ヘッダーをスキップ
Oracle® VM Serverリリース・ノート
リリース2.2.1
B57075-02
 

 

Oracle® VM

Serverリリース・ノート

リリース2.2.1

B57075-02(原本部品番号:E15443-05)

2010年8月

このドキュメントには、Oracle VM Serverリリース2.2.1の情報が含まれ、製品ドキュメントより優先されます。このドキュメントには、Oracle VM Serverドキュメントに含まれていない最新情報が記載されています。このドキュメントは、Oracle VM Serverをインストールする前にお読みください。このドキュメントはリリース後に更新される場合があります。このドキュメントの更新版を確認したり、その他のOracleドキュメントを参照するには、Oracle Technology Network Japan(OTN)Webサイトのドキュメントのセクションを参照してください。

http://www.oracle.com/technology/documentation/

このドキュメントの内容は、次のとおりです。

1 はじめに

Oracle VMは、仮想化テクノロジの利点を活用するための環境を完備したプラットフォームです。Oracle VMを使用すると、サポートされている仮想化環境に、オペレーティング・システムおよびアプリケーション・ソフトウェアを配置できます。Oracle VMのコンポーネントは、次のとおりです。

このドキュメントには、Oracle VM Serverの最新のリリース情報が含まれています。Oracle VM Managerの最新のリリース情報については、『Oracle VM Managerリリース・ノート』を参照してください。

2 ハードウェア要件

このリリースのOracle VM Serverは、i686およびx86_64のホスト・ハードウェアのみをサポートします。Oracle VM Serverでは、i686クラス以上の32ビットまたは64ビットのプロセッサをホスト・コンピュータに搭載する必要があります。これには、Intel Pentium Pro以上のすべてのプロセッサと、AMD Athlon/Duron以上のすべてのプロセッサが含まれます。Pentium 4またはAthlon以上のCPUを使用することをお薦めします。

ハードウェアの仮想化に対応した(未修正の)ゲスト・オペレーティング・システム(Microsoft Windowsなど)の場合、ハードウェアの仮想化をサポートするCPUが必要です。これには、Intel Pentium D/Core/Core2/XeonモデルとAMD Athlon/Opteronモデルが含まれます。また、この機能をBIOSで有効化する必要があります。ハードウェアの仮想化がサポートされているかどうか、またBIOSでの有効化方法については、ご使用のプロセッサのドキュメントを参照してください。

複数のゲストを実行する場合、デュアル・コアCPUまたは複数のCPUを使用することをお薦めします。

最小のメモリー要件は1GB RAMですが、2GB以上のRAMを搭載したコンピュータの使用をお薦めします。ゲストのメモリー要件は、ゲスト・オペレーティング・システムごとに異なります。ゲスト・オペレーティング・システムについては、個別にメモリーのサイジングを行ってください。

3 Dom0のメモリー設定

dom0メモリーの値はデフォルトのままにしておくことをお薦めします。インストール時に、デフォルトで502 + 0.0205 * 物理メモリー(MB)に設定されています。

4 サポートされているゲスト・オペレーティング・システム

作成するゲスト・オペレーティング・システムは、次に示すサポート構成のいずれかである必要があります。

表1 64ビットCPUハードウェア仮想化でサポートされているゲスト・オペレーティング・システム(LinuxおよびSolaris)

ゲスト・オペレーティング・システム ハードウェア仮想化(32ビット) PVドライバを使用したハードウェア仮想化(32ビット) ハードウェア仮想化(64ビット) PVドライバを使用したハードウェア仮想化(64ビット)

RedHat Enterprise Linux 3.x

不可

Oracle Enterprise Linuxリリース4.x

RedHat Enterprise Linux 4.x

Oracle Enterprise Linuxリリース5.x

RedHat Enterprise Linux 5.x

Oracle Solaris 10 (1)

N/A

N/A



注意:

(1) Oracle Solaris 10は、Solaris 10 10/09でサポートされるようになりました。Solaris 10 OSは、ハードウェア仮想マシン(HVM)として動作します。これには、基礎となるハードウェア・プラットフォームでHVMサポート(Intel VTまたはAMD-V)が必要です。デフォルトのSolaris 10 OSには、OSの一部として必須の準仮想化(PV)ドライバがすでにインストールされています。Oracle Solaris 10では、x86 32ビットと64ビットのアーキテクチャがサポートされています。OSの起動時に、ハイパーバイザまたは基礎となるハードウェアを調べて、32ビット・モードまたは64ビット・モードが選択されます。

表2 64ビットCPUハードウェア仮想化でサポートされているゲスト・オペレーティング・システム(Microsoft Windows)

ゲスト・オペレーティング・システム ハードウェア仮想化(32ビット) PVドライバ1.xを使用したハードウェア仮想化(32ビット) PVドライバ2.xを使用したハードウェア仮想化(32ビット) ハードウェア仮想化(64ビット) PVドライバ1.xを使用したハードウェア仮想化(64ビット) PVドライバ2.xを使用したハードウェア仮想化(64ビット)

Microsoft Windows(tm) 2000 SP4

不可

不可

不可

不可

Microsoft Windows(tm) Server 2003 SP2

可(2)

可(2)

Microsoft Windows(tm) Server 2003 R2 SP2

可(2)

可(2)

Microsoft Windows(tm) XP SP2

可(2)

可(2)

Microsoft Windows(tm) Vista SP2

可(2)

可(2)

Microsoft Windows(tm) Server 2008 SP 1

可(2)

可(2)

Microsoft Windows(tm) Server 2008 R2

N/A

N/A

N/A

可(2)

不可

Microsoft Windows(tm) 7

可(2)

不可

可(2)

不可



注意:

(2) Windows PVドライバのインストールを簡単にするためにHVM専用モードが使用されます。ゲストOSとしてサポートされるには、Windows OSにWindows PVドライバが必須です。

表3 64ビットCPU準仮想化でサポートされているゲスト・オペレーティング・システム

ゲスト・オペレーティング・システム 準仮想化(32ビット) 準仮想化(64ビット)

Oracle Enterprise Linuxリリース4.x

RedHat Enterprise Linux 4.x

Oracle Enterprise Linuxリリース5.x

RedHat Enterprise Linux 5.x


表4 32ビットCPUハードウェア仮想化でサポートされているゲスト・オペレーティング・システム(LinuxおよびSolaris)

ゲスト・オペレーティング・システム ハードウェア仮想化(32ビット) PVドライバを使用したハードウェア仮想化(32ビット)

RedHat Enterprise Linux 3.x

Oracle Enterprise Linuxリリース4.x

RedHat Enterprise Linux 4.x

Oracle Enterprise Linuxリリース5.x

RedHat Enterprise Linux 5.x

Oracle Solaris 10 (3)

N/A



注意:

(3) Oracle Solaris 10は、Solaris 10 10/09でサポートされるようになりました。Solaris 10 OSは、ハードウェア仮想マシン(HVM)として動作します。これには、基礎となるハードウェア・プラットフォームでHVMサポート(Intel VTまたはAMD-V)が必要です。デフォルトのSolaris 10 OSには、OSの一部として必須の準仮想化(PV)ドライバがすでにインストールされています。Oracle Solaris 10では、x86 32ビットと64ビットのアーキテクチャがサポートされています。OSの起動時に、ハイパーバイザまたは基礎となるハードウェアを調べて、32ビット・モードまたは64ビット・モードが選択されます。

