ヘッダーをスキップ
Oracle Identity Manager IBM RACF Connectorガイド
リリース9.0.2
B31922-01
  目次
目次
索引
索引

戻る
戻る
 
次へ
次へ
 

1 コネクタについて

Oracle Identity Managerでは、アクセス権の管理、セキュリティおよびITリソースのプロビジョニングが自動化されています。Oracle Identity Managerコネクタは、Oracle Identity Managerとサード・パーティ製アプリケーションの統合に使用されます。IBM RACFのためのコネクタは、Oracle Identity ManagerをIBM RACFと統合するために使用されます。


注意:

Oracle Identity Managerコネクタは、オラクル社がThor Technologies社を企業買収する前はリソース・アダプタと呼ばれていました。

この章では、次の項目について説明します。

サポートされている機能

次の表に、このコネクタで使用可能な機能を示します。

機能 タイプ 説明
Create RACF New User プロビジョニング ユーザー・アカウントを作成します。
Delete a RACF User プロビジョニング ユーザー・アカウントを削除します。
Name Updated プロビジョニング ユーザー・アカウントの名前を変更します。
Password Updated プロビジョニング ユーザー・アカウントのパスワードを変更します。
Owner Updated プロビジョニング ユーザー・アカウントの所有者を変更します。
Department Updated プロビジョニング ユーザー・アカウントの部門を変更します。
Default Group Updated プロビジョニング ユーザー・アカウントのデフォルト・グループを変更します。
Installation data Updated プロビジョニング ユーザー・アカウントのインストール・データを変更します。

インストール・データは、任意のインストール、システムまたはプロジェクトの関連データを含むことのできるフィールドです。

Operations Updated プロビジョニング ユーザー・アカウントの「操作」属性を変更します。
Special Updated プロビジョニング ユーザー・アカウントの「特別」属性を変更します。
Auditor Updated プロビジョニング ユーザー・アカウントの「監査者」属性を変更します。
Group Access Updated プロビジョニング ユーザー・アカウントの「グループ・アクセス」属性を変更します。
Enables a RACF User プロビジョニング ユーザー・アカウントを有効化して、ユーザーがIBMメインフレーム・サーバーにログインできるようにします。
Disables a RACF User プロビジョニング ユーザー・アカウントを無効化して、ユーザーがIBMメインフレーム・サーバーにログインできないようにします。
Connect Group プロビジョニング ユーザーをIBM RACFのグループに接続します。
Disconnect Group プロビジョニング ユーザーをIBM RACFのグループから削除します。
Add TSO to a User プロビジョニング ユーザーにTime Sharing Option(TSO)アクセスを提供します。

TSOは、IBMメインフレームのz/OSのサブシステムの1つです。

Remove TSO プロビジョニング ユーザーからTSOアクセスを削除します。
Reconcile Lookup Field リコンシリエーション 参照フィールドをリコンサイルします。
Reconcile User Data リコンシリエーション ユーザー・データをリコンサイルします。


関連項目:

Oracle Identity ManagerとIBM RACFの間の属性マッピングの情報は、付録Aを参照してください。

多言語サポート

このリリースのコネクタでは、英語のみでなく、次の言語もサポートしています。


注意:

IBM RACFでは、ASCII以外の文字のエントリはサポートされていません。この制限の詳細は、第4章を参照してください。

リコンシリエーション・モジュール

この項では、リコンシリエーション・モジュールがリコンシリエーション・イベント・レコードを構成するためにターゲット・システムから抽出する要素について説明します。

リコンシリエーションは、次のタイプに分類されます。

参照フィールド・リコンシリエーション

参照フィールド・リコンシリエーションには、次に示すIBM RACFの参照フィールドのリコンサイルが含まれます。

  • Group

  • TSO Procedure

  • TSO Account Number

ユーザー・リコンシリエーション

ユーザー・リコンシリエーションには、次に示すIBM RACFのユーザー属性のリコンサイルが含まれます。

名前 説明 データ型
一般的なユーザー・データ

userid RACFシステムでのユーザーID String
owner ユーザーの所有者 String
name ユーザーの表示名 String
default group ユーザーに関連付けられているデフォルト・グループ String
operations 操作権限 Number
auditor 監査者権限 Number
special 特別権限 Number
grp access グループ・アクセス権限 Number
department 部門名 String
ユーザー・グループ・データ

Groups 子表 複数値の属性
group name グループ名 String
revoke date グループに関連付けられた失効日 String
authorization 認可権限 String
ユーザーTSOデータ

TSO 子表 複数値の属性
account number TSOアカウント番号 String
procedure TSOプロシージャ名 String

コネクタを構成するファイルおよびディレクトリ

このコネクタを構成するファイルとディレクトリは、インストール・メディアにある次のZIPファイルに圧縮されています。

Security Applications\IBM RACF\IBM RACF Rev 1.2.0.zip

これらのファイルとディレクトリを次の表に示します。

インストール・メディア・ディレクトリのファイル 説明
xml\racfResAdp.xml
このXMLファイルには、コネクタの次のコンポーネントの定義が含まれます。
  • ITリソース・タイプ

  • ITリソース

  • リソース・オブジェクト・フォーム

  • プロセス定義

  • プロセス・タスク

  • コネクタ・タスク

lib\JavaTask\xlUtilHostAccess.jar
このJARファイルには、プロビジョニングに必要なクラス・ファイルが含まれます。
lib\ScheduleTask\xlReconRACF.jar
このJARファイルには、リコンシリエーションに必要なクラス・ファイルが含まれます。
lib\ThirdPartyI\InitialLoginSequence.txt
このファイルには、コネクタがIBMメインフレーム・サーバーへの接続に使用するログイン順序が含まれます。ログイン順序には、コネクタとIBMメインフレーム・サーバー間のTelnetセッションに提供される値の順序が含まれます。これらの値は、メインフレームのターゲット・サーバーのREADYプロンプトが表示されるまでに、TSOログイン・プロセスの一部である各画面を移動する際に必要です。

