Oracle9i Discoverer Desktop チュートリアル
Oracle9i Discoverer Desktopは、実務担当者が企業データベース上にある情報を検索するためのツールです。 Discovererは簡単に使用する事ができ、直感的なインタフェースで問合せ、分析、およびレポート作成を行うことができます。
このチュートリアルでは、Oracle9i Discovererの基本的な機能について説明します。チュートリアルの各ステップは、それまでのステップを完了していることを前提としています。
チュートリアルでは、次の事項を説明します。
このチュートリアルでは、Discoverer Desktopを起動して実行するまでの基本的な手順についても説明します。 ここで説明されない追加機能の情報については、オンライン・ヘルプなどを参照してください。
1 サンプル・ワークブックを使用する
このチュートリアルでは、ビデオの販売およびレンタルを行う会社の、過去3年間にわたる収益の傾向を分析します。データベースには、全国20店舗の過去3年(1998年、1999年、2000年)にわたる、ビデオの販売およびレンタルの売上情報が格納されています。
サンプル・ワークブック「vidst5ja.dis」には、会社の売上情報が含まれています。 「vidst5ja.dis」を使用して、収益の傾向を分析します。異なる地域で売上を比較したり、売上の割合や合計を計算したり、問合せ結果を見やすいようにフォーマットします。
2 ワークブックを開く
Discoverer管理者は、必要とする情報を取り出すことができるワークブックをすでに用意しています。既存のワークブックを開いて、ビデオの販売およびレンタルの売上を分析します。
メモ: ワークブックを新たに作成するには、「12 ワークブックを作成する」を参照してください。
2.1 チュートリアルを開始する
1. 「スタート」メニューから「プログラム」→「Oracle9i Developer Suite - <HOME_NAME>」→「Oracle9i Discoverer Desktop」→「Discoverer Desktop」を選択します。
2. 接続ダイアログ・ボックスでは、ユーザー名、パスワード、およびデータベース接続名を入力します。 (通常、この情報はDiscoverer管理者から提供されます。)
3. 「接続」をクリックします。「ワークブック ウィザード」が表示されます。
このワークブック・ウィザードで、既存のワークブックを開いたり、新規のワークブックを作成したりします。
4. 「既存のワークブックを開く」をクリックします。
5. 「マイ コンピュータ」をクリックします。 「開く」ダイアログが表示されます。
6. <ORACLE_HOME>\discoverer902\demo\vidst5ja.disを選択し、「開く」をクリックします。
<ORACLE_HOME>はDiscoverer管理者によって設定されている、オラクル製品がインストールされるディレクトリです(通常、\orantという名前になります)。
7. このワークシートで問合せを実行するかどうかを確認するメッセージが表示されたら、「はい」をクリックします。
サンプル・ワークブック「vidst5ja.dis」が開かれます。 これは1998年の売上情報に関するテーブル・レイアウトのレポートです。「East」地域の利益が他の地域よりも高いことがすぐにわかります。 また、1998年のこの3地域全体の総利益が\391,104であることもわかります。
8. 「ファイル」→「名前を付けて保存」をクリックし、「マイ コンピュータ」アイコンをクリックしてから、「保存...」をクリックします。
9. このファイルを「ビデオ売上分析.dis(名称は任意)」として保存します。
メモ: ワークブックをデータベースに保存することもできます。その場合、*.DISのファイル拡張子は必要ありません。
2.2 ページ・アイテムを使用して視点を変える
いま開いたワークブックでは、ワークシート上部にあるページ・アイテム「Year 1998」で指定されていた1998年の利益を見ることができました。 今度は2000年の利益を見てみましょう。
1. 「Year:1998」というページ・アイテムの下矢印をクリックします。
2. プルダウン・リストから、「2000」を選択します。
こうすると2000年の地域ごとの利益を見ることができます。 1998年よりも各地域の利益が減少していることに注意してください。 総利益は\320,301になっています。
3 データの書式を設定する
フォント、文字色、サイズなどを変更して自分だけの表示書式を設定することができます。ワークシートにタイトルを追加および編集したり、ヘディングの色を変えたり、データの書式を変更することもできます。 またデータをより見やすくするために、グループごとに線や行間隔を入れることもできます。
3.1 データ・フォントの編集
この章では、レポートをより見やすくするために、データとタイトルの書式を変更します。
1. 「ビデオ売上分析.dis」ワークブックで、「テーブルレイアウト」をクリックして、ワークシート上部にあるページ・アイテム「Year 1998」を選択します。
2. Profit SUM列の「Total for Central: \114,288」と表示されているセルを選択します。 カーソルが白い十字形になります。