表5 32ビットCPUハードウェア仮想化でサポートされているゲスト・オペレーティング・システム(Microsoft Windows)

ゲスト・オペレーティング・システム ハードウェア仮想化(32ビット) PVドライバ1.xを使用したハードウェア仮想化(32ビット) PVドライバ2.xを使用したハードウェア仮想化(32ビット)

Microsoft Windows(tm) 2000 SP4

不可

不可

Microsoft Windows(tm) Server 2003 SP2

可(4)

Microsoft Windows(tm) Server 2003 R2 SP2

可(4)

Microsoft Windows XP Professional

可(4)

Microsoft Windows Vista

可(4)

Microsoft Windows(tm) Server 2008 SP 1

可(4)

Microsoft Windows(tm) Server 2008 R2

N/A

N/A

N/A

Microsoft Windows(tm) 7

可(4)

不可



注意:

(4) Windows PVドライバのインストールを簡単にするためにHVM専用モードが使用されます。ゲストOSとしてサポートされるには、Windows OSにWindows PVドライバが必須です。

表6 32ビットCPU準仮想化でサポートされているゲスト・オペレーティング・システム

ゲスト・オペレーティング・システム 準仮想化(32ビット)

Oracle Enterprise Linuxリリース4.x

RedHat Enterprise Linux 4.x

Oracle Enterprise Linuxリリース5.x

RedHat Enterprise Linux 5.x


Oracle Enterprise Linux準仮想化ドライバは、Release 3 Update 9およびRelease 4 Update 4以降のOracle VM Server CDからインストールできます。また、Oracle Enterprise Linux Network(ULN)からダウンロードすることもできます。

表7 Oracle VMリリースでのWindows PVドライバのサポート・マトリクス

Oracle VMリリース Windows PV 1.0.8 Windows PV 1.0.11 Windows PV 2.0.7

Oracle VM Server 2.1.5

不可

Oracle VM Server 2.2.0

不可

Oracle VM Server 2.2.1

不可


5 Oracle VM ServerおよびManagerのサポート・マトリクス

次に、特定バージョンのOracle VM Serverを実行しているサーバー・プールを管理するための特定バージョンのOracle VM Managerの互換性を示します。

Oracle VM Managerは、様々なバージョンのOracle VM Serverのサーバー・プールを管理できます。たとえば、Oracle VM Manager 2.2.0で、Oracle VM 2.1.5 Serverのサーバー・プール、Oracle VM 2.2.0 Serverのサーバー・プール、Oracle VM 2.2.1 Serverのサーバー・プールを管理できます。

Oracle VM Manager 2.2.0では、Oracle VM Server for x86バージョン2.1.0、2.1.1、2.1.2、2.1.5、2.2.0、2.2.1を管理できます。

Oracle VM Manager 2.1.5では、Oracle VM Server for x86バージョン2.1.0、2.1.1、2.1.2、2.1.5を管理できます。

Oracle VM Manager 2.1.2では、Oracle VM Server for x86バージョン2.1.0、2.1.1、2.1.2を管理できます。

Oracle VM Manager 2.1.1では、Oracle VM Server for x86バージョン2.1.0、2.1.1を管理できます。

Oracle VM Manager 2.1.0では、Oracle VM Server for x86バージョン2.1.0を管理できます。

各Oracle VMサーバー・プールは、同じバージョンのOracle VM Serverで構成されている必要があります。同じサーバー・プールでOracle VM 2.1.xと2.2.xのサーバーを混在させることはできません。

6 既知の制限とその回避策

ここでは、次の問題に対するOracle VM Serverの既知の制限とその回避策について説明します。

6.1 ヒュージ・ページ対応のゲストの移行に失敗する

ヒュージ・ページ機能が有効になっているOracle Enterprise Linux PVゲストからのライブ・マイグレーションは現在サポートされていません。

6.2 テンプレートがコピーされている場合はスパース・ファイル・オプションが使用されない

回避策: テンプレートがコピーされている場合にスパース・ファイル・オプションを使用するための構成可能オプションがあります。構成ファイル(/etc/ovs-agent/agent.ini)でパラメータを設定できます。事前定義されているスパース率よりテンプレートのスパース率が低い場合は、非スパース・ファイルとしてコピーされます。サーバーで常にスパース・コピーを使用するようにするには、この値を0に設定してから、Oracle VMエージェントを再起動します。

[vm]disk.sparse.ratio=0

6.3 複数のvCPUを使用するSolaris 10ゲストを起動できない

複数のvCPUsが構成されている場合にSolaris 10ゲストを起動できない場合は、Solaris 10パッチ144452-01を適用します。このパッチはOracleサポートから入手可能です。

6.4 Solaris 10のゲスト・ネットワークが動作しない

Solaris 10のゲストOSでネットワークが動作しなくなった場合は、Oracle VM Managerを使用して、Solaris 10仮想マシンのネットワーク・タイプを「準仮想化」に設定するか、vm.cfgを変更して、vifタイプをioemuからnetfrontに変更します。その後、SolarisのゲストOSにログインし、xnfネットワーク・インタフェースを構成します。

vif = ['bridge=xenbr0,mac=xx:xx:xx:xx:xx:xx,type=netfront']

6.5 エラー: 実行中のロックの取得に失敗: 256

HA対応のサーバー・プールに一貫性のないDLMロックがある場合、ロックを取得できないためにゲストVMの起動に失敗する可能性があります。

回避策: Oracle VM Agentをovs-agent-2.3-27以上に更新します。一貫性のないDLMロックの問題をリセットするには、Oracle VM ManagerまたはEnterprise ManagerからプールのHAを無効にした後、再度有効にします。サーバー・プール・マスター(dom0)から、次のコマンドを実行します。

# /opt/ovs-agent-2.3/utils/do_rpc.py cluster_setup False
# /opt/ovs-agent-2.3/utils/do_rpc.py cluster_setup

6.6 Dell PowerEdge R710を起動できない

Oracle VM Server 2.2.1をインストールして再起動した後もDell PowerEdge R710を起動できない場合は、サーバーのBIOSを2.0.11以上にアップグレードします。

6.7 24を超えるCPUを搭載するシステムにOracle VM Server 2.xをインストールすると問題が発生する

24を超えるCPUを搭載したシステムへのOracle VM Server 2.1.xまたは2.2.xのインストールでは、インストーラがロードされません。CPU初期化メッセージの後、コンソール・メッセージが停止します。

回避策: 24を超えるCPUを搭載したプロセッサ複合体でVM Server ISOメディアを起動するときに、次のようにインストール・コマンドラインでmax_cpusパラメータを追加します。

linux mpath max_cpus=1

64ビットのxenハイパーバイザが選択されている場合(デフォルトまたはgrubメニューから)、インストールされたVM Serverにmax_cpusパラメータは必要ありません。詳細は、My Oracle SupportのサイトにあるOracleサポートのNote 1082097.1を参照してください。

