クイック・アップグレード・ガイド
10g リリース2(10.1.2) for UNIX Systems
部品番号: B25085-01
原典情報: B19327-02 Oracle Application Server Quick Upgrade Guide 10g Release2(10.1.2) for UNIX
2005年10月
このマニュアルでは、Oracle Application Server 10g(9.0.4)の基本的な環境をOracle Application Server 10g リリース2(10.1.2.0.2)にアップグレードする方法について説明します。
詳細は、次の項を参照してください。
このマニュアルでは、Oracle Application Server 10g(9.0.4)の基本的な環境をアップグレードする手順について説明します。
このマニュアルを使用できるのは、ご使用のOracle Application Server環境が次の要件を満たしている場合のみです。
Oracle Application Server 10g(9.0.4)からOracle Application Server 10g リリース2(10.1.2.0.2)にアップグレードする。
OracleAS Identity ManagementおよびOracleAS Metadata Repositoryが同じOracleホームにインストールされている同じ場所に配置されたInfrastructureを使用する。
Oracle Universal InstallerおよびIdentity Management and Metadata Repositoryインストール・タイプを使用してOracleAS Infrastructureをインストールしている。
このマニュアルを使用すると、中間層が10g(9.0.4)である場合にかぎり、1つ以上の中間層をアップグレードすることができます。また、その中間層とOracleAS Infrastructureは、単一のホスト・コンピュータに配置することも、別々のホストに配置することもできます。
ご使用のOracle Application Server環境がこの項の要件を満たしていない場合、またはご使用のOracle Application Server環境がこれらの要件を満たしているかどうかが不明な場合は、『Oracle Application Serverアップグレードおよび互換性ガイド』を参照して、Oracle Application Serverインストールのアップグレードの詳細を確認してください。
より複雑なOracle Application Server環境を使用しているユーザーの場合は、Oracle Application Serverをアップグレードするためのツールおよび手順の概要として、このマニュアルが役立ちます。
表1に、クイック・アップグレード手順の概要を示します。
表1 クイック・アップグレード手順の概要
手順 | 手順の説明 | アップグレード・ツール | 詳細情報 |
---|---|---|---|
1 |
中間層のOracleホームおよび同じ場所に配置されたInfrastructureのOracleホームをバックアップします。 |
なし |
|
2 |
中間層をアップグレードします。 |
新しい10g リリース2(10.1.2.0.2)のOracleホームをインストールするためのOracle Universal Installer ご使用の中間層をアップグレードするためのOracle Application Server Upgrade Assistant |
|
3 |
OracleAS Metadata RepositoryデータベースおよびOracleAS Identity Managementスキーマをアップグレードします。 |
Oracle Universal Installer |
「手順3: OracleAS Metadata RepositoryデータベースとOracleAS Identity Managementのアップグレード」 |
4 |
OracleAS Metadata Repositoryコンポーネント・スキーマをアップグレードします。 |
Metadata Repository Upgrade Assistant |
「手順4: OracleAS Metadata Repository内のコンポーネント・スキーマのアップグレード」 |
5 |
必要に応じて、ソースOracleホームを廃棄または削除します。 |
Oracle Universal Installer |
「手順5: 10g(9.0.4)のOracleホームの廃棄」 |
Oracle Application Server 10g(9.0.4)環境のアップグレードでは、最初に既存のOracleホームをバックアップします。
次の手順では、中間層およびOracleAS InfrastructureのOracleホームをコールド・バックアップする方法について説明します。
参照: アップグレード前のバックアップ要件の詳細は、『Oracle Application Serverアップグレードおよび互換性ガイド』の「アップグレード前のバックアップ計画」を参照してください。『Oracle Application Server管理者ガイド』の「バックアップとリカバリ」 |
アップグレード前にOracle Application Server 10g(9.0.4)環境をバックアップするには、次の手順を実行します。
各中間層のOracleホームを停止してバックアップします。
Oracleホームのすべてのプロセスを停止します。
ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl stopall
Application Server Controlを停止します。
ORACLE_HOME/bin/emctl stop iasconsole
rootユーザーで、Oracleホーム・ディレクトリ全体をネットワーク上の別のディスクにコピーします。
必要なすべてのファイルのコピーおよびバックアップを確実に行うために、コピー操作はrootユーザーで実行することをお薦めします。
OracleAS InfrastructureのOracleホームを停止してバックアップします。
Oracleホームのすべてのプロセスを停止します。
ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl stopall
Application Server Controlを停止します。
ORACLE_HOME/bin/emctl stop iasconsole
OracleAS Metadata Repositoryデータベース・インスタンスを停止します。
ORACLE_HOME/bin/sqlplus /nolog
SQL> connect SYS as SYSDBA
SQL> shutdown
SQL> quit
Netリスナーを停止します。
ORACLE_HOME/bin/lsnrctl stop
rootユーザーで、Oracleホーム・ディレクトリ全体をバックアップ・ディスクにコピーします。
必要なすべてのファイルのコピーおよびバックアップを確実に行うために、コピー操作はrootユーザーで実行することをお薦めします。
これには、データベースのデータ・ファイルが含まれます。デフォルトでは、このファイルは同じ場所に配置されたInfrastructureをインストールする際に、InfrastructureのOracleホームにインストールされます。
OracleAS InfrastructureのOracleホームを起動します。
Netリスナーを起動します。
ORACLE_HOME/bin/lsnrctl start
OracleAS Metadata Repositoryデータベース・インスタンスを起動します。
ORACLE_HOME/bin/sqlplus /nolog
SQL> connect SYS as SYSDBA
SQL> startup
SQL> quit
OracleAS InfrastructureのOracleホーム内のすべてのプロセスを起動します。
ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl startall
Application Server Controlを起動します。
ORACLE_HOME/bin/emctl start iasconsole
中間層のOracleホームを起動します。
各中間層のOracleホーム内のプロセスを起動します。
ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl startall
各OracleホームのApplication Server Controlを起動します。
ORACLE_HOME/bin/emctl start iasconsole
次の項では、10g(9.0.4)の中間層を10g リリース2(10.1.2.0.2)にアップグレードする方法について説明します。
中間層のアップグレードでは、最初に新しいOracle Application Server 10g リリース2(10.1.2.0.2)中間層をインストールします。この新しいOracleホームは、アップグレード先Oracleホームと呼ばれます。元の10g(9.0.4)インストールは、ソースOracleホームと呼ばれます。
参照: Oracle Application Serverのインストレーション・ガイド |
10g リリース2(10.1.2.0.2)のアップグレード先Oracleホームをインストールする場合は、次のチェックリストを使用して、新しいOracle Application Serverをインストールします。
Oracle Application Server 10g(9.0.4)中間層と同じコンピュータにインストールする。
10g(9.0.4)中間層をインストールしたオペレーティング・システム・ユーザーと同じユーザーを使用する。
10g(9.0.4)中間層とは別のOracleホームにインストールする。
10g(9.0.4)中間層と互換性のあるインストール・タイプを使用する。
表2に、10g(9.0.4)の各インストール・タイプで選択可能な互換性のある10g リリース2(10.1.2.0.2)インストール・タイプを示します。
10g(9.0.4)中間層と同じOracleAS Metadata RepositoryおよびOracleAS Identity Managementを使用する。
表2 10g(9.0.4)のアップグレードに対して互換性のある10g リリース2(10.1.2.0.2)中間層インストール
10g(9.0.4)インストール・タイプ | 互換性のある10g リリース2(10.1.2.0.2)インストール・タイプ |
---|---|
J2EE and Web Cache |
J2EE and Web Cache |
Portal and Wireless |
Portal and Wireless |
Business Intelligence and Forms |
Business Intelligence and Forms Forms and Reports Services1 |
Forms and Reports Services1 |
Forms and Reports Services1 |
注意: 中間層のアップグレード完了後に機能するのは、アップグレード先Oracleホームへのインストール中に構成されたコンポーネントのみです。 |
この項では、中間層のアップグレードを実行するためのOracleAS Upgrade Assistantの使用方法を説明します。
ソースOracleホームのインストールに使用されたユーザー・アカウントにログインします。
注意: iasua.sh スクリプトは、rootユーザーで実行しないでください。ソースおよびアップグレード先Oracleホームのインストールに使用したユーザー・アカウントで実行してください。
|
次のコマンドで、OracleAS Upgrade Assistantを起動します。
DESTINATION_ORACLE_HOME/upgrade/iasua.sh
「ようこそ」画面が表示されます。
表示されている情報を確認し、「次へ」をクリックします。
「Oracleホーム」画面が表示されます。ソースOracleホームのドロップダウン・メニューに、10g(9.0.4)のOracleホームの名前が示されます。ここに示されるのは、現在のコンピュータ上のOracle製品のインベントリにあるOracleホーム、およびアップグレード先Oracleホームのインストール・タイプと互換性があるインストール・タイプを使用してインストールされたOracleホームです。
アップグレード先Oracleホームは、OracleAS Upgrade Assistantが実行されている10g リリース2(10.1.2.0.2)のOracleホームです。
アップグレードするソースOracleホームをドロップダウン・リストから選択し、「次へ」をクリックします。
アップグレード前の必須タスクの多くは、アップグレード処理が開始される前に、OracleAS Upgrade Assistantによって自動的に実行されます。
OracleAS Infrastructureコンポーネントを必要とする中間層インスタンスのアップグレード時は、必須Infrastructureコンポーネントが稼働していることを確認するように要求されます。
すべての要件を満たしていることを確認し、「はい」をクリックします。
「コンポーネントの調査」ダイアログ・ボックスが表示されます。OracleAS Upgrade AssistantがソースOracleホームの各コンポーネントを調査し、アップグレードが必要かどうかを判断します。コンポーネントごとに、調査の状態がダイアログ・ボックスに示されます。
アップグレード前の調査で1つ以上のコンポーネントが失敗すると、OracleAS Upgrade Assistantによって、「調査に失敗しました」警告ダイアログ・ボックスが表示され、失敗したコンポーネントが示されます。次に実行する手順について「ヘルプ」をクリックします。
すべてのコンポーネントの調査が成功した場合、「サマリー」画面が表示されます。
注意: 「サマリー」画面は、アップグレード処理を開始する前の最後の画面です。「終了」をクリックする前に、前の画面で選択した内容が正しいこと、およびリストされているアップグレード・アイテムのアップグレードの準備ができていることを確認してください。 |
「サマリー」画面で、スクロールしてコンポーネントを表示し、プラス記号(+)をクリックしてコンポーネントのアップグレード・アイテムを展開します。コンポーネントを確認し、「終了」をクリックします。
「アップグレード中」画面が表示されます。コンポーネントごとに、アップグレード処理の状態が表示されます。
アップグレードが正常に完了すると、「アップグレードに成功しました」画面が表示されます。「OK」をクリックして、次の手順に進みます。
アップグレードが失敗すると、「アップグレード失敗」画面が表示されます。「中間層のアップグレードに関するトラブルシューティング」を参照してください。
アップグレード先の中間層を起動します。
Oracleホームのすべてのプロセスを起動します。
DESTINATION_ORACLE_HOME/opmn/bin/opmnctl startall
Application Server Controlを起動します。
DESTINATION_ORACLE_HOME/bin/emctl start iasconsole
中間層が正常にアップグレードされたことを確認します。
Webブラウザを使用して、Application Server Controlコンソールに移動します。
Application Server ControlのURLには、次の書式を使用します。
http://hostname.domain:port/
次に例を示します。
http://host1.acme.com:18100/
中間層のアップグレード後は、10g(9.0.4)Application Server Controlコンソール・ポートを使用して、アップグレード後の10g リリース2(10.1.2.0.2)Application Server Controlコンソールにアクセスできます。
