Serverリリース・ノート
リリース2.2.1
B57075-02(原本部品番号:E15443-05)
2010年8月
このドキュメントには、Oracle VM Serverリリース2.2.1の情報が含まれ、製品ドキュメントより優先されます。このドキュメントには、Oracle VM Serverドキュメントに含まれていない最新情報が記載されています。このドキュメントは、Oracle VM Serverをインストールする前にお読みください。このドキュメントはリリース後に更新される場合があります。このドキュメントの更新版を確認したり、その他のOracleドキュメントを参照するには、Oracle Technology Network Japan(OTN)Webサイトのドキュメントのセクションを参照してください。
http://www.oracle.com/technology/documentation/
このドキュメントの内容は、次のとおりです。
Oracle VMは、仮想化テクノロジの利点を活用するための環境を完備したプラットフォームです。Oracle VMを使用すると、サポートされている仮想化環境に、オペレーティング・システムおよびアプリケーション・ソフトウェアを配置できます。Oracle VMのコンポーネントは、次のとおりです。
Oracle VM Manager
Oracle VM Server
このドキュメントには、Oracle VM Serverの最新のリリース情報が含まれています。Oracle VM Managerの最新のリリース情報については、『Oracle VM Managerリリース・ノート』を参照してください。
このリリースのOracle VM Serverは、i686およびx86_64のホスト・ハードウェアのみをサポートします。Oracle VM Serverでは、i686クラス以上の32ビットまたは64ビットのプロセッサをホスト・コンピュータに搭載する必要があります。これには、Intel Pentium Pro以上のすべてのプロセッサと、AMD Athlon/Duron以上のすべてのプロセッサが含まれます。Pentium 4またはAthlon以上のCPUを使用することをお薦めします。
ハードウェアの仮想化に対応した(未修正の)ゲスト・オペレーティング・システム(Microsoft Windowsなど)の場合、ハードウェアの仮想化をサポートするCPUが必要です。これには、Intel Pentium D/Core/Core2/XeonモデルとAMD Athlon/Opteronモデルが含まれます。また、この機能をBIOSで有効化する必要があります。ハードウェアの仮想化がサポートされているかどうか、またBIOSでの有効化方法については、ご使用のプロセッサのドキュメントを参照してください。
複数のゲストを実行する場合、デュアル・コアCPUまたは複数のCPUを使用することをお薦めします。
最小のメモリー要件は1GB RAMですが、2GB以上のRAMを搭載したコンピュータの使用をお薦めします。ゲストのメモリー要件は、ゲスト・オペレーティング・システムごとに異なります。ゲスト・オペレーティング・システムについては、個別にメモリーのサイジングを行ってください。
dom0メモリーの値はデフォルトのままにしておくことをお薦めします。インストール時に、デフォルトで502 + 0.0205 * 物理メモリー(MB)に設定されています。
作成するゲスト・オペレーティング・システムは、次に示すサポート構成のいずれかである必要があります。
表1 64ビットCPUハードウェア仮想化でサポートされているゲスト・オペレーティング・システム(LinuxおよびSolaris)
ゲスト・オペレーティング・システム | ハードウェア仮想化(32ビット) | PVドライバを使用したハードウェア仮想化(32ビット) | ハードウェア仮想化(64ビット) | PVドライバを使用したハードウェア仮想化(64ビット) |
---|---|---|---|---|
RedHat Enterprise Linux 3.x |
可 |
可 |
可 |
不可 |
Oracle Enterprise Linuxリリース4.x RedHat Enterprise Linux 4.x |
可 |
可 |
可 |
可 |
Oracle Enterprise Linuxリリース5.x RedHat Enterprise Linux 5.x |
可 |
可 |
可 |
可 |
Oracle Solaris 10 (1) |
N/A |
可 |
N/A |
可 |
注意: (1) Oracle Solaris 10は、Solaris 10 10/09でサポートされるようになりました。Solaris 10 OSは、ハードウェア仮想マシン(HVM)として動作します。これには、基礎となるハードウェア・プラットフォームでHVMサポート(Intel VTまたはAMD-V)が必要です。デフォルトのSolaris 10 OSには、OSの一部として必須の準仮想化(PV)ドライバがすでにインストールされています。Oracle Solaris 10では、x86 32ビットと64ビットのアーキテクチャがサポートされています。OSの起動時に、ハイパーバイザまたは基礎となるハードウェアを調べて、32ビット・モードまたは64ビット・モードが選択されます。 |
表2 64ビットCPUハードウェア仮想化でサポートされているゲスト・オペレーティング・システム(Microsoft Windows)
ゲスト・オペレーティング・システム | ハードウェア仮想化(32ビット) | PVドライバ1.xを使用したハードウェア仮想化(32ビット) | PVドライバ2.xを使用したハードウェア仮想化(32ビット) | ハードウェア仮想化(64ビット) | PVドライバ1.xを使用したハードウェア仮想化(64ビット) | PVドライバ2.xを使用したハードウェア仮想化(64ビット) |
---|---|---|---|---|---|---|
Microsoft Windows(tm) 2000 SP4 |
可 |
不可 |
不可 |
可 |
不可 |
不可 |
Microsoft Windows(tm) Server 2003 SP2 |
可(2) |
可 |
可 |
可(2) |
可 |
可 |
Microsoft Windows(tm) Server 2003 R2 SP2 |
可(2) |
可 |
可 |
可(2) |
可 |
可 |
Microsoft Windows(tm) XP SP2 |
可(2) |
可 |
可 |
可(2) |
可 |
可 |
Microsoft Windows(tm) Vista SP2 |
可(2) |
可 |
可 |
可(2) |
可 |
可 |
Microsoft Windows(tm) Server 2008 SP 1 |
可(2) |
可 |
可 |
可(2) |
可 |
可 |
Microsoft Windows(tm) Server 2008 R2 |
N/A |
N/A |
N/A |
可(2) |
不可 |
可 |
Microsoft Windows(tm) 7 |
可(2) |
不可 |
可 |
可(2) |
不可 |
可 |
