この章では、リコンシリエーション・アーカイブ・ユーティリティの使用方法について説明します。内容は次のとおりです。
注意: リコンシリエーション・アーカイブ・ユーティリティには、Oracle Identity Managerリリース8.5.3.x以降との後方互換性があります。 |
Oracle Identity Managerは、ターゲット・システムのリコンシリエーション・データを、アクティブ・リコンシリエーション表と呼ばれる次の表に格納します。
RCA
RCB
RCD
RCE
RCH
RCM
RCP
RCU
RPC
リコンシリエーション・プロセス中、リコンシリエーション・マネージャは、アクティブ・リコンシリエーション表のデータをOracle Identity Managerのコア表とリコンサイルします。リコンシリエーション・マネージャは、リコンサイルされたデータをアクティブ・リコンシリエーション表から削除しないため、これらの表は最終的に非常に大きくなり、その結果リコンシリエーション・プロセス時のパフォーマンスが低下することがあります。リコンシリエーション・アーカイブ・ユーティリティを使用すると、Oracle Identity Managerとリコンサイルされたデータをアーカイブできます。リコンシリエーション・アーカイブ・ユーティリティは、アーカイブされたデータを、アーカイブ・リコンシリエーション表と呼ばれる次の表に格納します。これらの表の構造は、アクティブ・リコンシリエーション表と同じです。
ARCH_RCA
ARCH_RCB
ARCH_RCD
ARCH_RCE
ARCH_RCH
ARCH_RCM
ARCH_RCP
ARCH_RCU
ARCH_RPC
リコンシリエーション・アーカイブ・ユーティリティを使用すると、次のタスクを実行できます。
アクティブ・リコンシリエーション表のすべてのデータまたは特定のデータをアーカイブ・リコンシリエーション表にアーカイブ
アーカイブ・リコンシリエーション表のすべてのデータの削除
アクティブ・リコンシリエーション表のすべてのデータの削除
アクティブ・リコンシリエーション表から選択したデータをアーカイブ・リコンシリエーション表にアーカイブする場合は、開始日、終了日およびリコンシリエーション・イベント・ステータスの各パラメータを指定する必要があります。開始日と終了日の書式は、YYYYMMDDである必要があります。リコンシリエーション・イベント・パラメータでは、リンク済イベントまたはクローズ済イベント、あるいはその両方を選択できます。リンク済イベント・ステータスは、正常にOracle Identity Managerにリコンサイルされたイベントを表します。一方、クローズ済イベント・ステータスは、リコンシリエーション・マネージャを使用して手動で閉じられたイベントを表します。
アーカイブ・プロセスにかかる時間を短縮するために、アーカイブされるレコード数が200000を超えると、ユーティリティによりすべてのアクティブ・リコンシリエーション表の索引が削除されます。アーカイブ・データがアクティブ表から削除された後に、索引は再作成されます。必要に応じて、次の行を編集して200000という値を他の値に変更できます。
OIM_ReconArch.bat
ファイルで、次の行を変更します。
set INDXRESP=200000
OIM_ReconArch.sh
ファイルで、次の行を変更します。
INDXOPT=200000
選択したデータをアーカイブする場合は、指定したデータ範囲とイベント・ステータスに該当するデータがユーティリティによってアーカイブされます。
アクティブ・リコンシリエーション表のすべてのデータをアーカイブ・リコンシリエーション表にアーカイブする場合、リコンシリエーション・アーカイブ・ユーティリティによって、イベント・ステータスがリンク済イベントまたはクローズ済イベントのリコンシリエーション・データがすべてアーカイブされます。
Oracle Database版のリコンシリエーション・アーカイブ・ユーティリティを構成するファイルは、次のディレクトリにあります。
installServer/xellerate/db/oracle/Utilities/ReconArchival
Microsoft SQL Server版のリコンシリエーション・アーカイブ・ユーティリティを構成するファイルは、次のディレクトリにあります。
installServer/xellerate/db/sqlserver/Utilities/ReconArchival
注意: アクティブ・リコンシリエーション表からアーカイブ・リコンシリエーション表にアーカイブされたデータは、Oracle Identity Managerから使用できなくなります。このデータにアクセスするには、Oracle Identity Managerデータベースのアーカイブ・リコンシリエーション表を問い合せる必要があります。 |
リコンシリエーション・アーカイブ・ユーティリティをOracle Databaseとともに使用するには、次の手順を実行する必要があります。
SQL*Plusを起動し、Oracle DatabaseにSYS
ユーザーとして接続します。
