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Oracle Enterprise Manager Application Management Pack for Siebelスタート・ガイド
10gリリース5(10.2.0.5)
B53912-01
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Oracle® Enterprise Manager

Application Management Pack for Siebelスタート・ガイド

10gリリース5(10.2.0.5)

部品番号: B53912-01

2009年4月

このドキュメントでは、Siebel Management Packの概要を示し、このパックが提供する付加価値的な機能について説明します。また、Siebelターゲットに対して収集されるメトリックを一覧表示し、監視問題を解決する際に使用できるトラブルシューティングのヒントを示します。

このドキュメントの具体的な内容は次のとおりです。

Oracle Application Management Pack for Siebelの概要

この項の内容は次のとおりです。

機能概要

Oracle Application Management Pack for Siebel(Siebelパック)は、Siebelカスタマ・リレーションシップ・マネジメント(CRM)アプリケーションを管理するための統合ソリューションです。Oracle Enterprise Manager Grid Controlの機能を利用して、構成管理、アプリケーション・パフォーマンス管理、自動化およびサービス・レベル管理を行い、Siebel CRMアプリケーションに必要なハイ・レベルなパフォーマンスおよび可用性を実現します。

Siebelパックにより、次のことが可能になります。

  • 1つのコンソールから、複数のSiebel環境を管理できます。

  • Siebelサーバー環境、これらのサーバーのホスト、およびSiebel Application Server内にデプロイされたサーバー・コンポーネントの状態および容量使用状況を監視できます。

  • Siebel Application Serverおよびサーバー・コンポーネント・パラメータに行った構成変更を追跡できます。

  • 統合サービス・テスト・トランザクションからのレスポンス時間だけでなく、実際のエンドユーザー・レスポンス時間も監視できます。

  • パフォーマンスを分析することにより、パフォーマンスおよび可用性の問題を診断できます。

  • Siebel CRMアプリケーションで提供されるサービス・レベルでモデル化、監視およびレポートできます。

OracleおよびOracle以外のデータベース、ミドルウェア、ネットワーク・デバイスおよびホストを管理するために、他のEnterprise Managerパックやプラグインと統合している場合、Siebel環境全体を完全にエンドツーエンドで管理できます。

Siebel固有のターゲット

Siebel CRMアプリケーションを容易に管理するためにEnterprise Managerに追加されたSiebelターゲットを次に示します。これらのターゲットは、Enterprise Manager内で管理できるように、Siebel環境内のエンティティをモデル化します。

通常は、これらのターゲットはSiebelの対応するターゲットと1対1で直接マッピングされます。特定の管理機能をEnterprise Manager内で容易にするために作成されたものもあります。

表1 Siebel固有のターゲット

Enterprise Managerターゲット Siebelエンティティ 用途

Siebelエンタープライズ

Siebelエンタープライズ

メトリックおよび関連付けられたSiebelサーバーへのアクセスを提供するSiebelエンタープライズ

Siebelサーバー

Siebel Application Server

関連するメトリックと構成情報、および関連するSiebelコンポーネントへのアクセスを提供するSiebelサーバー

Siebelコンポーネント・グループ

Siebelコンポーネント・グループ

メトリックおよび関連するSiebelコンポーネントへのアクセスを提供するSiebelコンポーネント・グループ

Siebelコンポーネント

Siebelコンポーネント

コンポーネント・メトリックおよび構成情報へのアクセスを提供するSiebelコンポーネント

Siebelキー・コンポーネント

-

Siebelサーバー本来の機能のために必要な機能を提供するすべてのSiebelコンポーネント

Siebel機能コンポーネント

-

複数のコンポーネント(ワークフローなど)で使用できる機能を提供するすべてのSiebelコンポーネント

Siebelデータベース・リポジトリ

Siebel Database

Siebelビジネス・メトリックへのアクセスを提供するSiebelデータベース

Siebel Gateway Server

Siebel Gateway Server

Siebelゲートウェイ・サーバー

Siebelアプリケーション・サービス(HI)

従業員対象のSiebelアプリケーション(高レベル双方向性)

Siebelのすべての高レベル双方向性アプリケーションについての情報を提供する集計サービス

Siebelアプリケーション・サービス(SI)

顧客対象のSiebelアプリケーション(標準レベル双方向性)

Siebelのすべての標準レベル双方向性アプリケーションについての情報を提供する集計サービス

Siebelワークフロー

-

ワークフロー・プロセスおよびコンポーネント・グループへのアクセスを提供するSiebelワークフロー・ターゲット


追加情報の入手先

Siebelパックについての追加情報は、表2に示すマニュアルを参照してください。SiebelパックはEnterprise Managerの基本機能を多数利用しているので、多くの場合、基本のマニュアルを使用できます。

表2 Siebelパック用の追加マニュアル

マニュアル 情報

『Oracle Enterprise Manager Grid Controlクイック・スタート・ガイド』

すべて

Enterprise Manager Grid Controlへの入門書。Oracle Enterprise Managerを初めて使用する場合は、このマニュアルを読むことを強くお薦めします。

『Oracle Enterprise Manager概要』

すべて

Oracle Enterprise Manager Grid Controlの機能の全体情報


「システムの監視」

しきい値およびアラートの設定


「サービス管理」

Siebelアプリケーション・サービスのモデル化、サービス・レベル・オブジェクティブの定義、サービス・テストの設定、サービス・レベル・レポートの実行


デプロイの管理の章

構成の表示、構成の比較、構成スナップショットの保存、構成ポリシーの使用


「ホストおよびサード・パーティ・ターゲットの管理」

オペレーティング・システムとホストの監視


情報パブリッシャの章

カスタム・レポートの作成

Siebel 8のシステム監視および診断ガイド(Siebel 8ブックシェルフ)

「Siebel診断ツールを使用したデータの監視および管理」

サーバー・パフォーマンスの分析、ユーザー・パフォーマンスの分析、イベント・ログの分析


すべて

Siebel診断ツールのインストール

『Oracle Enterprise Manager Grid Controlインストレーション・ガイド』

すべて

Enterprise Manager Grid Controlサーバーおよびエージェントのインストール

『Oracle Enterprise Managerアドバンスト構成』

すべて

アドバンスト構成の項目


「Oracle Enterprise Managerのパフォーマンスのサイジングおよび最大化」

Oracle Enterprise Managerの容量予測およびチューニング


表2に示したドキュメントは、次のURLにあるEnterprise Managerドキュメント・ライブラリからアクセスできます。

http://www.oracle.com/technology/documentation/oem.html

表2に示すドキュメントの他に、Enterprise Managerでは、Enterprise Managerオンライン・ヘルプでもSiebelパックを使用するための総合的な手順を提供しています。Enterprise Managerのオンライン・ヘルプにアクセスするには、Enterprise Managerにログインし、ホームページの右上隅にある「ヘルプ」ボタンをクリックします。

Oracle Technology Network(OTN)のフォーラムおよびEnterprise Managerのチュートリアルでも製品に関する追加情報を入手できます。提供可能になった情報はOTNに置かれます。Enterprise Managerのマニュアル・セットは、OTNでも入手できます。URLは次のとおりです。

http://www.oracle.com/technology

システム要件

Siebelパックがサポートされているプラットフォームは、Siebelソフトウェアをサポートするプラットフォームと同じです。現在、Siebelパックは、Siebel 7.7、Siebel 7.8以降のすべてのバージョンとともにサポートされています。Siebelのシステム要件を調べる場合は、システム要件およびサポートされるプラットフォームのページ(http://supportweb.siebel.com/support/private/content/SRSP/enu/SRSPindex.html)にアクセスしてください。

従業員を対象とした(高レベル双方向性)Siebel CRMアプリケーションに対してサービス・テスト・トランザクションを実行するビーコンは、Microsoft Windowsベースのコンピュータで実行する必要があります。これらのビーコンは、Microsoft Internet Explorer上で、Siebelに対してトランザクションを実行します。

また、サービス・テストを記録または更新するとき、Enterprise ManagerにアクセスするためにMicrosoft Internet Explorerを使用する必要があります。これは、テストが顧客を対象としたSiebelアプリケーション(高レベル双方向性)の場合でも、従業員を対象としたSiebelアプリケーション(標準レベル双方向性)の場合でも必要です。

Oracle Enterprise Manager 10g Grid Controlリリース3以上のインストール

Enterprise Manager 10g Grid Controlリリース3(10.2.0.3)以上をネットワーク内の1つ以上のホストにインストールします。Grid Controlコンポーネントは、専用のホスト(1つまたは複数)にインストールすることをお薦めします。たとえば、Siebelパックの中間層がhost1.us.oracle.comにインストールされている場合、Grid Controlは別のホストに(つまり、Oracle Management ServiceおよびOracle Management Repositoryはhost2.us.oracle.comに)インストールして構成します。

Grid Controlで監視するコンポーネントが含まれるすべてのホストに、Oracle Management Agent 10gリリース3(10.2.0.3)をインストールします。


関連資料:

『Oracle Enterprise Manager Grid Controlインストレーションおよび基本構成』(http://www.oracle.com/technology/documentation/oem.html


重要:

すでにインストールされているEnterprise Manager 10g Grid Controlリリース3(10.2.0.3)をリリース4(10.2.0.4)またはリリース5(10.2.0.5)にアップグレードする場合は、アップグレードの前に、「Enterprise Manager 10g Grid Controlリリース3(10.2.0.3)をリリース4(10.2.0.4)またはリリース5(10.2.0.5)にアップグレードするための前提条件」に示されている前提条件を満たす必要があります。

Enterprise ManagerにSiebelエンタープライズをインストールするための前提条件

Enterprise ManagerでOracle Application Management Pack for Siebelを監視するには、あらかじめ次のタスクを実行する必要があります。

  • Enterprise Manager Grid Controlをインストールします。

    この手順を実行するために必要な情報は、次のURLで入手可能な『Oracle Enterprise Manager Grid Controlインストレーション・ガイド』を参照してください。

    http://www.oracle.com/technology/documentation/oem.html

  • 各ホストにエージェントをインストールします。

    Siebel Gateway Server、Siebel Web Server、Siebel Application Server、Siebel Report Server、Siebel Chart Server、Siebel Search ServerおよびSiebel Databaseが実行されている各ホストにOracle Agentをインストールします。また、サービス・テスト・ビーコンをデプロイする予定の各システムがSiebelサーバー・ホストと異なる場合は、それらの各システムにもOracle Agentをインストールします。

    この手順を実行するために必要な情報は、次のURLで入手可能な『Oracle Enterprise Manager Grid Controlインストレーション・ガイド』を参照してください。

    http://www.oracle.com/technology/documentation/oem.html

    Siebelで使用するLDAPや電子メール・サーバーなど、追加のソフトウェアを監視する予定で、これらのターゲットを監視するための適切なライセンスを持っている場合は、これらのホストにもAgentをインストールします。

  • 「ターゲット」タブでSiebelサービス・タブを有効にします。

    Siebelサービス・タブを有効にするには、次のようにします。

    1. ユーザー・インタフェースの右上隅にある「プリファレンス」をクリックします。

      「プリファレンス」ページが表示されます。

    2. 左ペインにある「ターゲットのサブタブ」リンクをクリックします。

      「ターゲットのサブタブ」ページが表示されます。

    3. 「使用可能なターゲットのサブタブ」から「Siebelサービス」を選択し、「移動」矢印をクリックして「選択したターゲットのサブタブ」に移動させます。

      選択した項目が移動します。

    4. 「終了」をクリックします。

  • Oracle Enterprise Managerがインストールされているすべてのホストに対して、優先資格証明を設定します。

    これは、ページの右上隅にある「プリファレンス」リンクに進み、左のナビゲーション・ペインにある「優先資格証明」リンクを選択して行います。

  • Siebelターゲットを監視するために、Enterprise Managerエージェントを有効にします。

    Enterprise Managerエージェントを介してSiebelサーバーを監視するには、エージェント・マシンで構成スクリプトを実行する必要があります。

    • Windowsマシンの場合、コマンドラインから次のコマンドを実行する必要があります。

      <agent_dir>\bin\siebelClasspathFix.bat <agent_dir>

      (<agent_dir>は、EMエージェントのインストール場所に置き換えてください。)

      次に実際のコマンド例を示します。

      C:\OracleHomes\agent10g\bin\siebelClasspathFix.batC:\OracleHomes\agent10g

    • Unix/Linuxマシンの場合、コマンドラインから次のコマンドを実行する必要があります。

      <agent_dir>/bin/siebelClasspathFix.sh <agent_dir>

      (<agent_dir>は、EMエージェントのインストール場所に置き換えてください。)

      次に実際のコマンド例を示します。

      /usr/local/OracleHomes/agent10g/bin/siebelClasspathFix.sh/usr/local/OracleHomes/agent10g


    注意:

    監視対象のSiebelサーバー・インストールに含まれるすべてのEMエージェントに対して、このコマンドを実行する必要があります。

  • 自動化を有効にします。

    Siebelの高レベル双方向性アプリケーションに対してEnterprise Managerビーコンを作成するには、監視対象のSiebelコンポーネントが自動化サポートを提供するように設定されている必要があります。

    自動化サポートを有効にする方法は、「自動化の有効化」を参照してください。

  • SARMを有効にします。


    注意:

    コマンドを実行することでSARMを手動で有効にできますが、Oracle Enterprise Managerの「診断構成」ページでSARMを有効にすることをお薦めします。Enterprise Managerを使用したSARMの有効化の詳細は、「診断レポートの前提条件」を参照してください。

