Oracle Application Serverを使用してグローバル・インターネット・アプリケーションを開発および配置する場合は、次の作業を実行する必要があります。
Oracle Application Server Infrastructureのデータベースには、Oracle Internet Directory、Distributed Configuration Management(DCM)などのインフラストラクチャ・コンポーネントのスキーマのほかに、データベースにインストールされている多くのOracle Application Serverの中間層コンポーネントに関連するデータが格納されます。次に、これらのコンポーネントを示します。
Oracle Application Server Portal(OracleAS Portal)
Oracle Application Server Forms Services(OracleAS Forms Services)
Oracle Reports(OracleAS Reports Services)
Oracle Application Server Wireless(OracleAS Wireless)
Oracle Business Intelligence Discoverer(OracleBI Discoverer)
すべての依存コンポーネントが同じレベルのグローバル・サポートを提供できるように、インストール時にインフラストラクチャのデータベースに適切なデータベース・キャラクタ・セットを選択することが重要です。
Oracle Application Server Infrastructureのデータベースをインストールする際に、そのデータベースで使用するデータベース・キャラクタ・セットの選択を求めるプロンプトが表示されます。デフォルトのキャラクタ・セットはAL32UTF8です。次のいずれかの方法で、使用環境に最適なデータベース・キャラクタ・セットを判断します。
図1-2のように、使用環境がOracle Application Server Infrastructureのシングル・グローバル・インスタンスで多言語をサポートする場合は、インフラストラクチャのデータベース・キャラクタ・セットとしてUTF-8を選択します。英語などの単一言語のみをサポートする場合でも、UTF-8をデータベース・キャラクタ・セットとして選択できます。UTF-8を選択すると、次のような影響があります。
UTF-8がデータベース・キャラクタ・セットとして使用されているデータベースは、シングル・バイトのキャラクタ・セットが使用されているデータベースより処理速度がわずかに遅くなります。このパフォーマンスへの影響は、UTF-8がマルチバイトのキャラクタ・セットであり、中間層とデータベース間のキャラクタ・セットの変換回数が増加するため発生します。
mod_plsql
を介して配信されるWebページは、UTF-8でエンコードする必要があります。ただし、モバイル機器用のブラウザなど、UTF-8のサポートに問題があるブラウザもあります。mod_plsql
を介してWebページを配信する製品には、Oracle Application Server Single Sign-OnおよびOracle Application Server Portalがあります。
使用環境が、同じシステム固有のキャラクタ・セットを共有する単一言語または言語のグループをサポートする場合、これらの言語に対して最も一般的に使用されるキャラクタ・セットをUTF-8のかわりに選択できます。たとえば、西欧言語のみサポートする場合は、WE8MSWIN1252を選択できます。日本語と英語をサポートする場合は、JA16SJISを選択できます。
使用環境で繁体字中国語をサポートする場合は、キャラクタ・セットとしてZHT16MSWIN950またはZHT16BIG5を選択します。
注意: キャラクタ・セットZHT32EUCでは、Oracle Application Server Portalはサポートされません。 |
インストール・タイプに関係なく、Oracle Application Serverのインストール時には、ユーザーが選択した言語のサポートが自動的にインストールおよび構成されます。このサポートには、製品内で使用される翻訳用のファイルとフォントも含まれます。
インストール後、必要なフォントを利用できない場合は、そのフォントをOracle Application Server CDパックのユーティリティのCD-ROMまたは次のURL
から$
ORACLE_HOME
/jdk/jre/lib/fonts
ディレクトリにコピーできます。
関連項目: 多言語ポートレットの作成の詳細は、『Oracle Application Server Portal開発者ガイド』を参照してください。 |
この項では、多言語サポートのためのOracle HTTP Serverの構成に関する次の項目を説明します。
Oracle Enterprise Manager 10gを使用せずに、Oracle HTTP ServerまたはOC4J構成ファイルを手動で編集する場合、DCMコマンドライン・ユーティリティdcmctl