中間層がOracleAS Farmの一部である場合は、「ファーム」ページで、アップグレードした中間層の名前をクリックします。
Application Serverのホームページで、中間層インスタンスのコンポーネントが起動され、実行中であることを確認します。
Application Serverのホームページの「一般」セクションで、中間層インスタンスのバージョンを確認します。
使用するOracle Application Serverコンポーネントによっては、考慮する必要があるアップグレード後の追加タスクがあります。
『Oracle Application Serverアップグレードおよび互換性ガイド』の「タスク5: 中間層のアップグレードの完了」で、ご使用の環境に適用されるコンポーネント固有の手順を確認してください。
特に、中間層のOracleホームのアップグレード後に考慮する必要があるタスクについては、表3を参照してください。
表3 中間層のアップグレード後の一般的なタスク
タスク | 詳細情報 |
---|---|
アップグレード先Oracleホームで定義されているポートが、ソースOracleホームで定義されているポートと同じであることを確認します。 |
『Oracle Application Serverアップグレードおよび互換性ガイド』の「ポート値とportlist.iniファイル」 |
アップグレード先Oracleホームのias_adminパスワードおよびOracleAS Web Cache Managerパスワードの値を確認します。 |
『Oracle Application Serverアップグレードおよび互換性ガイド』の「アップグレード後の管理パスワード」 |
ソースOracleホームでSSLを有効にした場合は、SSLがアップグレード先Oracleホームで正しく構成されていることを確認します。 |
『Oracle Application Serverアップグレードおよび互換性ガイド』の「アップグレード後のSecure Sockets Layer(SSL)構成の確認」 |
Oracle Application Serverコンポーネントの調査またはアップグレード中にアップグレードが失敗した場合は、次の手順を実行して問題を解決してください。
表4に示す中間層のトラブルシューティングに関する一般的な項目のリストを確認します。
『Oracle Application Serverアップグレードおよび互換性ガイド』の「一般的なアップグレードおよび中間層のアップグレードにおける問題と解決方法」のリストを確認します。
OracleAS Upgrade Assistantによって正常に調査またはアップグレードできなかったコンポーネントを書き留めておきます。
OracleAS Upgrade Assistantログ・ファイルを検索し、テキスト・エディタを使用して開きます。
DESTINATION_ORACLE_HOME/upgrade/log/iasua.log
ログ・ファイルのコンポーネント固有のエラー・メッセージについては、『Oracle Application Serverアップグレードおよび互換性ガイド』の「アップグレードおよび互換性エラー・メッセージ」を参照してください。
問題を解決できた場合は、OracleAS Upgrade Assistantを再起動します。
参照: 『Oracle Application Serverアップグレードおよび互換性ガイド』の「OracleAS Upgrade Assistantエラーの解決」および「OracleAS Upgrade Assistantの再起動」 |
表4 中間層のアップグレード時におけるトラブルシューティングの一般的な項目
問題 | 解決方法 |
---|---|
ソースOracleホームが使用可能なOracleホームのリストに表示されない |
次の事項を確認します。
|
調査時にアップグレードが失敗する |
これは、中間層で必要なOracleAS Infrastructureが使用できない場合に発生することがあります。OracleAS Infrastructureが起動され、実行中であること、および中間層からアクセス可能であることを確認します。 |
OPMN、OC4JまたはOracle HTTP Serverのアップグレード時にアップグレードが失敗する |
これは、OracleAS Upgrade Assistantがソースまたはアップグレード先Oracleホームで実行中のプロセスを停止できない場合に発生することがあります。次のコマンドを使用して、両方のOracleホームですべてのプロセスが停止していることを確認します。 ORACLE_HOME/opmn/bin/opmcntl stopall
|
OC4Jのアップグレード時にアップグレードが失敗する |
多数のOC4Jアプリケーションまたは大規模なOC4Jアプリケーションのアップグレード時にアップグレードが失敗する場合、原因としてメモリー不足が考えられます。 詳細は、『Oracle Application Serverアップグレードおよび互換性ガイド』の「大規模なOC4Jのアップグレードに備えるJVMメモリーの増加(オプション)」を参照してください。 |
次の項では、同じ場所に配置されたInfrastructureでOracleAS Identity Managementをアップグレードする方法について説明します。この構成で実行した場合は、この手順によってOracleAS Metadata Repositoryをホスティングするデータベースも自動的にアップグレードされます。
詳細は、次の項を参照してください。
同じ場所に配置されたInfrastructureのOracleホームでOracleAS Identity Managementをアップグレードするには、次の手順を実行します。
OracleAS Identity Managementインストールのサービスを使用しているすべての中間層を停止します。
10g(9.0.4)のインストールを実行したオペレーティング・システム・ユーザーとして、10g(9.0.4)OracleAS Infrastructureインスタンスがインストールされているコンピュータにログインします。
OracleAS Metadata Repositoryデータベースおよびデータベース・リスナーが起動され、実行中であることを確認します。
Oracle Internet Directoryサーバーが起動され、実行中であることを確認します。
Oracle Internet Directoryが実行中であることを確認するには、次のいずれかのコマンドを入力します。
注意: 場合によっては、ldapbind コマンドを実行する前に、ORACLE_HOME環境変数を一時的にOracle Internet DirectoryのOracleホームに設定する必要があります。
Oracle Internet Directoryが実行中であることを確認した後、10g リリース2(10.1.2.0.2)インストーラを起動する前に、手順5に示すようにORACLE_HOME環境変数が定義されていないことを確認する必要があります。 |
Oracle Internet Directoryをセキュアでないポートで実行している場合:
SOURCE_ORACLE_HOME/bin/ldapbind -p Non-SSL_port
Oracle Internet Directoryをセキュアなポートで実行している場合:
SOURCE_ORACLE_HOME/bin/ldapbind -p SSL_port -U 1
これらのコマンドにより、「バインドは正常に完了しました。」というメッセージが返されます。
参照: ldapbind ユーティリティの詳細は、『Oracle Internet Directory管理者ガイド』のLDIFおよびコマンドライン・ツールの構文に関する項を参照してください。
|
注意: Oracle Internet Directory 10g(9.0.4)では、OPMNまたはoidctl ユーティリティを使用してディレクトリ・サービスを起動および停止できます。
Oracle Internet Directoryを含むOracleAS Identity ManagementのOracleホームをアップグレードする前に、