    ユーザー・パフォーマンスを監視するには、Siebel Application Response Measurement(SARM)を手動で有効にする必要があります。特定のコンポーネントに対してSARMを有効にするには、srvrmgrにアクセスし、次のコマンドを実行します。

    change param SARMLevel=2 for comp [component_name]
    change param SARMBufferSize=5000000 for comp [component_name]
    change param SARMFileSize=15000000 for comp [component_name]
    change param SARMPeriod=3 for comp [component_name]
    

    注意:

    複数のコンポーネントに対してSARMを有効にするには、この一連のコマンドを各コンポーネントに対して実行する必要があります。

  • Microsoft WindowsでSiebelデプロイ用の環境を構成します。

    高レベル双方向性(HI)アプリケーションを監視するためにビーコンを有効するには、次のようにします。

    1. サービス・コントロール・アプリケーションを開始し、Enterprise Managerエージェント・サービスを参照します。通常は、このエージェントはOracleagent10gagentです。

    2. サービス・エントリをダブルクリックします。

    3. 「ログオン」タブで「デスクトップとの対話をサービスに許可」オプションを選択します。

    4. 「OK」をクリックして、変更を保存します。

    Siebelサーバーをホスティングするコンピュータ上でEnterprise Managerがコマンドを実行できるようにするには、Enterprise Manager優先資格証明を構成します(次の手順を参照)。

    また、Enterprise Managerでオペレーティング・システム・ユーザー・アカウントを構成する必要があります。このユーザー・アカウントは、Enterprise Managerが様々なタスクを実行するときに使用されます。WindowsベースのコンピュータにあるEnterprise Managerエージェント用に、このユーザー・アカウントはデフォルトでは生成されない1つの特別なWindows権限が必要です。その権限を付与するには、次のようにします。

    1. 「管理ツール」にナビゲートし、ローカル セキュリティ設定アプリケーションを起動します。

    2. 「ローカル ポリシー」にある「ユーザー権利の割り当て」を選択します。

    3. 「バッチ・ジョブとしてログオン」エントリをダブルクリックします。

    4. 「追加」ボタンをクリックします。ユーザー名またはそのユーザーを含むグループを入力します。

    5. 「OK」を2回クリックして、変更を保存します。

  • 時間統計を有効にします。

    Enterprise Managerからアクセス可能な様々なSiebelパフォーマンス・メトリックを監視する場合は、それらの各コンポーネントに対して、次のsrvrmgrコマンドを実行します。

    change param TimedStats=true for component [component_name]
    
  • 新しいトランザクションを記録する前に、手動ですべてのアプリケーションにアクセスします。

    新しいトランザクションを記録する前に、手動ですべてのアプリケーションにアクセスし、ポップアップ・ウィンドウのすべてのリクエストを手動で満たす必要があります。このタスクを実行しないと、ポップアップ・ウィンドウにより妨げられ、記録セッションが遮られます。この手順は1回実行する必要があります。ビーコンをデプロイする各マシンでこの手順を実行してください。この手順は、HIアプリケーションに最適です。

    また、新しいトランザクションの記録時は、URLにSWECmd=AutoOnを含める必要があります。このように設定すると、Enterprise ManagerはSiebelのテスト自動化フレームワークと対話できます。

  • ビーコンのコンピュータからHIアプリケーションにアクセスします。

    Enterprise ManagerでSiebel HIアプリケーションを検出するには、HIアプリケーションがビーコン・コンピュータから一度アクセスされる必要があります。

自動化の有効化

この項は、Siebelバージョン7.7、7.8および8.0のオプションを有効にする方法について説明します。次の項目から構成されます。

Siebelバージョン7.7および7.8の場合の自動化の有効化

Siebelバージョン7.7および7.8では、サーバー側の構成ファイルを使用して、自動化を有効に設定できます。

自動化を有効にするには、構成ファイル(たとえば、Callcenterの場合はuagent.cfg)にアクセスし、変数EnableAutomationを探して、その値をTRUEに変更します。

変数定義が存在しない場合は、構成ファイルの[SWE]セクションを見つけ、次の行を追加します。

EnableAutomation = TRUE

変更した構成ファイルを保存し、サーバーを再起動します。

Siebelバージョン8.0の場合の自動化の有効化

Siebel 8.0で自動化サポートを有効にするには、Enterprise Managerビーコンで監視する予定のすべての高レベル双方向性コンポーネントに対して次のsrvrmgrコマンドを実行します。

change parameter EnableAutomation=True for server server_name comp comp_name

対象となるすべてのコンポーネントに対してこのコマンドを適用して、Siebelサーバーを再起動します。

Enterprise Manager 10g Grid Controlリリース3(10.2.0.3)をリリース4(10.2.0.4)またはリリース5(10.2.0.5)にアップグレードするための前提条件

すでにインストールされているEnterprise Manager 10g Grid Controlリリース3(10.2.0.3)をリリース4(10.2.0.4)またはリリース5(10.2.0.5)にアップグレードする場合は、アップグレードの前に、この項に示す個別パッチを適用してください。

  • SiebelターゲットがEnterprise Manager 10g Grid Controlリリース3(10.2.0.3)で監視されている場合は、Grid ControlからそれらのSiebelターゲットを削除し、次の個別パッチを適用します。続いてGrid ControlでSiebelターゲットを検出してから、リリース4(10.2.0.4)またはリリース5(10.2.0.5)にアップグレードします。

    • OMSに対する個別パッチ9453217

    • 管理エージェントに対する個別パッチ9375245および9497046

  • SiebelターゲットがEnterprise Manager 10g Grid Controlリリース3(10.2.0.3)で監視されていない場合は、次の個別パッチを適用します。続いてGrid ControlでSiebelターゲットを検出してから、リリース4(10.2.0.4)またはリリース5(10.2.0.5)にアップグレードします。

    • OMSに対する個別パッチ9453217

    • 管理エージェントに対する個別パッチ9375245および9497046


注意:

Enterprise Manager 10g Grid Controlリリース5(10.2.0.5)では、Siebelワークフロー・ターゲットの監視がサポートされています。しかし、10.2.0.5にアップグレードした後、Siebel Enterpriseホームページの「一般」セクションにワークフロー・ターゲットへのリンクが表示されないことがあります。詳細をリフレッシュしてリンクを表示するには、「即時更新」をクリックします。

Siebelエンタープライズ・ターゲットの構成

この項の内容は次のとおりです。

Siebelエンタープライズの追加

Siebelエンタープライズを使用すると、管理者は分散するターゲットを論理的に編成して、効率的かつ効果的に管理、監視できます。

Siebelエンタープライズを作成するには、次のようにします。

  1. Enterprise Managerコンソールで、「ターゲット」タブをクリックします。

  2. 「Siebel」タブをクリックします。

  3. 「エンタープライズの追加」ボタンをクリックします。

    「エンタープライズの作成」ページが表示されます。

  4. すべてのパラメータの値を定義し、「OK」をクリックします。


    注意:

    指定したSiebelゲートウェイ・サーバーで管理されるエンタープライズが1つのみの場合、Siebelエンタープライズ名を指定する必要はありません。

    Siebelエンタープライズとそれに関連するターゲットが作成されると、進行状況ページにより通知されます。

Siebelエンタープライズ・トポロジの更新

Siebelサーバーまたはサーバー・コンポーネントを追加したり、Siebelエンタープライズから削除したら、ゲートウェイが保守するトポロジをEnterprise Managerが保守するトポロジと再同期化する必要があります。

両方のトポロジを同期化するには、次のようにします。

  1. Enterprise Managerコンソールで、「ターゲット」タブをクリックします。

  2. 「Siebel」タブをクリックします。

  3. エンタープライズ・ビューで、同期化するSiebelエンタープライズをクリックします。

    エンタープライズ・ホームページが表示されます。

  4. ページの右下隅にある「即時更新」をクリックします。この機能により、Enterprise Managerシステム・トポロジが再検出され、包括的なレポートが生成されます。

  5. レポートを確認し、Enterprise Managerトポロジに実行される変更が正しい場合は、「OK」をクリックします。

既存のSiebelエンタープライズ・ターゲットへのSiebel以外のターゲットの追加

SiebelターゲットをSiebelエンタープライズ・ターゲットに追加するには、Siebelエンタープライズ・ホームページからアクセスできる即時更新機能を使用します。

Siebelエンタープライズ・ターゲットにSiebel以外のターゲットを追加するには、次のようにします。

  1. Oracle Technology Network(OTN)サイト(http://www.oracle.com/technology/software/products/oem/index.html)に進みます。

    適切なサード・パーティ・プラグインをダウンロードし、Enterprise Managerにそれぞれのターゲットを作成します。

  2. Enterprise Managerコンソールで、「ターゲット」タブをクリックします。

  3. 「Siebel」タブをクリックします。

  4. 「ビュー」リストから「エンタープライズ・ビュー」を選択し、「構成」ボタンをクリックします。

    既存のエンタープライズ・ビュー・コンポーネントを示す表が表示されます。

  5. 「追加」をクリックし、手順1で作成したターゲットを選択します。

    追加したSiebel以外のターゲットがSiebelエンタープライズに含まれます。

追加されたSiebel以外のターゲットの手動によるサービスに不可欠なターゲットとしての定義

Siebel以外のターゲットを手動でエンタープライズに追加した後、これらのターゲットをEnterprise Managerで使用できる根本原因分析機能で使用できるようにするには、これらのターゲットをキー・コンポーネントとして指定する必要があります。

次の手順を実行して、Siebel以外のターゲットをすべてのSiebelアプリケーション・サービスに不可欠なターゲットとします。

  1. Enterprise Managerコンソールで「ターゲット」タブをクリックします。

  2. 「Siebel」タブをクリックします。

  3. 「ビュー」ドロップダウン・リストから「サービス・ビュー」を選択します。

  4. Siebelアプリケーション・サービスを選択し、「構成」ボタンをクリックします。

  5. 「システム構成」をクリックします。

    「システム構成」ページが表示されます。

  6. 新しく追加したターゲットを「キー・コンポーネント」としてマークし、「OK」ボタンをクリックします。

既存のエンタープライズからのサーバーまたはコンポーネントの削除

Siebelエンタープライズ・ターゲットの作成後、そのエンタープライズから個々のサーバーまたはコンポーネントを手動で削除できます。ただし、これにより、Enterprise Managerリポジトリからそれぞれのターゲット情報が削除されます。

エントリが削除されると、Enterprise Managerはそのターゲットを監視しなくなります。そのエンタープライズに対して手動で再同期化を実行すると、Enterprise Managerは新しいシステム・トポロジにそのコンポーネントを含めます。

既存のエンタープライズからコンポーネントを手動で削除する場合、次の2つの方法が可能です。

  • 「すべてのターゲット」タブに進み、削除するサーバーまたはコンポーネントを探し、そのサーバー名またはコンポーネント名の横のラジオ・ボタンを選択して「削除」ボタンをクリックします。

  • Siebelアプリケーション・タブに進み、「Siebelエンタープライズ・ビュー」を選択し、削除するエンタープライズにナビゲートします。次にそのエンタープライズ名の横のラジオ・ボタンを選択して「削除」ボタンをクリックします。

    これにより、Siebelサーバー、ターゲットおよびすべてのエンタープライズ・コンポーネントが削除されます。

Siebelサービス・ターゲットの作成

この項の内容は次のとおりです。

Siebelアプリケーション・サービスの作成

Siebelアプリケーション・サービスを作成するには、次のようにします。

  1. Enterprise Managerコンソールで、「ターゲット」タブをクリックします。

  2. 「Siebel」タブをクリックします。

  3. 「アプリケーション・サービスの作成」ボタンをクリックします。

    「アプリケーション・サービスの作成」ページが表示されます。

  4. すべてのサービス関連パラメータを定義します。

  5. ページのビーコン・オプションを使用して、既存のビーコンを表示します。

    「キー・ビーコン」列にあるチェック・ボックスをクリックすると、このサービス階層を監視するビーコンを定義できます。また、「追加」「作成」および「削除」ボタンを使用すると、ビーコンを作成、追加および削除できます。Siebelデプロイに、コール・センターなどの高レベル双方向性アプリケーションが含まれている場合は、Windowsビーコンのみ追加します。

  6. 「OK」ボタンをクリックします。

    Siebelアプリケーション・サービスが作成されると、進行状況ページにより通知されます。

Siebelアプリケーション用のSiebelサービスの追加

Siebelアプリケーション用のSiebelサービスを追加するには、次のようにします。

  1. Enterprise Managerコンソールで、「ターゲット」タブをクリックします。

  2. 「Siebel」タブをクリックします。

  3. 「ビュー」ドロップダウン・リストから「アプリケーション・サービス」を選択します。

  4. 「サービスの追加」ドロップダウン・リストからアプリケーションのタイプを選択し、「OK」を選択します。

構成手順を示す構成ウィザードが表示されます。


注意:

高レベル双方向性(HI)アプリケーションの場合、Internet Explorerを使用して、Windows環境でトランザクションを記録する必要があります。

また、HIアプリケーション用のサービスを定義している場合は、構成中にトランザクション・ページでWindowsでビーコン実行中オプションを選択します。


新しく追加したサービスが「Siebel」タブに表示されるようにするには、次のようにします。

  1. Enterprise Managerコンソールで「ターゲット」タブをクリックします。

  2. 「Siebel」タブをクリックします。

  3. 「ビュー」ドロップダウン・リストから「アプリケーション・サービス」を選択します。

  4. 該当する集計サービスを選択し、「構成」ボタンをクリックします。

  5. ページの「サブサービス」セクションに移動し、「追加」をクリックして新しく追加したサービスを選択します。

    新しく追加したサービスが「Siebel」タブに表示されます。

Siebel階層からのSiebelサービスの削除

Siebelサービスを既存のSiebel階層から削除するには、次のようにします。

  1. Enterprise Managerコンソールで、「ターゲット」タブをクリックします。

  2. 「Siebel」タブをクリックします。

  3. 「ビュー」ドロップダウン・リストから「アプリケーション・サービス」を選択します。

  4. 削除するSiebelサービスを選択し、「削除」をクリックします。

    Siebelサービスが削除されます。

Siebelトランザクションについて

Siebelトランザクションとは、Siebelアプリケーションでの一連のユーザー・アクションです。Enterprise Managerでは、各ユーザー・アクションはステップと呼ばれます。各ステップに、複数に関連ステップを含めることができます。

