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Oracle Application Server Forms and Reports Servicesインストレーション・ガイド
10gリリース2(10.1.2)for Linux Itanium
B31096-01
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3 要件

Forms/Reports Servicesをインストールする前に、ご使用のコンピュータがこの章で示す要件を満たしているかどうかを確認する必要があります。

この章は、次の項で構成されています。

3.1 システム要件

表3-1に、Forms/Reports Servicesを実行する際のシステム要件を示します。インストーラは、インストール・プロセスの開始時にこれらの要件の多くをチェックして、満たされていない項目があれば警告を表示します。

システム・チェックは、runInstallerコマンドによって実行することもできます。このコマンドは、Forms and Reports ServicesのCD-ROM(Disk 1)またはDVDのforms_reportsディレクトリにあります。

CD-ROM:

prompt> mount_point/forms_reports/runInstaller -executeSysPrereqs

DVD:

prompt> dvd_mount_point/forms_reports/runInstaller -executeSysPrereqs

結果は画面に表示されると同時に、ログ・ファイルに記録されます。実行されるチェックの詳細は、第3.11項「インストーラが実行する前提条件チェック」を参照してください。

この項の項目は次のとおりです。

表3-1 システム要件

項目 要件

オペレーティング・システム

Linux Itaniumでサポートされているオペレーティング・システムは次のとおりです。

  • Red Hat Enterprise Linux AS/ES 3.0(upgrade 6以上)

  • Red Hat Enterprise Linux AS/ES 4.0(upgrade 1以上)

  • SUSE Linux Enterprise Server 9(Service Pack 2以上)

サポートされているLinuxオペレーティング・システムの最新リストについては、OracleMetaLinkを確認してください。オラクル社では、Linuxベンダーがサポートしないカスタマイズ版のカーネルやモジュールをサポートしていません。

IP

IPアドレスは静的である必要があります。DHCPを使用してIPアドレスを取得するコンピュータ上のインストールは、サポートされていません。

プロセッサの種類

Itanium 2

プロセッサの種類は、次のコマンドを使用して確認できます。

# grep family /proc/cpuinfo

インストーラによるチェック: なし

プロセッサの速度

900MHz以上

プロセッサの速度は、次のコマンドを使用して確認できます。

# grep "cpu MHz" /proc/cpuinfo

メモリー

512MB

注意: この値は、1台のコンピュータで1つのForms/Reports Servicesのインスタンスのみを実行することを前提としています。

メモリー要件を満たしていない場合は、インストーラが警告を表示します。すべてのコンポーネントではなく一部のみを構成する場合は、必要なメモリーは若干少なくても問題ないため、警告は無視して続行できます。ただし、サイトをテストして、メモリーが十分であることを確認する必要があります。

メモリー量を調べるには、次のコマンドを実行します。

prompt> grep MemTotal /proc/meminfo

インストーラによるチェック: あり

ディスク容量

1.5GB

ディスクの空き容量を調べるには、次のようにdfコマンドを使用します。

prompt> df -k dir

dirをOracleホーム・ディレクトリに、あるいは、Oracleホーム・ディレクトリがまだ存在しない場合はその親ディレクトリに置き換えます。たとえば、Oracle Application Server 10g Forms and Reports Servicesを/opt/oracle/infraにインストールする場合は、dir/opt/oracleまたは/opt/oracle/infraに置き換えます。

インストーラによるチェック: なし

/tmpディレクトリの容量

400MB

/tmpディレクトリの空きディスク容量を調べるには、次のようにdfコマンドを使用します。

prompt> df -k /tmp

/tmpディレクトリに十分な空き容量がない場合は、TMPまたはTMPDIRの環境変数を設定して、別のディレクトリを指定できます。詳細は、第3.8.5項「TMP」を参照してください。

インストーラによるチェック: あり

スワップ容量

1.5GBのスワップ空き容量

スワップの空き容量を調べるには、次のコマンドを実行します。

prompt> grep SwapTotal /proc/meminfo

必要に応じて、追加のスワップ容量の構成方法についてご使用のオペレーティング・システムのドキュメントを参照してください。

インストーラによるチェック: あり

モニター

256色

モニターの表示機能を調べるには、次のコマンドを実行します。

prompt> /usr/X11R6/bin/xdpyinfo

Depth行を調べます。Depthは8(ビット/ピクセル)以上であることが必要です。

インストーラによるチェック: あり


3.1.1 メモリー使用量を減らすためのヒント

メモリーの使用量を減らす必要がある場合は、次のことを行います。

  • インストール後、Oracle Enterprise Managerを使用して、使用していないサービスを停止します。これによりメモリー使用量が減ります。詳細は、『Oracle Application Server管理者ガイド』を参照してください。

  • OracleAS Reports Servicesでは、REPORTS_JVM_OPTIONS環境変数に小さな値を指定することで、JVMのヒープ・サイズを制御できます。

    Reportsエンジンでは、JVMオプションは、server_name.confファイル内のengine要素のjvmoptions属性によって指定されます。これが指定されている場合は、server_name.confに設定されたJVMオプションが、REPORTS_JVM_OPTIONS環境変数の値を上書きします。server_name.confに値が指定されていない場合は、REPORTS_JVM_OPTIONS環境変数に指定された値が使用されます。Reports Serverでは、コマンドラインを使用してJVMオプションを指定できます。JVMオプションのサポートの詳細は、『Oracle Application Server Reports ServicesレポートWeb公開ガイド』を参照してください。

3.2 ソフトウェア要件

ご使用のLinux Itaniumのディストリビューションに応じて、ソフトウェア要件のチェックについて次のいずれかの項を参照してください。

オラクル社では、Linuxベンダーがサポートしないカスタマイズ版のカーネルやモジュールをサポートしていません。

3.2.1 Red Hat Enterprise Linux AS/ES 3.0システムのソフトウェア要件

表3-2に、Red Hat Enterprise Linux AS/ES 3.0システムのソフトウェア要件を示します。表の次に、ご使用のシステムでこれらの要件を満たすための手順、およびOracle Application Server 10g Forms and Reports Servicesのインストールについて追加要件がある場合はこれを示します。


注意:

動作保証とサポートの対象になっているのは、Red Hat Enterprise Linux AS/ES 3.0、4.0およびSUSE Linux Enterprise Server 9です。サポートされているLinuxオペレーティング・システムの最新リストについては、OracleMetaLinkhttps://metalink.oracle.com)を参照してください。

表3-2 Red Hat Enterprise Linux AS/ES 3.0のシステム要件

項目 要件

オペレーティング・システム

Red Hat Enterprise Linux AS/ES 3.0(Update 6以上)

Red Hatの詳細は次のサイトを参照してください。

http://www.redhat.com

サポートされるカーネル・バージョンの最小要件は、次のとおりです。

  • kernel-2.4.21-37.EL以上

Red Hat Update

Update 6以上

ソフトウェア・パッケージ

(リスト内のバージョン以上がインストールされていることを確認)

make-3.79.1-17.1
gcc-3.2.3-53
gcc-c++-3.2.3-53
glibc-2.3.2-95.37
glibc-common-2.3.2-95.37
glibc-devel-2.3.2-95.37
compat-db-4.0.14-5.1
compat-gcc-7.3-2.96.128
compat-gcc-c++-7.3-2.96.128
compat-libstdc++-devel-7.3-2.96.128
libstdc++-3.2.3-53
libstdc++-devel-3.2.3-53
openmotif21-2.1.30-9.RHEL3.6
sysstat-5.0.5-5.rhel3
setarch-1.3-1
libaio-0.3.96-5
libaio-devel-0.3.96-5
binutils-2.14.90.0.4-39
pdksh-5.2.14-21


