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Oracle Application Serverリリース・ノート
10gリリース2(10.1.2)for HP Tru64 UNIX
E05143-02
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2 Oracle Application Serverのアップグレード

Oracle Application Serverを10g(9.0.4)から10gリリース2(10.1.2)にアップグレードするときには、すべてのコンポーネントがリリース9.0.4から10.1.2.0.2にアップグレードされます。次に、10.1.2.2のパッチ・セットが適用されます。

HP Tru64 UNIXのOracle Application Server 10gリリース2(10.1.2)では、Oracle Application Server 10g(9.0.4)からOracle Application Server 10gリリース2(10.1.2)にソフトウェアをアップグレードした後で、10gリリース2(10.1.2)のパッチ・セット2(10.1.2.2.0)を適用することが必須です。

アップグレードのツールおよびプロセスの詳細は、Oracle Application Serverのアップグレードおよび互換性ガイドを参照してください。

Oracle Application Server 10gリリース2(10.1.2)のパッチ・セット2(10.1.2.2.0)は、メディア・パックとともに出荷されます。このパッチ・セットは、次のOracleMetaLinkのWebサイトからパッチ番号4960210を使用してダウンロードすることもできます。

https://metalink.oracle.com

パッチを適用するには、パッチに同梱されているreadme.htmlファイルに記述されている指示に従う必要があります。


注意:

  • Oracle Business Intelligence Discovererは、HP Tru64 UNIX上のOracle Application Server 10gリリース2(10.1.2)ではサポートされません。したがって、Oracle Application Serverのアップグレードおよび互換性ガイドに、Oracle Business Intelligence Discoverer製品およびスキーマを対象としたアップグレード手順が記述されていても、その手順は無視してください。

  • Oracle Application Server 10gリリース2(10.1.2)では、Oracle Application Server Portalの10.1.2.0.2も10.1.2.2もサポートされなくなりました。したがって、10.1.4.1.0にアップグレードする必要があります。


Oracle Application Server10gリリース2(10.1.2)for HP Tru64 UNIXのリリースに伴い、サポートされるのはOracle Application Server Portal 10g(10.1.4.1.0)のみとなりました。Oracle Application Server Portalを9.0.4から10g(10.1.4.1.0)にアップグレードするには、後続の項に記述された手順を実行する必要があります。

この章の内容は次のとおりです。

2.1 アップグレードおよび検証のタスク

次の各項で、アップグレードおよび検証のタスクを説明します。

手順1: 中間層のアップグレード

次の手順で、アップグレードのタスクを説明します。

  1. 9.0.4 Infrastructureを指す10.1.2.0.2中間層をインストールします。

  2. インストール先のOracleホームの場所からiasua.shコマンドを使用して、中間層でOracle Application Server Upgrade Assistantを実行します。次に例を示します。

    DESTINATION_ORACLE_HOME/upgrade/iasua.sh
    

    OracleAS Upgrade Assistantの詳細は、Oracle Application Serverのアップグレードおよび互換性ガイドの第4.4項「タスク3: OracleAS Upgrade Assistantの実行」を参照し、中間層の詳細は、Oracle Application Serverのアップグレードおよび互換性ガイドの第4章「中間層のアップグレード」を参照してください。

手順2: 中間層の検証

次の手順で、検証のタスクを説明します。

  1. アップグレード・インスタンス上の具体的なアプリケーションおよびコンポーネントのURLをチェックして、中間層のコンポーネントが正常に更新されたことを検証します。

  2. URLを入力して、前回のリリースと同じホストおよびポートでOracle HTTP Serverにアクセスできることを検証します。次に例を示します。

    http://midtierhost.mycompany.com:7777

  3. 前回のリリースで作業したアプリケーションのURLが、アクセス可能で機能することを検証します。

手順3: Oracle Identity Managementのアップグレード

アップグレード・モードで、10.1.2.0.2のInfrastructureをインストールします。

詳細は、Oracle Application Serverのアップグレードおよび互換性ガイドの第5章「Identity Managementサービスのアップグレード」を参照してください。

手順4: Oracle Identity Managementの検証

インストールを検証するには、ユーザー名ORCLADMINを使用して、Oracle Single Sign-On、Oracle Application Server Certificate AuthorityおよびOracle Delegated Administrative Servicesにログインします。正常にログインできた場合、OracleAS Single Sign-On接続、Oracle Application Server Certificate Authority、Oracle Internet DirectoryおよびOracle Delegated Administrative Servicesが正常に機能します。

手順5: OracleAS Metadata Repositoryのアップグレード

OracleAS 10.1.2.0.2のOracleAS Metadata Repository Upgrade Assistant CDで、MRUA_CD_ROOT_DIRECTORY/mruaから、mrua.shを実行して、OracleAS Metadata Repositoryのコンポーネント・スキーマのリリースを10.1.2.0.2にアップグレードします。

詳細は、Oracle Application Serverのアップグレードおよび互換性ガイドの第7章「OracleAS Metadata Repositoryのアップグレード」を参照してください。


