この付録では、Calendar Serverに十分なリソースを確実に割り当てるために、特定のカーネル・パラメータおよび運用環境に加える必要のある変更について詳しく説明します。Solarisクラスタなど、特定の特殊な操作環境をサポートする際に検討が必要なサーバー構成上の問題についても説明します。
この付録の内容は次のとおりです。
調整が必要なUNIXシステム・パラメータは、ユーザー全体、プロセス全体またはシステム全体でリソース消費を制御するために使用されます。ユーザーまたはプロセス・パラメータの場合、パラメータの新しい値は既存の値またはCalendar Server要件のうち、パラメータによって大きい方または小さい方になります。システム全体のパラメータの場合、既存の値にサーバー要件を加算して、新しい値を算出します。
この付録で、プラットフォーム固有のすべてのカーネル・パラメータの計算に推奨する式は、次の変数定義に基づいています。
Nは、構成されているカレンダ・ノード数を表します。
Mは、$ORACLE_HOME/ocal/misc/unison.ini
ファイルの[ENG] maxsessions
パラメータに割り当てられた値を表します。
Lは、LCKリスナーの数を表します。この値は、「予備計算」の項で決まります。
Sは、セマフォ要件を表します。この値は、「予備計算」の項で決まります。
Bは、最大の共有メモリー・セグメントを表します。この値は、「予備計算」の項で決まります。
カーネルの計算を開始する前に、変数だけでなく用語の定義も理解してください。次の用語は、この付録の「予備計算」の項とプラットフォーム固有の計算で使用されます。
MAX: 値のリストから最大値を選択します。
次に例を示します。
MAX (2000, 18) = 2000
ROUNDUP: 最も近い整数値に切り上げます。
次に例を示します。
ROUNDUP (1.5 * 13) = ROUNDUP (19.5) = 20
TRUNC: 計算結果から小数点以下を切り捨てます。計算した値を最も近い整数値に切り下げます。
次に例を示します。
TRUNC [(22 - 10)/15 + 28] = TRUNC [0.8 + 28] = TRUNC [28.8] = 28
この付録の表に示すプラットフォーム固有のカーネル・パラメータの計算を単純化するために、予備計算が必要になります。計算する必要がある値は、LCKリスナーの数(L)、セマフォの数(S)、最大共有メモリー・セグメント(B)です。式の後に2つの例を示します。
LCKリスナーの計算
LCKリスナー要件の計算に使用する式は、カレンダに構成されているノード数(N)によって異なります。環境に合せて表B-1の式を使用します。
例1:
When N = 5 L = 5
例2:
When N = 13 L = TRUNC {[(13) - 10]/15 + 10} L = TRUNC {3/15 + 10} L = TRUNC {0.2 + 10} L = TRUNC {10.2} L = 10
セマフォ数の計算
セマフォ数の計算に使用する式は、カレンダに構成されているノード数(N)によって異なります。環境に合せて表B-2の式を使用します。
例1:
When N = 5 S = (5) + 18 S= 23
例2:
When N = 13 S = TRUNC {[(13) - 10]/15 + 28} S = TRUNC {3/15 + 28} S = TRUNC {0.2 + 28} S = TRUNC {28.2} S = 28
最大共有メモリー・セグメントの計算
最大共有メモリー・セグメントの計算に使用する式は、$ORACLE_HOME/ocal/misc/unison.ini
ファイルの[ENG] maxsessions
(M)に割り当てられている値によって異なります。次の式を使用して、最大共有メモリー・セグメントを計算します。
B = MAX [2000000, (8000 * M)]
例1:
When M = 200 B = MAX [2000000, (8000 * 200)] B = MAX [2000000, 1600000] B = 2000000
例2:
When M = 3000 B = MAX [2000000, (8000 * 3000)] B = MAX [2000000, 24000000] B = 24000000
Solarisは、カーネルおよびカーネル・モジュールにチューニング可能なパラメータを提供しています。Solarisでは、カーネル・パラメータは、標準のテキスト・エディタで/etc/system
ファイルを直接編集して変更します。すべてのパラメータは、次の書式を使用して設定します。
