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Oracle Identity Manager WebLogic用インストレーション・ガイド
リリース9.0.3.1
E05490-01
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9 クラスタWebLogic構成へのデプロイ

この章では、Oracle Identity ManagerをクラスタWebLogicアプリケーション・サーバー環境にデプロイする方法を示します。

この章では次の項目について説明します。

WebLogicクラスタについて

クラスタ環境では複数のホスト・コンピュータが必要です。ここで示す手順では3台以上のマシンを含むデプロイを使用しています。実際の構成は異なる場合があります。

表9-1に、クラスタに必要なエンティティ、エンティティが実行するコンピュータ、およびエンティティで必要なソフトウェアを示します。ホスト・コンピュータとエンティティにはラベルが付いています。

表9-1 WebLogicベースのOracle Identity Managerクラスタ・ホスト・コンピュータ

ホスト・コンピュータ エンティティ ソフトウェア 説明

ADMIN_SERVER_HOST

管理サーバー

WebLogic

管理サーバーは、WebLogicサーバー・インスタンスをドメインで構成および管理するWebLogicサーバーのインスタンス。

XLMANAGED_SERVER_HOST_n

xlManagedServer_nノード・マネージャ

WebLogic

Oracle Identity Managerサーバー

管理対象サーバーは、クラスタ・メンバーであるWebLogicサーバー・インスタンス。メンバーは管理サーバーによって制御される。クラスタ内の各アプリケーション・サーバーがOracle Identity Managerを実行する。

管理対象サーバーは、1つ以上のホスト・コンピュータで実行する(xlManagedServer_1のようにnは数字で置き換えられる)。各ホスト・コンピュータに対して複数のアプリケーション・サーバーを使用できる。

NA

xlCluster


Oracle Identity ManagerのWebLogicクラスタの名前。

IIS_HOST

IISサーバー

IIS

WebLogic IISプラグイン

IIS Webサーバーは、WebLogicクラスタのフロント・エンドとして機能し、ロード・バランシングを処理する。



注意:

クラスタ環境へのアプリケーションのデプロイは複雑な手順です。このドキュメントは、WebLogicクラスタでのアプリケーションのインストールと実行に関する専門知識を読者が持っていることを前提としています。次の手順ではOracle Identity Manager固有の詳細のみを説明します。WebLogicクラスタを設定するための詳しい説明ではありません。クラスタ化の詳細は、WebLogicのドキュメントを参照してください。

WebLogic Oracle Identity Managerクラスタの設定

Oracle Identity ManagerをWebLogicクラスタにデプロイする基本的な手順では、1つの管理サーバーと1つの管理対象サーバーのインストールと構成、およびその他のクラスタ・メンバーのための管理対象サーバーのクローニングを行います。


注意:

この章では、Oracle Identity Managerを実行していない専用管理サーバー・ホストを稼働していると仮定しています。

WebLogic Oracle Identity Managerクラスタを設定するには、次のようにします。

  1. ADMIN_SERVER_HOSTにWebLogicをインストールします。

  2. WebLogicをすべての管理対象ホスト(XLMANAGED_SERVER_HOST_1〜XLMANAGED_SERVER_HOST_n)にインストールします。

  3. 管理サーバーをリスニングするようにXLMANAGED_SERVER_HOST_1を構成します。

    詳細は、「管理対象サーバーのノード・マネージャの構成」を参照してください。

  4. WebLogic構成を作成します。

    詳細は、「WebLogic構成の作成」を参照してください。

  5. xlManagedServer1のリモート起動オプションを構成し、クラスタを起動します。

    詳細は、「リモート起動オプションの構成」を参照してください。

  6. ADMIN_SERVER_HOSTにOracle Identity Managerをインストールします。

    詳細は、「Oracle Identity Managerのインストール」を参照してください。

  7. WebLogicを構成します。

    詳細は、「Oracle Identity Managerインストール後のWebLogicの構成」を参照してください。

  8. クラスタに新しいサーバーを追加します。

    詳細は、「WebLogicクラスタへの新しいサーバーの追加」を参照してください。

  9. (オプション)IISプロキシ・プラグインを構成します。

    詳細は、「IISプロキシ・プラグインの構成」を参照してください。

  10. (オプション)データベースベースのHTTPセッション・フェイルオーバーを構成します。

    詳細は、「データベースベースのHTTPセッション・フェイルオーバーの構成」を参照してください。

WebLogicのインストール

WebLogicを、管理サーバー、XLMANAGED_SERVER_HOST_1およびその他のXLMANAGED_SERVER_HOST_nマシンにインストールします。すべてのMANAGED_SERVER_HOSTマシンのノード・マネージャが管理サーバーによって制御されるように構成します。詳細は、「管理対象サーバーのノード・マネージャの構成」を参照してください。

管理対象サーバーのノード・マネージャの構成

WebLogicをホスト・マシンにインストールした後でリモート・サーバーを管理サーバーから制御するには、nodemanager.hostsファイルを編集する必要があります。WebLogicをインストールした各マシンで、nodemanager.hostsファイルを編集し、管理ホストのIPアドレスを指定します。


注意:

WebLogicをインストールした後で、ノード・マネージャを起動(または再起動)して、最初のnodemanager.hostsファイルを生成する必要があります。

nodemanager.hostsファイルのデフォルトの場所を次に示します。

Windows:

<BEA_HOME>\weblogic81\common\nodemanager

UNIXまたはLinux:

<BEA_HOME>/weblogic81/common/nodemanager

WebLogic構成の作成

Oracle Identity Managerをインストールする前に、管理サーバー・ホスト(ADMIN_HOST)を準備します。WebLogicの構成ウィザードを使用して、構成を作成します。構成には、Oracle Identity Managerのドメイン、クラスタ、管理対象サーバー(xlManagedServer_1)の設定、そのホスト・マシン(XLMANAGED_SERVER_HOST_1)が含まれます。

WebLogic Oracle Identity Managerクラスタ構成を作成するには、WebLogicをADMIN_HOSTにインストールし、WebLogicの構成ウィザードを使用してWebLogic構成を作成(または編集)します。

概要

次の手順は、WebLogic Oracle Identity Managerクラスタ構成を作成するプロセスの概要です。

  1. Oracle Identity Managerアプリケーションのホストとなるドメインを作成します(または既存のドメインを使用します)。

  2. 管理対象サーバー・エントリ(xlManagedServer_1)を追加します。

  3. クラスタ(xlCluster)を作成します。

  4. xlManagedServer_1をクラスタに追加します。

  5. 管理対象サーバーのホスト・エントリ(XLMANAGED_SERVER_HOST_1)を追加します。

  6. xlManagedServer_1をXLMANAGED_SERVER_HOST_1に割り当てます。

  7. WebLogic管理者アカウントを作成します。

  8. InternalユーザーおよびUserグループを作成します。

  9. InternalユーザーをUserグループに追加します。

  10. 起動モードを設定し、SDKを選択します。

  11. 構成を保存します。

手順

次の手順を実行して、WebLogic Oracle Identity Managerクラスタ構成を作成します。

  1. 次のように構成ウィザードを起動します。

    Windows:

    「スタート」「プログラム」「BEA WebLogic Platform」「Configuration Wizard」を選択します。

    UNIXまたはLinux:

    <BEA_HOME>/weblogic81/common/bin/config.shを実行します。

  2. 「Create or Extend a Configuration」ページで、新しい構成を作成します。

    1. 「Create a new WebLogic configuration」オプションをクリックして選択します。

    2. 「Next」をクリックします。

  3. 「Select a Configuration Template」ページで、基本テンプレートを選択します。

    1. 「Basic WebLogic Server Domain」テンプレートを選択します。

    2. 「Next」をクリックします。

  4. 「Choose Express or Custom Configuration」ページで、カスタム構成を選択します。

    1. 「Custom」オプションをクリックしてカスタム構成を作成します。

    2. 「Next」をクリックします。

  5. 「Configure the Administration Server」ページで、管理サーバーの情報を入力します。

    1. 管理サーバーの名前を入力します(AdminServerなど)。

    2. その他のフィールドではデフォルトを受け入れます。

    3. 「Next」をクリックします。

  6. 「Managed Servers, Clusters, and Machine Options」ページで、クラスタを設定します。

    1. 「Yes」ラジオ・ボタンをクリックしてクラスタを作成します。

    2. 「Next」をクリックします。

  7. 「Configure Managed Servers」ページで、管理対象サーバーを構成します。

    1. 「Add」ボタンをクリックして、管理対象サーバーのエントリを作成します。

    2. 「Listen Address」リストからIPアドレスを選択します。

    3. リスニング・ポート、たとえば7051を入力します。

    4. 他のすべてのフィールドではデフォルト値を受け入れます。

    5. 「Next」をクリックします。

  8. 「Configure Cluster」ページで、クラスタを構成します。

    1. 「Add」ボタンをクリックして、クラスタのエントリを作成します。

    2. クラスタの名前を指定します(xlClusterなど)。

    3. 一意のマルチキャスト・アドレスとポート番号を指定します。

      このとき、クラスタのアドレスは必要ありません。

    4. 「Next」をクリックします。

  9. 「Assign Servers to Cluster」ページで、管理対象サーバーをクラスタに割り当てます。

    1. 「Server」セクションで管理対象サーバー名を選択します。

    2. 右矢印を使用して、選択した管理対象サーバーをクラスタに割り当てます。

    3. 「Next」をクリックします。

  10. 「Configure Machines」ページで、管理対象サーバー・ホスト・マシンを構成します。

    Windowsホストの場合:

    1. 「Machine」タブをクリックします。

    2. 「Add」ボタンをクリックします。

    3. 管理対象サーバー・ホストの名前(XLMANAGED_SERVER_HOST_1など)を入力します。

    4. ノード・マネージャのリスニング・アドレスを入力します。

    5. リスニング・ポートについてはデフォルト値5555を受け入れます。

    6. 「Next」をクリックします。

    UNIXまたはLinuxホストの場合:

    1. 「UNIX or Linux Machine」タブをクリックします。

      「Configure Machines」ページの「UNIX or Linux machine」タブが表示されます。

    2. 「Add」ボタンをクリックします。

    3. 管理対象サーバー・ホストの名前(XLMANAGED_SERVER_HOST_1など)を入力します。

    4. GIDバインディングを有効にするかどうかを選択します。

    5. バインドするGIDを入力します。

    6. UIDバインディングを有効にするかどうかを選択します。

    7. バインドするUIDを入力します。

    8. ホスト・アドレスを入力します。

    9. リスニング・ポートを入力します。

    10. 「Next」をクリックします。

  11. 「Assign Servers to Machines」ページで、管理対象サーバーを管理対象サーバー・ホスト・マシンに割り当てます。

    1. サーバーを選択します。

    2. ホスト・マシンを選択します。

    3. 右矢印ボタンをクリックして、サーバーをホスト・マシンに割り当てます。

    4. 「Next」をクリックします。

  12. 「Database (JDBC) Options」ページでは、JDBCコンポーネントがOracle Identity Managerインストーラによって定義されています。JDBCコンポーネントは定義しないでください。

    1. 「No」をクリックします。

    2. 「Next」をクリックします。

  13. 「Messaging (JMS) Options」ページでは、JMSコンポーネントがOracle Identity Managerインストーラによって定義されています。JMSコンポーネントは定義しないでください。

    1. 「No」をクリックします。

    2. 「Next」をクリックします。

  14. 「Configure Administrative Username and Password」ページで、管理者の情報を入力します。

    1. デフォルト・ユーザー名はweblogicです。この名前を使用するか、別の名前を入力します。

    2. パスワードを入力し、確認のために再入力します。

    3. 必要であればユーザーの説明を入力します。(オプション)

    4. 「Yes」オプションをクリックして、Oracle Identity Managerで必要なその他のユーザーとグループを作成します(こうしてInternalユーザーをOracle Identity Managerのために作成できます)。