3. メニューから、「書式」→「データ」を選択します。 「データの書式設定」ダイアログが開きます。
4. サイズを11に変更します。
メモ: 「適用」ボタンをクリックすると、ダイアログを開いたままで変更することができます。
5. 文字色を明るい青色に変更します。
サンプル画面で、ワークシート上のテキストがどのように表示されるかを確認します。
6. 「OK」をクリックします。
合計値が強調されて、ワークシートが読みやすくなりました。
データやヘディングの書式は、いつでも変更できます。Discovererの多種多様なフォント、色、効果と文字揃えのスタイルから選択することができます。
7. 「編集」→「元に戻す」を選択すると、ワークブックに対する変更を元に戻すか、変更を保存しないで、ワークブックを閉じることができます。
3.2 ワークシートのタイトルを編集する
サンプル・ワークブックで設定されているタイトルはごく一般的なものです。 タイトルに会社名などを入れてより個性的なレポートにすることができます。 変数やグラフィックを追加することもできます。
1. 「ワークシート」→「タイトルの編集」を選択します。 「タイトルの編集」ダイアログ・ボックスが開きます。
2. タイトルのテキストの末尾で[Enter]キーを押し、行を追加します。 会社名など、任意のタイトルを作成します。
3. 「Analysis of Video Rentals and Video Sales」という部分を選択します。フォント・サイズを14に変更し、色を赤に変更します。
ヒント: 文字色を変更するには、ダイアログ・ボックスの右上にある文字色ボタンを使用します。 カラー・パレットから色を選択します。
3.3 タイトルに変数を挿入する
1. 「タイトルの編集」ダイアログの「テキスト」タブで、カーソルを会社名の後に置き、[Space]キーを押して空白を入力します。
2. 「挿入」ボタンをクリックし、「ページアイテム名」を選択します。 会社名の後に「&Year」が追加されます。
この変数「&Year」は動的で、ワークシートで表示している「年」によって決まります。つまり、2000年のデータを見ている場合は、タイトルに「2000」と置き換えられて表示されます。 もし、1999年のデータを見ている場合は、タイトルも「1999」に変わります。
3. 「OK」をクリックします。
タイトルに、ワークシートのページにある「年」が入ります。
レポートのタイトルに会社名と年の表示を追加しました。 このダイアログを使用して、タイトルにビットマップを追加することもできます。
3.5 異なるワークシートを見る
同じ情報を異なるスタイルのワークシートとして見ることができます。このサンプル・ワークブックは2つのワークシートを含んでいます。ひとつは既に見ているテーブル・レイアウトのもので、もうひとつはクロス集計レイアウトです。
クロス集計レイアウトは、行軸を追加することで次元を追加します。 Discovererは、行、列、ページアイテム、およびデータ・ポイントを次元として使用することができます。行ヘディングは左の軸に位置付けられます。 列ヘディングは上の軸に位置付けられます。 ページ・アイテムは、ワークシートの上にページ軸として位置付けられます。 それでは、vidst5ja.disに用意されているクロス集計レイアウトのワークシートを見てみましょう。
テーブル・レイアウトのワークシートで、「East」地域の利益が最も高いことがわかりました。 クロス集計レイアウトのワークシートでは、この情報を異なる視点から見る事ができます。 ビジネスが成功した地域がどこであったか、また対策が必要な地域はどこであるのかを素早く判断することができます。
1. 画面下部にある、「クロス集計レイアウト」というタブをクリックします。
2. 問合せを実行するかどうかを確認されますので、「はい」をクリックします。
すべての地域の利益情報を、先ほどとは異なる形式で見ています。
4 ドリルを行う
このクロス集計レイアウトでは、1998年、1999年、および2000年の、各地域ごとの利益を表示しています。 より詳細な情報を見るためには、たとえば年ではなく四半期や月ごとの情報を調べる必要があります。
Discovererでは、ワークシートやワークブックを新たに作成することなく、異なるレベルの情報を見ることができます。 これはドリルと呼ばれています。 これから2通りのドリルを行ないます。 「年」から「四半期」へのドリルダウンと、「四半期」から「月」への置換ドリルです。
どちらも同じデータの異なるレベルへドリルすることができます。 このチュートリアルの「9 関連するデータにドリルする」では、関連するデータへのドリルも行ないます。
4.1 ドリルダウン
このサンプル・ワークブックの例では、まずVideo Sale部門の利益を四半期ごとに調査します。
1. 「1998」と表示されている「Year」アイテムの左側(ハンドル)をクリックします。 「ハンドル」はワークシート上部、ヘディングの左側にある点のついた長方形です。 横のヘディングの場合は最上段にあります。 1998、1999、2000のすべての「Year」アイテムが選択されます。
2. 「1998」の右向きの三角形の上へカーソルを置きます。 カーソルが虫メガネに変わりますので、クリックします。