set rlim_fd_cur=1024 set rlim_fd_max=4117
さらに、メッセージ・キューおよびセマフォ・パラメータには、変更するモジュールの名前を含める必要があります。書式は次のとおりです。
set msgsys:msginfo_msgmni=351 set semsys:seminfo_semmni=345
この変更を有効にするには、システムを再起動する必要があります。
カーネル・パラメータに割り当てられている現在の値を確認するには、/usr/sbin
ディレクトリにあるsysdef
コマンドを使用します。次に例を示します。
% sysdef
次のディレクティブを、/etc/system
カーネル構成ファイルで指定する必要があります。
forceload: sys/semsys forceload: sys/shmsys
表B-3では、X変数はオペレーティング・システムでの現在のカーネル・パラメータ設定を表し、Y変数は「Calendar Serverの要件」列で計算された値を表します。
表B-3 Solarisカーネル・パラメータ
カーネル・パラメータ | パラメータの説明 | 現在の設定(X) | Calendar Serverの要件(Y) | 新しい設定 |
---|---|---|---|---|
制限 |
||||
rlim_fd_cur |
ファイル記述子のソフト・リミット |
X |
1024 |
MAX (X,Y) |
rlim_fd_max |
ファイル記述子のハード・リミット |
X |
(4 * N) + 4077 |
MAX (X,Y) |
IPCメッセージ |
||||
msgsys:msginfo_msgmni |
システム全体のメッセージ・キュー識別子の最大数 |
X |
ROUNDUP (1.1 * M) |
X + Y |
msgsys:msginfo_msgmax |
メッセージの最大サイズ |
X |
4096 |
MAX (X,Y) |
msgsys:msginfo_msgmnb |
キュー上の最大バイト数 |
X |
144 * M |
MAX (X,Y) |
msgsys:msginfo_msgtql |
メッセージ・ヘッダーの最大数 |
X |
M |
MAX (X,Y) |
IPCセマフォ |
||||
semsys:seminfo_semmni |
システム全体のセマフォ・セットの最大数 |
X |
ROUNDUP (1.5 * S) |
X + Y |
semsys:seminfo_semmns |
システム全体のセマフォの最大数 |
X |
6 * S |
X + Y |
semsys:seminfo_semmnu |
システム全体のundo構造体の最大数 |
X |
ROUNDUP (1.5 * S) |
X + Y |
semsys:seminfo_semmsl |
セット当たりのセマフォの最大数 |
X |
12 |
MAX (X,Y) |
semsys:seminfo_semopm |
semopコール当たりの最大演算数 |
X |
12 |
MAX (X,Y) |
semsys:seminfo_semume |
プロセス当たりのundo構造体の最大数 |
X |
ROUNDUP (1.5 * S) |
MAX (X,Y) |
semsys:seminfo_semvmx |
セマフォの最大値 |
X |
32767 |
MAX (X,Y) |
semsys:seminfo_semaem |
adjust-on-exitの最大値 |
X |
16384 |
MAX (X,Y) |
IPC共有メモリー |
||||
shmsys:shminfo_shmmax |
共有メモリー・セグメントの最大サイズ |
X |
B |
MAX (X,Y) |
shmsys:shminfo_shmmin |
共有メモリー・セグメントの最小サイズ |
X |
1 |
1 |
shmsys:shminfo_shmmni |
システム全体のshm識別子の最大数 |
X |
18 |
X + Y |
shmsys:shminfo_shmseg |
プロセス当たりのshmセグメントの最大数 |
X |
18 |
MAX (X,Y) |
例: カレンダのSolarisカーネル・パラメータの計算
次に、同時ユーザーが2500、構成されているノード数が10の例を示します。
M = 2500
N = 10
表B-3「Solarisカーネル・パラメータ」の式に基づいて計算を進めるには、セマフォ数の値(S)と最大共有メモリー・セグメントの値(B)を計算する必要があります。SとBの計算方法の詳細は、この付録の「セマフォ数の計算」および「最大共有メモリー・セグメントの計算」を参照してください。
N = 10であるため、次の式を使用してセマフォ数を計算します。