    5. 「Next」をクリックします。

  15. 「Configure Users and Groups」ページで、ユーザーとグループの情報を構成します。

    1. 「Add」をクリックして新しいユーザーを作成します。

    2. ユーザー名としてInternalと入力します。


      注意:

      Internalというユーザー名では大文字と小文字が区別されます。

    3. パスワードを入力し、確認のために再入力します。

    4. このユーザーの説明を入力します。

    5. 「Group」タブをクリックします。

  16. 「Configure Users and Groups」ページに「Group」リストが表示されます。グループの情報を入力します。

    1. 「Add」ボタンをクリックして、ユーザー・グループを作成します。

    2. グループ名としてUserと入力します。


      注意:

      Userというグループ名では大文字と小文字が区別されます。

    3. このグループの説明を入力します。

    4. 「Next」をクリックします。

  17. 「Assign Users Groups」ページで、InternalユーザーをUserグループに割り当てます。

    1. 画面の右側の「Group」リストでUserグループを選択します。

    2. 「User」リストで、「Internal user」チェック・ボックスをクリックして選択します。

    3. 「Next」をクリックします。

  18. 「Assign Groups to Groups」ページでは、グループを他のグループに割り当てる必要はありません。

    「Next」をクリックして続行します。

  19. 「Assign Users and Groups to Global Roles」ページでは、ユーザーまたはグループをグローバル・ロールに割り当てる必要はありません。

    「Next」をクリックして続行します。

    ウィザードをWindowsマシンで実行している場合は、「Configure Windows Options」ページが表示されます。それ以外の場合は、「Configure Server Start Mode and Java SDK」ページが表示されます。この場合、次の手順は実行せず、手順21に進みます。

  20. Windowsオプションを構成します。

    「スタート」メニューに管理サーバーのショートカットを作成するかどうかを選択できます。管理サーバーをWindowsサービスとして実行するかどうかも選択できます。

    1. 必要に応じて、「Yes」または「No」オプションをクリックして設定します。

    2. 「Next」をクリックします。


      注意:

      ショートカットを「スタート」メニューに追加する場合は、「Build Start Menu Entries」画面が表示されます。オプションを選択または選択解除して、「Next」をクリックします。

  21. 「Configure Server Start Mode and Java SDK」ページで、サーバー起動モードとJava SDKを選択します。

    1. WebLogicで必要なモードを選択します。

    2. 「Sun SDK」を選択します。

    3. 「Next」をクリックします。

  22. 「Create WebLogic Configuration」ページで、構成ディレクトリを選択します。

    • ドメインの名前を「Configuration Name」フィールドに入力します。

    • 必要であれば、「Configuration Location」を変更します。

    • その他の構成の詳細を確認します。必要であれば戻って変更します。

    • 「Create」をクリックします。

  23. 「Creating Configuration」ページで、構成を完了し、管理サーバーを起動します。

    • Windowsでは、「Start Admin Server」チェック・ボックスをクリックします。

      UNIXまたはLinuxで管理サーバーを起動するには、「UNIXまたはLinuxでの管理サーバーの起動」を参照してください。

    • 「Done」をクリックします。

ウィザードが終了し、サーバーが起動して、WebLogicのユーザー名とパスワードの入力を求められます。WebLogicドメインを作成したときにユーザー名とパスワードのデフォルト値を受け入れた場合は、ユーザー名weblogicとパスワードweblogicを入力します。WebLogicドメインの作成時に一意のユーザー名とパスワードを作成した場合は、それらの値を入力します。

UNIXまたはLinuxでの管理サーバーの起動

UNIXまたはLinuxマシンで管理サーバーを起動するには、次のコマンドを使用します。

cd <BEA_HOME>/user_projects/domains/<domain_name>
sh startWebLogic.sh

サーバーが起動します。

リモート起動オプションの構成

管理対象サーバーを管理コンソールからリモートで制御できるようにするために、サーバーのクラスパスとメモリーのパラメータを設定します。WebLogic管理コンソールを使用してサーバーを構成します。管理対象サーバーをクローニングすると(メンバーがクラスタに追加され)、これらの設定がクローンにコピーされます。WebLogicを新しいホスト・マシンの別のディレクトリにインストールする場合は、新しい管理対象サーバーのリモート起動設定を手動で編集する必要があります。サーバーのリモート起動オプションを構成するには、次のようにします。