見ることのできるレベルがリストになって表示されます。 現在見ているレベルがチェックされて表示されます。
3. 「Calendar Quarter」を選択します。
これで四半期ごとの利益情報が表示されました。
4.2 置換ドリルを行う
1. ハンドルをクリックして「Quarter」アイテムを選択します。 3年間のすべての「Quarter」が選択されます。
2. メニューから、「ワークシート」→「ドリル」を選択します。「ドリル」ダイアログが表示されます。
3. 「ドリル アップ/ドリル ダウン」が選択されている事を確認します。
4. 「ドリル先のアイテムを選択」で「Calendar Month」を選択します。
5. 「オプション」をクリックします。「ドリル オプション」ダイアログが表示されます。
6. 「現在のアイテムと置換」を選択します。
7. 「OK」をクリックして「ドリル オプション」ダイアログを閉じます。
8. 「OK」をクリックして「ドリル」ダイアログを閉じます。
データが年と月ごとに表示されました。
いま、1998年の利益を月ごとに見ることができます。 1999年と2000年の利益を見る場合は右にスクロールさせてください。
5 軸を交換して比較と分析を行う
四半期ごとの利益を年ごとに比較できると便利です。Discovererでは、これを簡単に行うことができます。 軸を入れ替える(ピボットする)事で、ワークシートの表示を大きく変えて、データを分析することができます。
1. 月の列の左側(ハンドル)をクリックし、ドリルアイコンをクリックし、ドリル・オプションのプルダウン・リストから「Calendar Quarter」を選択して、月のドリル・データを消します。 これで、それぞれの年の四半期ごとのデータが表示されます。
2. 「ワークシート」→「ワークシートの編集」をクリックして、「ワークシートの編集」ダイアログ・ボックスを表示します。 「クロス集計レイアウト」タブをクリックします。 3. 「Calendar Quarter」アイテムを上方にドラッグして、「Calendar Year」アイテムより上に位置付けて、「OK」をクリックします。 これで異なる年の同じ四半期について、簡単に比較することができます。 4. 「ワークシート」→「ワークシートの編集」をクリックして、「ワークシートの編集」ダイアログ・ボックスを表示します。 「クロス集計レイアウト」タブをクリックします。 5. 左側の「Calendar Year」アイテムをクリックして、「Region」アイテムより上にドラッグします。 6. 「OK」をクリックします。 これで異なる年の同じ四半期について、簡単に比較することができます。 簡潔に表示するために、「Calendar Year」アイテムをページ・アイテムに移動して、一度に1つの年についてだけ表示させることもできます。 7. 「ワークシート」→「ワークシートの編集」をクリックして、「ワークシートの編集」ダイアログ・ボックスを表示します。 「クロス集計レイアウト」タブをクリックします。 8. 「Calendar Year」アイテムをページ・アイテム領域にドラッグして、「Department」アイテムの右側に置きます。 9. 「OK」をクリックします。 これはDiscovererの使いやすさ、強力な機能の一部にすぎません。 Discovererは素早く様々な角度からデータを分析できるようにすることで、意思決定を強力に支援します。 6 データの傾向をグラフで表示する 多くの場合は、分析結果を他の人に報告する必要があります。これまでに紹介したような機能を使い、機能的でわかりやすいレポートを作成します。 Discovererには、もう一つの報告手段として、グラフ機能が用意されています。この章では、地域ごとの利益情報を一目で比較できるように、ビデオ販売の売上状況をグラフにします。 このワークシートを準備するために、サンプル・ワークブックから、「クロス集計レイアウト」タブを選択します。 まず、「Department」ページ・アイテムで「Video Sale」を選択し、「Calendar Year」ページ・アイテムでは「2000」を選択します。 (「Department」および「Year」アイテムが、必ずページ・アイテム領域に表示されるようにします。) 6.1 グラフを作成する 1. ツールバーの「グラフ」アイコンをクリックします。「新規グラフの作成」ウィザードが開きます。 2. グラフのタイプの中から、縦棒グラフを選択し、「次へ」をクリックします。 「新規グラフの作成 ステップ2」が開きます。 3. 「3D」形式を選択し、「次へ」をクリックします。 「新規グラフの作成 ステップ3」が開きます。 4. グラフのタイトルを入力することができます。 「上」フィールドに「Video Store Profits」と入力します。 5. 「凡例を表示」チェック・ボックスを選択します。 6. 「軸ラベル フォント」の下にある「X軸フォント」をクリックし、X軸の表示に使用されるフォントを指定します。Y軸についても同様にして設定できます。 任意の書式を指定してください。 7. 「次へ」をクリックします。 「新規グラフの作成 ステップ4」が開きます。 8. 「系列」では、行をチェックします。