一般的なSiebelトランザクションは、次のステップから構成できます。

  1. ブラウザを開き、アクセスするサービスのURLを入力します。

  2. 「サインイン」リンクをクリックします。「サインイン」ページが表示されます。

  3. ユーザー名とパスワードを入力し、「OK」をクリックします。

    このとき、アプリケーションにより資格証明の認証から権限の検証まで一連のアクションが実行されます。

  4. 使用可能な機能が表示されます。

  5. ログアウトします。


注意:

Enterprise Manager Grid Controlでは、サービス検出が完了すると、「Login Test」という名前のテストが作成されます。デフォルトでは、このデフォルト・テストは、オペレーティング・システムのユーザー名としてsiebelを、パスワードとしてsiebelを使用するように設計されています。資格証明としてこのようにsiebelが設定されたアカウントがビーコン・ホスト上にない場合は、このアカウントを作成します。あるいは、デフォルト・テストを編集して、ビーコン・ホスト上の既存のアカウントと一致する資格証明を設定します。指定したオペレーティング・システム資格証明が間違っていると、テストは保留状態になります。

トランザクションの記録、および可用性とパフォーマンスのテスト

特定のトランザクションのステップを記録して、リポジトリに格納できます。このようなステップを実行すると、Siebelアプリケーションの可用性とパフォーマンスをテストできます。

たとえば、前述の手順を使用するトランザクションを作成し、Typical Loginという名前を付けます。次に、このトランザクションを自動的に実行するように該当するコンポーネントをプログラミングできます。エージェントのコンポーネントであるビーコンは、クライアント・ロボットとして動作します。これを使用すると、記録されたトランザクションをWide Area Network(WAN)上の計画された位置から定義された間隔で実行できます。

ビーコンは、Oracle Agentに自動的にインストールされないので、作成する必要があります。Siebelの高レベル双方向性アプリケーションを監視するために、管理者はOracle Windows Agentにビーコンを作成する必要があります。

サービス・テスト中にビーコンによって収集された可用性およびパフォーマンスのデータには、指定されたサービス・テスト中にテストが成功したかどうか、アプリケーションが使用可能かどうかおよびアプリケーション画面のレスポンス時間が含まれます。

グループ化したトランザクションの記録

トランザクションのステップを記録する他に、ステップをグループ化して別個の論理エンティティを作成することもできます。ステップをグループ化しない場合、ステップは自動的に「汎用」カテゴリに分類されます。

グループ化してトランザクションを記録するには、次の手順を実行します。

  1. Enterprise Manager Grid Controlで、「ターゲット」「Siebel」の順にクリックします。

  2. 「Siebel」ページの「ビュー」リストから、「アプリケーション・サービス」を選択します。監視されているすべてのSiebelサービスが表示されます。

  3. Siebelコール・センター・サービス、Siebel販売サービスまたはSiebelマーケティング・サービスの名前をクリックします。選択したサービスの「ホーム」ページが表示されます。

  4. 「監視構成」タブをクリックします。

  5. 「監視構成」ページで、「サービス・テストとビーコン」をクリックします。

  6. 「サービス・テストとビーコン」ページの「サービス・テスト」セクションにある「テスト・タイプ」リストから、「Siebelトランザクション」を選択して「実行」をクリックします。

  7. 「サービス・テストの作成」ページで、サービス・テストの名前を指定し、サービスの可用性を監視するためのサービス・テストを定義します。選択したテスト・タイプに基づいて、関連する一連のメトリックが収集されます。

    1. 記録するトランザクションの名前を指定します。

    2. 「テスト・パラメータ」セクションで、ビーコン・ホストのオペレーティング・システムのユーザー名とパスワードを指定し、「実行」をクリックします。

  8. 次に表示されるページで、「起動」をクリックして、トランザクションの記録を開始します。Enterprise Managerに2つのウィンドウが表示されます。1つはSiebelアプリケーションにアクセスするためのウィンドウで、ここからアクションを実行できます。もう1つはグループを作成するためのウィンドウです。

  9. それより大きいメインのウィンドウで、アクションを記録するSiebelアプリケーションにアクセスします。

  10. 資格証明を使用してSiebelアプリケーションにログインします。

  11. ログイン後、小さいウィンドウでグループの名前を指定して「作成」をクリックします。実行したログイン・アクションは、ここで指定したグループ名で記録されます。

  12. 同様に、大きいウィンドウで、Siebelアプリケーション内の他のアクションを実行します。また、小さいウィンドウで、これらのアクションに対してグループを作成します。

  13. 大きいウィンドウからログアウトします。

  14. 記録が完了したら、「Siebelトランザクション」ページに戻り、「停止」をクリックしてこのトランザクションの記録を停止します。次に、「続行」をクリックします。トランザクションを記録するために開かれた2つのウィンドウが閉じます。

  15. 次のページに、記録されたトランザクションが、Siebelアプリケーション内で実行されたアクションのグループとともに表示されます。「続行」をクリックします。

  16. 「サービス・テストの作成」ページの「テスト・パラメータ」セクションにある「収集の粒度」リストから、使用する粒度を選択します。次に、「OK」をクリックします。

Siebelワークフローについて

Siebelワークフローは、組織がワークフロー・プロセスを自動的に処理できるようにするインタラクティブなソフトウェア・ツールです。ワークフローでは、その基本モデルとして、組織がビジネス・ワークフローを決定する販売部門、マーケティング部門およびサービス部門で使用するプロセスと同じプロセスが使用されます。Siebelワークフローを使用すると、ビジネスのポリシーや手順を自動的に実施することにより、一貫性を高め、プロセス遵守を徹底することができます。

ワークフローを構成する2つの主要な要素は、ワークフロー・ポリシーとワークフロー・プロセスです。ワークフロー・ポリシーはアクションをトリガーするために使用され、ワークフロー・プロセスは、ガイド付きのユーザー・インタフェース・ナビゲーションから統合ビジネス・フローまであらゆるものを定義するために使用されます。エンジンは、次の6つのサーバー・コンポーネントで構成されています。最初の3つはワークフロー・ポリシーを処理するために使用され、残りの3つはワークフロー・プロセスを処理するために使用されます。

Grid ControlでのSiebelワークフロー・ターゲットの検出および監視

Siebel Enterpriseが検出されて監視のためにGrid Controlに追加されると、Siebelワークフロー・ターゲットが自動的に検出されます。Siebelワークフローは、Grid ControlでSiebel Enterpriseホームページの「一般」セクション内にリンクとして表示されます。このリンクをクリックすると、Siebelワークフロー・ターゲットの状態を監視できます。また、そのプロセスおよびコンポーネント・グループの詳細も表示されます。


注意:

Siebel構成でSiebelワークフロー・コンポーネント・グループが無効化されている場合にGrid ControlでSiebel Enterpriseを検出しようとすると、検出は正常に実行されますが、Siebel Enterpriseホームページの「一般」セクションにSiebelワークフロー・ターゲットのリンクは表示されません。

後からSiebel構成内のSiebelワークフロー・コンポーネント・グループを有効化した場合、それを監視のためにGrid Controlに追加するには、Grid ControlのSiebel Enterpriseホームページの「一般」セクションから、「即時更新」をクリックします。ページがリフレッシュされ、Siebelワークフロー・ターゲットのリンクが表示されます。このリンクをクリックすると、Siebel Enterpriseホームページに移動し、そのプロセスおよびコンポーネント・グループを監視できます。


Siebelワークフロー・ターゲットが検出された後は、ワークフロー・ターゲットの可用性ステータスの監視、ワークフロー・プロセスとポリシー・インスタンスの処理率の表示、生成されたアラートの表示、およびワークフロー・ターゲットのプロセスとコンポーネント・グループの監視を実行できるようになります。また、このターゲットの「すべてのメトリック」ページにアクセスして、ターゲットに対して収集されたメトリックのリストを表示することもできます。

イベント・ログについて

イベント・ログは、ユーザー・セッション内でトリガーされたイベントや実行されたタスクを分析する際に役立ちます。Enterprise Managerを使用して、選択したサーバー、すべてのサーバー、選択したコンポーネント、すべてのコンポーネント、特定の期間、特定のユーザー、特定のOSID、または特定のタスクIDに対するイベント・ログを表示できます。

イベント・ログを表示するには、次の手順を実行します。

  1. Grid Controlで「ターゲット」タブをクリックし、「Siebel」タブをクリックします。

  2. 「Siebel」ページで、監視されているSiebel Enterpriseの名前をクリックします。Enterprise ManagerにSiebel Enterpriseホームページが表示されます。

  3. 「イベント・ログ」タブをクリックして、イベント・ログを検索および表示します。

    ユーザー名は必須フィールドです。検索問合せの結果が多数の行にわたる場合は、時間枠を狭めて指定できます。結果を絞り込むには、「OS PID」または「タスクID」もあわせて指定できます。ただし、これらのフィールドは必須ではありません。

  4. 「イベント・ログ」ページで、結果が表示されたら、ログ・ファイル名をクリックしてその内容を表示します。

    ログ・ファイルが500KBを超える場合は、最後の500KBが表示されます。たとえば、ファイルが700KBの場合、最後の500KBのみが表示され、最初の200KBは表示されません。ファイル全部を表示するには、ファイルが含まれるディレクトリに移動し、その場所からファイル内容にアクセスします。

Siebelパフォーマンス診断

Siebel管理フレームワークの一部であるSiebelパフォーマンス診断機能は、Siebelビジネス・アプリケーションのデプロイにおける、ユーザー・セッションのデータ、エラーおよびパフォーマンスの問題を監視、分析、診断する際に役立ちます。

Enterprise Managerが提供する診断機能では、SARM(Siebel Application Response Measurement)によって収集されたサーバーやユーザーのパフォーマンス・データを分析して、Siebelシステムとユーザーの問題を監視および診断できます。

この項の内容は次のとおりです。

Siebel診断の機能

Siebelパフォーマンス診断には次の機能があります。

  • サーバー・パフォーマンスの分析: 選択したサーバー・コンポーネントのレスポンス時間、CPU使用率およびメモリー・データを収集して、Siebelサーバー(一度に1つのサーバー)のパフォーマンス問題を診断および特定できます。分析用のレポートを生成することもできます。

  • ユーザー・パフォーマンスの分析: 特定のユーザーが開始したリクエストについて、ユーザー・セッションのパフォーマンス問題を診断および特定できます。

サーバーとユーザーのパフォーマンス分析用にレポートを生成することもできます。

診断レポート

サーバー・パフォーマンス・レポートまたはユーザー・パフォーマンス・レポートを作成して、サーバー、コンポーネントおよび各ユーザーのパフォーマンスを分析できます。

サーバー・パフォーマンス・レポートでは、特定のサーバー上の1つまたはすべてのSiebelコンポーネントについてパフォーマンスを分析でき、レスポンス時間、CPU時間およびメモリー消費の各観点からリクエストの情報が提供されます。ユーザー・パフォーマンス・レポートでは、特定のユーザーのセッションについてパフォーマンスを分析できます。レスポンス時間の詳細が提供される他、個々のユーザー・リクエストにドリルダウンすることもできます。

診断レポートのシナリオ例

次に示すのは、各レポートの作成と分析がどのような場合に便利かを示すシナリオ例です。

  • サーバー・パフォーマンス・レポート: アプリケーション全体の全般的なパフォーマンスが低下しているとします。この状況を修正するには、管理者はまず該当のサーバーで実行しているすべてのコンポーネントに対してSARMを有効にする必要があります。その後、Enterprise Managerにログインし、該当のサーバーまたはコンポーネントについて収集されたSARMデータを「診断レポート」ページで分析して、パフォーマンスのボトルネックを特定します。

  • ユーザー・パフォーマンス・レポート: 複数のユーザーから、アプリケーション・セッションについてパフォーマンス問題が報告されたとします。この状況を修正するには、管理者はまず該当のコンポーネントに対してSARMを有効にする必要があります。その後、Enterprise Managerにログインし、該当のユーザーについて収集されたSARMデータを「診断レポート」ページで分析して、パフォーマンスのボトルネックを特定します。

診断レポートの前提条件

この項では、パフォーマンス診断レポートを作成するために満たす必要がある前提条件を説明します。

Siebelのパフォーマンスを監視するには、Siebel Application Response Measurement(SARM)を手動で有効にする必要があります。手動によるSARMの有効化の詳細は、「SARMの有効化」を参照してください。

その後、Enterprise Managerの「診断構成」ページで、SARMのロギング・パラメータの構成と、SARMを有効にするかどうかの指定を各Siebelコンポーネントごとに行う必要があります。SARMの構成と診断レポートの生成に適用されるパラメータについては、次の表を参照してください。

表3 SARMのパラメータ

パラメータ 説明

ロギング・レベル

SARM構成に適用するロギング・レベルを示します。値は次のとおりです。

1: 全般的なパフォーマンス監視の場合はこのレベルを選択します。このレベルでは、プロセスやコンポーネントの境界、サード・パーティ・ソフトウェアのコール、データベース測定、ワークフロー実行、およびスクリプト・パフォーマンスなどの情報が収集されます。

