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Oracle Application Serverインストレーション・ガイド
10g (10.1.4.0.1) for Microsoft Windows (64-bit) on Intel Itanium

B31753-02
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9 高可用性環境へのインストール: OracleAS Cluster(Identity Management)

この章では、Oracle Application ServerをOracleAS Cluster(Identity Management)構成にインストールする方法について説明します。

9.1 OracleAS Cluster(Identity Management): 概要

OracleAS Cluster(Identity Management)構成では、Oracle Identity ManagementコンポーネントおよびOracleAS Metadata Repositoryが別々のノードで実行されます。OracleAS Cluster(Identity Management)構成のすべてのノードがアクティブです。中間層などのクライアントからのリクエストは、ロード・バランサに送られ、次に、アクティブないずれかのノードに送られます。詳細は、図9-1を参照してください。

これらのノードは、ハードウェア・クラスタに属することができますが、必須ではありません。

これらの構成は、OracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesのコンポーネントがクラスタ化されているため、「OracleAS Cluster(Identity Management)」と呼ばれます。つまり、これらのコンポーネントはノード間で同様に構成されています。

データベース(OracleAS Metadata Repository)の要件

OracleAS Cluster(Identity Management)構成をインストールする前に、既存のOracleAS Metadata Repositoryが必要です。OracleAS Metadata Repositoryは、次のいずれかの方法でインストールできます。

OracleAS Cluster(Identity Management)構成の場合は、Real Application Clustersやコールド・フェイルオーバー・クラスタなどの高可用性データベース構成を使用することをお薦めします。

OracleAS Metadata RepositoryにインストールできるOracleAS Cluster(Identity Management)は1つのみです。


注意:

OracleAS Cluster(Identity Management)構成では、インストーラの「Oracle Identity Management and OracleAS Metadata Repository」オプションは選択しないでください。常に、「Oracle Identity Management」オプションを選択します。このため、既存のOracleAS Metadata Repositoryが必要になります。 


常に同じコンポーネントを選択

OracleAS Cluster(Identity Management)構成内のコンポーネントはインストーラによってクラスタ化されるため、クラスタ内のすべてのノードに対して、「構成オプションの選択」画面で同じコンポーネントを選択する必要があります。

たとえば、ノード1へのインストール時にOracle Internet Directory、OracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesを選択した場合は、後続のインストールでも同じコンポーネントを選択する必要があります。

各インストールで異なるコンポーネントを選択すると、クラスタ化に失敗します。

構成

OracleAS Cluster(Identity Management)は、次の構成でインストールできます。

9.2 OracleAS Cluster(Identity Management)のインストール前の手順

OracleAS Cluster(Identity Management)構成をインストールする前に、次の項目を設定する必要があります。

9.2.1 Oracleホーム・ディレクトリでの同じパスの使用(推奨)

Oracle Identity Managementコンポーネントが実行されるすべてのノードのOracleホームで、同じフルパスを使用します。この方法をお薦めしますが、必須ではありません。

9.2.2 すべてのノードでの時計の同期化

すべてのノードのシステム・クロックを同期化して、相互の誤差が250秒以内で動作するようにします。システム・クロックを同期化するときは、クロックが同じタイムゾーンに設定されていることを確認します。

注意: クロックを同期化しない場合、ディレクトリ・エントリの操作属性およびパスワードの状態ポリシーの動作に一貫性がなくなります。その結果、不要なインスタンスのフェイルオーバーが発生します。

9.2.3 ロード・バランサに対する仮想サーバーの名前およびポートの構成

2つの仮想サーバー名および関連付けられたポートを指定してロード・バランサを構成します。

インストーラによって、仮想サーバー名およびポート番号を指定するように要求されます。LDAPおよびHTTP仮想サーバーの構成で使用した仮想サーバー名をインストーラで入力します。仮想サーバー名は、完全修飾された名前または完全修飾されていない名前を使用できます。たとえば、LDAP仮想サーバーを構成したときに完全修飾されたホスト名を使用した場合は、完全修飾された同じホスト名をインストーラで入力する必要があります。


注意:

ロード・バランサはインストーラによってチェックされません。インストーラを実行する前に、ロード・バランサが適切に構成され、有効であることを確認します。 


さらに、次の内容を確認します。

9.2.4 LDAP仮想サーバーの構成

ノード1に最初にリクエストが送られるように、ロード・バランサでLDAP仮想サーバーを構成します。ノードの追加手順は、ロード・バランサでLDAPサービスの監視がサポートされているかどうかによって異なります。

