Oracle Big Data Applianceリリース5.1での変更点
リリース5.1には、次の新機能、ソフトウェア・リビジョンおよびその他の変更が含まれています。
Cloudera 6.2.1のサポート
Oracle Big Data Appliance 5.1は、Cloudera Enterprise 6.2.1に基づいています。6.2.1のリリースの詳細は、Cloudera Webサイトを参照してください。
サポートされるアップグレード
リリース4.12、14.13、4.14からOracle Big Data Applianceリリース5.1に直接アップグレードできます。アップグレードを実行する前に、重要な前提条件が満たされている必要があります。前提条件、アップグレード手順および既知の問題については、Oracle Big Data Applianceオーナーズ・ガイドのOracle Big Data Applianceソフトウェアのアップグレードを参照してください。
既存のOracle Linux 6クラスタからBig Data Appliance 5.1へのアップグレードはサポートされていますが、新しいOracle Linux 6クラスタを作成するオプションはありません。
Oracle Linux 6からOracle Linux 7への移行のサポート
Oracle Big Data Appliance 5.1には、Oracle Linux 6からOracle Linux 7へのクラスタ・ノードの移行のサポートが含まれています。
アップグレードおよびクラスタ拡張のための新しいMammothオプション
Mammothは、新しいラックでのBig Data Applianceソフトウェアの完全インストール、アップグレード、クラスタ拡張、およびパッチのインストールを行うために実行するユーティリティです。以前は完全インストールでのみ使用可能だったMammothの-s
(単一ステップ)オプションおよび-r
(ステップの範囲)オプションが、アップグレードとクラスタ拡張の両方で使用できるようになりました。
- この例では、
-s
を使用して、アップグレードのステップ1のみを実行しています。ステップ1は事前チェックおよび事前構成操作のセットです。# ./mammoth -s 1 -p
- この例では、-rを使用してクラスタ拡張のステップの範囲を実行しています。新しいノードごとにステップ4 (PrepareBaseImage)までのすべてのステップが実行されますが、それ以降は続行されません。
# ./mammoth -r 1-4 -e node13 node14 node15
マルチラック・クラスタの統一されたサービス・レイアウト
以前のリリースでは、クラスタがもともとマルチラック・クラスタとして構成されていたか、1ラック・クラスタが追加ラックで拡張されたかによって、マルチラック・クラスタのノード間でのサービスの分散が異なります。どちらの場合も、リリース5.1より前のリリースでは、最初のラックのサービス・レイアウトはシングル・ラック・クラスタのサービス・レイアウトと異なります。
Oracle Big Data Appliace 5.1では、1ラック・クラスタおよびマルチラック・クラスタの最初のラックのサービスの分散は同じです。2番目以降のラックのサービスは、クラスタが1ラック・クラスタまたはマルチラック・クラスタのどちらとして開始されたかどうかにかかわらず一貫性を持つようになりました。
X8-2Lサーバー
Big Data Appliance 5.1は、以前のリリースでサポートされていたX8-2Lサーバーおよび以前のサーバー・モデルをサポートしています。Oracle Big Data ApplianceのX8-2LとX7-2Lとの重要な違いは、処理能力と記憶域の点です。
- X8-2L: 2.4 GHz Intel Xeon 8260 CPU、14 TB HDDおよび240 GB Intel M.2 SSD
- X7-2L: 2.1 GHz Xeon 8160 CPU、10 TB HDD、150 GB Intel M.2 SSD
Big Data Appliance X8-2LとX7-2Lの両方で、同じ32 GB DDR 4 - 2666 MHzのメモリーが使用されます。
X8-2L HDDの余分な4 TBストレージは、Big Data Appliance 5.1では使用されず、このリリースでの顧客による使用が可能です。
X8-2Lサーバーは、X7-2Lサーバー、X6-2LサーバーおよびX5-2Lサーバーで構成される既存のクラスタに統合できます。これを行うには、最初に、クラスタの既存のノードでBig Data Applianceリリース4.10以上が実行されていることを確認します。
新しいX8ラックが、あらかじめ取り付けられたベース・イメージとともにX8-2Lサーバーに同梱されています。OSレベルはOracle Linux 7です。
X8-2Lサーバーは、Oracle Linux 6クラスタの拡張に使用するためにOracle Linux 6に再イメージ化できます。ただし、近い将来クラスタをOracle Linux 7に移行する予定の場合、この時点でOracle Linux 6からOracle Linux 7へのX8-2Lサーバーの移行はサポートされていないことに留意してください。