Discovererがどのデータ・ポイントをX軸または系列として表示するかを確認してください。 9. 「完了」をクリックします。 このグラフは、2000年の3地域すべての四半期ごとの利益を表示しています。 マウス・カーソルをグラフの上に持っていくと、グラフ・ウィンドウの左下の隅に、ポイントしているアイテム名や四半期データの詳細が表示されます(たとえば、下の例では、Profit SUM,Q1です)。 10. ワークシート上で「Year」ページアイテムの値を2000から1999に変更すると、グラフの内容も更新されます。 1999年の四半期すべてのデータがあるので、グラフ上の系列の数は4になります。 6.2 グラフの系列を変更する いま、各地域の利益が四半期ごとに表示されています。 データ系列は行です。今度は、グラフの列をグループ化して、四半期にわたるそれぞれの地域の利益を表示します。 第一四半期は、第二四半期の横に表示されます。 これを行うには、列を「オプション」の「系列」で変更します。 1. マウス・カーソルをグラフに持っていき、右クリックしてメニューを表示します。 2. 「データ系列を行に変更」を選択します。
ヒント: 「グラフ」→「グラフの編集」メニュー項目から、このオプションを選択することもできます。 各地域の四半期ごとの利益が、地域ごとにまとまって表示されています。 他の地域と並べた場合の、各地域全体の利益の傾向が見て取れます。 East地域の利益が、他の地域に比べて非常に高いことがわかります。 3. 手順1と同様に、今度は「データ系列を列に変更」を選択して前の画面に戻します。 6.3 グラフのタイプと形式の変更 次に、グラフのタイプと形式を変更して、異なる概念でデータを表現してみます。 1. メニューから、「グラフ」→「グラフの編集」を選択します。 「グラフの変更 ステップ1」ダイアログが開きます。 2. 「作成するグラフのタイプ」で、面グラフのアイコン(左上)を選択します。 3. 「グラフの変更 ステップ2」ダイアログで、「3Dスタック」を選択し、「OK」をクリックします。 各地域の利益が、積み重ねられて表示(スタック)されています。マウス・カーソルをグラフ上に持っていくと、詳細がステータス・バー(左下端)に表示されます。このタイプのグラフは、どの地域が貢献しているかがわかりやすくなります。 4. ワークシートの上にあるツールバーのグラフ・アイコンをクリックして、グラフを閉じます。 7 作成したワークブックを印刷および保存する Discovererでは、下記の手順で印刷、印刷のプレビュー、および保存を行うことができます。 ワークブックを保存する
もしここで休憩を取りたい場合には、任意のファイル名を付けてワークブックを保存してください。そうしておけば、後からチュートリアルを再開したい場合にワークブックを開くだけで、続きを始めることができます。 1. メニューから「ファイル」→「名前を付けて保存」を選択します。「ワークブックの保存」ダイアログが開きます。 2. 「マイコンピュータ」を選択し、「保存」をクリックします。「名前を付けて保存」ダイアログが開きます。 3. 元のファイル名とは異なる任意の名前を入力し、保存します。 メモ: ワークブックの保存は、次の2つのいずれかの方法で行うことができます。
1 - ローカル・ドライブまたはネットワーク・ドライブに*.DISファイルとして保存。 ワークブック構成データは、ローカルまたはネットワーク・ドライブに保存されますが、Discovererデータは、Discovererデータベースに保存されます。
2 - Discovererデータベースに保存。 ワークブック構成データは、Discovererデータと一緒に、Discovererデータベースに保存されます。 8 例外を作成する サンプル・ワークブック「vidst5ja.dis」を使用してビデオ売上を分析した結果、「East」地域の利益が他の地域に比べて非常に高いことがわかりました。 この理由を探るため、地域内の各市のデータへドリルダウンしてみます。 データを分析する際には、ある範囲外にあるデータなど、一部を強調したい場合があります。 たとえば、\10,000以上の利益のある市を強調したいという場合などです。 Discovererの例外機能を使用すると、情報の一部を強調することが可能になります。 各市および地域における月間利益で、際立ったものを強調してみます。 まず、Discovererの例外機能を使用して、例外を作成する準備をします。 以下の手順でワークシートを準備します。
1. vidst5ja.disで、「クロス集計レイアウト」を選択します。
2. 「Department」には「Video Sale」を選択します。
3. 「Year」から「Quarter」にドリルダウンします。
4. 「Calendar Year」アイテムをページ・アイテムの「Department」の右に移動します。
5. 「Calendar Year」アイテムには「2000」を選択します。
6. 「East」地域から、「City」にドリルダウンします。
(下のスクリーン・ショットを参照してください。) 上の軸に「Profit SUM」と「Quarter」、横の軸に「Region」と「City」を配置します。 8.1 例外を作成する 1. メニューから「書式」→「例外」を選択します。 「例外」ダイアログが開きます。 2. 「例外の表示」ドロップダウン・リストから、「Profit SUM」を選択し、「新規作成」をクリックします。 「例外の書式」ダイアログが開きます。 3. どういう条件で例外が発生するかを設定します。 ドロップダウン・リストから、以下の項目を選択します。7000という値は直接入力する必要があります。
