コネクタのデプロイ後には、コネクタが正常に機能することを確認するためにテストを行う必要があります。この章では、次に示すテストのタイプについて説明します。
接続テスト: すべてのメッセージ・トランスポート・レイヤーにはオープン・ポートに対する依存性があり、アプリケーション間およびシステム間におけるアプリケーション・データの交換を可能にしています。このテストでは、Oracle Identity Managerシステムからメインフレーム・システムのオープン・ポートを確認します。IBM MQ SeriesおよびTCP/IPメッセージ・トランスポート・レイヤーのどちらも、通信をオープン・ポートに依存しています。
プロビジョニング・テスト: このタイプのテストでは、Oracle Identity Managerを使用して、Oracle Identity Managerのユーザーまたは組織の1つをターゲット・リソースでプロビジョニングまたはプロビジョニング解除します。つまり、コネクタのスタート・ポイントをOracle Identity Managerとし、ターゲット・リソースがエンド・ポイントになります。
リコンシリエーション・テスト: このタイプのテストでは、Oracle Identity Managerをターゲット・リソースでリコンサイルします。つまり、コネクタのスタート・ポイントをターゲット・リソースとし、Oracle Identity Managerがエンド・ポイントになります。
この章では、次の項目について説明します。
この項では、コネクタのオープン・ポートのテストを説明します。オープン・ポートのテストは、Oracle Identity Managerサーバー・システムで行われます。
次のテストは、必要なポートがメインフレームに対して開かれているOracle Identity Managerサーバーで実行されることを仮定しています。
IBM MQ Seriesメッセージの場合、標準ポートは1414です。このポートへの接続性は、Oracle Identity Managerサーバーからテストされます。
TCP/IPメッセージ・トランスポート・レイヤーは、複数の異なるポートに依存しています。ポートは、Oracle Identity Managerサーバーからメインフレームに対してチェックする必要があります。CA-ACF2へのプロビジョニングでは、ポート5791用に2つのシステム間のオープン・ポートを確認します。Reconciliation Agentはポート5190を使用します。
注意:
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この項では、このコネクタに関連付けられた機能およびパフォーマンスのテスト・ケースを説明します。次の表には、CA-ACF2 Advanced Connectorにおけるテスト・ケースの実行に関する情報を示します。
テスト・ケース | テスト・タイプ | 説明/コメント |
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CA-ACF2パスワードを変更するテスト | プロビジョニング | ユーザー・パスワードが変更されます。変更は、コネクタを介してメインフレームに通知されます。 |
CA-ACF2パスワードをリセットするテスト | プロビジョニング | ユーザー・パスワードがリセットされます。変更は、コネクタを介してメインフレームに通知されます。 |
CA-ACF2ユーザーを作成するテスト | プロビジョニング | ユーザーが作成されます。変更は、コネクタを介してメインフレームに通知されます。 |
CA-ACF2ユーザー・アカウントを失効/無効化するテスト | プロビジョニング | ユーザー・アカウントを失効します。変更は、コネクタを介してメインフレームに通知されます。 |
CA-ACF2ユーザー・アカウントを再開するテスト | プロビジョニング | ユーザー・アカウントが失効した状態から再開されます。変更は、コネクタを介してメインフレームに通知されます。 |
CA-ACF2ユーザーをリストするテスト | プロビジョニング | ユーザーのリストが、メインフレームのCA-ACF2リポジトリから取得されます。 |
CA-ACF2ユーザーによるリソース・プロファイルへのアクセスを許可するテスト | プロビジョニング | ユーザーがメインフレーム・リソースへのアクセスを認可されます。変更は、コネクタを介してメインフレームに通知されます。 |
CA-ACF2ユーザーによるTSOへのアクセスを許可するテスト | プロビジョニング | ユーザーがTSOを介してメインフレームにログオンするようプロビジョニングされます。変更は、コネクタを介してメインフレームに通知されます。 |
CA-ACF2ユーザーによるデータセットへのアクセス権を削除するテスト | プロビジョニング | ユーザーはメインフレームのデータセットへのアクセス権を削除されます。変更は、コネクタを介してメインフレームに通知されます。 |
