表からのビジネス・コンポーネント作成ウィザードは、様々なビジネス・コンポーネントの生成とADF RESTリソースの作成を1つのエンド・ツー・エンド・プロセスに組み合せたウィザードです。このウィザードを使用すると、RESTリソースを迅速かつ容易に作成できます。「表からのビジネス・コンポーネントの作成ウィザードを使用してADF RESTリソースを作成する方法」を参照してください。

    • ビュー・オブジェクトのJDeveloper概要エディタで定義されている属性ヒントを、オプションでRESTリソースの記述の属性プロパティとして表示できます。「ADF REST属性のヒントに関する必知事項」を参照してください。

  • ADFビジネス・コンポーネント

    • ADFアプリケーションでは、他のスクリプト・クラスで使用可能なクラスを定義する、カスタムのスクリプト式クラスがサポートされるようになりました。スクリプト・クラス・ファイルを使用すると、任意のビジネス・コンポーネント・クラス内からコールできる、共通のGroovyスクリプト式を保持できます。「スクリプト式クラス・ファイルの作成方法」を参照してください。

    • ADFアプリケーションでは、フラグEOSecurityOverrideを設定することで、ビュー・オブジェクトのデータ・セキュリティのオン/オフを切り替えることができるようになりました。これは、ビュー・オブジェクトのviewdef.xmlでのメタデータ・レベルの設定です。「エンティティ・オブジェクトのセキュリティのオーバーライドに関する必知事項」を参照してください。

  • ADFタスク・フロー
    • ADFアプリケーションでは、オプションのタスク・フロー・バインディング・プロパティprocessRegionForRefreshに設定されたEL式がサポートされるようになり、関連するADFリージョンをリフレッシュ操作に含めるかどうかが決定されます。デフォルトでは、ADFリージョンはリフレッシュ操作に含められます。「ADFリージョンのリフレッシュの構成方法」を参照してください。
  • ADF Webユーザー・インタフェース

リリース12c (12.2.1.4.0)に関するこのドキュメントにおけるその他の大きな変更

リリース12c (12.2.1.4.0)について、このドキュメントの一部が更新されています。次の表に、追加または変更された項を示します。

第II部 ビジネス・サービスの構築

  • ADF RESTリソースのカスタム・メソッドの作成に関連するセクションが削除されました。これは、リリース12.2.1.4.0.ではサポートされなくなりました。

  • バインド変数の古いユース・ケースについて説明するセクションが削除されました。カスタム・ビュー・オブジェクト・クラスでのバインド変数の生成は、JDeveloperでビュー・オブジェクトの概要エディタの「Java」ページから開く「Javaオプションの選択」ダイアログのオプションではなくなりました。UIフィールドでバインド・パラメータ値を更新できるようにするには、ビュー基準を使用する方法をお薦めします。

第III部 モデル・レイヤーの使用方法

  • 「ADF RESTバッチ・リクエスト」セクションが改訂され、ペイロード・サンプルのリソース・バージョン(POST URLでのみリソース・バージョンを指定する必要があることを明確にするために、POST URLのリソース・バージョンも示しています)が削除されました。「バッチ・リクエストの実行」を参照してください。

  • RESTリクエストおよびレスポンスで使用可能なヘッダーのリストを更新するために、ADF RESTヘッダー・セクションが改訂されました。「ADF REST HTTPヘッダー・サポート」を参照してください。

  • ADF RESTリソースのカスタム・メソッドの実行に関連するセクションが削除されました。この機能は、リリース12.2.1.4.0.ではサポートされなくなりました。

第IV部 ADFタスク・フローの作成

第VI部 アプリケーションの完成

  • 一時ビュー・オブジェクトによる受動化またはアクティブ化を可能にするには、null以外のキー属性値が必要であることを注記するために、一時ビュー・オブジェクトの受動化に関するセクションが改訂されました。「一時ビュー・オブジェクトの受動化に関する必知事項」を参照してください。

第VII部 付録

  • EntityImpl.getStructureDef()メソッド呼出しの戻り値をEntityCacheにダウンキャストすることがサポートされないことを注記するため、EntityImplメソッドのトピックが改訂されました。EntityCacheのインスタンスを取得するには、EntityImplオブジェクトで既存のgetEntityCache()メソッドを呼び出します。「EntityImpl上でよくコールされるメソッド」を参照してください。