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Oracle Application Server Forms and Reports Servicesインストレーション・ガイド
10gリリース2(10.1.2)for Microsoft Windows (64-bit) on Intel Itanium
B25647-01
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3 要件

Forms/Reports Servicesをインストールする前に、ご使用のコンピュータがこの章で示す要件を満たしているかどうかを確認する必要があります。

この章は、次の項で構成されています。

3.1 システム要件

表3-1に、Forms/Reports Servicesを実行する際のシステム要件を示します。インストーラは、インストール・プロセスの開始時にこれらの要件の多くをチェックして、満たされていない項目があれば警告を表示します。

システム・チェックは、setup.exeコマンドによって実行することもできます。setup.exeコマンドは、Forms/Reports ServicesのCD-ROM(Disk 1)またはDVDのapplication_serverディレクトリにあります。

CD-ROMの場合(ドライブE:がCD-ROMドライブであると想定):

E:\> setup.exe -executeSysPrereqs

DVDの場合(ドライブE:がDVDドライブであると想定):

E:\> cd application_server
E:\application_server> setup.exe -executeSysPrereqs

結果は画面上に表示されるだけでなく、ログ・ファイルにも書き込まれます。実行されるチェックの詳細は、第3.8項「インストーラが実行する前提条件チェック」を参照してください。

この項の内容は次のとおりです。

表3-1 システム要件

項目 要件

オペレーティング・システム

Microsoft Windows Server 2003(64ビット)(Service Pack 1以上)

インストーラによるチェックの有無: あり

64ビットの動作保証

Oracle Application Server for Windowsの32ビット版は、Intel x86、AMD64およびIntel EM64Tプロセッサで動作します。詳細は、OracleMetaLinkhttp://metalink.oracle.com)を参照してください。

次の64ビットのオペレーティング・システムがサポートされています。

  • Microsoft Windows XP Professional x64 Edition

  • Microsoft Windows Server 2003, Standard x64 Edition

  • Microsoft Windows Server 2003, Enterprise x64 Edition

  • Microsoft Windows Server 2003, Datacenter x64 Edition

注意: OracleAS Infrastructure 10gを除くすべての製品およびコンポーネントは、AMD64プロセッサおよびIntel EM64Tプロセッサでの動作が保証されています。

ネットワーク

Oracle Application Serverは、ネットワークに接続されているコンピュータまたはスタンドアロン・コンピュータ(ネットワークに接続されていない)にインストールできます。

Oracle Application Serverをスタンドアロン・コンピュータにインストールする場合、インストール後にそのコンピュータをネットワークに接続できます。ネットワークに接続するときは、いくつかの構成作業を行う必要があります。

詳細は、『Oracle Application Server管理者ガイド』を参照してください。

インストーラによるチェックの有無: なし

IP

Oracle Application Serverは、静的IPまたはDHCPベースのIPを使用するコンピュータにインストールできます。

注意:

インストーラによるチェックの有無: なし

ホスト名

ホスト名は255文字以下にする必要があります。

プロセッサの処理速度

Intel Itanium 2(900 MHz以上)

インストーラによるチェックの有無: なし

メモリー

OracleAS Infrastructure:

  • OracleAS Metadata RepositoryおよびOracle Identity Management: 3.7 GB

  • Oracle Identity Managementのみ: 1.25 GB

  • OracleAS Metadata Repositoryのみ: 3.7 GB

Oracle Application Server中間層:

  • J2EE and Web Cache: 846 MB

  • Portal and Wireless: 1.2 GB

  • Business Intelligence and Forms: 1.7 GB

OracleAS Developer Kits: 256 MB

注意:

  • インストーラによってコンピュータのメモリー容量がチェックされ、コンピュータが最小メモリー要件を満たしていない場合は、警告が行なわれます。

  • これらの値は、1台のコンピュータで1つのOracle Application Serverインスタンスのみを実行することを前提としています。同じコンピュータ上で複数のインスタンスを実行する場合は、第3.1.1項「同じコンピュータ上で複数のインスタンスを実行する場合のメモリーおよびページファイルの要件」を参照してください。

  • これらは、Oracle Application Serverをインストールおよび実行するのに必要な最小値です。ほとんどの本番サイトでは512 MB以上の物理メモリー構成が必要です。通信量が多いサイトについては、さらにメモリーを増やすことで、パフォーマンスが向上します。Javaアプリケーションでは、OC4Jプロセスに割り当てられる最大ヒープ・サイズを増やすか、別のOC4Jプロセスがこのメモリーを利用するように構成します。詳細は、『Oracle Application Serverパフォーマンス・ガイド』を参照してください。

  • インストールに最適なメモリー量を決める最善の方法は、使用しているサイトの負荷テストを行うことです。リソース要件は、アプリケーションや使用パターンによってまったく異なる可能性があります。さらに、オペレーティング・システムのメモリー監視ユーティリティの中には、共有メモリーの表示方法の違いなどが原因で、メモリー使用状況を誇張してしまうものもあります。メモリー要件を決める際には、負荷テストで物理メモリーを追加してから、パフォーマンスの変化を監視することをお薦めします。テスト用にメモリーおよびプロセッサ・リソースを構成する方法については、プラットフォームのベンダー・ドキュメントを参照してください。

インストーラによるチェックの有無: あり

ファイル・システム・タイプ

NTFSにはファイルに対する権限の制限を設定するなどのセキュリティ機能が含まれているため、FAT32またはFATファイル・システム・タイプよりもNTFSの使用をお薦めします。

インストーラによるチェックの有無: なし

ディスク領域

OracleAS Infrastructure:

  • OracleAS Metadata RepositoryおよびOracle Identity Management: 3.07 GB

  • OracleAS Metadata Repositoryデータベースのデータ・ファイルを、OracleAS Infrastructureをインストールするディスクとは異なるディスクにインストールできます。これを実行するには、データ・ファイル用のディスクに1.85 GB以上の空き領域があることを確認してください。

  • Oracle Identity Managementのみ: 1.25 GB

  • OracleAS Metadata Repositoryのみ: 3.7 GB

Oracle Application Server中間層:

  • J2EE and Web Cache: 846 MB

  • Portal and Wireless: 1.2 GB

  • Business Intelligence and Forms: 1.7 GB

OracleAS Developer Kits: 256 MB

インストーラによるチェックの有無: なし

TEMPディレクトリの領域

インストーラの実行には55 MBを必要としますが、インストールに256 MBを必要とするインストール・タイプがあります。

TEMPディレクトリに十分な空き領域がない場合は、環境変数TEMPを設定することにより、別のディレクトリを指定できます。詳細は、第3.5.4項「TEMP」を参照してください。

インストーラによるチェックの有無: あり

合計ページファイル・サイズ(仮想メモリー)

ここに示す値は概算です。コンピュータのメモリー容量に基づいたWindowsの推奨値を使用する必要があります。

OracleAS Infrastructure:

  • OracleAS Metadata RepositoryおよびOracle Identity Management: 1 GB

  • Oracle Identity Managementのみ: 1 GB

  • OracleAS Metadata Repositoryのみ: 1 GB

Oracle Application Server中間層:

  • J2EE and Web Cache: 512 MB

  • Portal and Wireless: 512 MB

  • Business Intelligence and Forms: 1 GB

OracleAS Developer Kits: 512 MB

OracleAS Personalizationを使用する場合は、ページファイルのサイズを、コンピュータ上の物理メモリーの容量の1.5倍以上にする必要があります。

OracleAS Clusterを使用する場合は、1 GB以上に設定することをお薦めします。

本番環境では、1 GB以上に設定することをお薦めします。

合計ページファイル・サイズ(仮想メモリー)を表示して変更する手順は次のとおりです。

  1. 「コントロール パネル」の「システム」を表示します。

    これを行うには、「スタート」→「コントロール パネル」→「システム」を選択します。

  2. 詳細設定」タブを選択します。

  3. 「パフォーマンス」セクションの「設定」をクリックします。

  4. 詳細設定」タブを選択します。

  5. 「変更」をクリックして、仮想メモリーの設定を確認および変更します。

インストーラによるチェックの有無: あり

モニター

256色

インストーラによるチェックの有無: あり

サポートされているブラウザ

Oracle Enterprise Manager 10gは、次のブラウザでサポートされています。

  • Microsoft Internet Explorer 6.0(Microsoft Windowsでのみサポート)。

  • Netscape 7.2。

  • Mozilla 1.7。Mozillaは、http://www.mozilla.orgからダウンロードできます。

  • Firefox 1.0.4。Firefoxは、http://www.mozilla.orgからダウンロードできます。

  • Safari 1.2(Apple Macintoshコンピュータで使用)。

サポートされているブラウザの最新リストについては、OracleMetaLinkサイト(http://metalink.oracle.com)にアクセスしてください。

