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Oracle Collaboration Suiteインストレーション・ガイド
10gリリース1(10.1.2) for Linux
B25676-03
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2 Oracle Collaboration Suiteのインストールの準備

Oracle Collaboration Suiteをインストールする前に、この章で説明されている要件をコンピュータが満たしていることを確認してください。

この章の内容は次のとおりです。

2.1 ハードウェア要件

この項では、Oracle Collaboration Suiteをインストールする場合に必要となるハードウェア構成について説明します。

表2-1に、Oracle Collaboration Suiteを実行する場合のシステム要件を示します。

インストーラでは、インストール・プロセスを開始するときにこれらの要件がチェックされ、いずれかの要件が満たされていない場合は警告が表示されます。このため、インストーラによってチェックされない要件のみを手動でチェックすると効率的です。

次のコマンドを実行すれば、インストールを実行せずに、インストーラによるシステム・チェックを実行することもできます。runInstaller実行可能ファイルはOracle Collaboration Suite DVDにあります。

prompt> mount_point/runInstaller -executeSysPrereqs

結果はログ・ファイルに書き込まれるだけでなく、画面にも表示されます。実行されるチェックの詳細は、2.10項を参照してください。

表2-1 Linuxシステムのハードウェア要件

項目 最小要件 インストーラによるチェック

プロセッサの処理速度

450MHz以上。

あり

ネットワーク

Oracle Collaboration Suiteは、ネットワークに接続されていないスタンドアロン・コンピュータにインストールできます。後からネットワーク構成を変更する場合は、Oracle Collaboration Suiteの再構成について、『Oracle Collaboration Suite管理者ガイド』を参照してください。

なし

IP

コンピュータのIPアドレスは、静的でも、DHCPによる割当てでも構いません。

注意: Oracle Collaboration Suite Identity Management、Oracle Collaboration Suiteデータベースおよびアプリケーション層は、静的IPアドレスを持つシステムにインストールすることをお薦めします。

後からIP構成を変更する場合は、Oracle Collaboration Suiteの再構成について、『Oracle Collaboration Suite管理者ガイド』を参照してください。

なし

メモリー

インストーラでは、コンピュータのメモリー容量がチェックされます。次の最小メモリー要件が満たされていない場合は、インストールを続行できません。

Oracle Collaboration Suite 10gインフラストラクチャ: 1GB

Oracle Collaboration Suite 10gアプリケーション: 1GB

Oracle Collaboration Suite 10gデータベース: 1GB

注意: 1台のコンピュータにOracle Collaboration Suiteインフラストラクチャおよびアプリケーションをインストールする場合は、2GB以上が推奨されます。

メモリー容量を確認するには、次のコマンドを入力します。

# grep MemTotal /proc/meminfo

この値は、1台のコンピュータで1つのOracle Collaboration Suiteインスタンスのみを実行することを想定した値です。

各種のインストール・タイプで指定されているメモリー要件は、Oracle Collaboration Suiteをインストールして実行する場合に必要となる物理メモリーです。ただし、ほとんどの本番サイトでは、2GB以上の物理メモリーを構成する必要があります。大量のトラフィックがあるサイトでは、さらにメモリー容量を増加すると、パフォーマンスが向上する場合があります。

インストールの最適メモリー量を確認するには、サイトのロード・テストを行う必要があります。リソース要件は、アプリケーションや使用形態の違いによって大幅に異なる場合があります。また、オペレーティング・システムのメモリー監視ユーティリティでは、メモリー使用量が実際より多く表示される場合があります(一部は共有メモリーが表示されることが原因)。メモリー要件を判断するには、ロード・テストで追加した物理メモリーによって達成されるパフォーマンスの向上を監視します。テストのためのメモリーおよびプロセッサ・リソースの構成方法の詳細は、プラットフォーム・ベンダーのドキュメントを参照してください。

あり

ディスク領域

インストーラでは、不正確なディスク領域の数値が表示される場合があります。ディスク領域の要件は、次のとおりです。

Oracle Collaboration Suite 10gインフラストラクチャ: 8GB

Oracle Collaboration Suite 10gアプリケーション: 5GB

Oracle Collaboration Suite 10gデータベース: 5.4GB

空きディスク領域の容量を確認するには、dfコマンドを使用します。

# df -k dir

Oracleホーム・ディレクトリがまだ存在していない場合は、dirをOracleホーム・ディレクトリまたは親ディレクトリに置き換えます。たとえば、Oracle Collaboration Suiteを/private/oracle/infraにインストールする場合は、dir/private/oracleまたは/private/oracle/infraに置き換えます。

なし

/tmpディレクトリの領域

250MB

/tmpディレクトリの空きディスク領域の容量を確認するには、dfコマンドを使用します。

# df -k /tmp

/tmpディレクトリに十分な空き領域がない場合は、TMP環境変数を設定して別のディレクトリを指定します。詳細は、2.7.6項を参照してください。

あり

スワップ領域

1.5GBの使用可能スワップ領域

使用可能なスワップ領域の容量を確認するには、次のコマンドを入力します。

# grep SwapTotal /proc/meminfo

追加のスワップ領域を構成する方法は、必要に応じてオペレーティング・システムのドキュメントを参照してください。

あり

モニター

256色表示

モニターの表示機能を確認するには、次のコマンドを入力します。

# /usr/X11R6/bin/xdpyinfo

depthの行を確認します。各ピクセルに8ビット以上の深度が必要です。

あり


2.1.1 Real-Time Collaborationに対する考慮事項

Oracle Real-Time Collaborationコンポーネントでは、クライアントとサーバー間の通信を処理する際に、ロード・バランシングが実行されます。リダイレクタでは、クライアントからのリクエストをルーティングする際に、どのマルチプレクサまたは通信マネージャのプロセスが使用可能かを判断します。マルチプレクサでは、Web Conferencingクライアントとの通信のやり取りをルーティングする際に、どのWeb Conferencingサーバー・プロセスが使用可能かを判断します。

Oracle中間層サーバーで処理されるプロセスの管理に、ロード・バランサを使用することを選択しても構いません。その場合は、次の考慮事項に留意してください。

  • ロード・バランサの背後にあるすべてのシステムには、イントラネット・ルータブルIPアドレスが必要で、少なくとも標準のHTTPポートとHTTPSポート(80と443)でインターネットから直接アクセスできる必要があります。

  • 地理的ロード・バランサ(地理的位置の間でロードを分散させるロード・バランサ)を使用する場合、地理的分布に基づいてシステムを分割するために、Oracle Real-Time Collaborationクラスタを作成する必要があります。


注意:

Oracle Messengerでもポート5222および5223を使用しますが、場合によってはインターネットに対してオープンにする必要があります。

2.1.2 メモリー使用量を削減するためのヒント

メモリー消費量を削減するには、次のようにします。

  • 必要なコンポーネントのみを構成します。

  • インストール後、必要なコンポーネントのみを起動します。詳細は、『Oracle Collaboration Suite管理者ガイド』を参照してください。

  • 必要なコンポーネントを含む最小のアプリケーション層タイプを選択します。

  • インスタンスを管理する必要がある場合にのみApplication Server Controlを実行します。ほとんどの場合、Application Server Controlを常に実行する必要はありません。

    複数のOracle Collaboration Suiteインフラストラクチャ・インスタンスを1台のコンピュータで実行している場合、各Application Server Controlが大量のメモリーを消費する可能性があります。必要な場合にのみApplication Server Controlを実行することで、他のコンポーネント用にメモリーを解放できます。

  • 複数のインスタンスが管理できるようにApplication Server Controlを構成します。詳細は、『Oracle Collaboration Suite管理者ガイド』を参照してください。

2.2 ソフトウェア要件

インストーラでは、必要なオペレーティング・システム・パッチがコンピュータに適用されているかどうかもチェックされます。必要なパッチが適用されていないことが確認された場合は、エラーが表示されます。

コンピュータのソフトウェア要件以外に、互換性のあるブラウザが必要となります。

サポートされているブラウザは、次のとおりです。


注意:

サポートされているオペレーティング・システム固有のソフトウェアおよびオペレーティング・システムのバージョンの最新リストは、次のURLのOracleMetaLinkを参照してください。

http://metalink.oracle.com


ソフトウェア要件の確認方法は、Linuxのディストリビューションに応じて、次の項のいずれかを参照してください。

Oracleでは、Linuxベンダーでサポートしていないカスタマイズされたカーネルやモジュールはサポートしていません。

Oracle Collaboration Suite 10gリリース1(10.1.2)は、ネットワーク上にないLinuxシステムや、DHCPを使用するように構成されたLinuxシステムにインストールできます。Oracle Collaboration Suiteをネットワーク上にないコンピュータにインストールするには、静的IPアドレスまたはループバックIPアドレスのいずれかを使用するように、コンピュータを構成する必要があります。また、コンピュータのホスト名を静的IPアドレスまたはループバックIPアドレスのいずれかに解決するように、コンピュータを構成する必要があります。

2.2.1 Red Hat Enterprise Linux AS/ES 3.0システムのソフトウェア要件

表2-2に、Red Hat 3.0システムのソフトウェア要件を示します。また表の後の手順では、使用しているシステムが、これらの要件やOracle Collaboration Suiteをインストールするための追加要件を満たしていることを確認する方法を説明します。

表2-2 Red Hat Enterprise Linux AS/ES 3.0システムのソフトウェア要件

項目 要件

オペレーティング・システム

Red Hat Enterprise Linux AS/ES 3.0

Red Hatの詳細は、次のサイトを参照してください。

http://www.redhat.com

サポートされるカーネルおよびglibcの最低限のバージョンは、次のとおりです。

  • kernel-2.4.21-27.EL

  • kernel-smp-2.4.21-27.EL

  • kernel-hugemem-2.4.21-27.EL

Red Hat Update

Update 4

ソフトウェア・パッケージ

(これらのバージョンまたはそれ以降のバージョンがインストールされていることを確認)

glibc-2.3.2-95.30
glibc-common-2.3.2-95.30
binutils-2.14.90.0.4-35
compat-db-4.0.14-5.1
compat-glibc-7.x-2.2.4.32.6
compat-libstdc++-7.3-2.96.128
compat-libstdc++-devel-7.3-2.96.128
gcc-3.2.3-47
gcc-c++-3.2.3-47
libstdc++-3.2.3-47
libstdc++-devel-3.2.3-47
openmotif21-2.1.30-8
pdksh-5.2.14-21
setarch-1.3-1
make-3.79.1-17
gnome-libs-1.4.1.2.90-34.2
sysstat-5.0.5-5.rhel3

注意: Red Hat 3.0の場合、openmotif 2.1.30-8の同等のバージョンはopenmotif21-2.1.30-8です。openmotif21-2.1.30-8パッケージは、Red Hat Enterprise Linux AS/ES 3.0ディストリビューションのディスク3から、次のコマンドを入力してインストールできます。

prompt> rpm -ivh openmotif21-2.1.30-8

システムがすべての要件を満たしていることを確認するには、次の手順に従います。

  1. rootユーザーとしてログインします。

  2. インストールされているLinuxのディストリビューションおよびバージョンを確認するには、次のコマンドを入力します。

    # cat /etc/redhat-release
    Red Hat Enterprise Linux AS release 3 (Taroon Update 4)
    
    