システムがこれらの要件を満たしていることを確認する手順は次のとおりです。

  1. rootユーザーとしてログインします。

  2. インストールされているLinuxのディストリビューションとバージョンを調べるには、次のコマンドを入力します。

    # cat /etc/issue
    Red Hat Enterprise Linux AS release 3 (Taroon Update 6)
    
    
  3. Update 6がインストールされていることを確認するには、次のコマンドを入力します。

    # cat /etc/redhat-release
    Red Hat Enterprise Linux AS release 3 (Taroon Update 6)
    
    
  4. 他のパッケージがインストールされているかどうかを調べるには、次のようなコマンドを入力します。

    # rpm -q package_name
    
    

    インストールされていないパッケージがある場合は、それをダウンロードし、次のコマンドを使用してインストールします。

    # rpm -i package_name
    
    

    パッケージをインストールする場合は、使用しているrpmファイルのアーキテクチャが適切で、最適化されていることを確認します。rpmファイルのアーキテクチャを確認するには、次のコマンドを実行します。

    # rpm -q package_name --queryformat "%{arch}\n"
    
    

    この例のglibc rpmファイルは、Intelアーキテクチャ専用です。

    # rpm -q glibc --queryformat "%{arch}\n"
    ia64
    
    

3.2.2 Red Hat Enterprise Linux AS/ES 4.0システムのソフトウェア要件

表3-3にRed Hat Enterprise Linux AS/ES 4.0システムのソフトウェア要件を示します。表の後に続く手順で、システムがこれらの要件を満たしているかどうか確認できます。ここで、Oracle Application Serverをインストールするための追加要件についても説明します。


注意:

動作保証とサポートの対象になっているのは、Red Hat Enterprise Linux AS/ES 3.0、4.0およびSUSE Linux Enterprise Server 9です。サポートされているLinuxオペレーティング・システムの最新リストについては、OracleMetaLinkを確認してください。

https://metalink.oracle.com


表3-3 Red Hat Enterprise Linux AS/ES 4.0システムのソフトウェア要件

項目 要件

オペレーティング・システム

Red Hat Enterprise Linux AS/ES 4.0(Update 1以上)

Red Hatの詳細は次のサイトを参照してください。

http://www.redhat.com

サポートされるカーネル・バージョンの最小要件は、次のとおりです。

  • 2.6.9-11.EL以上

Red Hat Update

Update 1以上

ソフトウェア・パッケージ(リスト内のバージョン以上がインストールされていることを確認)

glibc-2.3.4-2.9
glibc-common-2.3.4-2.9
glibc-devel-2.3.4-2.9
gcc-3.4.3-22.1
gcc-c++-3.4.3-22.1
libstdc++-3.4.3-22.1
libstdc++-devel-3.4.3-22.1
compat-libstdc++-296-2.96-132.7.2
compat-db-4.1.25-9
binutils-2.15.92.0.2-13
make-3.80-5
pdksh-5.2.14-30
sysstat-5.0.5-1
openmotif21-2.1.30-11.RHEL4.4
libaio-devel-0.3.103-3
libaio-0.3.103-3


Red Hat Enterprise Linux AS/ES 4.0システムにOracle Application Server 10g Forms and Reports Servicesをインストールする前に、次の手順を実行します。

  1. rootユーザーとしてログインします。

  2. Red Hat Enterprise Linux AS/ES 4.0がインストールされていることを確認します。

    # cat /etc/issue
    Red Hat Enterprise Linux AS release 4 (Nahant Update 1)
    
    

    サポートされるカーネル・バージョンの最小要件は、次のとおりです。

    • 2.6.9-11.EL以上

  3. Update 1以上がインストールされていることを確認するには、次のコマンドを入力します。

    # cat /etc/redhat-release
    Red Hat Enterprise Linux AS release 4 (Nahant Update 1)
    
    
  4. 表3-3に示すバージョン以上のソフトウェア・パッケージがインストールされていることを確認します。

    他のパッケージがインストールされているかどうかを調べるには、次のようなコマンドを入力します。

    # rpm -q package_name
    
    

    インストールされていないパッケージがある場合は、それをダウンロードし、次のコマンドを使用してインストールします。

    # rpm -i package_name
    
    

    パッケージをインストールする場合は、使用しているrpmファイルのアーキテクチャが適切で、最適化されていることを確認します。rpmファイルのアーキテクチャを確認するには、次のコマンドを実行します。

    # rpm -q package_name --queryformat "%{arch}\n"
    
    

    次の例では、glibc rpmファイルにはIntelアーキテクチャが適しています。

    # rpm -q glibc --queryformat "%{arch}\n"
    ia64
    
    

3.2.3 SUSE Linux Enterprise Server 9システムのソフトウェア要件

表3-4に、SUSE Linux Enterprise Server 9システムのソフトウェア要件を示します。表の次に、ご使用のシステムでこれらの要件を満たすための手順、およびOracle Application Server 10g Forms and Reports Servicesのインストールについて追加要件がある場合はこれを示します。


注意:

Oracle Application Server 10gリリース2(10.1.2)は、次のオペレーティング・システム固有ソフトウェアとの動作が保証されています。サポートされているオペレーティング・システム固有のソフトウェア(JDKバージョンやオペレーティング・システムのバージョンなど)の最新リストについては、OracleMetaLinkhttps://metalink.oracle.com)を参照してください。

表3-4 SUSE Linux Enterprise Server 9のシステム要件

項目 要件

オペレーティング・システム

SUSE Linux Enterprise Server 9(Service Pack 2以上)

SUSE Linux Enterprise Serverの詳細は、次のサイトを参照してください。

http://www.suse.com

SUSE Linux Enterprise Server 9の場合、サポートされるカーネル・バージョンの最小要件は、次のとおりです。

  • 2.6.5-7.244以上

ソフトウェア・パッケージ

(リスト内のバージョン以上がインストールされていることを確認)

glibc-2.3.3-98.61
gcc-3.3.3-43.41
gcc-c++-3.3.3-43.41
libstdc++-3.3.3-43.41
libstdc++-devel-3.3.3-43.41
openmotif-libs-2.2.2-519.4
pdksh-5.2.14-780.7
make-3.80-184.1
sysstat-5.0.1-35.7
binutils-2.15.90.0.1.1-32.10
glibc-devel-2.3.3-98.61
libaio-0.3.102-1.5
libaio-devel-0.3.102-1.5
compat-2004.7.1-1.2
db1-1.85-85.1


システムがこれらの要件を満たしていることを確認する手順は次のとおりです。

  1. rootユーザーとしてログインします。

  2. インストールされているLinuxのディストリビューションとバージョンを調べるには、次のコマンドを入力します。

    prompt> cat /etc/issue
    Welcome to SUSE Linux Enterprise Server 9.0 (ia64) - Kernel \r (\l).
    
    

    注意:

    動作保証とサポートの対象になっているのは、Red Hat Enterprise Linux AS/ES 3.0、4.0およびSUSE Linux Enterprise Server 9です。サポートされているLinuxオペレーティング・システムの最新リストについては、OracleMetaLinkhttps://metalink.oracle.com)を参照してください。

  3. SUSE Linux Enterprise Server 9(Service Pack 2以上)がインストールされているかどうかを確認するには、次のコマンドを入力します。

    # cat /etc/SuSE-release
    SUSE Linux Enterprise Server 9 (ia64)
    VERSION=9
    PATCHLEVEL=2
    
    
  4. カーネルのバージョンを調べるには、次のコマンドを入力します。

    prompt> uname -r
    2.6.5-7.244
    
    
  5. 他のパッケージがインストールされているかどうかを調べるには、次のようなコマンドを入力します。

    prompt> rpm -q package_name
    
    

    インストールされていないパッケージがある場合は、それをダウンロードし、次のコマンドを使用してインストールします。

    prompt> rpm -i package_name
    
    

    パッケージをインストールする場合は、使用しているrpmファイルのアーキテクチャが適切で、最適化されていることを確認します。rpmファイルのアーキテクチャを確認するには、次のコマンドを実行します。

    prompt> rpm -q package_name --queryformat "%{arch}\n"
    
