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Oracle Identity Manager IBM RACF Standard Connectorガイド
リリース9.0.3
E05109-01
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1 コネクタについて

Oracle Identity Managerでは、アクセス権の管理、セキュリティおよびITリソースのプロビジョニングが自動化されています。Oracle Identity Managerコネクタは、Oracle Identity Managerとサード・パーティ製アプリケーションの統合に使用されます。IBM RACFのコネクタは、Oracle Identity ManagerをIBM RACFと統合するために使用されます。


注意:

Oracle Identity Managerコネクタは、オラクル社がThor Technologies社を企業買収する前はリソース・アダプタと呼ばれていました。

この章では、次の項目について説明します。

サポートされている機能

次の表に、このコネクタで使用可能な機能を示します。

機能 タイプ 説明
Create RACF New User プロビジョニング ユーザー・アカウントを作成します。
Delete a RACF User プロビジョニング ユーザー・アカウントを削除します。
Name Updated プロビジョニング ユーザー・アカウント名を変更します。
Password Updated プロビジョニング ユーザー・アカウントのパスワードを変更します。
Owner Updated プロビジョニング ユーザー・アカウントの所有者を変更します。
Department Updated プロビジョニング ユーザー・アカウントの部門を変更します。
Default Group Updated プロビジョニング ユーザー・アカウントのデフォルト・グループを変更します。
Installation data Updated プロビジョニング ユーザー・アカウントのインストール・データを変更します。

インストール・データは、任意のインストール、システムまたはプロジェクト関連のデータを含むことのできるフィールドです。

Operations Updated プロビジョニング ユーザー・アカウントの「操作」属性を変更します。
Special Updated プロビジョニング ユーザー・アカウントの「特別」属性を変更します。
Auditor Updated プロビジョニング ユーザー・アカウントの「監査者」属性を変更します。
Group Access Updated プロビジョニング ユーザー・アカウントの「グループ・アクセス」属性を変更します。
Enables a RACF User プロビジョニング IBMメインフレーム・サーバーにログインできるようにユーザー・アカウントを有効化します。
Disables a RACF User プロビジョニング IBMメインフレーム・サーバーにログインできないようにユーザー・アカウントを無効化します。
Connect Group プロビジョニング ユーザーをIBM RACFのグループに接続します。
Disconnect Group プロビジョニング IBM RACFのグループからユーザーを削除します。
Add TSO to a User プロビジョニング Time Sharing Option(TSO)アクセスをユーザーに提供します。

TSOは、IBMメインフレームのz/OSにあるサブシステムの1つです。

Remove TSO プロビジョニング ユーザーからTSOアクセスを削除します。
Reconcile Lookup Field リコンシリエーション 参照フィールドをリコンサイルします。
Reconcile User Data リコンシリエーション ユーザー・データをリコンサイルします。


関連項目:

Oracle Identity ManagerとIBM RACFの間の属性マッピングの詳細は、付録Aを参照してください。

多言語サポート

このリリースのコネクタでは、次の言語をサポートしています。


注意:

IBM RACFでは、非ASCII文字を入力できません。この制限の詳細は、第4章を参照してください。

リコンシリエーション・モジュール

この項では、リコンシリエーション・モジュールがリコンシリエーション・イベント・レコードを構成するためにターゲット・システムから抽出する要素について説明します。

リコンシリエーションは、次のタイプに分類されます。

参照フィールド・リコンシリエーション

参照フィールド・リコンシリエーションには、次のIBM RACFの参照フィールドのリコンサイルが含まれます。

  • グループ

  • TSOプロシージャ

  • TSOアカウント番号

ユーザー・リコンシリエーション

ユーザー・リコンシリエーションでは、IBM RACFの次のユーザー属性がリコンサイルされます。

Name 説明 データ型
一般的なユーザー・データ

userid RACFシステムのユーザーID String
owner ユーザーの所有者 String
name ユーザーの表示名 String
default group ユーザーに関連付けられたデフォルト・グループ String
operations 操作の権限 Number
auditor 監査者の権限 Number
special 特別な権限 Number
grp access グループ・アクセスの権限 Number
department 部門名 String
ユーザー・グループ・データ

Groups 子表 多値属性
group name グループ名 String
revoke date グループに関連付けられた日付の失効 String
authorization 認可権限 String
TSOユーザー・データ

TSO 子表 多値属性
account number TSOアカウント番号 String
procedure TSOプロシージャ名 String

コネクタを構成するファイルおよびディレクトリ

このコネクタを構成するファイルとディレクトリは、インストール・メディアにある次のディレクトリに圧縮されています。

Security Applications\IBM RACF\IBM RACF Standard

これらのファイルとディレクトリを次の表に示します。

インストール・メディア・ディレクトリのファイル 説明
lib\JavaTask\xlUtilHostAccess.jar
このJARファイルには、プロビジョニングに必要なクラス・ファイルが含まれます。
lib\ScheduleTask\xlReconRACF.jar
このJARファイルには、リコンシリエーションに必要なクラス・ファイルが含まれます。
lib\ThirdParty\CustomizedCAs.jar
このファイルは、Oracle Identity ManagerとIBMメインフレーム・サーバー間のSSL接続を設定するために使用します。
lib\ThirdPartyI\InitialLoginSequence.txt
このファイルには、コネクタがIBMメインフレーム・サーバーに接続するために使用するログイン順序が含まれます。ログイン順序には、コネクタおよびIBMメインフレーム・サーバー間のTelnetセッションに指定される値の順序が含まれます。これらの値は、TSOログイン・プロセスに含まれる様々な画面を移動して、メインフレーム・ターゲット・サーバーのREADYプロンプトに到達するために必要です。

