この章の内容は次のとおりです。
ノードは、ユーザー、リソースおよびイベント・カレンダの予定表と情報を含むデータベースです。ノード・ネットワークは、複数の接続済ノードのセットです。1つのカレンダ・ホストで複数のノードを使用することができます。この状況は、ユーザーのグループが異なるタイムゾーンを必要とする場合、あるいは管理者がユーザー・グループ内でユーザーを論理的に分割する場合によく発生します。
各ノードは、ノードIDと呼ばれる一意の数値キーによって識別されます。ほとんどの管理者は、Calendar Serverへの接続時に使用できる1つ以上の説明的なノードのエイリアスを設定します。SYSOP(ノード管理者)パスワードによって、すべてのノード管理タスクに使用されるカレンダ・アカウントへのアクセスは制限されます。各ノードには、デフォルトのタイムゾーンがあります。
ノードを作成するには、次の情報が必要です。
ノードID: ノードIDには、1〜49999の任意の数字を使用できます。ノードを設定する際、いったんノードを作成した後はノードIDを変更できないので注意してください。ノードIDを再利用するには、Calendar Serverから削除する必要があります。これにより、Oracle Internet Directoryから参照が削除され、同じノードIDの新しいノードを追加できるようになります。ノードをリセットするために-r
フラグを使用できます(ノードを削除し同じIDで再作成します)。このアクションの実行前に、警告が出されます。ノードIDは、ローカルでもノード・ネットワーク全体でも一意です。ネットワークで同じノードIDを持つ2つのノードを接続することはできません。
ノード・エイリアス: スペースを含まない、32文字以下の説明的な名前です。1台のサーバーで複数のノードを構成する場合、ユーザーは、接続先のノードを指定する必要があります。一般に、数字のノードIDより名前の方が覚えやすいため、エイリアスを構成できます。
ノード・タイムゾーン: すべてのノードには、タイムゾーンが関連付けられます。タイムゾーンを指定しない場合、ノードは、Calendar Serverのインストール中に設定したデフォルトのタイムゾーンを使用して作成されます。それぞれの国と対応するタイムゾーン表記法の完全な表は、『Oracle Calendarリファレンス・マニュアル』の付録F「タイムゾーン表」を参照してください。
SYSOPパスワード: SYSOP、つまりノード管理者のパスワードです。ディレクトリ・サーバーを使用していない場合、パスワードは、15文字以下の英数字です。それ以外の場合、上限は63文字です。
ディレクトリ・マネージャ・パスワード: スタンドアロン・インストールのCalendar Serverでディレクトリ・サーバーを使用している場合、ノードの作成時にディレクトリ・マネージャ・パスワードを指定する必要があります。これは、[LDAP]mgrdn
パラメータで定義されるLDAPディレクトリ・サーバー・マネージャに関連付けられたパスワードです。Oracle Collaboration Suiteでは、インスタンスのすべてのノードはSYSOPパスワードを共有します。このパスワードは実際には、Calendarインスタンス管理者のパスワードです。このエンティティは、サーバー・インスタンス全体で使用できるようにOracle Internet Directoryに格納されます。パスワードは、CalendarをOracle Collaboration Suiteとともにインストールすると設定されます。
ノードの作成手順
第5章「Oracle Calendar Server管理の概要」で説明したunistop
ユーティリティを使用して、Calendar Serverを停止します。ノードを作成するには、Calendar Serverを停止する必要があります。
uniaddnode
ユーティリティを実行します。unistop
およびuniaddnode
ユーティリティの使用方法と構文の詳細は、『Oracle Calendarリファレンス・マニュアル』の第6章「Calendar Serverユーティリティ」を参照してください。
第5章「Oracle Calendar Server管理の概要」で説明したunistart
ユーティリティを使用して、Calendar Serverを再起動します。unistart
ユーティリティの使用方法と構文の詳細は、『Oracle Calendarリファレンス・マニュアル』の第6章「Calendar Serverユーティリティ」を参照してください。
例 ノードIDが144、エイリアスがPublicationsのノードを作成するには、次のように入力します。
% uniaddnode -n 144 -a publications Please enter Sysop password: uniaddnode: Database initialization done uniaddnode: node [144] has been successfully initialized