|
必要な環境変数を、Oracle Application Serverのインストレーション・ガイドの「要件」にある「環境変数」で定義されているとおりに設定します。
特に、次の変数がどのOracleホーム・ディレクトリも参照しないように設定してください。
さらに、次の環境変数が設定されていないことを確認します。
TNS_ADMIN
ORACLE_HOME
ORACLE_SID
CD-ROMをマウントしてインストーラを起動します。
参照: ご使用のプラットフォーム上でOracle Universal Installerを起動する方法については、Oracle Application Serverのインストレーション・ガイドを参照してください。 |
各画面で選択するオプションの詳細は、表5を参照してください。
「インストールの終了」画面が表示されたら、Oracle Universal Installerを終了します。
Oracle Internet DirectoryおよびOracleAS Single Sign-Onが新しい10g リリース2(10.1.2.0.2)のOracleホームで機能し、アクセス可能であることを確認します。
Webブラウザを使用して、OracleAS Single Sign-Onサーバー用の管理のホームページに移動し、サーバーが実行中であることを確認します。
http://host:port/pls/orasso
この例では、host はOracleAS Single Sign-Onサーバーが配置されているコンピュータ、port はサーバーのポート番号、orassoはシングル・サインオン・スキーマに対するデータベース・アクセス記述子です。
参照: 『Oracle Application Server Single Sign-On管理者ガイド』のSingle Sign-Onサーバーへのアクセスに関する項を参照してください。 |
OracleAS InfrastructureのOracleホームのApplication Server ControlコンソールのURLに移動します。
http://hostname.domain:port/
次に例を示します。
http://host1.acme.com:18100/
中間層のアップグレードとは異なり、OracleAS Infrastructureのアップグレード後は、10g リリース2(10.1.2.0.2)Application Server Controlコンソール・ポートを使用して、Application Server Controlコンソールにアクセスする必要があります。 このポートは、10g リリース2(10.1.2.0.2)のアップグレード先Oracleホームにある次のファイルで確認できます。
DESTINATION_ORACLE_HOME/install/setupinfo.txt
「ファーム」ページで、アップグレードしたOracleAS Infrastructureインスタンスの名前をクリックします。
Application Serverのホームページで、OracleAS Infrastructureのコンポーネントが起動され、実行中であることを確認します。
具体的には、「システム・コンポーネント」表に示されるOIDおよび シングル・サインオン・コンポーネントが起動され、実行中であることを確認します。
Application Serverのホームページの「一般」セクションで、インスタンスのバージョンを確認します。
使用するOracleAS Infrastructureコンポーネントによっては、考慮する必要があるアップグレード後の追加タスクがあります。
『Oracle Application Serverアップグレードおよび互換性ガイド』のOracleAS Infrastructureのアップグレードの完了に関する項で、ご使用の環境に適用されるコンポーネント固有の手順を確認してください。
表5 同じ場所に配置されたInfrastructureのOracleAS Identity Managementのアップグレード中に表示されるOracle Universal Installer画面のサマリー
画面 | 説明および推奨されるオプション |
---|---|
ようこそ |
Oracle Universal InstallerおよびOracle Application Server 10g リリース2(10.1.2.0.2)のインストール手順の初期画面です。 |
ファイルの場所の指定 |
新しいOracleホームの名前とパスを入力します。 この新しいOracleホームは、Oracle Application Server 10g リリース2(10.1.2.0.2)アップグレードのアップグレード先Oracleホームになります。 |
インストールする製品の選択 |
「OracleAS Infrastructure 10g 」を選択します。 アップグレード対象のOracleAS Infrastructureで複数の言語が使用されている場合は、「製品の言語」をクリックします。 |
言語の選択 |
この画面は、「インストールする製品の選択」画面で「製品の言語」をクリックした場合にのみ表示されます。 アップグレード対象のOracleAS Infrastructureで複数の言語が使用されている場合は、それらの言語を選択します。 インストールされている言語が明らかでない場合に英語以外の言語をインストールするには、二重矢印(>>)をクリックしてすべての言語を選択します。 |
インストール・タイプの選択 |
「Identity Management and OracleAS Metadata Repository」を選択します。 |
既存のInfrastructureのアップグレード |
この画面は、「インストール・タイプの選択」画面で選択したのと同じインストール・タイプの既存のOracle Application ServerをOracle Universal Installerが検出すると表示されます。 既存のOracleAS Infrastructureをアップグレードするオプションを選択し、アップグレードするOracleホームをドロップダウン・リストから選択します。選択したタイプのInfrastructureがコンピュータに1つのみの場合、ドロップダウン・リストはアクティブになりません。 |
OIDログインの指定 |
Oracle Internet Directoryスーパー・ユーザーの識別名(DN)を「ユーザー名」フィールドに入力します。スーパー・ユーザーのDNの スーパー・ユーザーのDNのパスワードを「パスワード」フィールドに入力します。 |
Infrastructureデータベース接続情報の指定 |
「ユーザー名」フィールドに |
警告ダイアログ・ボックス |
このダイアログ・ボックスは、OracleAS Metadata Repositoryデータベースのすべてのクライアントが現在停止している必要があることを警告します。Oracle Universal Installerは、ソースOracleホーム内のすべてのクライアントを自動的に停止します。1 ただし、別のOracleホームにあるデータベース・クライアントおよびOracleAS Metadata Repositoryクライアントは手動で停止する必要があります。 OracleAS Metadata Repositoryのクライアントには、次のものが含まれます。
このOracleAS Metadata Repositoryを使用する各中間層内では、Oracle HTTP ServerおよびOracleAS Web Cacheを含むすべてのコンポーネントを停止する必要があります。 詳細は、『Oracle Application Server管理者ガイド』の起動および停止に関する項を参照してください。 |
データベース・リスナーの警告ダイアログ・ボックス |
データベース・リスナーがホスト上で実行中の場合は、警告ダイアログ・ボックスが表示されます。このダイアログ・ボックスを確認し、リスナーを手動で停止する必要があるかどうかを判断します。 |
インスタンス名とias_adminパスワードの指定 |