6.8 Oracle VM Server 2.2.1ではデフォルトでメモリー・バルーニングがオフになっている

Oracle VM Server 2.2.1の新規インストールでは、デフォルトではメモリー・バルーニングが無効になっています。以前のリリースのOracle VM ServerからOracle VM Serverリリース2.2.1にアップグレードする場合は、手動で/etc/xen/xend-config.sxpを変更し、デフォルトのdom0メモリーのバルーニング動作を変更します。xend-config.sxpdom0-min-mem=0だけを設定してもdom0メモリーのバルーニングは無効になりません。xend-config.sxpenable-dom0-ballooning=noを設定すると、dom0メモリーのバルーニングを無効にできます。

6.9 キックスタート方法で64GBのメモリーを搭載したサーバーにOracle VM Server 2.1.xおよび2.2.xをインストールするとエラーが発生する

キックスタート・ファイルを使用する64GBのメモリーを搭載したサーバーでは、次のエラー・メッセージが表示され、インストールが失敗する可能性があります。

Unknown interrupt or fault at EIP 00000060 c0400291 00000290

回避策: 32GBを超えるメモリーを搭載したシステムで、mem=4Gを設定するか、キックスタート・インストールのカーネル・コマンドライン・エントリで32GB未満の値を設定し、その後、インストール・プロセスを再試行します。

6.10 OCFS2クラスタのサイズが4Kの場合にハングする

既存のOCFS2パーティションのクラスタ・サイズが4Kの場合は、4つのドメインでストレス・テストを実行しているときにdom0がハングする場合があります。クラスタ・サイズが4Kになるのは、クラスタ・サイズを設定するために、オプション-C 1Mを指定せずに手動でmkfs.ocfs2コマンドを使用して、Oracle VM Server 2.1.xにOCFS2パーティションを作成する場合のみです。Oracle VM Server 2.1.5、2.2.0および2.2.1のデフォルトのインストール・プロセスを使用して、OCFS2パーティションでクラスタ・サイズを1Mに設定します。

6.11 新機能を有効にするためのOracle VM Managerのアップグレード

Oracle VM Serverリリース2.2.1の新機能をOracle VM Managerで使用するには、Oracle VM Managerをリリース2.2.0にアップグレードする必要があります。

6.12 32仮想CPUの制限

Oracle VM Serverリリース2.2.1は、64の物理CPUを搭載したマシンでサポートされています。更新済パッケージxen-3.4.0-0.1.21以上(OracleのUnbreakable Linux Network(http://linux.oracle.com)から入手可能)を使用すると、Oracle VM Server 2.2.1では最大で128の物理CPUがサポートされます。ただし、ハードウェアが仮想化または準仮想化されているゲストの場合、1ゲスト当たり32を超える仮想CPUはサポートされません。

6.13 Windows 2008のゲスト上のe1000コントローラでの不安定なネットワーク

e1000ネットワーク・デバイス・エミュレータ(コントローラ)を使用するMicrosoft Windows 2008のゲスト仮想マシンでは、ネットワーク接続が不安定になる場合があります。次のネットワークの問題が発生する可能性があります。

  • net useは失敗するか、または切断される場合があります。

  • ネットワークに到達できなくなる場合があります。

  • ネットワーク・パケットが失われる場合があります。

回避策: e1000ドライバのFlowControlおよびLargeSendOffload(IPv4)パラメータを次の設定に変更します。

  • FlowControlDisabledからTx & Rx Enabledに変更します。

  • LargeSendOffload(IPv4)EnabledからDisabledに変更します。

ドライバ・パラメータを変更するには、次の手順を実行します。

  1. 「デバイス・マネージャ」を開きます。

  2. 「ネットワーク・アダプタ」をダブルクリックします。

  3. 「Intel(R) PRO/1000 Network Connection」をダブルクリックします。

  4. 「詳細設定」タブを選択します。

  5. 前述のとおり設定を変更して「OK」をクリックします。

6.14 P2VユーティリティをRAMが512MB未満のコンピュータで使用できない

P2Vユーティリティは、RAMが512MB未満のコンピュータでは起動できません。次のようなエラーにより、カーネル・パニックが発生します。

VFS: Cannot open root device "<NULL>" or unknown block(0,21)
Please append a correct "root=" boot option
Kernel panic - not syncing: VFS: Unable to mount root fs on unknown-block(0,21)

6.15 P2Vユーティリティでの変換後にゲスト構成ファイルでディスク・エントリの順序が誤っている

sdaを使用するコンピュータをブート・デバイスとしてハードウェア仮想化ゲストに変換すると、そのゲストは起動(電源オン)しません。コンピュータが次のように構成されているとします。

  • ブート・デバイスがsda

  • セカンダリ・ディスクがhda

P2Vユーティリティによって、ゲスト構成ファイル・エントリは、次のように作成されます。

disk =
['file:/OVS/running_pool/myGuest/System-hda.img,hda,w',
'file:/OVS/running_pool/myGuest/System-sda.img,hdb,w',
]

ゲスト構成ファイルのディスク・エントリの順序が正しくありません。

回避策: ゲスト構成ファイル(vm.cfg)のディスクの順序を修正します。例の場合、次のようになります。

disk =
['file:/OVS/running_pool/myGuest/System-hda.img,hdb,w',
'file:/OVS/running_pool/myGuest/System-sda.img,hda,w',

6.16 ローカルSCSIディスクがP2Vユーティリティで作成されたゲストでのファイル・システム・チェックが失敗する

ローカルSCSIディスクがP2Vユーティリティで作成されたOracle Enterprise Linux Release 4のゲストでは、起動時にファイル・システム・チェックが失敗します。これは、ゲスト構成ファイルに、SCSIディスクとしてブート・ディスク以外が構成されている場合に発生します。次のようなエラーが表示されます。

Checking filesystems
/boot: clean, 35/130560 files, 31002/522080 blocks
fsck.ext3: Unable to resolve 'LABEL=/export0'
*** An error occurred during the file system check.
*** Dropping you to a shell; the system will reboot
*** when you leave the shell.
*** Warning -- SELinux is active
*** Disabling security enforcement for system recovery.
*** Run 'setenforce 1' to reenable.
Give root password for maintenance

回避策: /etc/fstabファイルにあるSCSIディスク・エントリをコメント・アウトします。

または、sym53c8xxモジュールを使用して/sbin/mkinitrdスクリプトで新しいinitrdイメージを作成します。sym53c8xxモジュールは、LSI Logic/Symbios Logic 53c895a SCSIコントローラ向けです。これは、ゲストに使用するSCSIコントローラです。Oracle Enterprise Linux Release 4 Update 7に新しいinitrdイメージを作成するには、次のコマンドを実行します。

# grep ' /boot ' /proc/mounts > /dev/null 2>&1 || mount /boot
# mv /boot/initrd-`uname -r`.img /boot/initrd-`uname -r`.img.orig
# mkinitrd --with sd_mod --with=sym53c8xx /boot/initrd-`uname -r`.img `uname -r` 

6.17 ゲスト・クロックのずれ

ゲスト・オペレーティング・システムのシステム時間は、Network Time Protocolデーモン(ntpd)が修正するよりも速い速度でずれる場合があります。