インストーラによるチェックの有無: なし。ただし、サポートされていないブラウザを使用してOracle Enterprise Manager 10gにアクセスした場合、警告メッセージが表示されます。


3.1.1 同じコンピュータ上で複数のインスタンスを実行する場合のメモリーおよびページファイルの要件

同じコンピュータ上でOracleAS Infrastructureと中間層を実行する場合、そのコンピュータが表3-2に示すメモリーとページファイルの要件を満たしていることを確認してください。

表に示すページファイルの値は、コンピュータのメモリー容量に基づいたWindowsの推奨値です。使用しているコンピュータの推奨値を使用してください。

ここに示す値は、少人数のユーザーでテストしたものです。ユーザー数が多い場合は、メモリー容量を増やす必要があります。

表3-2 同じコンピュータ上で複数のインスタンスを実行する場合のメモリーおよびページファイルの要件

説明 メモリー ページファイル

OracleAS InfrastructureとJ2EE and Web Cache

1 GB

1.5 GB

OracleAS InfrastructureとPortal and Wireless

1.5 GB

2.0 - 2.5 GB

OracleAS InfrastructureとBusiness Intelligence and Forms

1.5 GB

2.0 - 2.5 GB


3.1.2 メモリー使用量を削減するためのヒント

メモリーの使用量を減らす必要がある場合は、次のことを行います。

  • インストール後、Oracle Enterprise Managerを使用して、使用していないサービスを停止します。これによりメモリー使用量が減ります。詳細は、『Oracle Application Server管理者ガイド』を参照してください。

  • OracleAS Reports Servicesでは、REPORTS_JVM_OPTIONS環境変数に小さな値を指定することで、JVMのヒープ・サイズを制御できます。

    Reportsエンジンでは、JVMオプションは、server_name.confファイル内のengine要素のjvmoptions属性によって指定されます。これが指定されている場合は、server_name.confに設定されたJVMオプションが、REPORTS_JVM_OPTIONS環境変数の値を上書きします。server_name.confに値が指定されていない場合は、REPORTS_JVM_OPTIONS環境変数に指定された値が使用されます。Reports Serverでは、コマンドラインを使用してJVMオプションを指定できます。JVMオプションのサポートの詳細は、『Oracle Application Server Reports ServicesレポートWeb公開ガイド』を参照してください。

3.2 Windowsシステム・ファイル(wsf.exe)


注意:

この手順はインストーラによって求められた場合にのみ実行します。

Oracle Application Serverでは、Windowsシステム・ディレクトリ(通常、C:\Windows\system32またはC:\Winnt\system32)内の一部のシステム・ファイルが最小バージョン要件を満たしている必要があります。Oracle Application Serverのインストーラを実行する際に、コンピュータのWindowsシステム・ファイルがチェックされます。旧バージョンのファイルが検出され、そのファイルが他のプロセスで使用中であった場合は、インストーラを終了し、wsf.exeを実行して最新のWindowsシステム・ファイルをインストールするように求めるプロンプトが表示されます(旧バージョンのファイルが検出されても、そのファイルが他のプロセスで使用中でなかった場合、ファイルは置き換えられるため、wsf.exeを実行する必要はありません)。

wsf.exeは、インストーラと同じディレクトリにあります。

wsf.exeを実行するには、次の手順を実行します。これは、インストーラによってプロンプトが表示された場合にのみ実行する必要があります。

  1. 次のコマンドを使用してwsf.exeを実行します。Oracle Universal Installerが起動され、Windowsシステム・ファイルがインストールされます。

    CD-ROMの場合(ドライブE:がCD-ROMドライブであると想定):

    E:\> wsf.exe
    
    

    DVDの場合(ドライブE:がDVDドライブであると想定):

    E:\> cd application_server
    E:\> wsf.exe
    
    
  2. インストーラの画面に従います。

    表3-3 Windowsシステム・ファイルのインストール画面


    画面 操作

    1.

    ようこそ

    次へ」をクリックします。

    2.

    ファイルの場所の指定

    名前: wsfのOracleホームの名前を入力します。

    パス: 任意のフルパスを入力します。このフィールドに入力した値とは関係なく、ファイルは適切なシステム・ディレクトリにインストールされます。

    次へ」をクリックします。

    3.

    システムの再起動が必要であることを示す警告画面

    この画面が表示された場合は、Windowsシステム・ファイルのインストールが終了した時点で、インストーラによってコンピュータが自動的に再起動されます。コンピュータで実行しているアプリケーション(このインストーラ以外)を保存および終了してください。

    次へ」をクリックします。

    4.

    サマリー

    次へ」をクリックして、Windowsシステム・ファイルのインストールを開始します。

    5.

    インストールの終了

    終了」をクリックして、インストーラを終了します。


  3. システムの再起動が必要であることを示す警告画面が表示された場合は、インストーラによってコンピュータが再起動されます。表示されない場合は、続行する前にコンピュータを再起動してください。

3.3 ポート

Oracle HTTP Server、OracleAS Web Cache、Oracle Enterprise Manager 10gなどの数多くのOracle Application Serverコンポーネントで、ポートが使用されます。インストーラでデフォルトのポート番号を割り当てたり、指定したポート番号を使用したりするよう構成できます。

3.3.1 エフェメラル・ポートの概要

エフェメラル・ポートは、オペレーティング・システムがサービスやプロセスに一時的に割り当てることのできるポート番号です。従来、一部のサービスやプロセスには、永続的なポート番号が割り当てられます。それ以外の場合は、割り当てられたポート番号の範囲からエフェメラル・ポート番号が、一時的に(リクエストが完了するまでの期間)割り当てられます。

エフェメラル・ポートの範囲

Microsoft Windowsでのエフェメラル・ポートの範囲は、1024〜5000です。

Windowsでは、この範囲の上限値のみ調整できます。他のほとんどのオペレーティング・システムでは、エフェメラル・ポートのデフォルトの範囲が広く、範囲の上限と下限の両方を調整できます。

Oracle HTTP Server、OracleAS Web Cache、Oracle Enterprise Manager 10g Application Server Control、OC4Jなど、いくつかのApplication Serverプロセスは、エフェメラル・ポートの範囲のポートを使用します。これらのプロセスは、必要なポートがクライアントで使用されている場合に起動できません。

問題: エフェメラル・ポートが競合しているためにコンポーネントを起動できない

まれに、必要なポートが使用不可なためにOracle Application Serverプロセスを起動できない場合があります。プロセスの起動が失敗するか、またはポートにバインドできないことがレポートされる場合があります。この問題は一時的な場合があり、影響を受けたプロセスを後で再起動すると、正常に起動する場合があります。

この問題の原因は、Oracle Application Serverがデフォルトでエフェメラル・ポートの範囲内のポート番号を使用することです。エフェメラル・ポートは通常、クライアント/サーバーのTCP/IP接続のクライアント側で使用されます。通常、クライアント・プロセスは接続のクライアント側で使用されるポートの値と関係ないため、すべてのTCP/IP実装では、クライアント側で使用するポート値の選択をオペレーティング・システムに依存させることができます。オペレーティング・システムは、このタイプの各クライアント接続用のエフェメラル・ポートの範囲から1つのポートを選択します。

一方、サーバー・プロセス(たとえば、Oracle Application Serverプロセス)はエフェメラル・ポートを使用できません。サーバー・プロセスでは、クライアントが常に同じサーバー・ポートに接続してサーバーと通信できるように、固定のポート値を使用する必要があります。

