| Oracle Collaboration Suiteアップグレード・ガイド 10g リリース1(10.1.2)for HP-UX PA-RISC (64-bit), Linux x86 and Solaris Operating System (SPARC) B25660-03 |
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この章では、Oracle Collaboration Suite 10g リリース1(10.1.2)にアップグレードするプロセスについて説明します。事前準備作業、推奨事項およびOracle Content Servicesの変更に関する情報が含まれています。
Oracle Collaboration Suite 10.1.2では、次のリリースのOracle FilesおよびOracle Content Servicesからのアップグレードがサポートされています。
Oracle Files 9.0.3.1
Oracle Files 9.0.4.1
Oracle Files 9.0.4.2
Oracle Content Services 10.1.1
アップグレードの前に、次の作業を実行する必要があります。
Oracle Content Services 10.1.2で使用するスキーマを含むデータベースをバックアップします。
必要に応じたデータベースのアップグレードなど、このマニュアルのこれまでの説明にあるアップグレード前の作業を実行します。
すべてのOracle FilesまたはOracle Content Servicesプロセスを停止します。
Oracle Filesのデフォルトの表領域(IFS_MAIN)に、現在使用中の領域の150%以上の量を確保します。これにより、アップグレード・プロセスで表領域内の空き領域の不足が原因で発生するパフォーマンスの問題を回避できます。
Oracle Workflowを構成します。
Oracle Universal Installerでエラーがあった場合、アップグレード・プロセスは停止します。問題を修正した後、アップグレード・プロセスを再起動してエラー発生時点から処理を続行できます。
Oracle Content Servicesを構成する前に、次の手順を実行してOracle Workflowを構成します。
適切な権限を持つユーザーとしてOracle Collaboration Suiteデータベース10g(10.1.2)にログインし、次のコマンドを入力します。
drop user owf_mgr cascade;
Oracle Collaboration Suite 10g リリース1(10.1.2)アプリケーション層のOracleホームから、次のスクリプトを実行します。
$ORACLE_HOME/wf/install/wfinstall.csh
Oracle Workflowコンフィギュレーション・アシスタントが起動します。
該当するフィールドに次のパラメータを入力します。
インストール・オプション: 「サーバーのみ」を選択します。
ワークフロー・アカウント: デフォルトのowf_mgrを使用します。
ワークフロー・パスワード: Oracle Content Servicesスキーマ・パスワードと同じパスワードを指定します。
SYSパスワード: データベース・ユーザーSYSのパスワードを指定します。この値を指定する必要があります。
TNS接続ディスクリプタ: この値は、$ORACLE_HOME/network/adminにあるtnsnames.oraファイルからコピーします。たとえば、次のようになります。
(DESCRIPTION=(ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)(HOST=myhost.mydomain.com)(PORT=1521))(CONNECT_DATA=(SERVER=DEDICATED)(SERVICE_NAME=orcl.mydomain.com)))
「LDAPパラメータを入力します」、「メーラー・パラメータを入力します」または「表領域の変更」オプションは選択しないでください。
「送信」をクリックします。
Oracle Collaboration Suite Controlコンソールを使用して、Oracle Content Servicesの構成を続行します。
Oracle FilesからOracle Content Services 10.1.2へのアップグレードは、製品全体のアップグレードです。このアップグレード・プロセスでは新しいOracleホームが作成されます。
Oracle FilesとOracle Content Servicesの違いの詳細は、『Oracle Content Services管理者ガイド』のOracle Content Servicesの新機能に関する章を参照してください。そこで説明されている機能に加えて、Oracle FilesからOracle Content Servicesにアップグレードするシステムには次の情報が該当します。
アップグレード・プロセスでは、Oracle Internet Directoryに定義されているかどうかに関係なくすべてのユーザーが移行されます。これは、ユーザーがOracle Internet Directoryから削除されている場合でもファイルの所有権を保持するためです。アップグレード・プロセスの完了後、Oracle Content Servicesでこれらのファイルの所有権を変更してからユーザー・アカウントを削除します。
既存のワークフローは移行されません。現在処理中のワークフローがある場合、Oracle Content Services 10.1.2にアップグレードする前にそれらのワークフローを終了してください。