を使用して、変更をDCMリポジトリに通知する必要があります。これを行わないと、加えた変更が有効にならず、Enterprise Managerコンソールに反映されません。次のコマンドを使用します。
Oracle HTTP Server構成ファイルに加えた変更をDCMリポジトリに通知するには、次のコマンドを使用します。
ORACLE_HOME/dcm/bin/dcmctl updateConfig ohs
OC4J構成ファイルに加えた変更をDCMリポジトリに通知するには、次のコマンドを使用します。
ORACLE_HOME/dcm/bin/dcmctl updateConfig oc4j
Oracle HTTP ServerとOC4J構成ファイルの両方に加えた変更をDCMリポジトリに通知するには、次のコマンドを使用します。
ORACLE_HOME/dcm/bin/dcmctl updateConfig
手動またはOracle Enterprise Manager 10gを使用して構成パラメータを変更する前に、次のコマンドを使用して、Oracle HTTP Server、OC4J構成ファイル、およびインストール済のJ2EEアプリケーションの現行の状態を保存できます。
ORACLE_HOME/dcm/bin/dcmctl saveInstance -dir directory_name
この操作の後、次のコマンドを使用すれば、その状態をリストアしたり、その後に加えた変更を元に戻すことができます。
ORACLE_HOME/dcm/bin/dcmctl restoreInstance -dir directory_name
NLS_LANG
パラメータは、インターネット・アプリケーションでデータベース接続のために使用する言語、地域およびキャラクタ・セットを制御します。NLS_LANG
の値は、次に示す書式で表示された記号のとおりに指定します。
language_territory.characterset
前述の構文では、language
、territory
およびcharacterset
には、Oracleの有効な言語、地域およびキャラクタ・セット名を指定する必要があります。指定した言語と地域は、データベース・セッション内でデフォルトの日付と時間の書式、数値書式およびソート順序を決定するロケールの初期化に使用されます。Oracleデータベースは、データの検索および挿入時に、指定したキャラクタ・セットとの間でデータを変換します。
関連項目: Oracleの有効な言語、地域およびキャラクタ・セット名のリストは、Oracle Databaseドキュメント・ライブラリ内の『Oracle Databaseグローバリゼーション・サポート・ガイド』を参照してください。 |
Oracle HTTP ServerファイルとOC4Jファイルで、NLS_LANG
パラメータを指定できます。NLS_LANG
を指定できるOracle HTTP ServerファイルとOC4Jファイルは次のとおりです。
$ORACLE_HOME/Apache/Apache/conf/httpd.conf
Oracle HTTP Server powered by Apacheの構成ファイルです。このファイルは、Apacheモジュールに渡される環境変数を定義します。Perlおよびサーバー側インクルード(SSI)ページのようなCGIスクリプトに対してNLS_LANG
パラメータを明示的に指定する場合は、このファイルに次の行を追加できます。
SetEnv NLS_LANG language_territory.characterset
前述のNLS_LANG
の明示的な指定を行わない場合、Oracle HTTP Serverは、CGIスクリプトおよびSSIページでNLS_LANG
シェル環境変数を使用するように事前構成されます。この構成は、ファイルに次の行が挿入されることで行われます。
PassEnv NLS_LANG
$ORACLE_HOME/Apache/Apache/bin/apachectl
UNIXで使用するOracle HTTP Server起動スクリプトです。Oracle HTTP Serverをapachectl
から直接起動する場合は、次の行をこのスクリプト・ファイルで指定してNLS_LANG
の値を定義できます。
NLS_LANG=language_territory.characterset; export NLS_LANG
$ORACLE_HOME/opmn/conf/opmn.xml
Oracle Process Manager and Notification Server(OPMN)は、Oracle HTTP ServerおよびOC4Jインスタンスの管理に使用します。opmn.xml
構成ファイルでは、次のXML構文によって、Oracle HTTP ServerおよびOC4JプロセスにNLS_LANG
環境変数を指定できます。
<environment>
...
<prop name="NLS_LANG" value="language_territory_characterset" />
...