エフェメラル・ポートとのポートの競合は、Oracle Application Serverプロセスがエフェメラル・ポートの範囲内のポートを使用するように構成されている場合に発生します。Oracle Application Serverプロセスが起動しようとすると、必要なポートがクライアント・プロセス(オペレーティング・システムからエフェメラル・ポートを割り当てられたクライアント)によって使用されていることを検出します。このクライアントは、TCP/IPを介して通信可能なコンピュータ上の任意のプロセスである可能性があります。Oracle Application Serverプロセスは、必要なポートが使用不可である場合、起動に失敗します。

この問題は、他のオペレーティング・システムと比較してMicrosoft Windowsで頻繁に発生します。これは、Windowsで使用されるエフェメラル・クライアント接続用のポートの範囲が狭いためです。

エフェメラル・ポートとの競合の回避

エフェメラル・ポートとの競合を回避するには、次の方法があります。

  • staticports.iniを使用してForms/Reports Servicesをインストールします。これによって、Forms/Reports Servicesコンポーネントがエフェメラル・ポートの範囲内のポートを使用しなくなります。staticports.iniファイルでは、1024より小さいポート番号または5000より大きいポート番号を使用します。

    詳細は、第3.3.4項「カスタム・ポート番号(静的ポート機能)の使用方法」を参照してください。

  • Forms/Reports Servicesをインストール済の場合、1024より小さいポートまたは5000より大きいポートを使用するようにコンポーネントを再構成できます。Application Serverプロセスが使用している現行のポートを変更する方法については、『Oracle Application Server管理者ガイド』を参照してください。

  • (この方法はインストール後に実行できます。)コンピュータでエフェメラル・ポートの範囲を変更します。この方法は、前述の2つの方法がいずれも実行できない場合に実行してください。この方法ではWindowsのレジストリが変更され、コンピュータで実行するすべての製品が影響を受けるため、この方法の優先順位は最も低くなります。

    この方法を実行すると、エフェメラル・ポートの範囲が新しい範囲に変更されます。変更を行う前に、コンピュータで使用しているいずれの製品(Oracle製品およびOracle以外の製品)も、エフェメラル・ポートの範囲内の非エフェメラル・ポートを使用していないことを確認する必要があります。使用している場合、その製品を新しいReservedPortsの範囲内(後述を参照)のポートに再配置する必要があります。このポートは、新しいエフェメラル・ポートの範囲の上限より大きいか、またはポート1024より小さくなります。

    このオプションを実施するには、次の手順を実行します。

    • エフェメラル・ポートの範囲の上限値を大きくして、範囲のサイズを拡張します。

    • レジストリのMaxUserPortの値を13000以上、65534以下の値に設定します。MaxUserPortは、エフェメラル・ポート範囲の上限を定義します。

      設定手順については、Microsoft Knowledge Baseのアーティクル196271(http://support.microsoft.com/default.aspx?scid=kb;[LN];196271)を参照してください。

    • 新しく拡張したエフェメラル・ポートの範囲の一部をOracle Application Serverで使用するために予約します。

    • 1024〜8000の範囲のポートをOracle Application Server用に予約するため、レジストリでReservedPortsの値を設定します。通常Oracle Application Serverは予約した範囲内のポートを使用します。

      設定手順については、Microsoft Knowledge Baseのアーティクル812873(http://support.microsoft.com/default.aspx?scid=kb;[LN];812873)を参照してください。

    • コンピュータを再起動して、変更を有効にします。

    前述の手順を実行すると、1024〜8000の範囲のポートがOracle Application Server用に予約され、8001〜13000の範囲のポートがエフェメラル・ポートの新しい範囲になります(MaxUserPortが13000に設定されている場合)。予約した範囲は通常Oracle Application Serverが使用するポートの範囲内で、エフェメラル・ポートの範囲は元のサイズと同じになります。

3.3.2 ポートの使用状況の確認方法

ポートが使用されているかどうかを調べるには、次のようにnetstatコマンドを実行します。

C:\> netstat -an | find portnum

3.3.3 デフォルトのポート番号の使用方法

コンポーネントにデフォルトのポート番号を使用する場合は、何も設定する必要はありません。各コンポーネントのポート範囲内にあるポートが少なくとも1つは使用できることを確認してください。範囲内に空きポートが見つからない場合は、インストールは失敗します。

次の点に注意してください。

  • インストーラがデフォルトのポートをコンポーネントに割り当てるのは、そのポートが他のアプリケーションによって使用されていない場合のみです。デフォルトのポートが使用中の場合、インストーラはそのコンポーネントのポート番号の範囲内にある他のポートを割り当てようとします。たとえば、中間層のOracle HTTP Serverのデフォルトの非SSLポートは80です。このポートが別のアプリケーションによって使用されている場合は、77777877の範囲内のポートが割り当てられます。

  • Oracle HTTP Serverのデフォルトのポートはインストール・タイプによって異なります(表3-4)。中間層はポート80および443を取得します。これは、中間層にアプリケーションを配置するためです。ユーザーは、中間層のOracle HTTP Server/OracleAS Web Cacheに対し、アプリケーションにアクセスするためのリクエストを送信します。

    表3-4は、デフォルトのポートが使用中である場合にOracle HTTP Serverに割り当てられるポートを示しています。

    表3-4 Oracle HTTP Serverのデフォルトのポート

    インストール・タイプ デフォルトの非SSLポート デフォルトのSSLポート

    OracleAS Infrastructure


    7777(7777 - 7877)

    4443(4443 - 4543)

    中間層

    80(7777 - 7877)

    443(4443 - 4543)


3.3.4 カスタム・ポート番号(静的ポート機能)の使用方法

コンポーネントに対してカスタム・ポート番号を割り当てるようインストーラに指示する手順は次のとおりです。

  1. コンポーネント名およびポート番号を含むファイルを作成します。ファイルの形式は、第3.3.4.1項「staticports.iniファイルの形式」を参照してください。通常、このファイルはstaticports.iniという名前にしますが、他の名前を付けることもできます。

  2. インストーラの「ポート構成オプションの指定」画面で「手動」を選択し、staticports.iniファイルへの完全パスを入力します。

    このファイルへの完全パスを指定しない場合、インストーラはこのファイルを見つけることができません。その場合は、警告が表示されることなく、すべてのコンポーネントにデフォルト・ポートが割り当てられます。

3.3.4.1 staticports.iniファイルの形式

staticports.iniファイルの形式は次のとおりです。port_numは、コンポーネントで使用するポート番号に置き換えます。

# J2EE and Web Cache
Oracle HTTP Server port = port_num
Oracle HTTP Server Listen port = port_num
Oracle HTTP Server SSL port = port_num
Oracle HTTP Server Listen (SSL) port = port_num
Oracle HTTP Server Diagnostic port = port_num
Java Object Cache port = port_num
DCM Java Object Cache port = port_num
DCM Discovery port = port_num
Oracle Notification Server Request port = port_num
Oracle Notification Server Local port = port_num
Oracle Notification Server Remote port = port_num
Application Server Control port = port_num
Application Server Control RMI port = port_num
Oracle Management Agent port = port_num
Web Cache HTTP Listen port = port_num
Web Cache HTTP Listen (SSL) port = port_num
Web Cache Administration port = port_num
Web Cache Invalidation port = port_num
Web Cache Statistics port = port_num
Log Loader port = port_num
ASG port = port_num

# Business Intelligence and Forms
Reports Services SQL*Net port = port_num
Reports Services discoveryService port = port_num
Reports Services bridge port = port_num

# Infrastructure
Oracle Internet Directory port = port_num
Oracle Internet Directory (SSL) port = port_num
Oracle Certificate Authority SSL Server Authentication port = port_num
Oracle Certificate Authority SSL Mutual Authentication port = port_num
Ultra Search HTTP port number = port_num

このファイルは、CD-ROM(Disk 1)またはDVD-ROMにあるstaticports.iniファイルをテンプレートとして使用すると簡単に作成できます。

  1. CD-ROMまたはDVD-ROMにあるstaticports.iniファイルをハード・ディスクにコピーします。

    表3-5 CD-ROMおよびDVD-ROMのstaticports.iniファイルの場所

    メディア staticports.iniファイルの場所(E:がCD-ROMまたはDVD-ROMドライブである場合)