回避策: 準仮想化ゲストでは、/proc/sys/xen/independent_wallclockの値を1に設定します。デフォルト値は、0です。ハードウェア仮想化ゲストの場合は、定期的にntpdateを実行し、システム時計を設定し直します。

6.18 SELinuxサポート

SELinuxはこのリリースに含まれておらず、サポートされていません。

6.19 ゲスト間での重複IPアドレス

MACアドレスを含む仮想マシン・テンプレートを使用してゲストを作成すると、複数のゲストで同じIPアドレスが使用されてしまう原因になることがあります。この場合、ネットワークの競合が発生します。

回避策: それぞれのゲストで一意のMACアドレスを使用します。または、Oracle VM Managerでゲストを作成します。

6.20 Dom0での重複IPアドレス

dom0でネットワーク・サービスを再起動すると、xendブリッジ(xenbr0)とEthernetポート(eth0)の両方に同じIPアドレスが誤って設定されます。この問題を再現するには、次の手順を実行します。

  1. dom0のIPアドレスを表示します。

    # ifconfig
    

    次のような出力が表示されます。この出力は、IPアドレスがeth0ではなくxenbr0に割り当てられていることを示しています。

    eth0      Link encap:Ethernet  HWaddr XX:XX:XX:XX:XX:XX 
              UP BROADCAST RUNNING MULTICAST  MTU:1500  Metric:1
              ... 
    
    xenbr0    Link encap:Ethernet  HWaddr XX:XX:XX:XX:XX:XX 
              inet addr:192.168.2.20  Bcast:0.0.0.0  Mask:255.255.255.0
              ...
    
  2. ネットワーク・サービスを再起動します。

    # service network restart
    
  3. ネットワーク構成を表示します。

    # ifconfig
    

    次のような出力が表示されます。この出力は、IPアドレスがxenbr0 およびeth0の両方に割り当てられていることを示しています。

    eth0      Link encap:Ethernet  HWaddr XX:XX:XX:XX:XX:XX 
              inet addr:192.168.2.20  Bcast:192.168.2.255  Mask:255.255.255.0
              ... 
    
    xenbr0    Link encap:Ethernet  HWaddr XX:XX:XX:XX:XX:XX 
              inet addr:192.168.2.20  Bcast:0.0.0.0  Mask:255.255.255.0
              ...
    

回避策: /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eth0ファイルに格納されているIPアドレスに変更を適用するために、service network restartコマンド(またはこのコマンドと同等の/etc/init.d/network restart)は使用してないでください。かわりに、ifconfigコマンドを使用してブリッジのIP設定を手動で変更します。次回のシステム再起動時に、新しい設定が自動的に適用されます。

6.21 準仮想化ゲスト構成ファイルのCD-ROMによってゲストのパニックが発生する

構成ファイルにCD-ROMドライブが含まれている準仮想化ゲストで、ゲストのパニックが発生します。

回避策: ゲスト構成ファイルからCD-ROMの定義を削除します。

6.22 ゲスト構成ファイル内の空の仮想ネットワーク・インタフェース・エントリによって、同じMACアドレスを持つインタフェースが2つ作成される

ゲスト構成ファイル内の仮想ネットワーク・インタフェース(vif)のtypeパラメータが空であるか、または欠落していると、2つのインタフェースが作成され、その両方に同じMACアドレスが割り当てられます。たとえば、次のようなエントリでこの問題が発生します。

vif = [ 'mac=mac_address, bridge=bridge' ]

作成されるvifエントリは次のとおりです。

vif = [ 'type=ioemu, mac=mac_address, bridge=bridge' ]
vif = [ 'type=netfront, mac=mac_address, bridge=bridge' ]

これによって、同じMACアドレスを持ち、異なるドライバ(netfrontとioemu)を使用する2つのvifインタフェースが作成されます。

これは、次のオペレーティング・システムのハードウェア仮想化ゲストで発生します。

  • Oracle Enterprise Linux/Red Hat Enterprise Linux Release 5 Update 2からUpdate 4

  • Oracle Enterprise Linux/Red Hat Enterprise Linux Release 4 Update 7からUpdate 8

また、Oracle Enterprise Linux/Red Hat Enterprise Linux Release 4 Update 6より前のゲスト・オペレーティング・システムで準仮想化ドライバがインストールされているゲストでも発生します。

回避策: 次のいずれかのように指定することによって、ゲスト構成ファイルでtypeが1つのみ(0個は不可)のvifエントリを使用します。

vif = [ 'type=ioemu, mac=mac_address, bridge=bridge' ]

または

vif = [ 'type=netfront, mac=mac_address, bridge=bridge' ]

6.23 準仮想化ゲストのメモリー・サイズ制限

32ビットのPAE準仮想化ゲストのメモリー・サイズは、コンピュータに63GBを超える物理メモリーがある場合でも、63GBまでに制限されます。64ビットの準仮想化ゲストの場合、メモリー・サイズの上限は500GBになります。

6.24 ハードウェア仮想化ゲストのネットワーク待機時間

iSCSIストレージ・ボリューム上にデータベースを配置している場合、I/O負荷の高い状態でハードウェア仮想化ゲストにネットワーク待機時間が発生すると、ゲストが応答しない状態になる場合があります。

回避策: ip6tablesを有効化している場合は、これらを無効化します。ip6tablesは、デフォルトではインストール中に無効化されます。次に例を示します。

  1. /etc/modprobe.confファイルを編集し、次の行を追加します。

    alias net-pf-10 off
    alias ipv6 off
    
  2. /etc/sysconfig/networkファイルを編集し、次の設定を行います。

    NETWORKING_IPV6=no
    
  3. ip6tablesのファイアウォールを停止します。

    # /sbin/service ip6tables stop
    
  4. 次のコマンドを実行します。

    # /sbin/chkconfig ip6tables off
    
  5. ネットワークを再起動します。

    # /sbin/service network restart
    
  6. コンピュータをリブートします。

6.25 Windowsゲストで2つ以上のVCPUを使用する場合、ネットワーク待機時間が負数になる

WindowsゲストでVCPUの数が2つ以上に設定されると、ネットワーク待機時間は負数になることがあります。たとえば、WindowsゲストからリモートIPへPingを発行する場合は次のようになります。

Reply from 192.168.2.1: bytes=32 time=-7639ms TTL=64 

回避策: /usepmtimerパラメータをWindowsゲスト・オペレーティング・システムのC:\boot.ini fileファイルに追加し、ゲストを再起動します。

http://support.microsoft.com/kb/895980にあるMicrosoftサポートの文書(895980)も参照してください。

6.26 MAXMEMがMEMORYと等しくない場合、ゲストを起動できない

ハードウェア仮想化ゲスト、および準仮想化ドライバがインストールされているハードウェア仮想化ゲスト(HVM/PVHVM)は、一部のIntelベースのコンピュータでは起動しません。ゲストは、カーネルのロード時、ほぼすぐにロック・アップ(クラッシュ)します。これは、Extended Page Tables(EPT)をサポートするIntelベースのコンピュータで、ゲスト構成ファイル(vm.cfg)でHardware Assisted Paging(HAP)を無効(hap=0)にしていない場合に発生します。