S = TRUNC [(N - 10)/15 + 28]
S = TRUNC [(10 - 10)/15 + 28] S = TRUNC [0/15 + 28] S = TRUNC [0 + 28] S = TRUNC [28] S = 28
次の式を使用して、最大共有メモリー・セグメントを計算します。
B = MAX [2000000, (8000 * M)]
B = MAX [2000000,(8000*2500)] B = MAX [2000000,(20000000)] B = 20000000
計算した値を表B-3「Solarisカーネル・パラメータ」の式で使用すると、Oracle Calendar Serverで必要な値は次の表のようになります。
表B-4 Solarisカーネル・パラメータ(例)
カーネル・パラメータ | パラメータの説明 | 現在の設定(X) | Calendar Serverの要件(Y) | 新しい設定 |
---|---|---|---|---|
制限 |
||||
rlim_fd_cur |
ファイル記述子のソフト・リミット |
X |
1024 |
MAX (X,1024) |
rlim_fd_max |
ファイル記述子のハード・リミット |
X |
4117 |
MAX (X,4117) |
IPCメッセージ |
||||
msgsys:msginfo_msgmni |
システム全体のメッセージ・キュー識別子の最大数 |
X |
2750 |
X + 2750 |
msgsys:msginfo_msgmax |
メッセージの最大サイズ |
X |
4096 |
MAX (X,4096) |
msgsys:msginfo_msgmnb |
キュー上の最大バイト数 |
X |
360000 |
MAX (X,360000) |
msgsys:msginfo_msgtql |
メッセージ・ヘッダーの最大数 |
X |
2500 |
MAX (X,2500) |
IPCセマフォ |
||||
semsys:seminfo_semmni |
システム全体のセマフォ・セットの最大数 |
X |
42 |
X + 42 |
semsys:seminfo_semmns |
システム全体のセマフォの最大数 |
X |
168 |
X + 168 |
semsys:seminfo_semmnu |
システム全体のundo構造体の最大数 |
X |
42 |
X + 42 |
semsys:seminfo_semmsl |
セット当たりのセマフォの最大数 |
X |
12 |
MAX (X,12) |
semsys:seminfo_semopm |
semopコール当たりの最大演算数 |
X |
12 |
MAX (X,12) |
semsys:seminfo_semume |
プロセス当たりのundo構造体の最大数 |
X |
42 |
MAX (X,12) |
semsys:seminfo_semvmx |
セマフォの最大値 |
X |
32767 |
MAX(X,32767) |
semsys:seminfo_semaem |
adjust-on-exitの最大値 |
X |
16384 |
MAX(X,16384) |
IPC共有メモリー |
||||
shmsys:shminfo_shmmax |
共有メモリー・セグメントの最大サイズ |
X |
20 000 000 |
MAX (X,20 000 000) |
shmsys:shminfo_shmmin |
共有メモリー・セグメントの最小サイズ |
X |
1 |
1 |
shmsys:shminfo_shmmni |
システム全体のshm識別子の最大数 |
X |
18 |
X + 18 |
shmsys:shminfo_shmseg |
プロセス当たりのshmセグメントの最大数 |
X |
18 |
MAX (X,18) |
その他の関連資料
カーネル・パラメータの変更の詳細は、Sun社の『Solaris Tunable Parameters Reference Manual』も参照してください。
Solarisでのカーネル・パラメータ変更の詳細は、『Solaris Internals: Core Kernel Components』(ISBN: 0-13-022496-0)を参照してください。
次の項では、カーネル要件について説明します。これらはほとんどのHP-UXインストールに適用できます。すべてのパラメータは、メニュー・ベースのシステム管理マネージャであるSAMを使用して変更できます。
semmsl
の値は500に設定されていますが、HP-UXでは構成できません。