</environment>
この構文は、Oracle Application Serverインスタンス・レベルで指定できます。その際、この構文はOracle Application Serverインスタンスに属するOracle HTTP ServerとOC4Jのすべてのインスタンスに適用されます。個々のOracle HTTP ServerまたはOC4Jインスタンスに対してこの構文を指定することもできます。その場合、この構文は該当するインスタンスにのみ適用されます。
$ORACLE_HOME/Apache/modplsql/conf/dads.conf
このファイルは、データベース接続の作成時に使用するmod_plsql
のデータベース・アクセス記述子(DAD)を定義します。該当するDADのNLS_LANG
の値を指定できます。たとえば、/pls/scott
DADに対してNLS_LANG
の値を次のように指定します。
<Location /pls/scott>
SetHandler pls_handler
Order deny, allow
Allow from all
PlsqlDatabasePassword tiger
PlsqlDatabaseUsername scott
PlsqlDocumentPath docs
PlsqlNlsLanguage NLS_LANG value
</Location>
DADの転送モードがRAW
ではなくCHAR
の場合、正しく機能させるには、DADのNLS_LANG
キャラクタ・セットがmod_plsql
のデータベース・キャラクタ・セットの値と一致している必要があります。
$ORACLE_HOME/Apache/Jserv/etc/jserv.properties
使用環境にJServが必要な場合は、このファイルで次の行を追加するか変更して、NLS_LANG
の適切な値を定義する必要があります。
wrapper.env=NLS_LANG=language_territory.characterset
これらのファイルで、前述のNLS_LANG
環境変数の明示的な指定を行わない場合、Oracle HTTP ServerおよびOC4Jでは次の値セットが使用されます。
UNIXの場合: Oracle HTTP ServerおよびOC4J起動時のNLS_LANG
シェル環境変数
Microsoft Windowsの場合: Win32レジストリの\\HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\ORACLE\HOME
n
のNLS_LANG
レジストリ・キー
Oracle Application Serverのインストールでは、製品をインストールするランタイム環境のロケールに基づいて、NLS_LANG
の値が次のOracle HTTP ServerファイルおよびOC4Jファイルで事前構成されます。
$ORACLE_HOME/Apache/Apache/bin/apachectl
(UNIXプラットフォーム用)
$ORACLE_HOME/opmn/conf/opmn.xml/opmnctl
(UNIXプラットフォーム用)
apachectl
およびopmnctl
スクリプトで事前構成されるNLS_LANG
の値は次のとおりです。
NLS_LANG=${NLS_LANG=language_territory.characterset}; export NLS_LANG
この行は、スクリプトを起動するシェル環境でNLS_LANG
環境変数が未定義の場合にのみ、事前構成したNLS_LANG
の値を使用することを意味します。シェル環境に関係なくNLS_LANG
の値を使用する場合は、この行を次のように変更します。
NLS_LANG=language_territory.characterset; export NLS_LANG
NLS_LANG
パラメータは、OPMNを実行するランタイム環境のロケールを制御します。このロケールは、オペレーティング・システムのデフォルト・ロケールである、中間層のランタイム環境のデフォルト・ロケールと一致している必要があります。このNLS_LANG
パラメータは、Oracle HTTP ServerやOC4JなどのOPMN管理プロセスによって継承されます。ただし、異なる値がopmn.xml
で明示的に指定されている場合を除きます。
Microsoft Windowsプラットフォームでは、事前構成されたNLS_LANG
は、\\HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\ORACLE\HOME
n
のNLS_LANG
レジストリ・キーとしてWin32レジストリに自動的に登録されます。このレジストリ・キーのNLS_LANG
の値によって、OPMNとその管理プロセスを実行するランタイム環境のロケールが制御されます。
事前構成されたNLS_LANG
の値は、製品インストール中の実行時のロケールから導出された最適値であり、各ユーザーのOracle HTTP ServerおよびOC4J構成では適切でない場合があります。ユーザー固有の要件とランタイム環境によっては、これらの値の変更が必要になります。
単一言語アプリケーション・アーキテクチャに対するNLS_LANGの設定
NLS_LANG
