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Oracle Identity Manager Audit Report開発者ガイド
リリース9.0
B31970-01
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4 レポート用セカンダリ・データソース

Oracle Identity Managerを構成して、1つのデータベースを現行トランザクション・データに使用し、セカンダリ・データベースを履歴データに使用するようにできます。セカンダリ・データベースにより、トランザクション・データベースの負荷が軽減されます。

セカンダリ・データベースには、異なるデータソースを使用できます。次の各項では、セカンダリ・データソースを使用するために、Oracle Identity Managerとアプリケーション・サーバーを構成する方法について説明します。

この章の内容は次のとおりです。

セカンダリ・データソースへのユーザー・プロファイル監査の書込み

ユーザー・プロファイル監査データのサイズは、急速に増える場合があります。セカンダリ・データベースを使用してこの情報を格納することをお薦めします。次のシステム・プロパティを使用すると、このデータベースに対して直接読取りおよび書込みができるようになります。

XL.UserProfileAuditInSecondaryDS

デフォルトでは、XL.UserProfileAuditInSecondaryDSプロパティはfalseに設定されています。このプロパティをtrueに設定すると、すべてのユーザー・プロファイル・データの読取りおよび書込みは、セカンダリ・データベースに対して直接行われます。

セカンダリ・データベースを構成すると、すべての履歴レポートがセカンダリ・データベースに対して実行されるように自動的に構成されます。

ユーザー・プロファイル監査では、セカンダリ・データベースと直接やり取りします。レポートにはアクセス制御およびレポートのフィルタ処理のために他の表が必要であるため、トランザクション・データベースからそれらの表をレプリケートする必要があります。データのバックアップ、リストアまたはレプリケーションを簡単にするために、これらの表および制約を無効にできます。

表4-1に、使用される表および制約を示します。

表4-1 履歴レポートで使用される表および制約

表名 外部キー制約名 参照表名 参照列名

AAD

FK_AAD_FK_AAD_AC_ACT

ACT

ACT_KEY


FK_AAD_FK_AAD_UG_UGP

UGP

UGP_KEY

ACT

FK_ACT_ACT

ACT

PARENT_KEY


FK_ACT_SRP

SRP

SRP_KEY

GPG

FK_GPG_UGP

UGP

UGP_KEY


FK_GPG_UGP_KEY_UGP

UGP

GPG_UGP_KEY

OUG

FK_OUG_OBJ

OBJ

OBJ_KEY


FK_OUG_UGP

UGP

UGP_KEY

POL




PTY




REQ

FK_REQ_ORC

ORC

ORC_KEY


FK_REQ_OST

OST

OST_KEY


FK_REQ_USR

USR

USR_KEY

UGP




USG

FK_USG_RUL

RUL

RUL_KEY


FK_USG_UGP

UGP

UGP_KEY


FK_USG_USR

USR

USR_KEY

USR

FK_USR_ACT

ACT

ACT_KEY


セカンダリ・データソースの設定手順

セカンダリ・データベースを設定するには、次のようにします。

  1. セカンダリ・データベースを作成します。

    トランザクション・データベースを異なるデータベース名でバックアップおよびリストアするか、レプリケートできます。

  2. セカンダリ・データベースを使用するように、アプリケーション・サーバーを設定します。

    詳細は、次の各項を参照してください。

  3. システム・プロパティXL.UserProfileAuditInSecondaryDSTrueに設定します。

    この設定により、ユーザー・プロファイル監査データはセカンダリ・データベースに格納されます。

  4. データの日次レプリケーションを構成し、表4-1に示したセカンダリ・データベース内の表がプライマリ・データベースから更新されるようにします。セカンダリ・データベースが有効になった後に、プライマリ・データベース全体をセカンダリ・データベースにレプリケートしないでください。レプリケートすると、セカンダリ・データベースに格納されていた監査データが削除されます。

    あるいは、完全なリストアまたはレプリケーションのいずれかを設定します。

  5. すべてのストアド・プロシージャがセカンダリ・データベースに正しくレプリケートされていることを確認します。

  6. 接続URLを次のように定義します。

    • Oracle Databaseの場合:

      jdbc:oracle:thin:@<IP of database>:<SID>

    • SQL Serverの場合:

      jdbc:Microsoft:sqlserver://<IP of database>:<Port>;DatabaseName=<SID>;SelectMethod=Cursor

