この付録では、UPAフォーム・データ・アップグレード・ユーティリティに関する情報を提供します。このユーティリティは必須で、例外ベースのレポートを簡単に作成できます。GenerateSnapshotユーティリティの実行後に、このユーティリティを実行する必要があります。
Oracle Identity Managerリリース9.1.0では、リソース・インスタンスに関連するリソース・アクセスおよびファイン・グレイン属性の例外ベースのレポートを作成できます。例外レポートの対象となるフォーム・データおよびその変更内容は、リリース9.1.0から新たに導入された2つの表(UPA_UD_FORMSおよびUPA_UD_FORMFIELDS)で使用できます。これらの表が移入されるのは、XL.EnableExceptionReportsシステム構成プロパティの値がTRUE
に設定されている場合のみです。
例外レポート機能が無効になっており、XL.EnableExceptionReportsプロパティの値をTRUE
に変更してこの機能を有効化すると仮定します。例外レポート機能が無効になっている場合、新たに導入されたUPA_UD_FORMS表およびUPA_UD_FORMFIELDS表に、基準となるプロセス・フォーム・データが含まれていません。そのため、例外レポートは失敗します。
UPAフォーム・データ・アップグレード・ユーティリティを使用すると、この問題を解決できます。このユーティリティを実行するには、例外レポート機能を有効にします。このユーティリティはすべての権限について実行されます。プロセス・フォームまたはオブジェクト・フォームが付加されたリソースを持つプロビジョニング・インスタンスでは、ユーティリティによってフォームのデータが読み取られ、2つのデータベース表に格納されます。
それ以降のフォームへの変更は、アップグレード後に自動的に取得されます。基準を使用して、例外レポートによって例外に関するレポートの作成が開始されます。処理が完了すると、UPA_Form_Data_Upgrade_TIMESTAMP.logという名前のログ・ファイルが作成されます。
注意: このリリースでは、プロビジョニングはOracle Identity Managerから開始されます。そのため、2つのデータベース表にプロセス・フォーム・データの基準が含まれます。リコンシリエーションによる連続した更新はすべて取得され、値が異なる場合は例外としてレポートされます。 |
Oracle Identity Manager監査およびコンプライアンス・モジュールをインストールしている場合は、次の条件がすべて当てはまる場合のみ、プロセスまたはオブジェクト・フォーム・データを生成する必要があります。
注意: このユーティリティを使用する前に、例外レポート機能を有効にしてください。前回までの実行でなんらかのエラーが発生した場合は、例外レポート機能を有効化した時点でユーティリティが複数回実行される可能性があります。環境が機能しているとき以外は、このユーティリティを使用しないでください。 |
例外レポート機能が有効になっている。
既存のOracle Identity Manager監査およびコンプライアンス・モジュール環境の監査レベルが、リソース・フォームまたはプロセス・タスクのレベルに設定されている。
機能している環境で監査関連の障害が発生した場合は、スナップショット生成ユーティリティを使用します。スナップショット生成ユーティリティがアップグレード・プロセスの一部として使用されている場合は、スナップショット生成ユーティリティによってUPAフォーム・データ・アップグレード・ユーティリティのタスクも実行されるため、このユーティリティを使用しないでください。
UPAフォーム・データ・アップグレード・ユーティリティを使用するには、次の手順を実行します。
UPAフォーム・データ・アップグレード・ユーティリティ・ファイルのコピー
UPAフォーム・データ・アップグレード・ユーティリティ・ファイルをローカル・コンピュータにコピーします。ユーティリティを使用する前に、インストール・メディアのPATCH/db/oracle/UtilitiesディレクトリのUPAFormDataUpgradeUtilityディレクトリを、ローカル・コンピュータにコピーします。
次に、Oracleデータベースのバッチ・ファイルまたはシェル・ファイルの設定を示します。
Microsoft Windowsの場合: 次のファイルを編集します。
PATCH\db\oracle\Utilities\UPAFormDataUpgradeUtility\UPAFormDataUpgrade.bat
LinuxまたはUNIXの場合: 次のファイルを編集します。
PATCH/db/oracle/Utilities/UPAFormDataUpgradeUtility/UPAFormDataUpgrade.sh
表F-1は、ユーティリティの実行前に設定する必要がある変数の値を示しています。
表F-1 UPAフォーム・データ・アップグレード・ユーティリティの変数
変数 | 説明 |
---|---|
ORACLE_HOME |
Oracleホーム・ディレクトリ |
OIM_DB_USERNAME |
Oracle Identity Managerデータベース・ユーザーのユーザー名 |
OIM_DB_USER_PASSWORD |
Oracle Identity Managerデータベース・ユーザーのパスワード |
OIM_DB_REMOTE |
データベースがリモート・コンピュータで実行されているかどうか
|
OIM_DB_ORACLE_SID |
データベースのSID
|
OIM_DB_SERVICE_NAME |
リモート・データベースを指定するTNSサービス名
|
Oracleでは次の手順を実行します。
Oracle Identity Managerリリースのデータベース・スキーマ所有者の資格証明を使用してSQL*Plusにログインします。
次のスクリプトを実行します。
PATCH/db/oracle/Utilities/UPAFormDataUpgradeUtility/ compile_all_XL_SP_UPA.sql
Oracleデータベース
Microsoft Windows上:
バッチ・ファイルUPAFormDataUpgrade.batを次の場所から実行します。
PATCH\db\oracle\Utilities\UPAFormDataUpgradeUtility
UNIX上:
UPAFormDataUpgrade.shシェル・ファイルを次の場所から実行します。
PATCH/db/oracle/Utilities/UPAFormDataUpgradeUtility