この章では、リコンシリエーション・アーカイブ・ユーティリティの使用方法について説明します。内容は次のとおりです。
Oracle Identity Managerは、ターゲット・システムのリコンシリエーション・データを、アクティブ・リコンシリエーション表と呼ばれる次の表に格納します。
RCA
RCB
RCD
RCE
RCH
RCM
RCP
RCU
RPC
リコンシリエーション・プロセス中、リコンシリエーション・マネージャは、アクティブ・リコンシリエーション表のデータをOracle Identity Managerのコア表とリコンサイルします。リコンシリエーション・マネージャは、リコンサイルされたデータをアクティブ・リコンシリエーション表から削除しないため、これらの表は最終的に非常に大きくなり、その結果リコンシリエーション・プロセス時のパフォーマンスが低下することがあります。リコンシリエーション・アーカイブ・ユーティリティを使用すると、Oracle Identity Managerとリコンサイルされたデータをアーカイブできます。リコンシリエーション・アーカイブ・ユーティリティは、アーカイブされたデータを、アーカイブ・リコンシリエーション表と呼ばれる次の表に格納します。これらの表の構造は、アクティブ・リコンシリエーション表と同じです。
ARCH_RCA
ARCH_RCB
ARCH_RCD
ARCH_RCE
ARCH_RCH
ARCH_RCM
ARCH_RCP
ARCH_RCU
ARCH_RPC
リコンシリエーション・アーカイブ・ユーティリティを使用すると、次のタスクを実行できます。
アクティブ・リコンシリエーション表の全部または特定のデータをアーカイブ・リコンシリエーション表にアーカイブする。
アーカイブ・リコンシリエーション表のデータを削除する。
アクティブ・リコンシリエーション表のデータを削除する。
アクティブ・リコンシリエーション表の選択データをアーカイブ・リコンシリエーション表にアーカイブするとき、開始日、終了日およびリコンシリエーション・イベント・ステータスの各パラメータを指定してアーカイブするデータを特定する必要があります。開始日と終了日の書式は、YYYYMMDDである必要があります。リコンシリエーション・イベント・パラメータでは、リンク済イベントまたはクローズ済イベント、あるいはその両方を選択できます。リンク済イベント・ステータスは、正常にOracle Identity Managerにリコンサイルされたイベントを表します。一方、クローズ済イベント・ステータスは、リコンシリエーション・マネージャを使用して手動で閉じられたイベントを表します。選択データをアーカイブする場合、ユーティリティはアクティブ・リコンシリエーション表での外部キー制約を無効化します。アーカイブされたデータがアクティブ・リコンシリエーション表から削除されると、外部キー制約は再度有効化されます。
アクティブ・リコンシリエーション表のすべてのデータをアーカイブ・リコンシリエーション表にアーカイブする場合、リコンシリエーション・アーカイブ・ユーティリティは、ステータスがリンク済イベントまたはクローズ済イベントのリコンシリエーション・データをすべてアーカイブします。
Oracle Database版のリコンシリエーション・アーカイブ・ユーティリティを構成するファイルは、次のディレクトリにあります。
installServer/xellerate/db/oracle/Utilities/ReconArchival
SQL Server版のリコンシリエーション・アーカイブ・ユーティリティを構成するファイルは、次のディレクトリにあります。
installServer/xellerate/db/sqlserver/Utilities/ReconArchival
注意: アクティブ・リコンシリエーション表からアーカイブ・リコンシリエーション表にアーカイブされたデータは、Oracle Identity Managerから使用できなくなります。このデータにアクセスするには、Oracle Identity Managerデータベースのアーカイブ・リコンシリエーション表を問い合せる必要があります。 |
リコンシリエーション・アーカイブ・ユーティリティをOracle Databaseと使用するには、次の手順を実行する必要があります。
Oracle SQL*Plusを起動し、Oracle DatabaseにSYS
ユーザーとして接続します。
次のコマンドを入力して、アーカイブ・リコンシリエーション表用に別の表領域を作成します。DATA_DIRを、データファイルを格納するディレクトリで置き換え、必要に応じてサイズなどのパラメータを環境に合せて調整します。
CREATE TABLESPACE OIM_RECON_ARCH
DATAFILE 'DATA_DIR\reconarch_01.dbf' SIZE 1000M REUSE
EXTENT MANAGEMENT LOCAL SEGMENT SPACE MANAGEMENT AUTO;
注意: 大量のデータをアーカイブする際は、大きなサイズのUNDO表領域を割り当てることをお薦めします。 |
Oracle Identity Managerデータベース・ユーザーとしてOracle Databaseに接続します。
次のコマンドを入力してCreate_recon_arch_tables.sqlスクリプトを実行し、アーカイブ・リコンシリエーション表を作成します。
@ path/Create_recon_arch_tables.sql
次のコマンドを入力してcr_recon_ddl_table.sqlスクリプトを実行し、oim_recon_ddlという表を作成します。oim_recon_ddl表は、リコンシリエーション・アーカイブ・ユーティリティで使用されます。
