Oracle Identity Managerでは、アクセス権の管理、セキュリティおよびITリソースのプロビジョニングが自動化されています。Oracle Identity Managerコネクタは、Oracle Identity Managerとサード・パーティ製アプリケーションの統合に使用されます。Database User Management用のコネクタは、Oracle Identity Managerを様々なデータベースと統合するために使用されます。
注意: Oracle Identity Managerコネクタは、オラクル社がThor Technologies社を企業買収する前はリソース・アダプタと呼ばれていました。 |
この章では、次の項目について説明します。
Microsoft SQL ServerおよびSybaseでは、データベース・アクセス・エンティティは次のタイプに分けられます。
ログイン(親)
ユーザー(子)
コネクタはこれら2つのRDBMSでユーザー・プロビジョニング機能を提供する必要があるため、各データベース・アクセス・エンティティは、個別のプロビジョニング機能とリコンシリエーション機能を使用して処理されます。
ただし、Oracle DatabaseとIBM DB2 UDBの場合は、ユーザーのアカウントを作成するためにCreate Login機能で十分です。このため、Create User機能はこれらのRDBMSでは使用されません。
次の項では、各データベース・アクセス・エンティティ・タイプに対してコネクタでサポートされるプロビジョニング機能とリコンシリエーション機能の情報を示します。
次の表に、ログイン・データベース・アクセス・エンティティ・タイプに対応するコネクタの機能を示します。
注意: これらの機能のほとんどは、4つのRDBMS(IBM DB2 UDB、Microsoft SQL Server、Oracle DatabaseおよびSybase)すべてでサポートされます。 |
機能 | タイプ | 説明 | サポートされるRDBMS |
---|---|---|---|
Create Login | プロビジョニング | データベースにログインを作成する。
注意: Oracle Databaseでこの機能を実行すると、ユーザーが作成されるが、ユーザーに権限は付与されない。必要な権限を指定するには、CONNECT、RESOURCEおよびSELECT ANY TABLEという値を指定してAdd Role or Grant機能を実行。 詳細は、Add Role or Grant機能の説明を参照。 |
すべて |
Delete Login | プロビジョニング | プロビジョニング済ログインを削除する。 | すべて |
Enable Login | プロビジョニング | 無効なログインを有効にする。 | IBM DB2 UDB |
Disable Login | プロビジョニング | ログインを無効化する。 | IBM DB2 UDB |
Default DB Updated | プロビジョニング | デフォルトDBの更新属性の変更に基づいてデータベースのログイン・プロパティを更新する。
次の参照定義に適切な参照コード(有効なデータベース名に対応)を追加する必要がある。
|
Microsoft SQL ServerおよびSybase |
Full Name Updated | プロビジョニング | 「完全名」属性の変更に基づいてデータベースのログイン・プロパティを更新する。 | Sybase |
Default Role Updated | プロビジョニング | デフォルト・ロール属性の変更に基づいてデータベースのログイン・プロパティを更新する。
この機能が作動するのは、関連するロールがSybaseログインにすでに割り当てられている場合のみ。 次の参照定義に適切な参照コード(有効なロールに対応)を追加する必要がある。 Lookup.DB Role: たとえば、
|
Sybase |
Default Language Updated | プロビジョニング | 「デフォルト言語」属性の変更に基づいてデータベースのログイン・プロパティを更新する。
次の参照定義に適切な参照コード(有効なロールに対応)を追加する必要がある。 UD_Lookup.Def_Lang: たとえば、
|
Microsoft SQL ServerおよびSybase |
Password Updated | プロビジョニング | 「パスワードが更新されました」属性の変更に基づいてデータベースのログイン・プロパティを更新する。
この機能は、プロセス・フォームのパスワードが変更されると実行される。 Sybaseの場合:
|
Microsoft SQL Server、Oracle DatabaseおよびSybase |
Add Role or Grant | プロビジョニング | データベースの既存ログインにロールを追加する。
必要なロールはターゲット・システムで定義され有効であることが必要。 次の参照定義に適切な参照コード(有効なロール名に対応)を追加する必要がある。
|
Oracle DatabaseおよびSybase |
Revoke Role | プロビジョニング | データベースの既存ログインのロールを失効させる。 | Oracle DatabaseおよびSybase |
Add Tablespace | プロビジョニング | データベースの既存ログインに表領域を追加する。
必要な表領域はターゲット・システムで定義され有効であることが必要。 次の参照定義に適切な参照コード(有効な表領域に対応)を追加する必要がある。 UD_Lookup.DB_Tablespacenames: たとえば、 コード・キー: デコード: 言語: 国: |
IBM DB2 UDB |
Delete Tablespace | プロビジョニング | データベースの既存ログインの表領域を失効させる。 | IBM DB2 UDB |
Add Schema | プロビジョニング | データベースの既存ログインにスキーマを追加する。
必要なスキーマはターゲット・システムで定義され有効であることが必要。 次の参照定義に適切な参照コード(有効なスキーマ名に対応)を追加する必要がある。 UD_Lookup.DB_Schemas: たとえば、 コード・キー: デコード: 言語: 国: |