注意: (2) Windows PVドライバのインストールを簡単にするためにHVM専用モードが使用されます。ゲストOSとしてサポートされるには、Windows OSにWindows PVドライバが必須です。 |
表3 64ビットCPU準仮想化でサポートされているゲスト・オペレーティング・システム
ゲスト・オペレーティング・システム | 準仮想化(32ビット) | 準仮想化(64ビット) |
---|---|---|
Oracle Enterprise Linuxリリース4.x RedHat Enterprise Linux 4.x |
可 |
可 |
Oracle Enterprise Linuxリリース5.x RedHat Enterprise Linux 5.x |
可 |
可 |
表4 32ビットCPUハードウェア仮想化でサポートされているゲスト・オペレーティング・システム(LinuxおよびSolaris)
ゲスト・オペレーティング・システム | ハードウェア仮想化(32ビット) | PVドライバを使用したハードウェア仮想化(32ビット) |
---|---|---|
RedHat Enterprise Linux 3.x |
可 |
可 |
Oracle Enterprise Linuxリリース4.x RedHat Enterprise Linux 4.x |
可 |
可 |
Oracle Enterprise Linuxリリース5.x RedHat Enterprise Linux 5.x |
可 |
可 |
Oracle Solaris 10 (3) |
N/A |
可 |
注意: (3) Oracle Solaris 10は、Solaris 10 10/09でサポートされるようになりました。Solaris 10 OSは、ハードウェア仮想マシン(HVM)として動作します。これには、基礎となるハードウェア・プラットフォームでHVMサポート(Intel VTまたはAMD-V)が必要です。デフォルトのSolaris 10 OSには、OSの一部として必須の準仮想化(PV)ドライバがすでにインストールされています。Oracle Solaris 10では、x86 32ビットと64ビットのアーキテクチャがサポートされています。OSの起動時に、ハイパーバイザまたは基礎となるハードウェアを調べて、32ビット・モードまたは64ビット・モードが選択されます。 |
表5 32ビットCPUハードウェア仮想化でサポートされているゲスト・オペレーティング・システム(Microsoft Windows)
ゲスト・オペレーティング・システム | ハードウェア仮想化(32ビット) | PVドライバ1.xを使用したハードウェア仮想化(32ビット) | PVドライバ2.xを使用したハードウェア仮想化(32ビット) |
---|---|---|---|
Microsoft Windows(tm) 2000 SP4 |
可 |
不可 |
不可 |
Microsoft Windows(tm) Server 2003 SP2 |
可(4) |
可 |
可 |
Microsoft Windows(tm) Server 2003 R2 SP2 |
可(4) |
可 |
可 |
Microsoft Windows XP Professional |
可(4) |
可 |
可 |
Microsoft Windows Vista |
可(4) |
可 |
可 |
Microsoft Windows(tm) Server 2008 SP 1 |
可(4) |
可 |
可 |
Microsoft Windows(tm) Server 2008 R2 |
N/A |
N/A |
N/A |
Microsoft Windows(tm) 7 |
可(4) |
不可 |
可 |
注意: (4) Windows PVドライバのインストールを簡単にするためにHVM専用モードが使用されます。ゲストOSとしてサポートされるには、Windows OSにWindows PVドライバが必須です。 |
表6 32ビットCPU準仮想化でサポートされているゲスト・オペレーティング・システム
ゲスト・オペレーティング・システム | 準仮想化(32ビット) |
---|---|
Oracle Enterprise Linuxリリース4.x RedHat Enterprise Linux 4.x |
可 |
Oracle Enterprise Linuxリリース5.x RedHat Enterprise Linux 5.x |
可 |
Oracle Enterprise Linux準仮想化ドライバは、Release 3 Update 9およびRelease 4 Update 4以降のOracle VM Server CDからインストールできます。また、Oracle Enterprise Linux Network(ULN)からダウンロードすることもできます。
次に、特定バージョンのOracle VM Serverを実行しているサーバー・プールを管理するための特定バージョンのOracle VM Managerの互換性を示します。
Oracle VM Managerは、様々なバージョンのOracle VM Serverのサーバー・プールを管理できます。たとえば、Oracle VM Manager 2.2.0で、Oracle VM 2.1.5 Serverのサーバー・プール、Oracle VM 2.2.0 Serverのサーバー・プール、Oracle VM 2.2.1 Serverのサーバー・プールを管理できます。
Oracle VM Manager 2.2.0では、Oracle VM Server for x86バージョン2.1.0、2.1.1、2.1.2、2.1.5、2.2.0、2.2.1を管理できます。
Oracle VM Manager 2.1.5では、Oracle VM Server for x86バージョン2.1.0、2.1.1、2.1.2、2.1.5を管理できます。
Oracle VM Manager 2.1.2では、Oracle VM Server for x86バージョン2.1.0、2.1.1、2.1.2を管理できます。
Oracle VM Manager 2.1.1では、Oracle VM Server for x86バージョン2.1.0、2.1.1を管理できます。
Oracle VM Manager 2.1.0では、Oracle VM Server for x86バージョン2.1.0を管理できます。
各Oracle VMサーバー・プールは、同じバージョンのOracle VM Serverで構成されている必要があります。同じサーバー・プールでOracle VM 2.1.xと2.2.xのサーバーを混在させることはできません。
ここでは、次の問題に対するOracle VM Serverの既知の制限とその回避策について説明します。
キックスタート方法で64GBのメモリーを搭載したサーバーにOracle VM Server 2.1.xおよび2.2.xをインストールするとエラーが発生する
ゲスト構成ファイル内の空の仮想ネットワーク・インタフェース・エントリによって、同じMACアドレスを持つインタフェースが2つ作成される