この問題は、ゲスト構成ファイルのmaxmem設定がmemory設定と等しくない場合に発生します。

HVM/PVHVMゲストでは、ゲスト構成ファイルのHAPがデフォルトで有効(hap=1)になるため、HVM/PVHVMゲストのmaxmemの設定によって、起動プロセスの早期にクラッシュが発生します。

回避策: ゲスト構成ファイル(vm.cfg)でmaxmem設定をmemory設定と等しくなるように設定します。または、maxmem設定を削除します。

6.27 QLogic 8Gb HBAを搭載したHP ProLiant G6サーバーでqla2xxxドライバをアンロードできない

QLogic 8Gbホスト・バス・アダプタ(HBA)を搭載したHP ProLiant G6サーバーではqla2xxxドライバをアンロードできません。modprobe -r qla2xxxコマンドとrmmodコマンドの両方がハングします。dmesgコマンドを使用すると、警告メッセージを表示できます。qla2xxxドライバは削除されず、すべてのディスクにアクセスできなくなります。

後でmodprobeコマンドを使用してドライバをロードすると、次のようなエラーが表示されます。

PCI: Enabling device 0000:0a:00.0 (0140 -> 0143)
ACPI: PCI Interrupt 0000:0a:00.0[A] -> GSI 31 (level, low) -> IRQ 23
qla2xxx 0000:0a:00.0: Found an ISP2532, irq 23, iobase 0xe503e000
qla2xxx 0000:0a:00.0: Configuring PCI space...
PCI: Setting latency timer of device 0000:0a:00.0 to 64
qla2xxx 0000:0a:00.0: Configure NVRAM parameters...
qla2xxx 0000:0a:00.0: Verifying loaded RISC code...
qla2xxx 0000:0a:00.0: Allocated (64 KB) for EFT...
qla2xxx 0000:0a:00.0: Allocated (1414 KB) for firmware dump...
qla2xxx 0000:0a:00.0: Failed to reserve interrupt 23 already in use.
ACPI: PCI interrupt for device 0000:0a:00.0 disabled
qla2xxx: probe of 0000:0a:00.0 failed with error -38

対処方法:

  1. /etc/grub.confファイルのdefault=パラメータから、コンピュータの起動に使用されるinitrdイメージを特定します。値は0(ゼロ)から始まります。たとえば、default=3title ...で表される4番目のエントリを指します。このエントリに示されているmodule /initrd-2.6.18...またはinitrd /initrd-2.6.18...が正しいファイル名です。

  2. 次のコマンドを使用して、/bootディレクトリにあるファイルの名前を変更します。

    # mv /boot/initrd-version.el5xen.img /boot/initrd-version.el5xen.orig.img 
    
  3. /etc/modprobe.confファイルに次の行を追加します。

    options qla2xxx ql2xenablemsix=1
    
  4. 次のコマンドを使用して、initrdを再作成します。

    # mkinitrd -v /boot/initrd-version.el5xen.img version.el5xen 
    

    例:

    # mkinitrd -v /boot/initrd-2.6.18-128.2.1.4.3.el5xen.img  2.6.18-128.2.1.4.3.el5xen 
    

6.28 qlaxxxドライバで中間層のアンダーフローが検出される

qlaxxxドライバでは、中間層アンダーフローで検出されたエラーが発生する場合があります。dmesgコマンドで次のようなメッセージが表示されます。

qla2xxx 0000:0c:00.0: scsi(0:0:0:1): Mid-layer underflow detected (4000 of 4000 bytes)...returning error status.

6.29 ISCSI接続エラー

Oracle VM Serverの起動時に、ISCSI接続エラーが発生する場合があります。dmesgコマンドによって、次のようなメッセージが表示されます。

# dmesg |grep connection
connection8:0: ping timeout of 5 secs expired, last rx 4294914790, last ping 4294916040, now 4294917290
connection8:0: detected conn error (1011)

これらのエラーは無視して構いません。

6.30 セカンダリSCSIディスクでPVまたはPVHVMゲストを起動できない

セカンダリSCSIディスクを追加した後は、準仮想化(PV)ゲスト、または準仮想化ドライバがインストールされているハードウェア仮想化ゲスト(PVHVM)を起動できません。これは、セカンダリSCCIディスクをゲスト構成ファイルにOracle VM Managerを使用して追加するか、または手動で追加した場合に発生します。ゲストは、起動するとクラッシュします。

影響を受けるゲスト・オペレーティング・システムは、32ビットと64ビットの両方のOracle Enterprise Linux、Red Hat Releases 4.xおよび5.xです。

回避策: この問題に対しては多くの回避策があります。

  • Oracle Enterprise Linux Release 4(PVHVM)ゲストの場合は、ゲストでのISCIデバイス・ドライバの自動ロードを無効にします。ISCIデバイス・ドライバの自動ロードを無効にするには、/etc/modprobe.confファイルに次の行を追加します。

    alias drivername off
    

    次に例を示します。

    alias sym53c8xx off
    
  • Oracle Enterprise Linux Release 5(PVHVM)ゲストの場合は、ゲストからドライバ・モジュールを削除します。ゲストのドライバ・モジュールを削除するには、次のようなコマンドを使用してドライバ・モジュールを別の場所に移動します。

    # mv /lib/modules/`uname -r`/kernel/drivers/scsi/sym53c8xx_2/sym53c8xx.ko /root/sym53c8xx.ko
    
  • PVMゲストの場合は、initrdファイルからドライバ・モジュールを削除します。initrdファイルからSCSIドライバ・モジュールを削除するには、次のコマンドを実行します。

    # zcat /boot/initrd-version.ELxenU.img | cpio -it | grep ko|grep -i scsi
    4509 blocks
    lib/scsi_mod.ko
    

    version.ELxenUカーネルのSCSIモジュール(scsi_mod.ko)なしでinitrdイメージを再作成します。

    # mkinitrd --omit-scsi-modules --with=xenblk --with=xennet /boot/initrd-version.ELxenU.img.scsifix version.ELxenU
    # zcat /boot/initrd-version.ELxenU.img.scsifix | cpio -it | grep ko|grep -i scsi
    

    この新しいinitrdイメージをゲストに使用します。ゲストを再起動すると、セカンダリSCSIディスクがロードされます。

6.31 Oracle Enterprise Linux Release 4 Update 4準仮想化ゲスト

Oracle Enterprise Linux 4 Update 4では、準仮想化ゲストとしての直接インストールはサポートされていません。

回避策: ハードウェア仮想化ゲストとしてインストールを行ってから、これを準仮想化ゲストに変換します。詳細は、『Oracle VM Serverユーザーズ・ガイド』を参照してください。

6.32 2.1.1からのアップグレード後にSSLを介したライブ移行が失敗する

Oracle VM Serverリリース2.1.1からのアップグレード後、SSLを介したライブ移行が失敗します。ライブ移行時に次のエラーが表示されます。

Error: can't connect: (113, 'No route to host')