4. 「表示書式の設定」で、フォント・サイズを12に、スタイルを太字に変更します。 文字色は緑色にします。
プレビュー・ボックスに、ワークシートで設定した書式が表示されます。 5. 「OK」をクリックして「例外の書式」ダイアログを閉じます。 6. 「OK」をクリックして「例外」ダイアログを閉じます。 利益が\7000以上の市が、緑色の背景で強調されて、一目でわかります。「New York」と「Philadelphia」が非常に高い利益を示しています。 「New York」が「East」地域で最も利益の高い店舗になっています。 この店舗が「East」地域の成功に貢献したのは明らかです。
3つの地域の「Profit SUM」の値は、すべて例外の額を超えているので、すべて強調されていることに注意してください。 ここでワークブックをいったん保存することをお薦めします。 次の章は、ここから続く内容になります。 9 関連するデータにドリルする Discovererの例外機能を使用して、2000年の第一四半期と第二四半期(Q1とQ2)の、「New York」での急激な利益増加を見つけました。 Discovererの関連したデータへのドリル機能およびディテール・ドリル機能を使用すれば、この急激な増加の原因を調査することができます。 以下の手順でワークシートを準備します。
1. 「vidst5ja.dis」ワークブックで、「クロス集計レイアウト」を選択します。
2. 「Department」アイテムに「Video Sale」を選択します。
3. 「Calendar Year」アイテムに「2000」を選択します。
4. 「East」地域を「City」レベルにドリルダウンします。 関連するデータにドリルするには 1. 2000年第一四半期の「New York」の利益を表示(\21,455)しているセルをダブルクリックします。 「ドリル」ダイアログが開きます。 2. 「ディテールドリル」を選択します。 3. 「Store and Sales Details」フォルダをダブルクリックします。 2000年第一四半期の「New York」でのビデオ販売データの詳細が、新しいワークシートとして表示されます。 このワークシートには、なぜ「New York」の利益が高いのかを説明したメモが含まれています。 4. Microsoft Wordのメモにドリルアウトするには、「Reports」列のMicrosoft Wordアイコンをダブルクリックします。 選択されたレポートが、コンピュータにインストールされているMicrosoft Wordまたはビューア・アプリケーションで表示されます。 また、そこからドリルアウトすることもできます。 10 ワークシートの名前を変更する ワークシートの名前を変更するのはとても簡単です。 タブをダブルクリックするだけです。 1. ワークシートタブをダブルクリックします。 「ワークシートの名前を変更」ダイアログ・ボックスが開きます。 2. 「NY Sales Increase」と入力します。 3. 「OK」をクリックします。
ここでワークブックを保存することをお薦めします。 新しいワークシートも同時に保存されます。 11 データを指定した形式でエクスポートする ワークシートを、HTML(*.HTM)、テキスト(*.TXT)、Lotus 1-2-3、Microsoft Excelなどの様々な形式で保存することができます。 この機能はDiscovererを使用していない人などにレポートを渡すときにも役立ちます。 11.1 HTML形式でファイルをエクスポートする サンプル・ワークブック「vidst5ja.dis」の、「テーブルレイアウト」ワークシートをWebブラウザで表示できる形式でエクスポートします。 1. サンプル・ワークブック「vidst5ja.dis」の「テーブルレイアウト」タブをクリックします。 2. メニューから、「ファイル」→「エクスポート」を選択します。 「エクスポート」ダイアログ・ボックスが開きます。 3. 「作業中のワークシート」を選択し、ファイル形式に「Hyper-Text Markup Language (*.htm)」を選択します。 4. エクスポートするファイルを保存する場所を指定します。 ファイル名は自動的に付けられますが、必要であればファイル名を変更することもできます。 5. 「完了」をクリックします。 Discovererは、現在のワークシートを .htm 形式で保存しました。 エクスポートしたファイルをWebブラウザで開くと、DiscovererデータがHTML形式で複製されたことがわかります。 11.2 結果を電子メールとして送信する 電子メール・アプリケーションがMAPIをサポートしている場合は、Discovererのワークシートを電子メールとして送信することができます。