2: 問題を診断する場合はこのレベルを選択します。このレベルでは、レベル1の情報に加え、ワークフロー実行の各ステップ、大型オブジェクトの構造、大容量ファイルの読取り、および重要なアーキテクチャ領域の交差など、詳細な情報が取得されます。

ファイルの最大数

各Siebelコンポーネントについて保持されるSARMファイルの最大数を示します。すべてのファイルがいっぱいになった場合、つまりすべてのファイルが「ファイル・サイズ」で指定したサイズに達した場合、最初に作成されたファイルは新しいファイルに置き換えられます。指定範囲は1〜256です。デフォルト値は4です。

バッファ・サイズ(KB)

SARMデータをキャッシュするためにSiebelプロセスが使用できるメモリー・サイズ、つまりSARMロガーによって使用される内部バッファを示します。デフォルトのバッファ・サイズは5,000,000バイトです。

注意: バッファ・サイズを増やすと、メモリー消費は増加しますが、バッファ・フラッシュが最小限に抑えられるため、I/Oアクティビティは減少します。

ファイル・サイズ(KB)

各SARMファイルの最大サイズを示します。指定したファイル・サイズに達すると、SARMは新しいファイルを作成し、新しいファイルへのデータの格納を開始します。デフォルト・サイズは15,000,000バイト(15MB)です。ファイル・サイズに上限はありません。

間隔(分)

ディスクにSARMバッファを書き込む間隔の最大時間を分単位で指定します。アクティビティの少ない環境の場合は、このパラメータによってディスクへのファイル書込み頻度が左右されます。指定できる値は1〜30(分)です。デフォルト値は3です。



    注意:

    SARMパラメータの構成内容として適切な値は、診断の要件によって決まります。SARMのロギングに使用できるディスク領域(「ファイルの最大数」と「ファイル・サイズ」によって決定される)が多いほど、より遠い時間までさかのぼってレポート・データを生成できます。

SARMのパラメータを設定した後、「診断構成」ページの「有効化/無効化」セクションで「SARMの有効化」オプションを選択すると、Siebelコンポーネントの診断構成が有効になります。

診断レポートの作成

この項では、Enterprise Managerを使用してSiebel診断レポートを作成する手順を説明します。

診断レポートは、ユーザー・リクエストの処理状況やサーバーによるリクエストの実行状況を分析する際に役立ちます。作成できるレポートは、サーバー・パフォーマンス・レポートとユーザー・パフォーマンス・レポートです。サーバー・パフォーマンス・レポートは、サーバーのパフォーマンスを分析するもので、レスポンス時間やCPU時間などの情報をリクエストごとに提供します。レポートの作成時には、対象とするSiebelサーバーを選択できます。ユーザー・パフォーマンス・レポートは、ユーザーのパフォーマンスを分析するもので、特定のユーザーによって送信された各種リクエストのレスポンス時間に関する詳細情報を提供します。ユーザー・パフォーマンス・レポートまたはサーバー・パフォーマンス・レポートを作成するには、次の操作を実行します。

  1. Grid Controlで、「ターゲット」タブをクリックします。

  2. 「Siebel」タブをクリックします。

    Enterprise Managerに「Siebel Enterprise」ページが表示されます。

  3. 「Siebel Enterprise」ページで、「診断」タブをクリックします。

    Enterprise Managerに表示される「診断レポート」ページには、既存のパフォーマンス・レポートが表示されます。

  4. 「作成」をクリックします。

    「レポートの作成」ページが表示されます。このページから、サーバー・パフォーマンス・レポートまたはユーザー・パフォーマンス・レポート作成します。

  5. レポート・タイプ(「サーバー・パフォーマンス・レポート」または「ユーザー・パフォーマンス・レポート」)を選択し、フィールドの値を指定して、「OK」をクリックします。

    確認のメッセージが「確認」ページに表示されます。「はい」をクリックすると、指定したレポートが作成されます。

サーバー・パフォーマンス・レポートの使用

サーバー・パフォーマンス・レポートを使用すると、様々なサーバーやサーバー・コンポーネントの分析を実行できます。分析は一度に1つのサーバーについて実行できます。この項では、サーバー・パフォーマンス・レポートを使用して、サーバーやサーバー・コンポーネントのデータを監視、分析および診断する方法を説明します。次の各項で、サーバーの診断の分析に役立つページについて説明します。

サーバー・パフォーマンス・レポート: <レポート名>ページ

このページを表示するには、「診断レポート」ページで、表示するサーバー・パフォーマンス・レポートの名前をクリックします。このページの内容は次のとおりです。

  • レポート・パラメータ: 対象のサーバーに関する各レポート・パラメータと、それらに対応する値が表示されます。

  • SARMレスポンス時間: このチャートには、リクエストの処理に要したレスポンス時間が表示されます。これはSiebel Application Response Measurement(SARM)機能によって測定されたデータです。SARMは、Siebelサーバー・インフラストラクチャ内の主要な場所にあるSiebelアプリケーションのパフォーマンス・データを取得するためのメカニズムです。詳細は、Siebelドキュメントに含まれるシステム監視および診断のガイドを参照してください。

    このチャートは、Siebelサーバーがリクエストを処理するために要したレスポンス時間を把握するために使用します。情報はヒストグラムで表示されます。基本的に、チャートには時間範囲を表す複数のバケットが表示され、バケットごとに、処理されたリクエストが表示されます。バケットをクリックしてドリルダウンすると、サーバー・パフォーマンス・レポート: <レポート名> <バケット>ページで詳細を表示できます。


    注意:

    最もパフォーマンス・コストの高い2つのバケットのいずれか(レスポンス時間またはCPU時間の点で、リクエストによるコスト消費が最も高いバケット)をクリックした場合、データはプリフェッチされているため、すぐにページが表示されます。その他のバケットをクリックした場合も同じページが表示されますが、ログ・ファイルからSARMデータを取得するジョブが終了してからの表示になります。

  • CPU時間: このチャートには、リクエストによって消費されたCPU時間が表示されます。このデータはSARMネットワーク経由で測定されます。このチャートは、Siebelサーバーがリクエストを処理するために消費したCPU時間を把握するために使用します。情報はヒストグラムで表示されます。チャートには時間範囲を表す複数のバケットが表示され、バケットごとに、処理されたリクエストが表示されます。バケットをクリックしてドリルダウンすると、サーバー・パフォーマンス・レポート: <レポート名> <バケット>ページで詳細を表示できます。

  • 領域/サブ領域の内訳: このセクションには、Siebelサーバーの特定の領域またはサブ領域を対象としたパフォーマンス詳細が表示されます。SARMは、パフォーマンス情報の生成場所となるポイントや領域を基準にして動作します。たとえば、各データベース操作の開始点と終了点などです。広範囲な領域が対象となることもあれば、特定のリクエストを処理するソフトウェア・レイヤーが対象になることもあります。具体的には次のようになります。

    • DBC(データベース・コネクタ): データベース処理のリクエストに要した時間の割合を追跡するデータベース・レイヤーです。INFRA(インフラストラクチャ領域): インフラストラクチャ領域は、ネットワーク、メモリー管理などに関連するすべての機能に対応します。SWE(Siebel Webエンジン): この領域は、実際のWebページが構築されるときにアクティブになります。たとえば、html出力のアセンブル中などです。OBJMGR(オブジェクト・マネージャ): オブジェクト・リレーショナル・マッピングに対応するレイヤーです。アプリケーションの実コードのほとんどはここで実行されます。SARM: パフォーマンス診断領域です。

      また、各領域には特定のサブ領域があります。たとえば、DBC領域には、より高いレベルの粒度でパフォーマンス・データを追跡できる、DBC_EXECUTE、DBC_FETCHなどのサブ領域があります。

サーバー・パフォーマンス・レポート: <レポート名> <バケット>ページ

このページを表示するには、サーバー・パフォーマンス・レポート: <レポート名>ページから、SARMレスポンス時間または「CPU時間」のバケットをクリックします。このページの内容は次のとおりです。

  • レポート・パラメータ: 対象のサーバーに関する各レポート・パラメータと、それらに対応する値が表示されます。

  • リクエストの概要: Siebelサーバーによって処理されたリクエストの概要を表示します。これはSiebel Application Response Measurement(SARM)ネットワークによって測定されたデータです。このページでSARM IDをクリックすると、さらにドリルダウンして、特定のリクエストを処理するために各レイヤーで消費されたリソースの割合に関する詳細を表示できます。つまり、サーバー・パフォーマンス・レポート: <レポート名> <リクエストID>ページが表示されます。

サーバー・パフォーマンス・レポート: <レポート名> <リクエストID>ページ

このページを表示するには、サーバー・パフォーマンス・レポート: <レポート名> <バケット>ページのリクエストの概要セクションでSARM IDをクリックします。このページには、そのサーバーによって処理されたSARMリクエストの詳細が表示されます。このページに表示される詳細項目は次のとおりです。

  • レポート・パラメータ: 対象のサーバーに関する各レポート・パラメータと、それらに対応する値が表示されます。

  • 領域ごとの合計レスポンス時間の内訳: このチャートには、SARMフレームワークによって測定された、領域ごとのレスポンス時間が表示されます。これは、リクエストの処理に要したレスポンス時間を、Siebelサーバーの領域ごとに調べる場合に役立ちます。

  • 領域ごとの合計メモリーの内訳: このチャートには、SARMフレームワークによって測定された、領域ごとのメモリーの内訳が表示されます。これは、リクエストの処理中にSiebelサーバーの各領域間でメモリーがどのように配分されていたかを調べる場合に役立ちます。

  • 領域ごとの合計CPUの内訳: このチャートには、SARMフレームワークによって測定された、領域ごとのCPUの内訳が表示されます。消費されたCPU時間を、Siebelサーバーの領域ごとの内訳で分析できます。

  • 領域/サブ領域の内訳: このセクションには、Siebelサーバーの特定の領域またはサブ領域を対象としたパフォーマンス詳細が表示されます。SARMは、パフォーマンス情報の生成場所となるポイントや領域を基準にして動作します。たとえば、各データベース操作の開始点と終了点などです。広範囲な領域が対象となることもあれば、特定のリクエストを処理するソフトウェア・レイヤーが対象になることもあります。

ユーザー・パフォーマンス・レポートの使用

ユーザー・パフォーマンス・レポートでは、特定のユーザーのセッションについてパフォーマンスを分析できます。レスポンス時間の詳細が提供される他、個々のユーザー・リクエストにドリルダウンすることもできます。この項では、ユーザー・パフォーマンス・レポートを使用して、ユーザー・データを監視、分析および診断する方法について説明します。次の各項では、ユーザーの診断結果を分析するのに役立つページについて説明します。

ユーザー・パフォーマンス・レポート: <レポート名>ページ

このページを表示するには、「診断レポート」ページで、表示するユーザー・パフォーマンス・レポートの名前をクリックします。このページの内容は次のとおりです。

  • レポート・パラメータ: 対象のユーザーに関する各レポート・パラメータと、それらに対応する値が表示されます。

  • ユーザーのレスポンス時間: このチャートには、ユーザー・リクエストの処理に要したレスポンス時間が表示されます。これはSiebel Application Response Measurement(SARM)ネットワークによって測定されたデータです。リクエストを処理するためのレスポンス時間を、ユーザーごとに調べる場合に役立ちます。選択したユーザーと指定した時間について、レスポンス時間の傾向と概要が提供されます。リクエストは、古いものから順に右から左に表示されます。

  • ユーザーのサーバー・レスポンス時間のヒストグラム: このチャートには、ユーザー・リクエストを処理するためのサーバー・レスポンス時間が表示されます。このチャートは、Siebelサーバーがユーザー・リクエストを処理するために要したレスポンス時間を把握するために使用します。情報はヒストグラムで表示されます。基本的に、チャートには時間範囲を表す複数のバケットが表示され、バケットごとに、処理されたリクエストが表示されます。バケットをクリックしてドリルダウンすると、ユーザー・パフォーマンス・レポート: <レポート名> <バケット>ページで詳細を表示できます。

ユーザー・パフォーマンス・レポート: <レポート名> <バケット>ページ

このページを表示するには、ユーザー・パフォーマンス・レポート: <レポート名>ページの「ユーザーのサーバー・レスポンス時間のヒストグラム」チャートでバケットをクリックします。このページの内容は次のとおりです。

  • レポート・パラメータ: 対象のユーザーに関する各レポート・パラメータと、それらに対応する値が表示されます。

  • リクエストの概要: このセクションには、ユーザー・リクエストの概要が表示されます。これはSiebel Application Response Measurement(SARM)ネットワークによって測定されたデータです。SARM IDをクリックすると、さらにドリルダウンして、特定のリクエストを処理するために各レイヤーで消費されたリソースの割合に関する詳細を表示できます。つまり、ユーザー・パフォーマンス・レポート: <レポート名> <リクエストID>ページが表示されます。

ユーザー・パフォーマンス・レポート: <レポート名> <リクエストID>ページ

このページを表示するには、ユーザー・パフォーマンス・レポート: <レポート名> <バケット>ページのリクエストの概要セクションでSARM IDをクリックします。このページには、そのユーザーによって開始されたSARMリクエストの詳細が表示されます。このページに表示される詳細項目は次のとおりです。

  • レポート・パラメータ: 対象のサーバーに関する各レポート・パラメータと、それらに対応する値が表示されます。

  • 領域ごとの合計レスポンス時間の内訳: このチャートには、SARMフレームワークによって測定された、領域ごとのレスポンス時間が表示されます。これは、ユーザー・リクエストの処理に要したレスポンス時間を、Siebelサーバーの領域ごとに調べる場合に役立ちます。