Oracle VM Serverリリース2.1.2では、SSLを介したライブ移行がサポートされるようになりました。SSLを介したライブ移行には、Oracle VM Serverファイアウォールでポート8003がオープンされている必要があります。以前のOracle VM Serverリリースからアップグレードした場合、ファイアウォール設定は変更されず、SSLを介したライブ移行を可能にするためにポート8003をオープンできない場合があります。

回避策: system-config-securitylevelユーティリティを使用して、Oracle VM Serverファイアウォールのポート8003をオープンします。system-config-securitylevelユーティリティを起動するには、次のように入力します。

# system-config-securitylevel

手動でOracle VM Serverファイアウォールを構成すると、これらの設定は、system-config-securitylevelユーティリティによって上書きされます。

6.33 NXビット設定が一致しないハードウェア仮想化ゲストのライブ移行が失敗する

NX(No eXecute)ビット対応のコンピュータからそれ以外のコンピュータへハードウェア仮想化ゲストのライブ移行を実行すると失敗します。NXビットは、Intel CPUのXDビット(eXecute Disable)でもあります。

NXビット対応のハードウェア仮想化ゲストからライブ移行を実行するには、両方のコンピュータでNXビットがサポートされ、BIOSでこの機能が使用可能になっている必要があります。

回避策: 両方のコンピュータのCPUがNXビットをサポートしている場合は、両方のコンピュータのBIOSでこの機能を使用可能にします。移行先コンピュータのCPUがNXビットをサポートしていない場合は、両方のコンピュータのBIOSでこの機能を使用不可にします。

6.34 OCFS2クラスタをマウントできない

OCFS2クラスタはマウントできず、エラーが表示されます。

Mounting repository @location from location...
mount.ocfs2: Transport endpoint is not connected while mounting location on
/OVS. Check 'dmesg' for more information on this error.
Failed to mount location at /OVS

Oracle VM Serverリリース2.1.2では、OCFS2クラスタを使用した高可用性がサポートされるようになりました。OCFS2クラスタでは、Oracle VM Serverファイアウォールでポート7777がオープンされている必要があります。ポート7777がファイアウォールでオープンされていないと、クラスタのマウントは失敗します。

回避策: system-config-securitylevelユーティリティを使用して、Oracle VM Serverファイアウォールのポート7777をオープンします。system-config-securitylevelユーティリティを起動するには、次のように入力します。

# system-config-securitylevel

手動でOracle VM Serverファイアウォールを構成すると、これらの設定は、system-config-securitylevelユーティリティによって上書きされます。

6.35 サーバー・プール・マスターよりも先に仮想マシン・サーバーを起動するとOCFS2クラスタのドメインに含まれない

HA対応のサーバー・プールで、OCFS2クラスタの仮想マシン・サーバーがサーバー・プール・マスターよりも先に起動されると、その仮想マシン・サーバーは自動的にはドメインに含まれません。

回避策: この問題を解決するには、複数の方法があります。サーバー・プール・マスターと仮想マシン・サーバーの両方が起動している場合は、次のいずれかを実行します。

  • Oracle VM Managerにログインし、「サーバー・プール」タブを選択します。サーバー・プールを選択し、「編集」をクリックします。「高可用性インフラストラクチャ」フィールドの「チェック」ボタンをクリックします。「高可用性の有効化」チェック・ボックスを選択します。「適用」または「OK」をクリックします。

  • サーバー・プール・マスターで、スクリプトを実行します。

    # /opt/ovs-agent-2.2/utils/do_rpc.py ha_setup_cluster_infrastructure
    
  • 仮想マシン・サーバーで、Oracle VM Agentを再起動します。

    # service ovs-agent restart
    

6.36 SANベースのマルチパス共有ディスク

SANベースのマルチパス化されたインストールの場合、Oracle VM Serverインストーラは、カーネルのルート・パーティションにマルチパス・デバイス・パスを選択する場合があります。次に例を示します。

title Oracle VM Server-ovs (xen-version.el5ovs)
        root (hd0,0)
        kernel /xen-32bit.gz dom0_mem=574M
        module /vmlinuz-version.el5xen ro root=/dev/mapper/mpath0p3
        module /initrd-version.el5xen.img

これは、有効な構成です。ただし、マルチパス共有ディスクがOracle VM Managerリリース2.2のゲスト仮想マシンに割り当てられている場合は、パーティションではなく厳密にディスクUUIDが指定されるように/etc/grub.confファイル内の各ブート・エントリを変更することをお薦めします。ディスク・パーティションの順序が変更された場合、ゲスト仮想マシンのマルチパス・ディスクでシステム・ディスクのデバイス・パスが誤って想定されると、セキュリティに影響を及ぼす可能性があります。前述の例のUUIDを取得するには、次のように入力します。

# blkid -s UUID /dev/mapper/mpath0p3

6.37 複数のスワップ・パーティション

以前のバージョンのOracle VM ServerまたはOracle Enterprise LinuxがすでにインストールされたコンピュータにOracle VM Serverをインストールすると、インストール時にスワップ・パーティションが構成されなかった場合でも、それらのパーティションの以前のエントリが/etc/fstabファイルに挿入される可能性があります。その結果、Oracle VM Serverの再起動時に、以前のインストールのスワップ・パーティションがマウントされます。たとえば、システムにOracle Enterprise Linuxがインストールされている場合、インストールされているOracle Enterprise Linuxとのデュアル・ブート構成で同じシステムにOracle VM Serverをインストールすると、Oracle VM Serverのインストール時に、インストールされているOracle Enterprise Linuxのスワップ・パーティションが検出され、マウントされます。

回避策: Oracle VM Serverの/etc/fstabファイルから不要なスワップ・パーティションのエントリを削除します。

6.38 スワップ・パーティションが複数回マウントされる

スワップ・パーティションが作成されるディスクへのパスを複数持つコンピュータにOracle VM Serverをインストールする場合にmpathコマンドライン・オプションを使用しないと、/etc/fstabファイルに同じスワップ・パーティションのエントリが複数含まれます。実際のディスクへの各パスに対して1つのエントリが存在します。その結果、同じスワップ・パーティションが複数回マウントされます。

回避策: /etc/fstabファイルから重複エントリを削除します。

または、Oracle VM Serverのインストール時に、ブート・コマンドラインでlinux mpathオプションを使用します。

  1. Oracle VM ServerのCD-ROMをCD-ROMドライブに挿入します。

  2. Oracle VM ServerのCD-ROMを使用してコンピュータを起動します。

  3. Oracle VM Serverインストールの「ようこそ」画面が表示されます。コマンド・プロンプトにlinux mpathと入力して[Enter]を押し、インストールを開始します。このパラメータによって、マルチパス・ディスクを使用したインストールが実行されます。

  4. プロンプトに従って、Oracle VM Serverをインストールします。『Oracle VM Serverインストレーション・ガイド』を参照してください。

6.39 kdumpのインストール

kdump(Linuxのクラッシュ・ダンプ・ユーティリティ)が必要な場合は、Oracle VM ServerのCDからインストールできます。kdumpをインストールするには、Oracle VM ServerのCDをCDドライブに挿入し、次のコマンドを入力します。