表B-5では、X変数はオペレーティング・システムでの現在のカーネル・パラメータ設定を表し、Y変数は「Calendar Serverの要件」列で計算された値を表します。
表B-5 HP-UXカーネル・パラメータ
カーネル・パラメータ | パラメータの説明 | 現在の設定(X) | Calendar Serverの要件(Y) | 新しい設定 |
---|---|---|---|---|
ファイルのオープン |
||||
maxfiles |
ファイル記述子のソフト・リミット |
X |
1024 |
MAX (X,Y) |
maxfiles_lim † |
ファイル記述子のハード・リミット |
X |
(4 * N) + 3821 |
MAX (X,Y) |
nfile |
システム全体のファイル記述子の最大数 |
X |
MAX {100000, [417 + (7 * L) + (3821 * M)/25 +(4 * M * N)/25]} |
X + Y |
プロセス管理 |
||||
max_thread_proc |
プロセス当たりのスレッドの最大数 |
X |
210 |
MAX (X,Y) |
nkthread |
システム全体のカーネル・スレッドの最大数 |
X |
ROUNDUP [100 + (1.1 * M)] |
X + Y |
maxuprc |
ユーザー・プロセスの最大数 |
X |
TRUNC {1.5 [(M/25) + L + 57]} |
MAX (X,Y) |
nproc |
システム全体のプロセスの最大数 |
X |
TRUNC {1.5 [(M/25) + L + 57]} |
X + Y |
IPCメッセージ |
||||
mesg |
IPCメッセージの有効化/無効化 |
X |
1 |
1 |
msgmap |
メッセージ空き領域マップ・サイズ |
X |
M + 2 |
msgtql + 2 |
msgmax |
メッセージの最大サイズ |
X |
4096 |
MAX (X,Y) |
msgmnb |
メッセージ・キューの最大バイト数 |
X |
65535 |
MAX (X,Y) |
msgmni |
システム全体のメッセージ・キューの最大数 |
X |
ROUNDUP (1.1 * M) |
X + Y |
msgseg |
システム全体のメッセージ・セグメントの最大数 |
X |
2500 |
MAX (X,Y) |
msgssz |
メッセージ・セグメント・サイズ |
X |
159 |
MAX (X,Y) |
msgtql |
システム全体のメッセージの最大数 |
X |
M |
X + Y |
IPCセマフォ |
||||
sema |
セマフォの有効化/無効化 |
X |
1 |
1 |
semaem |
sem値変更制限 |
X |
16384 |
MAX (X,Y) |
semmni |
システム全体のセマフォ・セットの最大数 |
X |
ROUNDUP (1.5 * S) |
X + Y |
semmap |
空きsemリソース・マップのサイズ |
X |
ROUNDUP [(1.5 * S) + 2] |
MAX (X,Y) |
semmns |
システム全体のユーザー・セマフォの最大数 |
X |
ROUNDUP (6 * S) |
X + Y |
semmnu |
セマフォ当たりの最大undo |
X |
ROUNDUP (1.5 * S) |
MAX (X,Y) |
semume |
プロセス当たりの最大セマフォundo |
X |
ROUNDUP (1.5 * S) |
MAX (X,Y) |
semvmx |
セマフォの最大値 |
X |
32767 |
MAX (X,Y) |
IPC共有メモリー |
||||
shmem |
共有メモリーの有効化/無効化 |
X |
1 |
1 |
shmmax |
shmemセグメントの最大サイズ |
X |
B |
MAX (X,Y) |
shmmni |
システム全体のセグメントの最大数 |
X |
18 |
X + Y |
shmseg |
プロセス当たりのセグメントの最大数 |
X |
18 |
MAX (X,Y) |
†「HP-UX 11.0でmaxfiles/maxfiles_limを2049以上に設定」を参照 |
HP-UX 11.0でmaxfiles/maxfiles_limを2049以上に設定
HP-UX 11.0でmaxfiles/maxfiles_limを2049以上に設定する方法、および他の構成可能なカーネル・パラメータの詳細は、http://docs.hp.com/en/939/KCParms/KCparams.OverviewAll.html
にあるHP-UXのドキュメントを参照してください。
例: カレンダのHP-UXカーネル・パラメータの計算