次のようなエントリが $ORACLE_HOME/ocal/misc/unison.ini
ファイルに作成されます。name
およびversion
フィールドは内部で使用され、ノードの作成中に自動的に生成されます。ノード・セクションのパラメータの値は変更しないでください。
[144] name = N2 version = A.06.10 timezone = EST5EDT aliases = publications
ノードを手動で削除するには、Calendar Serverに関する高度な知識が必要です。ノードを削除する前に、次の手順で参照している章の内容をよく読んで理解しておいてください。
手動によるノードの削除手順
unidbbackup
ユーティリティを使用してノード・ネットワークのすべてのノードをバックアップします。カレンダ・データベース全体をバックアップする方法は、第14章の「サーバーのバックアップおよびリストア」を参照してください。
$ORACLE_HOME/ocal/misc/nodes.ini
ファイルを編集し、変更を適用して、ノード・ネットワークからノードを削除します(ノード・ネットワークの一部の場合)。これを実行する前に、第14章の「Calendar Serverのメンテナンスおよび監視」の内容を理解してください。
Oracle CalendarをOracle Collaboration Suiteとともに配置した場合は、unioidconf
ユーティリティに-deletenodeオプションを指定して実行します。unioidconf
ユーティリティの詳細は、『Oracle Calendarリファレンス・マニュアル』の第6章「Calendar Serverユーティリティ」を参照してください。
Calendar Serverの配置にサード・パーティのディレクトリ・サーバーが含まれる場合、ノード上のすべてのユーザー、リソースおよびイベント・カレンダを削除します(uniuser -ex
を使用)。uniuser
ユーティリティの詳細は、『Oracle Calendarリファレンス・マニュアル』の第6章「Calendar Serverユーティリティ」を参照してください。
Calendar Serverを停止します。
$ORACLE_HOME/ocal/db/nodes/<Nx>
ディレクトリ全体を削除します。<Nx>
は、$ORACLE_HOME/ocal/misc/unison.ini
ファイルの該当するノード・セクションのname
パラメータの値です。たとえば、ノードIDが144のノードを削除している場合、<Nx>
はunison.ini
ファイルの[144]
セクションのname
パラメータの値です。unison.ini
パラメータの詳細は、『Oracle Calendarリファレンス・マニュアル』の第3章「Calendar Serverパラメータ」を参照してください。
$ORACLE_HOME/ocal/misc/unison.ini
ファイルで対応するノードのセクションを削除します。たとえば、ノードIDが144のノードを削除している場合、unison.ini
の[144]
セクションを削除します。
Calendar Serverを再起動します。
注意: サード・パーティ製ディレクトリ・サーバーを使用している場合、削除したノードに予約されているカレンダ・ユーザーへのすべての参照を削除する必要があります。ディレクトリ・サーバーのldapmodify ユーティリティまたはディレクトリ・サーバーで使用できる他のツールを使用してください。
|
ネットワーク構成は、1つのファイル($ORACLE_HOME/ocal/misc/nodes.ini
)に格納され、uninode
ユーティリティを使用して管理されます。ファイルは、ノード・ネットワークのホスト・メンバーの1つのみに存在し、コマンドはこのホストからのみ実行することができます。uninode
ユーティリティを使用して、ノード・ネットワークでのノードの接続または切断、およびノード間でのTCP/IP接続数の設定を行います。これらは、同期ネットワーク接続(SNC)デーモン/サービスによって維持されます。
ノード・ネットワークのノードの各ペア間で確立する接続数は、インストールのサイズと構成に大きく依存します。一般的なガイドラインとして、実装数が少ない場合、1つのノードが、ネットワーク内の他のノードそれぞれに対して2つの接続を維持する構成がよく機能します。すべての接続は一方向です。したがって、3ノードのネットワークの場合、接続数は合計12になります。
ノードAでは、ノードBとノードCそれぞれに対して2つの接続を設定
ノードBでは、ノードAとノードCそれぞれに対して2つの接続を設定
ノードCでは、ノードAとノードBそれぞれに対して2つの接続を設定
合計接続数=12
次の構成内容に該当する大規模なインストールの場合、異なるガイドラインが適用されます。
