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Oracle Application Serverリリース・ノート
10gリリース3(10.1.3.2.0) for Microsoft Windows
E05052-04
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11 高可用性

この章では、可用性の高いトポロジに関する問題について説明します。この章の内容は次のとおりです。

11.1 Configuration Issues and Workarounds

この項では、構成に関する問題およびその回避方法について説明します。内容は次のとおりです。

11.1.1 Compatible ASG Releases for OracleAS Instances from Different Oracle Application Server Releases

デフォルトでは、特定リリースのOracle Application Serverを使用してOracle Application Serverインスタンスをインストールする場合、特定リリースのApplication Server Guard(ASG)がそのインスタンスのOracleホームにインストールされます。ASGは、OracleAS障害時リカバリ・トポロジに含めるスタンドアロンのホスト(Oracleデータベースなどの外部リソースが配置されている)にもインストールします。

複数のリリースのASGを使用できます。場合によっては、Oracle Application Serverインスタンスのインストール時にそのインスタンスのホームにインストールされたASGリリースをアップグレードすることが可能です(推奨)。Oracle Application ServerインスタンスのホームのASGリリースをアップグレードするには、推奨されるASGリリースのASGスタンドアロン・キットをOracle Technology Network(OTN)からダウンロードし、そのASGスタンドアロン・キットを使用して、推奨されるASGリリースをホームにインストールします。ASGスタンドアロン・キットを使用して、OracleAS障害時リカバリ・トポロジに含めるスタンドアロンのホストにもASGをインストールします。

表11-1および表11-2を使用して、特定のOracle Application ServerリリースのApplication Serverインスタンスのホームにインストールするときに、特定のASGリリースが互換性を持つかどうかを判断します。表の左の列は、ASGスタンドアロン・インストール・キットが使用できる各種ASGリリースを示しています。残りの列は、Oracle Application Serverインスタンスを作成できる各種Oracle Application Serverリリースを示しています。

次に、表11-1および表11-2のエントリの意味を説明します。

  • N: このASGリリースは、このOracle Application Serverリリースのインスタンスと互換性がありません。

  • X: このASGリリースは、このOracle Application ServerリリースのインスタンスのOracleホームにインストールできません。

  • Y-NR: このASGリリースは、このOracle Application Serverリリースのインスタンスと互換性がありますが、このASGリリースをインスタンスのOracleホームにインストールすることはお薦めしません。別のASGリリースをお薦めします。

  • Y: このASGリリースは、このOracle Application Serverリリースのインスタンスと互換性があります。このASGリリースをインスタンスのOracleホームにインストールすることをお薦めします。

表11-1に、Oracle Application Server 10.1.2.0.2〜10.1.3.3のOracle Application Serverインスタンスに互換性のあるASGリリースを示します。

表11-1 リリース10.1.2.0.2〜10.1.3.3のOracleASインスタンスに互換性のあるASGリリース

ASGリリース 10.1.2.0.2 OracleASインスタンス 10.1.2.1 OracleASインスタンス 10.1.2.2 OracleASインスタンス 10.1.3.0 OracleASインスタンス 10.1.3.1 OracleASインスタンス 10.1.3.2 OracleASインスタンス 10.1.3.3 OracleASインスタンス

10.1.2.0.2

Y-NR

X

X

N

N

N

N

10.1.2.2

Y

Y

Y

N

N

N

N

10.1.2.2.1(ASGのみのリリース)脚注1

Y

Y

Y

N

N

N

N

10.1.3.0

N

N

N

Y-NR

X

N

X

10.1.3.1

N

N

N

Y-NR

Y-NR

Y-NR

X

10.1.3.3

N

N

N

Y

Y

Y

Y


脚注1 これは、OracleAS 10.1.4.2リリースに付属していた(デフォルトでインストールされていた)ASGリリースです。OracleAS 10.1.2.xリリースと互換性があります。OracleAS 10.1.2.2.1リリースはありません。