    

    この例のglibc rpmファイルは、Intelアーキテクチャ専用です。

    prompt> rpm -q glibc --queryformat "%{arch}\n"
    ia64
    
    
  6. 次のPerl実行可能ファイルのシンボリック・リンクを作成します(存在しない場合)。

    prompt> ln -sf /usr/bin/perl /usr/local/bin/perl
    
    
  7. 次のfuser実行可能ファイルのシンボリック・リンクを作成します(存在しない場合)。

    prompt> ln -sf /bin/fuser /sbin/fuser
    
    
  8. SUSE Linux Enterprise Serverシステムにorarunパッケージをインストールした場合は、oracleユーザーとして次の手順を実行し、環境を再設定します。

    1. 次のコマンドを入力します。

      prompt> cd /etc/profile.d
      prompt> mv oracle.csh oracle.csh.bak
      prompt> mv oracle.sh oracle.sh.bak
      prompt> mv alljava.sh alljava.sh.bak
      prompt> mv alljava.csh alljava.csh.bak
      
      
    2. 任意のテキスト・エディタを使用して、$HOME/.profileファイルの次の行をコメントアウトします。

      . ./.oracle
      
      
    3. oracleユーザー・アカウントからログアウトします。

    4. oracleユーザー・アカウントにログインして、変更を有効にします。

  9. システムにJavaパッケージがインストールされている場合は、JAVA_HOMEなどのJavaの環境変数の設定を解除します。


    注意:

    SUSE Linux Enterprise Serverディストリビューションに付属するJavaパッケージは、インストールしないことをお薦めします。

  10. /etc/servicesファイルをチェックして、次のポート範囲がシステムで使用可能であることを確認します。

    • Oracle Internet Directoryに必要なポート3060〜3129

    • Oracle Internet Directory(SSL)に必要なポート3130〜3199

    • Oracle Enterprise Manager(コンソール)に必要なポート1812〜1829

    • Oracle Enterprise Manager(エージェント)に必要なポート1830〜1849

    • Oracle Enterprise Manager(RMI)に必要なポート1850〜1869

    必要に応じて、/etc/servicesファイルからエントリを削除して、システムを再起動します。エントリを削除するには、Oracle Application Server 10gリリース2(10.1.2)のCD-ROM(Disk 1)のutils/3167528/ディレクトリおよびDVDのapplication_server/utils/3167528/ディレクトリに格納されているperlスクリプトを使用できます。スクリプトは、rootユーザーで実行します。このスクリプトは、パッチ3167528からも入手できます。パッチは、次のサイトから入手できます。

    https://metalink.oracle.com
    
    

    これらのポートが使用できない場合は、関連するConfiguration Assistantがインストール時に失敗します。

  11. Network Information Service(NIS)を使用している場合は、次の手順に従います。

    1. 次の行が/etc/yp.confファイルにあることを確認します。

      hostname.domainname broadcast
      
      
    2. 次の行が/etc/nsswitch.confファイルにあることを確認します。

      hosts: files nis dns
      
      
  12. /etc/hostsファイルのlocalhostエントリがIPv4エントリであることを確認します。localhostのIPエントリがIPv6形式の場合は、正しくインストールできません。次の例は、IPv6エントリを示しています。

    prompt> special IPv6 addresses
    ::1             localhost ipv6-localhost ipv6-loopback
    ::1             ipv6-localhost ipv6-loopback
    
    

    この例の/etc/hostsファイルを修正するには、次のようにlocalhostエントリをコメントにします。

    prompt> special IPv6 addresses
    prompt> ::1             localhost ipv6-localhost ipv6-loopback
    ::1             ipv6-localhost ipv6-loopback
    
    

    エントリをコメントにするには、Oracle Application Server 10gリリース2(10.1.2)のCD-ROM(Disk 1)のutils/4015045/ディレクトリおよびDVDのapplication_server/utils/4015045/ディレクトリに格納されているperlスクリプトを使用できます。スクリプトは、rootユーザーで実行します。このスクリプトは、パッチ4015045からも入手できます。パッチは、次のサイトから入手できます。

    https://metalink.oracle.com
    

3.3 カーネル・パラメータ

OracleAS Web Cacheをインストールするコンピュータでは、カーネル・パラメータを、次の項で示す最小値に設定する必要があります。

3.3.1 OracleAS Web Cache用のカーネル・パラメータの設定

次の操作を実行して、OracleAS Web Cache用にカーネル・パラメータを設定します。

  1. 次のコマンドを実行して、nofileカーネル・パラメータが65536以上に設定されていることを確認します。

    prompt> ulimit -Hn
    
    
  2. コマンドから65536未満の値が返された場合は、/etc/security/limits.confファイルに次の行を追加します(ファイルの編集にはテキスト・エディタを使用します)。

    *       hard    nofile  65536
    
    

    /etc/security/limits.confファイルを編集するにはrootユーザーである必要があります。

  3. コンピュータを再起動して、新しい値を有効にします。

3.4 oracleユーザーのシェル制限

Linuxシステムでソフトウェアのパフォーマンスを向上させるには、oracleユーザーのデフォルト・シェルに応じて、このユーザーの次のシェル制限を強化する必要があります。

BourneまたはBashシェル制限 Kornシェル制限 Cまたはtcshシェル制限 ハード制限
nofile nofile descriptors 65536
noproc processes maxproc 16384

シェル制限を強化するには、次の操作を行います。

  1. /etc/security/limits.confファイルに次の行を追加します。

    *        soft   nproc         2047
    *        hard   nproc         16384
    *        soft   nofile        2048
    *        hard   nofile        65536
    
    
  2. 次の行が/etc/pam.d/loginファイルにない場合、これを追加します。

    session    required     /lib/security/pam_limits.so
    
    
  3. oracleユーザーのデフォルト・シェルに応じて、デフォルト・シェルの起動ファイルを次のように変更します。

    • Bourne、BashまたはKornシェルの場合、/etc/profileファイルに次の行を追加します。

      if [ $USER = "oracle" ]; then
              if [ $SHELL = "/bin/ksh" ]; then
                    ulimit -p 16384
                    ulimit -n 65536
              else
                    ulimit -u 16384 -n 65536
              fi
      fi
      
      
    • Cまたはtcshシェルの場合、/etc/csh.loginファイルに次の行を追加します。

      if ( $USER == "oracle" ) then
              limit maxproc 16384
              limit descriptors 65536
      endif
      
      

3.5 ポート

Oracle HTTP Server、OracleAS Web Cache、Oracle Enterprise Manager 10gなどの数多くのOracle Application Serverコンポーネントで、ポートが使用されます。インストーラでデフォルトのポート番号を割り当てたり、指定したポート番号を使用したりするよう構成できます。

Oracle HTTP Serverのデフォルト・ポートが80ではなく7777である理由

デフォルトでは、Oracle HTTP Serverはポート80ではなくポート7777を使用するように、インストーラによって構成されます。ポート7777がデフォルトになっている理由は、UNIXでは、コンポーネントに1024未満のポート番号を使用する場合、rootユーザーとして追加手順を実行しないかぎり、コンポーネントを使用できないためです。インストーラにはrootアクセス権がないので、必然的に1024より大きい番号のポートが使用されます。

Oracle HTTP Serverでデフォルト以外のポート(ポート80など)を使用する場合は、静的ポート機能を使用することで、コンポーネントにポート番号を割り当てることができます。ポート番号はインストール後に変更することもできますが、インストール時に設定するほうが簡単です。