各ノードのログオン・ユーザー数が251人以上
ハードウェア構成がソフトウェアの要求を十分にサポート
使用されるクライアントがOracle Calendar Webクライアント以外(つまりOracle Calendarデスクトップ・クライアントまたはOracle Connector for Outlook)
各ホストの構成済ユーザー数が5,000人以下
各ホストのログオン・ユーザー数が2,500人以下
各ノードのログオン・ユーザー数が1,000人以下
各ホストの接続済ノード数が4以下
ネットワーク内のノード数が10以下
このカテゴリに該当する場合、一般に、ローカル・ノードとリモート・マシン上のノード間の各方向に4接続、同じマシン上のノード間の各方向に3接続を設定することをお薦めします。ほとんどのインストールでは、これをさらに最適化できます。
uninode
ユーティリティは、Calendar Serverのすべてのノード管理タスクに使用されます。uninode
ユーティリティの使用方法と構文の詳細は、『Oracle Calendarリファレンス・マニュアル』の第6章「Calendar Serverユーティリティ」を参照してください。
ノード・ネットワークの管理に使用するサーバーを選択します。
注意: Oracle CalendarをOracle Collaboration Suiteとともに配置した場合、インストールした最初のCalendar Serverがノード・ネットワークを管理するサーバーとして自動的に選択されます。 |
スタンドアロン・インストールでは、uninode -init
を実行して、$ORACLE_HOME/ocal/misc/nodes.ini
ファイルを作成および初期化します。Oracle Collaboration Suiteのインストールでは、このファイルは自動的に作成されます。
% uninode -init checking password for node 24, please wait... Enter SysOp password: connected to clio, node 24 extracted existing connection information created the "$ORACLE_HOME/ocal/misc/nodes.ini" file initialization succeeded
新しく作成された$ORACLE_HOME/ocal/misc/nodes.ini
ファイルには、次のヘッダーとuninode
の構文および接続ルールの概要が含まれます。
#Description File (nodes.ini) #------------------------------------------------------- #INCLUDE NODE: + H=Vancouver/N=10/ALIAS=Finance #EXCLUDE NODE: - H=Toronto/N=20 #NODE FOR MAIL: + H=Montreal/N=30/S=unison/G=unison/OU1=CS&T/OU2=R&D #ABSOLUTE RULE: all:2 #RELATIVE RULE: Vancouver->Montreal:+1
(Oracle Collaboration Suiteのインストールでは、all
は3
に設定されます。)
テキスト・エディタを使用して、nodes.ini
ファイルに接続するノードおよび接続を制御するルールを追加します。nodes.ini
の構文、接続およびルールの詳細は、この章の「構文」および「接続およびルール」を参照してください。テキスト・エディタを終了すると、uninode
によってネットワークに加えた変更の確認を求めるプロンプトが表示され、自動的に適用されます。
uninode -edit
を実行し、テキスト・エディタを使用して、nodes.ini
ファイルにノードおよび接続を制御するルールを追加します。nodes.ini
の構文、接続およびルールの詳細は、この章の「構文」および「接続およびルール」を参照してください。
+ H=clio:5730/N=24 + H=clio:5730/N=25 included:2 ~ no errors detected 2 node(s) to ADD edit the temporary node file again? (y/n) n LAST CHANCE TO ABORT, process changes? (y/n) y checking if all nodes are up connected to clio, node 24 connected to clio, node 25 Processing node 24 connected to clio, node 24 connected to clio, node 25 added 24->25, TCP/IP connection Processing node 25 connected to clio, node 25 connected to clio, node 24 added 25->24, TCP/IP connection Do you want to update the directory of items (Actual = 0/Expected = 7)? (y/n) y placed a request in the CWS queue to get node 24 user directory 0 connection error(s), 0 processing error(s) Applying connection configuration: Successful