たとえば、Oracle Application Server 10.1.3.1インスタンスを使用していて、インスタンスのホームにどのASGリリースをインストールするかを把握する場合は、表11-1を使用して次のように判断できます。

  • Oracle Application Server10.1.3.1インスタンスと互換性のあるASG 10.1.2.xリリースはありません。

  • ASG 10.1.3.0リリースは、Oracle Application Server 10.1.3.1インスタンスのOracleホームにインストールできません。

  • ASG 10.1.3.1リリースはOracle Application Server 10.1.3.1インスタンスと互換性がありますが、ASG 10.1.3.1リリースをOracle Application Server 10.1.3.1インスタンスのOracleホームにインストールすることはお薦めしません。

  • ASG 10.1.3.3リリースはOracle Application Server 10.1.3.1インスタンスと互換性があります。ASG 10.1.3.3リリースをOracle Application Server 10.1.3.1インスタンスのOracleホームにインストールすることをお薦めします。

表11-2に、Oracle Application Server 10.1.4.0〜10.1.4.2のOracle Application Serverインスタンスに互換性のあるASGリリースを示します。

表11-2 リリース10.1.4.0〜10.1.4.2のOracleASインスタンスに互換性のあるASGリリース

ASGリリース 10.1.4.0 OracleASインスタンス脚注1 10.1.4.1 OracleASインスタンス脚注2 10.1.4.2 OracleASインスタンス脚注3

10.1.2.0.2

Y-NR

Y-NR

X

10.1.2.2

Y-NR

Y-NR

Y-NR

10.1.2.2.1(ASGのみのリリース)脚注4

Y

Y

Y

10.1.3.0

N

N

N

10.1.3.1

N

N

N

10.1.3.3

N

N

N


脚注1 ASG 10.1.2.0.2がデフォルトでインストールされます。

脚注2 ASG 10.1.2.0.2がデフォルトでインストールされます。

脚注3 ASG 10.1.2.2.1がデフォルトでインストールされます。

脚注4 これは、OracleAS 10.1.4.2リリースに付属していた(デフォルトでインストールされていた)ASGリリースです。OracleAS 10.1.2.xリリースと互換性があります。OracleAS 10.1.2.2.1リリースはありません。

11.1.2 Compatible ASG Releases in an OracleAS Disaster Recovery Topology

このチャートは、どのASGリリースの組合せが、OracleAS障害時リカバリ・トポロジで互換性があるかを示しています。トポロジとは、Oracle Application Serverインスタンスのホームとスタンドアロン・ホストのホームの集合です。これらを組み合せてOracleAS障害時リカバリの本番サイトとスタンバイ・サイトが構成されます。Oracle Application Serverの各ホームには特定のASGリリースがインストールされています。これはデフォルトでインストールされるか、またはASGのスタンドアロンでインストールされます。OracleAS障害時リカバリ操作は分散されるため、トポロジにまたがってインストールする必要がある推奨のASGリリースの集合があります。たとえば、EDGデプロイの場合、Oracleホームの集合は、ASGバージョン10.1.3.3または10.1.2.2.xにアップグレードする必要があります。

表11-3を使用して、2つのASGリリースがOracleAS障害時リカバリ・トポロジで互換性があるかを判断します。表の左の列で最初のASGリリースを探し、その他の列で別のASGリリースを探します。