Oracle Enterprise LinuxまたはRed Hat Enterprise Linux 5.xゲストでkdumpをインストールできない
ヒュージ・ページ機能が有効になっているOracle Enterprise Linux PVゲストからのライブ・マイグレーションは現在サポートされていません。
回避策: テンプレートがコピーされている場合にスパース・ファイル・オプションを使用するための構成可能オプションがあります。構成ファイル(/etc/ovs-agent/agent.ini
)でパラメータを設定できます。事前定義されているスパース率よりテンプレートのスパース率が低い場合は、非スパース・ファイルとしてコピーされます。サーバーで常にスパース・コピーを使用するようにするには、この値を0に設定してから、Oracle VMエージェントを再起動します。
[vm]disk.sparse.ratio=0
複数のvCPUsが構成されている場合にSolaris 10ゲストを起動できない場合は、Solaris 10パッチ144452-01を適用します。このパッチはOracleサポートから入手可能です。
Solaris 10のゲストOSでネットワークが動作しなくなった場合は、Oracle VM Managerを使用して、Solaris 10仮想マシンのネットワーク・タイプを「準仮想化」に設定するか、vm.cfgを変更して、vifタイプをioemuからnetfrontに変更します。その後、SolarisのゲストOSにログインし、xnfネットワーク・インタフェースを構成します。
vif = ['bridge=xenbr0,mac=xx:xx:xx:xx:xx:xx,type=netfront']
HA対応のサーバー・プールに一貫性のないDLMロックがある場合、ロックを取得できないためにゲストVMの起動に失敗する可能性があります。
回避策: Oracle VM Agentをovs-agent-2.3-27以上に更新します。一貫性のないDLMロックの問題をリセットするには、Oracle VM ManagerまたはEnterprise ManagerからプールのHAを無効にした後、再度有効にします。サーバー・プール・マスター(dom0)から、次のコマンドを実行します。
# /opt/ovs-agent-2.3/utils/do_rpc.py cluster_setup False # /opt/ovs-agent-2.3/utils/do_rpc.py cluster_setup
Oracle VM Server 2.2.1をインストールして再起動した後もDell PowerEdge R710を起動できない場合は、サーバーのBIOSを2.0.11以上にアップグレードします。
24を超えるCPUを搭載したシステムへのOracle VM Server 2.1.xまたは2.2.xのインストールでは、インストーラがロードされません。CPU初期化メッセージの後、コンソール・メッセージが停止します。
回避策: 24を超えるCPUを搭載したプロセッサ複合体でVM Server ISOメディアを起動するときに、次のようにインストール・コマンドラインでmax_cpusパラメータを追加します。
linux mpath max_cpus=1
64ビットのxenハイパーバイザが選択されている場合(デフォルトまたはgrubメニューから)、インストールされたVM Serverにmax_cpusパラメータは必要ありません。詳細は、My Oracle SupportのサイトにあるOracleサポートのNote 1082097.1を参照してください。
Oracle VM Server 2.2.1の新規インストールでは、デフォルトではメモリー・バルーニングが無効になっています。以前のリリースのOracle VM ServerからOracle VM Serverリリース2.2.1にアップグレードする場合は、手動で/etc/xen/xend-config.sxp
を変更し、デフォルトのdom0メモリーのバルーニング動作を変更します。xend-config.sxp
でdom0-min-mem=0
だけを設定してもdom0メモリーのバルーニングは無効になりません。xend-config.sxp
でenable-dom0-ballooning=no
を設定すると、dom0メモリーのバルーニングを無効にできます。
キックスタート・ファイルを使用する64GBのメモリーを搭載したサーバーでは、次のエラー・メッセージが表示され、インストールが失敗する可能性があります。
Unknown interrupt or fault at EIP 00000060 c0400291 00000290
回避策: 32GBを超えるメモリーを搭載したシステムで、mem=4G
を設定するか、キックスタート・インストールのカーネル・コマンドライン・エントリで32GB未満の値を設定し、その後、インストール・プロセスを再試行します。
既存のOCFS2パーティションのクラスタ・サイズが4Kの場合は、4つのドメインでストレス・テストを実行しているときにdom0がハングする場合があります。クラスタ・サイズが4Kになるのは、クラスタ・サイズを設定するために、オプション-C 1M
を指定せずに手動でmkfs.ocfs2
コマンドを使用して、Oracle VM Server 2.1.xにOCFS2パーティションを作成する場合のみです。Oracle VM Server 2.1.5、2.2.0および2.2.1のデフォルトのインストール・プロセスを使用して、OCFS2パーティションでクラスタ・サイズを1Mに設定します。
Oracle VM Serverリリース2.2.1の新機能をOracle VM Managerで使用するには、Oracle VM Managerをリリース2.2.0にアップグレードする必要があります。
Oracle VM Serverリリース2.2.1は、64の物理CPUを搭載したマシンでサポートされています。更新済パッケージxen-3.4.0-0.1.21以上(OracleのUnbreakable Linux Network(http://linux.oracle.com)から入手可能)を使用すると、Oracle VM Server 2.2.1では最大で128の物理CPUがサポートされます。ただし、ハードウェアが仮想化または準仮想化されているゲストの場合、1ゲスト当たり32を超える仮想CPUはサポートされません。
e1000ネットワーク・デバイス・エミュレータ(コントローラ)を使用するMicrosoft Windows 2008のゲスト仮想マシンでは、ネットワーク接続が不安定になる場合があります。次のネットワークの問題が発生する可能性があります。
net use
は失敗するか、または切断される場合があります。
ネットワークに到達できなくなる場合があります。
ネットワーク・パケットが失われる場合があります。
回避策: e1000ドライバのFlowControl
およびLargeSendOffload(IPv4)
パラメータを次の設定に変更します。
FlowControl
をDisabled
からTx & Rx Enabled
に変更します。
LargeSendOffload(IPv4)
をEnabled
からDisabled
に変更します。
