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Oracle Audit Vaultエージェント・インストレーション・ガイド
10gリリース2(10.2.2)
E05421-02
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2 Oracle Audit Vault Agentのインストール前の要件

この章では、Oracle Audit Vault Agentのインストール前の要件について説明します。この章には、次の項が含まれます。

2.1 LinuxおよびUNIXベースのプラットフォームのインストール前の要件

この項で説明するインストール前の作業は、次のとおりです。

2.1.1 Oracle Audit Vaultの機能についての知識の習得

インストール・プロセスを計画するには、Oracle Audit Vaultの機能を理解しておく必要があります。Oracle Audit Vaultの基本機能の説明は、『Oracle Audit Vault管理者ガイド』に記載されています。

2.1.2 rootユーザーとしてのシステムへのログイン

Oracleソフトウェアをインストールする前に、後述の一連のタスクをrootユーザーとして完了する必要があります。rootユーザーとしてシステムにログインしてください。

2.1.3 Linux x86のインストール前の要件

この項で説明するインストール前の作業は、次のとおりです。

2.1.3.1 Linux x86のハードウェア要件の確認

システムが最小限満たす必要があるハードウェア要件は次のとおりです。

  • 512MB以上の使用可能な物理メモリー(RAM)

  • 1024MBまたはRAMサイズの2倍のスワップ領域

  • Audit Vault Agentのインストールに必要なディスク領域として、OracleベースにAudit Vault Agentソフトウェア・ファイル用の473MBのディスク領域(49MBの一時領域を含む)

システムがこれらの要件を満たしているかどうかを確認するには、次の手順を実行します。

  1. 物理RAMサイズを確認するには、次のコマンドを入力します。

    # grep MemTotal /proc/meminfo
    
    

    システムにインストールされた物理RAMサイズが必要なサイズより小さい場合は、インストール処理を続行する前に、メモリーを追加する必要があります。

  2. 構成済のスワップ領域のサイズを確認するには、次のコマンドを入力します。

    # grep SwapTotal /proc/meminfo
    
    

    必要に応じて、使用するオペレーティング・システムのドキュメントに記載された追加のスワップ領域の構成方法の説明を参照してください。

  3. 使用可能なRAMとスワップ領域を確認するには、次のコマンドを入力します。

    # free
    

    注意:

    使用可能なRAMとスワップ領域は、値を決定する前に、何度か調査することをお薦めします。これは、使用可能なRAMとスワップ領域が、ユーザーとコンピュータの対話に応じて変化するためです。

  4. /tmpディレクトリの使用可能なディスク領域を確認するには、次のコマンドを入力します。

    # df -k /tmp
    
    

    /tmpディレクトリの使用可能なディスク領域が400MB未満である場合は、次のいずれかの処置を行ってください。

    • /tmpディレクトリから不要なファイルを削除して、ディスク領域の要件を満たします。

    • oracleユーザーの環境の設定時に、TEMPおよびTMPDIR環境変数を設定します。

    • /tmpディレクトリを含むファイルシステムを拡張します。必要に応じて、ファイルシステムの拡張の詳細をシステム管理者に問い合せてください。

  5. システムの空きディスク領域を確認するには、次のコマンドを入力します。

    # df -k
    
    
  6. ソフトウェアを実行できるシステム・アーキテクチャであるかどうかを確認するには、次のコマンドを入力します。

    # grep "model name" /proc/cpuinfo
    

    注意:

    このコマンドを実行すると、プロセッサの種類が表示されます。プロセッサのアーキテクチャが、インストールするOracleソフトウェア・リリースに適合していることを確認してください。必要なプロセッサが表示されない場合は、システムにソフトウェアをインストールできません。

2.1.3.2 Linux x86のオペレーティング・システム要件の確認

インストールする製品ごとに、表2-1に示すソフトウェアがシステムにインストールされていることを確認します。これらの要件を満たしているかどうかを確認する手順が、表2-1の後に記載されています。


注意:

Oracle Universal Installerを起動すると、システムのチェックが実行され、ここに示された要件を満たしているかどうかが検証されます。このチェックを通過できるように、Oracle Universal Installerを起動する前に要件を確認しておきます。


注意:

このドキュメントに記載されたプラットフォーム固有のハードウェアとソフトウェアの要件は、このドキュメントが公開された時点での最新情報です。このドキュメントの公開後に、プラットフォームやオペレーティング・システムの新バージョンが動作保証されている可能性があるため、OracleMetaLink Webサイトの動作保証マトリックスで、動作保証されているハードウェア・プラットフォームとオペレーティング・システムのバージョンの最新のリストを確認してください。OracleMetaLink Webサイトには、次のURLでアクセスできます。
https://metalink.oracle.com

現在、オラクル社カスタマ・サポート・センターとの契約がない場合は、次の場所で同じ情報にアクセスできます。

http://www.oracle.com/technology/support/metalink/content.html


表2-1 オペレーティング・システム、カーネル・バージョンおよびパッケージの要件

項目 要件

オペレーティング・システム

次のいずれかのオペレーティング・システムのバージョンが必要です。

  • Red Hat Enterprise Linux 3.0(Update 3以降)

  • Red Hat Enterprise Linux 4.0

  • SUSE Linux Enterprise Server 9.0

  • Asianux 2.0

オペレーティング・システム要件は、Oracle Database 10gリリース2の要件と同じです。Oracle Database 10gリリース2がすでにインストールされている場合、システムはこれらの要件を満たしています。

カーネル・バージョン

システムで次のカーネル・バージョン(またはそれ以降)が実行されている必要があります。

Red Hat Enterprise Linux 3.0:

2.4.21-27.EL

注意: これはデフォルトのカーネル・バージョンです。

Red Hat Enterprise Linux 4.0およびAsianux 2.0:

2.6.9-5.0.5.EL

SUSE Linux Enterprise Server 9.0:

2.6.5-7.97

カーネル・バージョン要件は、Oracle Database 10gリリース2の要件と同じです。Oracle Database 10gリリース2がすでにインストールされている場合、システムはカーネル・バージョン要件を満たしています。

パッケージ

次のパッケージ(またはそれ以降)がインストールされている必要があります。

Red Hat Enterprise Linux 3.0:

make-3.79.1
binutils-2.14
gcc-3.2.3-34
glibc-2.3.2-95.20
compat-db-4.0.14-5
compat-gcc-7.3-2.96.128
compat-gcc-c++-7.3-2.96.128
compat-libstdc++-7.3-2.96.128
compat-libstdc++-devel-7.3-2.96.128
openmotif21-2.1.30-8
setarch-1.3-1
libaio-0.3.96

Red Hat Enterprise Linux 4.0:

binutils-2.15.92.0.2-13.EL4
compat-libstdc++296-2.96-132.7.2
compat-db-4.1.25-9
control-center-2.8.0-12
gcc-3.4.3-22.1.EL4
gcc-c++-3.4.3-22.1.EL4
glibc-2.3.4-2.9
glibc-common-2.3.4-2.9
gnome-libs-1.4.1.2.90-44.1
libstdc++-3.4.3-22.1
libstdc++-devel-3.4.3.22
make-3.80-5
pdksh-5.2.14-30
sysstat-5.0.5-1
xscreensaver-4.18-5.rhel4.2
setarch-1.6-1

SUSE Linux Enterprise Server 9:

binutils-2.15.90.0.1.1-32.5
gcc-3.3.3-43.24
gcc-c++-3.3.3-43.24
glibc-2.3.3-98.28
gnome-libs-1.4.1.7-671.1
libstdc++-3.3.3-43.24
libstdc++-devel-3.3.3-43.24
make-3.80-184.1
pdksh-5.2.14-780.1
sysstat-5.0.1-35.1
xscreensaver-4.16-2.6

PL/SQLのネイティブ・コンパイル、Pro*C/C++、Oracle Call Interface、Oracle C++ Call Interface、Oracle XML Developer's Kit(XDK)

Intel C++ Compiler 8.1以降およびディストリビューションに関する前述のGNU CおよびC++コンパイラのバージョンは、これらの製品で使用できるようにサポートされています。

注意: Intel C++ Compiler v8.1以降はサポートされています。ただし、インストールに必須ではありません。Red Hat Enterprise Linux 3では、Oracle C++ Call Interface(OCCI)はGNU C++コンパイラのバージョン3.2でサポートされています。これはコンパイラのデフォルト・バージョンです。OCCIは、GCC 3.2.3標準テンプレート・ライブラリを使用するIntel Compiler v8.1でもサポートされています。

Oracle XML Developer's Kitは、Red Hat Linux 4.0のGCCではサポートされません。Intel C++ Compiler(ICC)でのみサポートされています。

Red Hat Enterprise Linux 4.0では、OCCIはGCC 3.4.3をサポートしません。Red Hat Enterprise Linux 4.0でOCCIを使用するには、GCC 3.2.3をインストールする必要があります。

Oracle JDBC/OCIドライバ

次のオプションのJDKバージョンをOracle JDBC/OCIドライバと併用できますが、インストールには必要ありません。

  • Sun JDK 1.5.0(64-bit)

  • Sun JDK 1.5.0(32-bit)

  • Sun JDK 1.4.2_09(32-bit)


システムがこれらの要件を満たしているかどうかを確認するには、次の手順を実行します。

  1. インストールされているLinuxのディストリビューションとバージョンを確認するには、次のコマンドを入力します。

    # cat /etc/issue
    
    

    注意:

    前述の表にリストされたディストリビューションとバージョンのみがサポートされます。他のLinuxバージョンにソフトウェアをインストールしないでください。

  2. 必要なカーネルがインストールされているかどうかを確認するには、次のコマンドを入力します。

    # uname -r
    
    

    このコマンドをRed Hat Enterprise Linux 3.0システムで実行した場合の出力のサンプルを次に示します。

    2.4.21-15.EL
    
    

    この例は、システムのカーネル・バージョン(2.4.21)とエラータ・レベル(15.EL)を示しています。

    カーネル・バージョンが前述の要件を満たしていない場合は、カーネル・アップデートの取得とインストールの詳細をオペレーティング・システム・ベンダーに問い合せてください。

  3. 必要なパッケージがインストールされているかどうかを確認するには、次のようなコマンドを入力します。

    # rpm -q package_name
    
    

    パッケージがインストールされていない場合は、Linuxディストリビューションのメディアからインストールするか、LinuxベンダーのWebサイトから必要なパッケージ・バージョンをダウンロードしてください。

2.1.4 Linux x86-64のインストール前の要件

この項で説明するインストール前の作業は、次のとおりです。

2.1.4.1 Linux x86-64のハードウェア要件の確認

システムが最小限満たす必要があるハードウェア要件は次のとおりです。

  • 512MB以上の使用可能な物理メモリー(RAM)