3.5.1 ポートの使用状況の確認方法

ポートが使用されているかどうかを調べるには、次のようにnetstatコマンドを実行します。

prompt> netstat -an | grep portnum

3.5.2 デフォルトのポート番号の使用方法

コンポーネントにデフォルトのポート番号を使用する場合は、何も設定する必要はありません。各コンポーネントのポート範囲内にあるポートが少なくとも1つは使用できることを確認してください。範囲内に空きポートが見つからない場合は、インストールは失敗します。

3.5.3 カスタム・ポート番号(静的ポート機能)の使用方法

コンポーネントに対してカスタム・ポート番号を割り当てるようインストーラに指示する手順は次のとおりです。

  1. コンポーネント名およびポート番号を含むファイルを作成します。ファイルの形式は、第3.5.3.1項「staticports.iniファイルの形式」を参照してください。通常、このファイルはstaticports.iniという名前にしますが、他の名前を付けることもできます。

  2. インストーラの「ポート構成オプションの指定」画面で「手動」を選択し、staticports.iniファイルへの完全パスを入力します。

    このファイルへの完全パスを指定しない場合、インストーラはこのファイルを見つけることができません。その場合は、警告が表示されることなく、すべてのコンポーネントにデフォルト・ポートが割り当てられます。

3.5.3.1 staticports.iniファイルの形式

staticports.iniファイルの形式は次のとおりです。port_numは、コンポーネントで使用するポート番号に置き換えます。

# J2EE and Web Cache
Oracle HTTP Server port = port_num
Oracle HTTP Server Listen port = port_num
Oracle HTTP Server SSL port = port_num
Oracle HTTP Server Listen (SSL) port = port_num
Oracle HTTP Server Diagnostic port = port_num
Java Object Cache port = port_num
DCM Java Object Cache port = port_num
DCM Discovery port = port_num
Oracle Notification Server Request port = port_num
Oracle Notification Server Local port = port_num
Oracle Notification Server Remote port = port_num
Application Server Control port = port_num
Application Server Control RMI port = port_num
Oracle Management Agent port = port_num
Web Cache HTTP Listen port = port_num
Web Cache HTTP Listen (SSL) port = port_num
Web Cache Administration port = port_num
Web Cache Invalidation port = port_num
Web Cache Statistics port = port_num
Log Loader port = port_num
ASG port = port_num

# Business Intelligence and Forms
Reports Services SQL*Net port = port_num
Reports Services discoveryService port = port_num
Reports Services bridge port = port_num

# Infrastructure
Oracle Internet Directory port = port_num
Oracle Internet Directory (SSL) port = port_num
Oracle Certificate Authority SSL Server Authentication port = port_num
Oracle Certificate Authority SSL Mutual Authentication port = port_num
Ultra Search HTTP port number = port_num

このファイルは、CD-ROM(Disk 1)またはDVDにあるstaticports.iniファイルをテンプレートとして使用すると簡単に作成できます。

  1. CD-ROMまたはDVDにあるstaticports.iniファイルをハード・ディスクにコピーします。

    表3-5 CD-ROMおよびDVDのstaticports.iniファイルの場所

    メディア staticports.iniファイルの場所

    CD-ROM

    Disk 1: mount_point/1012disk1/stage/Response/staticports.ini

    DVD

    dvd_mount_point/forms_reports/stage/Response/staticports.ini


  2. ローカル・コピー(ハード・ディスク上のファイル)を編集して、使用するポート番号を含めます。

    staticports.iniファイルのすべてのコンポーネントのポート番号を指定する必要はありません。このファイルに記載されていないコンポーネントには、デフォルトのポート番号が使用されます。

    次の例では、Application Server Controlのポートと、OracleAS Web Cacheの一部のポートを設定します。指定されていないコンポーネントについては、デフォルトのポート番号が割り当てられます。

    Application Server Control port = 2000
    Web Cache Administration port = 2001
    Web Cache Invalidation port = 2002
    Web Cache Statistics port = 2003
    
    

    インストールの終了後に割り当てられたポートを確認するには、ORACLE_HOME/install/portlist.iniファイルを調べます。


ポート番号の選択:

  • ポート番号の最大値は65535です。

  • 1024未満のポート番号をコンポーネントに使用する場合は、そのコンポーネントをrootユーザーとして実行する必要があります。

  • ポート番号389および636をOracle Internet Directoryで使用する場合は、/etc/servicesファイルでこれらの番号をコメント化する必要があります。

  • Oracle HTTP ServerとOracleAS Web Cacheのポート番号を設定する場合は、事前に第3.5.3.3項「Oracle HTTP ServerおよびOracleAS Web Cacheのポート」をお読みください。


インストーラはメモリーを調べることで、ファイルで指定されたポートが使用可能かどうかを確認します。つまり、実行中のプロセスが使用しているポートしか検出できないということです。アプリケーションが使用しているポートを特定するために構成ファイルを調べることはありません。

指定されたポートが使用中であることを検出した場合、アラートを表示します。使用中のポートは割り当てられません。この問題に対応する手順は次のとおりです。

  1. staticports.iniファイルを編集して、別のポートを指定するか、ポートを使用しているアプリケーションを停止します。

  2. 「再試行」をクリックします。インストーラがstaticports.iniファイルを再度読み取り、ファイル内のエントリをもう一度確認します。

portlist.iniファイルのstaticports.iniとしての使用

staticports.iniファイルは、Forms/Reports Servicesのインストール後に作成されるORACLE_HOME/install/portlist.iniファイルと同じ形式になっています。Forms/Reports Servicesのインストール後に別のインストールに同じポート番号を使用する場合は、最初のインストールのportlist.iniファイルを、以降のインストールでstaticports.iniファイルとして使用できます。


注意:

staticports.iniOracle Management Agent portの行は、portlist.iniEnterprise Manager Agent portの行に該当します。

3.5.3.2 インストーラが、指定されたポートではなくデフォルトのポートを使用する原因となるエラーの状況

staticports.iniファイルを注意深く調べます。間違いがあると、インストーラが警告を表示せずにデフォルトのポートを使用する原因となります。次の点を調べてください。

  • 複数のコンポーネントに同じポートを指定した場合、インストーラは指定されたポートを最初のコンポーネントに使用し、他のコンポーネントにはそのコンポーネントのデフォルトのポートを使用します。複数のコンポーネントに同じポートが指定されていても、インストーラによって警告は表示されません。

  • staticports.iniファイルに構文エラーがある場合は(行内に=文字が記述されていないなど)、その行は無視されます。こうした行で指定されているコンポーネントには、デフォルト・ポートが割り当てられます。構文エラーがある行に対して、警告は表示されません。

  • コンポーネント名のつづりが間違っていた場合、インストーラはそのコンポーネントにデフォルトのポートを割り当てます。ファイル内のコンポーネント名では大文字と小文字が区別されます。認識できない名前がある行に対して、警告は表示されません。

  • ポート番号に数字以外の値を指定した場合、インストーラはその行を無視し、コンポーネントにデフォルトのポート番号を割り当てます。その際に、警告は表示されません。

  • staticports.iniファイルへの相対パスが指定されている場合は、インストーラはファイルを見つけることができません。インストーラは警告を表示せずに続行し、すべてのコンポーネントにデフォルトのポートを割り当てます。staticports.iniファイルへの完全パスを指定する必要があります。

3.5.3.3 Oracle HTTP ServerおよびOracleAS Web Cacheのポート

Oracle HTTP Serverのhttpd.confファイルでは、OracleAS Web CacheおよびOracle HTTP Serverで使用するポートは、PortディレクティブとListenディレクティブが指定します。これらのポートを設定するときには、構成するコンポーネントに応じて、staticports.iniファイルの適切な行を選択します。

これらのコンポーネントのポートを設定する際は、次の内容を十分に理解しておく必要があります。

OracleAS Web CacheとOracle HTTP Serverの両方を構成する場合

  1. OracleAS Web Cacheのポートを設定します。

    OracleAS Web Cacheでは、Portディレクティブで指定されるポートが使用されます(図3-1)。このポートを設定するには、staticports.iniファイルに次の行を使用します。