ドライバ・パラメータを変更するには、次の手順を実行します。
「デバイス・マネージャ」を開きます。
「ネットワーク・アダプタ」をダブルクリックします。
「Intel(R) PRO/1000 Network Connection」をダブルクリックします。
「詳細設定」タブを選択します。
前述のとおり設定を変更して「OK」をクリックします。
P2Vユーティリティは、RAMが512MB未満のコンピュータでは起動できません。次のようなエラーにより、カーネル・パニックが発生します。
VFS: Cannot open root device "<NULL>" or unknown block(0,21) Please append a correct "root=" boot option Kernel panic - not syncing: VFS: Unable to mount root fs on unknown-block(0,21)
sdaを使用するコンピュータをブート・デバイスとしてハードウェア仮想化ゲストに変換すると、そのゲストは起動(電源オン)しません。コンピュータが次のように構成されているとします。
ブート・デバイスがsda
セカンダリ・ディスクがhda
P2Vユーティリティによって、ゲスト構成ファイル・エントリは、次のように作成されます。
disk = ['file:/OVS/running_pool/myGuest/System-hda.img,hda,w', 'file:/OVS/running_pool/myGuest/System-sda.img,hdb,w', ]
ゲスト構成ファイルのディスク・エントリの順序が正しくありません。
回避策: ゲスト構成ファイル(vm.cfg)のディスクの順序を修正します。例の場合、次のようになります。
disk = ['file:/OVS/running_pool/myGuest/System-hda.img,hdb,w', 'file:/OVS/running_pool/myGuest/System-sda.img,hda,w',
ローカルSCSIディスクがP2Vユーティリティで作成されたOracle Enterprise Linux Release 4のゲストでは、起動時にファイル・システム・チェックが失敗します。これは、ゲスト構成ファイルに、SCSIディスクとしてブート・ディスク以外が構成されている場合に発生します。次のようなエラーが表示されます。
Checking filesystems /boot: clean, 35/130560 files, 31002/522080 blocks fsck.ext3: Unable to resolve 'LABEL=/export0' *** An error occurred during the file system check. *** Dropping you to a shell; the system will reboot *** when you leave the shell. *** Warning -- SELinux is active *** Disabling security enforcement for system recovery. *** Run 'setenforce 1' to reenable. Give root password for maintenance
回避策: /etc/fstabファイルにあるSCSIディスク・エントリをコメント・アウトします。
または、sym53c8xxモジュールを使用して/sbin/mkinitrdスクリプトで新しいinitrdイメージを作成します。sym53c8xxモジュールは、LSI Logic/Symbios Logic 53c895a SCSIコントローラ向けです。これは、ゲストに使用するSCSIコントローラです。Oracle Enterprise Linux Release 4 Update 7に新しいinitrdイメージを作成するには、次のコマンドを実行します。
# grep ' /boot ' /proc/mounts > /dev/null 2>&1 || mount /boot # mv /boot/initrd-`uname -r`.img /boot/initrd-`uname -r`.img.orig # mkinitrd --with sd_mod --with=sym53c8xx /boot/initrd-`uname -r`.img `uname -r`
ゲスト・オペレーティング・システムのシステム時間は、Network Time Protocolデーモン(ntpd
)が修正するよりも速い速度でずれる場合があります。
回避策: 準仮想化ゲストでは、/proc/sys/xen/independent_wallclock
の値を1
に設定します。デフォルト値は、0
です。ハードウェア仮想化ゲストの場合は、定期的にntpdate
を実行し、システム時計を設定し直します。
SELinuxはこのリリースに含まれておらず、サポートされていません。
MACアドレスを含む仮想マシン・テンプレートを使用してゲストを作成すると、複数のゲストで同じIPアドレスが使用されてしまう原因になることがあります。この場合、ネットワークの競合が発生します。
回避策: それぞれのゲストで一意のMACアドレスを使用します。または、Oracle VM Managerでゲストを作成します。
dom0でネットワーク・サービスを再起動すると、xendブリッジ(xenbr0)とEthernetポート(eth0)の両方に同じIPアドレスが誤って設定されます。この問題を再現するには、次の手順を実行します。
dom0のIPアドレスを表示します。
# ifconfig
次のような出力が表示されます。この出力は、IPアドレスがeth0ではなくxenbr0に割り当てられていることを示しています。
eth0 Link encap:Ethernet HWaddr XX:XX:XX:XX:XX:XX UP BROADCAST RUNNING MULTICAST MTU:1500 Metric:1 ... xenbr0 Link encap:Ethernet HWaddr XX:XX:XX:XX:XX:XX inet addr:192.168.2.20 Bcast:0.0.0.0 Mask:255.255.255.0 ...
ネットワーク・サービスを再起動します。
# service network restart
ネットワーク構成を表示します。
# ifconfig
次のような出力が表示されます。この出力は、IPアドレスがxenbr0 およびeth0の両方に割り当てられていることを示しています。
eth0 Link encap:Ethernet HWaddr XX:XX:XX:XX:XX:XX inet addr:192.168.2.20 Bcast:192.168.2.255 Mask:255.255.255.0 ... xenbr0 Link encap:Ethernet HWaddr XX:XX:XX:XX:XX:XX inet addr:192.168.2.20 Bcast:0.0.0.0 Mask:255.255.255.0 ...