これらの手順は、ロード・バランサに構成されたLDAP仮想サーバーに対してのみ適用されます。ロード・バランサに構成されたHTTP仮想サーバーには適用されません。

9.2.4.1 ロード・バランサでのLDAPサービスの監視のサポート

ロード・バランサでLDAPサービスの監視がサポートされる場合は、インストールを開始する前に、すべてのノードをLDAP仮想サーバーに追加できます。

たとえば、3つのノードがある場合は、次の手順を実行します。

  1. リクエストがノード1にのみ送られるようにLDAP仮想サーバーを構成します。

  2. ノード2をLDAP仮想サーバーに追加します。

  3. ノード3をLDAP仮想サーバーに追加します。

  4. ノード1にOracle Identity Managementコンポーネントをインストールします。

  5. ノード2にOracle Identity Managementコンポーネントをインストールします。

  6. ノード3にOracle Identity Managementコンポーネントをインストールします。

9.2.4.2 ロード・バランサでのLDAPサービスの監視の非サポート

ロード・バランサでLDAPサービスの監視がサポートされない場合は、インストールを開始する前に、ノード1にのみリクエストを送るようにLDAP仮想サーバーを構成します。ノードへのインストールの完了後、そのノードを仮想サーバーに追加できます。

たとえば、3つのノードがある場合は、次の手順を実行します。

  1. リクエストがノード1にのみ送られるようにLDAP仮想サーバーを構成します。

  2. ノード1にOracle Identity Managementコンポーネントをインストールします。

  3. ノード2にOracle Identity Managementコンポーネントをインストールします。

  4. ノード2をLDAP仮想サーバーに追加します。

  5. ノード3にOracle Identity Managementコンポーネントをインストールします。

  6. ノード3をLDAP仮想サーバーに追加します。

9.3 Oracle Internet Directoryパスワード

OracleAS Cluster(Identity Management)構成では、複数のノードにOracle Internet Directoryをインストールし、各インストールの「インスタンス名とias_adminパスワードの指定」画面でインスタンス・パスワードを入力します。

最初のインストールで指定したパスワードは、最初のOracle Internet Directoryのみでなく、クラスタ内のすべてのOracle Internet Directoryインストールでcn=orcladminおよびorcladminユーザーのパスワードとして使用されます。

つまり、いずれのノードのOracle Internet Directoryにアクセスする場合も最初のインストールで入力したパスワードを使用する必要があります。後続のインストールで入力したパスワードは使用できません。

Oracle Internet Directoryにアクセスするには、次の操作を実行します。

Application Server Controlにログインする場合は、後続のインストールで入力したパスワードも必要です。

9.4 Oracle HTTP Server用のSSLポートおよび非SSLポート構成

OracleAS Cluster(Identity Management)構成をインストールする場合は、インストーラに「HTTPロード・バランサのホストおよびリスニング・ポートの指定」画面が表示されます。

この画面には2つのセクションがあります。

この画面を使用して、クライアント、ロード・バランサおよびOracle HTTP Server間での通信タイプ(SSLまたは非SSL)を設定します。次の3つのケースがあります。

9.4.1 ケース1: クライアント ---[HTTP]---> ロード・バランサ ---[HTTP]---> Oracle HTTP Server

HTTPリスナー: ポート: Oracle HTTP ServerのListenポートとして使用するポート番号を入力します。これは、httpd.confファイルのListenディレクティブの値です。

SSL有効: このオプションは選択しないでください。インストーラによって、SSLポートのデフォルトのポート番号が使用されます。

HTTPロード・バランサ: ホスト名: HTTPリクエストを処理するように構成されたロード・バランサ上の仮想サーバーの名前を入力します。

HTTPロード・バランサ: ポート: HTTP仮想サーバーでリスニングを行うポート番号を入力します。これは、httpd.confファイルのPortディレクティブの値です。

SSL有効: このオプションは選択しないでください。

表9-1    ケース1の例 
画面の値  構成ファイルに反映される値 

HTTPリスナー: ポート: 8000

SSL有効: 選択しない

HTTPロード・バランサ: ポート: 80

SSL有効: 選択しない 

httpd.confでは次のようになります。

Port 80
Listen 8000

ssl.confでは次のようになります。

Port <default port number assigned by installer>
Listen <default port number assigned by installer>
 

9.4.2 ケース2: クライアント ---[HTTPS]---> ロード・バランサ ---[HTTPS]---> Oracle HTTP Server

HTTPリスナー: ポート: Oracle HTTP Serverでリスニングを行うポート番号を入力します。これは、ssl.confファイルのListenディレクティブの値です。

SSL有効: このオプションを選択します。

HTTPロード・バランサ: ホスト名: HTTPSリクエストを処理するように構成されたロード・バランサ上の仮想サーバーの名前を入力します。

HTTPロード・バランサ: ポート: HTTP仮想サーバーでリスニングを行うポート番号を入力します。これは、ssl.confファイルのPortディレクティブの値です。