  • 領域ごとの合計メモリーの内訳: このチャートには、SARMフレームワークによって測定された、領域ごとのメモリーの内訳が表示されます。ユーザー・リクエストの処理中にSiebelサーバーの各領域間でメモリーがどのように配分されていたかを確認できます。

  • 領域ごとの合計CPUの内訳: このチャートには、SARMフレームワークによって測定された、領域ごとのCPUの内訳が表示されます。ユーザー・リクエストの処理に要したCPU時間を、Siebelサーバーの領域ごとに確認できます。

  • 領域/サブ領域の内訳: このセクションには、Siebelサーバーの特定の領域またはサブ領域を対象としたパフォーマンス詳細が表示されます。SARMは、パフォーマンス情報の生成場所となるポイントや領域を基準にして動作します。たとえば、各データベース操作の開始点と終了点などです。広範囲な領域が対象となることもあれば、特定のリクエストを処理するソフトウェア・レイヤーが対象になることもあります。

Siebelメトリック

この項では、Siebelメトリックのカテゴリをすべて説明し、各カテゴリに関連するメトリックを表に示します。

Siebelメトリック

Siebelメトリックは、次のカテゴリから構成されます。

  • Siebelコンポーネント

  • Siebelコンポーネント・グループ・ターゲット

  • Siebelゲートウェイ・ターゲット

  • Siebelサーバー・ターゲット

  • Siebelワークフロー・ターゲット

Siebelコンポーネントのメトリック

このカテゴリのメトリックは、Siebelコンポーネントに関する詳細を提供します。

表4 Siebelコンポーネントのメトリック

メトリック 説明およびユーザー・アクション データ・ソース

オブジェクト・マネージャの平均レスポンス時間

オブジェクト・マネージャの平均レスポンス時間は、オブジェクト・マネージャに送信されたリクエストの処理に要する平均時間を示します。これは、双方向ユーザー・セッションのレスポンス時間に相当します。このメトリックは、主に長期のパフォーマンス傾向とキャパシティ・プランニングの確立に役立ちます。アプリケーション・パフォーマンスが低下すると、メトリックの値が上がります。レスポンス時間は、コードやアプリケーション構成の効率性、サーバーのCPUとメモリーの容量、エンドユーザーの動作とデータ・ボリュームなどによる影響を受けるため、アクションを実行する前に、レスポンス時間の低下の根本的な原因を最初に特定する必要があります。詳細は、Siebelのパフォーマンス・チューニング・ガイドを参照してください。

オブジェクト・マネージャの平均レスポンス時間 = 全Object Managerセッションにおける全リクエストのオブジェクト・マネージャの合計レスポンス時間/全Object Managerセッションのリクエストの合計数

オブジェクト・マネージャ・セッションの平均接続時間

オブジェクト・マネージャによる双方向セッションを確立する際に、オブジェクト・マネージャは、認証、初期化および必要なソースの割当てなど、多くのタスクを実行する必要があります。これらのアクティビティをすべて実行するために要する時間が接続時間です。オブジェクト・マネージャ・セッションの平均接続時間は、コンポーネントが起動してから特定のオブジェクト・マネージャへの接続を確立するまでに要する時間の平均です。このメトリックは、主に接続パフォーマンスの超過を評価する際に役立ちます。

平均接続時間 = 合計接続時間/接続の合計数

各オブジェクト・マネージャ・セッションの平均リクエスト数

ユーザーは、レコードの問合せ、レコードの更新、ボタンのクリックなどの複数のアクションを実行して、単一セッションでコマンドを発行できます。各アクションは、ユーザーのブラウザからオブジェクト・マネージャに送信される1つ以上のリクエストに相当します。各オブジェクト・マネージャ・セッションの平均リクエスト数は、Siebelエンタープライズの起動後に記録されたすべてのオブジェクト・マネージャ・セッションでオブジェクト・マネージャに送信されたリクエスト数の平均です。このメトリックは、情報提供のみを目的としています。このメトリックを使用してユーザーの使用パターンを追跡し、1つのセッションで生成される処理負荷量を確認できます。この情報は、一定期間で特に役立ちます。このメトリックの長期傾向と、オブジェクト・マネージャの合計セッション数を組み合せると、時間の経過に伴う処理負荷の増加または減少を確認できます。この情報は、キャパシティ・プランニングの決定にも使用できます。

各オブジェクト・マネージャ・セッションの平均リクエスト数 = 全オブジェクト・マネージャ・セッションの合計リクエスト数/オブジェクト・マネージャのセッション数

応答メッセージの平均サイズ(バイト)

応答メッセージの平均サイズは、オブジェクト・マネージャへのユーザー発行リクエストに対するレスポンスのサイズを示します。サイズが大きいほど、渡されるデータが多いことを表します。このメトリックの主な目的は、長期間でのパフォーマンス傾向を記録することです。メトリックが上昇傾向にある場合、渡されるデータが増加することを示します。この状況は、データ・ボリュームの増加、多くのデータを返すユーザー発行の問合せ、アプリケーション構成の変更などが原因で生じる可能性があります。この傾向に対処するには、根本的な原因を特定する必要があります。詳細は、Siebelのパフォーマンス・チューニング・ガイドを参照してください。

このメトリックを算出するには、オブジェクト・マネージャ起動後の全リクエストに対するすべての応答メッセージの合計サイズをリクエスト数で除算します。

リクエスト・メッセージの平均サイズ(バイト)

リクエスト・メッセージの平均サイズは、オブジェクト・マネージャへのユーザー発行リクエストに対するリクエストのサイズを示します。サイズが大きいほど、リクエストの発行時に渡されるデータが多いことを表します。このメトリックの主な目的は、長期間でのパフォーマンス傾向を記録することです。メトリックが上昇傾向にある場合、渡されるデータが増加することを示します。この状況は、アプリケーション構成の変更などが原因で生じる可能性があります。この傾向に対処するには、根本的な原因を特定する必要があります。詳細は、Siebelのパフォーマンス・チューニング・ガイドを参照してください。

このメトリックを算出するには、オブジェクト・マネージャ起動後の全リクエストに対するすべてのリクエスト・メッセージの合計サイズをリクエスト数で除算します。

CPU使用率

このメトリックは、このSiebelコンポーネントで消費されるCPU時間を示します。CPUデータは、OSレベル(Oracleエージェントで収集されるプロセスベースの統計)とSrvrmgr統計の2つの異なるソースに基づきます。このメトリックの主な目的は、長期間でのパフォーマンス傾向を記録することです。このメトリックの値が時間の経過とともに増加する場合、このコンポーネントのアプリケーション・サーバーで行われる集中処理が増加することを示します。この変化は、アプリケーション構成の変更や基盤となるSiebelソフトウェアの変更が原因で生じる可能性があります。この傾向に対処するには、根本的な原因を特定する必要があります。詳細は、Siebelのパフォーマンス・チューニング・ガイドを参照してください。

このメトリックを算出するには、Siebelサーバーの起動後に実行される、該当コンポーネントのすべてのコンポーネント・タスクのCPU時間を加算します。

最大MTS

マルチスレッド・シェルの最大数を設定するパラメータ。「MTSプロセスを実行中」メトリックを定期的に確認して、実行中のプロセスのレベルを把握する必要があります。実行中のMTSの数が「最大MTS」で設定した制限を超える状態に近いことが多い場合、最大MTSの値を増やすことを検討してください。一方で、MTSの数が常に、設定された制限からかけ離れてごくわずかな場合、最大MTSの値を減らすことを検討してください。

このパラメータは、Siebelコンポーネントで設定します。

コンポーネント・プロセスの失敗数

このメトリックは、エラーが発生したコンポーネント・タスクの数を表します。コンポーネント・タスクのエラー発生には、操作対象の正確なビジネス・データが存在しない場合やソフトウェアでの不具合など、様々な理由があります。このような失敗の数が大幅に増加する場合、不具合を調査する必要があります。不具合の調査を開始するには、アラート・ログとSiebelサーバー・マネージャを確認して、エラーが発生したタスクを発見します。

エラーが発生したコンポーネント・タスクは計算されます。

実行状態

コンポーネントの現在のステータス。コンポーネントが予期せず停止または使用不可になった場合、コンポーネントを再起動するか、またはSiebelサーバー・マネージャを使用してコンポーネントを使用可能にする必要があります。また、コンポーネントのログ・ファイルを確認して、コンポーネントが動作しない原因を調べます。

このメトリックの値は、サンプリング期間ごとに更新されます。

MTSプロセスを実行中

実行中のマルチスレッド・シェル(MTS)のプロセスの数。このメトリックは情報提供を目的とするもので、長期傾向で使用してコンポーネントの使用状況を分析できます。MTSプロセスの数が上昇傾向にある場合、コンポーネントの使用率が増加していることを示します。チューニングまたは容量の調整が必要になる場合があります。

このメトリックの値は、サンプリング期間ごとにSiebelサーバーからの問合せが実行されます。

開始時間

このメトリックは情報提供を目的とするもので、診断時に使用してコンポーネントの開始時間を通知します。

コンポーネントの開始時間。このメトリックは、各サンプリング期間中にSiebelサーバーから収集されます。通常、コンポーネントを再起動しないかぎり、変わりません。

現行のタスク数

このメトリックは、コンポーネントの現在の実行タスク数を示します。タスクの最大数が「最大タスク数」で制限されるため、このパラメータは間接的に残りのタスク数を表します。タスクの数が「最大タスク数」と比較して多すぎる場合、収拾のつかないタスクがあるか、または「最大タスク数」に設定した値が低すぎないかを確認する必要があります。

「現行のタスク数」の値は、Siebelサーバーに問い合せることでサンプリング期間ごとに更新されます。

最大タスク数

Siebelサーバー・コンポーネントに関して実行可能な最大タスク数を決定する構成パラメータ。現在の実行タスク数が最大タスク数と同じ場合、新しいタスクは作成できません。双方向のオブジェクト・マネージャの場合、新しいユーザーはログオンできません。「最大タスク数」を、指定時間で実行される最大予定タスク数よりも高いレベルに設定することが非常に重要です。詳細は、Siebelのシステム管理ガイドを参照してください。「現行のタスク数」メトリックを定期的に確認して、タスクの使用レベルを把握する必要があります。実行中のタスク数が「最大タスク数」で設定した制限を超える状態に近いことが多い場合、最大タスク数の値を増やすことを検討してください。一方で、タスク数が常に、設定された制限からかけ離れてごくわずかな場合、最大タスク数を減らすことを検討してください。

このパラメータは、Siebelサーバー・マネージャで設定します。

SQL実行操作の平均時間

このメトリックは、SQL文の解析後にデータベースがその文の処理に要する平均時間を示します。このメトリックは、EIMなどの以前のSiebelコンポーネントにのみ適用できます。オブジェクト・マネージャのリクエストの処理に要する時間は示されません。このメトリックの主な目的は、長期間でのパフォーマンス傾向を記録することです。このメトリックの値が時間の経過とともに増加する場合、複雑な操作を伴うSQL文が実行されるか、またはリクエストを処理するデータベースの効率が落ちていることを表します。このような状況は、アプリケーションの変更、データ・ボリュームの増加、またはデータベースのチューニングの変更が原因で生じる可能性があります。この傾向に対処するには、根本的な原因を特定する必要があります。詳細は、Siebelのパフォーマンス・チューニング・ガイドを参照してください。

このメトリックを算出するには、コンポーネント起動後の全リクエストのSQL実行の合計時間をリクエスト数で除算します。

SQL解析操作の平均時間

このメトリックは、データベースに渡されるSQL文の解析にデータベースが要する平均時間を示します。このメトリックは、EIMなどの以前のSiebelコンポーネントにのみ適用できます。オブジェクト・マネージャのリクエストの処理に要する時間は示されません。このメトリックの主な目的は、長期間でのパフォーマンス傾向を記録することです。このメトリックの値が時間の経過とともに増加する場合、SQL文の複雑さが増していることを表します。SiebelはすべてのSQL文を動的に生成するため、基盤となるSiebel製品の変更、ビジネス・コンポーネントの複雑さの変更、または定義した問合せの仕様が原因でこの変化が生じる可能性があります。この傾向に対処するには、根本的な原因を特定する必要があります。詳細は、Siebelのパフォーマンス・チューニング・ガイドを参照してください。

このメトリックを算出するには、Siebelサーバー起動後の該当コンポーネントの全リクエストのSQL文を解析する合計時間をリクエスト数で除算します。

SQL実行操作の合計数

このメトリックは、実行されたSQL文の合計数を示します。合計数は、完了したコンポーネント・タスクから集計されます。つまり、現在アクティブなセッションで実行されるSQL文は反映されません。

このメトリックの主な目的は、長期間でのパフォーマンス傾向を記録することです。このメトリックの値が時間の経過とともに増加する場合、データベースへのアクセスが増加していることを表します。そのため、チューニングまたは容量の調整が必要になることがあります。

SQLフェッチ操作の合計数

コンポーネントのSQLフェッチ操作の合計数。

このメトリックは、サンプリング期間ごとにSiebelサーバーからの問合せが実行されます。

SQL解析操作の合計数

このメトリックは、解析されたSQL文の合計数を示します。このメトリックは、EIMなどの以前のSiebelコンポーネントにのみ適用できます。オブジェクト・マネージャのリクエストの処理に要する時間は示されません。SQL解析操作の平均時間を算出する際に使用されます。このメトリックの主な目的は、長期間でのパフォーマンス傾向を記録することです。このメトリックの値が時間の経過とともに増加する場合、データベースへのアクセスが増加していることを表します。そのため、チューニングまたは容量の調整が必要になることがあります。