回避策: /etc/sysconfig/network-scripts/ifcfg-eth0ファイルに格納されているIPアドレスに変更を適用するために、service network restart
コマンド(またはこのコマンドと同等の/etc/init.d/network restart
)は使用してないでください。かわりに、ifconfigコマンドを使用してブリッジのIP設定を手動で変更します。次回のシステム再起動時に、新しい設定が自動的に適用されます。
構成ファイルにCD-ROMドライブが含まれている準仮想化ゲストで、ゲストのパニックが発生します。
回避策: ゲスト構成ファイルからCD-ROMの定義を削除します。
ゲスト構成ファイル内の仮想ネットワーク・インタフェース(vif)のtype
パラメータが空であるか、または欠落していると、2つのインタフェースが作成され、その両方に同じMACアドレスが割り当てられます。たとえば、次のようなエントリでこの問題が発生します。
vif = [ 'mac=mac_address, bridge=bridge' ]
作成されるvifエントリは次のとおりです。
vif = [ 'type=ioemu, mac=mac_address, bridge=bridge' ] vif = [ 'type=netfront, mac=mac_address, bridge=bridge' ]
これによって、同じMACアドレスを持ち、異なるドライバ(netfrontとioemu)を使用する2つのvifインタフェースが作成されます。
これは、次のオペレーティング・システムのハードウェア仮想化ゲストで発生します。
Oracle Enterprise Linux/Red Hat Enterprise Linux Release 5 Update 2からUpdate 4
Oracle Enterprise Linux/Red Hat Enterprise Linux Release 4 Update 7からUpdate 8
また、Oracle Enterprise Linux/Red Hat Enterprise Linux Release 4 Update 6より前のゲスト・オペレーティング・システムで準仮想化ドライバがインストールされているゲストでも発生します。
回避策: 次のいずれかのように指定することによって、ゲスト構成ファイルでtypeが1つのみ(0個は不可)のvifエントリを使用します。
vif = [ 'type=ioemu, mac=mac_address, bridge=bridge' ]
または
vif = [ 'type=netfront, mac=mac_address, bridge=bridge' ]
32ビットのPAE準仮想化ゲストのメモリー・サイズは、コンピュータに63GBを超える物理メモリーがある場合でも、63GBまでに制限されます。64ビットの準仮想化ゲストの場合、メモリー・サイズの上限は500GBになります。
iSCSIストレージ・ボリューム上にデータベースを配置している場合、I/O負荷の高い状態でハードウェア仮想化ゲストにネットワーク待機時間が発生すると、ゲストが応答しない状態になる場合があります。
回避策: ip6tables
を有効化している場合は、これらを無効化します。ip6tables
は、デフォルトではインストール中に無効化されます。次に例を示します。
/etc/modprobe.confファイルを編集し、次の行を追加します。
alias net-pf-10 off alias ipv6 off
/etc/sysconfig/networkファイルを編集し、次の設定を行います。
NETWORKING_IPV6=no
ip6tablesのファイアウォールを停止します。
# /sbin/service ip6tables stop
次のコマンドを実行します。
# /sbin/chkconfig ip6tables off
ネットワークを再起動します。
# /sbin/service network restart
コンピュータをリブートします。
WindowsゲストでVCPU
の数が2つ以上に設定されると、ネットワーク待機時間は負数になることがあります。たとえば、WindowsゲストからリモートIPへPingを発行する場合は次のようになります。
Reply from 192.168.2.1: bytes=32 time=-7639ms TTL=64
回避策: /usepmtimer
パラメータをWindowsゲスト・オペレーティング・システムのC:\boot.ini fileファイルに追加し、ゲストを再起動します。
http://support.microsoft.com/kb/895980
にあるMicrosoftサポートの文書(895980)も参照してください。
ハードウェア仮想化ゲスト、および準仮想化ドライバがインストールされているハードウェア仮想化ゲスト(HVM/PVHVM)は、一部のIntelベースのコンピュータでは起動しません。ゲストは、カーネルのロード時、ほぼすぐにロック・アップ(クラッシュ)します。これは、Extended Page Tables(EPT)をサポートするIntelベースのコンピュータで、ゲスト構成ファイル(vm.cfg)でHardware Assisted Paging(HAP)を無効(hap=0)にしていない場合に発生します。
この問題は、ゲスト構成ファイルのmaxmem
設定がmemory
設定と等しくない場合に発生します。
HVM/PVHVMゲストでは、ゲスト構成ファイルのHAPがデフォルトで有効(hap=1)になるため、HVM/PVHVMゲストのmaxmem
の設定によって、起動プロセスの早期にクラッシュが発生します。
回避策: ゲスト構成ファイル(vm.cfg)でmaxmem
設定をmemory
設定と等しくなるように設定します。または、maxmem
設定を削除します。
QLogic 8Gbホスト・バス・アダプタ(HBA)を搭載したHP ProLiant G6サーバーではqla2xxxドライバをアンロードできません。modprobe -r qla2xxx
コマンドとrmmod
コマンドの両方がハングします。dmesg
コマンドを使用すると、警告メッセージを表示できます。qla2xxxドライバは削除されず、すべてのディスクにアクセスできなくなります。
後でmodprobe
コマンドを使用してドライバをロードすると、次のようなエラーが表示されます。
PCI: Enabling device 0000:0a:00.0 (0140 -> 0143) ACPI: PCI Interrupt 0000:0a:00.0[A] -> GSI 31 (level, low) -> IRQ 23 qla2xxx 0000:0a:00.0: Found an ISP2532, irq 23, iobase 0xe503e000 qla2xxx 0000:0a:00.0: Configuring PCI space... PCI: Setting latency timer of device 0000:0a:00.0 to 64 qla2xxx 0000:0a:00.0: Configure NVRAM parameters... qla2xxx 0000:0a:00.0: Verifying loaded RISC code... qla2xxx 0000:0a:00.0: Allocated (64 KB) for EFT... qla2xxx 0000:0a:00.0: Allocated (1414 KB) for firmware dump... qla2xxx 0000:0a:00.0: Failed to reserve interrupt 23 already in use. ACPI: PCI interrupt for device 0000:0a:00.0 disabled qla2xxx: probe of 0000:0a:00.0 failed with error -38
対処方法:
/etc/grub.confファイルのdefault=
パラメータから、コンピュータの起動に使用されるinitrdイメージを特定します。値は0(ゼロ)から始まります。たとえば、default=3
はtitle ...
で表される4番目のエントリを指します。このエントリに示されているmodule /initrd-2.6.18...
またはinitrd /initrd-2.6.18...
が正しいファイル名です。
次のコマンドを使用して、/bootディレクトリにあるファイルの名前を変更します。
# mv /boot/initrd-version.el5xen.img /boot/initrd-version.el5xen.orig.img
/etc/modprobe.confファイルに次の行を追加します。
options qla2xxx ql2xenablemsix=1
次のコマンドを使用して、initrdを再作成します。
# mkinitrd -v /boot/initrd-version.el5xen.img version.el5xen
例:
# mkinitrd -v /boot/initrd-2.6.18-128.2.1.4.3.el5xen.img 2.6.18-128.2.1.4.3.el5xen
qlaxxxドライバでは、中間層アンダーフローで検出されたエラーが発生する場合があります。dmesgコマンドで次のようなメッセージが表示されます。
qla2xxx 0000:0c:00.0: scsi(0:0:0:1): Mid-layer underflow detected (4000 of 4000 bytes)...returning error status.