パラメータを設定して、中間層サーバーによって提供されるように設定されたロケールに対応する言語、地域およびキャラクタ・セットを指定します。大部分のクライアントがMicrosoft Windowsプラットフォームで動作する場合は、ロケールのMicrosoft Windowsコード・ページに対応するNLS_LANG
キャラクタ・セットを使用することをお薦めします。たとえば、日本語クライアントに対応する中間層サーバーを構成する場合、NLS_LANG
に次の値を指定します。
JAPANESE_JAPAN.JA16SJIS
JA16SJISは、日本語のMicrosoft Windowsオペレーティング・システムのコード・ページ932に該当します。
表6-1に、最も一般的に使用されるロケールのNLS_LANG
の値を示します。
表6-1 一般的に使用されるロケールのNLS_LANGの値
ロケール | NLS_LANGの値 |
---|---|
アラビア語(エジプト) |
ARABIC_EGYPT.AR8MSWIN1256 |
アラビア語(アラブ首長国連邦) |
ARABIC_UNITED ARAB EMIRATES.AR8MSWIN1256 |
中国語(台湾) |
TRADITIONAL CHINESE_TAIWAN.ZHT16MSWIN950 |
中国語(中国) |
SIMPLIFIED CHINESE_CHINA.ZHS16GBK |
チェコ語 |
CZECH_CZECH REPUBLIC.EE8MSWIN1250 |
デンマーク語 |
DANISH_DENMARK.WE8MSWIN1252 |
オランダ語 |
DUTCH_THE NETHERLANDS.WE8MSWIN1252 |
英語(イギリス) |
ENGLISH_UNITED KINGDOM.WE8MSWIN1252 |
英語(アメリカ合衆国) |
AMERICAN_AMERICA.WE8MSWIN1252 |
フィンランド語 |
FINNISH_FINLAND.WE8MSWIN1252 |
フランス語(カナダ) |
CANADIAN FRENCH_CANADA.WE8MSWIN1252 |
フランス語(フランス) |
FRENCH_FRANCE.WE8MSWIN1252 |
ドイツ語(ドイツ) |
GERMAN_GERMANY.WE8MSWIN1252 |
ギリシャ語 |
GREEK_GREECE.EL8MSWIN1253 |
ヘブライ語 |
HEBREW_ISRAEL.IW8MSWIN1255 |
ハンガリー語 |
HUNGARIAN_HUNGARY.EE8MSWIN1250 |
イタリア語(イタリア) |
ITALIAN_ITALY.WE8MSWIN1252 |
日本語 |
JAPANESE_JAPAN.JA16SJIS |
韓国語 |
KOREAN_KOREA.KO16MSWIN949 |
ノルウェー語 |
NORWEGIAN_NORWAY.WE8MSWIN1252 |
ポーランド語 |
POLISH_POLAND.EE8MSWIN1250 |
ポルトガル語(ブラジル) |
BRAZILIAN PORTUGUESE_BRAZIL.WE8MSWIN1252 |
ポルトガル語(ポルトガル) |
PORTUGUESE_PORTUGAL.WE8MSWIN1252 |
ルーマニア語 |
ROMANIAN_ROMANIA.EE8MSWIN1250 |
ロシア語 |
RUSSIAN_CIS.CL8MSWIN1251 |
スロバキア語 |
SLOVAK_SLOVAKIA.EE8MSWIN1250 |
スペイン語(スペイン) |
SPANISH_SPAIN.WE8MSWIN1252 |
スペイン語(南米) |
LATIN AMERICAN SPANISH_AMERICA.WE8MSWIN1252 |
スウェーデン語 |
SWEDISH_SWEDEN.WE8MSWIN1252 |
タイ語 |
THAI_THAILAND.TH8TISASCII |
トルコ語 |
TURKISH_TURKEY.TR8MSWIN1254 |
多言語アプリケーション・アーキテクチャに対するNLS_LANGの設定
NLS_LANG
パラメータの言語と地域の構成要素は、多言語アプリケーション・アーキテクチャでは単一言語アプリケーションの場合のように重要ではありません。多言語アプリケーションでは、複数のロケールを動的に処理する必要があるため、固定された設定に依存することはできません。アプリケーションでは、データベースに対してUnicodeデータを検索したり挿入したりするために、常にUTF-8キャラクタ・セットを使用します。多言語配置でのNLS_LANG
に対する適切な値の例は、次のようになります。
NLS_LANG=AMERICAN_AMERICA.UTF8
mod_plsql
ランタイムの各データベース・アクセス記述子(DAD)の転送モードによって、PL/SQLがHTMLコンテンツを構成しHTMLフォーム入力を複数のキャラクタ・セットで処理することができます。転送モードは、適切な値で設定する必要があります。
DADが指定された$ORACLE_HOME/Apache/modplsql/conf/dads.conf
ファイルにmod_plsql
モジュールの転送モードを構成することが重要です。
mod_plsql
モジュールでは、DADで構成可能な2つの転送モードをサポートしています。
CHAR
モード: これは、動的HTMLコンテンツがVARCHAR2
データとしてデータベースからmod_plsql
