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Oracle Application Serverリリース・ノート
10gリリース2(10.1.2)for HP-UX PA-RISC (64-bit)
B25637-05
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18 Oracle Application Server Web Cache

この章では、Oracle Application Server Web Cache(OracleAS Web Cache)に関する問題について説明します。この章の内容は次のとおりです。

18.1 構成に関する問題と対処方法

この項では、OracleAS Web Cacheの構成に関する問題とその対処方法について説明します。この項の内容は次のとおりです。

18.1.1 ログイン時に「ページを表示できません」というエラーが表示される

Microsoft Internet Explorerのバージョン5またはバージョン6を使用する際に、SSL対応の中間層アプリケーションに対してSSLを有効にしたSingle Sign-Onログインを行うと、「ページを表示できません」というエラーが表示されます。この場合、OracleAS Web CacheはOracleAS Single Sign-On用のリバース・プロキシになります。OracleAS InfrastructureとOracleAS Web Cache中間層の両方ではSSLが使用可能になり、同じ認証証明書が使用されます。ブラウザをリフレッシュすると、認証されたアプリケーション・ページが表示されます。

この問題を回避するには、OracleAS Web Cacheをリバース・プロキシとして使用しないでください。すべてのクライアント・リクエストをOracle HTTP Serverの中間層インスタンスに直接ルーティングして、ssl.confファイルのセッションを無効にします。

この問題を解決するには、Oracle Application Server 10gリリース2(10.1.2)のパッチ・セット2(10.1.2.2.0)をOracle Application Server 10gのインスタンスに適用します。その後、リリース10.1.0.5に対応したBug 4700543用個別パッチを適用します。

18.1.2 OracleAS Web Cache無効化ポートの監視中に「認証が必要」というエラーが表示される

『Oracle Application Serverエンタープライズ・デプロイメント・ガイド』の第8.3.7項「構成の完了」には、無効化ポート9401を監視するために次のURLが記載されています。

http://apphost2.mycompany.com:9401/x-oracle-cache-invalidate-ping

このURLを使用する場合は、通常のデフォルトであるTCP pingのかわりに、HTTPリクエストを無効化ポートに送信するようにロード・バランシング・ルーターを構成します。

18.1.3 無効化ポートのping URLでのロード・バランサの構成

OracleAS Web Cacheを使用するようにロード・バランサを構成する場合、各キャッシュ・サーバーをpingしてキャッシュのステータスをチェックするようにOracleAS Web CacheサーバーとそのURLを指定します。自動再起動メカニズムに構成したものと同じping URLを指定します。デフォルトのping URLは/_oracle_http_server_webcache_static_.htmlですが、『Oracle Application Server Web Cache管理者ガイド』の第8章「設定と構成」の「作業3: 自動再起動の構成」で説明しているように、この構成は変更できます。

ping URLの自動再起動に加えて、ロード・バランサの中には無効化トラフィックをルーティングできるものもあります。これらのロード・バランサでは、ping URLで無効化ポートの状態をチェックするよう構成できます。無効化用のping URLは、/x-oracle-cache-invalidate-pingです。このURLの構成は変更できません。

18.1.4 OracleAS Web Cacheクラスタの前面のDNSラウンド・ロビン

OracleAS Web Cacheクラスタが可能な複数ノード構成では、フロント・エンドの先のOracleAS Web Cacheをソフトウェア・ロード・バランサとして使用できます。フロント・エンドはOracleAS Web Cacheインスタンスを参照します。このOracleAS Web Cacheインスタンスは、システム全体の仮想ホスト名にマップされたIPアドレスを持ち、OracleAS Web Cache構成自体の中で定義されます。

また、DNSベースのロード・バランシングや完全なハードウェア・ロード・バランサを使用して、OracleAS Web Cacheクラスタの前面に配置できます。DNSベースのソリューションでは、システムの仮想ホスト名はDNSでのみ格納され、DNSサーバーはフロント・エンドOracleAS Web Cacheクラスタ・メンバーのIPアドレス間を切り替えます。

OracleAS Web CacheにもDNSロード・バランシング・ソリューションにも制限があるため、本番システムには完全なハードウェア・ロード・バランサを使用することをお薦めします。

