Oracle Audit Vaultサーバー・インストレーション・ガイド リリース10.2.3 for Solaris Operating System(SPARC 64-bit) B50449-01 |
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この章では、Oracle Audit Vault Serverのリリース10.2.2.1.0以下のインストールをリリース10.2.3.0.0にアップグレードする手順について説明します。この章には、次の項が含まれます。
Oracle Audit Vault Serverのアップグレード・インストールにはロールバックの機能がありません。このため、アップグレードのテストが完了するまで、アップグレードの実行前に予防措置としてファイルをバックアップしておく必要があります。
データベースのバックアップ
データベースの分析後にインスタンスを完全に停止したら、データベースの全体バックアップを実行する必要があります。次の手順を実行します。
次のコマンドを使用して、RMANにサインオンします。
rman "target / nocatalog"
次のRMANコマンドを発行します。
BACKUP DATABASE FORMAT 'some_backup_directory%U' TAG before_upgrade; BACKUP CURRENT CONTROLFILE TO 'save_controlfile_location';
注意: アップグレードの問題が発生した場合、アップグレードをすべて中止するには、このバックアップからデータベースをリストアする必要があります。このため、必ずこの時点で予防措置としてデータベースをバックアップしてください。 |
関連項目: データベースのバックアップの詳細は、『Oracle Databaseバックアップおよびリカバリ基礎』を参照してください。 |
Audit Vault Serverホームのバックアップ
アップグレードではAudit Vault Serverホームのファイルが更新されるため、パッチ・セットのテストが完了するまで、これらのファイルをすべて別のディレクトリにバックアップまたはコピーしておく必要があります。
アップグレードの中止
アップグレードが失敗した場合、アップグレードを中止するには、次の手順を実行します。
Audit Vault Serverホームのファイルをコピー(リストア)で元に戻します。
「データベースのバックアップ」の手順をすべて実行してデータベースをバックアップした場合は、そのバックアップをリストアします。次の手順を実行します。
前のリリースのOracleホーム・ディレクトリの所有者としてシステムにログインします。
次のコマンドを使用して、RMANにサインオンします。
rman "target / nocatalog"
次のRMANコマンドを発行します。
STARTUP NOMOUNT RUN { REPLICATE CONTROLFILE FROM 'save_controlfile_location'; ALTER DATABASE MOUNT; RESTORE DATABASE FROM TAG before_upgrade ALTER DATABASE OPEN RESETLOGS; }
注意: Audit Vault Serverのリリース10.2.2.1.0からリリース10.2.3.0.0へのアップグレード操作を実行する前に、次のコマンドを使用して$ORACLE_HOME/jre フォルダの書込み権限を設定する必要があります。そうしない場合、アップグレード中に../jre/../ ファイルの書込み権限エラーが返されます。
chmod -R u+w jre |
Audit Vault Server 10.2.3.0.0へのアップグレードを実行するための唯一の要件は、システムに旧リリースのAudit Vault Server(リリース10.2.2.1.0以下)がインストール済であり、それがOracle Universal Installerによって検出されることです。
Oracle Audit Vault Serverのリリース10.2.3にアップグレードするには、次の一連の手順に従って、Audit Vaultコンポーネントの停止、サーバー・アップグレードの実行、エージェント・アップグレードの実行、Audit Vaultコンポーネントの起動を順に行います。
NLS_LANG
環境変数を設定します。
すべてのコレクタを停止します。
すべてのエージェントを停止します。
エージェントOC4Jを停止します。
Audit Vaultコンソールを停止します。
Audit Vaultデータベースを停止します。
リスナーを停止します。
Audit Vault ServerホームでOracle Audit Vault Serverリリース10.2.3.0.0へのアップグレードを実行します。
すべてのAudit Vault AgentホームでOracle Audit Vault Agentリリース10.2.3.0.0へのアップグレードを実行します。詳細は、『Oracle Audit Vaultエージェント・インストレーション・ガイド』の「Oracle Audit Vault Agentの更新」を参照してください。
すべてのエージェントを起動します。
すべてのコレクタを起動します。
Audit Vaultシステムを監視します。
これらの各手順の詳細を以降に示します。
手順1: NLS_LANG環境変数の設定
NLS_LANG
環境変数を、Oracle Audit Vaultリリース10.2.2.0.0以下の基本インストール時に使用した値と同じ値に設定します。
注意: Audit Vault Serverリリース10.2.2.1以下に2007年10月またはそれ以降のOracle CPUが適用されている場合、この手順は必要ありません。 |