  • 1024MBまたはRAMサイズの2倍のスワップ領域

  • /tmpディレクトリに400MBのディスク領域

  • Oracle Audit Vault Agentソフトウェア用の1GBのディスク領域が必要

システムがこれらの要件を満たしているかどうかを確認するには、次の手順を実行します。

  1. 物理RAMサイズを確認するには、次のコマンドを入力します。

    # grep MemTotal /proc/meminfo
    
    

    物理RAMサイズが必要なサイズより小さい場合は、インストール処理を続行する前に、メモリーを追加する必要があります。

  2. 構成済のスワップ領域のサイズを確認するには、次のコマンドを入力します。

    # grep SwapTotal /proc/meminfo
    
    

    必要に応じて、使用するオペレーティング・システムのドキュメントに記載された追加のスワップ領域の構成方法の説明を参照してください。

  3. 使用可能なRAMとスワップ領域を確認するには、次のコマンドを入力します。

    # free
    

    注意:

    使用可能なRAMとスワップ領域は、値を決定する前に、何度か調査することをお薦めします。これは、使用可能なRAMとスワップ領域が、ユーザーとコンピュータの対話に応じて変化するためです。

  4. /tmpディレクトリの使用可能なディスク領域を確認するには、次のコマンドを入力します。

    # df -k /tmp
    
    

    /tmpディレクトリの使用可能な空きディスク領域が400MB未満である場合は、次のいずれかの処置を行ってください。

    • /tmpディレクトリから不要なファイルを削除して、ディスク領域の要件を満たします。

    • oracleユーザーの環境の設定時に、TEMPおよびTMPDIR環境変数を設定します。

    • /tmpディレクトリを含むファイルシステムを拡張します。必要に応じて、ファイルシステムの拡張の詳細をシステム管理者に問い合せてください。

  5. システムの空きディスク領域を確認するには、次のコマンドを入力します。

    # df -k
    
    
  6. ソフトウェアを実行できるシステム・アーキテクチャであるかどうかを確認するには、次のコマンドを入力します。

    # grep "model name" /proc/cpuinfo
    

    注意:

    このコマンドを実行すると、プロセッサの種類が表示されます。プロセッサのアーキテクチャが、インストールするOracleソフトウェア・リリースに適合していることを確認してください。必要なプロセッサが表示されない場合は、システムにソフトウェアをインストールできません。

2.1.4.2 Linux x86-64のオペレーティング・システム要件の確認

インストールする製品ごとに、次に示すソフトウェアがシステムにインストールされていることを確認します。これらの要件を満たしているかどうかを確認する手順が、表の後に記載されています。


注意:

Oracle Universal Installerを起動すると、システムのチェックが実行され、ここに示された要件を満たしているかどうかが検証されます。このチェックを通過できるように、Oracle Universal Installerを起動する前に要件を確認しておきます。


注意:

このドキュメントに記載されたプラットフォーム固有のハードウェアとソフトウェアの要件は、このドキュメントが公開された時点での最新情報です。このドキュメントの公開後に、プラットフォームやオペレーティング・システムの新バージョンが動作保証されている可能性があるため、OracleMetaLink Webサイトの動作保証マトリックスで、動作保証されているハードウェア・プラットフォームとオペレーティング・システムのバージョンの最新のリストを確認してください。OracleMetaLink Webサイトには、次のURLでアクセスできます。
https://metalink.oracle.com

現在、オラクル社カスタマ・サポート・センターとの契約がない場合は、次の場所で同じ情報にアクセスできます。

http://www.oracle.com/technology/support/metalink/content.html


項目 要件
オペレーティング・システム 次のいずれかのオペレーティング・システムのバージョンが必要です。
  • Red Hat Enterprise Linux AS/ES 3.0(Update 4以降)

  • Red Hat Enterprise Linux AS/ES 4.0(Update 1以降)

  • SUSE Linux Enterprise Server 9.0(SP2以降)

カーネル・バージョン システムで次のカーネル・バージョン(またはそれ以降)が実行されている必要があります。

Red Hat Enterprise Linux 3.0:

2.4.21-27.EL

注意: これはデフォルトのカーネル・バージョンです。

Red Hat Enterprise Linux 4.0:

2.6.9-11.EL

SUSE Linux Enterprise Server 9.0:

2.6.5-7.201

パッケージ 次のパッケージ(またはそれ以降)がインストールされている必要があります。

Red Hat Enterprise Linux 3.0:

make-3.79.1-17
compat-db 4.0.14-5.1
control-center-2.2.0.1-13
gcc-3.2.3-47
gcc-c++-3.2.3-47
gdb-6.1post-1.20040607.52
glibc-2.3.2-95.30
glibc-common-2.3.2-95.30
glibc-devel-2.3.2-95.30
glibc-devel-2.3.2-95.20 (32 bit)
compat-db-4.0.14-5
compat-gcc-7.3-2.96.128
compat-gcc-c++-7.3-2.96.128
compat-libstdc++-7.3-2.96.128
compat-libstdc++-devel-7.3-2.96.128
gnome-libs-1.4.1.2.90-34.2 (32 bit)
libstdc++-3.2.3-47
libstdc++-devel-3.2.3-47
openmotif-2.2.3-3.RHEL3
sysstat-5.0.5-5.rhel3
setarch-1.3-1
libaio-0.3.96-3
libaio-devel-0.3.96-3

Red Hat Enterprise Linux 4.0:

binutils-2.15.92.0.2-10.EL4
compat-db-4.1.25-9
control-center-2.8.0-12
gcc-3.4.3-9.EL4
gcc-c++-3.4.3-9.EL4
glibc-2.3.4-2
glibc-common-2.3.4-2
gnome-libs-1.4.1.2.90-44.1
libstdc++-3.4.3-9.EL4
libstdc++-devel-3.4.3-9.EL4
make-3.80-5
pdksh-5.2.14-30
sysstat-5.0.5-1
xscreensaver-4.18-5.rhel4.2

SUSE Linux Enterprise Server 9:

binutils-2.15.90.0.1.1-32.5
gcc-3.3.3-43.24
gcc-c++-3.3.3-43.24
glibc-2.3.3-98.28
gnome-libs-1.4.1.7-671.1
libstdc++-3.3.3-43.24
libstdc++-devel-3.3.3-43.24
make-3.80-184.1
pdksh-5.2.14-780.1
sysstat-5.0.1-35.1
xscreensaver-4.16-2.6
PL/SQLのネイティブ・コンパイル、Pro*C/C++、Oracle Call Interface、Oracle C++ Call Interface、Oracle XML Developer's Kit(XDK) Intel C++ Compiler 8.1以降およびディストリビューションに関する前述のGNU CおよびC++コンパイラのバージョンは、これらの製品で使用できるようにサポートされています。

注意: Intel C++ Compiler v8.1以降はサポートされています。ただし、インストールに必須ではありません。Red Hat Enterprise Linux 3では、Oracle C++ Call Interface(OCCI)はGNU C++コンパイラのバージョン3.2でサポートされています。これはコンパイラのデフォルト・バージョンです。OCCIは、GCC 3.2.3標準テンプレート・ライブラリを使用するIntel Compiler v8.1でもサポートされています。

Oracle XML Developer's Kitは、Red Hat Linux 4.0のGCCではサポートされません。Intel C++ Compiler(ICC)でのみサポートされています。

Red Hat Enterprise Linux 4.0では、OCCIはGCC 3.4.3をサポートしません。Red Hat Enterprise Linux 4.0でOCCIを使用するには、GCC 3.2.3をインストールする必要があります。

Oracle JDBC/OCIドライバ 次のオプションのJDKバージョンをOracle JDBC/OCIドライバと併用できますが、インストールには必要ありません。
  • Sun JDK 1.5.0(64-bit)

  • Sun JDK 1.5.0(32-bit)

  • Sun JDK 1.4.2_09(32-bit)


システムがこれらの要件を満たしているかどうかを確認するには、次の手順を実行します。

  1. インストールされているLinuxのディストリビューションとバージョンを確認するには、次のコマンドを入力します。

    # cat /proc/version
    
    

    注意:

    前述の表にリストされたディストリビューションとバージョンのみがサポートされます。他のLinuxバージョンにソフトウェアをインストールしないでください。

  2. 必要なカーネルがインストールされているかどうかを確認するには、次のコマンドを入力します。

    # uname -r
    
    

    このコマンドをRed Hat Enterprise Linux 3.0システムで実行した場合に表示される出力のサンプルを次に示します。

    2.4.21-27.EL
    
    

    この例は、システムのカーネル・バージョン(2.4.27)とエラータ・レベル(27.EL)を示しています。

    カーネル・バージョンが前述の要件を満たしていない場合は、カーネル・アップデートの取得とインストールの詳細をオペレーティング・システム・ベンダーに問い合せてください。

  3. 必要なパッケージがインストールされているかどうかを確認するには、次のようなコマンドを入力します。

    # rpm -q package_name
    
    

    パッケージがインストールされていない場合は、Linuxディストリビューションのメディアからインストールするか、LinuxベンダーのWebサイトから必要なパッケージ・バージョンをダウンロードしてください。

2.1.5 Solaris Operating System(SPARC 64-bit)のインストール前の要件

この項で説明するインストール前の作業は、次のとおりです。

2.1.5.1 Solaris Operating System(SPARC 64-bit)のハードウェア要件の確認

システムが最小限満たす必要があるハードウェア要件は次のとおりです。

  • 512MB以上の使用可能な物理メモリー(RAM)

  • 1024MBまたはRAMサイズの2倍のスワップ領域

  • /tmpディレクトリに400MBのディスク領域

  • Audit Vault Agentソフトウェア用の1GBのディスク領域

システムがこれらの要件を満たしているかどうかを確認するには、次の手順を実行します。

  1. 物理RAMサイズを確認するには、次のコマンドを入力します。

    # /usr/sbin/prtconf | grep "Memory size"
    
    

    物理RAMサイズが必要なサイズより小さい場合は、インストール処理を続行する前に、メモリーを追加する必要があります。

  2. 構成済のスワップ領域のサイズを確認するには、次のコマンドを入力します。

    # /usr/sbin/swap -s
    
    

    必要に応じて、使用するオペレーティング・システムのドキュメントに記載された追加のスワップ領域の構成方法の説明を参照してください。

  3. /tmpディレクトリの使用可能なディスク領域を確認するには、次のコマンドを入力します。

    # df -k /tmp
    # df -h /tmp (on Solaris 10)
    
    