SSL有効: このオプションは自動的に選択されており、選択解除できません。これは、HTTPリスナー用に「SSL有効」を選択したためです。

opmn.xmlでは、インストーラによって、「Oracle HTTP Server」セクションのssl-enabled行がtrueに設定されます。

表9-2    ケース2の例 
画面の値  構成ファイルに反映される値 

HTTPリスナー: ポート: 90

SSL有効: 選択する

HTTPロード・バランサ: ポート: 443

SSL有効: 選択する 

httpd.confでは次のようになります。

Port <default port number assigned by installer>
Listen <default port number assigned by installer>

ssl.confでは次のようになります。

Port 443
Listen 90
 

この場合、構成後に追加手順を実行する必要があることに注意してください。詳細は、9.7.3項「targets.xmlの更新(ケース2のみ)」を参照してください。

9.4.3 ケース3: クライアント ---[HTTPS]---> ロード・バランサ ---[HTTP]---> Oracle HTTP Server

HTTPリスナー: ポート: Oracle HTTP Serverでリスニングを行うポート番号を入力します。これは、httpd.confファイルのListenディレクティブの値です。

SSL有効: このオプションは選択しないでください。

HTTPロード・バランサ: ホスト名: HTTPSリクエストを処理するように構成されたロード・バランサ上の仮想サーバーの名前を入力します。

HTTPロード・バランサ: ポート: HTTP仮想サーバーでリスニングを行うポート番号を入力します。これは、httpd.confファイルのPortディレクティブの値です。

SSL有効: このオプションを選択します。

この構成では、ロード・バランサにはSSLアクセラレーション機能が必要であるか、または個別のSSLアクセラレータを追加する必要があることに注意してください。HTTPSからHTTPへの変換は、Oracle HTTP Serverがリクエストを受信する前に発生します。SSLアクセラレータは、インストール前に適切に構成される必要があります。これはインストーラによってチェックされません。

インストーラによって、次の行が変更されます。

表9-3    ケース3の例 
画面の値  構成ファイルに反映される値 

HTTPリスナー: ポート: 9000

SSL有効: 選択しない

HTTPロード・バランサ: ポート: 443

SSL有効: 選択する 

httpd.confでは次のようになります。

Port 443
Listen 9000

ssl.confでは次のようになります。

Port <default port number assigned by installer>
Listen <default port number assigned by installer>
 

9.5 OracleAS Cluster(Identity Management)構成のインストール

この構成では、OracleAS RepCAがサポートする構成ですでに実行されている既存のデータベースが必要です。データベースは、Real Application Clustersデータベースなどの高可用性環境で実行することをお薦めします。また、Oracle Identity Managementコンポーネントを実行する追加のノード(2つ以上)も必要です。この構成では、各ノードでOracle Internet Directory、OracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesが実行されます。これらのコンポーネントを分散する場合は、9.6項「分散OracleAS Cluster(Identity Management)構成のインストール」を参照してください。

これらのノードには、ロード・バランサを介してアクセスします。詳細は、図9-1を参照してください。

既存のデータベースにOracleAS Metadata Repositoryをインストールした後、このデータベースにOracle Identity Managementコンポーネントをインストールします。

Oracle Directory Integration Platformは最初のノードでのみ起動

インストーラでは、Oracle Directory Integration Platformは、後続のノードで選択した場合でも、最初のノードでのみ起動されます。後続のノードでは、Oracle Directory Integration Platformは構成されますが、起動されません。

Oracle Internet DirectoryによってSSLポートでのみリスニングする場合

Oracle Internet DirectoryによってSSLポートでのみリスニングする場合は、Oracle Identity Managementをインストールした後にこの構成を実行します。OracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesのインストール時には、Oracle Internet DirectoryはSSLおよび非SSLの両方のポートでリスニングしている必要があります。

図9-1    OracleAS Cluster(Identity Management)構成


画像の説明

この項の内容は次のとおりです。

9.5.1 インストールの順序

OracleAS Cluster(Identity Management)構成を作成するには、次の手順を実行します。

  1. OracleAS Metadata Repositoryを既存のデータベースにインストールします。

  2. 各ノードにOracle Identity Managementをインストールします。各ノードでインストーラを別々に実行します。


    注意:

    SSLポートでのみリスニングするようにOracle Internet Directoryを構成する場合は、Oracle Identity Managementをインストールした後にこの構成を実行します。OracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesのインストール時には、Oracle Internet DirectoryはSSLおよび非SSLの両方のポートでリスニングしている必要があります。 


  3. 中間層をインストールします。

9.5.2 OracleAS Metadata Repositoryのインストール

既存のデータベースにOracleAS Metadata Repositoryをインストールするには、OracleAS RepCAを使用します。詳細は、Oracle Application Server Metadata Repository Creation Assistantのユーザーズ・ガイドを参照してください。

9.5.3 最初のノードへのOracleAS Cluster(Identity Management)のインストール

Oracle Identity Managementコンポーネントをインストールする各ノードでインストーラを実行します。

Oracle Identity Managementコンポーネントを最初のノードにインストールする手順は、後続のノードにコンポーネントをインストールする手順とは異なります。後続のノードにコンポーネントをインストールする方法については、9.5.4項「後続のノードへのOracleAS Cluster(Identity Management)のインストール」を参照してください。

この項の内容は次のとおりです。

9.5.3.1 staticports.iniファイルの作成

Oracle HTTP ServerまたはOracle Internet Directory以外のコンポーネントのカスタム・ポートを使用する場合は、このインストール用のstaticports.iniファイルを作成する必要があります。