手順2: すべてのコレクタの停止
このパッチ・セットを適用する、Audit Vault Serverと関連付けられているすべてのコレクタを停止する必要があります。
ORACLE_HOME
、ORACLE_SID
およびPATH
環境変数が適切に設定されているAudit Vault Serverホームから、次のコマンド構文を使用して各コレクタを停止します。
avctl stop_collector -collnamecollector-name
-srcnamesource-name
手順3: すべてのエージェントの停止
このパッチ・セットを適用する、Audit Vault Serverと関連付けられているすべてのエージェントを停止する必要があります。
ORACLE_HOME
、ORACLE_SID
およびPATH
環境変数が適切に設定されているAudit Vault Serverホームから、次のコマンド構文を使用して各エージェントを停止します。
avctl stop_agent -agentname agent-name
手順4: エージェントOC4Jの停止
このパッチ・セットを適用する、Audit Vault Serverと関連付けられているすべてのエージェントOC4Jを停止する必要があります。各エージェントに1つずつエージェントOC4Jが関連付けられています。
ORACLE_HOME
、LD_LIBRARY_PATH
およびPATH
環境変数が適切に設定されている各Audit Vault Agentホームから、次のコマンド構文を使用して各エージェントOC4Jを停止します。
avctl stop_oc4j
手順5: Audit Vaultコンソールの停止
ORACLE_HOME
、ORACLE_SID
およびPATH
環境変数が適切に設定されているAudit Vault Serverホームから、次のコマンド構文を使用してAudit Vaultコンソールを停止します。
avctl stop_av
Oracle RAC環境では、Audit Vaultがインストールされているすべてのノードでコマンドを実行します。
注意: Oracle RAC環境では、リモート・ノードのEnterprise Managerを停止しないでください。これを行った場合、Audit Vault Serverリリース10.2.3.0.0へのアップグレード後に、これらのリモート・ノードのEnterprise Managerを手動で起動する必要があります。 |
手順6: Audit Vaultデータベースの停止
Audit Vault Serverホームから、次のコマンドを使用してAudit Vaultデータベースを停止します。
sqlplus /nolog SQL*Plus: Release 10.2.0.3.0 - Production on Thu Dec 13 22:51:56 2007 Copyright (c) 1982, 2007, Oracle. All Rights Reserved. SQL> connect sys as sysoper Enter password: Connected. SQL> SQL> shutdown immediate Database closed. Database dismounted. Oracle instance shut down. SQL> exit
Oracle RAC環境では、ローカル・ノードから次のコマンドを実行します。
$ORACLE_HOME/bin/srvctl stop database –dAVdatabase name
-q Connect string: [/ as sysdba] sys/sys password
as sysdba
手順7: リスナーの停止
Audit Vault Serverホームから、次のコマンドを使用してリスナーを停止します。リスナー名は通常、LISTENERです。リスナーの名前を確認するには、lsnrctl status
コマンドを実行します。
$ORACLE_HOME/bin/lsnrctl stop Listener-name
Oracle RAC環境では、Audit Vaultがインストールされているすべてのノードでコマンドを実行します。
手順8: Audit Vault ServerホームでのOracle Audit Vault Serverリリース10.2.3.0.0へのアップグレードの実行
次の手順を実行して、Audit Vault ServerホームでOracle Audit Vault Serverリリース10.2.3.0.0へのアップグレードを実行します。
Oracle Audit Vault Serverリリース10.2.3のメディアを検索し、そのメディアをマウントします。
runInstallerプログラムが存在するディレクトリからOracle Universal Installer(OUI)を起動します。
cd directory-containing-Oracle-Audit-Vault-Server-Installation-Files
./runInstaller
Oracle Audit Vault Serverインストール インストール・タイプの選択ウィンドウで、インストーラによりアップグレード可能なリリースが検出されると、自動的に既存のAudit Vault Serverホームのアップグレード・オプションが選択され、アップグレード可能なホーム・パス指定が表示されます。アップグレード可能なパスが複数存在する場合は、パス名を確認し、アップグレードするパス指定を選択します。次に「次へ」をクリックします。
Oracle RACインストールの場合、ノード選択画面が表示されます。すべてのフィールドが無効になっています。変更を加えることはできません。この画面は、このインストール・アップグレードがインストールされるノードを示すために表示されます。