JBossをセカンダリ・データソースとともに使用する方法

新しいデータソースをJBossに作成するために、xlreportds-service.xmlという新しいファイルが設定によってデプロイ・ディレクトリに作成されます。このファイルでは、トランザクション・データベースに対する別名がjava:jdbc/xlXAReportingDS設定を使用して作成されます。

JBossのセカンダリ・データベースを指すようにするには、次のようにします。

  1. エディタでxell-ds.xmlファイルを開きます。

  2. Oracle Databaseの場合、次のコードを2つ目のxa-datasourceタグとしてxell-ds.xmlに追加します。

    <xa-datasource>
    <jndi-name>jdbc/xlXAReportingDS</jndi-name>
    <track-connection-by-tx>true</track-connection-by-tx>
    <isSameRM-override-value>false</isSameRM-override-value>
    <xa-datasource-class>oracle.jdbc.xa.client.OracleXADataSource </xa-datasource-
    class>
    <xa-datasource-property name="URL">jdbc:oracle:thin:@<IP of database system>:
    1521:XELL </xa-datasource-property>
    <xa-datasource-property name="User">sysadm</xa-datasource-property>
    <xa-datasource-property name="Password">sysadm</xa-datasource-property>
    <exception-sorter-class-name> org.jboss.resource.adapter.jdbc.vendor.
    OracleExceptionSorter </exception-sorter-class-name>
    <no-tx-separate-pools/>
    <valid-connection-checker-class-name> org.jboss.resource.adapter.jdbc.vendor.
    OracleValidConnectionChecker </valid-connection-checker-class-name>
    </xa-datasource>
    
    

    SQL Serverの場合、セカンダリ・データベースのタグは、次のようになります。

      <xa-datasource>
        <jndi-name>jdbc/xlXADS</jndi-name>
        <track-connection-by-tx>true</track-connection-by-tx>
        <xa-datasource-class>
          com.microsoft.jdbcx.sqlserver.SQLServerDataSource</xa-datasource-class>
        <xa-datasource-property name="ServerName"><IP of database system>      </xa-datasource-property>
        <xa-datasource-property name="DatabaseName">XELL</xa-datasource-property>
        <xa-datasource-property name="SelectMethod">cursor</xa-datasource-property>
        <xa-datasource-property name="PortNumber">1433</xa-datasource-property>
        <user-name>sysadm</user-name>
        <password>sysadm</password>
        <check-valid-connection-sql>
          select 1 from USR where 1=2
        </check-valid-connection-sql>
      </xa-datasource>
    
    

    Oracle Databaseの場合とSQL Serverの場合では、クラス名は次に示すように異なります。

    • Oracleの場合:

      oracle.jdbc.xa.client.OracleXADataSource

    • SQL Serverの場合:

      com.microsoft.jdbcx.sqlserver.SQLServerDataSource

  3. セカンダリ・データベースとして設定するデータベースに接続するためのデータベース名、ユーザー名およびパスワードを変更します。

  4. xlreportds-service.xmlファイルを削除します。

  5. JBossサーバーを再起動します。


注意:

エラーの原因となるため、この項のxa-datasourceブロックを追加したり、jdbc/xlXAReportingDSがトランザクション・データベースを指すように設定しないでください。同じトランザクション・データベースを指すようにするには、xlreportds-service.xmlファイルを現状のままにしておきます。

JBoss用のクラスタ構成

スタンドアロン設定では、xell-ds.xmlファイルとxlreportds-service.xmlファイルは、JBOSS_HOME\server\default\deploy\ディレクトリにあります。

クラスタ化設定では、xell-ds.xmlファイルはJBOSS_HOME\server\all\farm\ディレクトリに、xlreportds-service.xmlファイルは JBOSS_HOME\server\all\deploy\ディレクトリにあります。