$ORACLE_HOME/ocal/misc/nodes.ini
ファイルには、ノードのリストおよびネットワーク構成を説明するルールのリストが含まれます。ファイル内の#
という記号で始まる行は、コメントとして無視されます。
ノードの最小限の構文は次のとおりです。
+ H=<HOSTNAME>:<ENG_PORT>/N=<NODE-ID>
または
- H=<HOSTNAME>:<ENG_PORT>/N=<NODE-ID>
<HOSTNAME>は、完全修飾ドメイン名または数値IPアドレスのいずれかです。ただし、同じnodes.ini
ファイルでこれらを組み合せて使用しないでください。完全修飾ドメイン名を使用する場合は、ファイル全体で完全修飾ドメイン名を使用して、問題が発生しないようにする必要があります。
ネットワークにノードを含める(+
)ことも、ネットワークから除外する(-
)こともできます。
表12-1に、ノードの指定に使用できるフィールドを示します。
エイリアスを指定する場合、この情報はカレンダ・クライアントによって表示されるため、ネットワークに属するすべてのノード上のユーザーがリモート・ユーザーの場所を識別しやすくなります。
グループ名は管理者が指定し、ノードのグループを参照するために使用されます。通常、グループ内のノード間の相互作用の方が、他のグループのノードとの相互作用より多くなります。ほとんどの場合、グループ名は地理的な場所や会社の部署を表します。
次の3つの事前定義グループを使用できます。
all
は、含まれている(+)すべてのノードと除外されている(-)すべてのノードを表します。
included
は、含まれている(+)すべてのノードを表します。
excluded
は、除外されている(-)すべてのノードを表します。
2種類のルールを使用できます。1つ目のルールで、すべてのノード間またはグループ内のノード間で確立するデフォルトの接続数を指定します。
たとえば、nodes.ini
ファイルに次のノードがあるとします。
+H=mis-can1:5730/N=1 +H=mis-usa1:5730/N=2 +H=mis-eur1:5730/N=3 +H=mis-eur2:5730/N=4
各ノードから他のノードそれぞれに対して2つの接続を確立するように指定するには、事前定義グループincluded
を使用して次の行を追加します。
included:2
2つ目のルールでは、1つのノードまたはグループから別のノードまたはグループへの接続数を指定します。
N1->N2:X
N1
およびN2
は、ホスト名、ノードIDまたはグループ名です。Xは接続の絶対数(0、1、2、3など)または接続の相対数(+1、-1、+2など)です。ルールは、ファイルの1番目のルールから最後のルールまで順番に解釈されます。したがって、最も一般的なルールから最も固有のルールの順に指定する必要があります。
たとえば、このノードのセットに固有のルールを適用するには、これらのノードを選択する際にグループ(GR
)フィールドを使用すると便利です。
+H=mis-can1:5730/N=1/GR=Canada +H=mis-usa1:5730/N=2/GR=USA +H=mis-eur1:5730/N=3/GR=Europe +H=mis-eur2:5730/N=4/GR=Europe included:2 Europe:+1
上の例では、前の行で定義した絶対値を基準に、各Europe
ノードにさらに接続(合計3接続)を追加できます。
グループを使用しない場合は、次のように指定できます。
+H=mis-can1:5730/N=1 +H=mis-usa1:5730/N=2 +H=mis-eur1:5730/N=3 +H=mis-eur2:5730/N=4 included:2 mis-eur1 ->mis-eur2:3 mis-eur2 ->mis-eur1:3
この場合、SNC接続は単方向なので、各方向で接続数を指定する必要があります。
注意: nodes.ini ファイルで絶対ルールと相対ルールを適用するとき、絶対ルールは相対ルールよりも前に指定する必要があります。前の例では、絶対ルール(included:2)が相対ルール(mis-eur1 ->mis-eur2:3 and mis-eur2 ->mis-eur1:3)の前にあります。