メモ: 電子メール・アプリケーションの「ファイル」メニューに「送信」という項目がない場合、その電子メール・アプリケーションはこの機能をサポートしていません。この章をスキップして次の章「12 ワークブックを作成する」に進んでください。 1. メニューから「ファイル」→「送信」を選択します。 「メールの準備」ダイアログが開きます。 2. 「作業中のワークシート」と「添付ファイル」を選択し、ファイル形式に「Hyper-Text Markup Language(*.htm)」を選択します。 3. 「送信」をクリックします。
メモ: ここからは、メール・アプリケーションの種類により動作が異なります。
Discovererのワークブックやワークシートを他のファイル形式で送信する場合の詳細については、Discoverer Desktopユーザーズ・ガイドを参照してください。 これで、Discovererの機能のうち、ビジネス分析および意思決定に関係している多くの機能を習得したことになります。ワークシートの書式設定方法、情報の選別方法などをすでに学びました。 続ける前に、ワークブックを保存しておいてください。 次は、ワークブックを作成する方法について学びます。 12 ワークブックを作成する これまで作業してきたサンプル・ワークブック「vidst5ja.dis」は、すでに他の人によって作成されたものでした。別のデータを分析するために独自にワークブックを作成する必要が生じることも考えられます。 ここでは、ワークブック・ウィザードを使用してワークブックを新規に作成します。 12.1 デフォルトの書式を変更する ワークシートを新たに作成する前に、デフォルトの書式を設定します。以前のワークブックを開いたままで結構です。すでに作成されているワークブックでは、書式は変更されません。 ここで設定するデフォルト書式は、これから作成するワークブックに対してのみ有効となります。 1. メニューから、「ツール」→「オプション」を選択します。
「オプション」ダイアログ・ボックスが開きます。 2. 「書式設定」タブを選択します。 3. デフォルト書式リストの中から、「データの書式設定」を選択します。 4. 「変更」をクリックします。 「データの書式設定」ダイアログ・ボックスが開きます。 5. データを表示する際のフォント、フォント・サイズ、色などを、好みに合わせて設定します。
サンプルが右下に表示されますので、参考にしてください。 6. 「背景色」タブを選択して、背景色を設定します。 7. 「OK」をクリックして「データの書式設定」ダイアログ・ボックスを閉じます。 8. 「OK」をクリックして「オプション」ダイアログ・ボックスを閉じます。
ここで設定した内容は、新しいワークブックに反映されます。 同様の手順で、ヘディング・ワークシートのタイトル、総計、および例外のデフォルト書式も設定することができます。 12.2 ワークブック・ウィザードを使用してワークシートを作成する このチュートリアルを使用して、各地域および部門の総利益を調査してみます。 1. メニューから、「ファイル」→「ワークブックの新規作成」を選択します。 「ワークブック ウィザード」が開きます。 2. 「どの方法で結果を表示しますか?」というオプションで、分析レポートのレイアウトを選択します。そのためには、「ページ ディテール テーブル」を選択します。 3. 「次へ」をクリックします。「ワークブック ウィザード ステップ2」が表示されます。 レポートを作成するビジネスエリアを選択します。 「ワークブック ウィザード ステップ2」では、レポートに使用するデータが用意されているビジネスエリアを選択します。 Discoverer管理者が用意した、使用できるビジネスエリアがすべて表示されます。 ここでは、チュートリアル用の「Video Store Tutorial」が、選択可能なビジネスエリアとして表示されます。 1. 「選択可能」ドロップダウン・リストから、「Video Store Tutorial」を選択します。 2. 「Video Analysis Information」フォルダの「+」ボタンをクリックします。 3. 以下のアイテムを選択し、「選択済み」領域へ移します。
ヒント: スクロール・バーを使用して、すべてのアイテムを見ることができます。または、このダイアログ・ボックスの角をクリックして、このダイアログの大きさを変更し、一度により多くの情報を見ることもできます。 4. 「Department」アイテムの「+」ボタンをクリックし、以下のアイテムを「選択済み」リストにドラッグします。
ヒント: 「Ctrl」キーを押しながら選択することで、複数のアイテムを同時に選択することができます。 5. 「次へ」をクリックします。 「ワークブック ウィザード ステップ3」が開きます。 ここでレイアウトを変更します。 「ワークブック ウィザード ステップ3」では、問合せを行う前に情報のレイアウトを変更することができます。ここでレポートのビデオ販売分析のレイアウトを変更します。 6. 「Profit SUM」を「Region」アイテムの右に移します。 7. 「Calendar Year」を「Region」アイテムの左に移します。 8. 「完了」をクリックします。 9. 列の幅を設定するには、「書式」→「列」→「自動調整」をクリックするか、または、列の境界線をドラッグして手動で調節します。 これでひとつのワークシートを含むワークブックが作成されました。 13 計算を行う Discovererでは、簡単に計算を行うことができます。