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Oracle Enterprise Manager Oracle Fusion Middlewareメトリック・リファレンス・マニュアル
10gリリース5(10.2.0.5.0)
B54825-01
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このマニュアルの使用方法

『Oracle Enterprise Manager Oracle Fusion Middlewareメトリック・リファレンス・マニュアル』(以後、『Oracle Fusion Middlewareメトリック・リファレンス・マニュアル』と表記)では、Enterprise Managerで監視するOracle Fusion Middlewareターゲットのメトリックすべてを示します。このマニュアルは、オンラインで利用可能なターゲットのメトリックについてのヘルプすべてを1つにまとめたもので、Grid Controlコンソールを起動および実行する必要はありません。

この序文の内容は次のとおりです。

『Oracle Fusion Middlewareメトリック・リファレンス・マニュアル』の構成

このマニュアルは、メトリックが存在する各Oracle Fusion Middlewareターゲットの章から構成されています。

各章のメトリックは、カテゴリごとにアルファベット順で並んでいます。

メトリックの情報

各メトリックの情報として、説明、メトリックの重要な統計のサマリー、データソース(可能な場合)およびユーザーの処理が示されます。次に詳細を説明します。

メトリック・サマリー表の例

この項では、『Oracle Fusion Middlewareメトリック・リファレンス・マニュアル』で使用されるメトリック・サマリー表の例を示します。

デフォルトのしきい値がメトリックに対して定義されていない場合、ターゲットのリリースおよび収集頻度のみが示されます。

ターゲットのリリース 収集頻度
すべてのリリース 15分ごと

次の表は、サーバー評価頻度と収集頻度が同じメトリックを示します。

ターゲットのリリース 評価および収集頻度 アップロード頻度 演算子 デフォルトの警告のしきい値 デフォルトのクリティカルのしきい値 通知前の発生の連続回数 アラート・テキスト
すべてのリリース 10分ごと 毎サンプル後 > 10000000 12500000 1 サーバーから送信されたバイト数は<value>です

次の表は、サーバー評価頻度と収集頻度が異なるメトリックを示します。

ターゲットのリリース サーバー評価頻度 収集頻度 アップロード頻度 演算子 デフォルトの警告のしきい値 デフォルトのクリティカルのしきい値 通知前の発生の連続回数 アラート・テキスト
10.1.0.x 毎分 5分ごと 毎サンプル後 > 定義なし 定義なし 2 Database Serverによって生成されます。

メトリック・サマリー表の列の定義

前述のように、メトリック・サマリー表は、全メトリック情報の一部です。次の表は、メトリック・サマリー表の列について説明しています。

列のヘッダー 列の定義
ターゲットのリリース ターゲットのリリースで、9.0.2.x、10.1.0.xなどです。リリース番号(たとえば、9.0.2.x)の最後のxは、そのリリースに関連する、それに続くパッチセット番号を表します。
評価および収集頻度 しきい値を超えたかどうかを判断するためにメトリックが収集および評価される割合。評価頻度と収集頻度は同じです。
サーバー評価頻度 しきい値を超えたかどうかを判断するためにメトリックが評価される割合。サーバーで生成されたアラートの場合、評価頻度はOracle Database内部で判断されます。たとえば、評価頻度が10分の場合に、「平均ファイル書込み時間(センチ秒)(Average File Write Time (centi-seconds))」がアラートが発生する値にまで下がったときは、Enterprise Managerにアラートが示されるまでほぼ10分になっています。Oracle Database 10gのメトリックの場合のみ、メトリック・サマリー表にこの列が含まれます。
収集頻度 管理エージェントがデータを収集する割合。メトリックの収集頻度は、そのターゲット・タイプに対するEnterprise Managerのデフォルトの収集ファイルからのものです。
アップロード頻度 管理エージェントが管理リポジトリにデータを移動する割合。たとえば、n回の収集ごとにアップロードをします。メトリックのアップロード頻度は、そのターゲット・タイプに対するEnterprise Managerのデフォルトの収集ファイルからのものです。アップロード頻度が収集頻度と異なる場合のみ、メトリック・サマリー表にこの列が含まれます。
比較演算子 しきい値に対するメトリックの値を評価するためにEnterprise Managerで使用される比較メソッド。
デフォルトの警告のしきい値 警告アラートが発生するかどうかを示す値。警告しきい値の評価により、メトリックに対して定義された、指定した連続発生数に対してTRUEの結果が返された場合、アラートは警告の重大度レベルで発生します。
デフォルトのクリティカルのしきい値 クリティカル・アラートが発生するかどうかを示す値。クリティカルのしきい値の評価により、メトリックに対して定義された、指定した連続発生数に対してTRUEの結果が返された場合、アラートはクリティカルの重大度レベルで発生します。
通知前の発生の連続回数 メトリックの値が、通知が送信される前に警告のしきい値またはクリティカルのしきい値のいずれかに達した連続回数。
アラート・テキスト アラートが生成された理由を示すメッセージ。山カッコで囲んだ文字は、変数を表します。たとえば、「<keyValue>に対するディスク使用率は<value>%です」は「d0に対するディスク使用率は80%です」のようになります。