このメトリックは、サンプリング期間ごとにSiebelサーバーからの問合せが実行されます。

平均CPU時間

平均CPU時間は、リクエストの処理に要する平均時間を示します。CPU時間が長いほど、CPU集中処理が多いことを表します。このメトリックは、主に長期のパフォーマンス傾向とキャパシティ・プランニングの確立に役立ちます。メトリックが上昇傾向にある場合、CPU集中処理が増えていることを表します。この状況が続く場合は、処理容量を追加するか、アプリケーション構成をチューニングする必要があります。

このメトリック算出するには、コンポーネント起動後の全リクエストの合計CPU時間を、コンポーネント起動後のリクエストの合計数で除算します。平均CPU時間 = 合計CPU時間/リクエスト数

平均レスポンス時間

平均レスポンス時間は、エンドユーザー・アクションへの応答に要する平均時間を示します。これは、測定期間中の双方向ユーザー・セッションのレスポンス時間に相当します。このメトリックは、短期の監視および長期のパフォーマンス傾向の確立に役立ちます。アプリケーション・パフォーマンスが低下すると、メトリックの値が上がります。レスポンス時間は、コードやアプリケーション構成の効率性、サーバーのCPUとメモリーの容量、エンドユーザーの動作とデータ・ボリュームなどによる影響を受けるため、アクションを実行する前に、レスポンス時間の低下の根本的な原因を最初に特定する必要があります。詳細は、Siebelのパフォーマンス・チューニング・ガイドを参照してください。

このメトリックは、サーバー・コンポーネントのメトリックとは対照的に、SARMデータから算出します。平均レスポンス時間 = 全リクエストの合計レスポンス時間/測定期間中のリクエストの合計数

メモリー使用量

メモリー使用量は、コンポーネントの実行中のタスクで消費される合計メモリー量を測定します。このメトリックは主に情報提供を目的とするものです。特に、メモリー関連の問題を診断する際に使用されます。メモリー使用量が増加し続ける場合、メモリー・リークの可能性があります。

すべてのコンポーネント・プロセスのメモリー消費は、オペレーティング・システムから取得されます。

リクエスト数

Siebelサーバーの起動後にコンポーネントに対して発行されるリクエストの合計数。このメトリックは、その他の概要メトリックを算出する際の基準として使用されます。この値は情報提供を目的とするもので、長期傾向で使用してコンポーネントの使用状況を分析できます。リクエスト数が上昇傾向にある場合、コンポーネントの使用率が増加していることを表します。チューニングまたは容量の調整が必要になる場合があります。

「リクエスト数」の値は、Siebelサーバーに問い合せることでサンプリング期間ごとに更新されます。

ステータス

コンポーネントの現在のステータス。コンポーネントの可用性のバイナリ表現です。1 = 使用可能、0 = 停止コンポーネントが予期せず停止または使用不可になった場合、コンポーネントを再起動するか、またはSiebelサーバー・マネージャを使用してコンポーネントを使用可能にする必要があります。また、コンポーネントのログ・ファイルを確認して、コンポーネントが動作しない原因を調査できます。

このメトリックの値は、サンプリング期間ごとに更新されます。

合計CPU時間

コンポーネント起動後の該当コンポーネントについて完了したすべてのタスクで使用されるCPUの集計時間。情報提供のみを目的とします。ほとんどの場合、現在のCPU消費とCPU消費の傾向は情報提供を目的とします。これらは、「CPU使用率」メトリックで確認できます。

このメトリックは、Siebelサーバーから収集されます。

合計レスポンス時間

コンポーネントの合計レスポンス時間。

このメトリックは、srvrmgr統計から取得されます。


Siebelコンポーネント・グループ・ターゲットのメトリック

このカテゴリのメトリックは、Siebelコンポーネント・グループ・ターゲットに関する詳細を提供します。

表5 Siebelコンポーネント・グループ・ターゲットのメトリック

メトリック 説明およびユーザー・アクション データ・ソース

開始時間

コンポーネントの開始時間。このメトリックは情報提供を目的とするもので、診断時に使用してコンポーネントの開始時間を通知します。

このメトリックは、各サンプリング期間中にSiebelサーバーから収集されます。通常、コンポーネントを再起動しないかぎり、変わりません。

ステータス

コンポーネントの現在のステータス。状態の文字列表現(「実行中」、「オンライン」および「停止など)です。コンポーネントが予期せず停止または使用不可になった場合、コンポーネントを再起動するか、またはSiebelサーバー・マネージャを使用してコンポーネントを使用可能にする必要があります。また、コンポーネントのログ・ファイルを確認して、コンポーネントが動作しない原因を調査できます。

このメトリックの値は、サンプリング期間ごとに更新され、srvrmgrによって取得されます。


Siebelゲートウェイ・ターゲットのメトリック

このカテゴリのメトリックは、Siebelゲートウェイ・ターゲットに関する詳細を提供します。

表6 Siebelゲートウェイ・ターゲットのメトリック

メトリック 説明およびユーザー・アクション データ・ソース

レスポンス

Siebelゲートウェイのレスポンス時間。

srvrmgrで取得されます。

ステータス

Siebelゲートウェイ・ターゲットの現在のステータス。

srvrmgrで取得されます。


Siebelサーバー・ターゲットのメトリック

このカテゴリのメトリックは、Siebelサーバー・ターゲットに関する詳細を提供します。

表7 Siebelサーバー・ターゲットのメトリック

メトリック 説明およびユーザー・アクション データ・ソース

ファイル・システムの使用状況 (%)

選択したファイル・システムに使用されるディスク領域の割合。対象となるファイル・システムは、Siebelインストール・ディレクトリ、Siebelログ・ディレクトリ、およびSiebelサーバー間でのドキュメントの共有に使用されるSiebelファイル・システムです。いずれかのファイル・システムが枯渇寸前の場合(95%に達した場合など)、管理者は各ファイル・システムのクリーン・アップやディスク領域の追加を検討する必要があります。

ファイル・システムの監視

ファイル・システムの使用状況 (KB)

選択したファイル・システムに使用されるディスク領域の絶対量。対象となるファイル・システムは、Siebelインストール・ディレクトリ、Siebelログ・ディレクトリ、およびSiebelサーバー間でのドキュメントの共有に使用されるSiebelファイル・システムです。

ファイル・システムの監視

オブジェクト・マネージャ・セッションの平均接続時間

オブジェクト・マネージャによる双方向セッションを確立する際に、オブジェクト・マネージャは、認証、初期化および必要なソースの割当てなど、多くのタスクを実行する必要があります。オブジェクト・マネージャがこれらのアクティビティをすべて実行するために要する時間が接続時間です。オブジェクト・マネージャ・セッションの平均接続時間は、コンポーネントを起動してから特定のオブジェクト・マネージャへの接続を確立するまでに要する時間の平均です。Siebelサーバー内で実行中のすべてのアクティブなオブジェクト・マネージャのメトリックが、Siebelサーバー・レベルに集計され、このメトリックが提供されます。このメトリックは、主に接続パフォーマンスの超過を評価する際に役立ちます。

平均接続時間 = 合計接続時間/接続の合計数

各オブジェクト・マネージャ・セッションの平均リクエスト数

ユーザーは、レコードの問合せ、レコードの更新、ボタンのクリックなどの複数のアクションを実行して、単一セッションでコマンドを発行できます。各アクションは、ユーザーのブラウザからオブジェクト・マネージャに送信される1つ以上のリクエストに相当します。各オブジェクト・マネージャ・セッションの平均リクエスト数は、Siebelエンタープライズの起動後に記録されたすべてのオブジェクト・マネージャ・セッションでオブジェクト・マネージャに送信されたリクエスト数の平均です。Siebelサーバー内で実行中のすべてのアクティブなオブジェクト・マネージャのメトリックが、Siebelサーバー・レベルに集計され、このメトリックが提供されます。このメトリックは、情報提供のみを目的としています。このメトリックを使用してユーザーの使用パターンを追跡し、1つのセッションで生成される処理負荷量を確認できます。この情報は特に超過時間で役立ちます。このメトリックの長期傾向と、オブジェクト・マネージャの合計セッション数を組み合せると、時間の経過に伴う処理負荷の増加または減少を確認できます。この情報は、キャパシティ・プランニングの決定にも使用できます。

各オブジェクト・マネージャ・セッションの平均リクエスト数 = 全オブジェクト・マネージャ・セッションの合計リクエスト数/オブジェクト・マネージャのセッション数

オブジェクト・マネージャの平均レスポンス時間

オブジェクト・マネージャの平均レスポンス時間は、オブジェクト・マネージャに送信されたリクエストの処理に要する平均時間を示します。これは、双方向ユーザー・セッションのレスポンス時間に相当します。Siebelサーバー内で実行中のすべてのアクティブなオブジェクト・マネージャのメトリックが、Siebelサーバー・レベルに集計され、このメトリックが提供されます。このメトリックは、主に長期のパフォーマンス傾向とキャパシティ・プランニングの確立に役立ちます。アプリケーション・パフォーマンスが低下すると、メトリックの値が上がります。レスポンス時間は、コードやアプリケーション構成の効率性、サーバーのCPUとメモリーの容量、エンドユーザーの動作とデータ・ボリュームなどによる影響を受けるため、アクションを実行する前に、レスポンス時間の低下の根本的な原因を最初に特定する必要があります。詳細は、Siebelのパフォーマンス・チューニング・ガイドを参照してください。

オブジェクト・マネージャの平均レスポンス時間 = このサーバーの全Object Managerセッションにおける全リクエストのオブジェクト・マネージャの合計レスポンス時間/全Object Managerセッションのリクエストの合計数

応答メッセージの平均サイズ(バイト)

応答メッセージの平均サイズは、オブジェクト・マネージャへのユーザー発行リクエストから送信されたレスポンスのサイズを示します。サイズが大きい場合、大量のデータが渡されることを表します。Siebelサーバー内で実行中のすべてのアクティブなオブジェクト・マネージャのメトリックが、Siebelサーバー・レベルに集計され、このメトリックが提供されます。このメトリックは、長期のパフォーマンス傾向の確立に役立ちます。このメトリックが上昇傾向にある場合、大量のデータが渡されることを表します。この状況は、データ・ボリュームの増加、多くのデータを返すユーザー発行の問合せ、およびアプリケーション構成の変更などが原因で生じる可能性があります。この傾向に対処するには、問題の根本的な原因を特定する必要があります。

このメトリックを算出するには、サーバー起動後の全リクエストから送られたすべての応答メッセージの合計サイズを取得して、そのサイズをリクエスト数で除算します。

リクエスト・メッセージの平均サイズ(バイト)

リクエスト・メッセージの平均サイズは、オブジェクト・マネージャへのユーザー発行リクエストに対するリクエストのサイズを示します。サイズが大きいほど、リクエストの発行時に渡されるデータが多いことを表します。Siebelサーバー内で実行中のすべてのアクティブなオブジェクト・マネージャのメトリックが、Siebelサーバー・レベルに集計され、このメトリックが提供されます。このメトリックの主な目的は、長期間でのパフォーマンス傾向を記録することです。メトリックが上昇傾向にある場合、渡されるデータが増えることを表します。この状況は、アプリケーション構成の変更などが原因で生じる可能性があります。この傾向に対処するには、根本的な原因を特定する必要があります。詳細は、Siebelのパフォーマンス・チューニング・ガイドを参照してください。

このメトリックを算出するには、サーバー起動後の全リクエストのすべてのリクエスト・メッセージの合計サイズを取得して、そのサイズをリクエスト数で除算します。

SQL実行操作の平均時間

このメトリックは、SQL文の解析後にデータベースがその文の処理に要する平均時間を示します。このメトリックは、EIMなどの以前のSiebelコンポーネントにのみ適用できます。オブジェクト・マネージャのリクエストの処理に要する時間は示されません。Siebelサーバー内で実行中のすべてのアクティブなオブジェクト・マネージャのメトリックが、Siebelサーバー・レベルに集計され、このメトリックが提供されます。このメトリックの主な目的は、長期間でのパフォーマンス傾向を記録することです。このメトリックの値が時間の経過とともに増加する場合、複雑な操作を伴うSQL文が実行されるか、またはリクエストを処理するデータベースの効率が落ちていることを表します。このような状況は、アプリケーションの変更、データ・ボリュームの増加、またはデータベースのチューニングの変更が原因で生じる可能性があります。この傾向に対処するには、根本的な原因を特定する必要があります。詳細は、Siebelのパフォーマンス・チューニング・ガイドを参照してください。

このメトリックを算出するには、サーバー起動後の全リクエストのSQL実行の合計時間をリクエスト数で除算します。

SQLフェッチ操作の平均時間

このメトリックは、SQL文の解析後にデータベースがその文を使用してレコードをフェッチするために要する時間の平均を示します。このメトリックは、EIMなどの以前のSiebelコンポーネントにのみ適用できます。オブジェクト・マネージャのリクエストの処理に要する時間は示されません。Siebelサーバー内で実行中のすべてのアクティブなオブジェクト・マネージャのメトリックが、Siebelサーバー・レベルに集計され、このメトリックが提供されます。このメトリックの主な目的は、長期間でのパフォーマンス傾向を記録することです。このメトリックの値が時間の経過とともに増加する場合、複雑な操作を伴うSQL文が実行されるか、またはリクエストを処理するデータベースの効率が落ちていることを表します。このような状況は、アプリケーションの変更、データ・ボリュームの増加、またはデータベースのチューニングの変更が原因で生じる可能性があります。この傾向に対処するには、根本的な原因を特定する必要があります。詳細は、Siebelのパフォーマンス・チューニング・ガイドを参照してください。