  1. ブラウザで次のURLにアクセスし、WebLogic管理コンソールを開きます。

    http://localhost:7001/console
    
    
  2. <domain name>/Serversにあるサーバーの名前(xlManagedServer_1など)をクリックします。

  3. 「Remote Start」タブをクリックします。

    1. 「Java Home」フィールドに、WebLogicに含まれるSun JDKを設定します。たとえば、WebLogicがCドライブにインストールされている場合、「Java Home」フィールドにC:\bea\jdk142_11を設定します。

    2. 「BEA Home」フィールドを設定します。たとえば、WebLogicがCドライブにインストールされている場合、「BEA Home」フィールドにC:\bea\を設定します。

    3. 「Arguments」フィールドを-Xmx1024mに設定してメモリーを増やします。

    4. Windowsのデプロイでは、「Class Path」フィールドにweblogic.jarのパスを入力します。SQL Serverをデータベースとして使用している場合は、MS JDBCファイルであるmssqlserver.jar、msbase.jarおよびmsutil.jarも「Class Path」フィールドに追加する必要があります。次に例を示します。

      C:\sqljars\msbase.jar;C:\sqljars\msutil.jar;C:\sqljars\mssqlserver.jar;
      
      

      注意:

      すべての管理対象サーバーでこの手順を実行してください。

    5. 「Apply」をクリックして、「Remote Start」タブの設定を保存します。

  4. ノード・マネージャがリモート・ホスト(たとえばXLMANAGED_SERVER_HOST_1)で実行していることを確認します。実行していない場合は、<BEA_HOME>\weblogic81\server\bin\startNodeManagerスクリプトを実行して起動します。

  5. サーバー(たとえばxlManagedServer_1)を管理コンソールから起動します。

    1. 画面の左側のナビゲーション・バーで「<domain>」「Clusters」「xlCluster」「<xlManagedServer_n>」を選択します。

    2. メイン・ペインの「Control」タブを選択します。

    3. サーバーを起動するには、「Start this server」をクリックします。


    注意:

    ホスト名の検証のためにサーバーを起動できない場合、管理サーバーと管理対象サーバーの両方について、「server」に移動し、「Configuration」タブの下の「Key Stores & SSL」を選択し、「Advanced Options」の下の「None」「Hostname Verification」に変更して、サーバーを再起動します。

    サーバーが起動し、状態がUNKNOWNからRUNNINGに変化します。

Oracle Identity Managerのインストール

ADMIN_HOSTにOracle Identity Managerをインストールします。詳細は、第5章「WindowsでのOracle Identity Managerサーバーのインストール」または第6章「UNIXまたはLinuxでのOracle Identity Manager Serverのインストール」を参照してください。

Oracle Identity Managerインストール後のWebLogicの構成

Oracle Identity Managerをインストールした後で、さらにWebLogicを構成する必要があります。構成の一部はクラスタ固有であり、また一部はすべてのOracle Identity Managerシステムで共通です。インストール後のWebLogic構成を実行するには、次のようにします。

  1. 管理対象サーバーと管理サーバーを停止します。

  2. WindowsではxlStartServer.bat、UNIXまたはLinuxではxlStartServer.shを使用して、管理サーバーを再起動します。

    管理サーバーの起動の詳細は、第8章「Oracle Identity Managerサーバーの起動」を参照してください。

  3. インストール後のタスクを実行して、Oracle Identity ManagerをWebLogicに対応するように構成します。このタスクには、OIMAuthenticatorの作成や、デフォルト認証機能とOIMAuthenticatorの両方に使用できる制御フラグの設定も含まれます。詳細は、「Oracle Identity ManagerのためのWebLogicの構成」を参照してください。