新しいOracle Application Server 10g リリース2(10.1.2.0.2)インスタンスの名前と
一般に、 詳細は、Oracle Application Serverのインストレーション・ガイドのias_adminユーザーとそのパスワードの制限に関する項を参照してください。 |
サマリー |
この画面を使用して、選択内容を確認します。 「インストール」をクリックすると、10g リリース2(10.1.2.0.2)の新しいOracleホームへのアップグレードが開始されます。 コピーが完了すると、ダイアログ・ボックスが表示されます。このダイアログ・ボックスでは、構成スクリプトをrootユーザーとして実行するよう要求されます。ダイアログ・ボックスの指示に従い、スクリプトの終了後、「OK」をクリックします。 |
コンフィギュレーション・アシスタント |
最初のソフトウェアがインストールされると、一連のConfiguration Assistantがそのコンポーネントを10g リリース2(10.1.2.0.2)の新しいOracleホームに自動的に設定します。この画面は、各Configuration Assistantの進行状況を追跡し、インストールのこのフェーズに問題がないか調べるために使用します。 注意:
|
インストールの終了 |
インストールとアップグレードが完了すると、この画面に、10g リリース2(10.1.2.0.2)のOracleホームに関する重要な詳細(Application Server ControlコンソールのURLや 情報をこの画面で確認したら、Oracle Universal Installerを終了し、アップグレード後のタスクに進むことができます。 |
shutdownprocesses.log
ファイルで参照できます。このファイルはアップグレード先Oracleホームのcfgtoollogs
ディレクトリにあります。OracleAS Identity Managementのアップグレード中にエラーが発生した場合は、次のトラブルシューティングの手順を考慮します。
一般的なトラブルシューティングのヒントについては、『Oracle Application Serverアップグレードおよび互換性ガイド』の「OracleAS Identity Managementのアップグレードの問題および解決方法」を確認します。
インストール画面のいずれかで誤った情報を入力した場合は、その画面が表示されるまで「戻る」をクリックして戻ります。
インストーラがファイルのコピーまたはリンクを行っている際にエラーが発生した場合は、次の手順を実行します。
エラーを書き留め、インストール・ログ・ファイルを確認します。
Oracle Application Serverのインストレーション・ガイドの付録E「削除および再インストール」に記載されている手順に従って、失敗したインストールを削除します。
エラーの原因となった問題を解決します。
アップグレード手順を再び開始します。
Configuration Assistantが失敗した場合は、そのConfiguration Assistantのログ・ファイルを確認します。Configuration Assistantのリストおよびそのログ・ファイルの場所については、Oracle Application Serverのインストレーション・ガイドの「Oracle Application Server Configuration Assistantの説明」を参照してください。Configuration Assistantのログ・ファイルで見つからないものがある場合は、インストーラを終了します。
DESTINATION_ORACLE_HOME/cfgtoollogs
インストーラを終了すると、Oracle Universal Installerによってログ・ファイルがcfgtoollogs
ディレクトリにコピーされます。
その他のすべての問題については、Oracle Universal Installerのログ・ファイルを参照します。
oraInventory_location/logs/installActionstimestamp.log oraInventory_location/logs/oraInstalltimestamp.err oraInventory_location/logs/oraInstalltimestamp.out DESTINATION_ORACLE_HOME/install/make.log
次の構成ファイルの内容を表示すると、oraInventory_location を確認できます。
On Solaris systems: /var/opt/oracle/oraInst.loc On Linux systems: /etc/oraInst.loc
Oracle Enterprise Manager 10g Database Controlには、Oracle Database 10gの管理に使用できるWebベースのコンソールがあります。OracleAS Metadata RepositoryがOracle Database 10gインスタンスにインストールされている場合は、Database Controlを使用してOracleAS Metadata Repositoryデータベースを管理できます。
参照: 『Oracle Application Server管理者ガイド』のDatabase Controlを使用したOracleAS Metadata Repositoryデータベースの管理に関する項を参照してください。 |
ただし、Oracle Universal Installerを使用してOracleAS Metadata RepositoryデータベースをOracle Database 10gにアップグレードした場合は、Database Controlは自動的には構成されません。アップグレードされたOracleAS Metadata Repositoryデータベースの管理にDatabase Controlを使用するには、Enterprise Manager Configuration Assistant(EMCA)を使用してDatabase Controlを手動で構成する必要があります。
参照: 『Oracle Enterprise Manager構成ガイド』のEMCAによるDatabase Controlの構成に関する項を参照してください。 |
このOracleAS Metadata Repositoryに依存する中間層をアップグレードし、OracleAS Identity Managementをアップグレードした後は、MRUAを使用してOracleAS Metadata RepositoryのApplication Serverコンポーネント・スキーマをアップグレードできます。
次の項で、MRUAを使用してコンポーネント・スキーマをアップグレードする方法について説明します。
MRUAを使用する前に、OracleAS Metadata Repositoryを使用する各中間層と関連付けられているすべてのプロセスを停止する必要があります。
アップグレード処理のこの時点では、MRUAを実行するための前提条件として、すべての中間層インスタンスが10g リリース2(10.1.2.0.2)にアップグレードされている必要があります。
OracleAS Metadata Repositoryを使用するすべてのOracle Application Serverインスタンスを停止するには、次の手順を実行します。
Application Server Controlコンソールで「ファーム」ページを表示します。「ファーム」ページには、OracleAS Infrastructureのサービスを現在使用しているすべてのOracle Application Serverインスタンスが表示されます。
参照: Application Server Controlコンソールの「ファーム」ページについては、『Oracle Application Server管理者ガイド』の管理ツールの概要に関する項を参照してください。 |
「ファーム」ページに表示される各インスタンスの名前をクリックし、各インスタンスのApplication Server Controlコンソールのホームページで「すべてを停止」をクリックします。