Oracle HTTP ServerまたはOracle Internet Directoryのカスタム・ポートが必要な場合は、「HTTPロード・バランサのホストおよびリスニング・ポートの指定」および「LDAPのホストおよびポートの指定」画面でそれらを指定します。

staticports.iniファイルにもOracle HTTP ServerおよびOracle Internet Directoryのカスタム・ポートを指定し、前述の画面でもポートを指定すると、画面で指定したポートが優先されます。

staticports.iniファイルにOracle HTTP ServerおよびOracle Internet Directoryのポートが指定されないようにするには、staticports.iniファイルに次の行が含まれないようにする必要があります。

Oracle HTTP Server port = port_num
Oracle HTTP Server Listen port = port_num
Oracle HTTP Server SSL port = port_num
Oracle HTTP Server Listen (SSL) port = port_num
Oracle Internet Directory port = port_num
Oracle Internet Directory (SSL) port = port_num

また、staticports.iniファイルがある場合は、後続のノードへのインストールにも同じファイルを使用する必要があります。

9.5.3.2 最初のノードに対するロード・バランサでのTCP監視の無効化

最初のノードにインストールを行う前に、最初のノードの仮想IPのTCP機能が有効でないことを確認する必要があります。

9.5.3.3 コール元クライアントに直接戻るようにロード・バランサを構成

通信を転送するバックエンド・サービスが使用不可能な場合に、コール元クライアントに直接戻るようにロード・バランサの仮想サーバーを構成することをお薦めします。これは、クライアント・マシンのTCP/IP設定に基づいたタイムアウトの後にクライアントでクライアントの接続を切断するよりも適切です。

ロード・バランサがこのように構成されていない場合は、Java Security Configuration Assistantによって次のようにレポートされます。

WARNING: DCM service may not be available at this time to synchronize $ORACLE_
HOME/j2ee/home/config/jazn-data.xml file.

インストールの終了後にこの問題を修正する方法については、F.3.17項「「警告: DCMサービスはこの時点で使用できない場合があります。」」を参照してください。

関連項目:

ロード・バランサの要件の詳細は、『Oracle Application Server高可用性ガイド』を参照してください。 

9.5.3.4 OracleAS Metadata RepositoryがいずれのOracle Internet Directoryにも登録されていないことの確認

最初のノードへのインストールを実行する場合は、いずれのOracle Internet Directoryにも登録されていないOracleAS Metadata Repositoryを指定する必要があります。これはインストーラによって確認されます。OracleAS Metadata RepositoryがOracle Internet Directoryにすでに登録されていることがインストーラで確認されると、後続のノードへのインストールが行われており、最初のノードへのインストール時に作成されたクラスタに追加しようとしていると判断されます。既存のクラスタ名およびOracle Internet Directoryの接続情報の入力を要求されます。

9.5.3.5 各ノードに対する同じコンポーネントの選択

各ノードへのインストール時に、「構成オプションの選択」画面で同じコンポーネントを選択する必要があります。たとえば、最初のノードでOracle Internet Directory、OracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesを選択した場合は、後続のノードでも同じコンポーネントを選択する必要があります。

9.5.3.6 インストーラの実行

表9-4の手順に従います。

最初のノードにインストールする場合の注意

9.5.4 後続のノードへのOracleAS Cluster(Identity Management)のインストール

Oracle Identity Managementコンポーネントをインストールする各ノードでインストーラを実行します。この手順は、最初のノード以外のノードにOracle Identity Managementをインストールする場合に実行します。最初のノードについては、9.5.3項「最初のノードへのOracleAS Cluster(Identity Management)のインストール」を参照してください。

後続のノードにインストールする場合の注意

表9-5の手順に従います。

表9-5    後続のノードへのOracleAS Cluster(Identity Management)のインストール手順 
  画面  操作 

1. 

-- 

インストーラを起動して、最初のいくつかの画面で情報を入力します。詳細は、4.27項「インストールの一部: インストールの最初のいくつかの画面」を参照してください。

注意:

「インストール・タイプの選択」画面で、「Oracle Identity Management」を選択します。 

2. 

構成オプションの選択 

Oracle Internet Directory」を選択します。

Oracle Application Server Single Sign-On」を選択します。

「Oracle Application Server Delegated Administration Services」を選択します。

Oracle Directory Integration Platform」を選択します。

「Oracle Application Server Certificate Authority (OCA)」は選択しないでください。

高可用性およびレプリケーション」を選択します。

次へ」をクリックします。 

3. 

ポート構成オプションの指定 

手動」を選択し、表示されたフィールドにstaticports.iniファイルへのフルパスを入力します。OracleAS Cluster(Identity Management)構成には、staticports.iniファイルを使用する必要があります。詳細は、9.5.3.1項「staticports.iniファイルの作成」を参照してください。

次へ」をクリックします。 

4. 