|
ホストの除外記号(-
)を、含める記号(+
)に置き換えます。
ホストの含める記号(+
)を、除外記号(-
)に置き換えます。
警告: ノード・ネットワークからノードを一時的にでも削除すると、このノードで作成された既存のイベントのすべてのリモート参加者が失われます。 |
ノード間の接続数を変更するには、ルール・エントリに必要な変更を加えます。ルール・エントリを追加、削除または変更できます。
例: ロサンゼルスからクパチーノへの接続数を2つ増やすには、ファイルの最後に次のルールを追加します。
angeles->cupertino:+2
ノード・ネットワークのマスター・ノードを設定してネットワーク管理を制御できます。また、複数のノードおよびホストに分散するインストールでのユーザー・アカウントの検索も容易に行えます。マスター・ノードの使用はオプションです。Oracle Collaboration Suiteとともに配置した場合、マスター・ノードはインストール時に自動的に構成されます。
注意: ノード・ネットワークに設定できるマスター・ノードは常に1つです。 |
マスター・ノードの設定手順
ネットワークのノードのホストとなっているすべてのCalendar Serverを停止します。
構成するノードを含むCalendar Serverホストのunison.ini
ファイルを編集します。
[CLUSTER]
masternode
パラメータの値を、対象のノードのノードIDに設定します。
Calendar Serverを再起動します。
ノード・ネットワークにマスター・ノードがある場合、クライアントはマスター・ノードにワイヤレス機能などの使用可能なサーバー機能を問い合せます。マスター・ノードのサーバーがOracle Mobile Collaborationを使用して設定され、ネットワークの他のノードはOracle Mobile Collaborationを使用していない場合、これらの他のノードにアカウントを持つユーザーのクライアントは、ワイヤレス機能が有効になっているかのように動作しますが、ワイヤレス機能を使用しようとするとエラーが発生します。同様に、マスター・ノードがOracle Mobile Collaborationを使用せずに設定され、ネットワークの他のノードはOracle Mobile Collaborationを使用して設定されている場合、すべてのユーザーのクライアントではワイヤレス機能が非表示または無効になります(マスター・ノードがクライアントにサーバー上でワイヤレス機能が無効になっていると伝えるため)。
したがって、マスター・ノードとネットワーク内の他のノードが同じワイヤレス機能を使用していることを確認することをお薦めします。
ノード全体を1つのホストから別のホストに移動できます。ノードを移動する場合、次の点を考慮する必要があります。
ビッグ・エンディアン・ホストからリトル・エンディアン・ホストへ(またはその逆)ノードを移動する場合、データベースの変換が必要です。変換ユーティリティunib2lendian
(ビッグ・エンディアンからリトル・エンディアンへ)およびunil2bendian
(リトル・エンディアンからビッグ・エンディアンへ)ユーティリティの詳細は、オラクル社カスタマ・サポート・センターにお問い合せください。
表12-2に、ビッグ・エンディアンとリトル・エンディアンのプラットフォームを示します。
ノード・ネットワーク間でノードを移動する手順は、ノード・ネットワーク内でノードを移動する手順とは異なります。この違いは、ノード・ネットワーク情報の更新に使用するユーティリティにあります。
ほとんどのノード・ネットワーク管理はuninode
またはCalendar Administratorを使用して実行しますが、これらのツールを使用してノード・ネットワークからノードを削除するとデータが失われます。つまり、削除したノードでユーザーが作成したカレンダ・データが、ネットワークに属する他のすべてのノードから削除されます。これは、ノード・ネットワーク間でノードを移動する場合は問題ありません。しかし、ノード・ネットワーク内でノードを移動する場合、ネットワークのすべてのノードで、ノードに関連するすべてのデータを保持する必要があります。この場合、unidbfix
ユーティリティを使用してノード・ネットワーク構成を更新して、データの損失を防ぎます。この手順の詳細は、この章の「移動の実行」を参照してください。
注意: ディレクトリ・サーバーを実行している場合、ノード・ネットワークのすべてのノードが同じディレクトリ・サーバーを指している必要があります。 |
内部ディレクトリを使用するCalendar ServerからLDAPディレクトリ・サーバーを使用するCalendar Serverへ(またはその逆へ)ノードを移動する場合は、オラクル社カスタマ・サポート・センターにお問い合せください。
次の手順では、次のホスト間でノードを移動する方法について説明します。