注意:

OracleAS Metadata Repository Upgrade Assistantのログを調べ、mrua.shの実行後にエラーが発生しなかったか確認する必要があります。OracleAS Metadata Repository Upgrade Assistant(MRUA)のログの確認方法の詳細は、Oracle Application Serverのアップグレードおよび互換性ガイドの第7.4.7項「MRUAログ・ファイルの確認」を参照してください。

手順6: OracleAS Metadata Repositoryの検証

OracleAS Metadata Repositoryのアップグレードが成功したことを検証するには、次のSQL問合せを実行します。

SELECT comp_id,version,status FROM APP_REGISTRY

注意:

コンポーネントOracleAS Single Sign-Onのリリースが10.1.2.2.0であること、そしてOracle Internet Directory、ワイヤレス・スキーマおよびポータル・スキーマのリリースが10.1.2.0.2であることを確認する必要があります。アップグレードを完了し、utlrp.sqlコマンドを実行した後には、無効なデータベース・オブジェクトは存在しなくなります。

手順7: OracleAS Portalのアップグレード

OracleAS Portal 9.0.4.1を使用している場合は、OracleAS Portal 10.1.4.1にアップグレードする必要があります。

OracleAS Portalリリース10.1.4のOracleAS Metadata Repository Upgrade Assistant CDで、/MRUA_CD_ROOT_Directory/mruaから、mrua.shコマンドを実行して、ポータル・スキーマを10.1.4にアップグレードします。


重要:

  • このリリースでは、OracleAS Portalの10.1.2.0.2も10.1.2.2もサポートされなくなりました。

  • upgrade/temp/portal/upgrade.logファイルを調べて、アップグレード後にエラーが発生しなかったか確認する必要があります。アップグレードが正常に完了するまで、OracleAS Portalは実行できません。アップグレードが成功すると、アップグレードのログ・ファイルupgrade.logに記録されるエラーの件数はゼロです。問題のあるアップグレード後に実行されたポータルは、Oracleでサポートされません。


詳細は、『Oracle Application Server Portalインストレーションおよびアップグレード・ガイド』を参照してください。

手順8: OracleAS Portalの検証

次の手順で、検証のタスクを説明します。

  1. アップグレードされたOracleAS Portalインスタンスにアクセスするには、ブラウザでURLを指定します。OracleAS Portal 10.1.4では、URLの形式は次のようになります。

    http://host:port/portal/pls/portal_DAD

  2. 次のコマンドを使用して、ポータル・スキーマのリリースが10.1.4.0になっていることを検証します。

    SELECT comp_id,version,status FROM APP_REGISTRY
    

手順9: 中間層およびOracleAS Infrastructureへの10.1.2.2のパッチ・セットの適用

アップグレード後、OracleAS Infrastructureおよび中間層に、Oracle Application Server 10.1.2.2のパッチ・セット(4960210)を適用することが必須です。

各中間層で使用されるOracleAS Metadata RepositoryにOracleAS Metadata Repositoryの更新を適用する前に、中間層のインストールごとにソフトウェアの更新を適用する必要があります。パッチ・セットの適用の詳細は、パッチに入っているreadme.htmlを参照してください。


注意:

10.1.2.2のOracleAS Metadata Repositoryのパッチを適用した後で、OracleAS Metadata Repository Assistantのログを調べる必要があります。

手順10: 中間層およびOracleAS Infrastructureの検証

次の手順で、10.1.2.2のパッチ・セット適用後に実行する検証のタスクを説明します。

  1. 中間層の場合: 中間層のコンポーネントを検証し、重要なURLもチェックします。

  2. Oracle Identity Managementの場合: OracleAS Single Sign-On接続、Oracle Delegated Administration ServicesおよびOracle Application Server Certificate Authorityの機能をテストします。

  3. OracleAS Metadata Repositoryの場合: 次のSQL問合せを実行して、OracleAS Metadata Repositoryのアップグレードが成功したことを検証します。

    SELECT comp_id,version,status FROM APP_REGISTRY
    

    注意:

    • アップグレード・プロセスによって、次のリリース要件が満たされていることを検証する必要があります。

      - OracleAS Single Sign-OnおよびOracle Internet Directoryのリリースが10.1.2.2.0。

      - ポータル・スキーマのリリースが10.1.4.1.0。

      - ワイヤレス・スキーマのリリースが10.1.2.1.0。

      アップグレードを完了し、utlrp.sqlコマンドを実行した後には、無効なデータベース・オブジェクトは存在しなくなります。

    • Oracle Business Intelligence Discovererは、HP Tru64 UNIXではサポートされません。したがって、APP_REGISTRYスキーマのエントリは無視してください。


2.2 アップグレード後のタスク

アップグレード・プロセスを完了するには、アップグレード後のタスクが必要です。アップグレード手順の詳細は、Oracle Application Serverのアップグレードおよび互換性ガイドを参照してください。コンポーネント、インストール、アップグレードの各タイプに基づいて、手順を実行する必要があります。