    CD-ROM

    Disk 1: E:\stage\Response\staticports.ini

    DVD-ROM

    E:\application_server\stage\Response\staticports.ini


  2. ローカル・コピー(ハード・ディスク上のファイル)を編集して、使用するポート番号を含めます。

    staticports.iniファイルのすべてのコンポーネントのポート番号を指定する必要はありません。ファイルにコンポーネントがリストされていない場合は、インストーラはそのコンポーネントのデフォルトのポート番号を使用します。

    次の例では、Application Server Controlのポートと、OracleAS Web Cacheの一部のポートを設定します。指定されていないコンポーネントについては、デフォルトのポート番号が割り当てられます。

    Application Server Control port = 2000
    Web Cache Administration port = 2001
    Web Cache Invalidation port = 2002
    Web Cache Statistics port = 2003
    
    

    インストールの終了後に、割り当てられたポートを確認するには、portlist.iniファイルを調べます。


ポート番号の選択:


インストーラはメモリーを調べることで、ファイルで指定されたポートが使用可能かどうかを確認します。つまり、実行中のプロセスが使用しているポートしか検出できないということです。アプリケーションが使用しているポートを特定するために構成ファイルを調べることはありません。

指定されたポートが使用中であることを検出した場合、インストーラはアラートを表示します。使用中のポートは割り当てられません。この問題に対応する手順は次のとおりです。

  1. staticports.iniファイルを編集して、別のポートを指定するか、ポートを使用しているアプリケーションを停止します。

  2. 「再試行」をクリックします。インストーラがstaticports.iniファイルを再度読み取り、ファイル内のエントリをもう一度確認します。

portlist.iniファイルのstaticports.iniとしての使用

staticports.iniファイルは、Forms/Reports Servicesのインストール後に作成されるportlist.iniファイルと同じ形式になっています。Forms/Reports Servicesのインストール後に別のインストールに同じポート番号を使用する場合は、最初のインストールのportlist.iniファイルを、以降のインストールでstaticports.iniファイルとして使用できます。


注意:

staticports.iniOracle Management Agent portの行は、portlist.iniEnterprise Manager Agent portの行に該当します。

3.3.4.2 インストーラが、指定されたポートではなくデフォルトのポートを使用する原因となるエラーの状況

staticports.iniファイルを注意深く調べます。間違いがあると、インストーラが警告を表示せずにデフォルトのポートを使用する原因となります。次の点を調べてください。

  • 複数のコンポーネントに同じポートを指定した場合、インストーラは指定されたポートを最初のコンポーネントに使用し、他のコンポーネントにはそのコンポーネントのデフォルトのポートを使用します。複数のコンポーネントに同じポートを指定した場合でも、インストーラは警告を表示しません。

  • staticports.iniファイルに構文エラーがある場合は(行内に=文字が記述されていないなど)、その行は無視されます。このような行で指定されたコンポーネントについては、インストーラはデフォルトのポートを割り当てます。行に構文エラーがあっても、インストーラは警告を表示しません。

  • コンポーネント名のつづりが間違っていた場合、インストーラはそのコンポーネントにデフォルトのポートを割り当てます。ファイル内のコンポーネント名では大文字と小文字が区別されます。認識できない名前が含まれている行に対して、インストーラは警告を表示しません。

  • ポート番号に数字以外の値を指定した場合、インストーラはその行を無視し、コンポーネントにデフォルトのポート番号を割り当てます。その際、警告は表示されません。

  • staticports.iniファイルへの相対パスが指定されている場合は、インストーラはファイルを見つけることができません。インストーラは警告を表示せずに続行し、すべてのコンポーネントにデフォルトのポートを割り当てます。staticports.iniファイルへの完全パスを指定する必要があります。

3.3.4.3 Oracle HTTP ServerおよびOracleAS Web Cacheのポート

Oracle HTTP Serverのhttpd.confファイルでは、OracleAS Web CacheおよびOracle HTTP Serverで使用するポートは、PortディレクティブとListenディレクティブで指定されます。これらのポートを設定するときには、構成するコンポーネントに応じて、staticports.iniファイルの適切な行を選択します。

これらのコンポーネントのポートを設定する際は、次の内容を十分に理解しておく必要があります。

OracleAS Web CacheとOracle HTTP Serverの両方を構成する場合

  1. OracleAS Web Cacheのポートを設定します。

    OracleAS Web Cacheでは、Portディレクティブで指定されるポートが使用されます(図3-1)。このポートを設定するには、staticports.iniファイルに次の行を使用します。

    Web Cache HTTP Listen port = port_number
    
    

    OracleAS Web CacheのSSLポートを構成するには、次の行を使用します。

    Web Cache HTTP Listen (SSL) port = port_number
    
    

    この場合、Oracle HTTP Server port行を使用してポート番号を設定することはできません。staticports.iniファイルにOracle HTTP Server port行とWeb Cache HTTP Listen port行の両方が記述されている場合は、Oracle HTTP Server port行は無視されます。たとえば、次の2行がstaticports.iniにあるとします。

    Web Cache HTTP Listen port = 7979
    Oracle HTTP Server port = 8080
    
    

    Portディレクティブは7979に設定されます。

  2. Oracle HTTP Serverのポートを設定します。

    Oracle HTTP Serverでは、Listenディレクティブで指定されるポートが使用されます。このポートを設定するには、staticports.iniファイルに次の行を使用します。

    Oracle HTTP Server Listen port = port_number
    
    

    SSL Listenポートを構成するには、次の行を使用します。

    Oracle HTTP Server Listen (SSL) port = port_number
    
    

図3-1 OracleAS Web CacheとOracle HTTP Serverの両方を構成する場合

図3-1の説明が続きます。
「図3-1 OracleAS Web CacheとOracle HTTP Serverの両方を構成する場合」の説明

Oracle HTTP Serverのみを構成する場合(OracleAS Web Cacheは不使用)

Oracle HTTP Serverのみを構成する場合、Oracle HTTP ServerではPortディレクティブとListenディレクティブの両方を使用します(図3-2)。この場合、両ディレクティブが同じポート番号を使用するように設定する必要があります。

これらのポートを設定するには、staticports.iniファイルのOracle HTTP Server port行とOracle HTTP Server Listen port行を使用します。次に例を示します。

Oracle HTTP Server port = 8080
Oracle HTTP Server Listen port = 8080

これらのポートのSSLバージョンを設定するには、次の行を使用します。非SSLバージョンの場合と同様、2つの行で同じポート番号を指定する必要があります。

Oracle HTTP Server SSL port = 443
Oracle HTTP Server Listen (SSL) port = 443

staticports.iniのWeb Cache行も指定した場合、OracleAS Web Cacheは構成していないため、これらの行は無視されます。

図3-2 Oracle HTTP Serverのみを構成する場合

図3-2の説明が続きます。
「図3-2 Oracle HTTP Serverのみを構成する場合」の説明

3.4 オペレーティング・システム・ユーザー

インストールを実行するオペレーティング・システム・ユーザーは、Administratorsグループのメンバーである必要があります。


注意:

ユーザーはAdministratorsグループに直接リストされている必要があります。ユーザーは間接的にAdministratorsグループに所属することはできません(たとえば、Administratorsグループに属するグループのメンバーになるなど)。

自分がAdministratorsグループに所属しているかどうかを確認するには、次の手順を実行します。

  1. 「コンピュータの管理」ダイアログを表示します。

    Windows Server 2003 for Itanium-based Systems: デスクトップでローカル・コンピュータのアイコンを右クリックし、「管理」を選択します。

  2. 左側の「ローカル ユーザーとグループ」を開き、「ユーザー」を選択します。

  3. 右側のフレームで、ユーザーを右クリックして「プロパティ」をクリックします。「プロパティ」ダイアログが表示されます。

  4. 「プロパティ」ダイアログで、「所属するグループ」タブを選択します。

Administratorsグループのメンバーでない場合は、このグループに追加するよう管理者に依頼するか、Administratorsグループのメンバーであるユーザーとしてログインします。

