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Oracle Identity Managerベスト・プラクティス・ガイド
リリース9.0.3
E05088-01
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8 リコンシリエーション・アーカイブ・ユーティリティの使用方法

この章では、リコンシリエーション・アーカイブ・ユーティリティの使用方法について説明します。内容は次のとおりです。

リコンシリエーション・アーカイブ・ユーティリティについて

Oracle Identity Managerは、ターゲット・システムのリコンシリエーション・データを、アクティブ・リコンシリエーション表と呼ばれる次の表に格納します。

リコンシリエーション・プロセス中、リコンシリエーション・マネージャは、アクティブ・リコンシリエーション表のデータをOracle Identity Managerのコア表とリコンサイルします。リコンシリエーション・マネージャは、リコンサイルされたデータをアクティブ・リコンシリエーション表から削除しないため、これらの表は最終的に非常に大きくなり、その結果リコンシリエーション・プロセス時のパフォーマンスが低下することがあります。リコンシリエーション・アーカイブ・ユーティリティを使用すると、Oracle Identity Managerとリコンサイルされたデータをアーカイブできます。リコンシリエーション・アーカイブ・ユーティリティは、アーカイブされたデータを、アーカイブ・リコンシリエーション表と呼ばれる次の表に格納します。これらの表の構造は、アクティブ・リコンシリエーション表と同じです。

リコンシリエーション・アーカイブ・ユーティリティを使用すると、次のタスクを実行できます。

アクティブ・リコンシリエーション表の選択データをアーカイブ・リコンシリエーション表にアーカイブするとき、開始日、終了日およびリコンシリエーション・イベント・ステータスの各パラメータを指定してアーカイブするデータを特定する必要があります。開始日と終了日の書式は、YYYYMMDDである必要があります。リコンシリエーション・イベント・パラメータでは、リンク済イベントまたはクローズ済イベント、あるいはその両方を選択できます。リンク済イベント・ステータスは、正常にOracle Identity Managerにリコンサイルされたイベントを表します。一方、クローズ済イベント・ステータスは、リコンシリエーション・マネージャを使用して手動で閉じられたイベントを表します。選択データをアーカイブする場合、ユーティリティはアクティブ・リコンシリエーション表での外部キー制約を無効化します。アーカイブされたデータがアクティブ・リコンシリエーション表から削除されると、外部キー制約は再度有効化されます。

アクティブ・リコンシリエーション表のすべてのデータをアーカイブ・リコンシリエーション表にアーカイブする場合、リコンシリエーション・アーカイブ・ユーティリティは、ステータスがリンク済イベントまたはクローズ済イベントのリコンシリエーション・データをすべてアーカイブします。

Oracle Database版のリコンシリエーション・アーカイブ・ユーティリティを構成するファイルは、次のディレクトリにあります。

installServer/xellerate/db/oracle/Utilities/ReconArchival

SQL Server版のリコンシリエーション・アーカイブ・ユーティリティを構成するファイルは、次のディレクトリにあります。

installServer/xellerate/db/sqlserver/Utilities/ReconArchival

注意:

アクティブ・リコンシリエーション表からアーカイブ・リコンシリエーション表にアーカイブされたデータは、Oracle Identity Managerから使用できなくなります。このデータにアクセスするには、Oracle Identity Managerデータベースのアーカイブ・リコンシリエーション表を問い合せる必要があります。

リコンシリエーション・アーカイブ・ユーティリティのためのOracle Databaseの準備

リコンシリエーション・アーカイブ・ユーティリティをOracle Databaseと使用するには、次の手順を実行する必要があります。

  1. Oracle SQL*Plusを起動し、Oracle DatabaseにSYSユーザーとして接続します。

  2. 次のコマンドを入力して、アーカイブ・リコンシリエーション表用に別の表領域を作成します。DATA_DIRを、データファイルを格納するディレクトリで置き換え、必要に応じてサイズなどのパラメータを環境に合せて調整します。

    CREATE TABLESPACE OIM_RECON_ARCH
        DATAFILE 'DATA_DIR\reconarch_01.dbf' SIZE 1000M REUSE
        EXTENT MANAGEMENT LOCAL SEGMENT SPACE MANAGEMENT AUTO;
    

    注意:

    大量のデータをアーカイブする際は、大きなサイズのUNDO表領域を割り当てることをお薦めします。

  3. Oracle Identity Managerデータベース・ユーザーとしてOracle Databaseに接続します。

  4. 次のコマンドを入力してCreate_recon_arch_tables.sqlスクリプトを実行し、アーカイブ・リコンシリエーション表を作成します。

    @ path/Create_recon_arch_tables.sql
    
    
  5. 次のコマンドを入力してcr_recon_ddl_table.sqlスクリプトを実行し、oim_recon_ddlという表を作成します。oim_recon_ddl表は、リコンシリエーション・アーカイブ・ユーティリティで使用されます。

    @ path/cr_recon_ddl_table.sql
    
    
  6. 次のコマンドを入力してOIM_SP_ReconArchival.sqlスクリプトを実行し、リコンシリエーション・アーカイブ・ユーティリティでリコンシリエーション・データをアーカイブおよび削除するために使用するストアド・プロシージャを作成します。

    @path/OIM_SP_ReconArchival.sql
    
    