Oracle Content Servicesはフォルダ・カテゴリをサポートしません。 アップグレードの際、Oracle Filesでカテゴリが割り当てられていたフォルダにmigrated_categories_for_parent_folderという名前のドキュメントが作成されます。このドキュメントに、カテゴリに関する情報が含まれています。この情報を使用して新規カテゴリを作成し、これをOracle Content Servicesの個々のファイルに割り当てることができます。
アップグレード・プロセスでは、ノード構成のプロパティはデフォルト値で再作成されます。 ノード構成のプロパティを変更した場合は、Oracle Content Services 10.1.2にアップグレードした後にそのプロパティを再構成する必要があります。詳細は、『Oracle Content Services管理者ガイド』の第6章「ノード構成の管理」にあるOracle Content Services構成の設定変更に関する項を参照してください。
アーカイブ内のアイテムは、アーカイブ内に移動した日付と時刻で編成されます。
Oracle Content Servicesでは、ファイルのロックはサポートされますがフォルダへのロックはサポートされません。アップグレード時点でロックされているOracle Filesフォルダ内のフォルダ以外のアイテムは、新しいOracle Content Servicesインストール内でロックされます。
Oracle Content Servicesでは、データベースごとに1つのスキーマと、アプリケーション層ごとに1つのOracle Content Servicesインスタンスがサポートされます。既存のOracle Filesインストールにデータベースごとに1つ以上のスキーマがある場合、Oracle Content Servicesにアップグレードするスキーマを1つ選択して、他のスキーマはすべてデータベースをアップグレードする際に削除する必要があります。 詳細は、第5章「Oracle Collaboration Suiteデータベースのアップグレード」を参照してください。
Oracle Content Servicesのアップグレード・プロセスは、完了までに長時間を要する場合があります。これは、現在のOracle FilesまたはOracle Content Servicesインストールにあるユーザー数とファイル数に依存します。
アップグレードの際、Oracle Filesのごみ箱フォルダ内のアイテムはOracle Content Services 10.1.2の新しいごみ箱フォルダのFiles_trashサブフォルダに移動します。
場合によっては、Oracle Internet Directory内に大量のユーザーがプロビジョニングされていてもOracle Filesの内容が非常に少ないことがあります。プロビジョニングされたすべてのユーザーを移行するプロセスは時間がかかるので、移行するFilesのデータが非常に少ない場合は、避ける価値があります。移行が必要な内容がFilesにない場合、または内容がわずかで簡単にエクスポートできる場合は、次のような次善の策をとることができます。この策を使用すると、既存のFilesデータはすべて失われます。
次を実行して、すべての中間層のすべてのサーバーを停止します。
次の変数を設定します。ORACLE_HOME=<mid tier home> PATH = $ORACLE_HOME/bin:$PATH
$ORACLE_HOME/bin/opmnctl stopall
rootとして$ORACLE_HOME/bin/ifs/files/bin/ifsctl stopを実行します。
アクティブなEMDのOracleホームから、emctl stopでEMサーバーを停止します。
すべての中間層でtargets.xmlを変更します。
cd <Active EMD Oracle Home>/sysman/emd
cp targets.xml targets.xml.orig
targets.xmlを編集してTarget TYPE="oracle_ifs"のすべてのターゲット・エントリを削除します。たとえば、次の行を削除します。
<TargetTYPE="oracle_ifs"NAME="mt9041.hptok1.us.oracle.com_iFS_hptok1:1521:storedb.us.oracle.com:SOWFILES"DISPLAY_NAME="iFS_hptok1:1521:storedb.us.oracle.com:SOWFILES">
<Property NAME="IfsRootHome" VALUE="/project/ocsd2/sow/mt9041/ohome/ifs"/>
<Property NAME="SchemaPassword" VALUE="a847b91b39528712" ENCRYPTED="TRUE"/>
<Property NAME="DomainName" VALUE="ifs://hptok1:1521:storedb.us.oracle.com:SOWFILES"/>
<Property NAME="SysadminUsername" VALUE="system"/>
<Property NAME="SysadminPassword" VALUE="0633fc23172176c17b7e2642baf7af9a" ENCRYPTED="TRUE"/>
<Property NAME="IfsHome" VALUE="/project/ocsd2/sow/mt9041/ohome/ifs/files"/>
<CompositeMembership>
<MemberOf TYPE="oracle_ias" NAME="mt9041.hptok1.us.oracle.com"/>
</CompositeMembership>
</Target>
エントリをOracle Internet Directoryから削除します。
インフラストラクチャ・マシンに移動し、$INFRA_HOME/bin/oidadminを使用してOIDサーバーに接続します。
orcladminユーザーとしてログインします。