に送信される場合のデフォルト・モードです。このモードでは、NLS_LANG
キャラクタ・セットをバックエンドのデータベース・キャラクタ・セットと同じ設定にする必要があります。
RAW
モード: 動的HTMLコンテンツは、RAW
データとしてデータベースからmod_plsql
に送信され、PL/SQLプロシージャおよびOracle PL/SQL Server Pages(PSP)を実行するデータベース・サーバーのキャラクタ・セット変換に従います。キャラクタ・セット変換は、NLS_LANG
キャラクタ・セットまたはOWA_UTIL.MIME_HEADER()
関数コールで指定したcharset
パラメータのいずれかによって、HTMLページ・エンコーディングを指定する場合にのみ発生します。
単一言語インターネット・アプリケーションにおいても多言語インターネット・アプリケーションにおいても、DAD内で次のようにRAW
転送モードを有効にする必要があります。
<Location /pls/scott>
SetHandler pls_handler
Order deny,allow
Allow from all
PlsqlDatabasePassword tiger
PlsqlDatabaseUsername scott
PlsqlDatabaseConnectString local
PlsqlDocumentPath docs
PlsqlNlsLanguage AMERICAN_AMERICA.UTF8
PlsqlTransferMode RAW
</Location>
PlsqlNlsLanguage
の値に空白が含まれている場合は、その値を引用符で囲む必要があります。たとえば、次のように設定します。
PlsqlNlsLanguage "SIMPLIFIED CHINESE_CHINA.ZHS16GBK"
この項では、Oracle Application Serverがサポートするランタイム環境で実行時のデフォルト・ロケールを初期化する方法を説明します。
ランタイム環境のデフォルト・ロケールによって、ファイルI/Oの操作で使用するキャラクタ・セット、ユーザー・インタフェースの言語、使用する日付書式など、デフォルト・ロケールに依存するアプリケーションの動作が制御されます。実行時のデフォルト・ロケールに依存するアプリケーションで目的のロケール依存動作を実行するには、デフォルト・ロケールを適切に設定する必要があります。通常、実行時のデフォルト・ロケールは、オペレーティング・システムのデフォルト・ロケールまたはランタイム・プロセスのロケールから継承されます。
実行時のデフォルト・ロケールは、単一言語アプリケーションでのユーザーの推奨ロケールとして使用する必要があります。多言語アプリケーションでは、メッセージのロギングなどのサーバー・サイドのI/O操作に実行時のデフォルト・ロケールを使用します。
UNIXプラットフォームの場合、LANG
またはLC_ALL
変数によって、次が定義されます。
プロセスに使用されるPOSIX(XPG4ともいう)ロケール
Java VMによるデフォルト・ロケールの初期化方法
JServにJava VMを構成するには、jserv.properties
ファイルでLANG
またはLC_ALL
環境変数をPOSIXロケール名で定義します。たとえば、jserv.properties
にある次の行は、日本語をUNIX上のJServ用Java VMのデフォルト・ロケールとして定義しています。
wrapper.env=LANG=ja_JP
LANG
およびLC_ALL
環境変数の値は、使用しているオペレーティング・システムで使用可能な同じPOSIXロケールを指す必要があります。これらの環境変数の値が異なる場合は、LC_ALL
環境変数が常に、LANG
環境変数より優先されます。
コントロール パネルの地域設定は、Microsoft Windowsプラットフォーム上でJServ用Java VMのデフォルト・ロケールを制御します。Oracle HTTP Serverを起動する前に、コントロール パネルで地域設定を対象のロケールに変更します。
LANG
またはLC_ALL
環境変数を、$ORACLE_HOME/opmn/conf/opmn.xml
のPOSIXロケール名で定義します。たとえば、opmn.xml
の<environment>
タグにある次の行は、日本語をSolaris上のOC4J用Java VMのデフォルト・ロケールとして定義しています。
<environment> ... <prop name="LANG" value="ja_JP" /> ... </environment>
コントロール パネルの地域設定は、Microsoft Windowsプラットフォーム上でOC4J用Java VMのデフォルト・ロケールを制御します。Oracle HTTP Serverを起動する前に、コントロール パネルで地域設定を対象のロケールに変更します。
PL/SQLおよびPSPは、Oracleデータベース上でデータベース・セッションのコンテキスト内で実行されます。このため、NLS_LANG
パラメータは実行時のデフォルト・ロケールを制御します。NLS_LANG
パラメータは、「NLS_LANGパラメータの構成」で説明するとおりに構成します。
Perlスクリプトは、mod_perl