サマリー・ページ画面が表示されます。必要な領域を確認します。Oracle Audit Vault Server 10.2.3.0.0へのアップグレードには672MBの領域が必要です。この中には、117MBの一時領域も含まれます。次に、インストールする各項目を確認します。「インストール」をクリックします。
「コンフィギュレーション・アシスタント」画面が表示され、Audit Vault Serverの個別パッチの適用処理が開始されます。次に、Audit Vaultアップグレード・アシスタントにより、リリース10.2.3のアップグレード・インストールを続行するためのAVCAスクリプトが実行されます。
「インストールの終了」画面に、インストールの正常完了を示すメッセージが表示されます。Audit Vaultコンソール10.2.3.0.0のURLに注意してください。「終了」をクリックして、Oracle Universal Installerを終了します。次に「終了」確認画面で「終了しますか。」と表示されたら、「はい」をクリックして終了操作を確認します。
最近リリース10.2.3.0.0にアップグレードしたAudit Vault Serverのインストールに関連付けられているOracle Audit Vault Agentリリース10.2.2.1.0以下をすべてアップグレードする方法の詳細は、『Oracle Audit Vaultエージェント・インストレーション・ガイド』の「Oracle Audit Vault Agentの更新」を参照してください。
手順9: Audit Vault AgentホームでのOracle Audit Vault Agentリリース10.2.3.0.0へのアップグレードの実行
注意: 最近リリース10.2.3.0.0にアップグレードしたAudit Vault Serverに関連付けられているリリース10.2.2.1.0以下のAudit Vault Agentはいずれも、Audit Vault Serverの最新リリースとの互換性を保つために、Audit Vault Agentリリース10.2.3.0.0にアップグレードできるようになりました。詳細は、『Oracle Audit Vaultエージェント・インストレーション・ガイド』の「Oracle Audit Vault Agentの更新」を参照してください。 |
手順10: すべてのエージェントの起動
ORACLE_HOME
、ORACLE_SID
およびPATH
環境変数が適切に設定されているAudit Vault Serverホームから、次のコマンド構文を使用して各エージェントを起動します。
avctl start_agent -agentname agent-name
手順11: すべてのコレクタの起動
ORACLE_HOME
、ORACLE_SID
、PATH
およびLD_LIBRARY_PATH
環境変数が適切に設定されているAudit Vault Serverホームから、次のコマンド構文を使用して各コレクタを起動します。
avctl start_collector -collnamecollecctor-name
-srcnamesource-name
手順12: Audit Vaultシステムの監視
この手順は、すべてのAudit Vaultコンポーネントが実行されており、システムが使用可能であることを確認するためにAudit Vaultシステムを監視する必要があることを示すためのものです。
注意: 基本インストールは、サイレント・モードではサポートされません。サイレント・インストールは、拡張アップグレード・インストールでのみサポートされます。 |
レスポンス・ファイルを使用してサイレント・アップグレード・インストールを実行する手順は、次のとおりです。
Audit Vault ServerとAudit Vault Agentをインストールするための前提条件がすべて満たされていることを確認します。
Audit Vault Serverのレスポンス・ファイルを準備します。レスポンス・ファイルのテンプレートは、Audit Vault Serverインストール・メディアの<AV installer location>/response/upgrade_av.rsp
にあります。
レスポンス・ファイルを準備するには、レスポンス・ファイルの最初の部分で、すべての未指定のパラメータの値を入力し、ファイルを保存します。単一インスタンスのインストールには、RAWストレージを使用しないことに注意してください。また、Oracle RAC環境にAudit Vault Serverをインストールするには、CLUSTER_NODES
パラメータを指定する必要があります。レスポンス・ファイルの2番目の部分にある値は編集しないでください。
サイレント・インストールを続行する前に、DISPLAY
環境変数を適切な値に設定してください。詳細は、2.11項を参照してください。
次のオプションを使用して、Oracle Universal Installerを起動します。
./runInstaller -silent -responseFile <Path of response file>
これらのオプションの詳細は、1.2.2項を参照してください。レスポンス・ファイルを使用してデータベースのインストールを完了する方法の一般情報は、Oracle Database Oracle ClusterwareおよびOracle Real Application Clustersのインストレーション・ガイドを参照してください。
アップグレードはインプレース・アップグレードであるため、Oracle Audit Vault Serverアップグレードの実行後も元のディレクトリ構造が引き続き使用されることに注意してください。つまり、ORACLE_HOME
、PATH
およびLD_LIBRARY_PATH
環境変数は、アップグレード前のものと同じです。
その他のアップグレード・インストール後の作業については、3.7項を参照してください。