3.5 環境変数

Forms/Reports Servicesをインストールするオペレーティング・システム・ユーザーは、表3-6に示す環境変数を設定または解除する必要があります。

この項の内容は次のとおりです。

表3-6 環境変数の要約

環境変数 設定または解除

ORACLE_HOMEおよびORACLE_SID


どちらでもかまわない(インストーラによってこれら2つの環境変数は解除される)。

PATHおよびCLASSPATH


Oracleホーム・ディレクトリ内にあるディレクトリの参照はできない。最大1023文字。

TEMP


省略可能。解除された場合は、C:\tempがデフォルトになる。

TNS_ADMIN


設定できない。

REPORTS_DEFAULT_DISPLAY


デフォルトではYESに設定されている。NOに設定する場合は、適切なディスプレイを指定する必要がある。


3.5.1 環境変数の設定方法

この項では、Windowsの環境変数の設定方法について説明します。

  1. 「コントロール パネル」の「システム」を表示します。

    Windows Server 2003 for Itanium-based Systems: 「スタート」→「コントロール パネル」→「システム」を選択します。

  2. 詳細設定」タブを選択します。

  3. 環境変数」をクリックします。

  4. 変数の値を変更するには、変数を選択し、「編集」をクリックします。

3.5.2 ORACLE_HOMEおよびORACLE_SID

これらの環境変数はインストーラによって解除されるため、インストーラの起動時には設定または解除のどちらの状態でもかまいません。

3.5.3 PATHおよびCLASSPATH

PATHおよびCLASSPATH環境変数がOracleホーム・ディレクトリを参照しないように編集します。

3.5.4 TEMP

インストール中、インストーラでは一時ファイルを一時ディレクトリに書き込む必要があります。デフォルトでは、一時ディレクトリはC:\tempです。

C:\temp以外の場所を一時ディレクトリにするには、TEMP環境変数に別のディレクトリへのフルパスを設定します。このディレクトリは、表3-1に示した要件を満たす必要があります。

この環境変数が未設定でデフォルト・ディレクトリに十分な容量がない場合は、環境変数が設定されていないことを示すエラー・メッセージが表示されます。その場合は、異なるディレクトリを指すように環境変数を設定するか、デフォルト・ディレクトリの容量が十分になるように解放してください。どちらを実行しても、インストールは最初からやり直す必要があります。

3.5.5 TNS_ADMIN

インストーラの実行時にTNS_ADMIN環境変数が設定されていないことを確認します。設定されている場合、インストール中にエラーが発生する可能性があります。

3.5.6 REPORTS_DEFAULT_DISPLAY

REPORTS_DEFAULT_DISPLAY環境変数は、Oracle Reportsに次の機能を実装するかどうかを指定します。

  • DISPLAYへの依存性の排除

  • フォント情報のために有効なプリンタを定義する依存性の排除

  • イメージおよびフォント情報の表面解像度に対するScreenPrinter(screenprinter.ppd)の使用

  • 拡張イメージのサポート

Oracle Reportsでは、REPORTS_DEFAULT_DISPLAY=YESの場合、DISPLAY環境変数のすべての設定値が上書きされます。REPORTS_DEFAULT_DISPLAYの詳細は、『Oracle Application Server Reports ServicesレポートWeb公開ガイド』を参照してください。


注意:

REPORTS_DEFAULT_DISPLAYはOracle Reportsに対してのみ使用され、Oracle Application Serverのインストーラには適用されません。REPORTS_DEFAULT_DISPLAYYESに設定された場合でも、インストーラではDISPLAY環境変数がそのまま使用されます。

3.6 %WINDIR%\system32\drivers\etc\hostsファイル

%WINDIR%\system32\drivers\etc\hostsファイルの内容は、次の項目に影響します。

インストーラには、hostsファイルを編集せずに必要な値を入力できる代替方法が用意されています。詳細は、次の項を参照してください。

%WINDIR%は、Windowsオペレーティング・システム・ディレクトリを指定します。通常、このディレクトリは、Windows Server 2003 for Itanium-based SystemsではC:\WINDOWSです。

3.6.1 Oracle Identity Managementのデフォルトのレルムの場所

インストーラによってhostsファイルが読み取られ、デフォルトのOracle Identity Managementレルムの場所が作成されます。「Internet Directoryのネームスペースの指定」画面にこの場所が表示されます。

hostsファイルは次のような書式になっている必要があります。

ip_address   fully_qualified_hostname   short_hostname

例:

123.45.67.89   primaryHost.mydomain.com   primaryHost

この例では、デフォルトのOracle Identity Managementレルムの場所は、dc=mydomain,dc=comのようになります。

このファイルが別の書式を使用している場合は、インストーラは正しくない値を画面に表示します。たとえば、hostsファイルに次の内容があるとします。

123.45.67.89   primaryHost   primaryHost.mydomain.com  <--- incorrect format

この場合、インストーラでは、デフォルトのOracle Identity Managementレルムとしてdc=primaryHost,dc=comが表示されます。通常、これは、デフォルトのOracle Identity Managementレルムとして指定する値ではありません。


ヒント:

hostsファイルに別の書式を使用する必要がある場合は、必要な書式が使用できるようにファイルを編集し、インストールを実行してから、インストール後にファイルを元の書式に戻すことができます。

hostsファイルを編集できない、または編集しない場合は、デフォルトのOracle Identity Managementレルムに設定する値を「Internet Directoryのネームスペースの指定」画面の「カスタム・ネームスペース」フィールドに入力できます。


3.6.2 OracleAS Single Sign-Onのホスト名

OracleAS Single Sign-Onをインストールするときに、hostsファイルにコンピュータのホスト名しかなく、ドメイン名が含まれていない場合は、ホスト名(ドメイン名なし)を使用したSingle Sign-On Serverへのサインオンのみが可能になります。

Single Sign-On Serverへの接続にドメイン名が必要になるようにするには、hostsファイルを編集し、ドメイン名を入れます。このファイルを編集しない場合は、コマンドライン・パラメータOUI_HOSTNAMEをインストーラに対して使用し、hostsの値を変更できます。次に例を示します。

E:\> setup.exe OUI_HOSTNAME=myserver.mydomain.com

3.7 ネットワーク関連のトピック

通常、Forms/Reports Servicesをインストールするコンピュータは、ネットワーク接続されており、Forms/Reports Servicesインストールを含むローカル記憶域、ディスプレイ画面、CD-ROMまたはDVD-ROMドライブを備えています。

この項では、このような一般的な使用例に該当しないコンピュータへのForms/Reports Servicesのインストール方法について説明します。この項は、次のトピックで構成されています。

3.7.1 DHCPコンピュータへのインストール

Forms/Reports ServicesをDHCPコンピュータで実行するには、次の制限があります。 DHCPコンピュータ上のForms/Reports Servicesのインスタンスは、他のコンピュータ上で実行されているインスタンスと通信できません。互いに通信する必要があるインスタンスはすべて、同じコンピュータ上で実行する必要があります。クライアントに関する制限事項はありません。他のコンピュータのクライアントは、ネットワーク上でDHCPコンピュータを特定できるかぎり、DHCPコンピュータで実行されているインスタンスにアクセスできます。

3.7.2 マルチホーム(マルチIP)コンピュータへのインストール

マルチホーム・コンピュータは、複数のIPアドレスに関連付けられます。これは複数のネットワーク・カードをコンピュータに装着することで可能となります。各IPアドレスはホスト名に関連付けられています。さらに、ホスト名の別名を設定することもできます。デフォルトでは、Oracle Universal InstallerはORACLE_HOSTNAME環境変数の設定を使用して、ホスト名を検出します。ORACLE_HOSTNAMEが設定されていない場合に、複数のネットワーク・カードを持つコンピュータにForms/Reports Servicesをインストールすると、ホスト・ファイル(通常DRIVE_LETTER:\WINDOWS\system32\drivers\etc内)にある最初の名前を使用してホスト名が決められます。

使用するホスト名を先頭にするには、このファイルの行の並替えが必要な場合があります。ファイルはインストールの終了後、元の順序に戻せます。

このホスト名(またはこのホスト名の別名)を使用して、クライアントがコンピュータにアクセスできるようにする必要があります。そのことを確認するには、クライアント・コンピュータから短縮名(ホスト名のみ)およびフルネーム(ホスト名.ドメイン名)を使用してホスト名に対するPingを実行します。これらは、両方とも正常に実行される必要があります。

3.7.3 複数の別名を持つコンピュータへのインストール

複数の別名を持つコンピュータとは、同一のIPで複数の別名をネーミング・サービスに登録しているコンピュータです。ネーミング・サービスはこれらの別名を名前解決して、同一のコンピュータを指定します。このようなコンピュータにOracle Application Serverをインストールする場合は、環境変数ORACLE_HOSTNAMEを、使用するホスト名を持つコンピュータにあらかじめ設定しておきます。