X8ラックは、既存のX7、X6またはX5ラックとともにマルチラック構成に統合できます。
X8ラックに配線の変更はありません。
CPUコア・キャッピング
コア・キャッピングでは、アプライアンスの2つのCPU内の物理コアを無効または有効にできます。この機能の考えられる用途の1つは、サーバーをライセンスに準拠させることです。コアは、bdacliユーティリティを使用して有効または無効にできます。Oracle Big Data Applianceオーナーズ・ガイドのサーバーでのCPUコアのキャッピングを参照してください。
障害が発生したオペレーティング・システム・ディスクおよびデータ・ディスクの交換の自動構成
Bdaconfigurediskユーティリティを使用すると、スクリプトの実行後に手動で介入することなく、交換ディスクの構成またはディスクの再構成を行うことができます。このスクリプトは、OSディスクとデータ・ディスクの両方をサポートします。Oracle Big Data Applianceオーナーズ・ガイドのbdaconfigurediskを参照してください。
Big Data SQL 4.0について
Oracle Big Data SQLでは、Apache Hive、HDFS、Oracle NoSQL Database、Apache Kafka、Apache HBase、その他のNoSQLデータベースなど、複数のビッグ・データ・ソースに格納された非リレーショナル・データに対する問合せをサポートしています。
リリース4.0には、ORACLE_HIVEおよびORACLE_HDFSに加えて、新しいORACLE_BIGDATAドライバも含まれています。このドライバを使用すると、クラウドのオブジェクト・ストア内のデータに対して外部表を作成できます。現在、Oracle Cloud InfrastructureおよびAmazon S3がサポートされています。
リリース4.0で導入されたもう1つの機能は、問合せサーバーです。これは、Big Data Applianceクラスタ内のエッジ・ノードでローカルに実行される、軽量でメンテナンス不要のOracle Databaseです。これにより、Oracle Databaseの完全なインストール環境がなくても、Hadoopのデータを簡単に問い合せることができます。問合せサーバーでは、セッション間で保持するのに便利なメタデータの特定のカテゴリを除いて、永続記憶域が提供されません。
Big Data SQL 4.0は、主にOracle Database 18c以降で使用することが意図されています。Oracle Database 12.1および12.2も完全にサポートされています(これらのデータベース・バージョンで4.0の新機能は利用できません)。
関連項目:
Oracle Big Data SQL 4.0インストレーション・ガイドおよびOracle Big Data SQL 4.0ユーザーズ・ガイドBig Data SQLコンポーネントは、HadoopとOracle Databaseの両方にインストールする必要があります。インストレーション・ガイドでは、両方の部分のインストールの手順が説明されており、サポートされているいくつかのHadoopフレームワークに製品をインストールするための一般的な手順が含まれています。ただし、Oracle Big Data Applianceでは、Hadoop側のインストールの大部分はMammoth (Big Data Applianceインストーラ)と統合されています。Oracle Big Data Applianceオーナーズ・ガイドのOracle Big Data SQLのインストールでは、Big Data ApplianceでのBig Data SQLのHadoop側のインストールの違いについて説明しています。
使用方法および参照情報については、Oracle Big Data SQLユーザーズ・ガイドを参照してください。
このリリースでのソフトウェア・バージョン
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Cloudera Enterprise 6.2.1 (CDH、Cloudera Manager、Key Trustee、Sentry、Impala、Cloudera Search、Apache HBase 2.0、Apache Hive 2.0、Apache Spark 2.2、Apache Kafka 2.10を含む)。
Kudu、KafkaおよびKey Trustee Server 用のClouderaパーセルは便宜上含まれていますが、デフォルトではデプロイまたは構成されません。
Oracle Big Data Appliance 4.13では、MammothインストーラによってApache Spark 2が自動的にデプロイされます。Oracle Big Data Appliance 5.1へのアップグレードでは、このパッケージが削除されます。
- Oracle Big Data SQL4.0
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Oracle Big Data Connectors 5.0
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Oracle NoSQL Database Enterprise Edition 19.3.12