このメトリックを算出するには、サーバー起動後の全リクエストのSQL実行の合計時間を取得して、その合計時間をリクエスト数で除算します。

SQL解析操作の平均時間

このメトリックは、データベースに渡されるSQL文の解析にデータベースが要する平均時間を示します。このメトリックは、EIMなどの以前のSiebelコンポーネントにのみ適用できます。オブジェクト・マネージャのリクエストの処理に要する時間は示されません。このメトリックの主な目的は、長期のパフォーマンス傾向の確立です。このメトリックの値が時間の経過とともに増加する場合、SQL文の複雑さが増していることを示します。SiebelはすべてのSQL文を動的に生成するため、基盤となるSiebel製品の変更、ビジネス・コンポーネントの複雑さの変更、または定義した問合せの仕様により、この変化が生じる可能性があります。この傾向に対処するには、根本的な原因を特定する必要があります。詳細は、Siebelのパフォーマンス・チューニング・ガイドを参照してください。

このメトリックを算出するには、Siebelサーバー起動後の該当コンポーネントの全リクエストのSQL文を解析する合計時間を取得して、その合計時間をリクエスト数で除算します。

CPU使用率

このメトリックは、このSiebelコンポーネントで消費されるCPU時間を示します。このメトリックの主な目的は、長期間でのパフォーマンス傾向を記録することです。このメトリックの値が時間の経過とともに増加する場合、このコンポーネントのアプリケーション・サーバーで行われる集中処理が増加することを示します。この変化は、アプリケーション構成の変更や基盤となるSiebelソフトウェアの変更が原因で生じる可能性があります。この傾向に対処するには、根本的な原因を特定する必要があります。詳細は、Siebelのパフォーマンス・チューニング・ガイドを参照してください。

このメトリックを算出するには、Siebelサーバー起動後の該当コンポーネントの全コンポーネント・タスクのCPU時間を加算します。

ファイル・システムの空き領域 (KB)

選択したファイル・システムで現在使用可能な空きディスク領域の絶対量。対象となるファイル・システムは、Siebelインストール・ディレクトリ、Siebelログ・ディレクトリ、およびSiebelサーバー間でのドキュメントの共有に使用されるSiebelファイル・システムです。空きディスクの絶対容量がごくわずかになると(500MB未満など)、ファイル・システムがすぐにいっぱいになる危険があります。これは、Siebelサーバーの可用性に影響を与えます。この値が低すぎる場合、ファイル・システムをクリーン・アップするか、ディスクを追加する必要があります。

ファイル・システムの監視

メモリー使用量

メモリー使用量は、Siebelサーバーの一部として実行中のプロセスで消費される合計メモリー量を測定します。このメトリックは主に情報提供を目的とするものです。特に、メモリー関連の問題を診断する際に使用されます。メモリー使用量が増加し続ける場合、メモリー・リークの可能性があります。

すべてのSiebelサーバー・プロセスのメモリー消費は、オペレーティング・システムから取得されます。

コンポーネント・プロセスの失敗数

このメトリックは、エラーが発生したコンポーネント・タスクの数を表します。コンポーネント・タスクのエラー発生には、操作対象の正確なビジネス・データが存在しない場合やソフトウェアでの不具合など、様々な理由があります。このような失敗の数が大幅に増加する場合、決定的ななんらかの不具合があるため、調査する必要があります。不具合の調査を開始するには、アラート・ログとSiebelサーバー・マネージャを確認して、エラーが発生したタスクを発見します。

エラーが発生したコンポーネント・タスクは計算されます。

コンポーネント・プロセスの再起動数

このメトリックは、エラーが発生したコンポーネント・タスクの数を表します。コンポーネント・タスクのエラー発生には、操作対象の正確なビジネス・データが存在しない場合やソフトウェアでの不具合など、様々な理由があります。このような失敗の数が大幅に増加する場合、決定的ななんらかの不具合があるため、調査する必要があります。不具合の調査を開始するには、アラート・ログとSiebelサーバー・マネージャを確認して、エラーが発生したタスクを発見します。

エラーが発生したコンポーネント・タスクは計算されます。

DB接続損失による再試行数

Siebelサーバーがデータベースへの接続を失うと、問題の解決を断念して報告する前に操作を再試行します。このメトリックはその再試行数を示します。再試行数が大幅に増加する場合、データベースまたはネットワークに関する問題があります。管理者は該当コンポーネントを調査して、データベース接続が失われている原因を確認する必要があります。


デッドロックのロールバックによる再試行数

Siebelサーバーがデータベースへの接続を失うと、問題の解決を断念して報告する前に操作を再試行します。このメトリックは、再試行回数を記録します。再試行数が大幅に増加する場合、データベースまたはネットワークに関する問題があります。管理者は該当コンポーネントを調査して、データベース接続が失われている原因を確認する必要があります。


すべての再試行数を消費した回数

このメトリックは、失敗した再試行数、つまりSiebelサーバーがデータベースへの接続の試行を中止する回数を示します。Siebelサーバーがデータベースに接続できない理由を見つけるには、DBAをコールする必要があります。


開始時間

Siebelサーバーの開始時間。

実行中のSiebelサーバーからsrvrmgrによって取得されます。

ステータス

Siebelサーバーの現在のステータス(使用可能または停止)。Siebelサーバーのステータスが使用不可を示す場合、管理者はその問題の原因を確認して、Siebelサーバーの再起動を試みる必要があります。

Siebelサーバーのステータスは、srvrmgrコマンドライン・ユーティリティを実行することで決定します。

使用可能なディスク領域(KB)

選択したファイル・システムで使用可能なディスク領域の絶対量。対象となるファイル・システムは、Siebelインストール・ディレクトリ、Siebelログ・ディレクトリ、およびSiebelサーバー間でのドキュメントの共有に使用されるSiebelファイル・システムです。

ファイル・システムの監視

コンポーネント・タスクの合計CPU時間

コンポーネント・タスクの合計CPU時間(秒単位)。


レベル0と1のエラーの合計数

このメトリックは、Siebelサーバーでの致命的エラーおよび定期的エラーの数を表します。Siebelサーバーでは、常に少数のエラーがあります。ただし、この数が上昇傾向にある場合、管理者はアラート・ログとエラー・ログを確認する必要があります。



Siebelワークフロー・ターゲットのメトリック

このカテゴリのメトリックは、Siebelワークフロー・ターゲットに関する詳細を提供します。

表8 Siebelワークフロー・ターゲットのメトリック

メトリック 説明およびユーザー・アクション

過去1時間に完了したプロセス・インスタンスの合計数

過去1時間に完了したワークフロー・プロセス・インスタンスの合計数。収集頻度は15分ごとです。

待機状態にあるワークフロー・ポリシー・インスタンスの合計数

キュー内で待機しているワークフロー・ポリシー・インスタンスの合計数。収集頻度は15分ごとです。

待機状態にあるワークフロー・プロセス・インスタンスの合計数

キュー内で待機しているワークフロー・プロセス・インスタンスの合計数。収集頻度は15分ごとです。

失敗状態にある監視対象プロセス・インスタンスの数

失敗したワークフロー・プロセス・インスタンスの数。収集頻度は15分ごとです。

待機状態にある監視対象プロセス・インスタンスの数

キュー内で待機しているワークフロー・プロセス・インスタンスの合計数。収集頻度は15分ごとです。


Siebel Application Pack for Oracle Enterpriseのトラブルシューティング

この項では、SiebelパックでSiebelエンタープライズを監視および管理するときに発生する可能性がある一般的な問題について説明します。

次の項目から構成されます。

Siebelエンタープライズの検出エラー

問題

Siebelエンタープライズの検出に失敗したため、Enterprise Managerで対応するSiebelエンタープライズ・ターゲットが作成されません。

考えられる原因

指定したSiebelエンタープライズ名が検出しようとする実際のエンタープライズと一致しません。

解決策

正しいエンタープライズ名を指定します。

考えられる原因

指定したポート番号が正しくありません(UNIXのみ)。

解決策

検出ページで指定したポート番号が、ゲートウェイ・サーバー用に構成したポート番号と一致していることを確認します。

特定のメトリックが収集されない

問題

Siebelエンタープライズの検出は予想したとおりに動作しますが、一部のメトリックが収集されません。

考えられる原因

そのSiebelエンタープライズ・ユーザーに指定したユーザー名とパスワードの資格証明が正しくありません。Siebelパフォーマンス・メトリックの多くは、取得するためにこれらの資格証明が必要なので、間違った資格証明を指定すると、それらのメトリックが収集されません。

解決策

「Siebel」タブに進み、エンタープライズを削除し、検出プロセスを繰り返します。

考えられる原因

エージェントが、Siebelインストール・ディレクトリへのアクセス権またはSiebelユーティリティを実行するためのアクセス権を付与しない資格証明を使用しています。

解決策

Siebelインストール・ディレクトリにアクセスでき、Siebelユーティリティ(srvrmgrqueryなど)を実行するために十分なアクセス権を持っている資格証明をEnterprise Managerエージェントが使用していることを確認します。

考えられる原因

SiebelClasspathFix.batまたはsiebelClasspathFix.shファイルが実行されていません(前提条件)。

解決策

これらのファイルを実行し、jmxri.jarおよびempaAgent.jarエントリを$AGENT_HOME/sysman/config/classpath.lstファイルに追加する必要があります。各スクリプトを実行したら、エージェントを再起動します。

これは、10gR3についてのみ該当します。

ビジネス・メトリックが収集されない

問題

ビジネス・メトリックが収集されません。

考えられる原因

データベース・パスワードが定義されていません。

解決策

対応するSiebelエンタープライズ・ターゲットのSiebelデータベース・リポジトリ・ターゲット・ホームページに進み、そのページの「関連リンク」セクションにある「監視構成」をクリックします。Siebelデータベース・ユーザー名フィールドおよび「パスワード」フィールドに適切な値を入力します。

考えられる原因

(UNIXのみ)Siebelデータベースからビジネス・メトリックを取得するSQL文を実行するために使用されるSiebelサーバーのsiebenv.shファイルに、Oracle環境変数が追加されていません。

解決策

適切なOracle環境変数をsiebenv.shファイルに追加します。

すべてのSarmQueryメトリックが0(ゼロ)

問題

すべてのSarmQueryメトリックが0(ゼロ)です。

考えられる原因

Siebel 8.0より古いバージョンのSiebelを使用し、Siebelサーバー・ホストで実行中の各エージェントの$ORACLE_HOME/binディレクトリにsarmqueryがコピーされていません。

解決策

MetaLinkからsarmqueryをダウンロードし、Enterprise Managerエージェントのbinディレクトリに関連ファイルをコピーします。

考えられる原因

SARMパフォーマンス・メトリックを収集できるように、srvrmgrを使用してSARMを有効にする必要があります。Siebelコンポーネントに対してSARMパラメータが構成されていないと、SARMデータは生成されません。

解決策

「SARMの有効化」の手順を実行します。

Siebelファイル・システム・メトリックが収集されない

問題

Siebelファイル・システム・メトリックが収集されません。

考えられる原因

オペレーティング・システム・ユーザーのあるグループのみアクセスできるようにSiebelファイル・システムが定義され、エージェントがこのユーザー・グループに属さない場合、エージェントはそのファイル・システムに関する情報を取得できません。

解決策

Enterprise ManagerエージェントがすべてのSiebelファイル・システム(ログ・ディレクトリ、インストール・ディレクトリおよびSiebelファイル・システム・ディレクトリ)にアクセスでき、少なくともSiebelファイル・システムへの読取り権限を持っていることを確認します。

Enterprise Managerの特定のコンポーネントのステータスがServer Managerの同一のコンポーネントのステータスと異なる

問題

Enterprise Managerで表示されるコンポーネントのステータスが、srvrmgrで利用できるステータスまたはパフォーマンスの数値と異なります。

考えられる原因

Enterprise Managerはある間隔でのみ(通常のメトリックは15分毎、可用性情報は5分毎)Siebelメトリックを収集します。このため、Enterprise Managerのユーザー・インタフェースに表示される情報は最大15分間srvmgrと同期しない可能性があります。

回避策

ある期間、リアルタイム・モードで特定のメトリックを監視する場合は、そのSiebelターゲットの「すべてのメトリック」ページに進み、「実行時間」モードに変更します。

このモードにすると、収集がより頻繁に発生し、統計をより綿密に追跡できます。

解決策

個々のメトリックの収集頻度を変更できます。可用性メトリックをさらに頻繁に収集する場合は、キーSiebelコンポーネントに対する収集頻度を変更できます。

ビーコンがHIアプリケーションのステータスを正しくレポートしない

問題

ビーコンがHIアプリケーションのステータスを正しくレポートしません。

トラブルシューティングのヒント

このエラーを上手にトラブルシューティングするには、ログ・エラー・ファイルのエラー・エントリを確認します。エラー・ファイルを生成するように環境が構成されていない場合は、次の変数を定義すると生成するように構成できます。

HISIEBEL_DEBUG_LOG-the log file name including the full path
HISIEBEL_LOG_LEVEL-set the log level to DEBUG or ERROR

Siebelバージョンごとに1つ以上のビーコン・マシンを使用することをお薦めします。

考えられる原因

1つのビーコンが複数の異なるSiebel環境にアクセスするとき、トランザクションの記録または再生は、最後にアクセスされたSiebel環境に対してのみ実行できます。

たとえば、あるビーコンがSiebel 7.0環境にアクセスし、後でSiebel 7.7環境にアクセスしようとすると、ビーコンはSiebel 7.0環境に戻って新しいトランザクションを再生したり記録することができません。これは、各Siebelバージョンがクライアント・ホストに異なるCAB(Siebel)ファイルを登録し、最新の登録ファイルのみアクティブになるために発生します。