この章では、様々な計算(合計、パーセント、平均)を作成します。 また、分析に役立ついくつかの機能も紹介します。 13.1 データをソートする ワークブック・ウィザードにあるページを使用して、条件やソート、ユーザー定義アイテムを設定することができます。 このビデオ分析ワークシートで、地域ごとにソートを行なってみます。 1. 「Calendar Year」アイテムを右クリックして、「グループ ソート」を選択します。 これで年ごとにデータが表示されました。 次に、データをより見やすくするために、年の中でProfit SUMの高い順に並べ替えてみます。 2. メニューから、「ツール」→「ソート」を選択します。 「ソート」ダイアログ・ボックスが開きます。 3. ドロップダウン・リストを使用して、「Calendar Year」の線の太さを4に変更します。 これで各地域のデータがより見分けやすくなりました。 4. 「追加」をクリックして、「Profit SUM」を選択します。 「Profit SUM」が2番目のソートになります。 5. 「OK」をクリックします。 ワークシートは各年ごとに利益の順に並べて表示されています。 各年ごとの境界線を太くしたことにより、データが区別しやすくなっています。 13.2 総利益を計算する 各年のデータの区別はできるようになり、見やすくなりました。 今度は各年ごとに利益の小計を表示してみます。 3つの地域の利益を合計した、各年の利益小計がわかります。 1. メニューから、「ツール」→「総計」を選択します。 「総計」ダイアログ・ボックスが開きます。 2. 「総計の表示」で「Profit SUM」を選択し、「新規作成」をクリックします。 「総計」ダイアログ・ボックスが開きます。 3. 計算のところで「Profit SUM」の「合計値」を選択します。 4. 配置のところで、「グループごとの副総計」を選択し、その下のプルダウン・リストで「Year」を選択します。 5. ダイアログ・ボックス下部で、表示される際の書式をプレビューできます。 6. 「ラベルの自動生成」オプションにチェックが入っていることを確認してください。 「書式」ボタンをクリックして、表示書式を変更できます。「データの書式設定」ダイアログ・ボックスが開きます。 ここで文字色や背景色などを設定することができます。 作成した総計が見やすいように、書式を設定して「OK」をクリックしてください。 7. 「OK」をクリックします。
「総計」ダイアログ・ボックスで、作成した総計がチェックされていることを確認します。 8. 「OK」をクリックして作成した総計を表示します。 各年のデータの下に、その年の総利益が新しい行として表示されています。 13.3 列の幅を自動調整する すべてのデータが表示されるように、Discovererでは、列の幅を自動調節するように設定することができます。 1. メニューから、「ツール」→「オプション」を選択します。「オプション」ダイアログ・ボックスが開きますので、「テーブル」タブを選択します。 2. 列の幅の、「自動調整」を選択します。 3. 「OK」をクリックします。 13.4 パーセントを表示する 次に、会社全体の利益に対して、各地域がどれだけ貢献したかをパーセントで表示してみます。ここでも簡単にパーセントを追加することができます。 1. メニューから、「ツール」→「パーセント」を選択します。 「パーセント」ダイアログ・ボックスが開きます。 2. 「新規作成」をクリックします。 「パーセント」ダイアログ・ボックスが開きます。 . 3. 「パーセントの計算対象」に、「Profit SUM」を選択します。 4. パーセントの比較元に、「次の集合の合計値」を選択し、プルダウン・リストから「Year」を選択します。 5. 「列ヘディング」に「% of Annual Profit」と入力してみます。 このフィールドの右側の「書式」ボタンをクリックしてパーセントの表示書式を設定します。 6. 「データの書式設定」ダイアログで、「OK」をクリックします。 7. 「パーセント」ダイアログで「OK」をクリックします。
「パーセント」ダイアログで、作成したパーセントがチェックされていることを確認します。 8. 「OK」をクリックして、パーセントを表示します。 これでProfit SUMを、各年の総利益の割合として表示することができました。 13.5 ワークシートをクロス集計として複製する この章を始める前に、ワークシート名を「テーブル レイアウト」に変更します。 ワークシート名の変更については、「10 ワークシートの名前を変更する」を参照して、「パーセント」ダイアログで「% of Annual Profit」というヘディングを消してください(このアイテムのチェック・ボックスの選択を解除します)。 1. メニューから、「ワークシート」→「クロス集計として複製」を選択します。「クロス集計として複製」ダイアログ・ボックスが開きます。
