この章では、JBossアプリケーション・サーバーでのリリース9.0.2からリリース9.0.3へのアップグレードについて説明します。Oracle Identity Managerの他の旧リリースからはリリース9.0.3にアップグレードしないでください。
リリース9.0.3アップグレード・パッケージの内容を既存のリリース9.0.2システムの一時ディレクトリに抽出します。
注意: このドキュメントではこの一時ディレクトリを<PATCH>と呼びます。 |
この項では、JBossにおいてリリース9.0.2からリリース9.0.3にアップグレードする方法を次の手順で説明します。
リリース9.0.3へのアップグレードの最初の手順は、アップグレード・プロセスでデータが損失しないように、既存のリリース9.0.2デプロイメントをバックアップすることです。アップグレードが失敗した場合は、このバックアップを使用してリリース9.0.2デプロイメントを元の状態にリストアすることができます。バックアップの対象は次のとおりです。
Oracle Identity Managerサーバー
Oracle Identity Manager Design Console
Oracle Identity Manager管理およびユーザー・コンソール
Oracle Identity Manager Remote Manager
リリース9.0.2で使用していたデータベース
次の手順を実行して、既存のリリース9.0.2データベース・インスタンスをリリース9.0.3にアップグレードします。
Oracle Identity Managerリリース9.0.3アップグレード・パッケージの内容をデータベース・マシンの一時ディレクトリに抽出します。このドキュメントでは、この一時ディレクトリを<PATCH>と呼びます。
<PATCH>ディレクトリのスクリプトの実行権限を有効にします。
データベース・ベンダーのドキュメントや、該当するアプリケーション・サーバー用のOracle Identity Managerのインストレーションおよびアップグレード・ガイドを参照して、データベースが適切に構成されていることを確認します。
データベースとオペレーティング・システムに応じて次のいずれかのスクリプトを使用して、データベース・スキーマをOracle Identity Managerリリース9.0.2からリリース9.0.3にアップグレードします。データベースが存在するマシンでスクリプトを実行してください。
注意: oim_db_upg_902_to_903スクリプトでは、Oracleで必要なストアド・プロシージャもアップグレードされます。 |
Linux上のOracle:
Oracle Identity Managerリリース9.0.2用のデータベースがインストールされているシステムで次のスクリプトを実行し、データベース・スキーマをアップグレードします。
<PATCH>/db/oracle/Scripts/oim_db_upg_902_to_903.sh
oim_db_upg_902_to_903.shスクリプトで表示されるプロンプトに従って、Oracleデータベースの適切な情報を入力します。
Windows上のOracle:
リリース9.0.2用のデータベースがインストールされているシステムで次のバッチ・スクリプトを実行し、データベース・スキーマをアップグレードします。
<PATCH>\db\oracle\Scripts\oim_db_upg_902_to_903.bat
コマンドラインでは、Oracle oim_db_upg_902_to_903.batスクリプトを次のように使用します。
oim_db_upg_902_to_903.bat <ORACLE_SID> <ORACLE_HOME> <ORACLE_XELL_USER> <ORACLE_XELL_USER_PWD> <PATCH>
SQL Server:
<PATCH>\db\SQLServer\Scripts\upg_902_to_903.batバッチ・ファイルを実行します。このスクリプトの実行の詳細は、付録A「SQL Serverアップグレード・スクリプトの実行」を参照してください。
次の手順を実行して、データベースのストアド・プロシージャを再コンパイルします。
注意: Oracleデータベースを使用している場合は、この手順は省略できます。oim_db_upg_902_to_903スクリプトの実行によりOracleで必要なストアド・プロシージャがすでに作成されているためです。 |
SQL Server:
プレーン・テキスト・エディタを起動して、次のファイルを開きます。
<PATCH>\db\SQLServer\StoredProcedures\compile_all_XL_SP.bat
compile_all_XL_SP.batのSequential Listsセクションにリストされているすべてのストアド・プロシージャで、文字列@sysuserをデータベース・ユーザー名で置き換えてください。SQL Serverでは、ストアド・プロシージャから起動されるファンクションをデータベース・ユーザー名(所有者)で修飾する必要があるため、この処理を行います。@記号も含めて@sysuser文字列全体を置き換えてください。
次のスクリプトを実行します。
<PATCH>\db\SQLServer\StoredProcedures\compile_all_XL_SP.bat
このスクリプトの実行の詳細は、付録A「SQL Serverアップグレード・スクリプトの実行」を参照してください。
データベースに応じて次の手順を実行し、Oracle Identity Manager監査およびコンプライアンス・モジュールをアップグレードします。
Oracle:
Oracle Identity Managerリリース9.0.2データベース・スキーマ所有者の資格証明を使用してSQL*Plusにログインします。
次のスクリプトを実行します。
<PATCH>/db/oracle/Scripts/Oracle_Enable_XACM.sql
SQL Server:
次のスクリプトを実行します。
<PATCH>\db\SQLServer\Scripts\SQLServer_Enable_XACM.bat
このスクリプトの実行の詳細は、付録A「SQL Serverアップグレード・スクリプトの実行」を参照してください。
ユーザー・プロファイル監査機能とレポート機能では、特定のメタデータがデータベースにロードされていることが必要です。Oracle Identity Managerサーバーのホスト・マシンのオペレーティング・システムに応じて次のいずれかのコマンドを実行して、Oracle Identity Managerメタデータをデータベースにロードします。