IBM DB2 UDB |
Delete Schema | プロビジョニング | データベースの既存ログインのスキーマを失効させる。 | IBM DB2 UDB |
Trusted Reconciliation for Login | リコンシリエーション | データベースからのリコンサイル済ログインに対応するログイン・アカウントをOracle Identity Managerに作成する。 | すべて |
Create Login | リコンシリエーション | ログインをリコンサイルする。 | すべて |
Update Login | リコンシリエーション | Oracle Identity Managerに存在するログインの属性をリコンサイルする。 | Microsoft SQL ServerおよびSybase |
Default DB Updated | リコンシリエーション | Oracle Identity Managerに存在するログインのデフォルトDB属性の変更内容をリコンサイルする。 | Microsoft SQL ServerおよびSybase |
Full Name Updated | リコンシリエーション | Oracle Identity Managerに存在するログインの「完全名」属性の変更内容をリコンサイルする。 | Sybase |
Default Role Updated | リコンシリエーション | Oracle Identity Managerに存在するログインのデフォルト・ロール属性の変更内容をリコンサイルする。 | Microsoft SQL ServerおよびSybase |
Default Language Updated | リコンシリエーション | Oracle Identity Managerに存在するログインの「デフォルト言語」属性の変更内容をリコンサイルする。 | Microsoft SQL ServerおよびSybase |
Add Role or Grant | リコンシリエーション | Oracle Identity Managerに存在するログインの新規追加ロールをリコンサイルする。 | Oracle DatabaseおよびSybase |
Add Tablespace | リコンシリエーション | Oracle Identity Managerに存在するログインの新規追加表領域をリコンサイルする。 | IBM DB2 UDB |
Add Schema | リコンシリエーション | Oracle Identity Managerに存在するログインの新規追加スキーマをリコンサイルする。 | IBM DB2 UDB |
次の表に、ユーザー・データベース・アクセス・エンティティ・タイプに対応するコネクタの機能を示します。
注意: 次の機能はMicrosoft SQL ServerおよびSybaseのみでサポートされます。 |
機能 | タイプ | 説明 | サポートされるRDBMS |
---|---|---|---|
Create User | プロビジョニング | データベースの既存ログインに対応するユーザーを作成する。
この機能を実行するときは、DB名フィールドに必要な値を指定する必要がある。 必要なスキーマはターゲット・システムで定義され有効であることが必要。 次の参照定義に適切な参照コード(有効なスキーマ名に対応)を追加する必要がある。
|
両方 |
Delete User | プロビジョニング | データベースの既存ログインに対応するプロビジョニング済ユーザーを削除する。
この機能を実行するには、Oracle Identity Managerの「リクエスト」フォームを使用してリクエストの取消し機能を実行する。 |
両方 |
Disable User | プロビジョニング | データベースの既存ユーザーを無効にする。
この機能によって、指定したユーザーのすべての表へのアクセスを失効させる。 |
Sybase |
Enable User | プロビジョニング | データベースの無効な既存ユーザーを有効にする。
プロビジョニング済アカウントは、デフォルトでは特定の表のセットのみにアクセスできる。 この機能によって、指定されたデータベースのすべてのシステム定義表とユーザー定義表に対するすべてのタイプのアクセス権限が、アカウントに付与される。 |
Sybase |
DB Group Updated | プロビジョニング | 「DBグループ」属性の変更に基づいてデータベースのユーザーの構成を更新する。
プロセス・フォームの「ユーザー・グループ」フィールドに入力がない場合は、プロビジョニング済ユーザーはSybaseデータベースのデフォルト・グループ 必要なグループはSybaseデータベースで定義され有効であることが必要。 次の参照定義に適切な参照コード(有効なグループ名に対応)を追加する必要がある。 UD_Lookup.DB_Group: たとえば、
|
Sybase |
Add Role | プロビジョニング | データベースの既存ユーザーにロールを追加する。
必要なロールはターゲットのMicrosoft SQL Serverデータベースで定義され有効であることが必要。 次の参照定義に適切な参照コード(有効なロール名に対応)を追加する必要がある。 Lookup.DB Role-MSSQL: たとえば、
|
Microsoft SQL Server |
Revoke Role | プロビジョニング | データベースの既存ユーザーのロールを失効させる。 | Microsoft SQL Server |
Create User | リコンシリエーション | データベースで作成されるユーザーをリコンサイルする。 | 両方 |
DB Group Updated | リコンシリエーション | Oracle Identity Managerの既存ユーザーの更新済「DBグループ」属性をリコンサイルする。 | Sybase |
Add Role | リコンシリエーション | Oracle Identity Managerの既存ログインの新規追加ロールをリコンサイルする。 | Microsoft SQL Server |
このリリースのコネクタでは、次の言語をサポートしています。
英語
ポルトガル語(ブラジル)
フランス語
ドイツ語
イタリア語
日本語
韓国語
簡体字中国語