    前述のコマンドを使用して、Update 4のインストールも確認できます。

  3. その他のパッケージがインストールされているかどうかを確認するには、次のようなコマンドを入力します。

    # rpm -q package_name
    
    

    パッケージが見つからない場合は、パッケージをダウンロードし、次のコマンドを使用してインストールします。

    # rpm -i package_name
    
    
  4. hugememカーネルが使用されている場合、次のコマンドを使用してアーキテクチャを設定します。

    # setarch i386
    
    

    hugememカーネルは、4GBを超えるメイン・メモリーを搭載したマルチプロセッサ・コンピュータにソフトウェアをインストールする場合に使用されます。これは、Javaの旧バージョンなど、一部のアプリケーションやプログラムでは、3GBのユーザー領域を処理できないためです。このカーネルを使用すれば、Red Hat Enterprise Linux AS/ES 3.0をメイン・メモリーが64GBまでのシステムで実行できます。

    setarchコマンドを使用してアーキテクチャをi386に設定すると、ユーザー領域のサイズが、smpおよび単一プロセッサ・カーネルと互換性のある3GBに制限されます。

    次のコマンドを使用して、hugememカーネルを使用しているかどうかを確認できます。

    uname -r
    2.6.9-5.0.3.ELhugemem
    

2.2.2 Red Hat Enterprise Linux AS/ES 4.0システムのソフトウェア要件

表2-3に、Red Hat 4.0システムのソフトウェア要件を示します。また表の後の手順では、使用しているシステムが、これらの要件やOracle Collaboration Suiteをインストールするための追加要件を満たしていることを確認する方法を説明します。

表2-3 Red Hat Enterprise Linux AS/ES 4.0システムのソフトウェア要件

項目 要件

オペレーティング・システム

Red Hat Enterprise Linux AS/ES 4.0

Red Hatの詳細は、次のサイトを参照してください。

http://www.redhat.com

サポートされるカーネルおよびglibcの最低限のバージョンは、次のとおりです。

  • kernel-2.6.9-11.EL

  • kernel-smp-2.6.9-11.EL

  • kernel-hugemem-2.6.9-11.EL

Red Hat Update

Update 1

ソフトウェア・パッケージ

(これらのバージョンまたはそれ以降のバージョンがインストールされていることを確認)

glibc-2.3.4-2.9
glibc-common-2.3.4-2.9
binutils-2.15.92.0.2-13
compat-db-4.1.25-9
compat-glibc-2.3.2-95.30
compat-libstdc++-296-2.96-132.7.2
compat-libstdc++-33-3.2.3-47.3
gcc-3.4.3-22.1
gcc-c++-3.4.3-22.1
libstdc++-3.4.3-22.1
libstdc++-devel-3.4.3-22.1
openmotif21-2.1.30-11.RHEL4.4
pdksh-5.2.14-30
setarch-1.6-1
make-3.80-5
gnome-libs-1.4.1.2.90-44.1
sysstat-5.0.5-1

注意: openmotif21-2.1.30-11.RHEL4.4パッケージは、Red Hat Enterprise Linux AS/ES 4.0ディストリビューションのディスク3から、次のコマンドを入力してインストールできます。

prompt> rpm -ivh openmotif21-2.1.30-11.RHEL4.4

システムがすべての要件を満たしていることを確認するには、次の手順に従います。

  1. rootユーザーとしてログインします。

  2. インストールされているLinuxのディストリビューションおよびバージョンを確認するには、次のコマンドを入力します。

    # cat /etc/redhat-release
    Red Hat Enterprise Linux AS release 4 (Nahant Update 1)
    
    

    前述のコマンドを使用して、Update 1のインストールも確認できます。

  3. その他のパッケージがインストールされているかどうかを確認するには、次のようなコマンドを入力します。

    # rpm -q package_name
    
    

    パッケージが見つからない場合は、パッケージをダウンロードし、次のコマンドを使用してインストールします。

    # rpm -i package_name
    
    
  4. hugememカーネルが使用されている場合、次のコマンドを使用してアーキテクチャを設定します。

    # setarch i386
    
    

    hugememカーネルは、4GBを超えるメイン・メモリーを搭載したマルチプロセッサ・コンピュータにソフトウェアをインストールする場合に使用されます。これは、Javaの旧バージョンなど、一部のアプリケーションやプログラムでは、3GBのユーザー領域を処理できないためです。このカーネルを使用すれば、Red Hat Enterprise Linux AS/ES 3.0をメイン・メモリーが64GBまでのシステムで実行できます。

    setarchコマンドを使用してアーキテクチャをi386に設定すると、ユーザー領域のサイズが、smpおよび単一プロセッサ・カーネルと互換性のある3GBに制限されます。

    次のコマンドを使用して、hugememカーネルを使用しているかどうかを確認できます。

    uname -r
    2.6.9-5.0.3.ELhugemem
    

2.2.3 SUSE Linux Enterprise Server 8システムのソフトウェア要件

表2-4に、SUSE Linux Enterprise Server 8システムのソフトウェア要件を示します。また表の後の手順では、使用しているシステムが、これらの要件やOracle Collaboration Suiteをインストールするための追加要件を満たしていることを確認する方法を説明します。


注意:

サポートされているオペレーティング・システム固有のソフトウェア(JDKのバージョン、オペレーティング・システムのバージョンなど)の最新リストは、次のURLのOracleMetaLinkで確認してください。

http://metalink.oracle.com


表2-4 SUSE Linux Enterprise Server 8システムのソフトウェア要件

項目 要件

オペレーティング・システム

SUSE Linux Enterprise Server 8

SUSE Linuxの詳細は、次のサイトを参照してください。

http://www.suse.com

SP3は、Oracle Collaboration Suite 10gリリース1(10.1.2)での動作が保証されています。SUSE Linux Enterprise Server 8 SP3の場合、サポートされるカーネルおよびglibcの最低限のバージョンは、次のとおりです。

  • k_smp-2.4.21-138

  • k_deflt-2.4.21-138

  • k_psmp-2.4.21-138

ソフトウェア・パッケージ

(これらのバージョンまたはそれ以降のバージョンがインストールされていることを確認)

glibc-2.2.2-124
gcc-3.2.2-38
gcc-c++-3.2.2-38
pdksh-5.2.14
openmotif-2.1.30MLI4
sysstat-4.0.3
libstdc++-3.2.2
make-3.79.1-407
binutils-2.12.90.0.15-50

システムがすべての要件を満たしていることを確認するには、次の手順に従います。

  1. rootユーザーとしてログインします。

  2. インストールされているLinuxのディストリビューションおよびバージョンを確認するには、次のコマンドを入力します。

    # cat /etc/issue
    Welcome to SUSE Linux Enterprise Server 8 (i586) - Kernel \r (\l)
    
    
  3. サービス・パッケージのバージョンを確認するには、次のコマンドを入力します。

    # rpm -qf /boot/vmlinuz
    
    

    カーネルのバージョンに2.4.19の文字列が含まれている場合、SP2aがインストールされています。同様に、カーネルのバージョンに2.4.21の文字列が含まれている場合、SP3がインストールされています。

  4. その他のパッケージがインストールされているかどうかを確認するには、次のようなコマンドを入力します。

    # rpm -q package_name
    
    

    パッケージが見つからない場合は、パッケージをダウンロードし、次のコマンドを使用してインストールします。

    # rpm -i package_name
    
    
  5. Perl実行可能ファイルに対する次のシンボリック・リンクがまだない場合は作成します。

    # ln -sf /usr/bin/perl /usr/local/bin/perl
    
  6. fuser実行可能ファイルに対する次のシンボリック・リンクがまだない場合は作成します。

    # ln -sf /bin/fuser /sbin/fuser
    
    
  7. SUSE Linux Enterprise Serverシステムにorarunパッケージがインストールされていた場合は、oracleユーザーとして次の手順を完了し、環境をリセットします。

    1. 次のコマンドを入力します。

      # cd /etc/profile.d
      # mv oracle.csh oracle.csh.bak
      # mv oracle.sh oracle.sh.bak
      # mv alljava.sh alljava.sh.bak
      # mv alljava.csh alljava.csh.bak
      
      
    2. 任意のテキスト・エディタを使用して、$HOME/.profileファイルの次の行をコメント化します。

      . ./.oracle
      
      
    3. oracleユーザー・アカウントからログアウトします。

    4. 変更を有効にするために、oracleユーザー・アカウントにログインします。

  8. システムにJavaパッケージがインストールされている場合は、Java環境変数(JAVA_HOMEなど)の設定を解除します。


    注意:

    SUSE Linux Enterprise Serverディストリビューションに付属のJavaパッケージはインストールしないことをお薦めします。

  9. /etc/servicesファイルを調べて、システムで次のポート範囲が使用可能かどうかを確認します。

    • ポート3060〜3129(Oracle Internet Directoryに必要)

    • ポート3130〜3199(Oracle Internet Directory(SSL)に必要)

    • ポート1812〜1829(Oracle Enterprise Manager(コンソール)に必要)

    • ポート1830〜1849(Oracle Enterprise Manager(エージェント)に必要)

    • ポート1850〜1869(Oracle Enterprise Manager(RMI)に必要)

    必要に応じて/etc/servicesファイルからエントリを削除し、システムを再起動します。エントリを削除するには、パッチ3167528に含まれるperlスクリプトを使用します。このパッチは、次のサイトで入手可能です。

    http://metalink.oracle.com
    
    

    これらのポートが使用できない場合、インストール時に関連のコンフィギュレーション・アシスタントが失敗します。

  10. ネットワーク情報サービス(NIS)を使用する場合、次のようにします。

    1. /etc/yp.confファイルに次の行があることを確認します。

      hostname.domainname broadcast
      
      
    2. /etc/nsswitch.confファイルに次の行があることを確認します。

      hosts: files nis dns
      

2.2.4 SUSE Linux Enterprise Server 9システムのソフトウェア要件

表2-5に、SUSE Linux Enterprise Server 9システムのソフトウェア要件を示します。また表の後の手順では、使用しているシステムが、これらの要件やOracle Collaboration Suiteをインストールするための追加リンク要件を満たしていることを確認する方法を説明します。


注意:

サポートされているオペレーティング・システム固有のソフトウェア(JDKのバージョン、オペレーティング・システムのバージョンなど)の最新リストは、次のURLのOracleMetaLinkで確認してください。

http://metalink.oracle.com


表2-5 SUSE Linux Enterprise Server 9システムのソフトウェア要件

項目 要件

オペレーティング・システム

SUSE Linux Enterprise Server 9

SUSE Linuxの詳細は、次のサイトを参照してください。

http://www.suse.com

SUSE Linux Enterprise Server 9 SP3の場合、サポートされるカーネルおよびglibcの最低限のバージョンは、次のとおりです。

  • kernel-bigsmp-2.6.5-7.97

  • kernel-default-2.6.5-7.97

  • kernel-smp-2.6.5-7.97

ソフトウェア・パッケージ

(これらのバージョンまたはそれ以降のバージョンがインストールされていることを確認)

gcc-3.3.3-43.24
gcc-c++-3.3.3-43.24
glibc-2.3.3-98.28
libstdc++-3.3.3-43.24
libstdc++-devel-3.3.3-43.24
openmotif21-libs-2.1.30MLI4-119.1
pdksh-5.2.14-780.1
make-3.80-184.1
gnome-libs-1.4.1.7-671.1
gnome-libs-devel-1.4.1.7-671.1
sysstat-5.0.1-35.1
binutils-2.15.90.0.1.1-32.5

システムがすべての要件を満たしていることを確認するには、次の手順に従います。

  1. rootユーザーとしてログインします。

  2. インストールされているLinuxのディストリビューションおよびバージョンを確認するには、次のコマンドを入力します。

    # cat /etc/issue
    Welcome to SUSE Linux Enterprise Server 9.0 (i586) - Kernel \r (\l)
    
    
  3. カーネルのバージョンを確認するには、次のコマンドを入力します。

    # uname -r
    kernel-bigsmp-2.6.5-7.97
    
    
  4. その他のパッケージがインストールされているかどうかを確認するには、次のようなコマンドを入力します。

    # rpm -q package_name
    
    

    パッケージが見つからない場合は、パッケージをダウンロードし、次のコマンドを使用してインストールします。

    # rpm -i package_name
    
    
  5. Perl実行可能ファイルに対する次のシンボリック・リンクがまだない場合は作成します。

    # ln -sf /usr/bin/perl /usr/local/bin/perl
    
    
  6. fuser実行可能ファイルに対する次のシンボリック・リンクがまだない場合は作成します。

    # ln -sf /bin/fuser /sbin/fuser
    
    
  7. SUSE Linux Enterprise Serverシステムにorarunパッケージがインストールされていた場合は、oracleユーザーとして次の手順を完了し、環境をリセットします。

    1. 次のコマンドを入力します。

      # cd /etc/profile.d
      # mv oracle.csh oracle.csh.bak
      # mv oracle.sh oracle.sh.bak
      # mv alljava.sh alljava.sh.bak
      # mv alljava.csh alljava.csh.bak
      
      
    2. 任意のテキスト・エディタを使用して、$HOME/.profileファイルの次の行をコメント化します。

      . ./.oracle
      
      
    3. oracleユーザー・アカウントからログアウトします。

    4. 変更を有効にするために、oracleユーザー・アカウントにログインします。

  8. システムにJavaパッケージがインストールされている場合は、Java環境変数(JAVA_HOMEなど)の設定を解除します。


    注意:

    SUSE Linux Enterprise Serverディストリビューションに付属のJavaパッケージはインストールしないことをお薦めします。

  9. /etc/servicesファイルを調べて、システムで次のポート範囲が使用可能かどうかを確認します。

    • ポート3060〜3129(Oracle Internet Directoryに必要)

    • ポート3130〜3199(Oracle Internet Directory(SSL)に必要)

    • ポート1812〜1829(Oracle Enterprise Manager(コンソール)に必要)

    • ポート1830〜1849(Oracle Enterprise Manager(エージェント)に必要)

    • ポート1850〜1869(Oracle Enterprise Manager(RMI)に必要)

    必要に応じて/etc/servicesファイルからエントリを削除し、システムを再起動します。エントリを削除するには、パッチ3167528に含まれるperlスクリプトを使用します。このパッチは、次のサイトで入手可能です。

    http://metalink.oracle.com
    
    

    これらのポートが使用できない場合、インストール時に関連のコンフィギュレーション・アシスタントが失敗します。

  10. ネットワーク情報サービス(NIS)を使用する場合、次のようにします。

    1. /etc/yp.confファイルに次の行があることを確認します。

      hostname.domainname broadcast
      
      
    2. /etc/nsswitch.confファイルに次の行があることを確認します。

      hosts: files nis dns
      

2.3 カーネル・パラメータ

Oracle Collaboration Suiteのインストールでは、システム・カーネル・パラメータを構成する必要があります。この要件を満たすことは、本番環境で特に重要となります。カーネル・パラメータの設定を確認し、Oracle Collaboration Suiteの要件を満たしていることを確認します。


注意:

  • 表に示す値よりパラメータの現在の値が大きい場合は、そのパラメータの値を変更しないでください。

  • インストーラで表の値と異なる値が見つかると、警告が表示されます。インストールは続行できますが、インストール中のエラーや、実行時の操作エラーが発生する可能性があります。

  • カーネル・パラメータの値が要件を満たしていない場合、インストーラにエラー・メッセージが表示されます。カーネル・パラメータを必要な値に更新するまではインストールを続行できません。


表2-6に、カーネル・パラメータおよび必要な最小設定を示します。

表2-6 Linuxシステムのカーネル・パラメータ設定

カーネル 推奨値 定義 ファイル
semmni
142

システム全体のセマフォ・セットの最大数。

/proc/sys/kernel/sem

semmns
32000

システムでのセマフォの最大数。この設定は、初回インストールの場合のみの最小推奨値です。semmnsパラメータは、各Oracleデータベースのinitsid.ora PROCESSESパラメータの合計に、最大値の2倍の数値と、1データベースにつき10を加えた値に設定します。

/proc/sys/kernel/sem

semopm
100

semopコールの最大操作数。

/proc/sys/kernel/sem

semmsl
256

初回インストールの場合のみの、各IDに対するセマフォの最小推奨数。semmslパラメータは、システムの任意のOracleデータベースの最大initsid.ora PROCESSESパラメータに10を加えた値に設定します。

/proc/sys/kernel/sem

shmmax
2147483648

1つの共有メモリー・セグメントの最大許容サイズ。SMPカーネルの場合は2GBです。推奨サイズは、RAMサイズの半分です。

/proc/sys/kernel/shmmax

shmmni
4096

システム全体の共有メモリー・セグメントの最大数。

/proc/sys/kernel/shmmni

shmall
3279547

使用可能な共有メモリーの総量。

/proc/sys/kernel/shmall

msgmni
2878

メッセージ・キュー識別子数。

/proc/sys/kernel/msgmni

msgmax
8192

最大メッセージ・サイズ。

/proc/sys/kernel/msgmax

msgmnb
65535

メッセージ・キューでの最大バイト数。

/proc/sys/kernel/msgmnb

file-max
327679

ファイルの最大数。

/proc/sys/fs/file-max

ip_local_port_range
10000 65000

ローカルIPポートの範囲。

/proc/sys/net/ipv4/ip_local_port_range



注意:

semmnsパラメータは、OracleデータベースのPROCESSES初期化パラメータの合計に、最大値の2倍の数値と、1データベースにつき10を加えた値に設定します。

これらのカーネル・パラメータに指定されている現行の値または式を表示し、必要に応じて変更するには、次の手順を完了します。

  1. カーネル・パラメータの現行値を表示するには、次のようなコマンドを入力します。

    パラメータ コマンド
    semmsl、semmns、semopm、semmni # /sbin/sysctl -a | grep sem

    このコマンドにより、セマフォ・パラメータの値がリスト順に表示されます。

    shmall、shmmax、semmni # /sbin/sysctl -a | grep shm
    msgmax、msgmnb、msgmni # /sbin/sysctl -a | grep msg
    file-max # /sbin/sysctl -a | grep file-max
    ip_local_port_range # /sbin/sysctl -a | grep ip_local_port_range

  2. カーネル・パラメータの値が推奨値と異なる場合は、次の手順を完了してください。

    1. rootとしてログインします。

    2. 任意のテキスト・エディタを使用して、/etc/sysctl.confファイルを作成または編集し、次のような行を追加または編集します。

      kernel.shmall = 3279547
      kernel.shmmax = 2147483648
      
      kernel.shmmni = 4096
      #semaphores: semmsl, semmns, semopm, semmni
      kernel.sem = 256 32000 100 142
      fs.file-max = 327679
      net.ipv4.ip_local_port_range = 10000 65000
      kernel.msgmni = 2878
      kernel.msgmax = 8192
      kernel.msgmnb = 65535
      
      

      /etc/sysctl.confファイルの値を指定すれば、システムを再起動したときに、値が持続します。

    3. カーネル・パラメータの現行値を変更するには、次のコマンドを入力します。

      # /sbin/sysctl -p
      
      

      このコマンドの出力を見て、値が正しいことを確認します。値が正しくない場合は、/ect/sysctl.confファイルを編集し、もう一度このコマンドを入力します。

    4. SUSE Linux Enterprise Serverの場合のみ、次のコマンドを入力して、システムの再起動時に/etc/sysctl.confファイルを読み込むようにします。

      # chkconfig boot.sysctl on
      

oracleユーザーのシェル制限の設定


注意:

オペレーティング・システム・ユーザー(oracleなど)の作成の詳細は、2.6項を参照してください。

Linuxシステムのパフォーマンスまたはソフトウェアを改善するには、ユーザーのデフォルト・シェルに応じて、oracleアカウントの次のシェル制限を増やす必要があります。

BourneまたはBashシェル Kornシェル制限 Cまたはtcshシェル制限 ハード制限
nofile nofile descriptors 65536
noproc processes maxproc 16384

シェル制限を増加するには、次の手順を完了します。

  1. rootとしてログインします。

  2. 次の行を/etc/security/limits.confファイルに追加します。

    * soft nproc 4096
    * hard nproc 16384
    * soft nofile 16384
    * hard nofile 65536
    
    

    注意:

    Oracle Collaboration Suiteをインストールするコンピュータへのログインにセキュア・シェル(SSH)を使用している場合は、次の手順を実行します。
    1. UsePrivilegeSeparation noが反映されるように、/etc/ssh/sshd_configファイルを編集します。

    2. 次のコマンドを使用して、sshdデーモンを再起動します。

      /sbin/service sshd restart
      

  3. 次の行が/etc/pam.d/loginファイルにない場合は、追加します。

    session required /lib/security/pam_limits.so
    
    

    注意:

    oracleアカウントに切り替えるためにsuを使用する場合、前述の行を/etc/pam.d/suファイルに追加します。

  4. グラフィカル・ユーザー・インタフェースを使用してログインした場合、次の行が/etc/pam.d/xdmファイルになければ、追加する必要があります。

    session required /lib/security/pam_limits.so
    
    