    /tmpディレクトリの使用可能な空きディスク領域が400MB未満である場合は、次のいずれかの処置を行ってください。

    • /tmpディレクトリから不要なファイルを削除して、ディスク領域の要件を満たします。

    • oracleユーザーの環境の設定時に、TMPおよびTMPDIR環境変数を設定します。

    • /tmpディレクトリを含むファイルシステムを拡張します。必要に応じて、ファイルシステムの拡張の詳細をシステム管理者に問い合せてください。

  4. システムの空きディスク領域を確認するには、次のコマンドを入力します。

    # df -k
    # df -h (on Solaris 10)
    
    
  5. ソフトウェアを実行できるシステム・アーキテクチャであるかどうかを確認するには、次のコマンドを入力します。

    # /bin/isainfo -kv
    

    注意:

    このコマンドを実行すると、次のように出力されます。

    64-bit sparcv9 kernel modules

    必要なプロセッサが表示されない場合は、システムにソフトウェアをインストールできません。


2.1.5.2 Solaris Operating System(SPARC 64-bit)のオペレーティング・システム要件の確認

次に示すソフトウェアがシステムにインストールされていることを確認します。これらの要件を満たしているかどうかを確認する手順が、表の後に記載されています。


注意:

Oracle Universal Installerを起動すると、システムのチェックが実行され、ここに示された要件を満たしているかどうかが検証されます。このチェックを通過できるように、Oracle Universal Installerを起動する前に要件を確認しておきます。


注意:

このドキュメントに記載されたプラットフォーム固有のハードウェアとソフトウェアの要件は、このドキュメントが公開された時点での最新情報です。このドキュメントの公開後に、プラットフォームやオペレーティング・システムの新バージョンが動作保証されている可能性があるため、OracleMetaLink Webサイトの動作保証マトリックスで、動作保証されているハードウェア・プラットフォームとオペレーティング・システムのバージョンの最新のリストを確認してください。OracleMetaLink Webサイトには、次のURLでアクセスできます。
https://metalink.oracle.com

現在、オラクル社カスタマ・サポート・センターとの契約がない場合は、次の場所で同じ情報にアクセスできます。

http://www.oracle.com/technology/support/metalink/content.html


項目 要件
オペレーティング・システム 次のいずれかの64ビット・オペレーティング・システムのバージョンが必要です。
  • Solaris 9 Update 6以上

  • Solaris 10

パッケージ
SUNWarc
SUNWbtool
SUNWhea
SUNWlibm
SUNWlibms
SUNWsprot
SUNWtoo
SUNWi1of
SUNWi1cs
SUNWi15cs
SUNWxwfnt
SUNWsprox

注意: SUNWsproxパッケージは、Solaris 10でサポートされていません。

ロケールによっては、Java用の追加のフォント・パッケージが必要な場合もあります。詳細は、次のWebサイトを参照してください。

http://java.sun.com/j2se/1.4.2/font-requirements.html

システムがこれらの要件を満たしているかどうかを確認するには、次の手順を実行します。

  1. インストールされているSolarisのバージョンを確認するには、次のコマンドを入力します。

    # uname -r
    5.9
    
    

    この例では、表示されるバージョンはSolaris 9(5.9)です。オペレーティング・システムのアップグレードの詳細は、必要に応じてオペレーティング・システムのドキュメントを参照してください。

  2. 必要なパッケージがインストールされているかどうかを確認するには、次のようなコマンドを入力します。

    # pkginfo -i SUNWarc SUNWbtool SUNWhea SUNWlibm SUNWlibms SUNWsprot \
     SUNWsprox SUNWtoo SUNWi1of SUNWi1cs SUNWi15cs SUNWxwfnt
    
    

    パッケージがインストールされていない場合は、インストールします。パッケージのインストールの詳細は、オペレーティング・システムまたはソフトウェアのドキュメントを参照してください。

  3. 次のコマンドを使用すると、オペレーティング・システムの更新レベルを確認できます。

    $ cat /etc/release
    Solaris 9 4/03 s9s_u3wos_
    
    

    この例で、コマンドの出力にある_u3は、Solaris 9のUpdate 3であることを示しています。

また、システムに次のパッチがインストールされていることも確認する必要があります。このリストに続く手順では、これらの要件を確認する方法について説明します。


注意:

リストに記載されているよりも新しいバージョンのパッチがシステムにインストールされている場合もあります。リストに記載されているパッチがインストールされていない場合は、リストに記載されているバージョンをインストールする前に、それよりも新しいバージョンがインストールされているかどうかを確認してください。

インストール・タイプまたは製品 要件
すべてのインストール Solaris 9用のパッチ:
  • 112233-11, SunOS 5.9: Kernel Patch

  • 111722-04, SunOS 5.9: Math Library (libm) patch

Numa Systemsには次の追加パッチが必要です。

  • 115675-01, SunOS 5.9: liblgrp API

  • 113471-08, SunOS 5.9: Miscellaneous SunOS Commands Patch

  • 115675-01, SunOS 5.9: /usr/lib/liblgrp.so Patch



注意:

次のパッチは、サイレント・インストールには必要ありません。
  • 108652-66, X11 6.4.1: Xsun patch

  • 108773-18, SunOS 5.8: IIIM and X I/O Method patch

  • 108921-16, CDE 1.4: dtwm patch


オペレーティング・システムのパッチがインストールされているかどうかを確認するには、次のようなコマンドを入力します。

# /usr/sbin/patchadd -p | grep patch_number(without version number)

たとえば、111713パッチのいずれかのバージョンがインストールされているかどうかを確認するには、次のコマンドを使用します。

# /usr/sbin/patchadd -p | grep 111713

オペレーティング・システムのパッチがインストールされていない場合は、次のWebサイトからダウンロードしてインストールします。

http://sunsolve.sun.com

2.1.6 HP-UX PA-RISC(64-bit)のインストール前の要件

この項で説明するインストール前の作業は、次のとおりです。

2.1.6.1 HP-UX PA-RISC(64-bit)のハードウェア要件の確認

システムが最小限満たす必要があるハードウェア要件は次のとおりです。

  • 512MB以上の使用可能な物理メモリー(RAM)

  • 1024MBまたはRAMサイズの2倍のスワップ領域

  • /tmpディレクトリに400MBのディスク領域

  • Oracle Audit Vault Agentソフトウェア用の1.5GBのディスク領域

システムがこれらの要件を満たしているかどうかを確認するには、次の手順を実行します。

  1. 物理RAMサイズを確認するには、次のコマンドを入力します。

    # grep "Physical:" /var/adm/syslog/syslog.log
    
    

    物理RAMサイズが必要なサイズより小さい場合は、インストール処理を続行する前に、メモリーを追加する必要があります。

  2. 構成済のスワップ領域のサイズを確認するには、次のコマンドを入力します。

    # /usr/sbin/swapinfo -a
    
    

    必要に応じて、使用するオペレーティング・システムのドキュメントに記載された追加のスワップ領域の構成方法の説明を参照してください。

  3. /tmpディレクトリの使用可能なディスク領域を確認するには、次のコマンドを入力します。

    # bdf /tmp
    
    

    /tmpディレクトリの使用可能な空きディスク領域が400MB未満である場合は、次のいずれかの処置を行ってください。

    • /tmpディレクトリから不要なファイルを削除して、ディスク領域の要件を満たします。

    • oracleユーザーの環境の設定時に、TMPおよびTMPDIR環境変数を設定します。

    • /tmpディレクトリを含むファイルシステムを拡張します。必要に応じて、ファイルシステムの拡張の詳細をシステム管理者に問い合せてください。

  4. システムの空きディスク領域を確認するには、次のコマンドを入力します。

    # bdf
    
    
  5. ソフトウェアを実行できるシステム・アーキテクチャであるかどうかを確認するには、次のコマンドを入力します。

    # /bin/getconf KERNEL_BITS
    

    注意:

    このコマンドでは64が出力されます。予想される出力が表示されない場合は、このシステムにソフトウェアをインストールできません。

2.1.6.2 HP-UX PA-RISC(64-bit)のオペレーティング・システム要件の確認

次に示すソフトウェアがシステムにインストールされていることを確認します。これらの要件を満たしているかどうかを確認する手順が、表の後に記載されています。


注意:

Oracle Universal Installerを起動すると、システムのチェックが実行され、ここに示された要件を満たしているかどうかが検証されます。このチェックを通過できるように、Oracle Universal Installerを起動する前に要件を確認しておきます。


注意:

このドキュメントに記載されたプラットフォーム固有のハードウェアとソフトウェアの要件は、このドキュメントが公開された時点での最新情報です。このドキュメントの公開後に、プラットフォームやオペレーティング・システムの新バージョンが動作保証されている可能性があるため、OracleMetaLink Webサイトの動作保証マトリックスで、動作保証されているハードウェア・プラットフォームとオペレーティング・システムのバージョンの最新のリストを確認してください。OracleMetaLink Webサイトには、次のURLでアクセスできます。
https://metalink.oracle.com

現在、オラクル社カスタマ・サポート・センターとの契約がない場合は、次の場所で同じ情報にアクセスできます。

http://www.oracle.com/technology/support/metalink/content.html


項目 要件
オペレーティング・システム オペレーティング・システムのバージョン:

HP-UX 11i V1(11.11)PA-RISC

HP-UX 11i v2(11.23)

Oracle Spatial HP-UX Developer's Toolkit: X11およびImake。

注意: このソフトウェアは、サンプル・プログラムを構築する場合にのみ必要です。

Oracle Messaging Gateway Oracle Messaging Gatewayは、Oracle Streamsアドバンスト・キューイング(AQ)と次のソフトウェアの統合をサポートします。
  • IBM WebSphere MQ V5.3、クライアントおよびサーバー

    MQSERIES.MQM-CL-HPUX
    MQSERIES.MQM-SERVER
    
  • TIBCO Rendezvous 7.2

PL/SQLのネイティブ・コンパイル 次のうちのいずれか1つ。

HP C Compiler(B.11.11.12)

GCC compiler GCC 3.4.0(64-bit)

Pro*C/C++、Oracle Call Interface、Oracle C++ Call Interface、Oracle XML Developer's Kit(XDK) HP C/ANSI C Compiler(C.05.50)

HP aC++ Compiler(C.05.50)

Oracle JDBC/OCIドライバ 次のオプションのJava SDKバージョンをOracle JDBC/OCIドライバと併用できますが、インストールには必要ありません。
  • Java SDK 1.3.1.16(JNDI拡張機能付き)