Oracle VM Serverの起動時に、ISCSI接続エラーが発生する場合があります。dmesgコマンドによって、次のようなメッセージが表示されます。
# dmesg |grep connection connection8:0: ping timeout of 5 secs expired, last rx 4294914790, last ping 4294916040, now 4294917290 connection8:0: detected conn error (1011)
これらのエラーは無視して構いません。
セカンダリSCSIディスクを追加した後は、準仮想化(PV)ゲスト、または準仮想化ドライバがインストールされているハードウェア仮想化ゲスト(PVHVM)を起動できません。これは、セカンダリSCCIディスクをゲスト構成ファイルにOracle VM Managerを使用して追加するか、または手動で追加した場合に発生します。ゲストは、起動するとクラッシュします。
影響を受けるゲスト・オペレーティング・システムは、32ビットと64ビットの両方のOracle Enterprise Linux、Red Hat Releases 4.xおよび5.xです。
回避策: この問題に対しては多くの回避策があります。
Oracle Enterprise Linux Release 4(PVHVM)ゲストの場合は、ゲストでのISCIデバイス・ドライバの自動ロードを無効にします。ISCIデバイス・ドライバの自動ロードを無効にするには、/etc/modprobe.confファイルに次の行を追加します。
alias drivername off
次に例を示します。
alias sym53c8xx off
Oracle Enterprise Linux Release 5(PVHVM)ゲストの場合は、ゲストからドライバ・モジュールを削除します。ゲストのドライバ・モジュールを削除するには、次のようなコマンドを使用してドライバ・モジュールを別の場所に移動します。
# mv /lib/modules/`uname -r`/kernel/drivers/scsi/sym53c8xx_2/sym53c8xx.ko /root/sym53c8xx.ko
PVMゲストの場合は、initrdファイルからドライバ・モジュールを削除します。initrdファイルからSCSIドライバ・モジュールを削除するには、次のコマンドを実行します。
# zcat /boot/initrd-version.ELxenU.img | cpio -it | grep ko|grep -i scsi
4509 blocks
lib/scsi_mod.ko
version.ELxenUカーネルのSCSIモジュール(scsi_mod.ko)なしでinitrdイメージを再作成します。
# mkinitrd --omit-scsi-modules --with=xenblk --with=xennet /boot/initrd-version.ELxenU.img.scsifix version.ELxenU # zcat /boot/initrd-version.ELxenU.img.scsifix | cpio -it | grep ko|grep -i scsi
この新しいinitrdイメージをゲストに使用します。ゲストを再起動すると、セカンダリSCSIディスクがロードされます。
Oracle Enterprise Linux 4 Update 4では、準仮想化ゲストとしての直接インストールはサポートされていません。
回避策: ハードウェア仮想化ゲストとしてインストールを行ってから、これを準仮想化ゲストに変換します。詳細は、『Oracle VM Serverユーザーズ・ガイド』を参照してください。
Oracle VM Serverリリース2.1.1からのアップグレード後、SSLを介したライブ移行が失敗します。ライブ移行時に次のエラーが表示されます。
Error: can't connect: (113, 'No route to host')
Oracle VM Serverリリース2.1.2では、SSLを介したライブ移行がサポートされるようになりました。SSLを介したライブ移行には、Oracle VM Serverファイアウォールでポート8003がオープンされている必要があります。以前のOracle VM Serverリリースからアップグレードした場合、ファイアウォール設定は変更されず、SSLを介したライブ移行を可能にするためにポート8003をオープンできない場合があります。
回避策: system-config-securitylevelユーティリティを使用して、Oracle VM Serverファイアウォールのポート8003をオープンします。system-config-securitylevelユーティリティを起動するには、次のように入力します。
# system-config-securitylevel
手動でOracle VM Serverファイアウォールを構成すると、これらの設定は、system-config-securitylevelユーティリティによって上書きされます。
NX(No eXecute)ビット対応のコンピュータからそれ以外のコンピュータへハードウェア仮想化ゲストのライブ移行を実行すると失敗します。NXビットは、Intel CPUのXDビット(eXecute Disable)でもあります。
NXビット対応のハードウェア仮想化ゲストからライブ移行を実行するには、両方のコンピュータでNXビットがサポートされ、BIOSでこの機能が使用可能になっている必要があります。
回避策: 両方のコンピュータのCPUがNXビットをサポートしている場合は、両方のコンピュータのBIOSでこの機能を使用可能にします。移行先コンピュータのCPUがNXビットをサポートしていない場合は、両方のコンピュータのBIOSでこの機能を使用不可にします。
OCFS2クラスタはマウントできず、エラーが表示されます。
Mounting repository @location from location... mount.ocfs2: Transport endpoint is not connected while mounting location on /OVS. Check 'dmesg' for more information on this error. Failed to mount location at /OVS
Oracle VM Serverリリース2.1.2では、OCFS2クラスタを使用した高可用性がサポートされるようになりました。OCFS2クラスタでは、Oracle VM Serverファイアウォールでポート7777がオープンされている必要があります。ポート7777がファイアウォールでオープンされていないと、クラスタのマウントは失敗します。
回避策: system-config-securitylevelユーティリティを使用して、Oracle VM Serverファイアウォールのポート7777をオープンします。system-config-securitylevelユーティリティを起動するには、次のように入力します。
# system-config-securitylevel
手動でOracle VM Serverファイアウォールを構成すると、これらの設定は、system-config-securitylevelユーティリティによって上書きされます。
HA対応のサーバー・プールで、OCFS2クラスタの仮想マシン・サーバーがサーバー・プール・マスターよりも先に起動されると、その仮想マシン・サーバーは自動的にはドメインに含まれません。
回避策: この問題を解決するには、複数の方法があります。サーバー・プール・マスターと仮想マシン・サーバーの両方が起動している場合は、次のいずれかを実行します。