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Oracle NoSQL Community Edition 18.1.19
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MySQL 5.7.27
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Oracle R Advanced Analytics for Hadoop (ORAAH) 2.8.1
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OracleのR Distribution (ORD) 3.3.0
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Oracle Big Data Spatial & Graph 2.5.3
2.5.3リリースには、いくつかの新しいAPIが含まれています。インメモリー・アナリスト(PGX)に新しい2つのアルゴリズムが追加され、PGQLサポートのためにいくつかの新機能が追加されています。
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Java JDK 8u221
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新規クラスタの場合: Oracle Linux 7 (UEK4)。Oracle Linux 6クラスタのアップグレードの場合: Oracle Linux 6 (UEK4)。
ノート:
新しいOracle Big Data ApplianceラックにはOracle Linux 7が付属します。
X8-2LまたはX7–2Lサーバーをクラスタ内のノードとして追加するには、Oracle Big Datas Appliance 5.1をインストールする(新しく導入されたラックにない)既存のクラスタ内のすべてのサーバーをまずOracle Big Data Appliance 4.10.0に更新する必要があります。
ベース・イメージのダウンロードおよび手順については、My Oracle SupportのOracle Big Data Appliance Patch Set Master Note (Doc ID 1485745.1)を参照してください。
このリリースでサポートされないソフトウェアおよび機能
Cloudera Enterprise 6.xに移行されたため、現在、Oracle Big Data Applianceリリース5.1では次のソフトウェアをサポートできません。場合によっては、リリース5.1.にアップグレードする前に、ソフトウェアをアンインストールまたは無効化する必要があります。
- Oracle Big Data Discovery
Oracle Big Discoveryがインストールされている場合は、アップグレードする前にアンインストールします。この製品はCloudera 6と互換性がありません。
- 新しいKafkaクラスタおよびクラスタのアップグレード
Oracle Big Data Appliance 5.1では、新しいKafkaクラスタの作成が一時的にサポートされません。
既存のKafkaクラスタをアンインストールする必要はありません。これらは引き続き機能しますが、アップグレードできません。
- ローリング・アップグレード
通常、ローリング・アップグレード(ノードを1つずつアップグレードし、停止時間を回避します)は、Oracle Big Data Applianceリリースのオプションです。ただし、現在、このオプションはOracle Big Data Applainceリリース4.xから5.1へのアップグレードに使用できません。4.xから5.1へのアップグレードでは、クラスタで一定の停止時間が必要となります。
- ODI (Orace Data Integrator)エージェント現時点で、Oracle Big Data Appliance 5.1をサポートするODIエージェントのバージョンはありません。このエージェントはCloudera 6と互換性がありません。このエージェントが有効にされている場合は、クラスタをリリース5.1にアップグレードできません。アップグレードする前に、既存のODI (Oracle Data Integrator)エージェントが無効になっていることを確認します。
# bdacli getinfo cluster_odi_enabled
Oracle Big Data Applianceの構成ユーティリティでは、インストールでODIエージェントを選択できません。既存のmaster.xmlファイルを構成ユーティリティにインポートする場合は、新しい構成ファイルを生成する前に、ODIエージェントのインストールの選択が解除されていることを確認してください。同様に、bdacliユーティリティを使用してOracle Big Data Connectorsを有効にした場合、
bdacli enable bdc
コマンドでODIエージェントは有効になりません。