# mkdir /mnt/cd
# mount /dev/cdrom/ /mnt/cd
# cd /mnt/cd/Server
# rpm -i busybox-1.2.0-3.i386.rpm
# rpm -i kernel-kdump-2.6.18-8.1.15.0.16.el5.i686.rpm
# rpm -i kexec-tools-1.101-194.4.el5.0.3.i386.rpm

リブートするたびにkdumpを有効にするには、/boot/grub/grub.confファイルのkernel行に、crashkernel=128M@16Mパラメータを追加します。次に例を示します。

kernel /xen.gz dom0_mem=512M ro crashkernel=128M@16M

6.40 Oracle Enterprise LinuxまたはRed Hat Enterprise Linux 5.xゲストでkdumpをインストールできない

Oracle Enterprise LinuxおよびRed Hat Enterprise Linux 5.xゲストではkdumpクラッシュ・ダンプ・ユーティリティをインストールできません。

6.41 Red Hat Enterprise Linux 3.xの64ビットのゲストを作成できない

Red Hat Enterprise Linux 3.xの64ビットのハードウェア仮想化ゲストは作成できません。

Oracle VM Serverリリース2.1で作成されたRed Hat Enterprise Linux 3.xの64ビットのハードウェア仮想化ゲストは、Oracle VM Serverリリース2.1.1、2.1.2、2.1.5または2.2.0では起動できません。

この問題は、Oracle VM Serverリリース2.1.1、2.1.2、2.1.5および2.2.0で発生します。Oracle VM Serverリリース2.1では発生しません。

回避策: ゲストの構成ファイルにacpi=0パラメータを追加するか、またはvirt-installコマンドを使用している場合はコマンドラインでacpi=offパラメータを指定します。

この回避策を実行した場合、Oracle VM Managerから停止を開始すると、ゲスト・オペレーティング・システムは正常に停止されますが、仮想マシンのステータスが「実行中」から「停止」に変更されるまで通常より時間がかかることがあります。

6.42 RedHat Enterprise Linux 4.1ゲストを作成できない

Intelマシンの中には、Red Hat Enterprise Linux 4.1ハードウェア仮想化ゲストを作成できないものがあります。対象となるシステムは、次のとおりです。

  • Intel® Xeon® Processor 7000シリーズ

  • Intel® Xeon® Processor 5100シリーズ

Intel® Xeon® Processor 5300シリーズのコンピュータでは、この問題は発生しません。

回避策: Intel® Xeon® Processor 7000シリーズのコンピュータでは、構成ファイルでacpi=1およびapic=1パラメータを追加するか、またはvirt-installを使用している場合はコマンドラインでこれを追加します。

別の回避策:

  • 構成ファイルでtimer_mode=を設定しないようにします。

  • 構成ファイルでhpet=を設定しないようにします。

  • ゲストのgrub.confファイルにnohpetパラメータを追加します。

6.43 dm-nfsブロック・デバイスの使用時にDom0のdmesgに警告が表示される

ゲストにdm-nfsブロック・デバイスを使用すると、dom0のdmesgに警告が表示される場合があります。

device-mapper: nfs: not using n bytes in incomplete block at EOF

このエラーは、Oracle VM Serverをリリース2.1.1から2.1.2または2.1.5にアップグレードし、NFSストレージにあるゲストを起動した後に発生する場合があります。このエラーは、ゲストのテンプレートのサイズが512バイトの倍数でない場合にも発生することがあります。

Oracle VM Serverリリース2.1.2以降では、NFSストレージを使用してゲストのブロック・デバイスをエミュレートできます。ブロック・デバイスのエミュレータでは、NFSストレージのバッキング・ファイルのサイズを512バイトの倍数と想定しています。この警告は、バッキング・ファイルのサイズが、厳密に512バイトの倍数ではないことを示しています。ブロック・デバイス・エミュレータは、バッキング・ファイルのサイズを最も近い512バイトの倍数に丸め、残りの数バイトを無視します。エミュレートされたブロック・デバイスは、想定したより1セクター小さく表示されます。

ゲストが作成されてからバッキング・ファイルのサイズに変更がない場合、ゲストに影響はなく、メッセージは無視できます。必要以上にバッキング・ファイルを作成したり削除すると、データが消失したり破損する場合があります。

6.44 Oracle ASMエラー

Oracle Enterprise Linux Release 4準仮想化ゲストおよびRed Hat Enterprise Linux Release 4準仮想化ゲストでは、oracleasm creatediskコマンドが失敗します。たとえば、/dev/xvdb1にパーティションが存在する場合、通常、次のコマンドは成功しますが、これらのオペレーティング・システムでは成功しません。

# /etc/init.d/oracleasm createdisk VOL1 /dev/xvdb1
Marking disk "/dev/xvdb1" as an ASM disk: asmtool: Device "/dev/xvdb1" is not
a partition
                                                           [FAILED]

回避策: パーティション・チェックを無視するように、asmtoolコマンドに-a force=yesパラメータを付けて実行します。次に例を示します。

# asmtool -C -l /dev/oracleasm -n VOL1 -s /dev/xvdb1 -a force=yes
/etc/init.d/oracleasm scandisks

ディスクを作成したら、oracleasm scandisksコマンドを使用してアクセス権を修正します。

6.45 インストール中のLogical Volume Manager設定

Oracle VM Serverのインストール中に、Logical Volume Manager(LVM)を設定することはできません。

回避策: 事前に構成したLVMボリュームを使用します。または、Oracle VM Serverインストーラを一時的に終了して、LVM構成を最初から作成することも可能です。Oracle VM Serverのインストール中に、[Alt]キーを押しながら[F2]キーを押してターミナルを使用し、lvmコマンドを実行します。LVM構成を作成し終わったら、[Alt]キーを押しながら[F1]キーを押して、Oracle VM Serverのインストールに戻ります。

6.46 xm dump-coreの失敗

64ビットのゲストでは、xm dump-coreコマンドが失敗します。

このリリースのOracle VM Serverでは、xm dump-coreコマンドは完全なコア・ダンプを生成します。

6.47 ゲスト・リストアのエラー

ゲストをリストアする際に、(dmesg内で)次のエラーが表示される場合があります。これらのエラーは無害であり、無視して構いません。

Call Trace:
 <IRQ>  [<ffffffff800b2c85>] softlockup_tick+0xdb/0xed
 [<ffffffff800933d1>] update_process_times+0x42/0x68
 [<ffffffff80073d97>] smp_local_timer_interrupt+0x23/0x47
 [<ffffffff80074459>] smp_apic_timer_interrupt+0x41/0x47
 [<ffffffff80068ae4>] default_idle+0x0/0x50
 [<ffffffff8005bcc2>] apic_timer_interrupt+0x66/0x6c
 <EOI>  [<ffffffff80068b0d>] default_idle+0x29/0x50
 [<ffffffff80046f9c>] cpu_idle+0x95/0xb8
 [<ffffffff80073bb5>] start_secondary+0x45a/0x469

6.48 ハードウェア仮想化ゲストの作成

仮想化ゲストが準仮想化ゲストとして動作する場合、自動的にハードウェア仮想化ゲストとともに機能するわけではなく、またハードウェア仮想化ゲストとして機能するわけでもありません。ここでは、ハードウェア仮想化ゲストを作成する際に重要な考慮事項をあげます。