  4. Oracle Identity Managerのディレクトリ全体を、階層構造を維持したままADMIN_HOSTからXLMANAGED_SERVER_HOST_1にコピーします。

    XLMANAGED_SERVER_HOST_1がADMIN_HOSTと同じマシンにある場合は、Oracle Identity Managerのディレクトリをコピーする必要はありません。

  5. クラスタ内の各サーバーは、その他のサーバーの場所を認識する必要があります。詳細は、「クラスタ・メンバーの指定」を参照してください。

  6. XLMANAGED_SERVER_HOST_1がADMIN_HOSTと別のマシンにある場合は、次のようにOracle Identity ManagerファイルをXLMANAGED_SERVER_HOST_1にあるWebLogicインストール・ディレクトリにコピーします。

    • <XL_HOME>\ext\nexaweb-common.jarを<BEA_HOME>\weblogic81\server\libディレクトリにコピーします。

    • <XL_HOME>\xellerate\lib\wlXLSecurityProviders.jarを<BEA_HOME>\weblogic81\server\lib\mbeantypesディレクトリにコピーします。

  7. クラスタを起動します。

WebLogicクラスタへの新しいサーバーの追加

クラスタを設定したら、最初の管理対象サーバー(xlManagedServer1)をクローニングすることでサーバーをさらに追加できます。


注意:

新しい管理対象サーバー・ホストの別の場所にWebLogicをインストールする場合は、その他の構成が必要です。

クラスタに新しいサーバーを追加するには、次のようにします。

  1. XLMANAGED_SERVER_HOST_nにWebLogicをインストールします。

    詳細は、「WebLogicのインストール」を参照してください。


    注意:

    サーバーをリモートで制御するには、nodemanager.hostsファイルを編集する必要があります。

  2. xlManagedServer_nのノード・マネージャを構成します。

    詳細は、「管理対象サーバーのノード・マネージャの構成」を参照してください。

  3. XLMANAGED_SERVER_HOST_nでOracle Identity Managerサーバーを設定します。

    詳細は、「新しいホストでのOracle Identity Managerサーバーのインストール」を参照してください。

  4. XLMANAGED_SERVER_HOST_nマシンを構成します。

    詳細は、「新しいホスト・マシンの構成」を参照してください。

  5. 新しいホスト・マシンをクラスタ・メンバーのリストに追加します。

    詳細は、「クラスタ・メンバーの指定」を参照してください。

  6. 新しいクラスタ・メンバー管理対象サーバーに対応する新しいJMSサーバーを構成します。

    詳細は、「新しいクラスタ・メンバーのJMSエントリの作成」を参照してください。

新しいホストでのOracle Identity Managerサーバーのインストール

WebLogicクラスタの新しいホストにOracle Identity Managerをインストールするには、次のようにします。

  1. <XL_HOME>ディレクトリ(Oracle Identity Managerがクラスタにインストールされている)を、階層構造を維持したまま新しいホストにコピーします。

  2. <XL_HOME>\xellerate\libディレクトリのwlXLSecurityProviders.jarを、<BEA_HOME>\weblogic81\server\lib\mbeantypesディレクトリにコピーします。

  3. <XL_HOME>\ext\nexaweb-common.jarファイルを<BEA_HOME>\weblogic81\server\lib\ディレクトリにコピーします。

新しいホスト・マシンの構成

WebLogicクラスタに対して新しいホストを構成するには、ホストのエントリを作成し、サーバーをクローニングしてからJMSサーバーを設定する必要があります。新しいホストをWebLogicクラスタに追加するには、次のようにします。

  1. WebLogic管理コンソール(http://localhost:7001/console)を開きます。

  2. 「<domain_name>」をクリックします。

  3. 左側のペインのディレクトリ・ツリーで、「Machines」をクリックします。

  4. 「Configure a new Machine」をクリックします。

    • このマシンの名前(たとえばXLMANAGED_SERVER_HOST_2)を入力します。

    • 「Create」をクリックします。

  5. 「Node Manager」タブをクリックします。

    • このマシンのリスニング・アドレス(IPアドレス)を入力します。

    • 「Listen Port」ではデフォルトを受け入れます。

    • 「Debug Enabled」チェック・ボックスは選択しないでください。

    • 「Apply」をクリックします。

  6. 既存のマネージャ・サーバー名(たとえばxlManagedServer_1)を右クリックし、ショートカット・メニューから「Clone <server_name>」を選択します。