次のリストで、重要なアップグレード後のタスクをいくつか説明します。

  1. 中間層のアップグレードの完了: 通常の場合、中間層のアップグレードはOracleAS Upgrade Assistantが実行します。ただし、コンポーネントによっては、手動による調整が必要な場合もあります。それらのコンポーネントは、Oracle HTTP Server、OracleAS Web Cache、Oracle Application Server Containers for J2EE、OracleAS Portal、OracleAS WirelessおよびOracleAS Forms and Reports Servicesです。

    Oracle Application Serverのアップグレードおよび互換性ガイドの、中間層のアップグレードの完了に関する項にあるタスク5を参照して、手動による調整の手順を実行してください。

  2. Oracle Application Server HTTP Serverのアップグレードの完了: 1024より小さなポートの使用、mod_sso、デフォルト以外の場所にある構成ファイル、Oracle HTTP Serverにあるカスタム・ファイルやカスタム・ディレクトリなどの使用に関連して変更を行った場合は、アップグレード後の手順をいくつか手動で実行する必要があります。

    詳細は、Oracle Application Serverのアップグレードおよび互換性ガイドの第4.6.3項「Oracle HTTP Serverのアップグレードの完了」を参照してください。

  3. Oracle Application Server Containers for J2EE(OC4J)のアップグレードの完了: アップグレード後に、手動による調整が必要になる場合があります。

    詳細は、Oracle Application Serverのアップグレードおよび互換性ガイドの第4.6.4項「Oracle Application Server Containers for J2EE(OC4J)のアップグレードの完了」を参照してください。

  4. OracleAS Web Cacheのアップグレードの完了: OracleAS Web Cacheで使用されるポートが1024より小さな場合、またはアップグレードされた中間層がOracleAS Web Cacheクラスタの一部である場合は、Oracle Application Serverのアップグレードおよび互換性ガイドの第4.6.5項「OracleAS Web Cacheアップグレードの完了」に記述されている手順を実行する必要があります。

  5. OracleAS Portalの中間層のアップグレードの完了: OracleAS Portalが使用するOracle Internet Directory(OID)が、その中間層が登録されたOIDと異なる場合は、OracleAS Portalを再構成する必要があります。Java Portal Development Kit(JPDK)のデプロイ元のプロパティ・ファイルに変更があった場合は、その変更内容をデプロイ先のファイルに手動で適用する必要があります。

    詳細は、Oracle Application Serverのアップグレードおよび互換性ガイドの第4.6.6項「OracleAS Portal中間層のアップグレードの完了」を参照してください。

  6. Oracle Application Server Reports Servicesのアップグレードの完了: カスタマイズされたReportsファイルはすべて、アップグレードされた環境に手動で更新する必要があります。また、Oracle Application Server ControlコンソールでReports Services Managementを有効にし、Oracle Process Manager and Notification Server(OPMN)およびEnterprise Manager(EM)にスタンドアロンのReports Serverを登録する必要もあります。

    詳細は、Oracle Application Serverのアップグレードおよび互換性ガイドの第4.6.8項「Oracle Application Server Reports Servicesのアップグレードの完了」を参照してください。

  7. Oracle Application Server Forms Servicesのアップグレード: OracleAS Forms Servicesの.EARファイルが、OC4JやOracleAS Portalなど、他のデフォルトのOC4Jインスタンスにデプロイされている場合は、再デプロイする必要があります。Forms*.Fmxファイルがデプロイ元のOracleホームのディレクトリに存在している場合は、このファイルをデプロイ先のOracleホームのディレクトリに手動でコピーする必要があります。

    詳細は、Oracle Application Serverのアップグレードおよび互換性ガイドの第4.6.10項「Oracle Application Server Forms Servicesのアップグレードの完了」を参照してください。

  8. Oracle Identity Managementのアップグレード: アップグレード・プロセスを完了するには、一部のInfrastructureコンポーネントを手動で更新することが必要になる場合があります。それらのコンポーネントには、Oracle Internet Directory、Oracle Single Sign-On、Oracle Certification Authority、OracleAS Wireless、Oracle Enterprise Manager 10g Database Controlなどがあります。

  9. Oracle Identity Managementコンポーネントに対するSecure Socket Layer(SSL)の有効化: 手動によるアップグレード後、OracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration ServicesでSSLを有効にする必要があります。

  10. OracleAS Single Sign-Onのアップグレードの完了: カスタム構成、サード・パーティの認証、カスタマイズされたログインとパスワード、およびサインオフ・ページがSSOサーバーにある場合は、SSOサーバーを手動で構成する必要があります。


関連項目:

コンポーネントを手動で更新する方法の詳細は、Oracle Application Serverのアップグレードおよび互換性ガイドの第5.6項「タスク5: Oracle Identity Managementのアップグレードの完了」を参照してください。


注意:

Oracle Application Serverのアップグレードおよび互換性ガイドに記述されたアップグレード後の手順全般を確認して実行することをお薦めします。