次に、同時ユーザーが2500、構成されているノード数が10の例を示します。
M = 2500
N = 10
表B-5「HP-UXカーネル・パラメータ」の式に基づいて計算を進めるには、LCKリスナー数(L)、セマフォ数(S)および最大共有メモリー・セグメント(B)の値を計算する必要があります。L、SおよびBの計算方法の詳細は、この付録の「LCKリスナーの計算」、「セマフォ数の計算」および「最大共有メモリー・セグメントの計算」を参照してください。
N = 10であるため、次の式を使用してLCKリスナーを計算します。
L = TRUNC [(N - 10)/15 +10]
L = TRUNC [(10 - 10)/15 + 10] L = TRUNC [0/15 +10] L = TRUNC [0 + 10] L = TRUNC [10] L = 10
N = 10であるため、次の式を使用してセマフォ数を計算します。
S = TRUNC [(N - 10)/15 + 28]
S = TRUNC [(10 - 10)/15 + 28] S = TRUNC [0/15 + 28] S = TRUNC [0 + 28] S = TRUNC [28] S = 28
次の式を使用して、最大共有メモリー・セグメントを計算します。
B = MAX [2000000, (8000 * M)]
B = MAX [2000000,(8000*2500)] B = MAX [2000000,(20000000)] B = 20000000
ここで計算した値を表B-5「HP-UXカーネル・パラメータ」の式で使用すると、Calendar Serverで必要な値は次の表のようになります。
表B-6 HP-UXカーネル・パラメータ(例)
カーネル・パラメータ | パラメータの説明 | 現在の設定(X) | Calendar Serverの要件(Y) | 新しい設定 |
---|---|---|---|---|
ファイルのオープン |
||||
maxfiles |
ファイル記述子のソフト・リミット |
X |
1024 |
MAX (X,1024) |
maxfiles_lim |
ファイル記述子のハード・リミット |
X |
3861 |
MAX (X,3861) |
nfile |
システム全体のファイル記述子の最大数 |
X |
386587 |
X + 386587 |
プロセス管理 |
||||
max_thread_proc |
プロセス当たりのスレッドの最大数 |
X |
210 |
MAX (X,210) |
nkthread |
システム全体のカーネル・スレッドの最大数 |
X |
2850 |
X + 2850 |
maxuprc |
ユーザー・プロセスの最大数 |
X |
217 |
MAX (X,217) |
nproc |
システム全体のプロセスの最大数 |
X |
217 |
X + 217 |
IPCメッセージ |
||||
mesg |
IPCメッセージの有効化/無効化 |
X |
1 |
1 |
msgmap |
メッセージ空き領域マップ・サイズ |
X |
2502 |
msgtql + 2 |
msgmax |
メッセージの最大サイズ |
X |
4096 |
MAX (X,4096) |
msgmnb |
メッセージ・キューの最大バイト数 |
X |
65535 |
MAX (X,65535) |
msgmni |
システム全体のメッセージ・キューの最大数 |
X |
2750 |
X + 2750 |
msgseg |
システム全体のメッセージ・セグメントの最大数 |
X |
2500 |
MAX (X,2500) |
msgssz |
メッセージ・セグメント・サイズ |
X |
159 |
MAX (X,159) |
msgtql |
システム全体のメッセージの最大数 |
X |
2500 |
X + 2500 |
IPCセマフォ |
||||
sema |
セマフォの有効化/無効化 |
X |
1 |
1 |
semaem |
sem値変更制限 |
X |
16384 |
MAX (X,16384) |
semmni |
システム全体のセマフォ・セットの最大数 |
X |
42 |
MAX (X,42) |
semmap |
空きsemリソース・マップのサイズ |
X |
44 |
X + 44 |
semmns |
システム全体のユーザー・セマフォの最大数 |
X |
168 |
X + 168 |
semmnu |
セマフォ当たりの最大undo |
X |
42 |
MAX (X,42) |
semume |
プロセス当たりの最大セマフォundo |
X |
42 |
MAX (X,42) |
semvmx |
セマフォの最大値 |
X |
32767 |
MAX (X,32767) |