「エントリ管理」の下で、cn=IFS、cn=Products、cn=OracleContextにナビゲートします。
このセクションのエントリを、右クリックして「削除」を選択して削除します。
エントリの例:
orclApplicationCommonName=hptok1:1521:storedb.us.oracle.com:SOWFILE,cn=IFS,cn =Products,cn=OracleContext
書式:
orclApplicationCommonName=<mid tier hostname>:<DB listener port>:<DBhost>:<Files schema name>,cn=IFS,cn=Products,cn=OracleContext
Filesスキーマを削除します。
DBストアで、「sys as sysdba」としてsqlplusを実行します。
SQL> drop user < FILES schema name > cascade;
SQL> drop user < FILES schema name >$CM cascade;
SQL> drop user < FILES schema name >$ID cascade;
SQL> drop user < FILES schema name >$DR cascade;
関連するFiles Schema表領域を削除します。
1つの中間層からのみワークフロー・スキーマを作成します。
アップグレードしたスキーマの1つから、『Oracle Content Services管理者ガイド』の第3章の説明に従って、ORACLEHOME/wf/install/wfinstall.cshを使用してワークフロー・スキーマを作成します。
Enterprise Managerを使用してContent Servicesを構成します。詳細は、『Oracle Content Services管理者ガイド』の付録Bを参照してください。
Oracle Content Services 10.1.1から10.1.2へのアップグレードはスキーマ・アップグレードです。Oracle Content Services 10.1.2では、Oracle Content Services 10.1.1と同じOracleホームが使用されます。
Oracle Content Services 10.1.2では、アップグレード直後にWebユーザー・インタフェース、WebDAVアクセスおよびOracle Drive機能が提供されます。FTPアクセスはアップグレード後には使用できません。手動で有効にする必要があります。
さらに、アップグレードでは、Oracle Content Servicesに付属しているレコード管理アプリケーションであるOracle Records Managementがインストールされます。このアプリケーションはデフォルトでは無効になっており、別ライセンスの対象です。
アップグレード後、次の作業を実行します。
アップグレード済バージョンのOracle Internet Directoryのユーザーは、Oracle Content Servicesにプロビジョニングされません。10.1.2では、「すべて」がパブリック・グループ・コンテナおよびユーザー・コンテナ内で参照アクセス権限を持ちます。それより前のリリースでは、「すべて」は否認されます。これらのコンテナに対するACLは、ユーザーがカスタマイズしたACLでの矛盾を避けるためにアップグレード中は変更されません。いくつか追加手順が必要です。
ODMにcn=orcladminとしてログインします。
「エントリ管理」-> dc=com -> dc=<domain>, dc=<realm>と開きます。(4回クリック)
cn=Groupsをクリックします。
「ローカル・アクセス」タブをクリックします。
「すべて」を含む行を選択します。
「編集」をクリックします。
「アクセス権限」をクリックします。
「参照」に対応する「権限付与」列をクリックします(「追加」、「プロキシ」、「削除」は「否認」のままでかまいません)。
「OK」をクリックします。
cn=Usersをクリックします。
手順4〜9を繰り返します。
Oracle Content Services 10.1.1からアップグレードしている場合は、IFS.SERVICE.JDBC.DriverTypeサービス構成プロパティを編集します。Oracle Content Services 10.1.1では、このプロパティの値が認識されず、その値に関係なくThinドライバが使用されていました。Oracle Content Services 10.1.2では、デフォルト値はoci8(Thickドライバ)です。
Oracle Collaboration Suite 10g リリース1(10.1.2)には、更新済の韓国語レクサーが含まれています。アップグレード後、韓国語のコンテンツを再索引付けしてください。 詳細は、『Oracle Content Services管理者ガイド』のOracle Content Servicesグローバリゼーション・サポートに関する付録Gを参照してください。
Oracle Content Services 10.1.2には、2つの新規エージェント(Background Processing AgentおよびRefresh Security Agent)が含まれています。アップグレード後、適切なノード上でこれらのエージェントを構成してください。 詳細は、『Oracle Content Services管理者ガイド』のサーバー構成のプロパティに関する付録Eを参照してください。
Oracle Content Servicesでは、ユーザーに対する有効期限の設定はサポート対象外です。Oracle Filesのユーザーにアップグレードの日付以降の有効期限が設定されている場合、そのユーザーがOracle Content Servicesによって自動削除されることはありません。手動で削除する必要があります。