環境変数の設定の詳細は、第3.5.1項「環境変数の設定方法」を参照してください。

3.7.4 ネットワーク接続されていないコンピュータへのインストール

Forms/Reports Servicesは、ノート・コンピュータのような、ネットワーク接続されていないコンピュータにもインストールできます。ネットワーク接続されていないコンピュータは、他のコンピュータにアクセスできないため、必要なコンポーネントがすべてインストールされている必要があります。次に例を示します。

ネットワーク接続されていないコンピュータにForms/Reports Servicesをインストールする場合でも、コンピュータにはネットワーク機能が必要であることに注意してください。ネットワーク接続されていないとは、コンピュータがネットワーク接続されていない状態を意味します。

ネットワーク接続されていないコンピュータにForms/Reports Servicesをインストールし、インストール後もそのコンピュータをネットワークに接続しない場合は、そのネットワーク接続されていないコンピュータにOracle Application Serverをインストールできます。

ただし、インストール後にコンピュータをネットワークに接続する場合は、ネットワーク接続されていないコンピュータにForms/Reports Servicesをインストールする前に、次の手順を実行します。

  1. ループバック・アダプタをコンピュータにインストールします。第3.7.6項「ループバック・アダプタのインストール」を参照してください。

    ループバック・アダプタとローカルIPアドレスが、ネットワーク・コンピュータをシミュレートしたものになります。コンピュータをネットワークに接続する場合でも、Forms/Reports ServicesではローカルIPおよびホスト名を使用します。

  2. ホスト名のみを使用して、および完全修飾名を使用して、対象のコンピュータに対しそのコンピュータ自体からpingします。

    たとえば、mycomputerというコンピュータにループバック・アダプタをインストールした場合は、次のように指定します。

    prompt> ping mycomputer                Ping itself using just the hostname.
    Reply from 10.10.10.10                    Returns loopback adapter IP.
    prompt> ping mycomputer.mydomain.com   Ping using a fully qualified name.
    Reply from 10.10.10.10                    Returns loopback adapter IP.
    
    

    注意:

    テスト対象のコンピュータからそれ自体にPingを実行すると、pingコマンドでループバック・アダプタのIPが返されます。

    pingが失敗した場合は、ネットワーク管理者に問い合せてください。

インストール後にコンピュータをネットワークに接続する場合

インストール後にコンピュータをネットワークに接続すると、コンピュータ上のForms/Reports Servicesインスタンスがネットワーク上の他のインスタンスと連動するようになります。コンピュータにはループバック・アダプタをインストールしておく必要があることに注意してください。コンピュータは、接続先のネットワークに応じて、静的IPまたはDHCPを使用できます。

詳細は、『Oracle Application Server管理者ガイド』を参照してください。

3.7.5 後でネットワークから切断する静的IPのコンピュータへのインストール

静的IPを持つ、ネットワーク接続されているコンピュータにForms/Reports Servicesをインストールし、コンピュータをネットワークから切断したときにもForms/Reports Servicesを実行できるようにするには、Forms/Reports Servicesをインストールする前に次の手順を実行する必要があります。

  1. ループバック・アダプタをコンピュータにインストールします。詳細は、第3.7.6項「ループバック・アダプタのインストール」を参照してください。

    ループバック・アダプタを使用しないと、コンピュータをネットワークから切断したときに静的IPが使用不可になり、Forms/Reports Servicesを正しく機能できなくなります。

  2. ループバック・アダプタがプライマリ・ネットワーク・アダプタであることを確認します。確認するには、テスト対象のコンピュータからそれ自体にPingを実行します。その際には、(1)ホスト名のみを指定したPingと、(2)完全修飾名を指定したPingを実行します。

    たとえば、mycomputerというコンピュータにループバック・アダプタをインストールした場合は、次のコマンドを実行します。

    prompt> ping mycomputer                Ping itself using just the hostname.
    Reply from 10.10.10.10                    Returns loopback adapter IP.
    prompt> ping mycomputer.mydomain.com   Ping using a fully qualified name.
    Reply from 10.10.10.10                    Returns loopback adapter IP.
    
    

    テスト対象のコンピュータからそれ自体にPingを実行すると、pingコマンドでループバック・アダプタのIPが返されます。コンピュータのネットワークIPは返されません。

これらの手順は、コンピュータが静的IPまたはDHCPのいずれを使用している場合にも必要です。ご使用のコンピュータがDHCPコンピュータであり、ループバック・アダプタが必要なことがわかっている場合は、第3.7.1項「DHCPコンピュータへのインストール」を参照してください。

コンピュータをネットワークから切断すると、ネットワークのリソースにはアクセスできなくなります。コンピュータに必要なすべてのインスタンス(OracleAS Infrastructureや中間層など)がインストールされていることを確認します。

3.7.6 ループバック・アダプタのインストール

ループバック・アダプタは、次のすべてのシナリオで必要です。

ループバック・アダプタをインストールする手順は、Windowsのバージョンによって異なります。

3.7.6.1 コンピュータにループバック・アダプタがインストールされているかどうかの確認

コンピュータにループバック・アダプタがインストールされているかどうかを確認するには、ipconfig /allコマンドを実行します。

prompt> ipconfig /all

ループバック・アダプタがインストールされている場合は、ループバック・アダプタの値をリストするセクションが表示されます。次に例を示します。

Ethernet adapter Local Area Connection 2:
  Connection-specific DNS Suffix  . :
  Description . . . . . . . . . . . : Microsoft Loopback Adapter
  Physical Address. . . . . . . . . : 02-00-4C-4F-4F-50
  DHCP Enabled. . . . . . . . . . . : Yes
  Autoconfiguration Enabled . . . . : Yes
  Autoconfiguration IP Address. . . : 169.254.25.129
  Subnet Mask . . . . . . . . . . . : 255.255.0.0

3.7.6.2 Windows Server 2003 for Itanium-based Systemsへのループバック・アダプタのインストール

ループバック・アダプタをWindows Server 2003またはWindows XPにインストールする手順は次のとおりです。

  1. Windowsのコントロール・パネルを開きます。

    Windows Server 2003: 「スタート」→「コントロール パネル」→「システム」を選択します。

    Windows XP: 「スタート」→「コントロール パネル」を選択し、「システム」をダブルクリックします。

  2. ハードウェアの追加」をダブルクリックして、ハードウェアの追加ウィザードを起動します。

  3. 「ハードウェアの追加ウィザードの開始」ウィンドウで「次へ」をクリックします。

  4. 「ハードウェアは接続されていますか?」ウィンドウで、「はい、ハードウェアを接続しています」を選択し、「次へ」をクリックします。

  5. 「次のハードウェアは既にコンピュータ上にインストールされています。」ウィンドウに、インストールされているハードウェアの一覧が表示されます。「新しいハードウェア デバイスの追加」を選択して、「次へ」をクリックします。

  6. 「ウィザードで、ほかのハードウェアをインストールできます。」ページで、「一覧から選択したハードウェアをインストールする」を選択し、「次へ」をクリックします。

  7. 「次の一覧からインストールするハードウェアの種類を選択してください。」ウィンドウで、「ネットワーク アダプタ」を選択して、「次へ」をクリックします。

  8. 「ネットワーク アダプタの選択」ウィンドウで、次の手順を実行します。

    • 製造元: 「Microsoft」を選択します。

    • ネットワーク アダプタ: 「Microsoft Loopback Adapter」を選択します。

  9. 次へ」をクリックします。

  10. 「ハードウェアをインストールする準備ができました。」ウィンドウで、「次へ」をクリックします。

  11. 「ハードウェアの追加ウィザードの完了」ウィンドウで、「完了」をクリックします。

  12. Windows Server 2003を使用している場合は、コンピュータを再起動します。

  13. デスクトップの「マイ ネットワーク」を右クリックして、「プロパティ」を選択します。「コントロール パネル」の「ネットワーク接続」が表示されます。

  14. 先ほど作成した接続を右クリックします。これは通常、「ローカル エリア接続2」となります。「プロパティ」をクリックします。

  15. 全般」タブで「インターネット プロトコル (TCP/IP)」を選択して、「プロパティ」をクリックします。

  16. プロパティ・ダイアログ・ボックスで、「次の IP アドレスを使う」をクリックし、次の手順を実行します。

    1. IP アドレス: ループバック・アダプタ用にルーティング不可能なIPを入力します。次のルーティング不能なアドレスを使用することをお薦めします。

      • 192.168.x.xxは1〜255の任意の値)