    Xサーバーを再起動します。

  5. oracleアカウントのデフォルト・シェルに応じて、デフォルト・シェル起動ファイルに次の変更を加えます。

    • Bourne、BashまたはKornシェルの場合、次の行を/etc/profileファイルに追加します。

      if [ $USER = "oracle" ]; then
              if [ $SHELL = "/bin/ksh" ]; then
                    ulimit -p 16384
                    ulimit -n 65536
              else
                    ulimit -u 16384 -n 65536
              fi
      fi
      
      
    • Cまたはtchシェルの場合、次の行を/etc/csh.loginファイルを追加します。

      if ( $USER == "oracle" ) then
              limit maxproc 16384
              limit descriptors 65536
      endif
      

Oracle Collaboration Suiteデータベースのプロセス・パラメータの最小値の決定

Oracle Collaboration Suiteデータベースのprocessesパラメータは、すべてのアプリケーション層のすべてのコンポーネントのすべての接続の合計に、その他のアプリケーションで使用されるプロセスを加えたものであることが必要です。

Oracle Collaboration Suiteデータベースのprocessesパラメータのデフォルト値は250です。アプリケーション層の各システムに対するこの値は概算で次のようになります。

この他に、およそ40の値が内部プロセス用に確保されているため、合計は約200になります。追加バッファとしてさらに50が用意されており、デフォルト値は250になります。

構成されているコンポーネントが少ない場合、この数値は小さくなります。ただし、本番環境では、Oracle Collaboration Suiteデータベースのprocessesパラメータは、各デプロイで構成されているコンポーネントごとのデータベース接続の合計として構成する必要があります。

たとえば、1つのデプロイに、Simple Mail Transfer Protocol(SMTP)とIMAPを実行している3つのアプリケーション層があるとします。各アプリケーション層のSMTPおよびIMAPは、それぞれ100のデータベース接続に対応するように管理者が構成できます。このため、これらのプロセスについて、データベースでプロセスが不足しないように、Oracle Mailデータベースのprocessesパラメータを、2 x 3 x 100 = 600まで増やす必要があります。


注意:

最適なプロセス数とコンポーネント当たりの最大接続数の決定は、チューニングにおける課題です。システムの使用パターンについてさらに情報を得てからチューニングを実行します。

semmnsパラメータの最小値の決定

Oracleデータベースをまだ稼働していないコンピュータにOracle Collaboration Suiteインフラストラクチャをインストールする場合(つまり、インフラストラクチャがコンピュータ上で稼働する唯一のコンポーネントになる場合)、semmnsパラメータを最小値の256に設定します。

Oracleデータベースをすでに稼働しているコンピュータにインフラストラクチャをインストールする場合、semmnsパラメータを、すべてのOracleデータベース(インフラストラクチャを含む)のprocesses初期化パラメータの合計に、最大値の2倍と、1つのデータベースにつき10を加えた値に設定します。

Oracle Collaboration Suiteデータベースのprocessesパラメータのデフォルト値は250です。

例: コンピュータでOracleデータベースがすでに稼働している場合、processesパラメータは250に設定されています。この場合、semmnsパラメータは920に設定する必要があります。次にその計算方法を説明します。

Oracleデータベースのprocessesパラメータの値を確認するには、SQL*Plusで次のコマンドを入力します。

# sqlplus "sys/password as sysdba"
SQL> show parameters processes

前述の構文で、passwordにはSYSユーザーのパスワードを指定します。

2.4 ポート

Oracle Collaboration Suiteインフラストラクチャのコンポーネント(Oracle HTTP Server、OracleAS Web Cache、Oracle Enterprise Managerなど)およびOracle Collaboration Suiteアプリケーションでは、ポートを使用します。インストーラで、デフォルトのポート番号を割り当てることも、指定したポート番号(1024未満のポート番号を含む)を使用することもできます。

この項の内容は次のとおりです。

Oracle HTTP Serverのデフォルト・ポートがポート80ではなくポート7777である理由

デフォルトでは、インストーラによってポート80ではなくポート7777を使用するようにOracle HTTP Serverが構成されます。UNIXで1024未満のポート番号を使用するコンポーネントを実行するには、rootユーザーとして追加の手順を行う必要があるため、ポート7777がデフォルトのポートとなっています。インストーラにはrootアクセスがないため、1024より大きいポートを使用する必要があります。

Oracle HTTP Serverでポート80などの別のポートを使用する場合は、コンポーネントのポート番号を指定できる静的ポート機能を使用します。ポート番号はインストール後に変更できますが、インストール時にポート番号を設定することをお薦めします。

2.4.1 ポートが使用されているかどうかの確認

ポートが使用されているかどうかを確認するには、次のようにnetstatコマンドを入力して使用されているポートを表示します。

prompt> netstat -an | grep port_num

注意:

確認には、/usr/sbin/lsof -i :port_numコマンドも使用できます。

前述の構文で、port_numは確認するポート番号です。

2.4.2 デフォルトのポート番号の使用

Oracle HTTP Server、OracleAS Web CacheおよびOracle Enterprise Managerのデフォルトのポート番号を使用する場合は、何もする必要はありません。インストーラでコンポーネントに割り当てられるデフォルトのポート番号のリストは、付録Iを参照してください。

Oracle Collaboration SuiteインフラストラクチャとOracle Collaboration Suiteアプリケーションを同じコンピュータにインストールする場合

複数のインスタンス(Oracle Collaboration Suiteインフラストラクチャとアプリケーション層、または複数のアプリケーション層など)を同じコンピュータにインストールする場合、そのコンピュータにインストールする最初のインスタンスのみがデフォルト・ポートを使用します。追加のインスタンスをインストールすると、最初のインスタンスがすでにデフォルト・ポートを使用していることが検出され、追加したインスタンスには他のポートが割り当てられます。

このことが最も顕著に表れるコンポーネントは、次の例に示すOracle HTTP ServerとOracleAS Web Cacheです。

表2-7 異なる例でのOracle HTTP Serverポート

非SSLポート SSLポート

Oracle Collaboration Suiteインフラストラクチャとアプリケーション層を同じコンピュータにインストール

Oracle Collaboration SuiteインフラストラクチャのOracle HTTP Server: 7777

アプリケーション層のOracle HTTP Server: 80

Oracle Collaboration SuiteインフラストラクチャのOracle HTTP Server: 4443

アプリケーション層のOracle HTTP Server: 443

2つのアプリケーション層を同じコンピュータにインストール

最初のアプリケーション層のOracle HTTP Server: 80

2番目のアプリケーション層のOracle HTTP Server: 7777

最初のアプリケーション層のOracle HTTP Server: 443

2番目のアプリケーション層のOracle HTTP Server: 4443


2.4.3 カスタム・ポート番号の使用(静的ポート・ファイル)

デフォルトのポートを使用するかわりに、インストール時にOracle Collaboration Suiteアプリケーション・コンポーネントに対してカスタム・ポート番号を割り当てることができます。これには、コンポーネント名とポート番号を含むファイルを作成する必要があります。2.4.3.1項で、ファイルの書式について説明します。通常、このファイルはstaticports.iniファイルですが、任意の名前を付けることができます。


注意:

デフォルトのリスナー・ポート1521はカスタム・ポートに変更できません。

インストーラにアプリケーション層コンポーネントのカスタム・ポート番号の割当てを指示するには、runInstallerコマンドのパラメータとしてstaticports.iniへのパスを次のように指定する必要があります。

./runInstaller oracle.ocs.midtier:s_staticPorts=path_to_your_ini_file (Oracle Collaboration Suite 10gアプリケーションのインストール用)

./runInstaller oracle.ocs.onebox:s_staticPorts=path_to_your_ini_file (Oracle Collaboration Suite 10gアプリケーションおよびインフラストラクチャのインストール用)

ファイルのフルパスを指定しないと、インストーラではファイルを検出できません。インストーラでは、警告を表示しないですべてのコンポーネントにデフォルト・ポートが割り当てられます。


注意:

staticports.iniファイルを使用してカスタム・ポート番号を指定すると、インストーラには「ポート構成オプションの指定」画面が表示されません。

この場合、インストーラはstaticports.iniファイルに指定されたポートの使用を試みます。そのポートがすでに使用されている場合はエラーが表示されます。また、インストーラが必要とするポートがstaticports.iniファイルに指定されていない場合は、自動的に選択されます。

インストールが終了したら必ず$ORACLE_HOME/install/portlist.iniをチェックして、このインストールに割り当てられたポートを確認します。


2.4.3.1 staticports.iniファイルの書式

staticports.iniファイルの書式は、次のとおりです。port_numを、コンポーネントに使用するポート番号に置き換えます。

# staticports.ini Template File

# This file is a template for specifying port numbers at installation time.
# To specify a port number, uncomment the appropriate line (remove #) and
# replace "port_num" with the desired port number.
# You can then launch Oracle Universal Installer with special options to use this
# file.
# Please refer to Oracle Collaboration Suite 10.1.2 Installation Guide for
# instructions.

# Ports common to Infrastructure and Applications install

# Oracle HTTP Server port =  port_num
# Oracle HTTP Server Listen port = port_num
# Oracle HTTP Server SSL port = port_num
# Oracle HTTP Server Listen (SSL) port = port_num
# Oracle HTTP Server Diagnostic port = port_num
# ASG port = port_num
# Application Server Control port = port_num
# Application Server Control RMI port = port_num
# Java Object Cache port = port_num
# Log Loader port = port_num
# DCM Discovery port = port_num
# Oracle Notification Server Request port = port_num
# Oracle Notification Server Local port = port_num
# Oracle Notification Server Remote port = port_num
# Oracle Management Agent port = port_num

# Ports specific to Infrastructure install
# Oracle Internet Directory port = port_num
# Oracle Internet Directory (SSL) port = port_num
# Enterprise Manager Console HTTP port = port_num
# Enterprise Manager Agent port = port_num

# Ports specific to Applications install
# Web Cache HTTP Listen port = port_num
# Web Cache HTTP Listen (SSL) port = port_num
# Web Cache HTTP Administration port = port_num
# Web Cache Invalidation port = port_num
# Web Cache Statistics port = port_num
# Oracle Net Listener = port_num
# Oracle Mail IMAP4 port = port_num
# Oracle Mail IMAP4 Secure port = port_num
# Oracle Mail POP3 port = port_num
# Oracle Mail POP3 Secure port = port_num
# Oracle Mail SMTP port = port_num
# Oracle Mail NNTP port = port_num
# Oracle Mail NNTP Secure port = port_num
# Oracle Calendar server = port_num
# Oracle Calendar server manager (CSM) = port_num
# Wireless PIM Notification Dispatcher = port_num
# Wireless PIMAP UDC Dispatcher = port_num
# RTC Redirector Server port= port_num
# RTC Redirector MX port= port_num
# RTC Redirector XMPP port= port_num
# RTC Redirector Secure XMPP port= port_num
# RTC process monitor port = port_num
# RTC messenger director server first port = port_num
# RTC messenger director server second port = port_num
# RTC messenger multiuser chat port = port_num
# RTC messenger connection manager port = port_num
# RTC messenger statistics collection port = port_num
# RTC messenger server to server connection port = port_num
# RTC messenger group service port = port_num
# RTC messenger voice proxy port = port_num