IPC共有メモリー |
||||
shmem |
共有メモリーの有効化/無効化 |
X |
1 |
1 |
shmmax |
shmemセグメントの最大サイズ |
X |
20000000 |
MAX (X,20000000) |
shmmni |
システム全体のセグメントの最大数 |
X |
18 |
X + 18 |
shmseg |
プロセス当たりのセグメントの最大数 |
X |
18 |
MAX (X,18) |
その他の関連資料
HP-UXでのカーネル・パラメータの変更の詳細は、次のURLを参照してください。
http://docs.hp.com/hpux/onlinedocs/939/KCParms/KCparams.OverviewAll.html
LinuxでOracle Calendar Serverのデフォルト構成をサポートするには、システム・カーネル・パラメータを変更する必要があります。
kernel.sem
パラメータには、semmsl semmns semopm semmni
の書式で複数の値を指定できます。次に例を示します。
100 256 100 100
ファイル記述子のソフト・リミットおよびハード・リミットを増やすには、/etc/security/limits.conf
ファイルを編集し、次の行を追加します。
*soft nofile 1024
*hard nofile 65535
設定によっては、ログオフしてからもう一度ログオンして変更を有効にする必要があります。
表B-7では、X変数はオペレーティング・システムでの現在のカーネル・パラメータ設定を表し、Y変数は「Calendar Serverの要件」列で計算された値を表します。
表B-7 Linuxのカーネル・チューニング要件
カーネル・パラメータ | パラメータの説明 | 現在の設定(X) | Calendar Serverの要件(Y) | 新しい設定 |
---|---|---|---|---|
/etc/security/limits.conf |
||||
* soft nofile |
ファイル記述子のソフト・リミット |
X |
1024 |
MAX (X,Y) |
* hard nofile |
ファイル記述子のハード・リミット |
X |
(4 * N) + 3821 |
MAX (X,Y) |
/etc/sysctl.conf |
||||
ファイル |
||||
fs.file-max |
システム全体のファイル記述子の最大数 |
X |
MAX {100000, [417 + (7 * L) + (3821 * M)/25 +(4 * M * N)/25]} |
X + Y |
プロセス管理 |
||||
kernel.threads-max |
プロセス当たりのスレッドの最大数 |
X |
210 |
MAX (X,Y) |
IPCメッセージ |
||||
kernel.msgmni |
システム全体のメッセージ・キュー識別子の最大数 |
X |
ROUNDUP (1.1 * M) |
MAX (X,Y) |
kernel.msgmax |
メッセージの最大サイズ |
X |
4096 |
MAX (X,Y) |
kernel.msgmnb |
キュー上の最大バイト数 |
X |
65535 |
MAX (X,Y) |
IPCセマフォ |
||||
kernel.sem (1: semmsl) |
セット当たりのセマフォの最大数 |
X |
12 |
MAX (X,Y) |
kernel.sem (2: semmns) |
システム全体のセマフォの最大数 |
X |
ROUNDUP (1.5 * S) |
X + Y |
kernel.sem (3: semopm) |
semopコール当たりの最大演算数 |
X |
12 |
MAX (X,Y) |
kernel.sem (4: semmni) |
システム全体のセマフォ・セットの最大数 |
X |
ROUNDUP (1.5 * S) |
X + Y |
IPC共有メモリー |
||||
kernel.shmmax |
共有メモリー・セグメントの最大サイズ |
X |
B |
MAX (X,Y) |
kernel.shmmni |
システム全体のshm識別子の最大数 |
X |
18 |
X + Y |
kernel.shmall |
システム全体で使用可能な総shmページ数 |
X |
ROUNDUP [(9 * B)/32768] |
X + Y |
例: カレンダのLinuxカーネル・パラメータの計算
次に、同時ユーザーが2500、構成されているノード数が10の例を示します。
M = 2500
N = 10