    Web Cache HTTP Listen port = port_number
    
    

    OracleAS Web CacheのSSLポートを構成するには、次の行を使用します。

    Web Cache HTTP Listen (SSL) port = port_number
    
    

    この場合、Oracle HTTP Server port行を使用してポート番号を設定することはできません。staticports.iniファイルにOracle HTTP Server port行とWeb Cache HTTP Listen port行の両方が記述されている場合は、Oracle HTTP Server port行は無視されます。たとえば、次の2行がstaticports.iniにあるとします。

    Web Cache HTTP Listen port = 7979
    Oracle HTTP Server port = 8080
    
    

    Portディレクティブは7979に設定されます。

  2. Oracle HTTP Serverのポートを設定します。

    Oracle HTTP Serverでは、Listenディレクティブで指定されるポートが使用されます。このポートを設定するには、staticports.iniファイルに次の行を使用します。

    Oracle HTTP Server Listen port = port_number
    
    

    SSL Listenポートを構成するには、次の行を使用します。

    Oracle HTTP Server Listen (SSL) port = port_number
    
    

図3-1 OracleAS Web CacheとOracle HTTP Serverの両方を構成する場合

図3-1の説明が続きます。
「図3-1 OracleAS Web CacheとOracle HTTP Serverの両方を構成する場合」の説明

Oracle HTTP Serverのみの構成(OracleAS Web Cacheは不使用)

Oracle HTTP Serverのみを構成する場合、Oracle HTTP ServerではPortディレクティブとListenディレクティブの両方を使用します(図3-2)。この場合、両ディレクティブが同じポート番号を使用するように設定する必要があります。

これらのポートを設定するには、staticports.iniファイルのOracle HTTP Server port行とOracle HTTP Server Listen port行を使用します。次に例を示します。

Oracle HTTP Server port = 8080
Oracle HTTP Server Listen port = 8080

これらのポートのSSLバージョンを設定するには、次の行を使用します。非SSLバージョンの場合と同様、2つの行で同じポート番号を指定する必要があります。

Oracle HTTP Server SSL port = 443
Oracle HTTP Server Listen (SSL) port = 443

staticports.iniのWeb Cache行も指定した場合、OracleAS Web Cacheは構成していないため、これらの行は無視されます。

図3-2 Oracle HTTP Serverのみを構成する場合

図3-2の説明が続きます。
「図3-2 Oracle HTTP Serverのみを構成する場合」の説明

3.5.3.4

この項では、staticports.iniを使用するためのいくつかの一般的な使用例について説明します。

3.5.3.4.1 フロントエンドにOracleAS Web Cache、ポート番号に80と443を使用するようOracle HTTP Serverを構成する場合

この使用例では、次の行を含むstaticports.iniファイルを作成します。

Web Cache HTTP Listen port = 80
Oracle HTTP Server Listen port = 81
Web Cache HTTP Listen (SSL) port = 443
Oracle HTTP Server Listen (SSL) port = 444

Oracle HTTP Serverでは、ListenおよびSSL Listenのポートには、任意の使用可能なポートを指定できます。この例では、ポート81と444を使用します。これらのポートは、1024未満の番号でなくてもかまいません。選択したポート番号が1024未満の場合は、Oracle HTTP ServerとOracleAS Web Cacheをrootユーザーとして起動する必要があります。


注意:

この例では1024未満のポート番号を使用しているため、Oracle HTTP ServerとOracleAS Web Cacheをrootユーザーで実行するように構成する必要があります。この構成は、インストール時またはインストール後に実行できます。

インストール後に構成を行う場合は、インストーラではこれらのコンポーネントは起動されません(コンポーネントが未構成のため)。

詳細は、『Oracle HTTP Server管理者ガイド』および『Oracle Application Server Web Cache管理者ガイド』を参照してください。


3.5.3.4.2 OracleAS Web Cacheなしで、ポート番号に80と443を使用するようOracle HTTP Serverを構成する場合

この使用例では、次の行を含むstaticports.iniファイルを作成します。

Oracle HTTP Server port = 80
Oracle HTTP Server Listen port = 80
Oracle HTTP Server SSL port = 443
Oracle HTTP Server Listen (SSL) port = 443


注意:

この例では1024未満のポート番号を使用しているため、Oracle HTTP Serverをrootユーザーで実行するように構成する必要があります。詳細は、第3.5.3.4.1項の「注意」を参照してください。

3.6 オペレーティング・システム・グループ

Oracle製品がインストールされていないコンピュータにForms/Reports Servicesをインストールする場合は、オペレーティング・システム・グループを作成する必要があります。この場合は、インベントリ・ディレクトリを所有するグループを作成します。第3.6項「オペレーティング・システム・グループ」の「インベントリ・ディレクトリのグループの作成」を参照してください。

ローカル・オペレーティング・システム・グループを作成するには、次の操作を行います。

次のコマンドを入力して、oinstallグループを作成します。

# /usr/sbin/groupadd oinstall

ローカル・オペレーティング・システム・グループが作成されました。オペレーティング・システム・ユーザーとグループの詳細は、オペレーティング・システムのドキュメントを参照するか、システム管理者に連絡してください。

インベントリ・ディレクトリのグループの作成

Oracle製品がインストールされていないコンピュータにForms/Reports Servicesをインストールする場合は、インベントリ・ディレクトリを所有するグループを作成します。インストーラは、インベントリ・ディレクトリにファイルを保存して、コンピュータにインストールされたOracle製品を識別します。

このマニュアルでは、このオペレーティング・システム・グループの名前にoinstallが使用されています。

インベントリ・ディレクトリに対して別個のグループを作成することで、様々なユーザーがコンピュータにOracle製品をインストールできます。ユーザーはインベントリ・ディレクトリに対する書込み権限が必要です。書込み権限を持つには、oinstallグループに所属する必要があります。

Oracle製品を初めてコンピュータにインストールするときは、インベントリ・ディレクトリ用のグループ名を入力する画面が表示されます。以降のインストールでは、インベントリ・ディレクトリの場所を入力する画面が表示されます。

インベントリ・ディレクトリのデフォルト名はoraInventoryです。

インベントリ・ディレクトリがコンピュータ上に存在するかどうかが不明な場合は、/etc/oraInst.locファイルを調べます。このファイルには、インベントリ・ディレクトリの場所とその所有グループが示されています。このファイルがない場合は、Oracle製品がコンピュータにインストールされていないことを意味します。

3.7 オペレーティング・システム・ユーザー

Oracle製品のインストールおよびアップグレードを行うためのオペレーティング・システム・ユーザーを作成します。インストーラを実行するオペレーティング・システム・ユーザーは、次のディレクトリに対する書込み権限が必要です。

コンピュータに他のOracle製品がインストールされている場合は、オペレーティング・システム・ユーザーがすでに作成されている可能性があります。/etc/oraInst.locファイルを調べてください。このファイルには、インベントリ・ディレクトリの場所とその所有グループが示されています。このファイルがない場合は、Oracle製品がコンピュータにインストールされていないことを意味します。

Oracle製品のインストールに使用するユーザーがまだ作成されていない場合は、表3-6に示すプロパティを持つユーザーを作成します。

表3-6 インストーラを実行するオペレーティング・システム・ユーザーのプロパティ

項目 説明

ログイン名

このユーザーには任意の名前を付けられます。このガイドでは、oracleユーザーという名前を使用します。

グループ識別子

oracleユーザーのプライマリ・グループには、oraInventoryディレクトリに対する書込み権限が必要です。

このグループには任意の名前を付けられます。このガイドでは、oinstallという名前を使用します。

ホーム・ディレクトリ

oracleユーザーのホーム・ディレクトリには、他のユーザーと同じホーム・ディレクトリを指定できます。

ログイン・シェル

デフォルトのログイン・シェルは、C、BourneまたはKornシェルです。



注意:

oracleユーザーは、Oracle製品のインストールとメンテナンスの目的にのみ使用します。インストーラ関連の作業以外には、oracleユーザーを使用しないでください。また、rootをoracleユーザーとして使用しないでください。