次に、表11-3のエントリの意味を説明します。

  • Y-NR: この最初のASGリリースは2番目のASGリリースと互換性がありますが、このASGリリースの組合せをトポロジで使用することはお薦めしません。

  • Y: 最初のASGリリースは、2番目のASGリリースと互換性があります。このASGリリースの組合せをトポロジで使用することをお薦めします。

表11-3に、どのASGリリースが他のASGリリースと互換性があるかを示します。

表11-3 トポロジで互換性のあるASGリリース

ASGリリース 10.1.2.0.2 10.1.2.2 10.1.2.2.1 10.1.3.0 10.1.3.1 10.1.3.3

10.1.2.0.2

Y-NR

Y-NR

Y-NR

Y-NR

Y-NR

Y-NR

10.1.2.2

Y-NR

Y

Y

Y-NR

Y-NR

Y

10.1.2.2.1

Y-NR

Y

Y

Y-NR

Y-NR

Y

10.1.3.0

Y-NR

Y-NR

Y-NR

Y-NR

Y-NR

Y-NR

10.1.3.1

Y-NR

Y-NR

Y-NR

Y-NR

Y-NR

Y-NR

10.1.3.3

Y-NR

Y

Y

Y-NR

Y-NR

Y


11.1.3 Configuring Portlet Producers and WebCenter Applications in an OracleAS Cluster Topology

OracleASクラスタ(またはアクティブ-アクティブ)トポロジでポートレット・プロデューサまたはWebCenterアプリケーションを実行するには、OracleASクラスタ内のすべてのノード上で、Javaオブジェクト・キャッシュを全クラスタ・ノードのIPアドレスおよびポート番号のリストにより構成し、クラスタ全体でオブジェクトおよび座標を共有できるようにする必要があります。このリストはjavacache.xmlファイルで指定します。

次の2つのjavacache.xmlファイルがあります。

  • ポートレット・プロデューサでは独自のJavaオブジェクト・キャッシュを使用します。これはORACLE_HOME/portal/conf/javacache.xmlで構成できます。

  • WebCenterアプリケーションでは、特に別の指定がないかぎり、グローバルJavaオブジェクト・キャッシュを使用します。これはORACLE_HOME/javacache/admin/javacache.xmlで構成できます。

OracleASクラスタ・トポロジでポートレット・プロデューサおよびWebCenterアプリケーションを構成するには、次のようにします。

  1. OracleASクラスタ内の各ノードで、両方のjavacache.xmlファイルを編集します。

    • ORACLE_HOME/portal/conf/javacache.xml

    • ORACLE_HOME/javacache/admin/javacache.xml

    ファイルを次のように編集します。

    • isDistributed要素をtrueに設定します。ファイルにこの要素がまだない場合は、作成する必要があります。

    • discoverer要素で、OracleASクラスタ内のすべてのノードのIPアドレスを指定し、検出ポートも指定します。ファイルにこの要素がまだない場合は、作成する必要があります。

    例:

    <communication>
       <isDistributed>true</isDistributed>
       <discoverer ip="apphost1_ip_address">
                   discovery-port="apphost1_discovery_port"/>
       <discoverer ip="apphost2_ip_address"
                   discovery-port="apphost2_discovery_port"/>
    </communication>
    

    注意:

    同じキャッシュ・システム内で協調するキャッシュはすべて、同じIPアドレスとポート番号のセットを同じ順序で正確に指定する必要があります。

  2. http://hostname:port/em/にあるApplication Server Controlコンソールにアクセスし、oc4jadminユーザーとしてログインします。「クラスタ・トポロジ」ページが表示されます。

  3. homeインスタンスとOC4J_WebCenterインスタンス、およびWebCenterアプリケーションを実行しているその他のインスタンスを再起動します。

Javaオブジェクト・キャッシュについては、『Oracle Containers for J2EEサービス・ガイド』の「Java Object Cache」を参照してください。

11.1.4 Supported Java Object Types for Session Attributes in Distributed Applications

クラスタ環境でデプロイし実行するアプリケーションの場合(つまり、アプリケーションのweb.xmlファイルに<distributable/>タグを明示的に追加し、セッション・レプリケーション用にアプリケーションを構成した場合)、1つのセッションで属性としてバインドできるのは次のJava型のみであることに注意してください。