リポジトリの指定 

最初のノードのOracle Internet Directoryに登録されるOracleAS Metadata Repositoryを指定します。

ユーザー名: OracleAS Metadata Repositoryデータベースにログインするために使用するユーザー名を入力します。ユーザーは、DBA権限を持っている必要があります。

パスワード: ユーザーのパスワードを入力します。

ホスト名とポート: Real Application Clustersデータベースが実行されているすべてのノードの名前およびポート番号を入力します。次の書式を使用します。

host1.domain.com:port1, host2.domain.com:port2, ...

サービス名: データベースのサービス名を入力します。サービス名には、データベースのドメイン名が含まれている必要があります。

例: orcl.mydomain.com

次へ」をクリックします。 

5. 

警告 

この警告によって、インスタンスがOracleAS Cluster(Identity Management)の一部としてインストールされていること、およびクラスタ内のノードの時計を同期する必要があることが警告されます。詳細は、9.2.2項「すべてのノードでの時計の同期化」を参照してください。「OK」をクリックします。 

6. 

既存のOracle Application Serverクラスタ名の指定 

現行のインスタンスを追加する既存のOracleAS Cluster(Identity Management)を指定します。このクラスタは、同様のインストールを前回行った際に作成されたものです。クラスタ名は大/小文字が区別されることに注意してください。

例: cluster1

次へ」をクリックします。 

7. 

ODSパスワードの指定 

OracleAS Metadata Repository内のODSスキーマのパスワードを入力します。ODSスキーマは、Oracle Internet Directoryで使用される主要スキーマです。

デフォルトでは、ODSパスワードはias_adminパスワード(「インスタンス名とias_adminパスワードの指定」画面で入力したパスワード)と同じです。

次へ」をクリックします。 

8. 

LDAPのホストおよびポートの指定 

この画面で入力する値は、最初のノードのインストール時に入力した値と同じです。インストーラでは、これらの値を使用して、最初のノードのOracle Internet Directoryへ接続します。

ホスト名: ロード・バランサのLDAP仮想サーバー名を入力します。ロード・バランサで構成した仮想サーバー名を入力します。

SSLポート: LDAP SSL接続を処理するために、ロード・バランサに構成されたポートを入力します。

次へ」をクリックします。 

9. 

警告 

この警告によって、既存のOracleAS Cluster(Identity Management)ノードへリクエストが送られるようにLDAP仮想サーバーを設定し、インストール後にこのノードをLDAP仮想サーバーに追加することが警告されます。詳細は、9.2.4項「LDAP仮想サーバーの構成」を参照してください。「OK」をクリックします。 

10.  

Oracle Internet Directoryへのログインの指定 

ユーザー名: Oracle Internet Directoryにログインするためのユーザー名を入力します。Oracle Internet Directoryスーパーユーザー(cn=orcladmin)としてログインする必要があります。

パスワード: ユーザー名のパスワードを入力します。

レルム: ユーザー名の妥当性を検証するレルムを入力します。このフィールドは、Oracle Internet Directoryに複数のレルムがある場合にのみ表示されます。

次へ」をクリックします。 

11. 

HTTPロード・バランサのホストおよびポートの指定 

詳細は、9.4項「Oracle HTTP Server用のSSLポートおよび非SSLポート構成」を参照してください。

この画面で入力する値は、最初のノードのインストール時に入力した値と同じです。

HTTPリスナー: ポート: Oracle HTTP Serverでリスニングを行うポート番号を入力します。

SSL有効: このオプションは、このポートでSSLに対応するOracle HTTP Serverを構成する場合に選択します。

HTTPロード・バランサ: ホスト名: ロード・バランサに構成されたHTTP仮想サーバーの名前を入力します。ロード・バランサで構成した仮想サーバー名を入力します。

HTTPロード・バランサ: ポート: HTTP仮想サーバーのポートを入力します。

SSL有効: このオプションは、このポートがSSL通信のみに対応する場合に選択します。

次へ」をクリックします。 

12. 

インスタンス名とias_adminパスワードの指定 

インスタンス名: インフラストラクチャ・インスタンスの名前を入力します。インスタンス名には、英数字および_(アンダースコア)文字を使用できます。1つのコンピュータに複数のOracle Application Serverインスタンスがある場合は、インスタンス名は一意である必要があります。インスタンス名の詳細は、3.4項「Oracle Application Server インスタンスとインスタンス名」を参照してください。

例: id_mgmt

ias_adminパスワード」および「パスワードの確認」: ias_adminユーザーのパスワードを設定します。これはインスタンスの管理ユーザーです。パスワードの制限については、3.5項「ias_adminユーザーとそのパスワードの制限」を参照してください。

例: welcome99

次へ」をクリックします。 

13. 

