この章では、アップグレードの計画に必要な情報と、Oracle WSM 10gリリース3(10.1.3.3.0)のアップグレード手順の概要を説明します。
この章には、次の項目があります。
Oracle WSM 10gリリース2(10.1.2)システムをOracle WSM 10gリリース3(10.1.3.3.0)にアップグレードするには、まず10.1.2システムを10.1.3.1.0にアップグレードする必要があります。Oracle WSM 10gリリース3(10.1.3.3.0)をインストールし、次に10.1.2のデータおよびファイルを10.1.3.1.0に移行するための移行ツールを実行します。移行後、10.1.3.1.0へのアップグレードを完了するために、いくつかの移行後タスクを実行する必要があります。
システムを10.1.3.1.0にアップグレードすると、Oracle Application Server 10gリリース3(10.1.3)Patch Set 3(10.1.3.3.0)のパッチを適用するように指示があります。これにより、システムがOracle WSM 10gリリース3(10.1.3.3.0)にアップグレードされます。
注意: このマニュアルでは、10gリリース3(10.1.3.1.0)および10gリリース3(10.1.3.3.0)という、リリース番号が類似している2つのOracle WSMリリースに言及しています。マニュアルを読む際には、この違いにご注意ください。 |
サポートされているOracle WSM 10gのアップグレード・パスは次のとおりです。
バージョン10.1.2からバージョン10.1.3.1.0
バージョン10.1.3.1.0からバージョン10.1.3.3.0
サポートされているアップグレード・プラットフォームは、Microsoft Windows(32-bit)上のMicrosoft Windows 2000 SP4およびLinux x86上のRedhat Linux AS 3.0です。
注意: Oracle WSMの製品インストールのアップグレードのみがサポートされています。 |
サード・パーティ製のアプリケーション・サーバーにインストールされたサーバー・エージェント
Oracle WSM 10gリリース3(10.1.3.1.0)Server Agentは、次のアプリケーション・サーバーでサポートされています。
Microsoft Windows Server 2000上のIBM WebSphere 6.1
Microsoft Windows Server 2000上のBEA WebLogic 9.1
Red Hat Linux 4.0上のRed Hat JBoss 4.0.4
Oracle WSM 10gリリース3(10.1.3.1.0)Server Agentは、アップグレードされたOracle WSM 10gリリース3(10.1.3.3.0)のコンポーネントと連携します。ただし、現時点では、これらのサード・パーティ・エージェント用のOracle WSM 10gリリース3(10.1.3.3.0)のパッチはありません。
Oracle WSM 10gリリース3(10.1.3.3.0)へのアップグレードに必要なシステム要件については、『Oracle Web Services Managerインストレーション・ガイド』を参照してください。
アップグレード手順では、Oracle Database 10gのみがサポートされています。Oracle9i Database Serverを実行している場合は、Oracle WSM 10gリリース3(10.1.3.1.0)にアップグレードする前に、データベースをOracle Database 10gにアップグレードする必要があります。Oracle WSM 10gリリース3(10.1.3.1.0)でサポートされているデータベースの詳細は、『Oracle Web Services Managerデプロイメント・ガイド』を参照してください。
Oracle WSM 10gリリース3(10.1.3.1.0)では、Oracle Liteデータベースの移行はサポートされていません。
Oracle WSM 10gリリース2(10.1.2)からOracle WSM 10gリリース3(10.1.3.1.0)へのアップグレードを計画するには、Oracle WSM 10.1.3.1.0 Policy Managerの新機能について理解する必要があります。Oracle WSM 10.1.3.1.0 Policy Managerでは、リクエスト側のOracle Web Services Manager Gateway(ゲートウェイ)のバージョンを確認できます。これにより、Oracle WSM 10.1.3.1.0 Policy Managerがゲートウェイからのリクエストに応答する方法が変更されています。
次の項では、Oracle WSM 10gリリース3(10.1.3.1.0)Policy ManagerがOracle WSM Gatewayからのリクエストに応答する方法を説明します。
Oracle WSM 10.1.3.1.0 Policy Managerでは、Oracle WSM 10.1.2 GatewayからのリクエストとOracle WSM 10.1.3.1.0 Gatewayからのリクエストが区別されます。ゲートウェイがサービスを要求すると、Oracle WSM 10.1.3.1.0 Policy Managerでは、まずリクエスト側ゲートウェイのバージョンを確認します。リクエスト側ゲートウェイがOracle WSM 10.1.2 Gatewayである場合、Oracle WSM 10.1.3.1.0 Policy ManagerはOracle WSM 10.1.2 Gatewayにテキスト・パスワードを返送します。リクエスト側ゲートウェイがOracle WSM 10.1.3.1.0 Gatewayである場合、Oracle WSM 10.1.3.1.0 Policy ManagerはOracle WSM 10.1.3.1.0 Gatewayに難読化したパスワードを返送します。一方、Oracle WSM Gatewayでは、Oracle WSM Policy Managerのバージョンは確認されません。
このため、Oracle WSM 10.1.2 Gatewayをアップグレードする前に、デプロイメント内のすべてのOracle WSM 10.1.2 Policy Managerを、Oracle WSM 10.1.3.1.0にアップグレードする場合があります。この場合、ゲートウェイは継続して機能し、Oracle WSM Policy Managerとゲートウェイとのバージョンの不一致が原因でサービスが中断されることはありません。
Oracle WSMのデプロイメントでは、ゲートウェイの数が常にOracle WSM Policy Managerの数よりも多いため、まずOracle WSM Policy Managerをアップグレードするほうが簡単です。後で都合のよいときに、ゲートウェイを移行できます。
分散環境にデプロイされているOracle WSM 10.1.2インストールをアップグレードする場合は、「分散環境からのアップグレード」で、この手順の実行方法の例を参照してください。
Oracle WSM 10gリリース3(10.1.3.3.0)にアップグレードする前に、既存のOracle WSM 10gリリース2(10.1.2)のデータをバックアップする必要があります。Oracle WSM 10.1.2からOracle WSM 10.1.3.1.0への移行中にエラーが発生した場合、データをリカバリできます。
Oracle WSM 10gリリース2(10.1.2)からOracle WSM 10gリリース3(10.1.3.3.0)へのアップグレード手順の概要は、次のとおりです。
Oracle WSM 10gリリース3(10.1.3.1.0)をインストールします。
Oracle WSM 10gリリース3(10.1.3.1.0)は、次のいずれかの方法でインストールできます。
Oracle WSMをOracle Application Server 10gリリース3(10.1.3.1.0)の一部としてインストールできます。詳細は、ご使用のプラットフォーム用のOracle Application Serverのインストレーション・ガイドを参照してください。
Oracle WSMをスタンドアロン製品としてインストールできます。詳細は『Oracle Web Services Managerインストレーション・ガイド』を参照してください。
Oracle WSM 10gリリース2(10.1.2)をOracle WSM 10gリリース3(10.1.3.1.0)に移行します。移行ツールにより、プロパティ・ファイル、構成ファイルが移行され、データベース・スキーマが更新されます。また、必要に応じてデータが更新されます。
移行後タスクを実行します。
Oracle Application Server 10gリリース3(10.1.3)Patch Set 3(10.1.3.3.0)を適用します。
この後の章では、これらの手順を詳細に説明します。