リコンシリエーション・アーカイブ・ユーティリティのためのMicrosoft SQL Serverの準備

リコンシリエーション・アーカイブ・ユーティリティをMicrosoft SQL Serverと使用するには、次の手順を実行する必要があります。

  1. SQL Query Analyzerを起動し、sysadminのメンバーであるユーザーか、dbcreatorサーバー・ロールまたはdb_ownerデータベース・ロールを持つユーザーとして、SQL Serverに接続します。

  2. 次のコマンドを入力します。DATA_DIRを、データファイルを格納するディレクトリで置き換え、必要に応じてSIZEMAXSIZEおよびFILEGROWTHの各パラメータを環境に合せて調整します。これらのコマンドにより、リコンシリエーション・アーカイブ・ユーティリティでアーカイブ・リコンシリエーション・データを格納するために使用するOIM_ARCH_RECONファイル・グループが作成されます。

    USE master
    GO
    ALTER DATABASE oim_database_name
    ADD FILEGROUP OIM_RECON_ARCH
    GO
    ALTER DATABASE oim_database_name
    ADD FILE
     (NAME = OIM_RECON_ARCH_01,
      FILENAME = 'DATA_DIR\RECON_ARCH_01.NDF',
      SIZE = 1000MB,
      MAXSIZE = 5000MB,
      FILEGROWTH = 25MB)
    TO FILEGROUP OIM_RECON_ARCH
    GO
    
    
  3. SQL Serverから切断して、Oracle Identity Managerデータベース・ユーザーとして再接続します。

  4. path/Create_recon_arch_tables.sqlスクリプトをロードして実行し、アーカイブ・リコンシリエーション表を作成します。

  5. path/OIM_SP_ReconArchival.sqlスクリプトをロードして実行し、リコンシリエーション・アーカイブ・ユーティリティでリコンシリエーション・データをアーカイブおよび削除するために使用するストアド・プロシージャを作成します。

リコンシリエーション・アーカイブ・ユーティリティの実行

次の手順を実行して、リコンシリエーション・アーカイブ・ユーティリティを実行します。

  1. Oracle Identity Managerデータベースにアクセスでき、リコンシリエーション・プロセスが実行されていないことを確認します。


    注意:

    リコンシリエーション・アーカイブ・ユーティリティは、オフピーク時間帯に実行することをお薦めします。

  2. Linux/Unixプラットフォームで、次のコマンドを実行してOIM_ReconArch.shファイルの実行権限を設定し、このファイルが有効なLinux/Unixテキスト・ファイルであることを確認します。

    chmod 755 path/OIM_ReconArch.sh
    dos2unix path/OIM_ReconArch.sh
    
    
  3. Linux/Unixプラットフォームでは、path/OIM_ReconArch.shファイルを実行します。Windowsプラットフォームでは、path\OIM_ReconArch.batファイルを実行します。

  4. Oracle Databaseインストール環境で、次のパラメータの値を求められたら入力します。

    • Oracleホーム・ディレクトリ

    • Oracle Identity Managerデータベース名またはOracle Identity Managerデータベースがリモート・マシンで稼働している場合はTNS文字列

    • Oracle Identity Managerデータベース・ユーザー名およびパスワード

    Microsoft SQL Serverインストール環境で、次のパラメータの値を求められたら入力します。

    • SQL Serverデータベースが稼働しているサーバー名

    • Oracle Identity Managerデータベース名

    • Oracle Identity Managerデータベース・ユーザー名およびパスワード

  5. 求められたら、次のオプションのいずれかを選択します。

    • 1) アクティブ・リコンシリエーション表からデータをアーカイブする。

    • 2) アーカイブ・リコンシリエーション表からすべてのデータを削除する。

    • 3) アクティブ・リコンシリエーション表からすべてのデータを削除する。

    • 4) 終了する。

  6. データのアーカイブを選択した場合は、次の手順を実行します。

    1. 次のアーカイブ・オプションのいずれかを選択します。

      1) 選択データをアーカイブする。

      2) パフォーマンスを高くするために索引を削除および再作成して、選択データをアーカイブする。

      3) すべてのデータをアーカイブする。

      4) 終了する。

    2. 選択データをアーカイブする場合は、開始日と終了日を求められたらYYYYMMDD書式で入力します。


      警告:

      開始日以降の終了日を必ず入力してください。開始日より前の終了日を入力するとデータはアーカイブされません。


    3. アーカイブするデータのリコンシリエーション・イベント・ステータスを選択します。

      - クローズ済の場合は「1」を入力します。

      - リンク済の場合は「2」を入力します。

      - クローズ済およびリンク済の場合は「3」を入力します。

  7. アーカイブ・リコンシリエーション表またはアクティブ・リコンシリエーション表からデータを削除することを選択した場合は、データ削除の確認を求められたら「Y」と入力します。

リコンシリエーション・アーカイブ・ユーティリティにより生成される出力ファイル

表8-1に、リコンシリエーション・アーカイブ・ユーティリティによって生成される出力ファイルを示します。

表8-1 リコンシリエーション・アーカイブ・ユーティリティにより生成される出力ファイル

ファイル 説明

Err_DB_Conn_timestamp.log

ユーティリティが指定された資格証明でデータベースに接続できなかった場合に生成されます。

Err_Arch_Recon_timestamp.log

アーカイブ・プロセスまたは削除プロセスが失敗した場合に生成されます。

Arch_Recon_timestamp.log

アーカイブ・プロセスまたは削除プロセスが成功した場合に生成されます。