-- 

インストールを終了します。詳細は、4.28項「インストールの一部: インストールの最後のいくつかの画面」を参照してください。 

9.6 分散OracleAS Cluster(Identity Management)構成のインストール

この構成では、OracleAS RepCAがサポートする構成ですでに実行されている既存のデータベースが必要です。データベースは、Real Application Clustersデータベースなどの高可用性環境で実行することをお薦めします。このデータベースに、OracleAS Metadata Repositoryを格納します。

OracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesのコンポーネントを実行するためのノードも2つ必要です。また、Oracle Internet Directoryを実行するにはさらに2つのノードが必要です。これらのノードには、ロード・バランサを介してアクセスします。詳細は、図9-2を参照してください。

Oracle Directory Integration Platformは最初のノードでのみ起動

インストーラでは、Oracle Directory Integration Platformは、後続のノードで選択した場合でも、最初のノードでのみ起動されます。後続のノードでは、Oracle Directory Integration Platformは構成されますが、起動されません。

Oracle Internet DirectoryによってSSLポートでのみリスニングする場合

Oracle Internet DirectoryによってSSLポートでのみリスニングする場合は、OracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesをインストールした後にこの構成を実行します。OracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesのインストール時には、Oracle Internet DirectoryはSSLおよび非SSLの両方のポートでリスニングしている必要があります。

図9-2    分散OracleAS Cluster(Identity Management)構成


画像の説明

この項の内容は次のとおりです。

9.6.1 インストールの順序

分散OracleAS Cluster(Identity Management)構成を作成するには、次の手順を実行します。

  1. OracleAS Metadata Repositoryを既存のデータベースにインストールします。

  2. 各ノードにOracle Internet Directoryをインストールします。各ノードでインストーラを別々に実行します。


    注意:

    SSLポートでのみリスニングするようにOracle Internet Directoryを構成する場合は、OracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesをインストールした後にこの構成を実行します。OracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesのインストール時には、Oracle Internet DirectoryによってSSLおよび非SSLの両方のポートでリスニングしている必要があります。 


  3. 各ノードにOracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesをインストールします。各ノードでインストーラを別々に実行します。

  4. 中間層をインストールします。

9.6.2 OracleAS Metadata Repositoryのインストール

既存のデータベースにOracleAS Metadata Repositoryをインストールするには、OracleAS RepCAを使用します。詳細は、Oracle Application Server Metadata Repository Creation Assistantのユーザーズ・ガイドを参照してください。

9.6.3 最初のノードへのOracle Internet Directoryのインストール

各ノードで別々にインストーラを実行して、Oracle Identity Managementコンポーネントをインストールします。

9.6.3.1 staticports.iniファイルの設定

最初のノードにOracle Internet Directoryをインストールする場合、ロード・バランサは必要ありません。ロード・バランサは、後で設定および構成できます。ただし、Oracle Internet Directoryで使用するポート番号とロード・バランサで使用するポート番号を同じにすることをお薦めします。

この場合、staticports.iniファイルを作成してOracle Internet Directoryで使用するポート番号を指定します。ロード・バランサで、LDAP通信用のポート番号と同じポート番号が使用されるようになります。staticports.iniファイルには、次の行を含める必要があります。

Oracle Internet Directory port = port_num
Oracle Internet Directory (SSL) port = port_num

9.6.3.2 各インストールでの同じコンポーネントの選択

2番目のノードを最初のノードのフェイルオーバーとして設定する場合は、インストールごとに「構成オプションの選択」画面で同じコンポーネントを選択する必要があります。たとえば、最初のノードでOracle Internet DirectoryおよびOracle Directory Integration Platformを選択した場合は、後続のノードへのインストール時にもそれらを選択する必要があります。

9.6.3.3 インストーラの起動

最初のノードにOracle Internet Directoryをインストールするには、表9-6の次の手順に従います。

後続のノードにOracle Internet Directoryをインストールする方法については、9.6.4項「後続のノードへのOracle Internet Directoryのインストール」を参照してください。

注意:

9.6.4 後続のノードへのOracle Internet Directoryのインストール

この項の手順を実行する前に、9.6.3項「最初のノードへのOracle Internet Directoryのインストール」の説明に従って、最初のノードにOracle Internet Directoryをインストールしておく必要があります。

9.6.4.1 Staticports.iniファイルは不要

このインストールでは、インストーラによって、最初のノードのOracle Internet Directoryと同じポートを使用するようにOracle Internet Directoryが構成されるため、staticports.iniファイルは必要ありません。

最初のノードのOracle Internet Directoryが起動され、実行されている必要があります。

9.6.4.2 各インストールでの同じコンポーネントの選択

2番目のノードを最初のノードのフェイルオーバーとして設定する場合は、インストールごとに「構成オプションの選択」画面で同じコンポーネントを選択する必要があります。たとえば、最初のノードでOracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesを選択した場合は、後続のノードへのインストール時にもそれらを選択する必要があります。

9.6.4.3 インストーラの起動

後続のノードにOracle Internet Directoryをインストールするには、次の手順を実行します。

表9-7    後続のノードの分散Oracle Internet DirectoryへのOracleAS Cluster(Identity Management)のインストール手順 
  画面  操作 

1. 