MRUAを使用する前に、次のプロセスが起動され、実行中であることを確認する必要があります。
OracleAS Metadata Repositoryをホスティングするデータベース
OracleAS Metadata Repositoryデータベースのデータベース・リスナー
OracleAS Metadata Repositoryデータベースが登録されているOracle Internet Directoryインスタンス
Application Server Controlコンソールにログインし、必要なプロセスが実行中であり、必須コンポーネントが正しく構成されていることを確認します。たとえば、Application Server Controlコンソールを使用して、「ファーム」ページが正しく表示されることを確認できます。「ファーム」が正しく表示された場合、Oracle Internet Directoryは起動され、実行中です。
参照: Application Server Controlコンソールの使用については、『Oracle Application Server管理者ガイド』の管理ツールの概要に関する項を参照してください。 |
MRUAを実行する前に、次の手順を実行して、Oracle Application Serverに必要なデータベース・オブジェクトがいずれも無効でないことを確認します。
OracleAS Metadata Repositoryデータベースに接続します。
次に例を示します。
1012_INFRASTRUCTURE_ORACLE_HOME/bin/sqlplus "connect / as sysdba"
プロンプトが表示されたら、SYSのパスワードを入力します。
次のSQLコマンドを実行します。
SELECT owner, object_type, object_name FROM all_objects WHERE status='INVALID';
この問合せによって、owner列にOracle Application Serverコンポーネント・スキーマ(PORTAL、WIRELESSなど)のあるデータベース・オブジェクトが戻らないようにしてください。
無効なオブジェクトが検出された場合は、SQL*Plusコマンドラインからutlrp.sql
スクリプトを実行して、無効なオブジェクトを再コンパイルします。
@?/rdbms/admin/utlrp.sql
中間層を停止し、Oracle Internet Directoryとデータベース・プロセスが実行中であることを確認した後、MRUAを使用してOracleAS Metadata Repository内のコンポーネント・スキーマをアップグレードできます。
注意: 10g(9.0.4)OracleAS Metadata Repositoryをインストールしたユーザーとして、OracleAS Metadata Repositoryを実行しているコンピュータにログインする必要があります。MRUAは、アップグレードするOracleAS Metadata Repositoryをホスティングしているコンピュータで実行する必要があります。 |
MRUAを実行するには、次の手順を実行します。
Metadata Repository Upgrade Assistant and UtilitiesのCD–ROMをマウントします。
MRUA and UtilitiesのCD–ROMは、Oracle Application Serverソフトウェアの注文時に受け取るOracle Application ServerのCD–ROM Packに含まれています。
次のコマンドに必須の引数(表6を参照)を指定してMRUAを起動します。
MRUA_CD_ROOT_DIRECTORY/mrua/mrua.sh -oracle_home 1012_infrastructure_oracle_home -oid_host Oracle_Internet_Directory_host -oid_ssl_port Oracle_Internet_Directory_SSL_port
表6 MRUAの必須コマンドライン引数のサマリー
引数 | 説明 |
---|---|
-oracle_home |
アップグレード先の10g リリース2(10.1.2.0.2)OracleAS Metadata Repositoryのホーム・ディレクトリ。 |
-oid_host |
OracleAS Metadata Repositoryが登録されているOracle Internet Directoryをホスティングするコンピュータの名前。 |
-oid_ssl_port |
Oracle Internet Directoryのセキュアなポート。OracleAS Metadata Repositoryのアップグレードには、Oracle Internet Directoryへのセキュアな接続を使用する必要があります。 |
プロンプトが表示されたら、データベースのSYSユーザー・アカウントのパスワードを入力します。
MRUAでは、データベース内のコンポーネント・スキーマにアクセスして変更するために、SYSのパスワードが必要です。
プロンプトが表示されたら、Oracle Internet Directoryのcn=orcladmin
管理者のパスワードを入力します。
MRUAでは、OracleAS Metadata Repositoryが登録されているOracle Internet Directoryに接続するために、Oracle Internet Directoryパスワードが必要です。
必須パスワードを入力すると、MRUAは、Oracle Internet Directoryが実行中であることを確認し、次のいずれかを実行します。
Oracle Internet Directoryが停止中で使用できない場合、MRUAはエラー・メッセージを表示して終了します。
Oracle Internet Directoryが起動され、実行中である場合、MRUAはディレクトリ・サービスに接続し、コンポーネント・スキーマのアップグレードに必要な追加情報を取得します。
MRUAがアップグレード処理を開始します。実行されるアップグレードの各手順で、アップグレードの進行状況を示す情報メッセージが画面に表示されます。
例1に、MRUAアップグレード・セッションの標準的な例を示します。
MRUAコマンドの出力を確認します。MRUAによってエラーがレポートされた場合は、『Oracle Application Serverアップグレードおよび互換性ガイド』のC.10「Metadata Repository Upgrade Assistantによって生成されるエラー・メッセージ」を参照してください。
例1 MRUAセッションからの出力例
mrua.sh -oracle_home /dua1/oracle10g -oid_host dserv1.acme.com -oid_ssl_port 3130 Executing mrua.pl Running on UNIX OracleAS Metadata Repository Upgrade Assistant 10.1.2.0.2 Enter the password for SYS: Enter the password for cn=orcladmin: Upgrading the OracleAS Metadata Repository to release 10.1.2.0.2 Calling upgrade plugin for MRUA Component upgraded successfully MRUA Calling upgrade plugin for UDDI Component upgraded successfully UDDI Calling upgrade plugin for WCS Component upgraded successfully WCS Calling upgrade plugin for ULTRASEARCH Component upgraded successfully ULTRASEARCH Calling upgrade plugin for WIRELESS Component