注意:

Oracle Collaboration SuiteインフラストラクチャとOracle Collaboration Suiteアプリケーションを1台のコンピュータにインストールする場合、staticports.ini.oneboxテンプレートを使用する必要があります。

このファイルを簡単に作成するには、DVDのstaticports.iniファイルをテンプレートとして使用します。

  1. staticports.iniファイルをDVDからハード・ディスクにコピーします。

    表2-8に、DVDのstaticports.iniファイルの場所を示します。

    表2-8 DVDのstaticports.iniファイルの場所

    メディア staticports.iniファイルの場所

    DVD-ROM

    ディスク1: mount_point/response/staticports.ini


  2. 必要なポート番号が含まれるようにローカル・コピー(ハード・ディスク上のファイル)を編集します。

    staticports.iniファイルのすべてのコンポーネントにポート番号を指定する必要はありません。コンポーネントがファイルに表示されていない場合、インストーラでは、そのコンポーネントに対してデフォルトのポート番号が使用されます。

    インフラストラクチャ・データベースのリスナーで使用するポート(ポート1521)はインストール中には変更できませんが、インストール後に変更できます。

    次の例では、Application Server ControlのポートおよWeb Cacheの一部のポートを設定します。指定されていないコンポーネントには、インストーラによってデフォルトのポート番号が割り当てられます。

    Application Server Control port = 2000
    Web Cache Administration port = 2001
    Web Cache Invalidation port = 2002
    Web Cache Statistics port = 2003
    
    

    インストールが終了した後、ORACLE_HOME/install/portlist.iniファイルを調べて割り当てられたポートを確認できます。


ポート番号を選択する場合の注意:

  • ポート番号は65536より大きくできません。

  • コンポーネントに1024未満のポート番号を使用する場合は、そのコンポーネントをrootユーザーとして実行する必要があります。

  • コンポーネントに1024未満のポート番号を使用すると、インストーラではインストール終了時にそのコンポーネントを起動できません。コンポーネントは、起動する前に構成しておく必要があります。詳細は、該当するコンポーネントのドキュメントを参照してください。

  • Oracle HTTP ServerおよびOracleAS Web Cacheのポート番号を設定する場合、必ず2.4.4項を読んでください。


インストーラでは、メモリーをチェックして、ファイルで指定されているポートが使用可能であるかどうかが確認されます。つまり、インストーラでは、実行中のプロセスで使用されているポートのみを検出できます。インストーラでは、アプリケーションで使用されているポートを確認する場合、構成ファイルは検索されません。

指定したポートが使用不可能であることがインストーラで検出されると、アラートが表示されます。インストーラでは、使用不可能なポートは割り当てられません。この問題を修正するには、次の手順を実行します。

  1. staticports.iniファイルを編集して別のポートを指定するか、またはそのポートを使用しているアプリケーションを停止します。

  2. 「再試行」をクリックします。インストーラでstaticports.iniファイルが再度読み込まれ、ファイル内のエントリが再検証されます。


ヒント:

staticports.iniファイルには、Oracle Collaboration Suiteをインストールした後に作成されるORACLE_HOME/install/portlist.iniファイルと同じ書式を使用します。Oracle Collaboration Suiteをインストールし、同じポート番号を別のインストールに使用する場合は、最初のインストールのportlist.iniファイルを後続のインストールのstaticports.iniファイルとして使用できます。

2.4.3.2 インストーラが指定されたポートではなくデフォルト・ポートを使用する原因となるエラー条件

staticports.iniファイルを調べます。間違いがあると、警告を表示せずにインストーラでデフォルト・ポートが使用される場合があります。次のことに注意する必要があります。

  • 2つ以上のコンポーネントに同じポートを指定する場合、インストーラでは最初のコンポーネントに指定したポートが使用されますが、その他のコンポーネントにはデフォルト・ポートが使用されます。複数のコンポーネントに同じポートを指定した場合、警告は表示されません。

  • 複数の行で1つのコンポーネントに異なるポートを指定した場合、そのコンポーネントにはデフォルト・ポートが割り当てられます。1つのコンポーネントに異なるポートを指定した場合、警告は表示されません。

  • staticports.iniファイルに構文エラーがある場合(行の=文字が抜けている場合など)、その行は無視されます。インストーラでは、これらの行で指定されているコンポーネントにデフォルト・ポートが割り当てられます。行に構文エラーがある場合、警告は表示されません。

  • コンポーネント名が間違っている場合、インストーラではそのコンポーネントにデフォルト・ポートが割り当てられます。このファイルのコンポーネント名は、大/小文字が区別されます。名前が認識されない行に対する警告は表示されません。

  • ポート番号に数字以外の値を指定した場合、インストーラではその行が無視され、そのコンポーネントにデフォルトのポート番号が割り当てられます。この場合、警告は表示されません。

  • コマンドラインでパラメータを間違えた場合、警告は表示されません。処理が続行され、すべてのコンポーネントにデフォルト・ポートが割り当てられます。

  • コマンドラインでstaticports.iniファイル(./staticports.inistaticports.iniなど)に相対パスを指定した場合、インストーラではそのファイルは検出されません。警告を表示せずに処理が続行され、すべてのコンポーネントにデフォルト・ポートが割り当てられます。staticports.iniファイルには、フルパスを指定する必要があります。

  • 実行中のインストール・タイプとコマンドラインで指定したパラメータが一致しない場合(たとえば、インフラストラクチャをインストールしているのに、アプリケーションのパラメータを指定した場合)、警告は表示されません。処理が続行され、すべてのコンポーネントにデフォルト・ポートが割り当てられます。

2.4.4 Oracle HTTP ServerおよびOracleAS Web Cacheのポート

これらのコンポーネントにポートを設定する場合は、次のことを理解する必要があります。

Oracle HTTP Serverのhttpd.confファイルでは、PortおよびListenディレクティブにより、OracleAS Web CacheおよびOracle HTTP Serverで使用するポートを指定します。これらのポートの設定に関するstaticports.iniファイルの適切な行は、構成するコンポーネントによって異なります。

OracleAS Web CacheおよびOracle HTTP Serverを構成する場合

OracleAS Web CacheおよびOracle HTTP Serverを図2-1に示すように構成する場合、次のタスクを実行する必要があります。

  1. OracleAS Web Cacheのポートを設定します。

    OracleAS Web Cacheでは、Portディレクティブによって指定されたポートを使用します。このポートを設定するには、staticports.iniファイルで次の行を使用します。

    Web Cache HTTP Listen port = port_number
    
    

    OracleAS Web CacheのSSLポートを構成するには、次の行を使用します。

    Web Cache HTTP Listen (SSL) port = port_number
    
    

    この場合は、Oracle HTTP Server portの行を使用してポート番号を設定できません。staticports.iniファイルにOracle HTTP Server portWeb Cache HTTP Listen portの両方が含まれている場合、Oracle HTTP Server portの行は無視されます。たとえば、staticports.iniファイルに次の行があると、Portディレクティブは7979に設定されます。

    Web Cache HTTP Listen port = 7979
    Oracle HTTP Server port = 8080
    
    
  2. Oracle HTTP Serverのポートを設定します。

    Oracle HTTP Serverでは、Listenディレクティブによって指定されたポートを使用します。このポートを設定するには、staticports.iniファイルで次の行を使用します。

    Oracle HTTP Server Listen port = port_number
    
    

    SSLリスニング・ポートを構成するには、次の行を使用します。

    Oracle HTTP Server Listen (SSL) port = port_number
    

図2-1 OracleAS Web CacheおよびOracle HTTP Serverの両方の構成

ポート構成
「図2-1 OracleAS Web CacheおよびOracle HTTP Serverの両方の構成」の説明

Oracle HTTP Serverのみを構成する場合(OracleAS Web Cacheなし)

Oracle HTTP Serverのみを構成する場合、Oracle HTTP Serverでは図2-2に示すようにPortディレクティブとListenディレクティブの両方が使用されるため、両方のディレクティブが同じポート番号を使用するように設定する必要があります。

これらのポートを設定するには、staticports.iniファイルの「Oracle HTTP Server port」行および「Oracle HTTP Server Listen port」行を使用します。次に例を示します。

Oracle HTTP Server port = 8080
Oracle HTTP Server Listen port = 8080

これらのポートのSSL版を設定するには、次の行を使用します。非SSL版の場合と同様に、ポート番号は同一になるようにします。

Oracle HTTP Server SSL port = 443
Oracle HTTP Server Listen (SSL) port = 443

OracleAS Web Cacheは構成しないため、staticports.iniにWeb Cacheの行を指定しても無視されます。

図2-2 Oracle HTTP Serverのみの構成

図2-2の説明が続きます
「図2-2 Oracle HTTP Serverのみの構成」の説明

2.4.4.1 staticports.iniファイルを使用する例

この項では、staticports.iniの一般的な使用例について説明します。

OracleAS Web Cacheをフロントエンドとして、ポート80と443を使用するようにOracle HTTP Serverを構成

この使用例では、次の行を含むstaticports.iniファイルを作成します。

Web Cache HTTP Listen port = 80
Oracle HTTP Server Listen port = 81
Web Cache HTTP Listen (SSL) port = 443
Oracle HTTP Server Listen (SSL) port = 444

Oracle HTTP Server ListenおよびSSL Listenのポートは、使用可能な任意のポートに設定できます。この例ではポート81と444を使用します。これらのポート番号は、1024未満にしないでください。1024未満のポート番号を選択した場合は、Oracle HTTP ServerおよびOracleAS Web Cacheをrootユーザーとして起動する必要があります。


注意:

1024未満のポート番号を使用しているため、Oracle HTTP ServerおよびOracleAS Web Cacheをrootユーザーとして実行するように構成する必要があります。この構成は、インストール中またはインストール後に実行できます。
  • インストール中に構成を実行するには、root.shを実行した後、「OK」をクリックする前に、4.4.4項の手順に従う必要があります。root.shは、インストールの後半で実行します。

  • 構成はインストール後に実行できますが、インストーラでは、まだ構成されていないためにコンポーネントを起動できません。

詳細は、『Oracle HTTP Server管理者ガイド』および『Oracle Application Server Web Cache管理者ガイド』を参照してください。


OracleAS Web Cacheなしで、ポート80と443を使用するようにOracle HTTP Serverを構成

この使用例では、次の行を含むstaticports.iniファイルを作成します。

Oracle HTTP Server port = 80
Oracle HTTP Server Listen port = 80
Oracle HTTP Server SSL port = 443
Oracle HTTP Server Listen (SSL) port = 443

2.4.5 ポート1521が使用されている場合

コンピュータのポート1521がOracle Database 10gリスナーなどの既存のアプリケーションによってすでに使用されている場合は、インストーラを実行する前にいくつかの操作を行う必要がある場合があります。詳細は、次の項を参照してください。