解決策

Internet Explorerブラウザで、使用しない環境のCABファイルを削除します。Internet ExplorerでCABファイルを削除するには、次のようにします。

  1. Internet Explorerを開き、「ツール」メニューにナビゲートして、「インターネット オプション」を選択します。

    「インターネット オプション」ウィンドウが表示されます。

  2. ウィンドウの「インターネット一時ファイル」セクションに移動し、「設定」をクリックします。

    「設定」ウィンドウが表示されます。

  3. 「オブジェクトの表示」をクリックします。

    「Downloaded Program Files」ウィンドウが表示されます。

  4. 必要のないCABファイルを削除します。

考えられる原因

連続する記録セッションまたは再生セッションが進行中の場合、「セッションはすでに進行中」ページが表示され、記録セッションが終了します。このエラーはSiebel CASレイヤーの制限のために発生します。

解決策

タイムアウト・パラメータを使用して、任意のサービス・テストが実行できる時間を制限し、長期にわたってプロセスがお互いに干渉しないようにテスト間で時間を配分します。

たとえば、13分毎に1分間実行するテストを設定し、17分ごとに1分間実行する別のテストを設定できます。

考えられる原因

HIアプリケーションのエージェント側のコンポーネントが正しくインストールされていません。

解決策

次の手順を実行して、これらのコンポーネントが正しくインストールされていることを検証します。

  1. emIEClient.exeファイルおよびemIElib.dllファイルがエージェントのbinディレクトリにあることを確認します。

  2. regeditと入力してレジストリを開き、emIElib.dllを検索します。エージェントのbinディレクトリの位置を指しているはずです。これは、インストールの一部としてdllが正しく登録されていることを示します。

同一のアプリケーションに対して複数の記録トランザクションを実行しようとすると、Internet Explorerがクラッシュする

問題

同一のアプリケーションに対して複数の記録トランザクションを実行しようとすると、Internet Explorerがクラッシュします。

考えられる原因

CASレイヤーの制限です。

解決策

Internet Explorerブラウザを閉じ、新しいブラウザ・ウィンドウを起動します。

Siebelエンタープライズの検出による結果が得られない

問題

Siebelエンタープライズの検出で結果が得られません。

考えられる原因

検出プロセスは、vpd.propertiesファイル(Windowsの場合: C:\WINDOWS\vpd.properties、UNIXの場合: \var\adm\siebel\vpd.properties)によって異なります。このファイルが存在しないか、破損している場合、検出が機能しません。

解決策

vpd.propertiesが存在しない理由を確認してください。vpd.propertiesファイルのバックアップ・コピーを使用するには、同じディレクトリに配置する必要があります。あるいは、このファイルのダミーを作成します。

考えられる原因

vpd.propertiesファイルが複数のインストーラによって書き込まれています。インストーラに問題がある場合、Siebelゲートウェイ・サーバーのインストールの配置に必要な情報がファイルからなくなっている可能性があるため、検出プロセスが失敗します。

解決策

検出プロセスを可能にするエントリを手動で作成し、Siebelゲートウェイ・サーバーのインストールを検出します。

考えられる原因

「Siebel Enterpriseの追加」ページで指定したエンタープライズ名が、指定したSiebelゲートウェイ・サーバーによって管理されるSiebelエンタープライズ名と一致しない場合、検出による結果が得られません。

解決策

エンタープライズ名を再確認します。

考えられる原因

UNIXシステムの場合、Siebelゲートウェイ・サービスのポート番号の変更は、サポートされる構成オプションです。検出画面で不適切なポート番号を指定すると、検出プロセスでゲートウェイ・サーバーのインストールが認識されません。

解決策

ゲートウェイのポート番号を再確認します。

考えられる原因

Siebelサーバー名にハイフンが使用される場合、ハイフンが使用されるサーバー名はSiebel製品でサポートされないため、このようなSiebelサーバーは検出プロセスで認識されません。SiebelサポートのWebサイトで命名規則に関するドキュメントを参照してください。

解決策

Siebelサーバーを再インストールします。

Siebelエンタープライズの検出が失敗し、内部エラーが発生する

問題

Siebelエンタープライズの検出が失敗し、内部エラーが発生します。

考えられる原因

Siebelエンタープライズの検出が機能するには、指定したSiebelエンタープライズに属するすべてのSiebelサーバーにエージェントをインストールする必要があります(Siebelエンタープライズの全部分を監視する必要があるという考え方です。これは各Siebelサーバー・マシンにエージェントがある場合のみ可能です)。

解決策

各Siebelサーバー・マシンにエージェントがインストールされていることを確認します。エージェントは、検出を開始するOMSと関連付ける必要があります。

Siebelアプリケーションの検出による結果が得られない

問題

SiebelエンタープライズWebサービスの検出で結果が得られないか、SiebelエンタープライズWebサービスの検出がエラーにより失敗します。

考えられる原因

検出プロセスは、vpd.propertiesファイル(Windowsの場合: C:\WINDOWS\vpd.properties、UNIXの場合: \var\adm\siebel\vpd.properties)によって異なります。このファイルが存在しないか、破損している場合、検出が機能しません。

解決策

vpd.propertiesが存在しない理由を確認してください。vpd.propertiesファイルのバックアップ・コピーを使用するには、同じディレクトリに配置する必要があります。あるいは、このファイルのダミーを作成します。

考えられる原因

vpd.propertiesファイルが複数のインストーラによって書き込まれています。インストーラに問題がある場合、Siebel Webサーバーの拡張インストールの配置に必要な情報がファイルからなくなっている可能性があります。そのため、検出プロセスが失敗します。

解決策

検出プロセスを可能にするエントリを手動で作成し、Siebelゲートウェイ・サーバーのインストールを検出します。

メトリックの収集: 検出後、Siebelサーバーとコンポーネントが使用不可になる

問題

検出後、Siebelサーバーとコンポーネントが使用不可になります。

考えられる原因

Enterprise Manager 10.2.0.3の場合、エージェントを使用してSiebel関連のコンポーネントを監視するには、あらかじめ実行する必要がある手動ステップがあります。

解決策

<agentdir>/binに移動して、スクリプトsiebelClasspathFix.bat(Windowsの場合)またはsiebelClasspathFix.sh(Linux、UNIXの場合)を実行し、次に示すようにエージェントのインストール・ディレクトリをパラメータとして指定します。

C:\>F:
F:\>cdF:\OracleHomes4\agent10g\BIN
F:\OracleHomes4\agent10g\BIN>siebelClasspathFix.bat 
F:\OracleHomes4\agent10g

考えられる原因

「エンタープライズの追加」ページで指定したSiebelユーザー/パスワードの組合せに誤りがある場合、検出は予定どおりに行われますが、srvrmgrによるメトリックの収集が行われません。

解決策

指定したユーザー/パスワードの組合せを再確認します。

考えられる原因

Windowsシステムの場合、ゲートウェイ・サービスのポート番号を変更できます(ただし、正式にサポートされていません)。どのポート番号を指定しても検出は行われますが、正しいポート番号を指定した場合のみメトリックが収集されます。

解決策

ゲートウェイのポート番号を再確認します。

Siebelサービスのステータスの問題

問題

Siebel HIサービス/アプリケーション(callcenterなど)のステータスが停止と表示されます。

考えられる原因

Siebelの高レベル双方向性アプリケーション(callcenterまたはsalesなど)のサービス・テストでは、キーボードやマウスの特定のイベントをシミュレーションできるSiebelのテスト自動化機能が使用されます。テストの自動化を有効にするには、各コンポーネントに対してパラメータTestAutomationを有効にする必要があります。

解決策

CallCenterアプリケーション(例)を監視できるようにするには、次に示すsrvrmgrコマンドを実行して、パラメータの変更をアクティブにしてから、コンポーネントまたはSiebelサーバーを再起動する必要があります。詳細は「自動化の有効化」を参照してください。

考えられる原因

「エンタープライズの追加」ページで指定したSiebelユーザー/パスワードの組合せに誤りがある場合、検出は予定どおりに行われますが、srvrmgrによるメトリックの収集が行われません。

解決策

  1. サービス・コントロール・アプリケーションを開始し、Enterprise Managerエージェント・サービスを参照します。通常は、このエージェントはOracleagent10gagentです。

  2. サービス・エントリをダブルクリックします。

  3. 「ログオン」タブで「デスクトップとの対話をサービスに許可」オプションを選択します。

  4. 「OK」をクリックして、変更を保存します。

考えられる原因

Windowsホストにビーコンをデプロイする必要があります。このホストでは、Internet Explorerが使用可能で、Siebel HIアプリケーションに接続するためにInternet Explorerが正常に使用されます。Internet Explorerが見つからない場合、サービスは使用不可と表示されます。

解決策

動作する既存のInternet ExplorerがインストールされているWindowsマシンにビーコンをデプロイします。

SARMメトリックおよびパフォーマンス診断の問題

問題

SARMメトリックがコンポーネントに対して使用できません。または診断レポートでデータが存在しないと表示されます。

考えられる原因

Siebel 7.8の場合、sarmqueryユーティリティがSiebel製品の一部としてパッケージされていません。SARMメトリックを収集するには、エージェントのインストール・ディレクトリ(具体的には'bin'サブディレクトリ)にSARMユーティリティをコピーする必要があります。sarmqueryユーティリティが使用できない場合、または十分なアクセス権限が付与されていない場合、SARMメトリックを収集できません。

解決策

sarmqueryユーティリティと関連するdllを<agent dir>/agent10g/bin directoryにコピーするか、このユーティリティとdllに対するアクセス権限を確認します。

ドキュメントのアクセシビリティについて

オラクル社は、障害のあるお客様にもオラクル社の製品、サービスおよびサポート・ドキュメントを簡単にご利用いただけることを目標としています。オラクル社のドキュメントには、ユーザーが障害支援技術を使用して情報を利用できる機能が組み込まれています。HTML形式のドキュメントで用意されており、障害のあるお客様が簡単にアクセスできるようにマークアップされています。標準規格は改善されつつあります。オラクル社はドキュメントをすべてのお客様がご利用できるように、市場をリードする他の技術ベンダーと積極的に連携して技術的な問題に対応しています。オラクル社のアクセシビリティについての詳細情報は、Oracle Accessibility ProgramのWebサイトhttp://www.oracle.com/accessibility/を参照してください。

ドキュメント内のサンプル・コードのアクセシビリティについて

スクリーン・リーダーは、ドキュメント内のサンプル・コードを正確に読めない場合があります。コード表記規則では閉じ括弧だけを行に記述する必要があります。しかしJAWSは括弧だけの行を読まない場合があります。

外部Webサイトのドキュメントのアクセシビリティについて

このドキュメントにはオラクル社およびその関連会社が所有または管理しないWebサイトへのリンクが含まれている場合があります。オラクル社およびその関連会社は、それらのWebサイトのアクセシビリティに関しての評価や言及は行っておりません。

Oracleサポート・サービスへのTTYアクセス

アメリカ国内では、Oracleサポート・サービスへ24時間年中無休でテキスト電話(TTY)アクセスが提供されています。TTYサポートについては、 (800)446-2398にお電話ください。

サポートおよびサービス

次の各項に、各サービスに接続するためのURLを記載します。

Oracleサポート・サービス

オラクル製品サポートの購入方法、およびOracleサポート・サービスへの連絡方法の詳細は、次のURLを参照してください。

http://www.oracle.com/lang/jp/support/index.html

製品マニュアル

製品のマニュアルは、次のURLにあります。

http://www.oracle.com/technology/global/jp/documentation/index.html

研修およびトレーニング

研修に関する情報とスケジュールは、次のURLで入手できます。

http://education.oracle.com/pls/web_prod-plq-dad/db_pages.getpage?page_id=3

その他の情報

オラクル製品やサービスに関するその他の情報については、次のURLから参照してください。

http://www.oracle.com/lang/jp/index.html 
http://www.oracle.com/technology/global/jp/index.html 

注意:

ドキュメント内に記載されているURLや参照ドキュメントには、Oracle Corporationが提供する英語の情報も含まれています。日本語版の情報については、前述のURLを参照してください。 



Oracle Enterprise Manager Application Management Pack for Siebelスタート・ガイド, 10gリリース5(10.2.0.5)

部品番号: B35912-01

Oracle Enterprise Manager Getting Started with Application Management Pack for Siebel, 10g Release 5 (10.2.0.5.0)

原本部品番号: B32394-06

Copyright © 2009, Oracle.All rights reserved.

制限付権利の説明

このプログラム(ソフトウェアおよびドキュメントを含む)には、オラクル社およびその関連会社に所有権のある情報が含まれています。このプログラムの使用または開示は、オラクル社およびその関連会社との契約に記された制約条件に従うものとします。著作権、特許権およびその他の知的財産権と工業所有権に関する法律により保護されています。独立して作成された他のソフトウェアとの互換性を得るために必要な場合、もしくは法律によって規定される場合を除き、このプログラムのリバース・エンジニアリング、逆アセンブル、逆コンパイル等は禁止されています。

このドキュメントの情報は、予告なしに変更される場合があります。オラクル社およびその関連会社は、このドキュメントに誤りが無いことの保証は致し兼ねます。これらのプログラムのライセンス契約で許諾されている場合を除き、プログラムを形式、手段(電子的または機械的)、目的に関係なく、複製または転用することはできません。

このプログラムが米国政府機関、もしくは米国政府機関に代わってこのプログラムをライセンスまたは使用する者に提供される場合は、次の注意が適用されます。

U.S. GOVERNMENT RIGHTS

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