表B-7「Linuxのカーネル・チューニング要件」の式に基づいて計算を進めるには、LCKリスナー数(L)、セマフォ数(S)および最大共有メモリー・セグメント(B)の値を計算する必要があります。L、SおよびBの計算方法の詳細は、この付録の「LCKリスナーの計算」、「セマフォ数の計算」および「最大共有メモリー・セグメントの計算」を参照してください。
N = 10であるため、次の式を使用してLCKリスナーを計算します。
L = TRUNC [(N - 10)/15 +10]
L = TRUNC [(10 - 10)/15 + 10] L = TRUNC [0/15 +10] L = TRUNC [0 + 10] L = TRUNC [10] L = 10
N = 10であるため、次の式を使用してセマフォ数を計算します。
S = TRUNC [(N - 10)/15 + 28]
S = TRUNC [(10 - 10)/15 + 28] S = TRUNC [0/15 + 28] S = TRUNC [0 + 28] S = TRUNC [28] S = 28
次の式を使用して、最大共有メモリー・セグメントを計算します。
B = MAX [2000000, (8000 * M)]
B = MAX [2000000,(8000*2500)] B = MAX [2000000,(20000000)] B = 20000000
ここで計算した値を表B-7「Linuxのカーネル・チューニング要件」の式で使用すると、Calendar Serverで必要な値は次の表のようになります。
表B-8 Linuxのカーネル・チューニング要件(例)
カーネル・パラメータ | パラメータの説明 | 現在の設定(X) | Calendar Serverの要件 | 新しい設定 |
---|---|---|---|---|
/etc/security/limits.conf |
||||
* soft nofile |
ファイル記述子のソフト・リミット |
X |
1024 |
MAX (X,1024) |
* hard nofile |
ファイル記述子のハード・リミット |
X |
3861 |
MAX (X,3861) |
/etc/sysctl.conf |
||||
ファイル |
||||
fs.file-max |
システム全体のファイル記述子の最大数 |
X |
386587 |
X + 386587 |
プロセス管理 |
||||
kernel.threads-max |
プロセス当たりのスレッドの最大数 |
X |
210 |
MAX (X,210) |
IPCメッセージ |
||||
kernel.msgmni |
システム全体のメッセージ・キュー識別子の最大数 |
X |
2750 |
X + 2750 |
kernel.msgmax |
メッセージの最大サイズ |
X |
4096 |
MAX (X,4096) |
kernel.msgmnb |
キュー上の最大バイト数 |
X |
65535 |
MAX (X,65535) |
IPCセマフォ |
||||
kernel.sem (1: semmsl) |
セット当たりのセマフォの最大数 |
X |
12 |
MAX (X,12) |
kernel.sem (2: semmns) |
システム全体のセマフォの最大数 |
X |
42 |
X + 42 |
kernel.sem (3: semopm) |
semopコール当たりの最大演算数 |
X |
12 |
MAX (X,12) |
kernel.sem (4: semmni) |
システム全体のセマフォ・セットの最大数 |
X |
42 |
X + 42 |
IPC共有メモリー |
||||
kernel.shmmax |
共有メモリー・セグメントの最大サイズ |
X |
20000000 |
MAX (X,20000000) |
kernel.shmmni |
システム全体のshm識別子の最大数 |
X |
18 |
X + 18 |
kernel.shmall |
システム全体で使用可能な総shmページ数 |
X |
5494 |
X + 5494 |
AIXプラットフォームでOracle Calendar Serverのデフォルト構成をサポートするには、システム・カーネル・パラメータを変更する必要があります。
表B-9では、X変数はオペレーティング・システムでの現在のカーネル・パラメータ設定を表し、Y変数は「Calendar Serverの要件」列で計算された値を表します。
表B-9 AIXのカーネル・チューニング要件
カーネル・パラメータ | パラメータの説明 | 現在の設定(X) | Calendar Serverの要件(Y) | 新しい設定 |
---|---|---|---|---|
/etc/security/limits |