      • 10.10.10.10

    2. サブネット マスク: 255.255.255.0と入力します。

    3. 入力した値を記録しておきます。この値は、この後の手順で必要になります。

    4. その他のフィールドは空白にしておきます。

    5. OK」をクリックします。

  17. 「ローカル エリア接続2のプロパティ」ダイアログで「OK」をクリックします。

  18. ネットワーク接続」を閉じます。

  19. コンピュータを再起動します。

  20. C:\winnt\system32\drivers\etc\hostsファイルで、localhost行のすぐ後に、次の書式の行を追加します。

    IP_address   hostname.domainname   hostname
    
    

    説明:

    • IP_addressは、手順14で入力したルーティング不能なIPアドレスです。

    • hostnameは、コンピュータの名前です。

    • domainnameは、ドメインの名前です。

    次に例を示します。

    10.10.10.10   mycomputer.mydomain.com   mycomputer
    
    
  21. ネットワーク構成を確認します。

    1. 「コントロール パネル」の「システム」を開き、「コンピュータ名」タブを選択します。「フル コンピュータ名」に、ホスト名とドメイン名が表示されていることを確認します。たとえば、sales.us.mycompany.comと表示されます。

    2. 変更」をクリックします。「コンピュータ名」にはホスト名、「フル コンピュータ名」にはホスト名とドメイン名が表示されます。前の例を使用すると、ホスト名はsales、ドメイン名はus.mycompany.comとなります。

    3. 詳細」をクリックします。「このコンピュータのプライマリ DNS サフィックス」に、ドメイン名が表示されます。たとえば、us.mycompany.comと表示されます。

3.7.6.3 ホスト名の確認

DHCPサーバーによって(IPアドレスの割当て以外に)コンピュータのホスト名も割り当てられる場合、インストーラは、ユーザーがローカルに定義したホスト名のかわりにこのホスト名を使用する場合があります。

インストーラでローカルのホスト名を使用するには、2つの方法があります。

  • 方法1: OUI_HOSTNAMEパラメータを指定してインストーラを起動します。このパラメータで、使用するホスト名を指定します。

    E:\> setup.exe OUI_HOSTNAME=myhostname.mydomain.com
    
    
  • 方法2: インストーラを実行する前に、C:\winnt\system32\drivers\etc\hostsファイルに次の書式で行を追加します。

    IP_address   hostname.domainname   hostname
    
    

    この行は、ファイル内のlocalhost行の後にある必要があります。

    IP_addressを、ループバック・アダプタのIPアドレスに置き換えます。これは、ルーティング不能なIPアドレスにする必要があります。

    hostnamedomainnameを、適切な値に置き換えます。

    例:

    10.10.10.10   mycomputer.mydomain.com   mycomputer
    
    

Oracle Application Serverをインストール済である場合は、『Oracle Application Server管理者ガイド』に記載されているIP/ホスト名の変更手順を使用して、インストール後にホスト名を変更できます。

3.7.6.4 Windows Server 2003 for Itanium-based Systemsからのループバック・アダプタの削除

Windows Server 2003 for Itanium-based Systemsのループバック・アダプタを削除する手順は次のとおりです。

  1. 「コントロール パネル」の「システム」を表示します。

    Windows Server 2003: 「スタート」→「コントロール パネル」→「システム」を選択します。

  2. 「ハードウェア」タブで、「デバイス マネージャ」をクリックします。

  3. 「デバイス マネージャ」ウィンドウで、「ネットワーク アダプタ」を開きます。「Microsoft Loopback Adapter」が表示されます。

  4. Microsoft Loopback Adapter」を右クリックし、「削除」を選択します。

  5. OK」をクリックします。

3.7.7 CD-ROMまたはDVD-ROMからハード・ドライブへのコピーを使用した、ハード・ドライブからのインストール

Forms/Reports ServicesのCD-ROMまたはDVDからインストールするかわりに、CD-ROMまたはDVDの内容をハード・ドライブにコピーし、ハード・ドライブからインストールできます。この方法は、Forms/Reports Servicesの多数のインスタンスをネットワーク経由でインストールする場合や、Forms/Reports ServicesをインストールするコンピュータにCD-ROMまたはDVD-ROMドライブが搭載されていない場合に向いている場合があります。

また、リモートのCD-ROMまたはDVD-ROMドライブからインストールすることもできます。第3.7.8項「リモートのCD-ROMまたはDVD-ROMドライブからのインストール」を参照してください。

ハード・ドライブからインストールするときは、CD-ROMの交換を求めるメッセージは表示されません。適切な場所にコピーされている場合は、インストーラが自動的にファイルを探します。

他のコンピュータからハード・ドライブへアクセスする場合

CD-ROMまたはDVD-ROMの内容をコピーしたハード・ドライブから、リモート・コンピュータにForms/Reports Servicesをインストールする手順は次のとおりです。

  1. ローカル・コンピュータでハード・ドライブを共有します。

  2. Forms/Reports Servicesをインストールするコンピュータで、共有されたハード・ドライブへのマッピングを行います。

  3. Forms/Reports Servicesをインストールするリモート・コンピュータで、インストーラを起動します。


注意:

インストーラにアクセスするには、マッピングされたドライブのドライブ文字を使用する必要があります(H:\orawinfrs_10_1_2\setup.exeなど)。

汎用命名規則(UNC)の構文(\\hostname\sharename)を使用してインストーラにアクセスすることはできません。

CD-ROMをコピーするには

  1. 親ディレクトリ(たとえば、orawinfrs)を作成し、その親ディレクトリ下にDisk1Disk2という名前のサブディレクトリを作成します(Disk 3以降も同様)。サブディレクトリの名前は、DiskNにする必要があります(NはCD-ROM番号)。

  2. 各CD-ROMの内容を該当するディレクトリにコピーします。ファイルは、Windowsエクスプローラまたはコマンドラインを使用してコピーできます。コマンドラインを使用する場合は、xcopyコマンドを使用できます。

    次の例では、ドライブE:がCD-ROMドライブで、C:\orawinfrs\DiskNは、CD-ROMのコピー先のディレクトリであると想定します。

    E:\> xcopy /e /i E:\1012disk1 C:\orawinfrs\Disk1
    E:\> xcopy /e /i E:\1012disk2 C:\orawinfrs\Disk2
    ... Repeat for each CD-ROM.
    
    

コピーしたファイルからインストーラを実行するには、Disk1ディレクトリのrunInstaller実行可能プログラムを起動します。このファイルは、Forms/Reports Servicesが実行されるコンピュータで実行します。

C:\> cd orawinfrs\Disk1
C:\orawinfrs\Disk1> setup.exe

DVD-ROMからorawinfrsディレクトリをコピーするには

orawinfrsディレクトリを、Windowsエクスプローラまたはコマンドラインを使用してコピーします。コマンドラインを使用する場合の手順は次のとおりです。

  1. (省略可能)orawinfrsディレクトリの内容を保存するディレクトリを作成します。

  2. orawinfrsディレクトリをDVD-ROMからハード・ディスクにコピーします。

次の例では、ドライブE:がDVD-ROMドライブで、C:\orawinfrsがコピー先のディレクトリであると想定します。

E:\> xcopy /e /i E:\orawinfrs C:\orawinfrs

コピーしたファイルからインストーラを実行するには、Forms/Reports Servicesが実行されるコンピュータでsetup.exe実行可能プログラムを起動します。

C:\> cd orawinfrs
C:\orawinfrs> setup.exe

3.7.8 リモートのCD-ROMまたはDVD-ROMドライブからのインストール

Forms/Reports ServicesをインストールするコンピュータにCD-ROMまたはDVD-ROMドライブが搭載されていない場合は、リモートのCD-ROMまたはDVD-ROMドライブからインストールを実行できます。それには次の手順を実行します。