  • Javaプリミティブ型

  • java.io.Serializable型、javax.ejb.EJBObject型およびjavax.ejb.EJBHome型のJavaオブジェクト

上のタイプは、Javaオブジェクト・シリアライズ・メカニズムを使用して、シリアライズおよびデシリアライズできるJavaオブジェクトを反映しています。

その他のオブジェクト型を使用すると、次のようなエラーが発生します。

<MSG_TEXT>ServletException cause</MSG_TEXT>
<SUPPL_DETAIL><![CDATA[java.lang.IllegalArgumentException: Only
java.io.Serializable, javax.ejb.EJBObject and javax.ejb.EJBHome instances can
be bound to a session in a distributable web-application, not:
oracle.adfdemo.view.faces.portal.SkinsDemo@2acfa2 (class
oracle.adfdemo.view.faces.portal.SkinsDemo)
  at com.evermind.server.http.EvermindHttpSession.setAttribute
                                    (EvermindHttpSession.java:143)
  at com.sun.faces.context.SessionMap.put(ExternalContextImpl.java:580)
  at com.sun.faces.application.ApplicationAssociate.
                    createAndMaybeStoreManagedBeans(ApplicationAssociate.java:299)
  at com.sun.faces.el.VariableResolverImpl.resolveVariable
                                    (VariableResolverImpl.java:97)
  at oracle.adfinternal.view.faces.el.AdfFacesVariableResolver.resolveVariable
                                    (AdfFacesVariableResolver.java:40)
  at oracle.adfinternal.view.faces.model.VariableResolverUtils$JspResolver.
                                    resolveVariable(VariableResolverUtils.java:79)
  at com.sun.faces.el.impl.NamedValue.evaluate(NamedValue.java:145)
  at com.sun.faces.el.impl.ComplexValue.evaluate(ComplexValue.java:166)
  at com.sun.faces.el.impl.ExpressionEvaluatorImpl.evaluate
                                    (ExpressionEvaluatorImpl.java:263)
  at com.sun.faces.el.ValueBindingImpl.getValue(ValueBindingImpl.java:160)

11.1.5 The create standby Command Fails with Standby Control File Errors

Windowsでは、asgctl create standby databaseコマンドが、ORA-01665エラーの「制御ファイルがスタンバイ制御ファイルではありません」により失敗することがあります。

Windowsでは、create standby操作の実行時にSPFILEが作成される場所は、$ohome/databaseではなく$ohome/dbsです。

データベースのフェイルオーバーおよびcreate standbyコマンドの発行後も、古いSPFILEはまだ存在しています。

この問題を回避するには、create standbyコマンドを実行する前にWindowsの$ohome/databaseからSPFILEを削除します。

11.1.6 ASG to Catch Array Overflow Exceptions in Queries to Primary

asgctl create standby databaseコマンドは、ASG_DUF-4950エラーにより失敗することがあります。コンソールに次のようなエラー・メッセージ・スタックが出力されます。

ASG_DUF-4950: An error occurred on host "myhost" with IP "1.1.1.1" and port "7890"
ASG_SYSTEM-100: 10
ASG_DUF-4900: An exception occurred on the server.
ASG_DGA-13009: Error during Create Physical Standby

プライマリ・サイトのDBノードにあるduf_client.logファイルには、次のメッセージが含まれます。

java.lang.ArrayIndexOutOfBoundsException: 10
at oracle.duf.DufJdbc.queryRedoLogInfo(DufJdbc.java:535)
at oracle.duf.DufDb$jdbc.queryRedoLogInfo(DufDb.java:4966)
at oracle.duf.DufDb$jdbc.access$2000(DufDb.java:4884)
at oracle.duf.DufDb.queryRedoLogInfo(DufDb.java:3439)

この問題は、ASGが10以上のREDOログ・ファイルで構成されたデータベースを適切に処理できないために発生します。

この問題を回避するには、データベースのREDOログ・ファイルの数を10より少なくしてください。

この問題は、リリース10.1.3.3で修正されます。

11.1.7 Startup of Database on the Standby2 Fails after a Switchover

ASGのスイッチオーバー操作の実行後に、データベースで次の問題が発生することがあります。

SQL> startup;
ORA-09925: Unable to create audit trail file
Linux Error: 2: No such file or directory
Additional information: 9925

Linuxでasgctl create standby databaseコマンドを実行すると、ASGにより、audit_file_destがスタンバイ・サイトの($ohome/admin/<SID>/adumpではなく)$ohome/admin/<SID>/adminに設定された初期化ファイルが作成されます。複数のノードで構成されるRACの場合、1つのノードにadminディレクトリが作成されますが、他のノードには作成されません。

