Oracle Business Intelligence Discoverer Oracle Application Server Portalでのワークブック公開ガイド 10g リリース2(10.1.2.1) B25078-01 |
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この章では、OracleBI DiscovererおよびOracleAS Portalの概要を説明します。項目は次のとおりです。
Oracle Business Intelligence Discovererは、非定型クエリー、レポート作成、分析およびWeb公開用の直観的なツールセットで、これを使用することにより、ビジネス・ユーザーはデータベース内の情報へ素早くアクセスできます。
Oracle Business Intelligence Discovererにより、組織のあらゆるレベルのビジネス・ユーザーが、より多くの情報を得た上でビジネス上の意思決定を迅速に下すことができます。任意の標準Webブラウザを使用することで、リレーショナル・データソースおよびマルチディメンショナル・データソースの両方のデータに安全かつ素早くアクセスできます。Oracle Business Intelligence Discovererでは、基盤となるデータ構造の複雑さを意識させないようにビジネス・ビューを提供するため、ビジネス上の問題解決に集中できます。
Oracle Business Intelligence Discovererを構成する多数の統合コンポーネントは、Oracleデータベースとの連携により、完全かつ統合されたBusiness Intelligenceソリューションを提供します。
Discovererワークブックは、複数のワークシート集合に名前をつけたものです。各ワークシートには、データベースからのビジネス情報の抽出に必要なデータおよびグラフが含まれます。各ワークシートには、クエリーの結果が含まれます。
ワークシートでは、情報が次の形式で示されます。
セル内のデータ・ポイント(テーブルまたはクロス集計にフォーマットされます)
グラフ(OracleBI Discovererでは様々なグラフ・タイプがサポートされます)
Discoverer Portlet Providerを使用すると、OracleAS PortalユーザーがDiscovererワークシートにアクセスできるようになります。
Oracle Application Server PortalはOracle Application Serverのコンポーネントであり、企業クラス・ポータルの開発、配置、管理および構成に使用します。OracleAS Portalには、ポータル構築フレームワークとともに、自分のポータル内で情報を作成、公開および管理できるセルフサービス公開機能が組み込まれています。自分のポータルでは、自分のデータベースおよびその他のソースの情報公開、内部および外部顧客への情報提供、およびこれらの顧客からの情報収集、さらにこれらの顧客が消費するコンテンツの管理が可能です。
ポータルは、数多くのソースから取得される様々なコンテンツをホスティングするページのグループで構成されており、これらのすべてが1つの場所、つまりポータルから提供されます。OracleAS Portalで構築されるポータルの基本的な構造コンポーネントには、ページ・グループ、ページ、タブ、リージョン、ポートレットおよび項目があります。
ポートレットは、各種情報ソースのサマリーを作成したり、情報ソースへのアクセスを提供するための再使用可能な情報コンポーネントです。各ユーザーまたは各グループ・ベースでポートレットの外観をカスタマイズできます。ポートレットの例として、動的に更新される四半期収益レポート、Discovererワークシート、検索フィールドとボタンまたは単純なユーザー・ポーリングなどがあります。
次のDiscovererポートレットはOracleAS Portalで公開できます。
ワークシート・ポートレット(詳細は、「「Discovererワークシート」ポートレット」を参照)
ゲージ・ポートレット(詳細は、「「Discovererゲージ」ポートレット」を参照)
ワークシートのリスト・ポートレット(詳細は、「「Discovererワークシートのリスト」ポートレット」を参照)
「Discovererワークシート」ポートレットには、Discovererワークシートおよびグラフを含めることができます。
ポートレットを公開するユーザーは、ポートレットにリンク(「分析」)を含めることができます。ユーザーはこのリンクを使用することで、ワークシートをDiscoverer Viewerで開き、詳細な分析(ドリル、ピボットなど)を実行できます。
次の図では、「ビデオ・チュートリアル・ワークブック - クロス集計レイアウト」というワークシート・ポートレットに、特定期間の地域の収益金額を分析するためのDiscovererワークシートが含まれます。
詳細は、「OracleAS Portalページに「Discovererワークシート」ポートレットを追加する方法」を参照してください。
「Discovererゲージ」ポートレットには、1つ以上の半円ゲージで示されたDiscovererワークシート・データが含まれます。ゲージの外観はスピードメータに似ています。ゲージは、一定範囲の値に含まれるデータを視覚化する1つの方法です。
「Discovererゲージ」ポートレットは、クロス集計ワークシートについてのみ作成できます。
低、許容および高しきい値を定義できます。値の範囲には、企業のキー・パフォーマンス・インジケータ(KPI)が反映されます。通常、ゲージはダッシュボード・アプリケーションで使用されます。
ポートレットを公開するユーザーは、ポートレットにリンク(「分析」)を含めることができます。ユーザーはこのリンクを使用することで、ワークシートをDiscoverer Viewerで開き、詳細な分析(ドリル、ピボットなど)を実行できます。