18.1.5 OracleAS Web Cacheを単独でソフトウェア・ロード・バランサまたはリバース・プロキシとして構成するためのパッチ

以前のリリースでは、OracleAS Web Cacheをハードウェア・ロード・バランサのかわりとして、単独でソフトウェア・ロード・バランサまたはリバース・プロキシとして構成できました。

このリリースでは、パッチを適用することにより、Edge Side Includes(ESI)を使用しているアプリケーションの前、またはキャッシュ階層を形成している別のOracleAS Web Cacheの前でも、OracleAS Web Cacheをソフトウェア・ロード・バランサまたはリバース・プロキシとして構成できます。たとえば、一般的なOracleAS Portalの配置には、ESIアセンブリに使用する組込みOracleAS Web Cacheが含まれています。

OracleAS Web Cacheをこのモードで使用するには、次のURLのOracleMetaLinkから、Bug 4569559用のAutomated Release Update(ARU)をダウンロードします。

https://metalink.oracle.com


関連項目:

『Oracle Application Server Web Cache管理者ガイド』の第8章「設定と構成」、「ソフトウェア・ロード・バランサまたはリバース・プロキシ専用のOracleAS Web Cache」を参照してください。

18.1.6 Internet Explorerを使用したOracleAS Web Cache Managerでのキャッシュ処理正常終了メッセージの再ロードに関する問題

正常に終了する操作をOracleAS Web Cache Managerの「Cache Operations」ページ(「Operations」→「Cache Operations」)で送信すると、操作が正常に終了したことを示すメッセージ・ボックスが表示されます。「OK」をクリックしてこのメッセージを確認すると、Macintoshで実行しているInternet Explorerのバージョンの場合、操作の正常終了を示すダイアログ・ボックスによってOracleAS Web Cache Mangerのインタフェースがそのメッセージ・ボックス自体に再ロードされます。

18.2 ドキュメントの記載内容の誤り

この項では、ドキュメントの記載内容の誤りについて説明します。この項の内容は次のとおりです。

18.2.1 root権限によるwebcachedの実行

『Oracle Application Server Web Cache管理者ガイド』の第8章「設定と構成」の「root権限によるwebcachedの実行」には、次の記載があります。

「UNIXでは、次の場合、webcachedがroot権限で実行されるように構成する必要があります。

  • OracleAS Web Cacheへの接続に使用されるファイル記述子が1,024よりも多い場合」

この説明の後に、「特権ポートおよび1,024よりも多いファイル記述子に対するroot権限の構成」というタイトルの構成手順が続きます。

この箇条書きの情報と、1,024よりも多いファイル記述子の構成の部分は正しくありません。正しい記述は次のとおりです。

  • OracleAS Web Cacheでは、1,024より多いファイル記述子を使用するためにroot権限は必要ありません。

  • Oracle Application Serverのインストレーション・ガイドでは、root以外のoracleユーザーのファイル記述子(nofile)要件は65536です。

18.2.2 サイト構成の補足事項

『Oracle Application Server Web Cache管理者ガイド』と、Application Server ControlコンソールおよびOracleAS Web Cache Managerのオンライン・ヘルプでは、サイトを構成する際に、サイト定義を指定した後、サイトからオリジナル・サーバーへのマッピングを優先順に並べて作成するように記述されています。

OracleAS Web Cacheは、リクエストをまずサイト定義に解決した後、サイトからオリジナル・サーバーへのマッピングのうち最初に一致したものに解決するので、サイト定義を構成する際の順序も重要になります。マニュアルおよびオンライン・ヘルプには、サイト定義自体の順序付けが必要であることが記述されていません。

たとえば、次の順序で構成されたサイト定義があるとします。

www.company.com:80
www.company.com:80/sales

www.company.com:80www.company.com:80/salesのスーパーセットのため、OracleAS Web Cacheではwww.company.com:80/salesのリクエストはサイト定義www.company.com:80ではなくwww.company.com:80に一致します。さらに、OracleAS Web Cacheは、www.company.com:80に対するサイトからサーバーへのマッピングを使用します。

この問題を回避するには、次の順序でサイト定義を構成する必要があります。

www.company.com:80/sales
www.company.com:80