この問題を回避するには、手動での起動を試みる前にRACのスタンバイ・ノード#2で次のコマンドを実行します。

mkdir $ohome/admin/<SID>/admin

この問題は、リリース10.1.3.3で修正されます。

11.1.8 The create standby Command Fails if the Redo Log Files Directories do not Exist at the Standby

本番サイトのREDOログ・ファイルのディレクトリがスタンバイ・サイトに存在しない場合、asgctl create standby databaseコマンドは失敗します。ASGでは、ターゲットのREDOログ・ディレクトリの構造は、本番サイトのREDOログ・ディレクトリの構造と同じであるとみなされます。各ディレクトリが同じディレクトリ内に存在しない場合、次の出力とともに失敗します。

ASG_ORACLE-300: ORA-00301: error in adding log file '/PATH/redo010.log' - file cannot be created
ASG_ORACLE-300: ORA-27040: file create error, unable to create file
ASG_DUF-3700: Failed in SQL*Plus executing SQL statement:  ALTER DATABASE ADD STANDBY LOGFILE GROUP 10
'/PATH/redo010.log' SIZE 52428800 /* ASG_DGA */;.
ASG_DUF-3535: Failed to create standby redo log.
ASG_DUF-3535: Failed to create standby redo log.
ASG_DGA-13011: Error during Create Physical Standby: Finish-configure standby.
ASG_DUF-3027: Error while executing Creating physical standby database - finish phase at step - finish step.

この問題を回避するには、本番サイトと同じディレクトリにスタンバイ・サイトのターゲットREDOログ・ファイルのディレクトリを作成します。

11.1.9 Corrupt Index Blocks in Metadata Repository Databases

ASGのスイッチオーバーまたはフェイルオーバー操作後に、障害時リカバリ用のメタデータ・リポジトリ・データベースでメタデータ索引ブロックが破損することがあります。

この問題の詳細な説明と対処方法は、次の場所にあるOracleMetaLink Note 386830.1を参照してください。

http://metalink.oracle.com/metalink/plsql/ml2_documents.showDocument?p_database_id=NOT&p_id=386830.1

11.1.10 Database SIDs Must be the Same for Database Peers at Primary and Standby Sites

障害時リカバリ・トポロジでは、プライマリ・サイトとスタンバイ・サイトのデータベース・ピアで同じSIDが使用される必要があります。

11.1.11 Use All Uppercase Characters for Database Initialization Parameters to Avoid Instantiate and Sync Problems

データベース初期化パラメータにはすべて大文字を使用してください。

次の例では、アーカイブ・ログの宛先パラメータに使用されるデータベース初期化パラメータのserviceが、すべて大文字(SERVICE)で指定されています。

log_archive_dest_2="SERVICE=SIDM valid_for=(online_logfiles,primary_role)
db_unique_name=SIDM"

一方、次の例では、アーカイブ・ログの宛先パラメータに使用されるデータベース初期化パラメータのserviceが、小文字(service)で指定されています。

log_archive_dest_2="service=SIDM valid_for=(online_logfiles,primary_role)
db_unique_name="SIDM"

データベース初期化パラメータがすべて大文字で指定されていないと、instantiate topologyまたはsync topology操作の際に次のようなエラー・メッセージが出力される可能性があります。

stajo05: -->ASG_DUF-4950: An error occurred on host "stajo05" with IP
"140.87.25.33" and port "7890"
stajo05: -->ASG_SYSTEM-100: String index out of range: -9
stajo05: -->ASG_DUF-3760: Failed to query archive log destination
information.
stajo05: -->ASG_IAS-15753: Error preparing to instantiate the topology on
host "stajo05"
stajo05: -->ASG_DUF-3027: Error while executing Instantiating each instance
in the topology to standby topology at step - prepare step.

