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Oracle Enterprise Managerスタート・ガイド for Oracle Coherence
10gリリース5(10.2.0.5)
B54375-01
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Oracle® Enterprise Manager

スタート・ガイド for Oracle Coherence

10gリリース5(10.2.0.5)

部品番号: B54375-01

2009年5月

このドキュメントでは、Enterprise Manager Grid Control 10gリリース5(10.2.0.5)を使用してCoherenceクラスタの検出と監視を行う手順について説明します。このドキュメントは、ユーザーがOMSにOracle Management AgentおよびEnterprise Manager 10.2.0.5パッチセットをインストールしていることを前提としています。

このドキュメントでは、次の項について説明します。

サポートされるバージョン

次の表に、Enterprise Manager Grid Controlで管理可能なCoherenceのバージョンを示します。

表1 サポートされるバージョン

サポートされるバージョン サポートされるJDKバージョン サポートされるEnterprise Managerおよび管理エージェントのバージョン

Coherence Grid EditionおよびEnterprise Edition 3.4.x

JDK 1.5および1.6

10.2.0.5.0

Coherence Grid EditionおよびEnterprise Edition 3.3.x

JDK 1.5および1.6

10.2.0.5.0



注意:

Coherenceクラスタの監視には、管理エージェント10.2.0.5.0以上のみ使用できます。

検出メカニズムの理解

通常Coherenceクラスタは、複数のホスト上で稼働する数多くのノードで構成されます。ノードには、ストレージ・ノード、プロキシ・ノード、管理ノードなど、いくつかのタイプがあります。各ノードは、JVMプロセス上で稼働します。管理ノードはJMXサーバーのホストで、Enterprise Managerは、このノードを使用してCoherenceクラスタの検出と監視を行います。

Oracle Management Agentは、メトリックの収集と実行時構成変更の伝播のために管理ノードと通信します。


注意:

管理エージェントは、Coherence管理ノードが稼働している同じマシン、またはリモート・マシンに存在できます。

管理ノードを起動するには、ストレージ・ノード、プロキシ・ノードおよびアプリケーション・ノードに次のシステム・プロパティを設定する必要があります。

CoherenceクラスタでのJMXの有効化の詳細は、『Oracle Coherence開発者ガイド』を参照してください。

バルク管理MBeanを使用した管理ノードの構成および起動

管理ノードの起動には、Enterprise Managerとともに提供されるバルクMBeanを使用することをお薦めします。

管理ノード起動が、Enterprise Managerとともに提供されているcoherenceEMIntg.jarおよびbulkoperationsmbean_11.1.1.jarに含まれていることを確認します。管理エージェントがリモートの場所にある場合は、管理ノードが起動されるマシンに次のファイルをコピーする必要があります。

$ORACLE_HOME/sysman/jlib/coherenceEMIntg.jar
$ORACLE_HOME/modules/bulkoperationsmbean_11.1.1.jar

バルクMBeanを使用して管理ノードを起動するときに使用するスクリプトのサンプルを次に示します。

CLASSPATH=$COHERENCE_HOME/coherence/lib/coherence.jar
CLASSPATH=$CLASSPATH:coherenceEMIntg.jar:bulkoperationsmbean_11.1.1.jar
$JAVA_HOME/bin/java -cp $CLASSPATH $JVM_OPT $SYS_OPT 
oracle.sysman.integration.coherence.EMIntegrationServer > $COHERENCE_
HOME/mgmtnode.log >> $COHERENCE_HOME/mgmtnode.err &

注意:

この例では、Coherence 3.4を使用していることを前提としています。Coherence 3.3を使用している場合、coherence.jarの名前をtangosol.jarに変更する必要があります。

管理エージェントとJMXサーバーの間の接続を有効にするには、Coherenceクラスタの管理ノードの起動中に、com.sun.management.jmxremote.port=portNumシステム・プロパティを設定してJMXポートを指定する必要があります。

セキュリティ資格証明を使用したCoherence管理ノードの起動

-Dcom.sun.management.jmxremote.authenticate=trueオプションを使用して管理ノードを起動する場合は、jmxremote.passwordファイルにユーザー名とパスワードを、jmxremote.accessファイルにロールを設定する必要があります。

  • $JDK_HOME/jre/lib/management/jmxremote.passwordファイルにユーザー名とパスワードを指定します。次に例を示します。

    列1 列2
    username1 coherence1
    username2 coherence2

    列1はユーザー名、列2はパスワードです。

  • $JDK_HOME/jre/lib/management/jmxremote.accessファイルに各ユーザーのロールを指定します。次に例を示します。

    列1 列2
    username1 readonly
    username2 readwrite(Coherence管理ノードにはこのロールを指定する必要があります)

    列1はユーザー名、列2はロールです。


    注意:

    パスワード認証およびSSLを無効にするには、次のプロパティを指定してJVMを起動します。

    com.sun.management.jmxremote.authenticate=false

    com.sun.management.jmxremote.ssl=false


Oracle Coherenceの検出

  1. 「ターゲットの追加」権限を持つ管理者としてEnterprise Managerにログインします。

  2. 「ターゲット」タブをクリックし、「ミドルウェア」をクリックします。ミドルウェア・ターゲットのリストが表示されます。

    図1 ミドルウェア・ターゲットのページ

    「ミドルウェア」ページ
  3. 「追加」ドロップ・ダウン・ボックスで「Oracle Coherence」を選択し、「実行」をクリックします。「Oracle Application Serverターゲットの追加: ホストの指定」ページが表示されます。

    図2 「Oracle Application Serverターゲットの追加: ホストの指定」ページ

    ホストのページ
  4. Oracle Management Agentが実行されているホスト名を入力します。Oracle Coherenceの追加ページが表示されます。

    図3 Oracle Coherenceの追加ページ

    「監視構成」ページ
  5. Coherenceクラスタの詳細情報を次のように入力します。

    パラメータ 説明
    名前 Coherenceクラスタに使用する一意の名前。
    マシン名 Coherence MBean Serverが稼働しているマシン名。Coherence管理ノードが稼働しているマシンです。
    JMXリモート・ポート JMX RMI接続に使用するポート。次のプロパティを使用します。
    • Coherence MBean用のMBeanコネクタを使用している場合、tangosol.coherence.management.remote.connectionportプロパティ

    • Coherence MBeanの登録にプラットフォームMBean Serverを使用している場合、com.sun.management.jmxremote.portプロパティ

    ユーザー名およびパスワード 接続に必要な資格証明。

    注意: 最初の列に指定されるユーザー名とパスワードは、jmxremote.passwordファイルの最初の列に指定されたユーザー名と一致する必要があります。

    通信プロトコル 接続に使用されるプロトコル。デフォルトはrmiです。
    サービス名 接続に使用されるサービス名。デフォルトはjmxrmiです。
    サービスURL 接続に使用されるJMXサービスURL。URLを入力すると、「マシン名」、「ポート」、「通信プロトコル」および「サービス名」フィールドに指定した値は無視されます。

    例: service:jmx:rmi://localhost:3000/jndi/rmi://localhost:9000/server。URL形式の詳細は、http://java.sun.com/j2se/1.5.0/docs/api/javax/management/remote/JMXServiceURL.htmlを参照してください。

    使用方法のヒント: 「サービスURL」の指定が必要になる可能性があるのは、RMIレジストリおよびMBean Serverポートが異なる場合のような複雑なケースのみです。それ以外のほとんどのケースでは、「マシン名」と「ポート」が接続に使用されます。

    SSLTrustストア 信頼できる証明書が格納されるストア。このフィールドはオプションです。
    カスタムのルックアップ・プロバイダ・クラス JMXLookUpを実装するクラス。前述のフィールドが動的で、一部のLDAPサーバーやその他の場所でプログラム的に参照する必要がある高度なケースで使用されます。他のフィールドを指定できる場合は、このフィールドは不要です。
    バルク操作MBean バルク操作MBeanの完全なオブジェクト名。たとえば、Coherence:type=BulkOperations。MBean ServerにバルクMBeanが登録されていない場合は、このフィールドは空白にしておく必要があります。

    使用方法のヒント: バルクMBeanは、MBean Serverのパフォーマンスを向上させます。

    Coherenceバージョン Coherenceの現在のバージョン。デフォルトは3.4です。

    注意: リリース3.3.xまたは3.4.xを使用している場合、3.3および3.4をそれぞれ指定する必要があります。


Management Packの有効化

Coherenceクラスタの監視以外の追加機能を利用するには、Management Pack for Oracle Coherenceを有効化する必要があります。Management Packを有効化するには、次のようにします。

  1. Enterprise Manager Grid Controlにログインします。Enterprise Manager Grid Controlホームページが表示されます。

  2. ページ右上隅の「設定」をクリックします。「設定の概要」ページが表示されます。

  3. 左パネルの「Management Packのアクセス権」リンクをクリックします。「Management Packのアクセス権」ページが表示されます。

  4. 「検索」ドロップ・ダウン・リストで「Oracle Coherence」を選択し、「実行」をクリックします。

  5. 監視されているすべてのCoherenceターゲットが表示されます。該当のCoherenceターゲットの「パック・アクセス同意済」チェック・ボックスを選択し、「適用」をクリックしてManagement Packを有効化します。

トラブルシューティング

Oracle Coherenceターゲットのメトリック・データを収集できない場合は、ターゲットの検出に関連するすべての手順を正しく行ったかを確認するために、次の内容を確認してください。