略称および頭字語

このマニュアルでは、ページ数を減らすため、次の略称および頭字語が使用されます。

略称/頭字語 名前
Agent Oracle Management Agent
Database Oracle Database
HTTP Hypertext Transfer Protocol
LDAP Lightweight Directory Access Protocol
OC4J Oracle Application Server Containers for J2EE
OMS Oracle Management Service
Repository Oracle Management Repository

メトリック、しきい値およびアラートのバックグラウンド情報

メトリックは、ターゲットの動作の判断に使用される測定の単位です。メトリックおよび関連するしきい値を使用することによって、Enterprise Managerでターゲットの問題を通知するアラートを送信します。

しきい値は、監視するメトリック値が比較される境界の値です。たとえば、「ディスク使用率(%)(Disk Utilization (%))」メトリックに関連する各ディスク・デバイスに対して、異なる警告およびクリティカルのしきい値を定義できます。Oracleによって事前に定義されているしきい値もあれば、そうでないものもあります。

しきい値に達すると、アラートが生成されます。アラートは、特定の条件が発生したことを示すインジケータで、次のいずれかの条件に合っている場合に生成されます。

アラートは、監視対象の条件を事前定義された一定の間隔で別のプロセスからチェックすることによって、ポーリングベースのメカニズムで検出されます。


関連資料

メトリック、しきい値およびアラートの詳細は、『Oracle Enterprise Manager概要』およびEnterprise Managerオンライン・ヘルプを参照してください。

編集

Enterprise Managerには、最初からクリティカルのメトリックに対するしきい値が含まれています。警告およびクリティカルのしきい値を使用してアラートが生成され、発生間近の問題について適時に対応できるよう知らせます。

編成の監視に対するニーズに適応するよう、Enterprise Managerで提供されたしきい値を編集し、新しいしきい値を定義することができます。しきい値を定義する際、重要なのは許容された値を選択して不要なアラートを回避し、さらに適時に問題が通知されることです。

システムが通常のある期間にどのように稼働するかを反映するメトリック・ベースラインを定義することで、適時に関連情報を提供するしきい値を設定できます。

「しきい値の編集」ページにリストされるメトリックは、Oracleで提供されるデフォルトのメトリックか、変更可能なしきい値を持つメトリックのいずれかです。

複数のしきい値の指定

複数のしきい値の指定機能によって、異なるしきい値を持つことが可能なデータの様々なサブセットを定義できます。複数のしきい値を指定することによって、アラートの発生に使用されるデータを改良できます。これは、Enterprise Managerを使用する主な利点の1つです。複数のしきい値の指定で重要なのは、全体としてその比較にメトリックのしきい値がどのように関係するかを判断することです。特定のデバイス、マウント・ポイントなどに対してより高いまたは低いしきい値を定義することで得られる利点について考えます。たとえば、「平均ディスクI/Oサービス時間(Average Disk I/O Service Time)」メトリックを使用し、すべてのディスク(sd0およびsd1)に適用される警告およびクリティカルのしきい値を定義することも、特定のディスク(sd0)に対して異なる警告およびクリティカルのしきい値を定義することもできます。これにより、sd0に対するしきい値を調整して、高くまたは低くすることができます。