  • Java SDK 1.2.2.09

  • Java SDK 1.4.2.08

  • Java SDK 5.0

注意: このリリースにはJava SDK 1.4.2がインストールされています。


システムがこれらの要件を満たしているかどうかを確認するには、次の手順を実行します。

  1. インストールされているHP-UXのバージョンを確認するには、次のコマンドを入力します。

    # uname -a
    HP-UX hostname B.11.11 U 9000/800 109444686 unlimited-user license
    
    

    この例では、HP-UX 11iのバージョンは11.11です。

  2. バンドル、製品またはファイル・セットがインストールされているかどうかを確認するには、次のようなコマンドを入力します。ここでは、levelbundleproduct、またはfilesetです。

    # /usr/sbin/swlist -l level | more
    
    

    必要なバンドル、製品またはファイル・セットがインストールされていない場合は、インストールする必要があります。製品のインストールの詳細は、オペレーティング・システムまたはソフトウェアのドキュメントを参照してください。

また、システムに次のパッチがインストールされていることも確認する必要があります。このリストに続く手順では、これらの要件を確認する方法について説明します。


注意:

リストに記載されているよりも新しいバージョンのパッチがシステムにインストールされている場合もあります。リストに記載されているパッチがインストールされていない場合は、リストに記載されているバージョンをインストールする前に、それよりも新しいバージョンがインストールされているかどうかを確認してください。

インストール・タイプまたは製品 要件
すべてのインストール Quality Packバンドル:

HP-UX 11i Quality Pack(GOLDQPK11i)、2004年12月以降:

GOLDQPK11i
すべてのインストール HP-UX 11i V1(11.11)用パッチ:
  • PHNE_31097: ONC/NFS一般リリース/性能パッチ

  • PHSS_31221: HP aC++ -AAランタイム・ライブラリ(aCC A.03.60)

HP-UX 11i V2(11.23)用パッチ:

  • PHSS_31849: リンカーおよびfdp累積パッチ

  • PHSS_31852: aC++ランタイム(PA A.03.61)

すべてのインストール HP-UX 11i V1(11.11)のJDK用パッチ:
  • PHSS_30970: ld(1)およびリンカー・ツール累積パッチ

注意: JDK 1.4.2に必要な場合がある追加パッチについては、次のWebサイトを参照してください。

http://www.hp.com/products1/unix/java/patches/index.html
PL/SQLのネイティブ・コンパイル、Pro*C/C++、Oracle Call Interface、Oracle C++ Call Interface、Oracle XML Developer's Kit(XDK) HP-UX 11i V1(11.11)用パッチ:
  • PHSS_32508: HP aC++コンパイラ(A.03.63)

  • PHSS_32509: ANSI CコンパイラB.11.11.12累積パッチ

  • PHSS_32510: +O4/PBOコンパイラB.11.11.12累積パッチ

HP-UX 11i V2(11.23)用パッチ:

  • PHSS_32511: HP aC++コンパイラ(A.03.63)

  • PHSS_32512: ANSI CコンパイラB.11.11.12累積パッチ

  • PHSS_32513: +O4/PBOコンパイラB.11.11.12累積パッチ

Oracle Messaging Gateway WebSphere MQのCorrective Service Diskette(CSD):
  • WebSphere MQ V5.3のCSD05以降


システムがこれらの要件を満たしているかどうかを確認するには、次の手順を実行します。

  1. PA-RISCシステムの場合のみ、次のコマンドを入力してHP-UX 11i Quality Packがインストールされているかどうかを確認します。

    # /usr/sbin/swlist -l bundle | grep GOLD
    
    

    Quality Packがインストールされていない場合、または日付が2003年6月より前の場合は、次のWebサイトから最新のQuality Packをダウンロードしてインストールしてください。

    http://www.hp.com/go/softwareinfo/SUPPORT_PLUS
    
    
  2. パッチがインストールされているかどうかを確認するには、次のようなコマンドを入力します。

    # /usr/sbin/swlist -l patch | grep PHSS_28880
    
    

    また、インストール済パッチをすべて表示するには、次のコマンドを入力します。

    # /usr/sbin/swlist -l patch | more
    
    

    必要なパッチがインストールされていない場合は、次のWebサイトからダウンロードしてインストールします。

    http://itresourcecenter.hp.com
    
    

    Webサイトに表示されるパッチのバージョンの方が新しい場合は、そのバージョンをダウンロードしてインストールします。

  3. WebSphere MQのFix Pack(旧CSD)が必要な場合は、次のWebサイトでダウンロードおよびインストールの情報を参照してください。

    http://www.ibm.com/software/integration/wmq/support/
    

必要なシンボリック・リンクの作成


注意:

この作業が必要になるのは、Motif 2.1 Development Environmentパッケージ(X11MotifDevKit.MOTIF21-PRG)がインストールされていない場合のみです。

このソフトウェアのインストール後にOracle製品を正常に再リンクできるようにするには、次のコマンドを入力して必須のXライブラリ・シンボリック・リンクを/usr/libディレクトリに作成します。

# cd /usr/lib
# ln -s libX11.3 libX11.sl
# ln -s libXIE.2 libXIE.sl
# ln -s libXext.3 libXext.sl
# ln -s libXhp11.3 libXhp11.sl
# ln -s libXi.3 libXi.sl
# ln -s libXm.4 libXm.sl
# ln -s libXp.2 libXp.sl
# ln -s libXt.3 libXt.sl
# ln -s libXtst.2 libXtst.sl

2.1.7 AIX 5L Based Systemsのインストール前の要件

この項で説明するインストール前の作業は、次のとおりです。

2.1.7.1 AIX 5L Based Systemsのハードウェア要件の確認

システムが最小限満たす必要があるハードウェア要件は次のとおりです。

  • 512MB以上の使用可能な物理メモリー(RAM)

  • 1024MBまたはRAMサイズの2倍のスワップ領域

  • /tmpディレクトリに400MBのディスク領域

  • Oracle Audit Vault Agentソフトウェア用に必要な最大1.5GBのディスク領域

システムがこれらの要件を満たしているかどうかを確認するには、次の手順を実行します。

  1. 物理RAMサイズを確認するには、次のコマンドを入力します。

    # /usr/sbin/lsattr -E -l sys0 -a realmem
    
    

    物理RAMサイズが必要なサイズより小さい場合は、インストール処理を続行する前に、メモリーを追加する必要があります。

  2. 構成済のスワップ領域のサイズを確認するには、次のコマンドを入力します。

    # /usr/sbin/lsps -a
    
    

    必要に応じて、使用するオペレーティング・システムのドキュメントに記載された追加のスワップ領域の構成方法の説明を参照してください。

  3. /tmpディレクトリの使用可能なディスク領域を確認するには、次のコマンドを入力します。

    # df -k /tmp
    
    

    /tmpディレクトリの使用可能な空きディスク領域が400MB未満である場合は、次のいずれかの処置を行ってください。

    • /tmpディレクトリから不要なファイルを削除して、ディスク領域の要件を満たします。

    • oracleユーザーの環境の設定時に、TMPおよびTMPDIR環境変数を設定します。

    • /tmpディレクトリを含むファイルシステムを拡張します。必要に応じて、ファイルシステムの拡張の詳細をシステム管理者に問い合せてください。

  4. システムの空きディスク領域を確認するには、次のコマンドを入力します。

    # df -k
    
    
  5. ソフトウェアを実行できるシステム・アーキテクチャであるかどうかを確認するには、次のコマンドを入力します。

    # /usr/bin/getconf HARDWARE_BITMODE
    64
    
    

    注意:

    このコマンドでは64が出力されます。予想される出力が表示されない場合は、このシステムにソフトウェアをインストールできません。

2.1.7.2 AIX 5L Based Systemsのオペレーティング・システム要件の確認

インストールする製品ごとに、次に示すソフトウェアがシステムにインストールされていることを確認します。これらの要件を満たしているかどうかを確認する手順が、表の後に記載されています。


注意:

Oracle Universal Installerを起動すると、システムのチェックが実行され、ここに示された要件を満たしているかどうかが検証されます。このチェックを通過できるように、Oracle Universal Installerを起動する前に要件を確認しておきます。


注意:

このドキュメントに記載されたプラットフォーム固有のハードウェアとソフトウェアの要件は、このドキュメントが公開された時点での最新情報です。このドキュメントの公開後に、プラットフォームやオペレーティング・システムの新バージョンが動作保証されている可能性があるため、OracleMetaLink Webサイトの動作保証マトリックスで、動作保証されているハードウェア・プラットフォームとオペレーティング・システムのバージョンの最新のリストを確認してください。OracleMetaLink Webサイトには、次のURLでアクセスできます。
https://metalink.oracle.com

現在、オラクル社カスタマ・サポート・センターとの契約がない場合は、次の場所で同じ情報にアクセスできます。

http://www.oracle.com/technology/support/metalink/content.html


項目 要件
オペレーティング・システム 次のオペレーティング・システムのバージョンおよびメンテナンス・レベルが必要です。

AIX 5Lバージョン5.2、メンテナンス・レベル04以上

AIX 5Lバージョン5.3、メンテナンス・レベル02以上

オペレーティング・システムのファイル・セット 次のオペレーティング・システムのファイル・セットが必要です。
bos.adt.base
bos.adt.lib
bos.adt.libm
bos.perf.libperfstat
bos.perf.perfstat
bos.perf.proctools
xlC.aix50.rte:7.0.0.4 or later
xlC.rte:7.0.0.1 or later
PL/SQLのネイティブ・コンパイル 次のうちのいずれか1つ。
  • IBM XL C/C++ Enterprise Edition V7.0 for AIX PTF(7.0.0.2)

  • GCC 3.3.2

注意: IBM XL C/C++ Enterprise Edition V7.0コンパイラをインストールしていない場合は、IBM XL C/C++ Enterprise Edition V7.0 for AIX Runtime Environment Componentをインストールする必要があります。ランタイム環境ファイル・セットは、ライセンス要件なしで次のリンクからダウンロードできます。

http://www-1.ibm.com/support/docview.wss?uid=swg24009788

Pro*C/C++、Oracle Call Interface、Oracle C++ Call Interface、Oracle XML Developer's Kit(XDK)

注意: IBM XL C/C++ Enterprise Edition V7.0コンパイラをインストールしていない場合は、IBM XL C/C++ Enterprise Edition V7.0 for AIX Runtime Environment Componentをインストールする必要があります。ランタイム環境ファイル・セットは、ライセンス要件なしで次のリンクからダウンロードできます。

http://www-1.ibm.com/support/docview.wss?uid=swg24009788

Oracle JDBC/OCIドライバ 次のオプションのIBM JDKバージョンをOracle JDBC/OCIドライバと併用できますが、インストールには必要ありません。
  • JDK 1.4.2(64-bit)