両方がビッグ・エンディアンまたはリトル・エンディアン
両方が同じバージョンのCalendar Serverを使用
両方が内部ディレクトリを使用、または両方がディレクトリ・サーバーを使用
最初の手順では、ノード・ネットワーク内でノードを移動する方法について説明します。2番目の手順では、1つのネットワークから別のネットワークへノードを移動する方法について説明します。どちらの手順でも1つのノードの移動について説明しますが、これらは複数のノードの移動にも応用できます。
ノード・ネットワーク内でのノードの移動手順
両方のCalendar Serverを停止します。この後の手順で指示があるまで、どちらのCalendar Serverも再起動しないでください。
移動するノード上でunidbfix -c
を実行し、データベースが破損していないことを確認します。unidbfix
ユーティリティの詳細は、『Oracle Calendarリファレンス・マニュアル』の第6章「Calendar Serverユーティリティ」を参照してください。
$ORACLE_HOME/ocal/db/nodes/
<Nx>ディレクトリのアーカイブ・ファイルを作成します。<Nx>は、unison.ini
ファイルの移動するノードを構成するセクションに表示されるname
パラメータの値です。
注意: 既存のノードが上書きされるのを防ぐため、移動しているノード名が、新しいホスト上に存在していないことを確認してください。 |
同じアーカイブ・ツールを使用して、アーカイブ・ファイルを新しいホストにコピーし、ディレクトリをリストアします。$ORACLE_HOME/ocal/db/nodes/
<Nx>ディレクトリが、新しいホストに存在することを確認します。
ターゲット・サーバーにすでに<Nx>という名前のノードが存在する場合、移動するノードの名前を変更できます。未使用の最も小さい文字と数字の組合せを使用してください。たとえば、ターゲット・サーバーの最後のノード名がN6
である場合、新しいノード名をN7
に変更します。
古いホストの$ORACLE_HOME/ocal/misc/unison.ini
ファイルからノードを構成するセクションを削除し、新しいホストの$ORACLE_HOME/ocal/misc/unison.ini
ファイルに追加します。
手順4でノード名の変更を選択した場合、ノードを構成するセクション名も変更する必要があります。手順4で選択した文字と数字の組合せを使用します。
ノード・ネットワーク情報の更新(手順6〜11)
ノード・ネットワークに属する他のすべてのCalendar Serverを停止します。この後の手順で指示があるまで、どのCalendar Serverも再起動しないでください。
ノード・ネットワークの各ホストでunidbfix -export -n all
を実行します。各ノード・データベース・ディレクトリ(各$ORACLE_HOME/ocal/db/nodes/
<node>/perm
ディレクトリ)にremotenode.ini
ファイルが作成されます。このファイルには、ノード<ノード>に対するすべてのリモート・ノードに関する情報が含まれます。unidbfix
ユーティリティの詳細は、『Oracle Calendarリファレンス・マニュアル』の第6章「Calendar Serverユーティリティ」を参照してください。
ノード・ネットワークの各ノードのremotenode.ini
ファイルで移動したノードのノード・エントリを編集し、古いホスト名を新しいホスト名に置き換えます。
ノード・ネットワークの各ホストでunidbfix -import -n all
を実行します。これで、ノード・ネットワークの各ノードでノード・データベースが更新されます。unidbfix
ユーティリティの詳細は、『Oracle Calendarリファレンス・マニュアル』の第6章「Calendar Serverユーティリティ」を参照してください。
新しく移動したノードでunidbfix -k
を実行し、キー・ファイルを作成します。unidbfix
ユーティリティの詳細は、『Oracle Calendarリファレンス・マニュアル』の第6章「Calendar Serverユーティリティ」を参照してください。
ノード・ネットワークの$ORACLE_HOME/ocal/misc/nodes.ini
ファイルを編集して、ホスト名の変更を反映させます。
ディレクトリ・サーバーを実行している場合、ldapmodify
ツールを使用してディレクトリ・サーバーを更新し、移動したノードで古いホスト名を新しいホスト名に変更します。この属性は、各SYSOP特別ユーザー用に存在します。
古いホストで$ORACLE_HOME/ocal/db/nodes/
<Nx>ディレクトリを削除します。
この手順の間停止していたすべてのCalendar Serverを起動します。
ノード・ネットワーク間でのノードの移動手順
現在のネットワークからノードを削除します。uninode -edit