ここでデフォルトのページアイテムが「Department」になっていること、「Region」が左の軸に、「Calendar Year」と「Profit SUM」が上の軸に表示されていることを確認してください。 このチュートリアルで学習したDiscoverer機能を使用して、クロス集計レイアウトを必要に応じて調整することもできます。 2. 「OK」をクリックします。 同じ情報が、今度はクロス集計として表示されました。また、前に作成した総計も表示されています。 3. ワークシートの名前を「クロス集計レイアウト」に変更します。 13.6 ワークブックを保存する 1. メニューから、「ファイル」→「保存」を選択します。 「ワークブックの保存」ダイアログ・ボックスが開きます。 2. 「ワークブックの保存」ダイアログ・ボックスで、「マイ コンピュータ」を選択します。 3. 「保存」をクリックします。 4. 「名前を付けて保存」ダイアログ・ボックスで、<ORACLE_HOME>\discoverer902\ディレクトリに移動し、ファイル名を入力します。 5. 「保存」をクリックします。 ワークブックをDiscovererデータベースに保存することもできます。 ワークブックの保存については、「7 作成したワークブックを印刷および保存する」を参照してください。 13.7 ワークシートにアイテムを追加する 前の章で、新しくワークブックを作成する方法を学習しました。 この章では、Discovererのサンプル・ワークブック「vidst5ja.dis」に戻って、チュートリアルを継続します。 Discovererワークシートで作業中はいつでも、ワークシートにアイテムを追加したり、ワークシートからアイテムを削除することができます。 この章では、ワークシートにCostアイテムを追加して、コストと利益の比較ができるようにします。 1. 「vidst5ja.dis」ワークブックで、「テーブルレイアウト」タブをクリックします。 2. メニューから、「ワークシート」→「ワークシートの編集」を選択します。 「ワークシートの編集」ダイアログ・ボックスが開きます。
メモ: 灰色で表示されているフォルダは、ワークシート上にある情報と結合または関連がないために、選択できないことを意味しています。 3. 「Video Analysis Information」フォルダの「+」ボタンをクリックして、中から「Cost」を選択します。 4. 「OK」をクリックしてワークシートにアイテムを追加します。 Discovererがデータベースからデータが取得されるまで、少し待ちます。 こうして、Discovererの機能を使用して、ワークシートを分析し、コストと利益の関連を見ることができます。 14 ワークブックをスケジュールする ワークブックが、定期的に最新のデータで更新されていれば、問合せの時間を待つ必要もなくなります。特に、大量のデータを取り扱うワークブックを実行することが多い場合、この機能が有効です。 Discovererのスケジュール機能は、いわゆる(データベースの)「オフピーク」時間を有効に活用するものです。 もちろんDiscovererに対して常時接続している必要はありません。 1. サンプル・ワークブック「vidst5ja.dis」を開きます。
2. メニューから、「ファイル」→「スケジュール」を選択します。「ワークブックのスケジュール」ウィザードが開きます。この例では、テーブル・レイアウトとクロス集計レイアウトの2つのワークシートから選択することができます。 3. 「ワークブックのスケジュール ステップ1」では、ワークシートを選択するところで「テーブルレイアウト」を選択します。 4. 「時刻」には、現在の5分後の時刻を設定します。日付も今日の日付を設定します。 5. 「この問合せを繰り返す間隔を指定してください」のところで、データの問合せ(リフレッシュ)をスケジュールできます。ここではチュートリアルなので、問合せを繰り返して行なわないように、間隔は「無期限」を設定します。 6. 「次へ」をクリックします。 「ワークブックのスケジュール ステップ2」が開きます。 7. わかりやすい名前と、説明を入力します。 8. 「結果を自動的に削除」するのは「1日後」に設定します。 9. 「完了」をクリックします。 ワークブックの大きさによっては、「スケジュールされたワークブック」の作成に数分間かかります。 ワークブックは、5分後には、最新データで更新されています。また、朝の始業時などの適切な時間に最新データを得られるように、夜間の実行スケジュールを設定することもできます。 14.1 スケジュールされたワークブックを開く メモ: このタスクを開始する前に、前のタスクが完了するまで少なくとも5分間待ってください。 1. メニューから、「ファイル」→「既存のワークブックを開く」を選択します。 「既存のワークブックを開く」ダイアログが開きます。 2. 「スケジュール マネージャ」を選択して、「開く」をクリックします。 「スケジュール済みワークブックを開く」ダイアログ・ボックスが開きます。
3. 先ほどスケジュールしたワークブックを選択し、「開く」をクリックして表示します。 4. 問合せを実行するかどうか聞かれたら、「はい」をクリックします。
結果が新しいワークブックとして表示されます。 サンプル・ワークブック「vidst5ja.dis」とは別のワークブックとして開かれます。 Discovererチュートリアルは終了です これでDiscoverer Desktopの主な機能を学ぶことができました。軸交換、ドリル、グラフ、ワークブックのスケジュールなどの、主な機能を習得したことになります。 Discovererを活用して、ぜひビジネスに役立つ分析を行なってください。