-- 

インストーラを起動して、最初のいくつかの画面で情報を入力します。詳細は、4.27項「インストールの一部: インストールの最初のいくつかの画面」を参照してください。

注意:

「インストール・タイプの選択」画面で、「Oracle Identity Management」を選択します。 

2. 

構成オプションの選択 

Oracle Internet Directory」を選択します。

Oracle Application Server Single Sign-On」は選択しないでください。

「Oracle Application Server Delegated Administration Services」は選択しないでください。

このコンポーネントが必要な場合は、「Oracle Directory Integration Platform」を選択します。

「Oracle Application Server Certificate Authority (OCA)」は選択しないでください。

高可用性およびレプリケーション」を選択します。

次へ」をクリックします。 

3. 

ポート構成オプションの指定 

自動」を選択します。インストーラによって、最初のノードのOracle Internet Directoryと同じポートを使用するようにOracle Internet Directoryが構成されます。

次へ」をクリックします。 

4. 

リポジトリの指定 

最初のOracle Internet Directoryに入力した内容と同じ接続情報を入力します。

ユーザー名: OracleAS Metadata Repositoryデータベースにログインするために使用するユーザー名を入力します。ユーザーは、DBA権限を持っている必要があります。

パスワード: ユーザーのパスワードを入力します。

ホスト名とポート: データベースが稼働しているコンピュータの名前を入力し、そのコンピュータによってリスニングが行われているポートのポート番号を入力します。書式には、host:portを使用します。

サービス名: データベースのサービス名を入力します。サービス名には、データベースのドメイン名が含まれている必要があります。

例: orcl.mydomain.com

次へ」をクリックします。 

5. 

警告 

この警告によって、インスタンスがOracleAS Cluster(Identity Management)の一部としてインストールされていること、およびクラスタ内のノードの時計を同期する必要があることが警告されます。詳細は、9.2.2項「すべてのノードでの時計の同期化」を参照してください。「OK」をクリックします。 

6. 

ODSパスワードの指定 

OracleAS Metadata Repository内のODSスキーマのパスワードを入力します。ODSスキーマは、Oracle Internet Directoryで使用される主要スキーマです。

デフォルトでは、ODSパスワードはias_adminパスワード(「インスタンス名とias_adminパスワードの指定」画面で入力したパスワード)と同じです。

次へ」をクリックします。 

7.  

Oracle Internet Directoryへのログインの指定 

ユーザー名: 最初のOracle Internet Directoryにログインするためのユーザー名を入力します。Oracle Internet Directoryスーパーユーザー(cn=orcladmin)としてログインする必要があります。

パスワード: ユーザー名のパスワードを入力します。

レルム: ユーザー名の妥当性を検証するレルムを入力します。このフィールドは、Oracle Internet Directoryに複数のレルムがある場合にのみ表示されます。

次へ」をクリックします。 

8. 

インスタンス名とias_adminパスワードの指定 

インスタンス名: インフラストラクチャ・インスタンスの名前を入力します。インスタンス名には、英数字および_(アンダースコア)文字を使用できます。1つのコンピュータに複数のOracle Application Serverインスタンスがある場合は、インスタンス名は一意である必要があります。インスタンス名の詳細は、3.4項「Oracle Application Server インスタンスとインスタンス名」を参照してください。

例: oid_das

ias_adminパスワード」および「パスワードの確認」: ias_adminユーザーのパスワードを設定します。これはインスタンスの管理ユーザーです。パスワードの制限については、3.5項「ias_adminユーザーとそのパスワードの制限」を参照してください。

例: welcome99

次へ」をクリックします。 

9.6.5 各ノードへのOracleAS Single Sign-OnおよびOracle Delegated Administration Servicesのインストール

各ノードで別々にインストーラを実行して、次のOracle Identity Managementコンポーネントをインストールします。

9.6.5.1 staticports.iniファイルの設定

Oracle HTTP Server以外のコンポーネントのカスタム・ポートを使用する場合は、このインストール用のstaticports.iniファイルを作成する必要があります。

Oracle HTTP Serverにカスタム・ポートが必要な場合は、「HTTPロード・バランサのホストおよびリスニング・ポートの指定」画面でそれらを指定します。

staticports.iniファイルにもOracle HTTP Serverのカスタム・ポートを指定し、前述の画面でもポートを指定すると、画面で指定したポートが優先されます。

staticports.iniファイルにOracle HTTP Serverのポートが指定されないようにするには、staticports.iniファイルに次の行が含まれないようにする必要があります。

Oracle HTTP Server port = port_num
Oracle HTTP Server Listen port = port_num
Oracle HTTP Server SSL port = port_num
Oracle HTTP Server Listen (SSL) port = port_num

また、staticports.iniファイルがある場合は、後続のノードへのインストールにも同じファイルを使用する必要があります。

9.6.5.2 インストーラの起動

注意:

9.7 インストール後の手順

すべてのノードにOracle Identity Managementコンポーネントをインストールした後、すべてのノードにリクエストが送られるようにロード・バランサを再構成します。インストールを開始する前に、リクエストがノード1にのみ送られるようにロード・バランサを構成したためです。詳細は、9.2.4項「LDAP仮想サーバーの構成」を参照してください。