||||
nofiles |
ファイル記述子のソフト・リミット |
X |
1024 |
MAX (X,Y) |
nofiles_hard |
ファイル記述子のハード・リミット |
X |
(4 * N) + 158 |
MAX (X,Y) |
プロセス管理 |
||||
sys0: maxuproc |
ユーザー当たりのプロセスの最大数 |
X |
62 + M + L |
MAX (X,Y) |
例: カレンダのAIXカーネル・パラメータの計算
次に、同時ユーザーが2500、構成されているノード数が10の例を示します。
M = 2500
N = 10
表B-9「AIXのカーネル・チューニング要件」に基づいて計算を進めるには、LCKリスナー(L)の値を計算する必要があります。Lの計算方法の詳細は、この付録の「LCKリスナーの計算」を参照してください。
N = 10であるため、次の式を使用してLCKリスナーを計算します。
L = TRUNC [(N - 10)/15 +10]
L = TRUNC [(10 - 10)/15 + 10] L = TRUNC [0/15 +10] L = TRUNC [0 + 10] L = TRUNC [10] L = 10
ここで計算した値を表B-9「AIXのカーネル・チューニング要件」の式で使用すると、Calendar Serverで必要な値は次の表のようになります。
表B-10 AIXのカーネル・チューニング要件(例)
カーネル・パラメータ | パラメータの説明 | 現在の設定(X) | Calendar Serverの要件(Y) | 新しい設定 |
---|---|---|---|---|
/etc/security/limits |
||||
nofiles |
ファイル記述子のソフト・リミット |
X |
1024 |
MAX (X,1024) |
nofiles_hard |
ファイル記述子のハード・リミット |
X |
198 |
MAX (X,198) |
プロセス管理 |
||||
sys0: maxuproc |
ユーザー当たりのプロセスの最大数 |
X |
2572 |
MAX (X,2572) |
その他の関連資料
AIXでのカーネル・パラメータの変更の詳細は、『Performance Management Guide: Kernel Tunable Parameters』を参照してください。
http://publibn.boulder.ibm.com/doc_link/en_US/a_doc_lib/aixbman/prftungd/2365a82.htm#HDRI25144
「クラスタ」という用語は、Calendar Serverクラスタの概念とは異なります。Calendar Serverクラスタは、クライアントのログインや自動登録などの目的で、1つのノードをマスター・ノードとして指定するノード・ネットワークです。オペレーティング・システムのクラスタは、複数のマシンを使用して同じデータを管理して、フェイルオーバー機能を提供するシステムを指します。
これらの環境では、特定マシンの実際のホスト名である物理ホスト名と、そのマシンを含むクラスタのホスト名であるクラスタ・ホスト名を区別することが重要です。クラスタ環境でCalendar Serverを使用する場合、$ORACLE_HOME/ocal/misc/unison.ini
ファイルでローカル・ホストのホスト名を必要とするすべてのパラメータをクラスタ・ホスト名に設定する必要があります。さらに、[ENG]
calendarhostname
パラメータを追加して、その値をクラスタ・ホスト名に設定する必要があります。最後に、外部LDAPディレクトリ・サーバーを使用する場合、[YOURHOSTNAME, unidas]
セクションのYOURHOSTNAME
の場所でクラスタ・ホスト名を指定する必要があります。ここで説明したunison.iniのすべてのパラメータの詳細は、『Oracle Calendarリファレンス・マニュアル』の第3章「Calendar Serverパラメータ」を参照してください。
ノード・ネットワークを使用する場合、$ORACLE_HOME/ocal/misc/nodes.ini
ファイルで、物理ホスト名ではなくクラスタ・ホスト名のみが使用され、すべてのクライアントがクラスタ・ホスト名を使用してCalendar Serverにログインしていることを確認してください。
注意: マスター・ノードを含むマシンが、クラスタ内の別のマシンに切り替わった場合、マスター・ノードは現在物理ホスト名を使用するクライアントとして動作するため、Oracle Calendar Web Clientでのログインが失敗することがあります。 |