11.1.12 Workaround for ASG_DUF-3800 "Failed trying to connect to the OPMN Manager" Error

リリース10.1.2.2のASGスタンドアロン・キットを使用してリリース10.1.4.xのOracleホームを更新すると、ASGにより、Oracleホームのoptic.jarと互換性を持たないコンポーネント・パスにoptic.jarのコピーがインストールされます。これにより、実行時システムの操作は影響を受けませんが、特定の構成で将来なんらかのASG操作を実行すると問題が発生する可能性があります。

これらの潜在的な問題を回避するには、次の手順を実行します。

  1. トポロジのすべてのノードで、$ORACLE_HOME/dsa/jlibディレクトリのoptic.jarの名前をoptic.jar.origに変更します。

  2. 起動している場合、ASGコンポーネントを再起動します。

前述の回避方法を実行しないと、障害時リカバリ構成にOracle Application Serverリリース10.1.4.0.1のIdentity Managementおよびリリース10.1.2.2用のスタンドアロンASGキットが含まれる場合、switchover topology操作の実行中にASG_DUF-3800エラーの「OPMN Managerへの接続の試行に失敗しました。」エラー・メッセージが出力される可能性があります。

次のようなエラー・メッセージが出力されます。

"4-May 12:51:20  stamx12 152.68.64.214:7890(home/opt/maa/oracle/product/10.1.4/im)
4-May 12:51:20      Running opmnctl reload command:
"/opt/maa/oracle/product/10.1.4/im/opmn/bin/opmnctl reload".
4-May 12:51:25  stamx11: -->ASG_DUF-4950: An error occurred on host "stamx11"
with IP "140.87.21.201" and port "7890"
stamx11: -->ASG_DUF-4950: An error occurred on host "stamx11" with IP
"152.68.64.213" and port "7890"
stamx11: -->ASG_DUF-3800: Failed trying to connect to the OPMN Manager.
stamx11: -->ASG_DUF-3027: Error while executing Starting each instance in the
topology at step - starting instance step.
stamx11: -->ASG_DUF-3027: Error while executing Switchover each instance in
the topology to standby topology at step - starting and resyncing instance
step."

11.1.13 Use the Same Port for ASG on the Production and Standby Sites to Avoid clone instance Operation Problems

clone instance操作中に次のようなエラー・メッセージが出力されることを避けるため、プライマリ・サイトとスタンバイ・サイトのASGには同じポートを使用してください。

3-May 15:45:43  >>clone instance prodsso1 to stbyinfra1
3-May 15:45:43  stamx11: -->ASG_DUF-4950: An error occurred on host
"stamx11" with IP "140.87.21.201" and port "7890"
stamx11: -->ASG_DUF-3601: Error connecting to server host 152.68.64.213
on port 7890
stamx11: -->ASG_DUF-3512: Error creating remote worker on node 152.68.64.213:7890.

dsa.confファイルには、ASG構成情報が含まれており、これはアプリケーション・サーバー・インスタンスのバックアップおよびリストア用IP構成に設定されます。dsa.confファイルの構成は、各アプリケーション・サーバー・インスタンス間で同じように処理されます。このため、本番サイトのインスタンスのdsa.confファイルは、対応するスタンバイ・サイトのインスタンスと同期するよう処理されます。

本番サイトとスタンバイ・サイトのインスタンス・ペアのポート番号は、ASGで一致している必要があります。

11.1.14 Install sc.exe Version 5.0.2134.1 or Higher on Windows Systems to Avoid Cloning Problems

Windowsシステムでは、クローニング操作を実行する前にC:\windows\system32ディレクトリにバージョン5.0.2134.1以上のsc.exe(サービス・キット)をインストールしてください。

インストールしない場合、クローニング操作中に次のようなエラーが発生する可能性があります。

stajz09: -->ASG_DUF-4040: Error executing the external program or script.
The error code is "255"
stajz09: -->ASG_IAS-15689: Error running the backup script
stajz09: -->ASG_IAS-15685: Failed to backup configuration data for instance
"IM.asinfra.us.oracle.com"
stajz09: -->ASG_DUF-3027: Error while executing Clone Instance at step -
backup step.
stajz09: -->ASG_DUF-3027: Error while executing Clone Topology at step -
clone home step.