    • 新しいサーバーの名前(たとえばxlManagedServer2)を入力します。

    • 「Machine」メニューからホスト・コンピュータ(たとえばXLMANAGED_SERVER_HOST_2)を選択します。

    • 自分のクラスタ(たとえばxlCluster)が「Cluster」メニューで選択されていることを確認します。

    • 「Listen Address」フィールドにリスニング・アドレスを入力します。

    • 「Listen Port」フィールドにリスニング・ポートを入力します。

    • スクロール・ダウンして「Clone」をクリックします。

  7. WebLogicがxlManagedServer1とは別のディレクトリにインストールされている場合は、そのディレクトリの場所を含むようにリモート起動構成を変更します。「Remote Start」タブの「Arguments」フィールドから-Xmx350mエントリを削除します。

  8. ホスト・マシンでノード・マネージャを起動します。

新しいクラスタ・メンバーのJMSエントリの作成

  1. 管理サーバー・ホストでsetup_wl_serverスクリプトを実行して、新しい管理対象サーバーに対応する新しいJMSサーバーを構成し、分散キューを構成します。

    setup_wl_serverスクリプトを実行するには、次のようにします。

    1. ディレクトリを<XL_HOME>/xellerate/setupディレクトリに変更します(cd)。

    2. Windowsではsetup_wl_server.cmd、UNIXまたはLinuxではsetup_wl_server.shを実行します。次のパラメータを指定してください。

      <BEA_HOME> <ADMIN_SERVER_HOST> <ADMIN_SERVER_HOST_port> <WEBLOGIC_admin_login> <WEBLOGIC_admin_password> <XLMANAGED_SERVER_n>
      
      

      次に実際のコマンドライン文字列を示します。これは、Oracle Identity Managerサーバーのホスト・マシンのオペレーティング・システムによって異なります。

      UNIXまたはLinux

      ./setup_wl_server.sh /opt/bea/weblogic81 t3://192.168.50.172 8001 wladmin wladmin XLMANAGED_SERVER_2
      
      

      Windows

      setup_wl_server.cmd c:\bea\weblogic81 t3://192.168.50.172 8001 wladmin wladmin XLMANAGED_SERVER_2
      
      
    3. 管理コンソールを使用してすべての管理対象サーバーを正常に停止し、次に管理サーバーも正常に停止します。

    4. <XL_HOME>\xellerate\bin\xlStartServerスクリプトを実行して管理サーバーを起動します。

クラスタ・メンバーの指定

すべてのクラスタ・メンバーの場所を指定するには、次の手順を実行します。

  1. クラスタ内の各ノードの<XL_HOME>\xellerate\config\xlconfig.xmlファイルを編集します。Discoveryセクションを変更してクラスタ・メンバーを指定します。これは次のいずれかの方法で実行します。

    • 個々のメンバーを指定するのではなく、複数のマシンに解決されるクラスタ・アドレスを指定します。これにより、新しいメンバーを追加するときに、各Oracle Identity Managerコンポーネントのxlconfig.xmlファイルを編集せずに、DNSサーバーを更新できるようになります。

      この方法を使用する場合は、すべてのマシンでポート番号を同じにする必要があります。

    • クラスタ内の各サーバーのxlconfig.xmlファイルで、クラスタ内のすべてのサーバーに対してすべてのURL(ポートを含む)を指定します。


      注意:

      この方法を使用する場合、サーバーをクラスタに追加するたびにxlconfig.xmlファイルを更新する必要があります。これは、クラスタ内のすべてのOracle Identity Managerコンポーネント(サーバーまたはDesign Console)で行う必要があります。

      xlconfig.xmlファイルのDiscoveryセクションで、4箇所の<java.naming.provider.url>プロパティにすべてのサーバーのリストを追加します。次に例を示します。