このファイルの値は、ITリソース値およびリテラルを保持する変数の形式で提供されます。マシンにより異なるこのファイルは、デプロイ後に変更する必要があります。

lib\ThirdParty\LogoutSequence.txt
このファイルには、コネクタがIBMメインフレーム・サーバーからのログオフに使用するログオフ順序が含まれます。ログオフ順序には、コネクタとIBMメインフレーム・サーバー間のTelnetセッションに提供される値の順序が含まれます。これらの値は、メインフレームのターゲット・サーバーのREADYプロンプトからのTSOログオフ・プロセスの一部である各画面を移動する際に必要です。

このファイルの値は、ITリソース値およびリテラルを保持する変数の形式で提供されます。マシンにより異なるこのファイルは、デプロイ後に変更する必要があります。

lib\ThirdParty\CustomizedCAs.jar
このファイルは、Oracle Identity ManagerおよびIBMメインフレーム・サーバー間のSSL接続の設定に使用されます。
lib\ThirdParty\InputFields.txt
このファイルには、IBMメインフレーム・サーバーへの接続に必要な接続パラメータの値が含まれます。このファイルは、トラブルシューティング・ユーティリティとともに使用されます。
RACF Scripts\SYSTMDAT
このファイルは、メインフレーム・システムへのジョブ構成パラメータの指定に使用されます。
RACF Scripts\JCLSRC
このファイルは、リコンシリエーションで使用するバックグラウンド・ジョブの発行に使用されます。これは、IBMメインフレーム・サーバーのプロシージャ・ライブラリのメンバーです。プロシージャ・ライブラリは、メンバー・ファイルを含むパーティション化されたデータセットです。
RACF Scripts\DATAUNLD
このファイルにより、SYSTMDATおよびJCLSRCファイルのデータが一時ファイルにマージされ、バックグラウンド・ジョブが発行されます。このバックグラウンド・ジョブにより、IBM RACFデータベースの複合化されたコピーが準備され、データを書式設定するための個々のREXXコード・スクリプトが呼び出されます。
RACF Scripts\DATAEXTT
このファイルにより、IBM RACFデータベースの複合化されたコピーが使用され、リコンシリエーションに必要なユーザー関連のレコードが一時ファイルに抽出されます。これは、IBMメインフレーム・サーバーのプロシージャ・ライブラリのメンバーです。
RACF Scripts\RXDPTADD
このファイルにより、ユーザーの部門データが一時ファイルからコピーされ、その情報がユーザーの基本データに追加されます。これは、IBMメインフレーム・サーバーのプロシージャ・ライブラリのメンバーです。
RACF Scripts\RXTSOADD
このファイルにより、ユーザーのTSOデータが一時ファイルからコピーされ、その情報がユーザーの基本データに追加されます。これは、IBMメインフレーム・サーバーのプロシージャ・ライブラリのメンバーです。
RACF Scripts\RXGRPADD
このファイルにより、ユーザーのグループ権限データが一時ファイルからコピーされ、その情報がユーザーの基本データに追加されます。これは、IBMメインフレーム・サーバーのプロシージャ・ライブラリのメンバーです。
RACF Scripts\RXPRVADD
このファイルにより、ユーザーの接続権限データが一時ファイルからコピーされ、その情報がユーザーの基本データに追加されます。これは、IBMメインフレーム・サーバーのプロシージャ・ライブラリのメンバーです。
RACF Scripts\RXPRNTDT
このファイルにより、ユーザー・リコンシリエーション・データがIBMメインフレームからOracle Identity Managerに渡されます。これは、IBMメインフレーム・サーバーのプロシージャ・ライブラリのメンバーです。
RACF Scripts\JOBSTAT
このファイルにより、リコンシリエーションに使用されるバックグラウンド・ジョブのステータスが決定されます。これは、IBMメインフレーム・サーバーのプロシージャ・ライブラリのメンバーです。
RACF Scripts\RXDIFFER
このファイルにより、新旧のデータベース・イメージの差異が提供されます。これは、IBMメインフレーム・サーバーのプロシージャ・ライブラリのメンバーです。
RACF Scripts\RECNLKUP
このファイルにより、参照フィールド・データが提供されます。これは、IBMメインフレーム・サーバーのプロシージャ・ライブラリのメンバーです。
resourcesディレクトリのファイル これらの各ファイルには、コネクタで使用されるロケール固有の情報が含まれます。
docs\B32155_01.pdf
このガイド。コネクタのデプロイ手順について説明しています。


注意:

testディレクトリ内のファイルは、コネクタ上でテストを実行する場合にのみ使用します。

「手順5: 外部コードのコピー」で、これらのファイルを必要なディレクトリにコピーする方法を説明します。

コネクタのリリース番号の確認

コネクタのリリース番号を確認するには、次のようにします。

  1. xlReconRACF.jarファイルの内容を抽出します。このファイルは、インストール・メディア・ディレクトリ内のlib\ScheduleTaskディレクトリにあります。

  2. テキスト・エディタで、xlReconRACF.jarファイル内にバンドルされているファイルの1つであるmanifest.mfファイルを開きます。

    manifest.mfファイルで、コネクタのリリース番号がVersionプロパティの値として表示されます。