  • JDK 1.3.1.11(32-bit)

  • JDK 1.2.2.18

注意: このリリースにはIBM JDK 1.4.2(32-bit)がインストールされています。

Oracle Messaging Gateway IBM WebSphere MQ V5.3、クライアントおよびサーバー。
mqm.Client.Bnd
mqm.Server.Bnd

システムがこれらの要件を満たしているかどうかを確認するには、次の手順を実行します。

  1. インストールされているAIXのバージョンを確認するには、次のコマンドを入力します。

    # oslevel -r
    
    

    オペレーティング・システムのバージョンがAIX 5.2.0.0メンテナンス・レベル1(5200-01)未満の場合は、オペレーティング・システムをこのレベルにアップグレードします。AIX 5Lバージョン5.2メンテナンス・パッケージは、次のWebサイトから入手できます。

    http://www-912.ibm.com/eserver/support/fixes/

  2. 必要なファイル・セットがインストールおよびコミットされているかどうかを確認するには、次のようなコマンドを入力します。

    # lslpp -l bos.adt.base bos.adt.lib bos.adt.libm bos.perf.perfstat \
     bos.perf.libperfstat bos.perf.proctools
    
    

    ファイル・セットがインストールおよびコミットされていない場合は、インストールします。ファイル・セットのインストールの詳細は、オペレーティング・システムまたはソフトウェアのドキュメントを参照してください。

また、システムに次のパッチがインストールされていることも確認する必要があります。このリストに続く手順では、これらの要件を確認する方法について説明します。


注意:

リストに記載されているよりも新しいバージョンのパッチがシステムにインストールされている場合もあります。リストに記載されているパッチがインストールされていない場合は、リストに記載されているバージョンをインストールする前に、それよりも新しいバージョンがインストールされているかどうかを確認してください。

インストール・タイプまたは製品 要件
すべてのインストール AIX 5L v5.2 ML 04用のAuthorized Problem Analysis Report(APAR):
  • IY63133: large percentage of CPU time spent in ldata_balance routine

  • IY64978: deadlock with concurrent renaming and unlinking under JFS

  • IY63366: dlsym returns null even for valid symbol in AIX520 ML-4

  • IY64691: chvg -b can cause corruption and crash

  • IY64737: AIO can hang in knotunlock

  • IY65001: mklvcopy on a striped lv is failing to update lvcb

すべてのインストール AIX 5L v5.3 ML 02用のAuthorized Problem Analysis Report(APAR):
  • IY58143: REQUIRED UPDATE FOR AIX 5.3

  • IY59386: libdepend.mk files are all empty

  • IY60930: Unable to delete network routes

  • IY66513: LDR_CNTRL turns on undesirable option when initialized with incorrect value

  • IY70159: krtl relocation problem

  • IY68989: eFix for write to mapped space hangs

PL/SQLのネイティブ・コンパイル、Pro*C/C++、Oracle Call Interface、Oracle C++ Call Interface、Oracle XML Developer's Kit(XDK) May 2005 XL C/C++ Enterprise Edition V7.0 for AIX PTF(7.0.0.2):
  • IY64361: Exception in putdiag_no_handler() when -O is specified

  • IY65361: May 2005 XL C Enterprise Edition V7.0 for AIX PTF

  • IY65362: MAY 2005 XL C/C++ Enterprise Edition V7 for AIX

Oracle JDBC/OCIドライバ 注意: これらのAPARは、関連するJDKバージョンを使用している場合のみ必要です。

JDK 1.4.2(64-bit)に必要なAPAR:

  • IY63533: DK 1.4.2 64-bit SR1 caix64142-20040917

JDK 1.3.1.11(32-bit)に必要なAPAR:

  • IY58350: SDK 1.3.1 32-BIT SR7P: CA131IFX-20040721A

  • IY65305: JAVA142 32-BIT PTF: CA142IFX-20041203

JDK 1.2.2.18に必要なAPAR:

  • IY40034: SDK 1.2.2 PTF: CA122-20030115

Oracle Messaging Gateway WebSphere MQのFix Pack(旧Corrective Service Diskette(CSD)):

WebSphere MQ V5.3 FP 9のCSD03以降


システムがこれらの要件を満たしているかどうかを確認するには、次の手順を実行します。

  1. APARがインストールされているかどうかを確認するには、次のようなコマンドを入力します。

    # /usr/sbin/instfix -i -k "IY63133 IY64978 IY63366 IY64691 IY65001 IY64737 \
      IY64361 IY65305 IY58350 IY63533"
    
    

    APARがインストールされていない場合は、次のWebサイトからダウンロードしてインストールします。

    http://www-912.ibm.com/eserver/support/fixes/

  2. WebSphere MQのFix Pack(旧CSD)が必要な場合は、次のWebサイトでダウンロードおよびインストールの情報を参照してください。

    http://www.ibm.com/software/integration/wmq/support/

2.1.8 HP-UX Itaniumのインストール前の要件

この項で説明するインストール前の作業は、次のとおりです。

2.1.8.1 HP-UX Itaniumのハードウェア要件の確認

システムが最小限満たす必要があるハードウェア要件は次のとおりです。

  • 512MB以上の使用可能な物理メモリー(RAM)

  • 1024MBまたはRAMサイズの2倍のスワップ領域

  • /tmpディレクトリに400MBのディスク領域

  • Oracle Audit Vault Agentソフトウェア用の1.5GBのディスク領域

システムがこれらの要件を満たしているかどうかを確認するには、次の手順を実行します。

  1. 物理RAMサイズを確認するには、次のコマンドを入力します。

    # /usr/contrib/bin/machinfo  | grep -i Memory
    
    

    物理RAMサイズが必要なサイズより小さい場合は、インストール処理を続行する前に、メモリーを追加する必要があります。

  2. 構成済のスワップ領域のサイズを確認するには、次のコマンドを入力します。

    # /usr/sbin/swapinfo -a
    
    

    必要に応じて、使用するオペレーティング・システムのドキュメントに記載された追加のスワップ領域の構成方法の説明を参照してください。

  3. /tmpディレクトリの使用可能なディスク領域を確認するには、次のコマンドを入力します。

    # bdf /tmp
    
    

    /tmpディレクトリの使用可能な空きディスク領域が400MB未満である場合は、次のいずれかの処置を行ってください。

    • /tmpディレクトリから不要なファイルを削除して、ディスク領域の要件を満たします。

    • oracleユーザーの環境の設定時に、TMPおよびTMPDIR環境変数を設定します。

    • /tmpディレクトリを含むファイルシステムを拡張します。必要に応じて、ファイルシステムの拡張の詳細をシステム管理者に問い合せてください。

  4. システムの空きディスク領域を確認するには、次のコマンドを入力します。

    # bdf
    
    
  5. ソフトウェアを実行できるシステム・アーキテクチャであるかどうかを確認するには、次のコマンドを入力します。

    # /bin/getconf KERNEL_BITS
    

    注意:

    このコマンドでは64が出力されます。予想される出力が表示されない場合は、このシステムにソフトウェアをインストールできません。

2.1.8.2 HP-UX Itaniumのオペレーティング・システム要件の確認

次に示すソフトウェア(またはそれ以降)がシステムにインストールされていることを確認します。これらの要件を満たしているかどうかを確認する手順が、表の後に記載されています。


注意:

Oracle Universal Installerを起動すると、システムのチェックが実行され、ここに示された要件を満たしているかどうかが検証されます。このチェックを通過できるように、Oracle Universal Installerを起動する前に要件を確認しておきます。


注意:

このドキュメントに記載されたプラットフォーム固有のハードウェアとソフトウェアの要件は、このドキュメントが公開された時点での最新情報です。このドキュメントの公開後に、プラットフォームやオペレーティング・システムの新バージョンが動作保証されている可能性があるため、OracleMetaLink Webサイトの動作保証マトリックスで、動作保証されているハードウェア・プラットフォームとオペレーティング・システムのバージョンの最新のリストを確認してください。OracleMetaLink Webサイトには、次のURLでアクセスできます。
https://metalink.oracle.com

現在、オラクル社カスタマ・サポート・センターとの契約がない場合は、次の場所で同じ情報にアクセスできます。

http://www.oracle.com/technology/support/metalink/content.html


項目 要件
オペレーティング・システム オペレーティング・システムのバージョン:

HP-UX 11i v2(11.23)

PL/SQLのネイティブ・コンパイル 次のうちのいずれか1つ。
  • HP C/ANSI C Compiler(A.06.00)

  • GCC Compiler GCC 3.4.2

注意: GCCコンパイラはPL/SQLのネイティブ・コンパイルでのみサポートされます。

Pro*C/C++、Oracle Call Interface、Oracle C++ Call Interface、Oracle XML Developer's Kit(XDK) HP C/ANSI C Compiler(A.06.00)

HP aC++ Compiler(A.06.00)

Oracle JDBC/OCIドライバ 次のオプションのJava SDKバージョンをOracle JDBC/OCIドライバと併用できますが、インストールには必要ありません。
  • HP JDK 1.5.0(5.0)

  • HP JDK 1.4.2.07

  • HP JDK 1.3.1.16

注意: このリリースにはJava SDK 1.4.2_07がインストールされています。


システムがこれらの要件を満たしているかどうかを確認するには、次の手順を実行します。

  1. インストールされているHP-UXのバージョンを確認するには、次のコマンドを入力します。

    # uname -a
    HP-UX hostname B.11.23 ia64 109444686 unlimited-user license
    
    

    この例では、HP-UX 11iのバージョンは11.23です。

  2. バンドル、製品またはファイル・セットがインストールされているかどうかを確認するには、次のようなコマンドを入力します。ここでは、levelbundleproduct、またはfilesetです。

    # /usr/sbin/swlist -l level | more
    
    

    必要なバンドル、製品またはファイル・セットがインストールされていない場合は、インストールする必要があります。製品のインストールの詳細は、オペレーティング・システムまたはソフトウェアのドキュメントを参照してください。

また、システムに次のパッチ(またはそれ以降)がインストールされていることも確認する必要があります。このリストに続く手順では、これらの要件を確認する方法について説明します。


注意:

リストに記載されているよりも新しいバージョンのパッチがシステムにインストールされている場合もあります。リストに記載されているパッチがインストールされていない場合は、リストに記載されているバージョンをインストールする前に、それよりも新しいバージョンがインストールされているかどうかを確認してください。

インストール・タイプまたは製品 要件
すべてのインストール 次のオペレーティング・システム・パッチ:
  • BUNDLE11i B.11.23.0409.3: HP-UX 11i V2のパッチ・バンドル