を実行してnodes.ini
ファイルを編集し、変更を適用します。uninode
ユーティリティの詳細は、『Oracle Calendarリファレンス・マニュアル』の第6章「Calendar Serverユーティリティ」を参照してください。
両方のCalendar Serverを停止します。この後の手順で指示があるまで、どちらのCalendar Serverも再起動しないでください。
移動するノード上でunidbfix -c
を実行し、データベースが破損していないことを確認します。
$ORACLE_HOME/ocal/db/nodes/<Nx>
ディレクトリのアーカイブ・ファイルを作成します。<Nx>
は、移動しているノードの名前です。
注意: 既存のノードが上書きされるのを防ぐため、移動しているノード名が、新しいホスト上に存在していないことを確認してください。 |
同じアーカイブ・ツールを使用して、アーカイブ・ファイルを新しいホストにコピーし、ディレクトリをリストアします。$ORACLE_HOME/ocal/db/nodes/<Nx>
ディレクトリが、新しいホストに存在することを確認します。
古いホストの$ORACLE_HOME/ocal/misc/unison.ini
ファイルからノードを構成するセクションを削除し、新しいホストの$ORACLE_HOME/ocal/misc/unison.ini
ファイルに追加します。
ディレクトリ・サーバーを実行している場合、ldapmodify
ツールを使用してディレクトリ・サーバーを更新し、移動したノードで古いホスト名を新しいホスト名に変更します。この属性は、各SYSOP特別ユーザー用に存在します。
ノードが属していた元のマシンで$ORACLE_HOME/ocal/db/nodes/
<Nx>ディレクトリを削除します。
この手順の間停止していたすべてのCalendar Serverを起動します。
ノードを新しいノード・ネットワークに追加します。uninode -edit
を実行してnodes.ini
ファイルを編集し、変更を適用します。uninode
ユーティリティの詳細は、『Oracle Calendarリファレンス・マニュアル』の第6章「Calendar Serverユーティリティ」を参照してください。
注意: この手順は、スタンドアロン・モードでインストールされたOracle Calendar Serverのみに対応します。 |
LDAP接続を含むノードと含まないノードをネットワーク内で共存させるには、ノード・ネットワーク内の最新バージョンのCalendar Serverでそのネットワークを管理する必要があります。さらに、複数の最新バージョンのCalendar Serverがあり、そのいずれかでディレクトリ・サーバーを使用している場合は、その中の1台でノード・ネットワークを管理する必要があります。ノード・ネットワーク内のすべてのノードが同じディレクトリ・サーバーを指す必要があることに注意してください。
次に、すべてのノードが現在外部ディレクトリに接続されているネットワークに内部ディレクトリ・ノードを組み込む際に実行する手順の概要を示します。すべてのCalendar Serverが最新バージョンであることを前提としています。
新しい内部ディレクトリ・ノードをノード・ネットワークに組み込むには、次の手順を実行します。
既存のノード・ネットワークのすべてのノードをバックアップします。詳細は、第14章「Calendar Serverのメンテナンスおよび監視」の「サーバーのバックアップおよびリストア」を参照してください。
ディレクトリ・サーバーを使用するノードのホストとなっているすべてのサーバーを停止します(unison.ini
のパラメータ[DAS] enable=TRUE
)。
ディレクトリ・サーバーを使用するノード・ネットワークのすべてのCalendar Serverで、unison.ini
ファイルのパラメータ[ENG]
dir_internal_nodes
を編集して、すべての非LDAPノードを含めます。
次に例を示します。
ネットワークには4つのノードがあり、ディレクトリ・サーバーを使用するCalendar Serverにノード10000と10001、内部ディレクトリを使用するCalendar Serverに10002と10003がある場合、ディレクトリ・サーバーを使用するCalendar Serverのunison.ini
ファイルには次のパラメータが含まれます。
[ENG] dir_internal_nodes = {10002, 10003}
変更の完了後、すべてのサーバーを起動します。
unidssync
を実行して、LDAPノードをディレクトリ・サーバーと同期させます。
uninode
を実行して、非LDAPノードをノード・ネットワークに追加します。
定期的に(ほとんどの場合1週間に少なくとも1回)unidssync
を実行して、LDAPノードとディレクトリ・サーバーの同期を維持します。