リモート・コンピュータのCD-ROMドライブまたはDVD-ROMドライブを共有する場合

リモートCD-ROMドライブまたはDVD-ROMドライブは、共有してアクセスを許可する必要があります。これを設定するには、CD-ROMドライブまたはDVD-ROMドライブが存在するリモート・コンピュータで次の手順を実行します。

  1. リモート・コンピュータにAdministratorユーザーとしてログオンします。

  2. Windowsエクスプローラを起動します。

  3. CD-ROMまたはDVD-ROMドライブ文字を右クリックし、「共有」(Windows 2000)または「共有とセキュリティ」(Windows Server 2003、Windows XP)を選択します。

  4. 共有」タブで、次を行います(図3-3)。

    「このフォルダを共有する」を選択します。

    共有名: cdromまたはdvdなどの名前を指定します。この名前は、ローカル・コンピュータからCD-ROMドライブまたはDVD-ROMドライブにマッピングするときに使用します。

    アクセス許可」をクリックします。このフォルダにアクセスしてForms/Reports Servicesをインストールするユーザーは、少なくとも読取りアクセス許可が必要です。

    終了したら、「OK」をクリックします。

    図3-3 CD-ROMドライブの共有

    CD-ROMドライブの共有
    「図3-3 CD-ROMドライブの共有」の説明

  5. CD-ROM: Forms/Reports ServicesのDisk 1をCD-ROMドライブに挿入します。

    DVD-ROM: Forms/Reports ServicesのDVDをDVD-ROMドライブに挿入します。

3.7.9 リモート・コンピュータでのインストール

リモート・コンピュータにForms/Reports Servicesをインストールして実行するとき(つまり、リモート・コンピュータにハード・ドライブがあり、Forms/Reports Servicesコンポーネントを実行するとき)、そのコンピュータに物理的にアクセスできない場合でも、リモート・コンピュータでVNCまたはSymantec社のpcAnywhereなどのリモート・コントロール・ソフトウェアが実行されていれば、インストールできます。この場合、ローカル・コンピュータでもリモート・コントロール・ソフトウェアが稼動している必要があります。

次の2つの方法のどちらかを使用して、リモート・コンピュータにForms/Reports Servicesをインストールできます。

  • Forms/Reports ServicesのCD-ROMまたはDVDの内容をハード・ドライブにコピーして、ハード・ドライブからインストールします。

  • ローカル・コンピュータのCD-ROMまたはDVDドライブにCD-ROMまたはDVDを挿入して、CD-ROMまたはDVD-ROMからインストールします。

ハード・ドライブからのインストール

Forms/Reports ServicesのCD-ROMまたはDVDの内容をハード・ドライブにコピーして、ハード・ドライブからインストールします。

手順は次のとおりです。

  1. リモート・コントロール・ソフトウェアがインストールされていて、リモートおよびローカル・コンピュータで実行されていることを確認します。

  2. Forms/Reports ServicesのCD-ROMまたはDVDをコピーしたハード・ドライブを共有します。

  3. リモート・コンピュータで、共有ハード・ドライブへのドライブ文字のマッピングを行います。リモート・コントロール・ソフトウェアを使用して、リモート・コンピュータでこれを実行します。

  4. リモート・コントロール・ソフトウェアを使用して、リモート・コンピュータでインストーラを実行します。共有ハード・ドライブからインストーラにアクセスします。

リモートのCD-ROMまたはDVD-ROMドライブからのインストール

ローカル・コンピュータのCD-ROMまたはDVDドライブにCD-ROMまたはDVDを挿入して、CD-ROMまたはDVD-ROMからインストールします。これは、第3.7.8項「リモートのCD-ROMまたはDVD-ROMドライブからのインストール」に説明されているシナリオに似ています。

手順は次のとおりです。

  1. リモート・コントロール・ソフトウェアがインストールされていて、リモートおよびローカル・コンピュータで実行されていることを確認します。

  2. ローカル・コンピュータのCD-ROMドライブまたはDVD-ROMドライブを共有します。

    リモート・コンピュータで、共有のCD-ROMドライブまたはDVD-ROMドライブのドライブ文字をマッピングします。リモート・コントロール・ソフトウェアを使用して、リモート・コンピュータでこれを実行します。

    この手順は、第3.7.8項「リモートのCD-ROMまたはDVD-ROMドライブからのインストール」に説明されています。

  3. リモート・コントロール・ソフトウェアを使用して、リモート・コンピュータでインストーラを実行します。共有CD-ROMまたはDVD-ROMドライブからインストーラにアクセスします。

3.8 インストーラが実行する前提条件チェック

表3-7に、インストーラが実行するチェックの一覧を示します。

表3-7 インストーラが実行する前提条件チェック

項目 説明

ユーザー

ユーザーが管理者権限を持っているかどうかをチェックします。

CPU

CPUが最低処理速度を満たしているかどうかをチェックします。

オペレーティング・システムのバージョン

サポートされるバージョンは、表3-1を参照してください。

WindowsのService Pack

サポートされるService Packは、表3-1を参照してください。

メモリー

推奨値については、表3-1を参照してください。

合計ページファイル・サイズ(仮想メモリー)

推奨値については、表3-1を参照してください。

スワップ領域

推奨値については、表3-1を参照してください。

TMP領域

推奨値については、表3-1を参照してください。

インスタンス名

Forms/Reports Servicesをインストールするコンピュータに同じ名前のインスタンスが存在しないことを確認します。

Oracleホーム・ディレクトリ名

Oracleホーム・ディレクトリ名にスペースが含まれていないかどうかをチェックします。

Oracleホーム・ディレクトリへのパス

Oracleホーム・ディレクトリへのパスの長さが最大127文字であるかどうかをチェックします。

Oracleホーム・ディレクトリの内容

Oracleホーム・ディレクトリに、インストール障害を引き起こすファイルが含まれていないかどうかをチェックします。

Oracleホーム・ディレクトリ

中間層を拡張する場合と、Oracle Developer Suiteが配置されたOracleホームに中間層をインストールする場合以外は、新しいディレクトリにForms/Reports Servicesをインストールする必要があります。ここで、許可されていないインストール例をいくつか紹介します。

  • Oracle Management ServiceのOracleホームへの、Oracle Application Server 10gのインストール

  • Oracle Collaboration SuiteのOracleホームへの、Oracle Application Server 10gのインストール

  • スタンドアロンのOracle HTTP ServerのOracleホームへの、Oracle Application Server 10gのインストール

  • スタンドアロンのOracleAS Web CacheのOracleホームへの、Oracle Application Server 10gのインストール

  • Oracle Application Server 10g Forms and Reports Services中間層またはOracleAS Developer Kits 10gのOracleホームへの、OracleAS Infrastructure 10gのインストール

静的ポートの競合

staticports.iniファイルにポートが指定されている場合は、ファイルにリストされているポートをチェックします。staticports.iniファイルの詳細は、第3.3項「ポート」を参照してください。

モニター

最低でも256色表示するよう構成されているかどうかをチェックします。

クラスタ・ファイル・システム

インストーラにより、Oracle Application Serverをクラスタ・ファイル・システム(CFS)にインストールするのではないことがチェックされます。

表示権限

ユーザーにDISPLAY環境変数で指定されているモニターで表示する権限が与えられているかどうかをチェックします。

DISPLAY環境変数

DISPLAY環境変数が設定されているかどうかをチェックします。

Oracle Enterprise Managerディレクトリの書込み確認

中間層を実行する場合、またはForms/Reports Servicesを同じOracleホームに再インストールする場合にのみチェックします。インストーラを実行するオペレーティング・システム・ユーザーが、次のディレクトリに書き込むことができるかどうかをチェックします。

  • %ORACLE_HOME%\sysman\emd

  • %ORACLE_HOME%\sysman\config

  • %ORACLE_HOME%\sysman\webapps\emd\WEB-INF\config

Oracle Enterprise Managerファイルの有無

中間層を実行する場合、またはForms/Reports Servicesを同じOracleホームに再インストールする場合にのみチェックします。次のファイルが存在するかどうかをチェックします。

  • %ORACLE_HOME%\sysman\config\iasadmin.properties

  • %ORACLE_HOME%\sysman\webapps\emd\WEB-INF\config\consoleConfig.xml