2.4.5.1 ポート1521が既存のOracleデータベースによって使用されている場合

すでにOracleデータベースを実行しているコンピュータ上のOracle Collaboration Suiteインフラストラクチャに新規データベースをインストールする場合は、両方のデータベースのリスナーが競合しないようにします。

既存のOracleデータベースとOracle Collaboration Suiteデータベースの両方に同じリスナーを使用できます。ポート番号だけでなく、既存のリスナーのバージョンも考慮します。表2-9に、各種の使用例とそれぞれの結果を示します。

インストール後、インフラストラクチャ・リスナーで別のポートを使用するように変更できます。詳細は、『Oracle Collaboration Suite管理者ガイド』を参照してください。

表2-9 すでにデータベースのあるコンピュータにインフラストラクチャをインストールする場合の使用例と結果

既存のリスナーのリリース 既存のリスナーはポート1521を使用 既存のリスナーは1521以外のポートを使用

10.1.0.2より前

既存のデータベース用とOracle Collaboration Suiteインフラストラクチャ用に2つのリスナーが必要です。

「使用例1: 既存のリスナーはポート1521を使用し、リスナーのリリースは10.1.0.2より前」を参照してください。

既存のデータベース用とOracle Collaboration Suiteインフラストラクチャ用に2つのリスナーが必要です。

「使用例3: 既存のリスナーが1521以外のポートを使用」を参照してください。

10.1.0.2以上

既存のリスナーでは、既存のデータベースとOracle Collaboration Suiteインフラストラクチャの両方がサポートされています。

「使用例2: 既存のリスナーはポート1521を使用し、リスナーのリリースは10.1.0.2以上」を参照してください。

既存のデータベース用とOracle Collaboration Suiteインフラストラクチャ用に2つのリスナーが必要です。

「使用例3: 既存のリスナーが1521以外のポートを使用」を参照してください。


リスナーのリリースを確認するには、次のコマンドを入力します。

prompt> $ORACLE_HOME/bin/lsnrctl VERSION

このコマンドで、ORACLE_HOMEは、データベースのホーム・ディレクトリです。

同じコマンドを使用してリスナー・ポートを確認することもできます。

LSNRCTL for UNIX: Version 10.1.0.3.0 - Production on 31-AUG-2005 19:10:54
Copyright (c) 1991, 2004, Oracle Corporation. All rights reserved.
Connecting to (DESCRIPTION=(ADDRESS=(PROTOCOL=TCP)(HOST=test-sun.us.oracle.com)(PORT=1521)))
TNSLSNR for UNIX: Version 10.1.0.3.0 - Production
TNS for UNIX: Version 10.1.0.3.0 - Production
Unix Domain Socket IPC NT Protocol Adaptor for UNIX: Version 10.1.0.3.0 -Production
Oracle Bequeath NT Protocol Adapter for UNIX: Version 10.1.0.3.0 -Production

使用例1: 既存のリスナーはポート1521を使用し、リスナーのリリースは10.1.0.2より前

リリース10.1.0.2より前のリスナーは、このOracle Collaboration Suiteリリース(10.1.2)のインフラストラクチャと互換性がありません。対処法として、リリース10.1.0.3のリスナーをインストールするインフラストラクチャをインストールし、両方のデータベースにこの新しいリスナーを使用します。

  1. インフラストラクチャをインストールする前に既存のリスナーを停止します。

    # $ORACLE_HOME/bin/lsnrctl stop
    

    ORACLE_HOMEは、既存のデータベースのホーム・ディレクトリです。

    既存のリスナーを停止しない場合、インストールは失敗します。

  2. インフラストラクチャをインストールします。

  3. 必要に応じて、新しいリスナーの構成ファイルを更新します。リスナーの構成ファイルの名前はlistener.oraです。ORACLE_HOME/network/adminディレクトリにあります。

    1. 既存のリスナーの構成ファイルのネットワーク・アドレスのエントリを確認します。

      構成ファイルに、次のネットワーク・アドレスのみが含まれていることを確認します。

      • TCPポート1521

      • IPCキーEXTPROC

      その場合、インフラストラクチャ・リスナーの構成ファイルをネットワーク・アドレスのために編集する必要はありません。

      構成ファイルにその他のネットワーク・アドレスが含まれている場合、インフラストラクチャ・リスナーの構成ファイルにそれらを追加する必要があります。


      注意:

      EXTPROCキーを指定したIPCプロトコルを使用しているリスナーがコンピュータにある場合、キーを別の値に変更してください。OracleAS Metadata RepositoryリスナーがEXTPROCキーにアクセスする必要があるためです。

    2. 既存のリスナーの構成ファイルのSID_DESCのエントリを確認します。

      既存のリスナーの構成ファイルに既存のデータベースのSID_DESCエントリが含まれている場合、インフラストラクチャ・リスナーの構成ファイルにこれらのエントリを追加する必要があります。

    3. 既存のリスナー(10.1.0.2より前のリリース)は起動しないでください。新しいリスナーでは両方のデータベースがサポートされるため、既存のリスナーを実行する必要はありません。


注意:

前述の項の手順cは非常に重要です。両方のデータベースをサポートするために実行する必要があるリスナーは1つのみ(新しいリスナー)です。

使用例2: 既存のリスナーはポート1521を使用し、リスナーのリリースは10.1.0.2以上

既存のリスナーでは、既存のデータベースとインフラストラクチャの両方がサポートされます。インストーラでは、この構成が自動的に実行されます。ユーザーの処理は必要ありません。

インストール中は、既存のリスナーを停止しておく必要があります。

使用例3: 既存のリスナーが1521以外のポートを使用

既存のリスナーのリリースに関係なく、既存のデータベースのリスナーとインフラストラクチャ・リスナーの2つのリスナーを実行します。

既存のリスナーではポート1521が使用されていないため、インストール中にこのリスナーを実行できます。

2.4.5.2 ポート1521が他のアプリケーションによって使用されている場合

別のアプリケーションがポート1521でリスニングを行っている場合、異なるポートでリスニングを行うようにアプリケーションを再構成する必要があります。再構成できない場合は、Oracle Collaboration Suiteデータベースのインストール中はそのアプリケーションを停止します。インストール後、1521以外のポートを使用するようにOracle Collaboration Suiteデータベースを再構成します。この手順は、『Oracle Collaboration Suite管理者ガイド』を参照してください。

2.5 オペレーティング・システム・グループ

次の場合には、オペレーティング・システム・グループを作成します。

ローカル・オペレーティング・システム・グループを作成するには、次のコマンドを入力します。

 # /usr/sbin/groupadd oinstall

このコマンドにより、oinstallグループを作成します。

オペレーティング・システムのユーザーとグループの詳細は、オペレーティング・システムのドキュメントを参照するか、またはシステム管理者に連絡してください。

2.5.1 インベントリ・ディレクトリのグループの作成

Oracle製品がインストールされていないコンピュータにOracle Collaboration Suiteをインストールする場合は、インベントリ・ディレクトリを所有するためのグループを作成します。インストーラでは、インベントリ・ディレクトリにファイルが書き込まれ、コンピュータにインストールされたOracle製品が管理されます。

このマニュアルでは、このオペレーティング・システム・グループにoinstallという名前を使用します。

インベントリ・ディレクトリの個別のグループを持つことにより、別のユーザーがコンピュータにOracle製品をインストールできるようになります。ユーザーには、インベントリ・ディレクトリへの書込み権限が必要です。書込み権限は、oinstallグループに属することによって付与されます。

コンピュータにOracle製品を最初にインストールする場合は、インベントリ・ディレクトリのグループ名を入力する画面、およびインベントリ・ディレクトリの場所を入力する画面が表示されます。

インベントリ・ディレクトリのデフォルト名は、oraInventoryです。

コンピュータにインベントリ・ディレクトリがすでにあるかどうかを確認するには、/etc/oraInst.locファイルを調べます。このファイルには、インベントリ・ディレクトリの場所と所有しているグループが記述されています。このファイルがない場合は、コンピュータにOracle製品がインストールされていません。そのディレクトリに書込み権限があることを確認するには、既存のOracle製品をインストールしたのと同じオペレーティング・システム・ユーザーとしてインストーラを実行します。

2.5.2 データベース管理者のグループの作成

この項は、インストーラによって作成された新規データベースにOracle Collaboration Suiteインフラストラクチャをインストールする場合にのみ該当します。

データベースがマウントされておらず、データベースの認証が使用不可の場合、データベースでは、オペレーティング・システム・グループを使用してユーザー権限が確認されます。データベースでは、表2-10に示すグループと権限が認識されます。

表2-10 OSDBAおよびOSOPERグループの権限

グループ 説明

OSDBA

データベース管理者グループです。このグループのユーザーには、SYSDBA権限が付与されます。

OSOPER

このグループのユーザーには、基本的なメンテナンスに必要な権限が含まれているSYSOPER権限が付与されます。この権限には、データベースの起動と停止およびデータベースの操作で必要なその他の権限が含まれています。SYSOPER権限は、SYSDBA権限のサブセットです。


これらのグループのオペレーティング・システム・グループを作成する必要があります。

dbaというオペレーティング・システム・グループにSYSDBA権限を付与する場合は、次の手順を実行します。

  1. dbaグループを作成します。

  2. インストーラを実行するユーザーがdbaグループのメンバーであることを確認します。

別のオペレーティング・システム・グループにSYSDBA権限を付与するか、またはSYSDBAおよびSYSOPER権限を別のグループに関連付ける場合は、インストーラを実行するユーザーがdbaグループに属していないことを確認します。

インストーラを実行するユーザーがdbaグループに属していない場合は、データベース管理者権限を付与するグループの名前を入力する画面が表示されます。この画面には、OSDBAグループ用とOSOPERグループ用の2つのフィールドがあります(表2-10を参照)。両方のフィールドに同じオペレーティング・システム・グループを入力できます。

2.6 オペレーティング・システム・ユーザー

Oracle製品をインストールおよびアップグレードするオペレーティング・システム・ユーザーを作成します。このマニュアルでは、このユーザーをoracleユーザーと呼びます。インストーラを実行するoracleユーザーには、次のディレクトリに対する書込み権限が必要です。

コンピュータに他のOracle製品が含まれている場合は、すでに目的のユーザーが存在していることがあります。etc/oraInst.locファイルを検索してください。このファイルには、インベントリ・ディレクトリの場所と所有しているグループが記述されています。このファイルがない場合は、コンピュータにOracle製品がインストールされていません。

Oracle製品をインストールするユーザーがまだ存在していない場合は、表2-11に示すプロパティを持つユーザーを作成します。

表2-11 インストーラを実行するオペレーティング・システム・ユーザーのプロパティ

項目 説明

ログイン名

ユーザーには任意の名前を使用できます。このマニュアルでは、このユーザーをoracleユーザーと呼びます。

グループ識別子

oracleユーザーのプライマリ・グループには、oraInventoryディレクトリへの書込み権限が必要です。このグループの詳細は、2.5.1項を参照してください。