    注意: 2004年9月またはそれ以降のリリースのHP-UX 11i v2に更新する前に、2004年8月版のBUNDLE11i B.11.23.0408.1 for HP-UX 11i v2がシステムにインストールされている必要があります。

  • PHCO 32426: Reboot(1M)累積パッチ

  • PHKL 32646: wsio.hヘッダー・ファイル・パッチ

  • PHKL 32632: メッセージ・シグナル割込み(MSIおよびMSI-X)

  • PHKL 32645: SIO(IO)サブシステムMSI/MSI-X/WCパッチ

  • PHKL 33552: VM copy-on-write時のデータ破損の解消

  • PHSS_31850: 11.23アセンブラ・パッチ

  • PHSS_31851: 11.23 Unwindライブラリの整合性

  • PHSS_31854: 11.23 milli累積パッチ

  • PHSS_31855: 11.23 aC++ランタイム(IA: A.05.60、PA A.03.60)

  • PHSS_33275: s700_800 11.23リンカーおよびfdp累積パッチ

  • PHSS_33276: 11.23数学ライブラリ累積パッチ

すべてのインストール 次のJDKパッチ:
  • PHCO_31553: s700_800 11.23 pthreadライブラリ累積パッチ

  • PHKL_31500: s700_800 11.23 sept04ベース・パッチ

  • PHSS_32213: s700_800 11.23 Aries累積パッチ

注意: JDK 1.4.2に必要な場合がある追加パッチについては、次のWebサイトを参照してください。

http://www.hp.com/products1/unix/java/patches/index.html

PL/SQLのネイティブ・コンパイル、Pro*C/C++、Oracle Call Interface、Oracle C++ Call Interface、Oracle XML Developer's Kit(XDK) 次のCおよびC++のパッチ:
  • PHSS_33278: aC++ Compiler

  • PHSS_33279: aC++ Compiler

  • PHSS_33277: HP C Compiler

  • PHSS_33279: HP C Compiler


パッチがインストールされているかどうかを確認するには、次のようなコマンドを入力します。

# /usr/sbin/swlist -l patch | grep PHSS_33279

また、インストール済パッチをすべて表示するには、次のコマンドを入力します。

# /usr/sbin/swlist -l patch | more

必要なパッチがインストールされていない場合は、次のWebサイトからダウンロードしてインストールします。

http://itresourcecenter.hp.com

Webサイトに表示されるパッチのバージョンの方が新しい場合は、そのバージョンをダウンロードしてインストールします。

必要なシンボリック・リンクの作成


注意:

この作業が必要になるのは、Motif 2.1 Development Environmentパッケージ(X11MotifDevKit.MOTIF21-PRG)がインストールされていない場合のみです。

このソフトウェアのインストール後にOracle製品を正常に再リンクできるようにするには、次のコマンドを入力して必須のXライブラリ・シンボリック・リンクを/usr/libディレクトリに作成します。

# cd /usr/lib
# ln -s libX11.3 libX11.sl
# ln -s libXIE.2 libXIE.sl
# ln -s libXext.3 libXext.sl
# ln -s libXhp11.3 libXhp11.sl
# ln -s libXi.3 libXi.sl
# ln -s libXm.4 libXm.sl
# ln -s libXp.2 libXp.sl
# ln -s libXt.3 libXt.sl
# ln -s libXtst.2 libXtst.sl

2.1.9 必要なオペレーティング・システム・グループおよびユーザーの作成

このシステムにインストールする最初のOracleソフトウェアであるかどうか、およびどの製品をインストールするかに応じて、次のオペレーティング・システム・グループおよびユーザーの作成が必要になる場合があります。

  • Oracleインベントリ・グループ(oinstall

    システムにOracleソフトウェアを初めてインストールする場合は、このグループを作成する必要があります。通常、このグループに選択される名前はoinstallです。このグループは、Oracleインベントリを所有します。Oracleインベントリは、システムにインストールされているすべてのOracleソフトウェアのカタログです。


    注意:

    Oracleソフトウェアがシステムにすでにインストールされている場合、既存のOracleインベントリ・グループは、新しいOracleソフトウェアのインストールに使用するオペレーティング・システム・ユーザーのプライマリ・グループである必要があります。既存のOracleインベントリ・グループを識別する方法は、この後の項に記載されています。

  • Oracleソフトウェア所有者ユーザー(通常はoracle

    システムにOracleソフトウェアを初めてインストールする場合は、このユーザーを作成する必要があります。このユーザーは、インストール時にインストールされるすべてのソフトウェアを所有します。Oracleインベントリ・グループをこのユーザーのプライマリ・グループとして設定する必要があります。また、OSDBAグループとOSOPERグループをセカンダリ・グループとして設定する必要があります。


    注意:

    Oracleドキュメントでは、このユーザーのことをoracleユーザーと呼びます。

システムにインストールするすべてのOracleソフトウェアに対し、1つのOracleインベントリ・グループが必要です。最初のOracleソフトウェアのインストール以降は、このシステムへのすべてのOracleソフトウェアのインストールに、同じOracleインベントリ・グループを使用する必要があります。ただし、各インストールに対して異なるOracleソフトウェア所有者ユーザー、OSDBAグループおよびOSOPERグループ(oracledbaおよびoper以外)を作成することもできます。インストールごとに異なるグループを使用すると、各グループのメンバーは、システムのすべてのデータベースではなく、関連するデータベースに対してのみDBA権限を持つことになります。


関連資料:

OSDBAグループ、SYSDBA権限およびSYSOPER権限の詳細は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。


注意:

ローカル・ユーザーおよびグループの作成方法は、この後の項で説明します。ローカル・ユーザーおよびグループを作成するかわりに、たとえば、Network Information Service(NIS)などのディレクトリ・サービスに、適切なユーザーとグループを作成することもできます。ディレクトリ・サービスの使用の詳細は、システム管理者に問い合せるか、使用するオペレーティング・システムのドキュメントを参照してください。

次の項では、必要なオペレーティング・システム・ユーザーおよびグループの作成方法について説明します。

2.1.9.1 Oracleインベントリ・グループの作成

Oracleインベントリ・グループが存在しない場合は、作成する必要があります。ここでは、Oracleインベントリ・グループが存在する場合はその名前を調べる方法、および必要に応じてOracleインベントリ・グループを作成する方法を説明します。

Oracleインベントリ・グループが存在するかどうかの確認

システムにOracleソフトウェアを初めてインストールするとき、Oracle Universal InstallerによってoraInst.locファイルが作成されます。このファイルで、Oracleインベントリ・グループの名前とOracleインベントリ・ディレクトリのパスが識別されます。

Oracleインベントリ・グループが存在するかどうかを確認するには、次のコマンドを入力します。

Linux x86の場合

# more /etc/oraInst.loc

SPARC(64-bit)の場合

#more /var/opt/oracle/oraInst.loc

HP-UX PA-RISC(64-bit)の場合

#more /var/opt/oracle/oraInst.loc

AIX 5L Based Systemsの場合

# more /etc/oraInst.loc

Linux x86-64の場合

# more /etc/oraInst.loc

HP-UX Itaniumの場合

#more /var/opt/oracle/oraInst.loc

このコマンドの出力にoinstallグループ名が表示された場合は、グループがすでに存在します。

oraInst.locファイルが存在する場合、このコマンドの出力は次のようになります。

inventory_loc=/u01/app/oracle/oraInventory
inst_group=oinstall

inst_groupパラメータは、Oracleインベントリ・グループ名がoinstallであることを示します。

AIX 5L Based Systemsを除くすべてのシステムのOracleインベントリ・グループの作成

oraInst.locファイルが存在しない場合は、次のコマンドを入力してOracleインベントリ・グループを作成します。

# /usr/sbin/groupadd oinstall

AIX 5L Based SystemsのOracleインベントリ・グループの作成

oraInst.locファイルが存在しない場合は、次の手順を使用してOracleインベントリ・グループを作成します。

  1. 次のコマンドを入力します。

    # smit security
    
    
  2. 適切なメニュー項目を選択してoinstallグループを作成します。

  3. [F10]を押して終了します。

2.1.9.2 Oracleソフトウェア所有者ユーザーの作成

次のような場合は、Oracleソフトウェア所有者ユーザーを作成する必要があります。

  • Oracleソフトウェア所有者ユーザーが存在しない場合。たとえば、システムにOracleソフトウェアを初めてインストールする場合です。

  • Oracleソフトウェア所有者ユーザーは存在するが、新しいOracleインストールでは、異なるグループ・メンバーシップを持つ別のオペレーティング・システム・ユーザーを使用して、これらのグループにデータベース管理権限を付与する場合。

2.1.9.2.1 Oracleソフトウェア所有者ユーザーが存在するかどうかの確認

oracleというOracleソフトウェア所有者ユーザーが存在するかどうかを確認するには、次のコマンドを入力します。

Linux x86の場合

# id oracle

SPARC(64-bit)の場合

# id -a oracle

HP-UX PA-RISC(64-bit)の場合

# id oracle

AIX 5L Based Systemsの場合

# id oracle

Linux x86-64の場合

# id oracle

HP-UX Itaniumの場合

# id oracle

oracleユーザーが存在する場合、このコマンドの出力は次のようになります。

uid=440(oracle) gid=200(oinstall) groups=201(dba),202(oper)

ユーザーが存在する場合は、既存ユーザーを使用するか、別のoracleユーザーを作成するかを決定します。既存ユーザーを使用する場合は、そのユーザーのプライマリ・グループがOracleインベントリ・グループであり、かつ適切なOSDBAグループおよびOSOPERグループのメンバーであることを確認してください。


注意:

既存ユーザーを使用または変更する前に、必要に応じて、システム管理者に連絡してください。

詳細は、次のいずれかの項を参照してください。

  • 既存ユーザーを変更する場合は、2.1.9.2.3項を参照してください。

  • ユーザーを作成する場合は、次の項を参照してください。

2.1.9.2.2 Oracleソフトウェア所有者ユーザーの作成

Oracleソフトウェア所有者ユーザーが存在しない場合、または新しいOracleソフトウェア所有者ユーザーが必要な場合は、次のように作成します。次の手順では、同じ名前のユーザーが存在する場合以外は、oracleというユーザー名を使用してください。

  1. oracleユーザーを作成するには、次のようなコマンドを入力します。

    # /usr/sbin/useradd -g oinstall -G dba[,oper] oracle
    
    

    このコマンドのオプションは次のとおりです。

    • -gオプションには、プライマリ・グループを指定します。プライマリ・グループは、oinstallなど、Oracleインベントリ・グループである必要があります。

    • -Gオプションには、セカンダリ・グループを指定します。セカンダリ・グループには、OSDBAグループおよび必要に応じてOSOPERグループを含める必要があります(たとえば、dbaまたはdba, operなどです)。