スペイン語
繁体字中国語
関連資料: サポートされている特殊文字の詳細は、『Oracle Identity Managerグローバリゼーション・ガイド』を参照してください。 |
リコンシリエーション・モジュールがリコンシリエーション・イベント・レコードを構成するためにターゲット・システムから抽出する要素を、次の表に示します。
フィールド | IBM DB2 UDB | Microsoft SQL Server | Oracle Database | Sybase |
---|---|---|---|---|
Login | ○ | ○ | ○ | ○ |
userType | ○ | - | - | - |
Full Name | - | - | - | ○ |
DefaultTablespace | - | - | ○ | - |
dbName | ○ | - | - | - |
Roles | - | ○ | ○ | ○ |
schemaName | ○ | - | - | - |
tableSpaceName | ○ | - | - | - |
User | - | ○ | - | ○ |
Group | - | - | - | ○ |
Database | - | ○ | - | ○ |
プロビジョニング・モジュールは次のタイプに分けることができます。
次のフィールドがプロビジョニングされます。
フィールド | IBM DB2 UDB | Microsoft SQL Server | Oracle Database | Sybase |
---|---|---|---|---|
ログイン | ○ | ○ | ○ | ○ |
パスワード | ○ | ○ | ○ | ○ |
デフォルトDB | - | - | - | ○ |
デフォルト言語 | - | ○ | - | ○ |
完全名 | - | - | - | ○ |
認証タイプ | ○ | - | - | - |
表領域 | - | - | ○ | - |
データファイルのサイズ(MB) | - | - | ○ | - |
デフォルト・ロール | - | - | - | ○ |
DB2データベース | ○ | - | - | - |
DB2ユーザー・タイプ | ○ | - | - | - |
ロール | - | - | ○ | ○ |
表領域名 | ○ | - | - | - |
スキーマ名 | ○ | - | - | - |
次のフィールドがプロビジョニングされます。
フィールド | IBM DB2 UDB | Microsoft SQL Server | Oracle Database | Sybase |
---|---|---|---|---|
DBユーザー | - | ○ | - | ○ |
DB名 | - | ○ | - | ○ |
DBグループ | - | - | - | ○ |
DBの親ログイン | - | ○ | - | ○ |
認証タイプ | - | ○ | - | - |
ロール | - | - | - | ○ |
このコネクタを構成するファイルとディレクトリは、インストール・メディアにある次のディレクトリに圧縮されています。
Database Servers\Database User Management
これらのファイルとディレクトリを次の表に示します。
インストール・メディア・ディレクトリのファイル | 説明 |
---|---|
lib\xliDatabaseAccess.jar |
このファイルには、プロビジョニングとリコンシリエーションの実行に必要なクラス・ファイルが含まれる。 |
resources ディレクトリのファイル |
これらの各リソース・バンドル・ファイルには、コネクタで使用される言語固有の情報が含まれる。特定の言語に対して、各データベース・アクセス・エンティティ(ログインおよびユーザー)に1つ、計2つのリソース・バンドル・ファイルがある。
注意: リソース・バンドルは、Oracle Identity Managerのユーザー・インタフェースで表示されるローカライズ・バージョンのテキスト文字列を含むファイルである。これらのテキスト文字列には、管理およびユーザー・コンソールに表示されるGUI要素のラベルおよびメッセージが含まれる。 |
scripts\procGrantAllToUser.sql |
このファイルには、Enable User機能を実装するストアド・プロシージャのコードが含まれる。 |
scripts\procRevokeAllFromUser.sql |
このファイルには、Disable User機能を実装するストアド・プロシージャのコードが含まれる。 |
xml\xliDBAccessLogin_DM.xml |
このXMLファイルには、Database Access(ログイン)のプロビジョニングに関連するコネクタ・コンポーネントの定義が含まれる。コンポーネントは次のとおり。
|
xml\xliDBAccessScheduleTask_DM.xml |
このXMLファイルには、Database User Managementのリコンシリエーションに関連するコネクタ・コンポーネントの定義が含まれる。 |
xml\xliDBAccessUser_DM.xml |
このXMLファイルには、Database Access(ユーザー)のプロビジョニングに関連するコネクタ・コンポーネントの定義が含まれる。コンポーネントは次のとおり。
|
「手順3: コネクタ・ファイルのコピー」で、これらのファイルを必要なディレクトリにコピーする方法を説明します。
デプロイしたコネクタのリリース番号を確認するには、次のようにします。
xliDatabaseAccess.jar
ファイルの内容を抽出します。デプロイしたコネクタの場合、このファイルは次のディレクトリにあります。
OIM_home\xellerate\JavaTasks
manifest.mf
ファイルをテキスト・エディタで開きます。manifest.mf
ファイルは、xliDatabaseAccess.jar
ファイルにバンドルされているファイルの1つです。
manifest.mf
ファイルで、コネクタのリリース番号がVersion
プロパティの値として表示されます。
関連資料: 『Oracle Identity Managerデザイン・コンソール・ガイド』 |