@ path/cr_recon_ddl_table.sql
次のコマンドを入力してOIM_SP_ReconArchival.sqlスクリプトを実行し、リコンシリエーション・アーカイブ・ユーティリティでリコンシリエーション・データをアーカイブおよび削除するために使用するストアド・プロシージャを作成します。
@path/OIM_SP_ReconArchival.sql
リコンシリエーション・アーカイブ・ユーティリティをMicrosoft SQL Serverと使用するには、次の手順を実行する必要があります。
SQL Query Analyzerを起動し、sysadmin
のメンバーであるユーザーか、dbcreator
サーバー・ロールまたはdb_owner
データベース・ロールを持つユーザーとして、SQL Serverに接続します。
次のコマンドを入力します。DATA_DIRを、データファイルを格納するディレクトリで置き換え、必要に応じてSIZE
、MAXSIZE
およびFILEGROWTH
の各パラメータを環境に合せて調整します。これらのコマンドにより、リコンシリエーション・アーカイブ・ユーティリティでアーカイブ・リコンシリエーション・データを格納するために使用するOIM_ARCH_RECON
ファイル・グループが作成されます。
USE master GO ALTER DATABASE oim_database_name ADD FILEGROUP OIM_RECON_ARCH GO ALTER DATABASE oim_database_name ADD FILE (NAME = OIM_RECON_ARCH_01, FILENAME = 'DATA_DIR\RECON_ARCH_01.NDF', SIZE = 1000MB, MAXSIZE = 5000MB, FILEGROWTH = 25MB) TO FILEGROUP OIM_RECON_ARCH GO
SQL Serverから切断して、Oracle Identity Managerデータベース・ユーザーとして再接続します。
path/Create_recon_arch_tables.sqlスクリプトをロードして実行し、アーカイブ・リコンシリエーション表を作成します。
path/OIM_SP_ReconArchival.sqlスクリプトをロードして実行し、リコンシリエーション・アーカイブ・ユーティリティでリコンシリエーション・データをアーカイブおよび削除するために使用するストアド・プロシージャを作成します。
次の手順を実行して、リコンシリエーション・アーカイブ・ユーティリティを実行します。
Oracle Identity Managerデータベースにアクセスでき、リコンシリエーション・プロセスが実行されていないことを確認します。
注意: リコンシリエーション・アーカイブ・ユーティリティは、オフピーク時間帯に実行することをお薦めします。 |
Linux/Unixプラットフォームで、次のコマンドを実行してOIM_ReconArch.shファイルの実行権限を設定し、このファイルが有効なLinux/Unixテキスト・ファイルであることを確認します。
chmod 755 path/OIM_ReconArch.sh dos2unix path/OIM_ReconArch.sh
Linux/Unixプラットフォームでは、path/OIM_ReconArch.shファイルを実行します。Windowsプラットフォームでは、path\OIM_ReconArch.batファイルを実行します。
Oracle Databaseインストール環境で、次のパラメータの値を求められたら入力します。
Oracleホーム・ディレクトリ
Oracle Identity Managerデータベース名またはOracle Identity Managerデータベースがリモート・マシンで稼働している場合はTNS文字列
Oracle Identity Managerデータベース・ユーザー名およびパスワード
Microsoft SQL Serverインストール環境で、次のパラメータの値を求められたら入力します。
SQL Serverデータベースが稼働しているサーバー名
Oracle Identity Managerデータベース名
Oracle Identity Managerデータベース・ユーザー名およびパスワード
求められたら、次のオプションのいずれかを選択します。
1) アクティブ・リコンシリエーション表からデータをアーカイブする。
2) アーカイブ・リコンシリエーション表からすべてのデータを削除する。
3) アクティブ・リコンシリエーション表からすべてのデータを削除する。
4) 終了する。
データのアーカイブを選択した場合は、次の手順を実行します。
次のアーカイブ・オプションのいずれかを選択します。
1) 選択データをアーカイブする。
2) パフォーマンスを高くするために索引を削除および再作成して、選択データをアーカイブする。
3) すべてのデータをアーカイブする。
4) 終了する。
選択データをアーカイブする場合は、開始日と終了日を求められたらYYYYMMDD書式で入力します。
警告: 開始日以降の終了日を必ず入力してください。開始日より前の終了日を入力するとデータはアーカイブされません。 |
アーカイブするデータのリコンシリエーション・イベント・ステータスを選択します。
- クローズ済の場合は「1」を入力します。
- リンク済の場合は「2」を入力します。
- クローズ済およびリンク済の場合は「3」を入力します。
アーカイブ・リコンシリエーション表またはアクティブ・リコンシリエーション表からデータを削除することを選択した場合は、データ削除の確認を求められたら「Y」と入力します。
表8-1に、リコンシリエーション・アーカイブ・ユーティリティによって生成される出力ファイルを示します。