  2. oracleユーザーのパスワードを設定します。

    # passwd oracle
    
    

続行するには、2.1.9.3項を参照してください。

2.1.9.2.3 Oracleソフトウェア所有者ユーザーの変更

oracleユーザーは存在するが、ユーザーのプライマリ・グループがoinstallでない場合、またはユーザーが適切なOSDBAグループまたはOSOPERグループのメンバーでない場合は、次のようなコマンドを入力して変更します。-gオプションを使用してプライマリ・グループを指定し、-Gオプションを使用して必要なセカンダリ・グループを指定します。

# /usr/sbin/usermod -g oinstall -G dba[,oper] oracle

続行するには、2.1.9.3項を参照してください。

2.1.9.2.4 AIX 5L Based SystemsのOracleソフトウェア所有者ユーザーの作成

Oracleソフトウェア所有者ユーザーが存在しない場合、または新しいOracleソフトウェア所有者ユーザーが必要な場合は、次のように作成します。次の手順では、同じ名前のユーザーが存在する場合以外は、oracleというユーザー名を使用してください。

  1. 次のコマンドを入力します。

    # smit security
    
    
  2. 適切なメニュー項目を選択し、次の情報を指定して、oracleユーザーを作成します。

    • 「Primary GROUP」フィールドでOracleインベントリ・グループを指定します。たとえば、oinstallなどです。

    • 「Group SET」フィールドで、OSDBAグループと(必要な場合は)OSOPERグループを指定します(たとえば、dbaまたはdba,operなどです)。


      注意:

      oracleユーザーのUIDは65536未満である必要があります。

  3. [F10]を押して終了します。

  4. oracleユーザーのパスワードを設定します。

    # passwd oracle
    
    

続行するには、2.1.9.3項を参照してください。

2.1.9.2.5 AIX 5L Based SystemsのOracleソフトウェア所有者ユーザーの変更

oracleユーザーは存在するが、ユーザーのプライマリ・グループがoinstallでない場合、またはユーザーが適切なOSDBAグループまたはOSOPERグループのメンバーでない場合は、次の手順で変更できます。

  1. 次のコマンドを入力します。

    # smit security
    
    
  2. 適切なメニュー項目を選択してoracleユーザーを変更します。

  3. 「Primary GROUP」フィールドでOracleインベントリ・グループを指定します。たとえば、oinstallなどです。

  4. 「Group SET」フィールドで必要なセカンダリ・グループを指定します。たとえば、dbaおよびoperなどです。

  5. [F10]を押して終了します。

続行するには、2.1.9.3項を参照してください。

2.1.9.3 ユーザーnobodyが存在するかどうかの確認

ソフトウェアをインストールする前に、次の手順を実行してnobodyユーザーがシステムに存在することを確認します。

  1. ユーザーが存在するかどうかを確認するには、次のコマンドを入力します。

    # id nobody
    
    

    このコマンドでnobodyユーザーの情報が表示される場合は、このユーザーを作成する必要はありません。

  2. nobodyユーザーが存在しない場合は、次のコマンドを入力して作成します。

    # /usr/sbin/useradd nobody
    
    

    AIX 5L Based Systemsの場合

    # smit security
    

    適切なオプションを指定して権限のないnobodyユーザーを作成し、[F10]を押して終了します。

2.1.10 必要なソフトウェア・ディレクトリの識別

次のOracleソフトウェア・ディレクトリを識別または作成する必要があります。

2.1.10.1 Oracleベース・ディレクトリ

Oracleベース・ディレクトリは、Oracleソフトウェア・インストールの最上位ディレクトリです。LinuxおよびUNIXベースのシステムでは、Oracleベース・ディレクトリに次のようなパスを使用することをOptimal Flexible Architecture(OFA)のガイドラインで推奨しています。

/mount_point/app/oracle_sw_owner

このパスの各要素の意味は次のとおりです。

  • mount_pointは、Oracleソフトウェアが格納されるファイルシステムのマウント・ポイント・ディレクトリです。

    このマニュアルの例では、/u01をマウント・ポイント・ディレクトリとして使用しています。ただし、/oracle/opt/oracleなどの別のマウント・ポイント・ディレクトリも選択できます。

  • oracle_sw_ownerは、oracleなど、Oracleソフトウェア所有者のオペレーティング・システム・ユーザー名です。

複数のインストールに対して同じOracleベース・ディレクトリを使用する場合と、インストールごとに異なるOracleベース・ディレクトリを作成する場合があります。異なるオペレーティング・システム・ユーザーが同じシステムにOracleソフトウェアをインストールする場合、各ユーザーは別個のOracleベース・ディレクトリを作成する必要があります。次の例に示されたすべてのOracleベース・ディレクトリが同じシステムに存在することが可能です。

/u01/app/oracle
/u01/app/orauser
/opt/oracle/app/oracle

インストールに適した既存のOracleベース・ディレクトリを識別する方法と、必要に応じてOracleベース・ディレクトリを作成する方法については、この後の項で説明します。

Oracleベース・ディレクトリを作成するか、既存のOracleベース・ディレクトリを使用するかにかかわらず、ORACLE_BASE環境変数を設定してこのディレクトリのフルパスを指定する必要があります。

2.1.10.2 Oracleインベントリ・ディレクトリ

Oracleインベントリ・ディレクトリ(oraInventory)には、システムにインストールされたすべてのソフトウェアのインベントリが格納されます。Oracleインベントリ・ディレクトリは、1つのシステム上のすべてのOracleソフトウェア・インストールに必要であり、かつ共有のものです。システムにOracleソフトウェアを初めてインストールするとき、Oracle Universal Installerにより、このディレクトリへのパスを指定するよう求められます。次のパスを選択することをお薦めします。

oracle_base/oraInventory

指定したディレクトリは、Oracle Universal Installerによって作成され、適切な所有者、グループおよび権限が設定されます。Oracleインベントリ・ディレクトリを手動で作成する必要はありません。


注意:

Oracleソフトウェアのすべてのインストールが、このディレクトリに依存しています。必ずバックアップを定期的に作成してください。

システムからすべてのOracleソフトウェアを完全に削除する場合以外は、このディレクトリを削除しないでください。


2.1.10.3 Oracleホーム・ディレクトリ

Oracleホーム・ディレクトリは、特定のOracle製品のソフトウェアをインストールするために選択するディレクトリです。異なるOracle製品、または同じOracle製品でもリリースが異なる場合は、別々のOracleホーム・ディレクトリにインストールする必要があります。Oracle Universal Installerを実行すると、このディレクトリのパスと識別名を指定するよう求められます。Oracleホーム・ディレクトリには、Oracleベース・ディレクトリのサブディレクトリを指定する必要があります。Oracleホーム・ディレクトリのパスは、次のように指定することをお薦めします。

oracle_base/product/10.2.2/av_1

Oracle Universal Installerにより、指定したディレクトリ・パスがOracleベース・ディレクトリの下に作成されます。また、適切な所有者、グループおよび権限も設定されます。Oracleホーム・ディレクトリを手動で作成する必要はありません。

2.1.11 Oracleベース・ディレクトリの識別または作成

インストールを開始する前に、既存のOracleベース・ディレクトリを識別するか、必要な場合は作成する必要があります。この項の内容は次のとおりです。


注意:

システムに他のOracleベース・ディレクトリが存在する場合でも、Oracleベース・ディレクトリの作成を選択できます。

2.1.11.1 既存のOracleベース・ディレクトリの識別

既存のOracleベース・ディレクトリのパスが、Optimal Flexible Architecture(OFA)のガイドラインに準拠していない場合があります。ただし、既存のOracleインベントリ・ディレクトリまたは既存のOracleホーム・ディレクトリを識別すると、通常ではOracleベース・ディレクトリを識別できます。次にその手順を示します。

  • 既存のOracleインベントリ・ディレクトリの識別

    次のコマンドを入力して、oraInst.locファイルの内容を表示します。

    Linux x86の場合

    # more /etc/oraInst.loc
    
    

    SPARC(64-bit)の場合

    # more /var/opt/oracle/oraInst.loc
    
    

    HP-UX PA-RISC(64-bit)の場合

    # more /var/opt/oracle/oraInst.loc
    
    

    AIX 5L Based Systemsの場合

    # more /etc/oraInst.loc
    
    

    Linux x86-64の場合

    # more /etc/oraInst.loc
    
    

    HP-UX Itaniumの場合

    # more /var/opt/oracle/oraInst.loc
    
    

    oraInst.locファイルが存在する場合、このコマンドの出力は次のようになります。

    inventory_loc=/u01/app/oracle/oraInventory
    inst_group=oinstall
    
    

    inventory_locパラメータは、Oracleインベントリ・ディレクトリ(oraInventory)を識別します。通常では、oraInventoryディレクトリの親ディレクトリがOracleベース・ディレクトリです。前述の例では、/u01/app/oracleがOracleベース・ディレクトリです。

  • 既存のOracleホーム・ディレクトリの識別

    次のコマンドを入力して、oratabファイルの内容を表示します。

    Linux x86の場合

    # more /etc/oratab
    
    

    SPARC(64-bit)の場合

    # more /var/opt/oracle/oratab
    
    

    HP-UX PA-RISC(64-bit)の場合

    # more /etc/oratab
    
    

    AIX 5L Based Systemsの場合

    # more /etc/oratab
    
    

    Linux x86-64の場合

    # more /etc/oratab
    
    

    HP-UX Itaniumの場合

    # more /etc/oratab
    
    

    oratabファイルが存在する場合、ファイルには次のような行が含まれます。

    *:/u03/app/oracle/product/1.0.0/db_1:N
    *:/opt/orauser/infra_904:N
    *:/oracle/9.2.0:N
    
    

    各行に指定されたディレクトリ・パスは、Oracleベース・ディレクトリを識別します。使用するOracleソフトウェア所有者のユーザー名を末尾に持つディレクトリ・パスは、Oracleベース・ディレクトリとして有効な選択となります。前述の例で、oracleユーザーを使用してソフトウェアをインストールする場合は、次のいずれかのディレクトリを選択できます。

    /u03/app/oracle
    /oracle
    

    注意:

    できるかぎり、最初の例のようなディレクトリ・パス(/u03/app/oracle)を選択してください。このパスは、OFAのガイドラインに準拠しています。

このインストールに使用する既存のOracleベース・ディレクトリを決定する前に、次の条件を満たしているかどうかを確認してください。

  • オペレーティング・システムと同じファイルシステムに存在しないこと。

  • 各プラットフォームのハードウェア要件の項に記載された十分な空きディスク領域があること。

    Oracleベース・ディレクトリがあるファイルシステム上の空きディスク領域を確認するには、次のコマンドを入力します。

    Linux x86の場合

    # df -h oracle_base_path
    
    

    SPARC(64-bit)の場合

    # df -k oracle_base_path
    
    

    HP-UX PA-RISC(64-bit)の場合

    # df -k oracle_base_path
    
    

    AIX 5L Based Systemsの場合

    # df -k oracle_base_path
    
    

    Linux x86-64の場合

    # df -h oracle_base_path
    
    

    HP-UX Itaniumの場合

    # bdf oracle_base_path
    
    

Oracleベース・ディレクトリがシステムに存在しない場合、またはOracleベース・ディレクトリを作成する場合は、2.1.11.2項の手順を完了してください。

2.1.11.2 Oracleベース・ディレクトリの作成

Oracleベース・ディレクトリを作成する前に、2.1.3.1項で示している十分な空きディスク領域がある適切なファイルシステムを識別する必要があります。

適切なファイルシステムを識別するには、次の手順を実行します。

  1. df -kまたはbdfコマンドを使用して、マウントされている各ファイルシステム上の空きディスク領域を調べます。

  2. 表示された結果から、適切な空き領域があるファイルシステムを識別します。

  3. 識別したファイルシステムのマウント・ポイント・ディレクトリ名をメモしておきます。

Oracleベース・ディレクトリを作成し、適切な所有者、グループおよび権限を指定するには、次の手順を実行します。

  1. 次のようなコマンドを入力して、識別したマウント・ポイント・ディレクトリに推奨サブディレクトリを作成し、適切な所有者、グループおよび権限を設定します。

    # mkdir -p /mount_point/app/oracle_sw_owner
    # chown -R oracle:oinstall /mount_point/app/oracle_sw_owner
    # chmod -R 775 /mount_point/app/oracle_sw_owner
    
    

    たとえば、識別したマウント・ポイントが/u01で、Oracleソフトウェア所有者のユーザー名がoracleであれば、Oracleベース・ディレクトリのパスは次のようになります。

    /u01/app/oracle
    
    
  2. oracleユーザーの環境を構成する際に(2.1.9項を参照)、ORACLE_BASE環境変数の設定で、作成したOracleベース・ディレクトリを指定します。

2.1.12 DISPLAY環境変数の設定

Audit Vault Agentのインストールを開始する前に、DISPLAY環境変数が適切な値に設定されていることを確認する必要があります。たとえば、Bourne、BashまたはKornシェルの場合は、次のコマンドを入力します。このコマンドで、myhost.us.oracle.comは使用するホスト名を表します。

$ DISPLAY=myhost.us.oracle.com:1.0
$ export DISPLAY

たとえば、Cシェルの場合は、次のコマンドを入力します。このコマンドで、myhost.us.oracle.comは使用するホスト名を表します。

% setenv DISPLAY myhost.us.oracle.com:1.0

2.2 Windows(32-bit)プラットフォームのインストール前の要件

この項で説明するインストール前の作業は、次のとおりです。

2.2.1 Oracle Audit Vaultの機能についての知識の習得

インストール・プロセスを計画する前に、Oracle Audit Vaultの機能を理解しておく必要があります。Oracle Audit Vaultの基本機能の説明は、『Oracle Audit Vault管理者ガイド』に記載されています。

2.2.2 WindowsシステムとUNIXシステムにおけるインストールの相違点の理解

UNIX環境でのOracleコンポーネントのインストールを経験している場合、UNIXで必要な多くの手動設定の作業が、Windowsでは必要ないことに注意してください。UNIXでのインストールとWindowsでのインストールにおける主な相違点は次のとおりです。

  • 起動サービスと停止サービス

    Windowsでは、Oracle Universal Installerにより、インストール時に起動サービスと停止サービスが作成および設定されます。UNIXシステムでは、管理者がこれらのサービスを作成します。

  • 環境変数

    Windowsでは、Oracle Universal Installerにより、PATHORACLE_BASEORACLE_HOMEORACLE_SIDなどの環境変数がレジストリに設定されます。UNIXシステムでは、これらの環境変数を手動で設定する必要があります。

  • データベース管理者のDBAアカウント

    Windowsでは、Oracle Universal Installerにより、ORA_DBAグループが作成されます。UNIXシステムでは、DBAアカウントを手動で作成する必要があります。

  • Oracle Universal Installerを実行するためのアカウント

    Windowsでは、管理者権限でログインします。別個のアカウントは不要です。UNIXシステムでは、このアカウントを手動で作成する必要があります。


関連資料:

『Oracle Databaseプラットフォーム・ガイドfor Microsoft Windows(32-bit)』の「Oracle DatabaseのWindowsとUNIXでの相違点」

2.2.3 Windows(32-bit)プラットフォームのハードウェア要件の確認

表2-2に、Oracle Audit Vault Agentに必要なハードウェア・コンポーネントを示します。

表2-2 ハードウェア要件

要件 最小値

物理メモリー(RAM)

最小128MB、推奨512MB

仮想メモリー

RAMの2倍

ハード・ディスク領域

397MB(42MBの一時領域を含む)

ビデオ・アダプタ

256色

プロセッサ

最小550MHz


2.2.3.1 ハード・ディスク領域の要件

この項では、NT File System(NTFS)ファイル・システムを使用するWindowsプラットフォームのシステム要件を示します。FAT32の領域要件はわずかに大きくなります。Oracleコンポーネントは、NTFSへインストールすることをお薦めします。

この項に示されているNTFSシステム要件は、Oracle Universal Installerのサマリー・ウィンドウで報告されるハード・ディスク値よりも正確です。サマリー・ウィンドウには、データベースの作成に必要な領域やハード・ドライブ上に展開される圧縮ファイルのサイズは含まれません。

Oracle Database Clientコンポーネントのハード・ディスク要件には、オペレーティング・システムがインストールされているパーティションにJava Runtime Environment(JRE)とOracle Universal Installerをインストールするために必要な領域が含まれます。十分な領域が検出されなかった場合、インストールが失敗し、エラー・メッセージが表示されます。

表2-3に、NTFSの領域要件を示します。

表2-3 NTFSのディスク領域要件

TEMP領域 Oracleホーム 合計

42MB

355MB

397MB



関連資料:

『Oracle Databaseプラットフォーム・ガイドfor Microsoft Windows(32-bit)』のNTFSファイル・システムとWindowsレジストリの権限に関する項

システムがこれらの要件を満たしているかどうかを確認する手順は次のとおりです。

  1. 物理RAMサイズを調べます。たとえば、Windows 2003を使用するコンピュータでは、Windowsの「コントロール パネル」の「システム」を開き、「全般」タブを選択します。システムにインストールされた物理RAMサイズが必要なサイズより小さい場合は、インストール処理を続行する前に、メモリーを追加する必要があります。

  2. 構成済の仮想メモリー・サイズ(またはページング・ファイル・サイズ)を調べます。たとえば、Windows 2003を使用するコンピュータでは、「コントロール パネル」の「システム」を開き、「詳細」タブを選択し、「パフォーマンス」セクションの「設定」をクリックします。次に、「詳細」タブを選択します。仮想メモリーは、「仮想メモリー」セクションに表示されます。

    必要に応じて、使用するオペレーティング・システムのドキュメントに記載された追加の仮想メモリーの構成方法の説明を参照してください。

  3. システムの空きディスク領域のサイズを調べます。たとえば、Windows 2003を使用するコンピュータでは、「マイ コンピュータ」を開き、Oracleソフトウェアをインストールするドライブを右クリックし、「プロパティ」を選択します。

  4. tempディレクトリの使用可能なディスク領域のサイズを調べます。これは空きディスク領域の合計サイズから、Oracleソフトウェアのインストールに必要なサイズを引いた値に相当します。

    tempディレクトリの使用可能なディスク領域が100MB未満である場合は、不要なファイルをすべて削除します。それでもtempディスク領域が100MB未満である場合は、TEMPまたはTMP環境変数が別のハード・ドライブを指すように設定します。たとえば、Windows 2003を使用するコンピュータでは、「コントロール パネル」の「システム」を開き、「詳細」タブを選択し、「環境変数」をクリックします。

2.2.4 Windows(32-bit)プラットフォームのソフトウェア要件の確認

表2-4に、Oracle Audit Vault Agentのソフトウェア要件を示します。

表2-4 ソフトウェア要件

要件

システム・アーキテクチャ

プロセッサ: Intel(x86)

詳細は、次のOracleMetaLinkを参照してください。

https://metalink.oracle.com

オペレーティング・システム

Windows用のOracle Audit Vault Agentは、次のオペレーティング・システムでサポートされています。

  • Windows 2000 Service Pack 1以降。Terminal ServicesおよびMicrosoft Windows 2000 MultiLanguage Edition(MLE)を含むすべてのEditionがサポートされます。

  • Windows Server 2003: すべてのEdition。

  • Windows XP Professional Service Pack 1。

Windows NTはサポートされません。

Windows Multilingual User Interface Packは、Windows Server 2003およびWindows XP Professionalでサポートされています。

ネットワーク・プロトコル

Oracle Net Foundationレイヤーでは、Oracle Protocol Supportを使用して次の業界標準ネットワーク・プロトコルと通信します。

  • TCP/IP

  • Secure Sockets Layer(SSL)を使用するTCP/IP

  • 名前付きパイプ


2.3 Oracle Audit Vault Agentハードウェアおよびソフトウェアの動作保証

このドキュメントに記載されたプラットフォーム固有のハードウェアとソフトウェアの要件は、このドキュメントが公開された時点での最新情報です。このドキュメントの公開後に、プラットフォームやオペレーティング・システム・ソフトウェアの新バージョンが動作保証されている可能性があるため、OracleMetaLink Webサイトの動作保証マトリックスで、動作保証されているハードウェア・プラットフォームとオペレーティング・システムのバージョンの最新のリストを確認してください。このWebサイトでは、互換性のあるクライアントおよびデータベースのバージョン、パッチおよび不具合の回避策の情報も提供しています。OracleMetaLink Webサイトは、次のURLでアクセスできます。

https://metalink.oracle.com/

OracleMetaLinkを使用するには、オンラインでの登録が必要です。ログイン後に、左側の列から「Certify & Availability」を選択します。「Product Lifecycle」ページで、「Certifications」ボタンを選択します。「Product Lifecycle」には、「Product Availability」「Desupport Notices」および「Alerts」を含むその他のオプションがあります。