このファイルの値は、ITリソース値およびリテラルを保持する変数の形式で提供されます。デプロイ後に、このマシン依存のファイルを変更する必要があります。

lib\ThirdParty\InputFields.txt
このファイルには、IBMメインフレーム・サーバーへの接続に必要な接続パラメータの値が含まれます。このファイルは、トラブルシューティング・ユーティリティとともに使用されます。
lib\ThirdParty\LogOutSequence.txt
このファイルには、コネクタがIBMメインフレーム・サーバーからログオフするために使用するログオフ順序が含まれます。ログオフ順序には、コネクタおよびIBMメインフレーム・サーバー間のTelnetセッションに指定される値の順序が含まれます。これらの値は、メインフレーム・ターゲット・サーバーのREADYプロンプトからのTSOログオフ・プロセスに含まれる様々な画面を移動するために必要です。

このファイルの値は、ITリソース値およびリテラルを保持する変数の形式で提供されます。デプロイ後に、このマシン依存のファイルを変更する必要があります。

RACF Scripts\DATAEXTT
このファイルはIBM RACFデータベースの複合化コピーを使用して、リコンシリエーションに必要なユーザー関連のレコードを一時ファイルへ抽出します。IBMメインフレーム・サーバーのプロシージャ・ライブラリのメンバーです。
RACF Scripts\DATAUNLD
このファイルは、SYSTMDATおよびJCLSRCファイルのデータを一時ファイルにマージしてバックグラウンド・ジョブを発行します。このバックグラウンド・ジョブで、IBM RACFデータベースの複合化コピーを準備し、個々のREXXコード・スクリプトをコールしてデータをフォーマットします。
RACF Scripts\JCLSRC
このファイルを使用して、リコンシリエーションに使用するバックグラウンド・ジョブを発行します。IBMメインフレーム・サーバーのプロシージャ・ライブラリのメンバーです。プロシージャ・ライブラリは、メンバー・ファイルを含むパーティション化したデータセットです。
RACF Scripts\JOBSTAT
このファイルで、リコンシリエーションに使用されるバックグラウンド・ジョブのステータスを決定します。IBMメインフレーム・サーバーのプロシージャ・ライブラリのメンバーです。
RACF Scripts\RECNLKUP
このファイルは参照フィールド・データを提供します。IBMメインフレーム・サーバーのプロシージャ・ライブラリのメンバーです。
RACF Scripts\RXDIFFER
このファイルは、新旧のデータベース・イメージの違いを提供します。IBMメインフレーム・サーバーのプロシージャ・ライブラリのメンバーです。
RACF Scripts\RXDPTADD
このファイルは、一時ファイルからユーザーの部門データをコピーして、その情報をユーザーの基本データに追加します。IBMメインフレーム・サーバーのプロシージャ・ライブラリのメンバーです。
RACF Scripts\RXGRPADD
このファイルは、一時ファイルからユーザーのグループ権限データをコピーして、その情報をユーザーの基本データに追加します。IBMメインフレーム・サーバーのプロシージャ・ライブラリのメンバーです。
RACF Scripts\RXPRNTDT
このファイルは、ユーザー・リコンシリエーション・データをIBMメインフレームからOracle Identity Managerに渡します。IBMメインフレーム・サーバーのプロシージャ・ライブラリのメンバーです。
RACF Scripts\RXPRVADD
このファイルは、一時ファイルからユーザーの接続権限データをコピーして、その情報をユーザーの基本データに追加します。IBMメインフレーム・サーバーのプロシージャ・ライブラリのメンバーです。
RACF Scripts\RXTSOADD
このファイルは、一時ファイルからユーザーのTSOデータをコピーして、その情報をユーザーの基本データに追加します。IBMメインフレーム・サーバーのプロシージャ・ライブラリのメンバーです。
RACF Scripts\SYSTMDAT
このファイルを使用して、ジョブ構成パラメータをメインフレーム・システムに提供します。
resourcesディレクトリのファイル これらの各リソース・バンドル・ファイルには、コネクタで使用される言語固有の情報が含まれます。

注意: リソース・バンドルは、Oracle Identity Managerのユーザー・インタフェースに表示されるローカライズ・バージョンのテキスト文字列を含むファイルです。これらのテキスト文字列には、管理およびユーザー・コンソールに表示されるGUI要素のラベルやメッセージが含まれます。

xml\racfResAdp.xml
このXMLファイルには、コネクタの次のコンポーネントの定義が含まれます。
  • ITリソース・タイプ

  • ITリソース

  • 「Resource Object」フォーム

  • プロセス定義

  • プロセス・タスク

  • コネクタ・タスク


「手順5: 外部コードのコピー」で、これらのファイルを必要なディレクトリにコピーする方法を説明します。

コネクタのリリース番号の確認

デプロイしたコネクタのリリース番号を確認するには、次のようにします。

  1. xlReconRACF.jarファイルの内容を抽出します。デプロイしたコネクタの場合、このファイルは次のディレクトリにあります。

    OIM_home\xellerate\JavaTasks
    
    
  2. manifest.mfファイルをテキスト・エディタで開きます。manifest.mfファイルは、xlReconRACF.jarファイル内にバンドルされているファイルの1つです。

    manifest.mfファイルで、コネクタのリリース番号がVersionプロパティの値として表示されます。


関連資料:

『Oracle Identity Managerデザイン・コンソール・ガイド』