モジュールで提供するPerlインタプリタ上で実行します。Perlでサポートするロケールは、オペレーティング・システムで使用可能なPOSIXロケールに基づいています。このロケールは、POSIX Cライブラリを基盤として使用します。Perlランタイム・デフォルト・ロケールは、C/C++ランタイムの説明にある手順に従って構成します。
C/C++ランタイムでは、オペレーティング・システムで提供されるPOSIXロケール・システムを使用します。ロケール・システムは、LC_ALL
またはLANG
環境変数を定義することによって構成します。LC_ALL
を、オペレーティング・システムで提供される有効なロケール値で定義します。これらの値はオペレーティング・システムによって異なります。
UNIXプラットフォームの場合、次のようにLC_ALL
を定義します。
$ORACLE_HOME/Apache/Apache/conf/httpd.conf
ファイルに次の行を追加します。
PassEnv LC_ALL
$ORACLE_HOME/Apache/Apache/bin/apachectl
ファイルに次の行を追加します。
LC_ALL=${LC_ALL=OS_locale}; export LC_ALL
Microsoft Windowsプラットフォームの場合、POSIXロケールは、LC_ALL
環境変数で指定されるのではなく、コントロール パネルの地域設定の値を継承します。地域設定を変更して、デフォルトのランタイムPOSIXロケールにします。
Oracle Application Server Portal(OracleAS Portal)は、異なる言語でアプリケーションの開発および配置を実行できるように設計されています。OracleAS Portalは、Oracle Application Serverの中間層をインストールする際に、Oracle Universal Installerで選択された言語で構成されます。構成するように選択された言語は、「言語の設定」ポートレットに表示されます。
インストール後に言語を追加構成するには、ptllang
スクリプトを使用します。言語のインストール後は、英語(オーストラリア)、フランス語(カナダ)など、その言語で使用する推奨ロケールおよび地域をOracleAS Portalで指定できます。
関連項目: ptllang スクリプトについては、『Oracle Application Server Portal構成ガイド』を参照してください。
|
ユーザーがモバイル機器からワイヤレス・サービスにアクセスすると、Oracle Application Server Wirelessは、Oracle Internet Directoryからのユーザー・プロファイル情報を使用してユーザーの推奨言語を判断します。管理者は、Oracle Application Server Wirelessツールを使用して新しいユーザーを作成するときに、言語を選択できます。ユーザーは、Wirelessカスタマイズ・ツールを使用してその推奨言語を変更できます。
NLS_LANG
パラメータは、インターネット・アプリケーションでデータベース接続のために使用する言語、地域およびキャラクタ・セットを制御します。NLS_LANG
の値は、次に示す書式で表示された記号のとおりに指定します。
language_territory.characterset
language
、territory
およびcharacterset
には、Oracleの有効な言語、地域およびキャラクタ・セット名を指定する必要があります。指定した言語と地域は、データベース・セッション内でデフォルトの日付と時間の書式、数値書式およびソート順序を決定するロケールの初期化に使用されます。Oracle Netはデータベースに対してデータを検索および挿入するときに、指定したキャラクタ・セットとの間でデータを変換します。
$ORACLE_HOME/forms/server/default.env
ファイルで、NLS_LANG
パラメータを設定できます。default.env
ファイルで、NLS_LANG
パラメータを設定しない場合、OracleAS Forms Servicesでは次の値セットが使用されます。
UNIXの場合: OracleAS Forms Services起動時のNLS_LANG
シェル環境変数
Microsoft Windowsの場合: Microsoft Windowsレジストリの\\HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\ORACLE\
FormsServerOracle_HOME
のNLS_LANG
設定
代替の環境ファイルを指定することによって、同じForms Serverに異なるNLS_LANG
設定を指定できます。formsweb.cfg
ファイルのenvFile
パラメータを使用します。これを行うには、次の操作を実行します。
$ORACLE_HOME/forms/server
の下に環境構成ファイルを2つ作成します。たとえば、アメリカ英語環境の構成ファイル(en-us.env
)には、次の行が必要です。
NLS_LANG=AMERICAN_AMERICA.US7ASCII FORMS_PATH=d:\us
日本語環境の構成ファイル(ja.env
)には、次の行が必要です。
NLS_LANG=JAPANESE_JAPAN.JA16SJIS FORMS_PATH=d:\ja