6.48.1 DHCPの使用

DHCPを使用してIPアドレスを取得するようにdom0を設定している場合、DHCPリースの期限が切れると、それぞれのdomUでネットワーク設定が未定義状態になるため、予期しない結果が生じる場合があります。

6.48.2 ディスク・パーティションのエミュレーション

ハードウェア仮想化ゲストを作成する際、構成ファイル内のディスク・パーティションのエミュレーションを使用しないでください。

準仮想化ゲストの場合は、構成ファイルのdiskパラメータを使用して、ディスク・パーティションをエミュレートするように設定できます。次に例を示します。

disk=['phy:/dev/hdb1,hdb,w']

次のように構成パラメータを変更すると、hdbhdb1としてエミュレートするように設定できます。

disk=['phy:/dev/hdb1,hdb1,w']

ハイパーバイザは、パーティション表をエミュレートしてフェイクの/dev/hdbを作成しますが、ディスクは/dev/hdb1のように見えます。

ハードウェア仮想化ゲストの場合、このような設定を行うことはできません。パーティションではなく、ディスク全体を構成ファイル内に指定する必要があります。2番目のパラメータには、常にディスク全体を使用することをお薦めします。

この指定は、最初のパラメータには影響を与えません。最初のパラメータには、dom0からアクセスできる任意のファイル、パーティションまたはディスク全体を指定できます。

6.48.3 ファイル・システムのコピー

コンピュータ間でのファイル・システムのコピーにrsyncコマンドは使用しないでください。

回避策: ddユーティリティを使用して、ローカルまたはネットワーク経由でオペレーティング・システム全体をコピーします。次に例を示します。

# dd if=/dev/vgxen/lvol0 | ssh <target host for copied domU> dd of=/dev/vgxen/lvol0  

6.48.4 CD-ROMの共有

実際のdom0のCDROMデバイスを共有または使用しないでください。

6.48.5 Fedora 7 GAカーネル

virt-installコマンドライン・ツールを使用する際に、Fedora 7 GA(Release 2.6.21-1.3194.fc7)カーネルを使用しないでください。Fedora 7 GAカーネルは、このリリースではサポートされていません。

7 ドキュメントのアクセシビリティについて

オラクル社は、障害のあるお客様を含む、すべてのお客様にオラクル社の製品、サービスおよびサポート・ドキュメントをご利用いただけることを目標としています。 オラクル社のドキュメントには、ユーザーが障害支援技術を使用して情報を利用できる機能が組み込まれています。 HTML形式のドキュメントで用意されており、障害のあるお客様が簡単にアクセスできるようにマークアップされています。 標準規格は改善されつつあります。オラクル社はドキュメントをすべてのお客様がご利用できるように、市場をリードする他の技術ベンダーと積極的に連携して技術的な問題に対応しています。 オラクル社のアクセシビリティについての詳細情報は、Oracle Accessibility ProgramのWebサイトhttp://www.oracle.com/accessibility/を参照してください。

ドキュメント内のサンプル・コードのアクセシビリティについて

スクリーン・リーダーは、ドキュメント内のサンプル・コードを正確に読めない場合があります。コード表記規則では閉じ括弧だけを行に記述する必要があります。しかしJAWSは括弧だけの行を読まない場合があります。

外部Webサイトのドキュメントのアクセシビリティについて

このドキュメントにはオラクル社およびその関連会社が所有または管理しないWebサイトへのリンクが含まれている場合があります。オラクル社およびその関連会社は、それらのWebサイトのアクセシビリティに関しての評価や言及は行っておりません。

聴覚に障害があるお客様のOracleサポート・サービスへのアクセス

Oracleサポート・サービスへのご連絡には、テレコミュニケーション・リレー・サービス(TRS)を利用してOracleサポート(1.800.223.1711)までお電話ください。Oracleサポート・サービスのエンジニアがOracleサービス・リクエスト・プロセスに従って技術的な問題に対処し、カスタマ・サポートを提供します。TRSについてはhttp://www.fcc.gov/cgb/consumerfacts/trs.htmlを、利用可能な電話番号の一覧はhttp://www.fcc.gov/cgb/dro/trsphonebk.htmlを参照してください。


Oracle VM Serverリリース・ノート, リリース2.2.1

B57075-02

Copyright © 2008, 2010, Oracle and/or its affiliates.  All rights reserved.

このソフトウェアおよび関連ドキュメントの使用と開示は、ライセンス契約の制約条件に従うものとし、知的財産に関する法律により保護されています。ライセンス契約で明示的に許諾されている場合もしくは法律によって認められている場合を除き、形式、手段に関係なく、いかなる部分も使用、複写、複製、翻訳、放送、修正、ライセンス供与、送信、配布、発表、実行、公開または表示することはできません。このソフトウェアのリバース・エンジニアリング、逆アセンブル、逆コンパイルは互換性のために法律によって規定されている場合を除き、禁止されています。

ここに記載された情報は予告なしに変更される場合があります。また、誤りが無いことの保証はいたしかねます。誤りを見つけた場合は、オラクル社までご連絡ください。

このソフトウェアまたは関連ドキュメントが、米国政府機関もしくは米国政府機関に代わってこのソフトウェアまたは関連ドキュメントをライセンスされた者に提供される場合は、次のNoticeが適用されます。

U.S. GOVERNMENT RIGHTSPrograms, software, databases, and related documentation and technical data delivered to U.S. Government customers are "commercial computer software" or "commercial technical data" pursuant to the applicable Federal Acquisition Regulation and agency-specific supplemental regulations.As such, the use, duplication, disclosure, modification, and adaptation shall be subject to the restrictions and license terms set forth in the applicable Government contract, and, to the extent applicable by the terms of the Government contract, the additional rights set forth in FAR 52.227-19, Commercial Computer Software License (December 2007).Oracle USA, Inc., 500 Oracle Parkway, Redwood City, CA 94065.

このソフトウェアは様々な情報管理アプリケーションでの一般的な使用のために開発されたものです。このソフトウェアは、危険が伴うアプリケーション(人的傷害を発生させる可能性があるアプリケーションを含む)への用途を目的として開発されていません。このソフトウェアを危険が伴うアプリケーションで使用する際、このソフトウェアを安全に使用するために、適切な安全装置、バックアップ、冗長性(redundancy)、その他の対策を講じることは使用者の責任となります。このソフトウェアを危険が伴うアプリケーションで使用したことに起因して損害が発生しても、オラクル社およびその関連会社は一切の責任を負いかねます。

OracleはOracle Corporationおよびその関連企業の登録商標です。その他の名称は、それぞれの所有者の商標または登録商標です。

このソフトウェアおよびドキュメントは、第三者のコンテンツ、製品、サービスへのアクセス、あるいはそれらに関する情報を提供することがあります。オラクル社およびその関連会社は、第三者のコンテンツ、製品、サービスに関して一切の責任を負わず、いかなる保証もいたしません。オラクル社およびその関連会社は、第三者のコンテンツ、製品、サービスへのアクセスまたは使用によって損失、費用、あるいは損害が発生しても、一切の責任を負いかねます。