ローカル・オペレーティング・システム・ユーザーの作成

ローカル・オペレーティング・システム・ユーザーを作成するには、次の操作を行います。

  1. oracleユーザーを作成するには、次のようなコマンドを入力します。

    # /usr/sbin/useradd -g oinstall -G dba[,oper] oracle
    
    

    このコマンドのオプション:

    • -gオプションによって、プライマリ・グループが指定されます。これは、たとえばoinstallなどOracleインベントリ・グループである必要があります。

    • -Gオプションによってセカンダリ・グループが指定されます。これには、OSDBAグループが含まれている必要があり、必要に応じて、dbadba,operなどのOSOPERグループが含まれます。

  2. oracleユーザーのパスワードを設定します。

    # passwd oracle
    
    

ローカル・オペレーティング・システム・ユーザーが作成されました。

オペレーティング・システム・ユーザーが属しているグループを確認するには、このユーザー名を指定してgroupsコマンドを実行します。次に例を示します。

prompt> groups oracle

オペレーティング・システム・ユーザーとグループの詳細は、オペレーティング・システムのドキュメントを参照するか、システム管理者に連絡してください。

3.8 環境変数

Forms/Reports Servicesをインストールするオペレーティング・システム・ユーザーは、表3-7に示す環境変数を設定または解除する必要があります。

この項の項目は次のとおりです。

表3-7 環境変数の要約

環境変数 設定または解除

ORACLE_HOME、ORACLE_SID


どちらでもかまわない(インストーラによってこれら2つの環境変数は解除される)。

PATH、CLASSPATH、LD_LIBRARY_PATH


Oracleホーム・ディレクトリ内にあるディレクトリの参照はできない。

DISPLAY


インストーラ・ウィンドウを表示するモニターに設定する。

TMP


オプション。解除された場合は、/tmpがデフォルトになる。

TNS_ADMIN


設定できない。

REPORTS_DEFAULT_DISPLAY


デフォルトではYESに設定されている。NOに設定する場合は、適切なディスプレイを指定する必要がある。


3.8.1 環境変数に関するヒント

環境変数を操作する際は、次のヒントを参考にしてください。

  • .profileファイルに設定された環境変数は、読取り不能な場合があります。環境変数が適切な値に設定されていることを確認する場合は、インストーラを実行したシェルで値をチェックしてください。

  • 環境変数の値を調べるには、envコマンドを使用します。このコマンドは、現在定義されているすべての環境変数とその値を表示します。

    % env
    
    
  • suコマンドを使用してユーザーを切り替えた場合(rootユーザーからoracleユーザーへの切替えなど)は、切り替えた後に環境変数を確認してください。新しいユーザーの場合、環境変数が渡されないことがあるためです。これは、-パラメータを指定してsuを実行した(su - user)場合でも同様です。

    # /* root user */
    # su - oracle
    % env
    
    

3.8.2 ORACLE_HOMEおよびORACLE_SID

これらの環境変数はインストーラによって解除されるため、インストーラの起動時には設定または解除のどちらの状態でもかまいません。

3.8.3 PATH、CLASSPATHおよびLD_LIBRARY_PATH

PATHCLASSPATHおよびLD_LIBRARY_PATH環境変数がOracleホーム・ディレクトリを参照しないように編集します。

3.8.4 DISPLAY

インストーラを表示するXサーバーを指定するようDISPLAY環境変数を設定します。DISPLAY環境変数の形式は次のとおりです。

hostname:display_number.screen_number

例(Cシェル):

% setenv DISPLAY test.mydomain.com:0.0

例(BourneまたはKornシェル):

$ DISPLAY=test.mydomain.com:0.0; export DISPLAY

ディスプレイをテストするには、xclockプログラムを実行します。

$ xclock &

Forms/Reports Servicesでは、インストール時にのみ稼動するXサーバーが必要になります。オペレーティング・システムにフレーム・バッファを持つXサーバーがインストールされている場合、インストール中はログインしたままで、フレーム・バッファを実行しておく必要があります。フレーム・バッファを実行しない場合は、X Virtual Frame Buffer(XVFB)やVirtual Network Computing(VNC)などの仮想フレーム・バッファを使用する必要があります。

XVFBなどの仮想フレーム・バッファ・ソリューションを取得してインストールする方法は、OTN(http://www.oracle.com/technology/products/)にアクセスし、「frame buffer」で検索してください。

3.8.5 TMP

インストーラは、インストール時に、一時ファイルを一時ディレクトリに書き込む必要があります。デフォルトでは、一時ディレクトリは/tmpです。

/tmp以外の一時ディレクトリを使用する場合は、TMP環境変数を代替ディレクトリのフルパスに設定します。このディレクトリは、表3-1に示した要件を満たす必要があります。

例(Cシェル):

% setenv TMP /tmp2

例(BourneまたはKornシェル):

$ TMP=/tmp2; export TMP

この環境変数が未設定でデフォルト・ディレクトリに十分な容量がない場合は、環境変数が設定されていないことを示すエラー・メッセージが表示されます。その場合は、異なるディレクトリを指すように環境変数を設定するか、デフォルト・ディレクトリの容量が十分になるように解放してください。どちらを実行しても、インストールは最初からやり直す必要があります。

3.8.6 TNS_ADMIN

この項では、次の2つの要件について説明します。

  • TNS_ADMIN環境変数が設定されていないこと。

  • /etcディレクトリには、tnsnames.oraファイルを配置できません。

これらの要件は、他のOracle製品のNet構成ファイル間の競合を防ぐために必要です。

TNS_ADMINの設定が必要な場合または/etcディレクトリにtnsnames.oraファイルを配置する必要がある場合は、Forms/Reports Servicesをインストールする前に次の手順を実行してください。

  1. /etcディレクトリにtnsnames.oraファイルがある場合は、このディレクトリから別のディレクトリにファイルを移動します。または、ファイルの名前を変更します。

  2. TNS_ADMIN環境変数が設定されていないことを確認します。

    例(Cシェル):

    % unsetenv TNS_ADMIN
    
    

    例(BourneまたはKornシェル):

    $ unset TNS_ADMIN
    
    

インストール後に、新しく作成されたtnsnames.oraファイルの内容を、既存のtnsnames.oraファイルにマージできます。

3.8.7 REPORTS_DEFAULT_DISPLAY

REPORTS_DEFAULT_DISPLAY環境変数は、Oracle Reportsに次の機能を実装するかどうかを指定します。

  • DISPLAYへの依存性の排除

  • フォント情報のために有効なプリンタを定義する依存性の排除

  • イメージおよびフォント情報の表面解像度に対するScreenPrinter(screenprinter.ppd)の使用

  • 拡張イメージのサポート

Oracle Reportsでは、REPORTS_DEFAULT_DISPLAY=YESの場合、DISPLAY環境変数のすべての設定値が上書きされます。REPORTS_DEFAULT_DISPLAYの詳細は、『Oracle Application Server Reports ServicesレポートWeb公開ガイド』を参照してください。


注意:

REPORTS_DEFAULT_DISPLAYはOracle Reportsに対してのみ使用され、Oracle Application Serverのインストーラには適用されません。REPORTS_DEFAULT_DISPLAYYESに設定された場合でも、インストーラではDISPLAY環境変数がそのまま使用されます。

3.9 hostsファイル

/etc/hostsファイルの内容は、デフォルトのOracle Identity Managementレルムの場所と、Oracle Application Server Single Sign-Onのホスト名に影響を与えます。

インストーラには、hostsファイルを編集せずに必要な値を入力できる代替方法が用意されています。詳細は、Oracle Application Serverのインストレーション・ガイドを参照してください。