この項では、次のインストール後の手順について説明します。

9.7.1 状態レプリケーションのためのOC4J_Securityインスタンスのクラスタ化(最初のOracle Delegated Administration Servicesノードのみ)

Oracle Application Serverで、ステートフルWebアプリケーションの状態をDCM-Managed OracleAS Cluster間で確実に保持するには、Webアプリケーションの状態レプリケーションを構成する必要があります。状態レプリケーションは、Oracle Delegated Administration Servicesがインストールされている最初のノードでのみ構成します。

OC4J_Securityインスタンス用に状態レプリケーションを構成するには、次の手順を実行します。

  1. Application Server Controlコンソールを使用して、Oracle Delegated Administration Servicesを含むインスタンスのApplication Serverのホーム・ページに移動します。

  2. Application Serverのホーム・ページの「OC4J_SECURITY」リンクを選択します。

  3. OC4Jのホーム・ページの「管理」リンクを選択します。

  4. 「インスタンス・プロパティ」領域の「レプリケーション・プロパティ」リンクを選択します。

  5. 「Webアプリケーション」セクションにスクロール・ダウンします。図9-3にこのセクションを示します。

    図9-3    Webの状態レプリケーションの構成


    画像の説明

  6. セッション状態レプリケーション」チェックボックスを選択します。

    オプションで、マルチキャスト・ホストIPアドレスおよびポート番号を指定できます。マルチキャスト・アドレスのホストおよびポートを指定しない場合は、デフォルトのホストIPアドレス230.230.0.1およびポート番号9127が使用されます。ホストIPアドレスは、224.0.0.2〜239.255.255.255である必要があります。HTTPおよびEJBマルチキャスト・アドレスの両方に同じマルチキャスト・アドレスを使用しないでください。


    注意:

    マルチキャスト・アドレスを選択する場合は、そのアドレスが次に示すアドレスと競合しないことを確認してください。

    http://www.iana.org/assignments/multicast-addresses

    また、アドレスの下位23ビットがローカル・ネットワークの制御ブロック(224.0.0.0〜224.0.0.255)と同じ場合、競合が発生する可能性があります。この問題を回避するには、この範囲のアドレスと同じビット数をアドレスの下位23ビットに持たないアドレスを指定します。 


9.7.2 Oracle Internet Directoryのポートの変更

LDAP仮想サーバーのポートとOracle Internet Directoryを同じにすることをお薦めしますが、異なるポートを使用することもできます。

ポートの変更方法については、『Oracle Application Server管理者ガイド』のOracle Internet DirectoryのOracle Internet Directoryのポートの変更に関する項を参照してください。

9.7.3 targets.xmlの更新(ケース2のみ)

次の構成手順は、9.4.2項「ケース2: クライアント ---[HTTPS]---> ロード・バランサ ---[HTTPS]---> Oracle HTTP Server」で説明するインストール例でのみ必要です。

この場合、クラスタの各物理ホスト上のtargets.xmlファイルのoracle_sso_serverエントリは、ローカルSSLポートを監視するように再構成される必要があります。


注意:

ホスト名は同一のものを使用する必要があることに注意してください。ホスト名は変更しないでください。 


クラスタの各ノード上のtargets.xmlを更新するには、次の手順を実行します。

  1. targets.xmlファイルをバックアップします。

    cp ORACLE_HOME/sysman/emd/targets.xml 
        ORACLE_HOME/sysman/emd/targets.xml.BACKUP
    
    
  2. ファイルを開いて、oracle_sso_serverターゲット・タイプを検索します。このターゲット・エントリ内で、次の2つの属性を検索して編集します。

    • HTTPPort: サーバーのSSLポート番号

    • HTTPProtocol: サーバー・プロトコル(この場合はHTTPS

      たとえば、この2つの属性を次のように更新します。

      <Property NAME="HTTPPort" VALUE="4443"/>
      <Property NAME="HTTPProtocol" VALUE="HTTPS"/>
      
      
  3. ファイルを保存して閉じます。

  4. OracleASコンソールを再ロードします。

    ORACLE_HOME/bin/emctl reload

9.8 OracleAS Cluster(Identity Management)構成への中間層のインストール

インストール前

中間層のインストールを開始する前に、Oracle Internet Directoryの1つのノードのみを指すように、Oracle Internet Directoryで使用しているLDAPロード・バランサを構成します。

インストール

OracleAS Cluster(Identity Management)構成に中間層をインストールする場合は、ご使用の中間層のリリースに応じたOracle Application Serverインストレーション・ガイドで説明している中間層のインストール手順に従います。

Oracle Internet Directoryのホストおよびポートを入力するようにインストーラによって要求された場合は、ロード・バランサに構成されているLDAP仮想ホスト名および関連付けられたポートを入力します。

インストール後

中間層のインストール後、Oracle Internet Directoryのすべてのノードを指すようにLDAPロード・バランサを再構成できます。


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