upgraded successfully WIRELESS Calling upgrade plugin for WORKFLOW Component upgraded successfully WORKFLOW Calling upgrade plugin for PORTAL Component upgraded successfully PORTAL Calling upgrade plugin for DISCOVERER Component upgraded successfully DISCOVERER Calling upgrade plugin for B2B Component upgraded successfully B2B Calling upgrade plugin for MRC Component upgraded successfully MRC Calling upgrade plugin for ORABPEL Component upgraded successfully ORABPEL Calling upgrade plugin for BAM Component upgraded successfully BAM SUCCESS: All OracleAS plug-ins report successful upgrade Finished mrua.pl
MRUAの実行に必要な時間は、使用しているハードウェアおよびOracleAS Metadata Repository内のデータ量によって異なります。ただし、次のハードウェアおよびソフトウェア・プラットフォーム上でのMRUAのテストでは、標準的な実行時間が次のとおり示されています。
Solaris 2.9を実行しているSun UltraSPARC 60、デュアルCPUで1時間40分
Windows 2000 Service Pack 4を実行している2.4GHz Pentium 4で45分
MRUAログ・ファイルの他に、OracleAS Metadata Repositoryのアップグレードの成功を確認する手段として、データベースへの問合せを実行することもできます。具体的には、SQLコマンドを使用して、MRUAがアップグレードする各コンポーネント・スキーマのステータスを確認できます。
注意: OracleAS Metadata Repositoryには、すべてのOracle Application Serverコンポーネント・スキーマが含まれています。ただし、MRUAで更新する必要があるのは、これらのコンポーネント・スキーマの一部です。OracleAS Identity Managementスキーマなどの他のスキーマは、Oracle Application Serverのインストール中にアップグレードされます。その他に、以前のリリースからのアップグレードが不要なものもあります。 |
MRUAでアップグレードされるリポジトリ内の各コンポーネント・スキーマの現在のステータスを確認するには、次の手順を実行します。
OracleAS Metadata Repositoryデータベースに接続します。
次に例を示します。
1012_INFRASTRUCTURE_ORACLE_HOME/bin/sqlplus "connect / as sysdba"
プロンプトが表示されたら、SYSのパスワードを入力します。
次のSQLコマンドを入力し、コンポーネント・スキーマのステータスを確認します。
SELECT comp_id,version,status FROM APP_REGISTRY;
例2に、コンポーネント・スキーマのSQL問合せから表示される出力の例を示します。
例2 コンポーネント・スキーマのSQL問合せの出力例
prompt> SELECT comp_id,version,status FROM APP_REGISTRY; COMP_ID VERSION STATUS ------------------------------ ------------------------------ ----------- WORKFLOW 10.1.2.0.2 VALID SYNDICATION 10.1.2.0.2 VALID PORTAL 10.1.2.0.2 VALID SSO 10.1.2.0.2 VALID B2B 10.1.2.0.2 VALID MRC 10.1.2.0.2 VALID OCA 10.1.2.0.2 VALID OID 10.1.2.0.2 VALID DCM 10.1.2.0.2 VALID DISCOVERER 10.1.2.0.2 VALID WCS 10.1.2.0.2 VALID UDDI 10.1.2.0.2 VALID WIRELESS 10.1.2.0.2 VALID 13 rows selected.
この項では、MRUAの実行中に発生したエラーのトラブルシューティングを行うために、次の項目について説明します。
MRUAを実行すると、OracleAS Metadata Repositoryのアップグレード処理のトラブルシューティング、確認または分析に使用できる一連のログ・ファイルが生成されます。詳細は、次の項を参照してください。
MRUAの出力に1つ以上のコンポーネントのアップグレードが失敗したことが示されている場合は、MRUAログ・ファイルまたはMRUAログ・ファイルから参照されるコンポーネントのログ・ファイルを確認します。
OracleAS Portalのアップグレードが失敗した場合の手順については、「OracleAS Portal Repositoryのアップグレード・ログ・ファイルの確認」を参照してください。
それ以外の場合にログ・ファイルで表示される可能性のある特定のコンポーネントのエラー・メッセージの詳細は、『Oracle Application Serverアップグレードおよび互換性ガイド』の「アップグレードおよび互換性エラー・メッセージ」を参照してください。
ログ・ファイルと『Oracle Application Serverアップグレードおよび互換性ガイド』のエラー・メッセージの説明を確認することでアップグレードの失敗に対する解決方法を特定できる場合は、その解決方法を実施してMRUAを再実行できます。MRUAを再実行しても、前回の実行中に正しくアップグレードされたコンポーネントは影響を受けません。MRUAは、前回の実行中に正しくアップグレードされなかったコンポーネントのアップグレードを試みます。
マニュアルに記載されていないエラーや、記載されている手順に従っても解決できないエラーについては、オラクル社カスタマ・サポート・センターに連絡してください。エラーの中には、バックアップからのリポジトリのリストア、問題の解決、および別のアップグレードの実行が必要なものがあることに注意してください。
ログ・ファイルは、アップグレード対象のOracleAS Metadata RepositoryのOracleホームの次のディレクトリにあります。
1012_INFRASTRUCTURE_ORACLE_HOME/upgrade/logs
MRUAは、アップグレード問題のトラブルシューティング時に非常に役立つ3つのログ・ファイルを生成します。ログ・ファイルの名前には、MRUAセッションが実行された正確な時間が含まれています。このため、特定のMRUAセッションのログ・ファイルを簡単に識別できます。
たとえば、2004年9月16日の午後12時36分にMRUAを実行して生成された3つのログ・ファイルは、logsディレクトリに次のように表示されます。
mrua2004-09-16_12-36-36PM.log mrua2004-09-16_12-36-36PM.err mrua2004-09-16_12-36-36PM.out
表7に、3つのログ・ファイルと、各ファイルで確認できる内容を示します。
表7 MRUAが生成するログ・ファイルのサマリー
MRUAログ・ファイル | 説明 |
---|---|
mrua<timestamp>.log |
ログ・ファイルは、OracleAS Metadata Repositoryのアップグレードに関する特定の問題のトラブルシューティングを行っている場合の開始点として役立ちます。このファイルには、MRUAが実行したすべての処理のサマリーが含まれているため、正しくアップグレードされなかったコンポーネントの特定に役立ちます。 |