$ORACLE_HOME/forms/server/formsweb.cfg
ファイルで、代替設定用にenvFile
パラメータを設定します。たとえば、次のように設定します。
[ja] envFile=ja.env [en-us] envFile=en-us.env
次のようにForms Servletに構成名をURLで指定します。
http://formsservermachine/forms/frmservlet?config=ja http://formsservermachine/forms/frmservlet?config=en
関連項目: 『Oracle Application Server Forms Services利用ガイド』 |
NLS_LANG
パラメータは、OracleAS Reports Servicesアプリケーションでデータベース接続のために使用する言語、地域およびキャラクタ・セットを制御します。NLS_LANG
の値は、次に示す書式で表示された記号のとおりに指定します。
language_territory.characterset
language
、territory
およびcharacterset
には、Oracleの有効な言語、地域およびキャラクタ・セット名を指定する必要があります。指定した言語と地域は、データベース・セッション内でデフォルトの日付と時間の書式、数値書式およびソート順序を決定するロケールの初期化に使用されます。Oracle Netはデータベースに対してデータを検索および挿入するときに、指定したキャラクタ・セットとの間でデータを変換します。
OracleAS Reports Servicesでは、次のように設定されるNLS_LANG
パラメータの値が使用されます。
UNIXの場合: OracleAS Reports Services起動時のNLS_LANG
シェル環境変数。NLS_LANG
のデフォルト値は、$
ORACLE_HOME
/bin/reports.sh
で設定します。
Microsoft Windowsの場合: Microsoft Windowsレジストリの\\HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\ORACLE\%
ReportsORACLE_HOME%
で設定されるNLS_LANG
の値。
動的環境切替えの場合: OracleAS Reports Services構成ファイルの環境要素を使用して設定。UNIXの場合、reports.sh
ファイルのNLS_LANG
のデフォルト値をコメント・アウトしてこの機能を有効にする必要があります。
関連項目:
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OracleBI Discovererは、異なるロケールのユーザーを同時にサポートできます。ユーザーは、ユーザー・インタフェースに使用するロケールを明示的に制御するか、OracleBI Discovererによって自動的にデフォルトを決定します。言語とロケールの決定の優先順位は、次のようになります。
OracleBI DiscovererのURLに指定された言語およびロケールの設定。
OracleBI Discovererへの接続で指定された言語およびロケールの設定。ユーザーのブラウザ・オプションで設定されているロケールが指定されている場合は、各ユーザーのブラウザの言語設定が使用されます。
Oracle Application Serverの言語およびロケール。
関連項目: OracleBI DiscovererでのURLパラメータの使用の詳細は、『Oracle Business Intelligence Discoverer構成ガイド』を参照してください。 |
集中型Oracleデータベースを設定して、次の形式でUnicodeデータを格納することが可能です。
次のデータ型をサポートするために、集中型Oracleデータベースを指定することをお薦めします。
SQL CHAR
データ型でUTF-8用集中型データベースを作成する場合は、データベース・キャラクタ・セットにAL32UTF8を指定します。
SQL NCHAR
データ型でUTF-16用集中型データベースを作成する場合は、各国語キャラクタ・セットにAL16UTF16を指定します。
例6-1に、推奨するデータベース・キャラクタ・セットと各国語キャラクタ・セットを設定するCREATE DATABASE
文の一部を示します。
例6-1 データベース・キャラクタ・セットと各国語キャラクタ・セットの指定
CREATE DATABASE utfdb CONTROL FILE REUSE LOGFILE '/u01/oracle/utfdb/redo01.log' SIZE 1M REUSE '/u01/oracle/utfdb/redo02.log' SIZE 1M REUSE DATAFILE '/u01/oracle/utfdb/system01.dbf' SIZE 10M REUSE AUTOEXTENT ON NEXT 10M MAXSIZE 200M CHARACTER SET AL32UTF8 NATIONAL CHARACTER SET AL16UTF16 ... ;
関連項目:
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