グループには任意の名前を使用できます。このマニュアルでは、oinstallという名前を使用します。

ホーム・ディレクトリ

oracleユーザーのホーム・ディレクトリは、その他のユーザーのホーム・ディレクトリと一貫性があります。

ログイン・シェル

デフォルトのログイン・シェルは、C、BourneまたはKornシェルのいずれかです。



注意:

oracleユーザーは、Oracle製品をインストールおよび実行する場合にのみ使用します。rootをoracleユーザーとして使用しないでください。

ローカル・オペレーティング・システム・ユーザーを作成するには、次の手順を実行します。

  1. oracleユーザーを作成するには、次のようなコマンドを入力します。

    # /usr/sbin/useradd -g oinstall -G dba[,oper] oracle
    
    

    このコマンドの内容は次のとおりです。

    • -gオプションにより、プライマリ・グループを指定します。これにはOracleインベントリ・グループ(oinstallなど)を指定する必要があります。

    • -Gオプションにより、セカンダリ・グループを指定します。これにはOSDBAグループと、必要な場合はOSOPERグループ(dbaまたはdbaoperなど)を含める必要があります。

  2. oracleユーザーのパスワードを設定します。

    # passwd oracle
    
    

オペレーティング・システム・ユーザーが属しているグループを確認するには、そのユーザーの名前を指定してgroupsコマンドを入力します。次に例を示します。

prompt> groups oracle

オペレーティング・システムのユーザーとグループの詳細は、オペレーティング・システムのドキュメントを参照するか、またはシステム管理者に連絡してください。

2.7 環境変数

Oracle Collaboration Suiteをインストールするオペレーティング・システム・ユーザーは、特定の環境変数を設定および解除する必要があります。

表2-12に、環境変数の設定または解除に関するサマリーを示します。

表2-12 環境変数のサマリー

環境変数 設定または解除

ORACLE_HOMEおよびORACLE_SID


設定しないでください。

PATH、CLASSPATHおよび共有ライブラリ・パス環境変数


いずれかのOracleホーム・ディレクトリのディレクトリへの参照を含まないようにする必要があります。

DISPLAY


インストーラのウィンドウを表示するモニターに設定します。

TMPおよびTMPDIR


オプションです。設定を解除すると、デフォルトで/tmpに設定されます。

TNS_ADMIN


解除します。

ORA_NLS


解除します。

LD_BIND_NOW


解除します。


2.7.1 環境変数のヒント

次に、環境変数を処理する場合のヒントを示します。

  • .profileファイルで環境変数を設定すると、読み込まれない場合があります。環境変数が正しい値に設定されていることを確認するには、インストーラを実行するシェルでこれらの値を調べます。

  • 環境変数の値を調べるには、envコマンドを使用します。このコマンドを使用すると、現在定義されている環境変数とその値がすべて表示されます。

    prompt> env
    
    
  • ユーザーの切替え(rootユーザーからoracleユーザーへの切替えなど)にsuコマンドを使用する場合は、環境変数が新規ユーザーに渡されないことがあるため、新規ユーザーの場合は環境変数を確認します。-パラメータを使用してsuを入力した場合(su - user)も、環境変数が新規ユーザーに渡されないことがあります。

    # /* root user */
    # su - oracle
    # env
    

2.7.2 ORACLE_HOMEおよびORACLE_SID

ORACLE_HOMEおよびORACLE_SIDは、設定しないでください。

2.7.3 PATH、CLASSPATHおよび共有ライブラリ・パス環境変数

PATHCLASSPATHおよび共有ライブラリ・パス環境変数を編集して、いずれのOracleホーム・ディレクトリも参照しないようにします。

確認する必要のあるライブラリ・パス変数は、LD_LIBRARY_PATHです。

2.7.4 DISPLAY

インストーラを表示するXサーバーを指すようにDISPLAY環境変数を設定します。環境変数DISPLAYの書式は次のとおりです。

hostname:display_number.screen_number

例(Cシェル):

prompt> setenv DISPLAY test.mydomain.com:0.0

例(BourneまたはKornシェル):

prompt> DISPLAY=test.mydomain.com:0.0; export DISPLAY

次のxclockプログラムを実行すると、表示をテストできます。

prompt> /usr/openwin/bin/xclock &

Oracle Collaboration Suiteでは、インストール中にのみXサーバーを実行する必要があります。オペレーティング・システムとともにインストールされたフレーム・バッファ用Xサーバーでは、ログインしたまま、インストール中にフレーム・バッファを実行しておく必要があります。この操作を行わない場合は、X Virtual Frame Buffer(XVFB)、Virtual Network Computing(VNC)などの仮想フレーム・バッファを使用する必要があります。

XVFBまたはその他の仮想フレーム・バッファ・ソリューションの取得およびインストールについては、次のURLのOracle Technology Networkにアクセスしてください。

http://www.oracle.com/technology/index.html

OTNで「frame buffer」を検索します。

2.7.5 TNS_ADMIN

この項では、次の2つの要件について説明します。

  • TNS_ADMIN環境変数は設定しないでください。

  • /etcおよび/var/opt/oracleディレクトリには、tnsnames.oraファイルを含めないでください。

これらの要件は、異なるOracle製品のNet構成ファイル間の競合を防ぐ場合に必要となります。

TNS_ADMINを設定する、または/etc/var/opt/oracletnsnames.oraファイルがある場合は、Oracle Collaboration Suiteをインストールする前に次の手順を実行します。

  1. tnsnames.oraファイルが/etcまたは/var/opt/oracleディレクトリにある場合、ファイルを別のディレクトリに移動するか、ファイル名を変更します。

  2. TNS_ADMIN環境変数が設定されていないことを確認します。

    例(Cシェル):

    prompt> unsetenv TNS_ADMIN
    
    

    例(BourneまたはKornシェル):

    prompt> unset TNS_ADMIN
    
    

インストール後、新しく作成したtnsnames.oraファイルの内容を既存のtnsnames.oraファイルにマージすることができます。

2.7.6 TMPおよびTMPDIR

インストーラでは、スワップ領域に一時ディレクトリを使用します。インストーラでは、一時ディレクトリを検索するために、TMPおよびTMPDIR環境変数を調べます。デフォルトでは、/tmpディレクトリを使用します。

インストーラで/tmp以外のディレクトリを使用する場合は、TMPおよびTMPDIRを代替ディレクトリのフルパスに設定します。そのディレクトリは、2.1項に示す要件を満たしている必要があります。

例(Cシェル):

% setenv TMP /tmp2
% setenv TMPDIR /tmp2

例(BourneまたはKornシェル):

# TMP=/tmp2; export TMP
# TMPDIR=/tmp2; export TMPDIR

この環境変数を設定しておらず、デフォルト・ディレクトリに十分な領域がない場合は、環境変数が設定されていないことを示すエラー・メッセージが表示されます。別のディレクトリを指すように環境変数を設定するか、またはデフォルト・ディレクトリに十分な領域を確保します。いずれの場合でも、インストールをやりなおす必要があります。

2.7.7 LD_BIND_NOW

Oracle Collaboration SuiteがLinuxシステムに正常にインストールされたことを確認するには、この環境変数の設定を次のように解除します。

# unset LD_BIND_NOW

2.7.8 ORA_NLS

インストールが正常に完了したことを確認するには、この環境変数の設定を解除します。

# unset ORA_NLS

2.8 /etc/hostsファイル

/etc/hostsファイルの内容は、次のものに影響を与えます。

インストーラには、hostsファイルを2.8.1項および2.8.2項の説明のように編集せずに、希望する値を入力する別の方法があります。

2.8.1 デフォルトのID管理レルムの場所

インストーラではhostsファイルが読み込まれ、デフォルトのID管理レルムの場所が構成されます。この場所は、「Internet Directoryのネームスペースの指定」画面に表示されます。

hostsファイルには、次の書式を使用する必要があります。

ip_address   fully_qualified_hostname   short_hostname

例:

123.45.67.89   primaryHost.mydomain.com   primaryHost

前述の例では、デフォルトのID管理レルムの場所は、dc=mydomain,dc=comと表示されます。

このファイルに別の書式が使用されている場合は、画面に不正確な値が表示されます。たとえば、hostsファイルに次の行が含まれているとします。

123.45.67.89   primaryHost   primaryHost.mydomain.com  <--- 不適切な書式

この場合、デフォルトのID管理レルムとしてdc=primaryHost,dc=comが表示されます。これは、デフォルトのID管理レルムとして正しい値ではありません。


注意:

hostsファイルで別の書式を使用する必要がある場合は、必要な書式を使用するようにファイルを編集してインストールを実行し、インストール後にファイルを元の書式に戻します。

hostsファイルを編集できない、または編集しない場合は、「Internet Directoryのネームスペースの指定」画面の「カスタム・ネームスペース」フィールドにデフォルトのID管理レルムの希望の値を入力します。


2.8.2 Oracle Application Server Single Sign-Onのホスト名

Oracle Application Server Single Sign-Onをインストールしている場合、hostsファイルにドメイン名なしでコンピュータのホスト名のみが含まれていると、Single Sign-Onサーバーにサインオンするには、ホスト名を単独で(ドメイン名なしで)使用します。

OracleAS Single Sign-Onサーバーに接続するときにドメイン名を要求する場合は、ドメイン名が含まれるようにhostsファイルを編集します。ファイルを編集しない場合は、インストーラに対してOUI_HOSTNAMEコマンドライン・パラメータを使用して、hostsの値をオーバーライドします。次に例を示します。

prompt> mount_point/runInstaller OUI_HOSTNAME=myserver.mydomain.com

2.9 ネットワーク・トピック

通常、Oracle Collaboration Suiteをインストールするコンピュータはネットワークに接続されており、Oracle Collaboration Suiteインストールが含まれているローカル・ストレージ、ディスプレイ・モニター、適切なディスク・ドライブがあります。

この項では、通常の条件を満たしていないコンピュータへのOracle Collaboration Suiteのインストール方法を説明します。次の場合を取り上げます。

2.9.1 DHCPホストへのOracle Collaboration Suiteのインストール

Oracle Collaboration SuiteをDHCPネットワークにインストールしている場合、ループバック構成を使用する必要があります。Oracle Collaboration Suiteにアクセスするには、ローカル・ブラウザを使用する必要があります。Oracle Collaboration SuiteをDHCPネットワークにインストールするには、次の手順を実行します。

  1. 次のコマンドを実行して、DHCPサーバーから割り当てられたIPアドレスを見つけます。

    # /sbin/ifconfig -a

    IPアドレスは、DHCPを使用するように構成されたインタフェースに関連付けられています。

  2. ホスト名をループバックIPアドレスに解決するようにホストを構成します。

    1. 次のエントリが含まれるように/etc/hostsファイルを変更することにより、ホスト名をループバックIPアドレスに解決するようにホストを構成します。

      127.0.0.1 hostname.domainname hostname
      127.0.0.1 localhost.localdomain localhost
      
