このマニュアルは、Oracle Application Server 10g(10.1.4.0.1)の一連のベスト・プラクティスについて、Oracle Identity and Access Management Suiteを中心に説明します。これらのベスト・プラクティスは、構成、デプロイおよび開発を対象としています。各ベスト・プラクティスでは、特定のタスクやアクションの実行方法における推奨事項または一般的な方法について説明します。この推奨事項では、目的の結果を達成するためにツールと手動プロセスの組合せが記載されていることもあります。このベスト・プラクティス集で扱うテクノロジ領域は、次のとおりです。
Oracle Access Manager
Oracle Internet Directory
セキュリティ
Oracle Virtual Directory
高可用性
次のベスト・プラクティスに従うと、いずれのデプロイも成功率が著しく向上します。それらのベスト・プラクティスは次のとおりです。
戦略的に考え、戦術的に行動する: いずれのインフラストラクチャのプロジェクトも長期間継続されることは明らかです。重要なのは、戦略的な観点からソリューションを計画および設計して、戦術的な期限に必ずしも束縛または制限されない長期間のロードマップを定義することです。この計画は、それぞれ戦略的な目標に寄与する、測定と達成が可能なフェーズに分割し、マイルストーンごとに投資収益(ROI)を示す必要があります。
専門家のアドバイスを求める: これは、デプロイの初期段階(計画、要件の収集、および設計)で特に重要です。業界で長年にわたる経験を有し、様々な業種でプロジェクトを遂行してきた専門家を確保するということは、非常に高い価値があります。これらの専門家の確保に時間とコストをかけても、それはリスクの軽減、業界のベスト・プラクティスの導入、および成功を収めるための有効な戦略の定義などにいち早く生かされます。一般的に、業界のノウハウには次の2つのタイプがあります。
業界に関するノウハウ: 確立されている方針、手順、および規格の知識。政府の規制および指針への準拠に精通していること。情報セキュリティのベスト・プラクティス。セキュリティの管理と運用。技術的インフラストラクチャ。
技術に関するノウハウ: 業務要件に対処するうえでのテクノロジの優れた利用。技術的インフラストラクチャ。Oracleテクノロジとアプリケーション・セキュリティ。ID管理、アクセス管理、Webサービス・セキュリティ、情報保証およびプライバシー管理。
知識への投資: 設計段階の開始前に、担当者が関連するテクノロジと製品について正しい知識を持てるようにします。プロジェクトの開始時に知識の移転処理に取りかかり環境に精通していると、このプロセスを後で開始するより効果的です。デプロイに関連する具体的な製品について担当者を教育し、デプロイ全体の知識の習得と移転に取り組んで、インフラストラクチャを独自にサポート、保守および展開できるようにしておくことを強くお薦めします。この投資は、デプロイを成功するための鍵となります。