3.10 ネットワーク関連のトピック

通常、Forms/Reports Servicesをインストールするコンピュータは、ネットワーク接続されており、Forms/Reports Servicesインストールを含むローカル記憶域、ディスプレイ画面、CD-ROMまたはDVDドライブを備えています。

この項では、このような一般的な使用例に該当しないコンピュータへのForms/Reports Servicesのインストール方法について説明します。この項は、次のトピックで構成されています。

3.10.1 マルチホーム(マルチIP)コンピュータへのインストール

マルチホーム・コンピュータは、複数のIPアドレスに関連付けられます。これは複数のネットワーク・カードをコンピュータに装着することで可能となります。各IPアドレスはホスト名に関連付けられています。さらに、ホスト名の別名を設定することもできます。デフォルトでは、Oracle Universal InstallerはORACLE_HOSTNAME環境変数の設定を使用して、ホスト名を検出します。ORACLE_HOSTNAMEが設定されていない場合に、複数のネットワーク・カードを持つコンピュータにForms/Reports Servicesをインストールすると、/etc/hostsファイルにある最初の名前を使用してホスト名が決められます。

使用するホスト名を先頭にするには、このファイルの行の並替えが必要な場合があります。ファイルはインストールの終了後、元の順序に戻せます。

このホスト名(またはこのホスト名の別名)を使用して、クライアントがコンピュータにアクセスできるようにする必要があります。そのことを確認するには、クライアント・コンピュータから短縮名(ホスト名のみ)およびフルネーム(ホスト名.ドメイン名)を使用してホスト名に対するPingを実行します。これらは、両方とも正常に実行される必要があります。

3.10.2 CD-ROMまたはDVDからハード・ドライブへのコピーを使用した、ハード・ドライブからのインストール

Forms/Reports ServicesのCD-ROMまたはDVDからインストールするかわりに、CD-ROMまたはDVDの内容をハード・ドライブにコピーし、ハード・ドライブからインストールすることができます。この方法は、Forms/Reports Servicesの多数のインスタンスをネットワーク経由でインストールする場合や、Forms/Reports ServicesをインストールするコンピュータにCD-ROMまたはDVDドライブが搭載されていない場合に向いている場合があります。

また、リモートのCD-ROMまたはDVDドライブからインストールすることもできます。「リモートのCD-ROMまたはDVDドライブからのインストール」を参照してください。

ハード・ドライブからインストールするときは、CD-ROMの交換を求めるメッセージは表示されません。適切な場所にコピーされている場合は、インストーラが自動的にファイルを探します。

CD-ROMをコピーするには

  1. 親ディレクトリ(たとえば、oralinfrs)を作成し、その親ディレクトリ下にDisk1Disk2という名前のサブディレクトリを作成します(Disk3以降も同様)。サブディレクトリの名前は、DiskNにする必要があります(NはCD-ROM番号)。

  2. 各CD-ROMの内容を該当するディレクトリにコピーします。

    prompt> cp -pr /cdrom_mount_point/10.1.2disk1/* /path/to/hard/drive/Disk1/
    prompt> cp -pr /cdrom_mount_point/10.1.2disk2/* /path/to/hard/drive/Disk2/
    ... Repeat for each CD-ROM.
    
    

コピーしたファイルからインストーラを実行するには、Disk1ディレクトリのrunInstaller実行可能プログラムを起動します。このファイルは、Forms/Reports Servicesが実行されるコンピュータで実行します。

prompt> /path/to/hard/drive/Disk1/runInstaller

DVDからorawinfrsディレクトリをコピーするには

oralinfrsディレクトリをDVDからハード・ディスクにコピーします。

prompt> cp -pr /dvd_mount_point/oralinfrs /path/to/hard/drive

コピーしたファイルからインストーラを実行するには、Forms/Reports Servicesが実行されるコンピュータでrunInstaller実行可能プログラムを起動します。

prompt> /path/to/hard/drive/oralinfrs/runInstaller

3.10.3 リモートのCD-ROMまたはDVDドライブからのインストール

インストーラをリモート・コンピュータ(remote_computer)で実行しながら、その画面をローカル・コンピュータ(local_computer)に表示できます。Forms/Reports Servicesは、リモート・コンピュータにインストールされます。

  1. remote_computerをlocal_computerに表示できるようにします。ローカル・コンピュータのコンソールで、次のコマンドを実行する必要があります。

    local_computer> xhost +remote_computer
    
    

    xhostを実行しないと、Xlibエラーが発生する可能性があります。これは、インストーラ起動時の「Failed to connect to server」、「Connection refused by server」または「Can't open display」と同様のエラーです。

  2. local_computerで、remote_computerへのリモート・ログインを実行します(telnetまたはrloginを使用)。第3.7項「オペレーティング・システム・ユーザー」に説明されているoracleユーザーとしてログインします。第3.8項「環境変数」に説明されている環境変数が適切に設定されていることを確認します。

    local_computer> rlogin -l oracle remote_computer.mydomain.com
    - OR -
    local_computer> telnet remote_computer.mydomain.com
    
    
  3. remote_computer上のDISPLAY環境変数がlocal_computerを指すように設定します。

    例(Cシェル):

    remote_computer> setenv DISPLAY local_computer.mydomain.com:0.0
    
    

    例(BourneまたはKornシェル):

    remote_computer> DISPLAY=local_computer.mydomain.com:0.0; export DISPLAY
    
    
  4. インストーラを実行します。第4.9項「Oracle Universal Installerの起動」を参照してください。


注意:

PseudoColorカラー・モデルまたはPseudoColorビジュアルをサポートしている場合、PC X emulatorを使用してインストーラを実行できます。PseudoColorビジュアルを使用するようPC X emulatorを設定してからインストーラを実行します。カラー・モデル設定またはビジュアル設定の変更方法については、X emulatorのドキュメントを参照してください。

3.10.4 リモート・コンピュータでのインストール

インストーラをリモート・コンピュータ(remote_computer)で実行しながら、その画面をローカル・コンピュータ(local_computer)に表示できます。Forms/Reports Servicesは、リモート・コンピュータにインストールされます。

  1. remote_computerlocal_computerに表示できるようにします。ローカル・コンピュータのコンソールで、次のコマンドを実行します。

    local_computer> xhost +remote_computer
    
    

    xhostを実行しないと、Xlibエラーが発生する可能性があります。これは、インストーラ起動時のFailed to connect to serverConnection refused by serverまたはCan't open displayと同様のエラーです。

  2. local_computerで、remote_computerへのリモート・ログインを実行します(telnetまたはrloginを使用)。第3.7項「オペレーティング・システム・ユーザー」に説明されているoracleユーザーとしてログオンします。第3.8項「環境変数」に説明されている環境変数が適切に設定されていることを確認します。

    local_computer> rlogin -l oracle remote_computer.mydomain.com
    - OR -
    local_computer> telnet remote_computer.mydomain.com
    
    
  3. remote_computer上のDISPLAY環境変数がlocal_computerを指すように設定します。

    例(Cシェル):

    remote_computer> setenv DISPLAY local_computer.mydomain.com:0.0
    
    

    例(BourneまたはKornシェル):

    remote_computer> DISPLAY=local_computer.mydomain.com:0.0; export DISPLAY
    
    
  4. インストーラを実行します。インストーラの実行方法は、第4.9項「Oracle Universal Installerの起動」を参照してください。


    注意:

    PseudoColorカラー・モデルまたはPseudoColorビジュアルをサポートしている場合、PC X emulatorを使用してインストーラを実行できます。PseudoColorビジュアルを使用するようPC X emulatorを設定してからインストーラを実行します。カラー・モデル設定またはビジュアル設定の変更方法については、X emulatorのドキュメントを参照してください。