      <Discovery>
          <CoreServer>
      <java.naming.provider.url>t3://192.168.50.28:7051,192.168.50.184:7051</java.naming.provider.url>
      <java.naming.factory.initial>weblogic.jndi.WLInitialContextFactory</java.naming.factory.initial>
           </CoreServer>
              <BackOffice><java.naming.provider.url>t3://192.168.50.28:7051,192.168.50.184:7051</java.naming.provider.url>
      <java.naming.factory.initial>weblogic.jndi.WLInitialContextFactory</java.naming.factory.initial>
           </BackOffice>
              <Scheduler><java.naming.provider.url>t3://192.168.50.28:7051,192.168.50.184:7051</java.naming.provider.url>
      <java.naming.factory.initial>weblogic.jndi.WLInitialContextFactory</java.naming.factory.initial>
            </Scheduler> <!-- For JBoss use ConnectionFactory
                   (non-clustered and HAILXAConnectionFactory (Clustered) -->  <JMSServer>
                <connectionFactory>xlConnectionFactory</connectionFactory>
      <java.naming.provider.url>t3://192.168.50.28:7051,192.168.50.184:7051</java.naming.provider.url>
      <java.naming.factory.initial>weblogic.jndi.WLInitialContextFactory</java.naming.factory.initial>
          </JMSServer></Discovery>
      
      
  2. 管理コンソールを使用してすべてのクラスタ・メンバーを起動します。

IISプロキシ・プラグインの構成

Microsoft IISプロキシ・プラグインを構成するには、次のようにします。

  1. Webクライアントが適切にフェイルオーバーを行うために、次のいずれかを実行します。

    1. WebLogicサーバー・クラスタの前にロード・バランサを配置して、セッション・アフィニティに対応するように構成します。

      または

    2. WebLogicプロキシ・プラグインをアプリケーション・サーバーに構成します。

  2. IISプロキシ・プラグインを構成するには、iisproxy.dllおよびiisforward.dllの拡張子およびフィルタを使用します。

    WebLogicのドキュメントに従ってこのアクティビティを実行します。

    1. 次のWebサイトにあるドキュメントを使用します。

      http://e-docs.bea.com/wls/docs81/plugins/isapi.html#113486

    2. アプリケーション全体をデプロイするときは、コンテキスト名xlWebAppおよびNexawebに基づくリクエスト転送を使用します。

      次にiisproxy.iniファイルのサンプルを示します。

      WlForwardPath=/xlWebApp*,/NexaWeb*
      Debug=ON
      WebLogicCluster=192.168.50.28:7051,192.168.50.184:7051
      

データベースベースのHTTPセッション・フェイルオーバーの構成

WebLogicクラスタは、デフォルトでは、メモリーからメモリーへのセッション・レプリケーションおよびフェイルオーバーを提供するように構成されています。ただし、データベースベースのレプリケーションを使用することもできます。データベースベース・レプリケーションを有効にするには、次のようにします。

  1. アプリケーション・サーバー・ホストの<XL_HOME>/Profilesにあるプロファイルweblogic.profileを編集し、レプリケーション・メカニズムをInMemoryからDatabaseに変更します。

  2. アプリケーションにパッチを適用するには、<XL_HOME>\xellerate\setupディレクトリにあるpatch_weblogicスクリプトを実行します。


    注意:

    セッションを保持するために必要なデータベース表を手動で作成する必要があります。詳細は、http://e-docs.bea.com/wls/docs60/adminguide/config_web_app.html#jdbc_persistenceを参照してください。

    WebLogicでは他のタイプのフェイルオーバー・メカニズムを使用することも可能です。その場合は、<XL_HOME>/DDTemplates/xlWebAppディレクトリの記述子テンプレート(weblogic.xml)を変更し、Webアプリケーション記述子の適切な設定を挿入します。変更した後で、既存のアプリケーションを修正するためにpatch_weblogicを実行します。ただし、DDTemplateを変更した場合は(アップグレード時など)、同じ変更をテンプレートに対して再び実行する必要があることに注意してください。