JBoss用にクラスタを構成するには、次のようにします。

  1. xell-ds.xmlファイルに対する変更をクラスタ内のすべてのコンピュータにコピーします。

  2. クラスタ内のすべてのコンピュータでJBossサーバーを再起動します。

Weblogicをセカンダリ・データソースとともに使用する方法

Oracle Identity Managerでレポートの作成に使用されるデータソースを変更する前に、新しいデータソースをWeblogicに作成します。Weblogicのマニュアルに従って、新しいデータソースを設定します。

Oracle Databaseを使用してWeblogicをセカンダリ・データソースとともに構成するには、次のようにします。

  1. Weblogic管理コンソールにログインします。

  2. JDBC接続プールにナビゲートします。

  3. 次の資格証明を使用して接続プールを作成します。

    • 名前: xlXAReportConnectionPool

    • URL: jdbc:oracle:thin:@<database IP address>:<port no>:<SID>

    • クラス名: oracle.jdbc.xa.client.OracleXADataSource

    • ユーザー名: <secondary database user name>

    • パスワード: <secondary database password>

  4. セカンダリ・データソースを作成し、サーバーにデプロイします。

    Weblogic管理コンソールでJDBCデータソースにナビゲートし、次の資格証明を使用してデータソースを作成します。

    • JNDI名: jdbc/xlXAReportingDS

    • プール名: xlXAReportConnectionPool

  5. 新しいデータソースを指すように、XL_HOME/Xellerate/profiles/のweblogic.profileファイルを編集します。

    次のように、JNDI名をweblogic.profileに追加します。

    datasource.report=jdbc/xlXAReportingDS

  6. 変更を有効にするために、パッチ・コマンド(patch_weblogic)を実行します。

Weblogic用のクラスタ構成

Weblogic用にクラスタを構成するには、セカンダリ・データソースをクラスタのすべてのメンバーにデプロイする必要があります。

Websphereをセカンダリ・データソースとともに使用する方法

Oracle Identity Managerでレポートの作成に使用されるデータソースを変更する前に、新しいデータソースをWebsphereに作成する必要があります。新しいデータソースの設定の詳細は、Websphereのマニュアルを参照してください。

Oracle Databaseを使用してWebsphereをセカンダリ・データソースとともに構成するには、次のようにします。

  1. Websphere管理コンソールにログインします。

  2. 次の詳細情報を使用して新しいデータソースを作成します。

    • 名前: <XAReportingDataSource>

    • JNDI名: jdbc/xlXAReportingDS

  3. 接続URLを次のように定義します。

    jdbc:oracle:thin:@<IP of database>:<port_number>:<SID>

    例: jdbc:oracle:thin:@192.168.161.134:1521:xeltest

  4. 次のJ2C認証データ値を使用します。

    • 別名: <secondary user alias>

    • ユーザー: <secondary user>

    • パスワード: <secondary user password>

    • 説明: <Descriptive text for the data>

  5. 次の値を持つXAReportingDatasourceの認証別名を選択します。

    • コンポーネント管理の認証別名: <J2C Authentication Data Entries>

    • コンテナ管理の認証別名: <J2C Authentication Data Entries>

  6. 変更を保存し、すべてのノード間で同期化します。

  7. websphere.profileファイルを開き、XL_HOME/xellerate/Profilesディレクトリの新しいデータソースを指すJNDI情報を追加します。

    次のように、既存のxlXADSのデータソース・エントリをコメント化してxlXAReportingDSの情報を追加します。

    # Reporting data source
    #datasource.report=jdbc/xlXADS
     datasource.report=jdbc/xlXAReportingDS
    
    
  8. 次のJavaクライアント・システム・プロパティをtrueに設定します。

    XL.UserProfileAuditInSecondaryDS=True
    
    
  9. XL_HOME\xellerate\setupディレクトリのpatch_websphere.cmdまたはpatch_websphere.shを規定どおりに実行します。

Websphere用のクラスタ構成

Websphere用にクラスタを構成するには、次のようにします。

  1. クラスタに関与するすべてのノードでそれぞれのwebsphere.profileファイルを変更します。

  2. ネットワーク・デプロイメント・マネージャ(NDM)ノードからXL_HOME\xellerate\setupディレクトリのpatch_websphere.cmdまたはpatch_websphere.shを規定どおりに実行します。

  3. すべてのノードおよびサーバーを停止して再起動します。