11.1.15 Use Fully Qualified Path Names with the add instance Command

ベスト・プラクティスとして、add instanceコマンドでは完全修飾されたパス名を使用してください。

11.1.16 ASG Cloning is Not Supported when the Number of Oracle Homes is Different at the Primary and Standby Hosts

プライマリ・ホストとスタンバイ・ホストに異なる数のOracleホームが存在する場合、障害時リカバリ構成では、ASGのclone topologyおよびclone instanceコマンドはサポートされません。

クローニング操作の一環として、各ホストのOracleインベントリがクローニングされます。したがって、Oracleホームの構成は、クローニングされるすべてのホストで同じであることが前提となります。

障害時リカバリでサポートされる非対称トポロジの詳細は、『Oracle Application Server高可用性ガイド』の5.1.3.2項を参照してください。

11.1.17 Steps to Add a Database with OMF or ASM to ASG Topology

asgctl create standby databaseコマンドは、単純なスタンバイ・データベースを自動的に作成するためのものです。OMF(Oracle Managed Files)やASM(自動ストレージ管理)記憶域オプションなどのデータベース・オプションは、このコマンドでサポートされません。create standby databaseコマンドを使用してスタンバイ・サイトにデータベースを作成する場合、OMFまたはASM記憶域オプションを指定せずにDBCA(Database Configuration Assistant)を使用してプライマリ・サイトに新規データベース・インスタンスを作成してください。

OMFまたはASM記憶域オプション付きで新規データベース・インスタンスを作成する場合は、次の場所にある『Oracle Data Guard概要および管理』のOMFまたはASMを使用したスタンバイ・データベースの作成に関する項の指示に従ってください。

http://www.oracle.com/technology/documentation/index.html

OMFまたはASM記憶域オプション付きでデータベースを作成した後に、asgctl add instanceコマンドを使用して、障害時リカバリ操作(フェイルオーバーおよびインスタンス化のトポロジ操作など)の対象となるようにインスタンスを障害時リカバリ・トポロジに追加します。asgctl add instanceコマンドの使用方法の詳細は、『Oracle Application Server高可用性ガイド』に含まれる、Oracle RACデータベースをトポロジに追加する際のOracleAS Guardのadd instanceコマンドの失敗に関する項を参照してください。

11.2 Documentation Errata

この項では、ドキュメントの訂正箇所を示します。内容は次のとおりです。

11.2.1 Additional Site Switchover Information for RAC Deployments

『Oracle Application Server高可用性ガイド』には、スケジューリングされた停止に関する項にサイト・スイッチオーバー操作に関する項目が含まれます。

サイト・スイッチオーバー操作に関する項の番号付きリストの手順5において、RACデプロイに関して次の2つの項目をリスト項目cおよびdとして追加する必要があります。

  1. Oracle RACの障害時リカバリ用デプロイでは、スイッチオーバーの前にすべてのRACインスタンスを停止し、1つのRACノードを起動します。

  2. データベース・ノードでORACLE_HOME、ORACLE_SIDおよびPATH変数を設定した後、次のようにデータベース・ノードを起動します。

    DBHOME/bin/sqlplus /as sysdba
    SQL> startup
    
    

11.2.2 Correction to Configuration Instructions for a Primary Site with RAC Database and Standby Site with Non-RAC Database

『Oracle Application Server高可用性ガイド』の構成手順に関する項の手順1には、間違った情報が含まれています。

手順1に先行する段落には、スタンバイ・サイトではReal Application Clusters以外のデータベースを使用するよう記載されています。

これに対し、手順1には、「スタンバイ・サイトのReal Application Clustersデータベースを停止します」と記載されています。

スタンバイ・サイトのデータベースは、Real Applications Clusters以外のデータベースです。手順1は、「スタンバイ・サイトのReal Application Clusters以外のデータベースを停止します」と読み替えてください。