次の図は、「East」および「Central」地域の月次収益合計額を表示した2つのゲージを含む、「Discovererゲージ」ポートレットを示しています。
詳細は、「OracleAS Portalページに「Discovererゲージ」ポートレットを追加する方法」を参照してください。
「Discovererワークシートのリスト」ポートレットには、Discovererワークシートへのリンクが含まれます。ワークシートのリスト・ポートレット内のリンクをクリックすると、選択したワークシートがDiscoverer Viewerで開きます。
次の図では、「Discovererワークシートのリスト」ポートレットに、ビデオ・チュートリアル・ワークブック内のワークシート(「表のレイアウト」、「クロス集計レイアウト」など)へのリンクが含まれます。
詳細は、「OracleAS Portalページに「Discovererワークシートのリスト」ポートレットを追加する方法」を参照してください。
Discoverer Portlet Providerを使用して、DiscovererポートレットをOracleAS Portalページに統合できます。Discoverer Portlet Providerは、OracleAS PortalページでDiscovererコンテンツを公開するためのDiscovererポートレットを提供するDiscovererコンポーネントです。
Discoverer Plus Relational、Discoverer Plus OLAPまたはDiscoverer DesktopでDiscovererワークシートを作成した場合、OracleAS Portalにより、ワークシートをPortalコミュニティに簡単に公開できます。
Discovererコンテンツに使用できるポートレット・タイプの詳細は、「各種Discovererポートレット」を参照してください。
次の図は、Discovererポートレットが含まれるOracleAS Portalのページを示しています。
図1-5 「シンプル・パラメータ・フォーム」ポートレット、「Discovererワークシート」ポートレットおよび「ゲージ」ポートレットが含まれるOracleAS Portalサンプル・ページ
DiscovererをOracleAS Portalと併用すると、多くの利点があります。
複数のデータソースからの複数のクロス集計、テーブルおよびグラフを1つのページに表示
Discoverer Portlet Providerは、複数のプレゼンテーション(クロス集計、テーブル、グラフ)を1つのページに配置できるDiscovererコンポーネントです。これらのプレゼンテーションは、リレーショナル・データソースまたはOLAPデータソースのどちらのものでも使用できます。また、Discoverer Portlet Providerでは、Discovererの他のコンポーネントでは使用できない、ゲージという追加の視覚化機能が提供されます。
共通Portalページ・パラメータによるポートレットの制御
複数のプレゼンテーションを1つのページに配置できるだけではなく、これらのプレゼンテーションがすべてPortalページ・レベルの共通パラメータ・セットにより駆動されるように設定できます。
キャッシュ
Discovererポートレットでは、クエリーがスケジュールに基づいてバックグラウンドで実行され、即座に表示できるようにデータがキャッシュされるため、結果が瞬時に提供されます。
セキュリティによりユーザーが参照できる内容をより強力に制御
Discovererポートレットを使用すると、1つのPortalページを作成して別々のユーザーに異なる結果を表示できます。データは、DBユーザーまたはSSOユーザーのどちらでも、データベース上で識別されます。
パーソナライズ
Discovererポートレットは、「カスタマイズ」ページを使用するか「分析」リンクをクリックすることで、ユーザーが個別にパーソナライズすることもできます。
OracleAS Portalの詳細は、『Oracle Application Server Portal構成ガイド』を参照してください。
Discoverer接続は、格納済のデータベース・ログイン詳細のセットであり、構成は次のとおりです。
データベース・ユーザー名: Discovererエンド・ユーザーを識別
データベース・パスワード: Discovererエンド・ユーザーを認証
データベース名: Discovererエンド・ユーザーが分析する情報が含まれるデータベースを指定
(オプション)Oracle Applications職責: DiscovererをOracle Applicationsと併用する場合のDiscovererエンド・ユーザーの職責を指定
(リレーショナル・データソースのみ)EUL: 使用するEnd User Layerを指定
言語: Discovererで使用する言語を指定
Discoverer接続により、Discovererエンド・ユーザーは、Discovererを起動するたびにデータベース・ログイン詳細を再入力することなく、Discovererを起動できます。
注意: すでにOracle Single Sign-On機能を使用してデータベース接続を確立している場合、Discovererの起動時にパスワード情報を求めるプロンプトは表示されません。
DiscovererポートレットでDiscovererデータを公開するには、接続がすでに存在している必要があるため、Discoverer接続について知っておく必要があります(詳細は、第3章「DiscovererポートレットによるOracleAS Portalページの作成」を参照してください)。
次の例では、「Customer Reports」という接続が作成されており、レポートが格納されるデータベースに接続するためのログイン情報が含まれています。