mrua<timestamp>.err |
エラー・ファイルには、アップグレード処理中に生成されたエラーまたはスタック・トレースが含まれます。これらのエラーには、特定のアップグレード・エラーの診断および解決に役立つ情報が含まれています。 |
mrua<timestamp>.out |
出力ファイルは、3つのMRUAログ・ファイルの中で最大のファイルであり、MRUAセッションに関する最も包括的なデータが含まれています。このログ・ファイルは、MRUAサブコンポーネントに特定の問題が発生した正確な時間の判断と、そのコンポーネントによって生成された出力の確認に使用します。 |
この項では、OracleAS Portalのアップグレード・ログ・ファイルに関する情報について説明します。OracleAS Portalのアップグレードが失敗した場合は、アップグレードの失敗のトラブルシューティングを試みる前に、この項全体を確認してください。
ただし、OracleAS Portalコンポーネントが10g リリース2(10.1.2)に正しくアップグレードされた場合は、ログ・ファイルを確認する必要はありません。
MRUAを実行してOracleAS Portalをアップグレードすると、ログ・ファイルは単一ディレクトリに生成されます。
ORACLE_HOME/upgrade/temp/portal
表8 OracleAS Portalが生成するリポジトリのアップグレード・ログ・ファイルのサマリー
ログ・ファイル | 説明 |
---|---|
upgrade.log |
10g(9.0.4)から10g リリース2(10.1.2)のOracleAS Portalへのアップグレードで生成されるログ・ファイルです。このファイルは、アップグレード前のリリースが10g(9.0.4)の場合、アップグレードの開始時に実行されるチェックが成功すると必ず生成されます。 |
precheck.log |
10g(9.0.4)から10g リリース2(10.1.2)へのアップグレードの前に実行されるチェックに対して生成されるログ・ファイルです。このファイルは、スクリプトがリポジトリへの変更を開始する前、または10g(9.0.4)からの手動アップグレードが事前チェック・モードで実行される際に生成されます。 |
これらの各ログ・ファイルの終わりには、成功を示すメッセージ、またはファイルの前半に記載されているすべてのエラーのサマリーがあります。これらのサマリー・メッセージには、行番号への参照が含まれています。ログ・ファイルの前半にあるこれらの行を参照すると、エラーの内容を確認できます。
注意: OracleAS Portalを使用する前に、ログ・ファイル内のすべてのエラーを解決してください。 正常でなく、エラーが発生したアップグレード後に実行されておりポータルはサポートされていません。 |
『Oracle Application Serverアップグレードおよび互換性ガイド』の「アップグレードおよび互換性エラー・メッセージ」を参照して、事前チェックまたはアップグレード・ログ・ファイルにエラーが記載されているかどうかを調べます。マニュアルに記載されたすべてのエラーおよび警告を解決します。事前チェック・フェーズの後に発生するエラーに対しては、バックアップからのリポジトリのリストア、問題の解決、および別のアップグレードの実行が必要です。マニュアルに記載されていないエラーや、記載されている手順に従っても解決できないエラーについては、オラクル社カスタマ・サポート・センターに連絡してください。記載されていないエラーが発生した場合は、アップグレードの再実行、後続の手順の実行、ファイルの変更、OracleAS Portalスキーマの変更、またはブラウザでのOracleAS Portalインスタンスへのアクセスは行わないでください。
また、OracleMetaLink でOracle Support Master Note - Portal Upgrades(262623.1)を参照してください。
http://metalink.oracle.com/
正常なアップグレード後の、ログ・ファイルの終わりの例を次に示します(「アップグレードは正常に完了しました」というメッセージがある点と、エラー・メッセージがない点に注目してください)。
>>> Running upg/common/popinv.pl ### Upgrade completed successfully >>> Running tmp/popinv.sql Portal SQL script started at Thu Apr 22 20:56:23 2004 Connected. Updating patch inventory. Upgrade Ended at Thu Apr 22 20:56:24 2004
次の項では、10g(9.0.4)のOracleホームを廃棄または削除するために実行する必要があるタスクについて説明します。10g(9.0.4)のソフトウェアを削除する前に、次の項を確認しておいてください。
アップグレードした中間層インスタンスがOracleAS Farmのメンバーである場合は、ソースOracleホームを削除する前に、必ずソース・インスタンスをファームから削除してください。
OracleAS Infrastructureを使用していたインスタンスをアップグレードすると、ソース・インスタンスがApplication Server Controlコンソールの「ファーム」ページにあるインスタンス・リストに残ります。
ソース・インスタンスをファームおよび「ファーム」ページから削除するには、ソースOracleホームで次のコマンドを使用します。
SOURCE_ORACLE_HOME/dcm/bin/dcmctl leavefarm
参照: dcmctl leavefarm コマンドの詳細は、『Distributed Configuration Management管理者ガイド』を参照してください。
Application Server Controlコンソールの「ファーム」ページについては、『Oracle Application Server管理者ガイド』の管理ツールの概要に関する項を参照してください。 |
アップグレード先Oracleホームによって参照または使用されるソースOracleホームのアプリケーション・ファイルまたはログ・ファイルがある場合、ソースOracleホームを廃棄する前にそれらを別の場所に移し、アップグレード先Oracleホームにおいてファイルへの参照設定を新しい場所に変更する必要があります。
Oracle Universal Installerを使用してOracleAS Metadata Repositoryシード・データベースをアップグレードした後、OracleAS Metadata Repositoryデータベース用のデータファイルはソースOracleホームに残ります。
そのため、ソースOracleホームのディレクトリ・ツリー全体を削除するなど、不注意でファイルを削除してしまうことがないように、ファイルを再配置することをお薦めします。また、データベース・ファイルをソースOracleホーム以外に移すことによってパフォーマンスが向上する場合もあります。
参照: 『Oracle Database管理者ガイド』のデータファイルの名前変更と再配置に関する項、制御ファイルの追加コピーの作成、名前変更および再配置に関する項、およびREDOログ・メンバーの再配置と名前変更に関する項を参照してください。 |
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Oracle Application Serverクイック・アップグレード・ガイド, 10g リリース2(10.1.2)for UNIX Systems
部品番号: B25085-01
原本名: Oracle Application Server Quick Upgrade Guide 10g Release2(10.1.2) for UNIX
原本部品番号: B19327-02
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