CA-ACF2ユーザーによるリソース・プロファイルへのアクセス権を削除するテスト | プロビジョニング | ユーザーはメインフレーム・リソースへのアクセス権を削除されます。変更は、コネクタを介してメインフレームに通知されます。 |
CA-ACF2のネイティブのパスワード変更イベントを検出およびレポートするテスト | リコンシリエーション | メインフレームでネイティブのパスワード変更が行われ、その後コネクタによって検出されます。 |
CA-ACF2のネイティブのパスワード・リセット・イベントを検出およびレポートするテスト | リコンシリエーション | メインフレームでネイティブのパスワードのリセットが行われ、その後コネクタによって検出されます。 |
CA-ACF2のネイティブのユーザー・データ作成イベントを検出およびレポートするテスト | リコンシリエーション | 管理者によりメインフレームでユーザー作成がネイティブで行われ、その後コネクタによって検出されます。 |
CA-ACF2のネイティブのユーザー失効イベントを検出およびレポートするテスト | リコンシリエーション | ユーザー・アカウント・パスワードをネイティブのメインフレーム・イベントを介して失効します。その後、コネクタによって検出されます。 |
CA-ACF2のネイティブのユーザー削除イベントを検出およびレポートするテスト | リコンシリエーション | ユーザー・アカウントがネイティブのメインフレーム・イベントを介して削除されます。その後、コネクタによって検出されます。 |
CA-ACF2のネイティブのユーザー再開イベントを検出およびレポートするテスト | リコンシリエーション | ユーザー・アカウントがネイティブのメインフレーム・イベントを介して失効した状態から再開されます。その後、コネクタによって検出されます。 |
次の表に、CA-ACF2 Advanced Connectorに関して発生する一般的な問題の一部を示します。
問題の説明 | 解決方法 |
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Oracle Identity ManagerがCA-ACF2サーバーへの接続を確立できない。 |
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メインフレームが応答しない。 |
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特定のユースケースが機能していない。 |
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CA-ACF2 Advanced Connectorのアーキテクチャは、エンタープライズ・レベルのパフォーマンスに対応できるように開発されています。exitを介してIDイベントが渡されると、Reconciliation Agentによりイベントが分析され、メッセージが作成されます。これにより、コマンドは即時にルーチンを完了できます。
特定のイベントでは、複数のexitが同時に起動されます。たとえば、パスワード変更IDイベントを生成するバッチ・ジョブは、バッチexitおよびパスワード変更exitの両方を起動します。Reconciliation Agentは両方のイベントを取得し、重複したエントリをフィルタ処理して、Oracle Identity Manager LDAP Gatewayに結果を渡します。
50,000のパスワードを変更するバッチ・ジョブは、10分以内に完了するために単一のLPARでテストされます。2つのexitが関連するため、100,000のメッセージが作成およびフィルタ処理され、MQメッセージに変換されます。その後、LDAP GatewayによるOracle Identity ManagerのIDストアの取得および更新に30分かかります。この時間のほとんどはLDAPデータベースで費やされます。
LDAP Gatewayは、特定のイベントがリコンシリエーション・コネクタを通過する際に、Oracle Identity Managerでそのイベントが生成される時期を検出するよう開発されています。Provisioning Agentイベントも、検出されるネイティブのexitイベントを作成します。フィードバック・ループを防ぐため、LDAP Gatewayで生成されたイベントは記録されますが、Oracle Identity Managerには再度レポートされません。一方、生成元がOracle Identity Manager以外のイベントはネイティブ・イベントとして扱われ、後から監査するために記録されます。
LDAP Gatewayおよびリコンシリエーションにより、ホスト・システムからIDイベントが安全に取得、フィルタ処理および記録され、Oracle Identity Managerで使用できるよう公開されます。