Windows:
次の.batファイルを実行します。
<PATCH>\db\Utilities\LoadXML.bat
Linux:
次のスクリプトを実行します。
<PATCH>/db/Utilities/LoadXML.sh
このスクリプトの実行の詳細は、付録B「データベースへのメタデータのロード」を参照してください。
リリース9.0.3は、JBoss 4.0.3 SP1アプリケーション・サーバーでの動作が保証されています。リリース9.0.3にアップグレードするにはJBoss 4.0.3 SP1にアップグレードする必要があります。JBoss 4.0.3 with SP1のインストールの詳細は、JBossアプリケーション・サーバーのドキュメントを参照してください。
Oracle Identity Managerリリース9.0.3インストーラ・プログラムを使用してリリース9.0.3をインストールします。JBossでのリリース9.0.3のインストールの詳細は、『Oracle Identity Manager JBoss用インストレーション・ガイド』を参照してください。
重要: リリース9.0.3をインストールするときは、インストーラ・プログラムの「データベース・サーバーの選択」画面で、リリース9.0.3にアップグレードした既存のデータベースを指定してください。リリース9.0.3にアップグレードした既存のデータベースの情報を、「データベース・サーバーの選択」画面の次のフィールドに入力します。
既存データベースに対してOracle Identity Managerをインストールするときは、既存のOracle Identity Managerインストールの.xldatabasekeyファイルを新しい<XL_HOME>\xellerate\configディレクトリにコピーする必要があります。新しい<XL_HOME>\xellerate\パスに\configディレクトリがない場合は、\configディレクトリを作成してください。 |
リリース9.0.2環境で使用していたカスタム・コードを新しいリリース9.0.3環境に移行できます。リリース9.0.2環境からカスタム・コードを移行する前に、<XL_HOME>/xellerate/libディレクトリにあるリリース9.0.3のライブラリを使用してカスタム・コードを再コンパイルする必要があります。
リリース9.0.2カスタム・コードを最初にコンパイルした統合開発環境(つまり、Eclipse、JDeveloper、WASDまたはコマンドラインjavac)で、すべてのカスタムjavaコードをリリース9.0.3のライブラリを使用して再コンパイルします。
次に、リリース9.0.3ライブラリを使用して再コンパイルした後に、リリース9.0.2から移行してリリース9.0.3で再利用できるカスタム・コードのリストを示します。
注意: クラスタ環境では、リリース9.0.3ライブラリを使用して次のコードを再コンパイルしてから、クラスタの各参加者ノードにコピーします。 |
機能するOracle Identity Managerリリース9.0.2アダプタにバインドされているカスタムjavaライブラリ(リリース9.0.3ライブラリを使用して再コンパイルしたもの)。アダプタは再コンパイルする必要はありません。リリース9.0.2の<XL_HOME>/xellerate/JavaTasksディレクトリの再コンパイル済カスタムjavaライブラリを、リリース9.0.3の<XL_HOME>/xellerate/JavaTasksディレクトリにコピーする必要があります。リリース9.0.2の<XL_RM_HOME>/xellerate/JavaTasksディレクトリの再コンパイル済カスタムjavaライブラリを、リリース9.0.3の<XL_RM_HOME>/xellerate/JavaTasksディレクトリにコピーする必要があります。
カスタム・スケジュール済タスク(リリース9.0.3ライブラリを使用して再コンパイルしたもの)。再コンパイル済のカスタム・スケジュール済タスクをリリース9.0.3の<XL_HOME>/xellerate/ScheduleTaskディレクトリにコピーする必要があります。
カスタム・イベント・ハンドラ(リリース9.0.3ライブラリを使用して再コンパイルしたもの)。再コンパイル済のカスタム・スケジュール済タスクをリリース9.0.3の<XL_HOME>/xellerate/EventHandlersディレクトリにコピーする必要があります。
コネクタのリソース・バンドル。リリース9.0.2の<XL_HOME>/xellerate/connectorResourcesディレクトリをリリース9.0.3の<XL_HOME>/xellerate/connectorResourcesディレクトリにコピーします。
カスタム・リソース。リリース9.0.2の<XL_HOME>/xellerate/customResourcesディレクトリをリリース9.0.3の<XL_HOME>/xellerate/customResourcesディレクトリにコピーします。
管理およびユーザー・コンソールのカスタム・デプロイメント。管理およびユーザー・コンソールの一部のファイルはリリース9.0.3で変更されています。リリース9.0.2の管理およびユーザー・コンソールをカスタマイズしている場合、つまりリリース9.0.2管理およびユーザー・コンソールの出荷時のデフォルトを変更している場合は、次の手順を使用して、リリース9.0.3の新しい管理およびユーザー・コンソールのファイルにカスタマイズ内容を追加する必要があります。
リリース9.0.3で変更された管理およびユーザー・コンソールのファイルを調べて、リリース9.0.2のカスタマイズ内容をリリース9.0.3のファイルに追加するには、付録C「カスタマイズした管理およびユーザー・コンソールのアップグレード」を参照してください。
Oracle Identity Managerサーバーのホスト・マシンのオペレーティング・システムに応じて次のいずれかのコマンドを実行し、JBossアプリケーション・サーバーを正常に停止します。
Windows
<JBOSS_HOME>\bin\shutdown.bat -S
UNIXおよびLinux
<JBOSS_HOME>/bin/shutdown.sh -S
次のコマンドを実行して、更新済のリリース9.0.3管理およびユーザー・コンソールにパッチを適用します。
Windows
<XL_HOME>\xellerate\setup\patch_jboss.cmd
UNIXおよびLinux
<XL_HOME>/xellerate/setup/patch_jboss.sh