Oracle VM Managerにログインし、「サーバー・プール」タブを選択します。サーバー・プールを選択し、「編集」をクリックします。「高可用性インフラストラクチャ」フィールドの「チェック」ボタンをクリックします。「高可用性の有効化」チェック・ボックスを選択します。「適用」または「OK」をクリックします。
サーバー・プール・マスターで、スクリプトを実行します。
# /opt/ovs-agent-2.2/utils/do_rpc.py ha_setup_cluster_infrastructure
仮想マシン・サーバーで、Oracle VM Agentを再起動します。
# service ovs-agent restart
SANベースのマルチパス化されたインストールの場合、Oracle VM Serverインストーラは、カーネルのルート・パーティションにマルチパス・デバイス・パスを選択する場合があります。次に例を示します。
title Oracle VM Server-ovs (xen-version.el5ovs) root (hd0,0) kernel /xen-32bit.gz dom0_mem=574M module /vmlinuz-version.el5xen ro root=/dev/mapper/mpath0p3 module /initrd-version.el5xen.img
これは、有効な構成です。ただし、マルチパス共有ディスクがOracle VM Managerリリース2.2のゲスト仮想マシンに割り当てられている場合は、パーティションではなく厳密にディスクUUIDが指定されるように/etc/grub.confファイル内の各ブート・エントリを変更することをお薦めします。ディスク・パーティションの順序が変更された場合、ゲスト仮想マシンのマルチパス・ディスクでシステム・ディスクのデバイス・パスが誤って想定されると、セキュリティに影響を及ぼす可能性があります。前述の例のUUIDを取得するには、次のように入力します。
# blkid -s UUID /dev/mapper/mpath0p3
以前のバージョンのOracle VM ServerまたはOracle Enterprise LinuxがすでにインストールされたコンピュータにOracle VM Serverをインストールすると、インストール時にスワップ・パーティションが構成されなかった場合でも、それらのパーティションの以前のエントリが/etc/fstabファイルに挿入される可能性があります。その結果、Oracle VM Serverの再起動時に、以前のインストールのスワップ・パーティションがマウントされます。たとえば、システムにOracle Enterprise Linuxがインストールされている場合、インストールされているOracle Enterprise Linuxとのデュアル・ブート構成で同じシステムにOracle VM Serverをインストールすると、Oracle VM Serverのインストール時に、インストールされているOracle Enterprise Linuxのスワップ・パーティションが検出され、マウントされます。
回避策: Oracle VM Serverの/etc/fstabファイルから不要なスワップ・パーティションのエントリを削除します。
スワップ・パーティションが作成されるディスクへのパスを複数持つコンピュータにOracle VM Serverをインストールする場合にmpath
コマンドライン・オプションを使用しないと、/etc/fstabファイルに同じスワップ・パーティションのエントリが複数含まれます。実際のディスクへの各パスに対して1つのエントリが存在します。その結果、同じスワップ・パーティションが複数回マウントされます。
回避策: /etc/fstabファイルから重複エントリを削除します。
または、Oracle VM Serverのインストール時に、ブート・コマンドラインでlinux mpath
オプションを使用します。
Oracle VM ServerのCD-ROMをCD-ROMドライブに挿入します。
Oracle VM ServerのCD-ROMを使用してコンピュータを起動します。
Oracle VM Serverインストールの「ようこそ」画面が表示されます。コマンド・プロンプトにlinux mpath
と入力して[Enter]を押し、インストールを開始します。このパラメータによって、マルチパス・ディスクを使用したインストールが実行されます。
プロンプトに従って、Oracle VM Serverをインストールします。『Oracle VM Serverインストレーション・ガイド』を参照してください。
kdump(Linuxのクラッシュ・ダンプ・ユーティリティ)が必要な場合は、Oracle VM ServerのCDからインストールできます。kdumpをインストールするには、Oracle VM ServerのCDをCDドライブに挿入し、次のコマンドを入力します。
# mkdir /mnt/cd # mount /dev/cdrom/ /mnt/cd # cd /mnt/cd/Server # rpm -i busybox-1.2.0-3.i386.rpm # rpm -i kernel-kdump-2.6.18-8.1.15.0.16.el5.i686.rpm # rpm -i kexec-tools-1.101-194.4.el5.0.3.i386.rpm
リブートするたびにkdumpを有効にするには、/boot/grub/grub.confファイルのkernel
行に、crashkernel=128M@16M
パラメータを追加します。次に例を示します。
kernel /xen.gz dom0_mem=512M ro crashkernel=128M@16M
Oracle Enterprise LinuxおよびRed Hat Enterprise Linux 5.xゲストではkdumpクラッシュ・ダンプ・ユーティリティをインストールできません。
Red Hat Enterprise Linux 3.xの64ビットのハードウェア仮想化ゲストは作成できません。
Oracle VM Serverリリース2.1で作成されたRed Hat Enterprise Linux 3.xの64ビットのハードウェア仮想化ゲストは、Oracle VM Serverリリース2.1.1、2.1.2、2.1.5または2.2.0では起動できません。
この問題は、Oracle VM Serverリリース2.1.1、2.1.2、2.1.5および2.2.0で発生します。Oracle VM Serverリリース2.1では発生しません。
回避策: ゲストの構成ファイルにacpi=0
パラメータを追加するか、またはvirt-installコマンドを使用している場合はコマンドラインでacpi=off
パラメータを指定します。
この回避策を実行した場合、Oracle VM Managerから停止を開始すると、ゲスト・オペレーティング・システムは正常に停止されますが、仮想マシンのステータスが「実行中」から「停止」に変更されるまで通常より時間がかかることがあります。
Intelマシンの中には、Red Hat Enterprise Linux 4.1ハードウェア仮想化ゲストを作成できないものがあります。対象となるシステムは、次のとおりです。
Intel® Xeon® Processor 7000シリーズ
Intel® Xeon® Processor 5100シリーズ
Intel® Xeon® Processor 5300シリーズのコンピュータでは、この問題は発生しません。
回避策: Intel® Xeon® Processor 7000シリーズのコンピュータでは、構成ファイルでacpi=1