3.10.5 NFSマウントしたストレージへのインストール

標準のNFSが装備されたコンピュータでは、Forms/Reports Servicesをインストールおよび実行できません。Network Appliance(NetApp)ファイラなどの認可されたNFSマウントのストレージ・システムを使用する必要があります。Forms/Reports Servicesは、NFSマウントのストレージ・システムでの動作が保証されています。

NetAppシステムは最低でも、リモート・インストール・ユーザーとリモートrootユーザーに対してエクスポートする必要があります。これは、exportfsコマンドを使用して実行できます。

prompt> exportfs -i /vol/vol1

更新された最新の証明リストについては、Oracle Technology Network(http://www.oracle.com/technology)で確認してください。

3.10.6 単一インストールからの複数インスタンスの実行

Forms/Reports Servicesコンポーネントは、それらがインストールされたコンピュータ上でのみ動作するよう設計されています。そのため、NFSを通じてリモート・コンピュータのファイルにアクセスできる場合でも、コンポーネントをリモート・コンピュータで実行することはできません。

3.10.7 NISおよびNIS+のサポート

Forms/Reports Servicesは、NISおよびNIS+環境にインストールして実行できます。これらの環境の詳細は、Oracle Application Serverのインストレーション・ガイドを参照してください。

3.10.8 複数のネットワーク・カードを持つコンピュータへのインストール

Forms/Reports Servicesを、複数のネットワーク・カードを持つコンピュータにインストールする場合、インストーラは/etc/hostsファイルの最初のホスト名を使用します。使用するホスト名を先頭にするには、このファイルの行の並替えが必要な場合があります。ファイルはインストールの終了後、元の順序に戻せます。

3.11 インストーラが実行する前提条件チェック

表3-8に、インストーラが実行するチェックの一覧を示します。

表3-8 インストーラが実行する前提条件チェック

項目 説明

CPU

CPUが最低処理速度を満たしているかどうかをチェックします。

オペレーティング・システムのバージョン

サポートされるバージョンは表3-1を参照してください。

オペレーティング・システム

サポートされるオペレーティング・システム、オペレーティング・システムのパッチおよびソフトウェア・パッケージの一覧は、第3.2項「ソフトウェア要件」を参照してください。

メモリー

推奨値については、表3-1を参照してください。

スワップ容量

推奨値については、表3-1を参照してください。

TMP容量

推奨値については、表3-1を参照してください。

インスタンス名

Forms/Reports Servicesをインストールするコンピュータに同じ名前のインスタンスが存在しないことを確認します。

Oracleホーム・ディレクトリの名前

Oracleホーム・ディレクトリ名にスペースが含まれていないかどうかをチェックします。

Oracleホーム・ディレクトリへのパス

Oracleホーム・ディレクトリへのパスが127文字を超えていないことを確認します。

Oracleホーム・ディレクトリの内容

Oracleホーム・ディレクトリに、インストール障害を引き起こすファイルが含まれていないかどうかをチェックします。

Oracleホーム・ディレクトリ

Forms/Reports Servicesは、新しいディレクトリにインストールしてください。ここで、許可されていないインストール例をいくつか紹介します。

  • Oracle Application Serverを8.0、8i、9.0.1または9.2データベースのOracleホームにインストールする

  • Oracle Application Server 10gをOracle Management ServiceのOracleホームにインストールする

  • Oracle Application Server 10gをOracle Collaboration SuiteのOracleホームにインストールする

  • Oracle Application Server 10gをOracle HTTP ServerのスタンドアロンのOracleホームにインストールする

  • Oracle Application Server 10gをOracleAS Web CacheのスタンドアロンのOracleホームにインストールする

  • Oracle Application Server 10gをOracle Application Server Containers for J2EEのスタンドアロンのOracleホームにインストールする

  • Oracle Application Server 10gをOracle9iAS 1.0.2.2のOracleホームにインストールする

ポート1521

アプリケーションがポート1521を使用している場合は、インストーラが警告を表示します。警告の対象となるアプリケーションには、すべてのバージョンのデータベース・リスナーが含まれます。この場合、ポート1521を使用しているアプリケーションを停止し、警告ダイアログで「再試行」をクリックする必要があります。

ポート1521を使用しているのがデータベース・リスナーの場合は、Metadata Repositoryデータベースに対しては使用できる可能性があります。

ポート1521を使用しているのが別のアプリケーションの場合は、そのポートを停止するか、別のポートを使用するように構成します。あるいは、データベース・リスナーが1521以外のポートを使用するよう変更できますが、それはインストール終了後にのみ実行可能です。詳細は、『Oracle Application Server管理者ガイド』を参照してください。

静的ポートの競合

staticports.iniファイルにポートが指定されている場合は、ファイルにリストされているポートをチェックします。staticports.iniファイルの詳細は、第3.5項「ポート」を参照してください。

モニター

モニターが256色以上を表示できるように構成されているかどうかをチェックします。

DBCA_RAW_CONFIG環境変数

OracleAS InfrastructureをReal Application Clusters環境にインストールする場合、RAWパーティションの場所が記載されているファイルを示すように、この環境変数を設定する必要があります。

クラスタ・ファイル・システム

インストーラにより、Oracle Application Serverをクラスタ・ファイル・システム(CFS)にインストールするのではないことがチェックされます。

Display権限

ユーザーにDISPLAY環境変数で指定されているモニターで表示する権限が与えられているかどうかをチェックします。

DISPLAY環境変数

DISPLAY環境変数が設定されているかどうかをチェックします。

TNS_ADMIN環境変数

TNS_ADMIN環境変数が設定されていないこと。

tnsnames.oraファイルは、/etcディレクトリに含めることはできません。

Oracle Enterprise Managerディレクトリの書込み確認

中間層を実行する場合、またはForms/Reports Servicesを同じOracleホームに再インストールする場合にのみチェックします。インストーラを実行するオペレーティング・システム・ユーザーに次のディレクトリに書き込むことができるかどうかをチェックします。

  • ORACLE_HOME/sysman/emd

  • ORACLE_HOME/sysman/config

  • ORACLE_HOME/sysman/webapps/emd/WEB-INF/config

Oracle Enterprise Managerファイルの有無

中間層を実行する場合、またはForms/Reports Servicesを同じOracleホームに再インストールする場合にのみチェックします。次のファイルが存在するかどうかをチェックします。

  • ORACLE_HOME/sysman/config/iasadmin.properties

  • ORACLE_HOME/sysman/webapps/emd/WEB-INF/config/consoleConfig.xml

Linuxシステムでのカーネル・チェック

インストーラがこのチェックを実行するのは、Linuxにインストールする場合のみです。Red Hat Enterprise Linux AS/ES 3.0では文字列2.4.21-37.EL以上、Red Hat Enterprise Linux AS/ES 4.0では文字列2.6.9-11.EL以上、SUSE Linux Enterprise Server 9では文字列2.6.5-7.244以上が、それぞれカーネルのバージョンに含まれているかどうかチェックされます。

Linuxでのglibcのバージョン・チェック

インストーラがこのチェックを実行するのは、Linuxにインストールする場合のみです。glibcのバージョンが、Red Hat Enterprise Linux AS/ES 3.0ではglibc-2.3.2-95.37、Red Hat Enterprise Linux AS/ES 4.0ではglibc-2.3.4-2.9、SUSE Linux Enterprise Server 9ではglibc-2.3.3-98.61になっているかどうか確認されます。

Linux Itaniumでのパッケージ・チェック

インストーラがこのチェックを実行するのは、Linuxにインストールする場合のみです。必須パッケージがインストールされているかどうか確認されます。たとえば、Red Hat Enterprise Linux AS/ES 3.0では表3-2、Red Hat Enterprise Linux AS/ES 4.0では表3-3、SUSE Linux Enterprise Server 9では表3-4の内容に従って、gcc、sysstatおよびopenmotifパッケージがチェックされます。