Grid Controlコンソールを使用したメトリックへのアクセス

Grid Controlコンソールでメトリックにアクセスするには、次の手順を実行して、特定のターゲットに関する「すべてのメトリック」ページを使用します。

  1. Grid Controlコンソールで、ターゲットを選択します。

  2. ターゲットのホームページで、「関連リンク」セクションの「すべてのメトリック」をクリックします。

  3. 「すべてのメトリック」ページで、関心のあるメトリックを選択し、「ヘルプ」をクリックします。そのメトリックのヘルプが表示されます。

メトリックのトラブルシューティング

万一メトリックが正しい値をレポートしない状況が発生した場合は、問題が次の事柄に該当しているかどうか判断する必要があります。

この判断を支援するために、メトリック・ブラウザが提供されています。これは、Enterprise Managerで使用し、管理エージェントによって収集される生データを確認できるトラブルシューティング・ツールです。

メトリック・ブラウザへのアクセス

メトリック・ブラウザが使用可能になっている場合は、Netscape、Firefox、Internet ExplorerなどのWebブラウザを使用して、次の形式のURLでアクセスできます。

http|https://<agent_hostname>:<agent_port>/emd/browser/main

次に例を示します。

http://myServer.myDomain:3872/emd/browser/main


注意:

使用するプロトコル(httpまたはhttps)、ホスト名および管理エージェントのポートは、次のコマンドの出力から特定できます(コマンドは管理エージェントのホストで実行します)。

<agent_home>/bin/emctl status agent


このコマンドの出力に示される管理エージェントのURLでは、browseremdmainの間に入れる必要があります。

デフォルトでは、メトリック・ブラウザは使用不可になっています。メトリック・ブラウザが使用できない場合は、次のエラーが表示されます。

HTTP Error 403 - Forbidden if the metric browser has not been enabled.

Oracle Management Agentのメトリック・ブラウザおよび管理エージェント・ブラウザを使用可能にする方法

メトリック・ブラウザを使用可能にするには、次の手順を実行します。

  1. メトリック・ブラウザを使用可能にするには、管理エージェントのemd.propertiesファイルにenableMetricBrowserプロパティを設定します。このファイルの場所は、使用している管理エージェントのタイプによって異なります。

    • GRID Control(中央、スタンドアロン)管理エージェントの場合、ファイルは次の場所にあります。

      <AGENT_HOME>/sysman/config/emd.properties

    • クラスタ(RAC)管理エージェントのインストールの場合、ファイルは次の場所にあります。

      <AGENT_HOME>/<hostname>/sysman/config/emd.properties

    • Database Control管理エージェントの場合、ファイルは次の場所にあります。

      <DATABASE_HOME>/<hostname>_<SID>/sysman/config/emd.properties

    • Application Server Control管理エージェントの場合、ファイルは次の場所にあります。

      <AS_HOME>/sysman/config/emd.properties

  2. emd.propertiesファイルのバックアップ・コピーを作成します。

  3. ファイルを編集し、次の行を見つけます。

    #To enable the metric browser, uncomment the following line
    #This is a reloadable parameter
    #
    #enableMetricBrowser=true
    
  4. 次のように、#enableMetricBrowser=trueの行を非コメント化します。

    enableMetricBrowser=true

  5. 次のコマンドを使用して、管理エージェント構成をリロードします。

    <AGENT_HOME>/bin/emctl reload agent

  6. 管理エージェントをリロードすると、メトリック・ブラウザが使用可能になるため、ブラウザを使用してアクセスできます。

管理エージェント以外でのメトリック収集の実行

管理エージェント以外でのメトリック収集の実行方法は各メトリックに固有であり、特定のメトリックごとに直接体験して得た知識が必要です。各メトリックにはデータを収集する独自の方法があり、他のメトリックから算出されるため単独では実行できないメトリックもあります。

管理エージェント以外でメトリック収集を実行する例として、コマンドラインがあります。