Coherenceクラスタの監視

Coherenceターゲットを検出し、Management Packのアクセス権を有効にしたら、次の手順でクラスタの状態とパフォーマンスの監視を開始できます。

  1. 「ターゲット」タブをクリックし、「ミドルウェア」をクリックします。ミドルウェア・ターゲットのリストが表示されます。

  2. Coherenceクラスタ・リンクをクリックし、ホームページを表示します。

    図4 Coherenceの「ホーム」ページ

    ホームページ

「パフォーマンス」ページ

メトリック・データはリポジトリに保存されているため、履歴を確認できます。デフォルトでは、すべての「パフォーマンス」ページで過去24時間のパフォーマンスのメトリックを確認できます。ターゲットが追加されてまもない場合は、24時間のパフォーマンスのメトリックを取得できないため、リアルタイムのグラフを表示できます。リアルタイムのグラフを表示するには、任意の「パフォーマンス」ページの「データの表示」ドロップ・ダウン・リストで、「実行時間」オプションの1つを選択します。

監視されているCoherenceメトリックのリスト

収集されたすべてのメトリックを表示するには、ホームページの「関連リンク」セクションの下の、「すべてのメトリック」リンクをクリックします。「すべてのメトリック」ページに、すべてのメトリックが、収集頻度および最新の収集/アップロードのタイムスタンプとともに表示されます。任意のメトリックをクリックすると、最新の収集値を取得できます。

図5 「すべてのメトリック」ページ

「すべてのメトリック」ページ

メトリックのしきい値

Enterprise Managerでは、様々なアラートを使用してOracle Coherenceターゲットを積極的に監視できます。メトリックには、クリティカルおよび警告のしきい値を設定できます。これにより、システムの潜在的な問題を通知するアラートが生成されます。しきい値を表示および変更するには、「関連リンク」セクションの「メトリックとポリシー設定」リンクを使用します。「メトリックしきい値」ページで「すべてのメトリック」を選択すると、警告およびクリティカルのしきい値を定義できるすべてのメトリックが表示されます。

ドキュメントのアクセシビリティについて

オラクル社は、障害のあるお客様にもオラクル社の製品、サービスおよびサポート・ドキュメントを簡単にご利用いただけることを目標としています。オラクル社のドキュメントには、ユーザーが障害支援技術を使用して情報を利用できる機能が組み込まれています。HTML形式のドキュメントで用意されており、障害のあるお客様が簡単にアクセスできるようにマークアップされています。標準規格は改善されつつあります。オラクル社はドキュメントをすべてのお客様がご利用できるように、市場をリードする他の技術ベンダーと積極的に連携して技術的な問題に対応しています。オラクル社のアクセシビリティについての詳細情報は、Oracle Accessibility ProgramのWebサイトhttp://www.oracle.com/accessibility/を参照してください。

ドキュメント内のサンプル・コードのアクセシビリティについて

スクリーン・リーダーは、ドキュメント内のサンプル・コードを正確に読めない場合があります。コード表記規則では閉じ括弧だけを行に記述する必要があります。しかしJAWSは括弧だけの行を読まない場合があります。

外部Webサイトのドキュメントのアクセシビリティについて

このドキュメントにはオラクル社およびその関連会社が所有または管理しないWebサイトへのリンクが含まれている場合があります。オラクル社およびその関連会社は、それらのWebサイトのアクセシビリティに関しての評価や言及は行っておりません。

聴覚に障害があるお客様のOracleサポート・サービスへのアクセス

Oracleサポート・サービスに連絡するには、電気通信リレー・サービス(TRS)をご利用いただき、Oracleサポート(+1-800-223-1711)までお電話ください。Oracleサポート・サービスの技術者が、Oracleサービス・リクエストのプロセスに従って、技術的な問題を処理し、お客様へのサポートを提供します。TRSの詳細情報はhttp://www.fcc.gov/cgb/consumerfacts/trs.htmlを、電話番号のリストはhttp://www.fcc.gov/cgb/dro/trsphonebk.htmlを参照してください。

サポートおよびサービス

次の各項に、各サービスに接続するためのURLを記載します。

Oracleサポート・サービス

オラクル製品サポートの購入方法、およびOracleサポート・サービスへの連絡方法の詳細は、次のURLを参照してください。

http://www.oracle.com/lang/jp/support/index.html

製品マニュアル

製品のマニュアルは、次のURLにあります。

http://www.oracle.com/technology/global/jp/documentation/index.html

研修およびトレーニング

研修に関する情報とスケジュールは、次のURLで入手できます。

http://education.oracle.com/pls/web_prod-plq-dad/db_pages.getpage?page_id=3

その他の情報

オラクル製品やサービスに関するその他の情報については、次のURLから参照してください。

http://www.oracle.com/lang/jp/index.html 
http://www.oracle.com/technology/global/jp/index.html 

注意:

ドキュメント内に記載されているURLや参照ドキュメントには、Oracle Corporationが提供する英語の情報も含まれています。日本語版の情報については、前述のURLを参照してください。 



Oracle Enterprise Managerスタート・ガイド for Oracle Coherence, 10gリリース5(10.2.0.5)

部品番号: B54375-01

Oracle Enterprise Manager Getting Started Guide for Oracle Coherence, 10g Release 5 (10.2.0.5)

原本部品番号: E14631-02

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