およびapic=1
パラメータを追加するか、またはvirt-install
を使用している場合はコマンドラインでこれを追加します。
別の回避策:
構成ファイルでtimer_mode=
を設定しないようにします。
構成ファイルでhpet=
を設定しないようにします。
ゲストのgrub.confファイルにnohpet
パラメータを追加します。
ゲストにdm-nfsブロック・デバイスを使用すると、dom0のdmesgに警告が表示される場合があります。
device-mapper: nfs: not using n bytes in incomplete block at EOF
このエラーは、Oracle VM Serverをリリース2.1.1から2.1.2または2.1.5にアップグレードし、NFSストレージにあるゲストを起動した後に発生する場合があります。このエラーは、ゲストのテンプレートのサイズが512バイトの倍数でない場合にも発生することがあります。
Oracle VM Serverリリース2.1.2以降では、NFSストレージを使用してゲストのブロック・デバイスをエミュレートできます。ブロック・デバイスのエミュレータでは、NFSストレージのバッキング・ファイルのサイズを512バイトの倍数と想定しています。この警告は、バッキング・ファイルのサイズが、厳密に512バイトの倍数ではないことを示しています。ブロック・デバイス・エミュレータは、バッキング・ファイルのサイズを最も近い512バイトの倍数に丸め、残りの数バイトを無視します。エミュレートされたブロック・デバイスは、想定したより1セクター小さく表示されます。
ゲストが作成されてからバッキング・ファイルのサイズに変更がない場合、ゲストに影響はなく、メッセージは無視できます。必要以上にバッキング・ファイルを作成したり削除すると、データが消失したり破損する場合があります。
Oracle Enterprise Linux Release 4準仮想化ゲストおよびRed Hat Enterprise Linux Release 4準仮想化ゲストでは、oracleasm createdisk
コマンドが失敗します。たとえば、/dev/xvdb1
にパーティションが存在する場合、通常、次のコマンドは成功しますが、これらのオペレーティング・システムでは成功しません。
# /etc/init.d/oracleasm createdisk VOL1 /dev/xvdb1 Marking disk "/dev/xvdb1" as an ASM disk: asmtool: Device "/dev/xvdb1" is not a partition [FAILED]
回避策: パーティション・チェックを無視するように、asmtoolコマンドに-a force=yes
パラメータを付けて実行します。次に例を示します。
# asmtool -C -l /dev/oracleasm -n VOL1 -s /dev/xvdb1 -a force=yes /etc/init.d/oracleasm scandisks
ディスクを作成したら、oracleasm scandisks
コマンドを使用してアクセス権を修正します。
Oracle VM Serverのインストール中に、Logical Volume Manager(LVM)を設定することはできません。
回避策: 事前に構成したLVMボリュームを使用します。または、Oracle VM Serverインストーラを一時的に終了して、LVM構成を最初から作成することも可能です。Oracle VM Serverのインストール中に、[Alt]キーを押しながら[F2]キーを押してターミナルを使用し、lvm
コマンドを実行します。LVM構成を作成し終わったら、[Alt]キーを押しながら[F1]キーを押して、Oracle VM Serverのインストールに戻ります。
64ビットのゲストでは、xm dump-core
コマンドが失敗します。
このリリースのOracle VM Serverでは、xm dump-core
コマンドは完全なコア・ダンプを生成します。
ゲストをリストアする際に、(dmesg
内で)次のエラーが表示される場合があります。これらのエラーは無害であり、無視して構いません。
Call Trace: <IRQ> [<ffffffff800b2c85>] softlockup_tick+0xdb/0xed [<ffffffff800933d1>] update_process_times+0x42/0x68 [<ffffffff80073d97>] smp_local_timer_interrupt+0x23/0x47 [<ffffffff80074459>] smp_apic_timer_interrupt+0x41/0x47 [<ffffffff80068ae4>] default_idle+0x0/0x50 [<ffffffff8005bcc2>] apic_timer_interrupt+0x66/0x6c <EOI> [<ffffffff80068b0d>] default_idle+0x29/0x50 [<ffffffff80046f9c>] cpu_idle+0x95/0xb8 [<ffffffff80073bb5>] start_secondary+0x45a/0x469
仮想化ゲストが準仮想化ゲストとして動作する場合、自動的にハードウェア仮想化ゲストとともに機能するわけではなく、またハードウェア仮想化ゲストとして機能するわけでもありません。ここでは、ハードウェア仮想化ゲストを作成する際に重要な考慮事項をあげます。
DHCPを使用してIPアドレスを取得するようにdom0を設定している場合、DHCPリースの期限が切れると、それぞれのdomUでネットワーク設定が未定義状態になるため、予期しない結果が生じる場合があります。
ハードウェア仮想化ゲストを作成する際、構成ファイル内のディスク・パーティションのエミュレーションを使用しないでください。
準仮想化ゲストの場合は、構成ファイルのdisk
パラメータを使用して、ディスク・パーティションをエミュレートするように設定できます。次に例を示します。
disk=['phy:/dev/hdb1,hdb,w']
次のように構成パラメータを変更すると、hdb
をhdb1
としてエミュレートするように設定できます。
disk=['phy:/dev/hdb1,hdb1,w']
ハイパーバイザは、パーティション表をエミュレートしてフェイクの/dev/hdb
を作成しますが、ディスクは/dev/hdb1
のように見えます。
ハードウェア仮想化ゲストの場合、このような設定を行うことはできません。パーティションではなく、ディスク全体を構成ファイル内に指定する必要があります。2番目のパラメータには、常にディスク全体を使用することをお薦めします。
この指定は、最初のパラメータには影響を与えません。最初のパラメータには、dom0からアクセスできる任意のファイル、パーティションまたはディスク全体を指定できます。
コンピュータ間でのファイル・システムのコピーにrsyncコマンドは使用しないでください。
回避策: ddユーティリティを使用して、ローカルまたはネットワーク経由でオペレーティング・システム全体をコピーします。次に例を示します。
# dd if=/dev/vgxen/lvol0 | ssh <target host for copied domU> dd of=/dev/vgxen/lvol0
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Oracle VM Serverリリース・ノート, リリース2.2.1
B57075-02
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