      
    2. 次のコマンドを入力して、ホスト名がループバックIPアドレスに解決されることを確認します。

      # /bin/ping hostname.domainname
      
      
  3. 手順2で使用したホスト名を使用し、このマニュアルで説明されているOracle Collaboration Suiteのインストールを完了します。

2.9.2 マルチホーム・コンピュータへのOracle Collaboration Suiteのインストール

複数のネットワーク・カードを備えたコンピュータにOracle Collaboration Suiteをインストールする場合、インストーラでは/etc/hostsファイル内の最初の名前を使用して、IPアドレス検索に使用するホスト名を決定します。

これが使用を希望する名前ではない場合、次のようにします。

  • 希望のホスト名が先頭に来るように/etc/hostsファイルの行の順序を変更し、インストーラを実行して、インストール後にファイルを元の状態に戻します。

  • /etc/hostsファイルを編集しない場合は、OUI_HOSTNAMEパラメータを使用して、インストーラを起動します。使用するホスト名をこのパラメータで指定します。次に例を示します。

    # mount_point/runInstaller OUI_HOSTNAME=myserver.mydomain.com
    
    

2.9.3 ハード・ドライブへのDVDのコピーとハード・ドライブからのインストール

Oracle Collaboration Suite DVDからインストールするかわりに、DVDの内容をハード・ドライブにコピーして、そこから製品をインストールできます。多数のOracle Collaboration Suiteインスタンスをネットワークにインストールする場合や、Oracle Collaboration Suiteのインストール先となるコンピュータにDVD-ROMドライブがない場合は、この方法が簡単です。Oracle Collaboration Suiteは、リモートのDVD-ROMドライブからインストールすることもできます。詳細は、2.9.4項を参照してください。

領域要件の確認

ハード・ドライブに、Oracle Collaboration Suite DVDの内容を保存するのに十分な領域があることを確認します。

2.9.4 リモートDVD-ROMドライブからのOracle Collaboration Suiteのインストール

Oracle Collaboration SuiteをインストールするコンピュータにDVD-ROMドライブがない場合、2.9.3項の説明のように、適切なディスク・ドライブを持つコンピュータのハード・ドライブにディスクをコピーし、2.9.5項の手順を使用して、そのコンピュータからリモート・インストールを実行します。

2.9.5 リモート・コンピュータへのOracle Collaboration Suiteのインストール

インストーラをリモート・コンピュータ(remote_computer)で実行し、インストーラの画面をローカル・コンピュータ(local_computer)に表示できます。インストーラによって、リモート・コンピュータにOracle Collaboration Suiteがインストールされます。

  1. remote_computerlocal_computerに表示されるようにします。ローカル・コンピュータのコンソールで、次のコマンドを使用します。

    local_computer> xhost +remote_computer
    
    

    xhostを実行しない場合は、インストーラの起動時に「サーバーの接続に失敗しました」、「サーバーに接続が拒否されました」、「表示を開くことができません」などのXlibエラーが発生する可能性があります。

  2. local_computerで、(sshtelnetまたはrloginを使用して)remote_computerへのリモート・ログインを実行します。2.6項の説明のように、oracleユーザーとしてログインします。2.7項に示すように、環境変数が正しく設定されていることを確認します。

    local_computer> ssh -X -l oracle remote_computer.mydomain.com
    
    

    注意:

    SSHはrloginやtelnetよりも安全なため、SSHを使用することをお薦めします。ただし、SSHを使用できない場合はrloginまたはtelnetを使用してください。

    SSHサーバーは、X11接続の転送を許可するように構成する必要があります。


    または

    local_computer> rlogin -l oracle remote_computer.mydomain.com
    
    

    または

    local_computer> telnet remote_computer.mydomain.com
    
    
  3. この手順は、SSH接続を使用している場合は必要ありません。remote_computerで、local_computerを指すようにDISPLAY環境変数を設定します。

    例(Cシェル):

    remote_computer> setenv DISPLAY local_computer.mydomain.com:0.0
    
    

    例(BourneまたはKornシェル):

    remote_computer> DISPLAY=local_computer.mydomain.com:0.0; export DISPLAY
    
    
  4. インストーラを実行します。3.4項を参照してください。

2.9.6 NFSマウント・ストレージへのOracle Collaboration Suiteのインストール

Oracle Collaboration Suiteは、現在、ネットワーク・ファイル・ストレージ(NFS)がマウントされた次のストレージ・システムで動作保証されています。

  • Network Applianceファイラ

NFSマウント・システムは、少なくともリモート・インストール・ユーザーとリモートrootユーザーにエクスポートする必要があります。これには、次のexportfsコマンドを使用します。

# exportfs -i /vol/vol1

最新の動作保証リストで更新を確認するには、次のURLのOracle Technology Networkにアクセスしてください。

http://www.oracle.com/technology/index.html

2.9.7 NISおよびNIS+のサポート

Oracle Collaboration Suiteは、ネットワーク情報システム(NIS)環境およびNIS+環境にインストールして実行できます。

2.10 インストーラによって実行される前提条件の確認

表2-13に、インストーラによって実行される確認事項を示します。

表2-13 インストーラによって実行される前提条件の確認

項目 説明

オペレーティング・システムのバージョン

サポートされるバージョンは、2.2項を参照してください。

オペレーティング・システム・パッチ

必須パッチのリストは、2.2項を参照してください。

オペレーティング・システム・パッケージ

必須パッケージのリストは、2.2項を参照してください。

オペレーティング・システムのカーネル・パラメータ

必須カーネル・パラメータのリストは、2.3項を参照してください。

モニター

モニター要件は、2.1項を参照してください。

表示権限

インストーラでは、DISPLAY環境変数で指定されているモニターに表示する権限がユーザーに付与されていることが確認されます。

メモリー

推奨値は、2.1項を参照してください。

スワップ領域

推奨値は、2.1項を参照してください。

TMP領域

推奨値は、2.1項を参照してください。

Oracleホーム・ディレクトリ名

インストーラでは、Oracleホーム・ディレクトリ名に空白が含まれていないことが確認されます。

Oracleホーム・ディレクトリへのパス

インストーラでは、Oracleホーム・ディレクトリへのパスが127文字以下であることが確認されます。

Oracleホーム・ディレクトリの内容

インストーラでは、Oracleホーム・ディレクトリにインストールを妨げるファイルが含まれていないことが確認されます。

Oracleホーム・ディレクトリ

Oracle Collaboration Suiteアプリケーション層を拡張している場合を除き、Oracle Collaboration Suiteは常に新規ディレクトリにインストールします。6.7項を参照してください。次に、許可されていないインストールの例を示します。

  • Oracle Databaseリリース8.0、8i、9.0.1または9.2データベースOracleホームへのすべてのタイプのOracle Collaboration Suiteのインストール

  • Oracle管理サービスOracleホームへのすべてのタイプのOracle Collaboration Suiteのインストール

  • Oracle HTTP ServerスタンドアロンOracleホームへのすべてのタイプのOracle Collaboration Suiteのインストール

  • OracleAS Web CacheスタンドアロンOracleホームへのすべてのタイプのOracle Collaboration Suiteのインストール

  • Oracle9i Developer Suiteリリース9.0.2 OracleホームへのすべてのタイプのOracle Collaboration Suiteのインストール

  • Oracle Application Server Containers for J2EEスタンドアロンOracleホームへのすべてのタイプのOracle Collaboration Suiteのインストール

  • Oracle9iAS 1.0.2.2 OracleホームへのすべてのタイプのOracle Collaboration Suiteのインストール

  • インフラストラクチャ、リリース9.0.2または10gリリース1(10.1.2)OracleホームへのOracle Collaboration Suiteアプリケーション層のインストール

  • Oracle9iASリリース2(9.0.2または9.0.3)中間層OracleホームへのOracle Collaboration Suiteアプリケーション層のインストール

  • 任意のOracle9iASリリース2(9.0.2)OracleホームへのOracle Collaboration Suiteインフラストラクチャのインストール

ポート1521

ポート1521がいずれかのバージョンのデータベース・リスナーを含むアプリケーションで使用されている場合は、警告が表示されます。ポート1521を使用しているアプリケーションを停止し、警告ダイアログ・ボックスの「再試行」をクリックする必要があります。

データベース・リスナーによってポート1521が使用されている場合、ポートをOracle Collaboration Suiteデータベース用に使用することができます。詳細は、2.4.5項を参照してください。

別のアプリケーションがポート1521を使用している場合は、そのアプリケーションを停止するか、または別のポートを使用するように構成する必要があります。また、1521以外のポートを使用するようにデータベース・リスナーを変更することもできますが、この操作はインストール後にのみ実行できます。詳細は、『Oracle Collaboration Suite管理者ガイド』を参照してください。

静的ポートの競合

インストーラでは、必要に応じてstaticports.iniファイルに表示されているポートが確認されます。2.4項を参照してください。

DISPLAY環境変数

インストーラでは、DISPLAY環境変数が設定されていることが確認されます。

TNS_ADMIN環境変数

TNS_ADMIN環境変数は設定しないでください。

/etcまたは/var/opt/oracleディレクトリにtnsnames.oraファイルが含まれないようにする必要があります。

クラスタ・ファイル・システム

インストーラでは、Oracle Collaboration Suiteがクラスタ・ファイル・システム(CFS)にインストールされていないことが確認されます。

Oracle Enterprise Managerディレクトリが書込み可能かどうか

インストーラでは、Oracle Collaboration Suite 10gアプリケーションを拡張しているか、またはOracle Collaboration Suiteを同じOracleホームに再インストールしている場合にのみ、この確認が実行されます。次のディレクトリが、インストーラを実行しているオペレーティング・システム・ユーザーによって書込み可能であるかどうかが確認されます。

  • ORACLE_HOME/sysman/emd

  • ORACLE_HOME/sysman/config

  • ORACLE_HOME/sysman/webapps/emd/WEB-INF/config

Oracle Enterprise Managerファイルが存在しているかどうか

インストーラでは、Oracle Collaboration Suite 10gアプリケーションを拡張しているか、またはOracle Collaboration Suiteを同じOracleホームに再インストールしている場合にのみ、この確認が実行されます。次のファイルが存在しているかどうかが確認されます。

  • ORACLE_HOME/sysman/config/iasadmin.properties

  • ORACLE_HOME/sysman/webapps/emd/WEB-INF/config/consoleConfig.xml

Linuxシステムでのカーネルの確認

必須カーネル・パラメータのリストは、2.3項を参照してください。

Linuxでのglibcバージョンの確認

glibcの正しいバージョンについては、2.2項を参照してください。

Linuxでのパッケージの確認

インストーラでは、Linuxへのインストールの場合にのみ、この確認が実行されます。インストーラにより、必須パッケージがインストールされているかどうかが確認されます。たとえば、2.2項で指定されているように、gccsysstatおよびopenmotifパッケージについて確認します。