次のコマンドを入力して、アーカイブ・リコンシリエーション表用に別の表領域を作成します。DATA_DIRを、データファイルを格納するディレクトリで置き換え、必要に応じてサイズなどのパラメータを環境に合せて調整します。
CREATE TABLESPACE OIM_RECON_ARCH
DATAFILE 'DATA_DIR\reconarch_01.dbf' SIZE 1000M REUSE
EXTENT MANAGEMENT LOCAL SEGMENT SPACE MANAGEMENT AUTO;
注意: 大量のデータをアーカイブする際は、大きなサイズのUNDO表領域を割り当てることをお薦めします。 Oracle DatabaseインスタンスがARCHIVELOGモードで実行されている場合、リコンシリエーション・アーカイブ・ユーティリティを実行する前に、NOARCHIVELOGモードに切り替える必要があります。データベースのアーカイブ・モードの変更方法は、『Oracle Database管理者ガイド』を参照してください。 |
ユーティリティを使用できるようにするには、Oracle Identity Managerデータベース・ユーザーに明示的にCREATE TABLE権限を付与する必要があります。この権限をデータベース・ユーザーに付与するには、次のコマンドのOIM_DB_USER
をOracle Identity Managerデータベース・ユーザーIDに置き換えてから実行します。
GRANT CREATE TABLE TO OIM_DB_USER
Oracle Identity Managerデータベース・ユーザーとしてOracle Databaseに接続します。
次のコマンドを入力してCreate_recon_arch_tables.sql
スクリプトを実行し、アーカイブ・リコンシリエーション表を作成します。
@ path/Create_recon_arch_tables.sql
次のコマンドを入力してcr_recon_ddl_table.sql
スクリプトを実行し、oim_recon_ddl
という表を作成します。oim_recon_ddl
表は、リコンシリエーション・アーカイブ・ユーティリティで使用されます。
@ path/cr_recon_ddl_table.sql
次のコマンドを入力してOIM_SP_ReconArchival.sqlスクリプトを実行し、リコンシリエーション・アーカイブ・ユーティリティでリコンシリエーション・データをアーカイブおよび削除するために使用するストアド・プロシージャを作成します。
@ path/OIM_SP_ReconArchival.sql
リコンシリエーション・アーカイブ・ユーティリティをMicrosoft SQL Serverとともに使用するには、次の手順を実行する必要があります。
SQL Query Analyzerを起動し、sysadmin
のメンバーであるユーザーか、dbcreator
サーバー・ロールまたはdb_owner
データベース・ロールを持つユーザーとして、Microsoft SQL Serverに接続します。
次のコマンドを入力します。DATA_DIRをデータファイルを格納するディレクトリで置き換え、必要に応じてSIZE
、MAXSIZE
およびFILEGROWTH
の各パラメータを環境に合せて調整します。これらのコマンドにより、リコンシリエーション・アーカイブ・ユーティリティでアーカイブ・リコンシリエーション表からデータを格納するために使用するOIM_RECON_ARCH
ファイル・グループが作成されます。
USE master GO ALTER DATABASE oim_database_name ADD FILEGROUP OIM_RECON_ARCH GO ALTER DATABASE oim_database_name ADD FILE (NAME = OIM_RECON_ARCH_01, FILENAME = 'DATA_DIR\RECON_ARCH_01.NDF', SIZE = 1000MB, MAXSIZE = 5000MB, FILEGROWTH = 25MB) TO FILEGROUP OIM_RECON_ARCH GO
Microsoft SQL Serverから切断して、Oracle Identity Managerデータベース・ユーザーとして再接続します。
path
/Create_recon_arch_tables.sql
スクリプトをロードして実行し、アーカイブ・リコンシリエーション表を作成します。
path
/OIM_SP_ReconArchival.sql
スクリプトをロードして実行し、リコンシリエーション・アーカイブ・ユーティリティでリコンシリエーション・データをアーカイブおよび削除するために使用するストアド・プロシージャを作成します。
次の手順を実行して、リコンシリエーション・アーカイブ・ユーティリティを実行します。
Oracle Identity Managerデータベースにアクセスでき、リコンシリエーション・プロセスが実行されていないことを確認します。また、Oracle Identity Managerデータベースが他のセッションのトランザクションに対してオープンされていないことを確認します。
注意: リコンシリエーション・アーカイブ・ユーティリティは、オフピーク時間帯に実行することをお薦めします。 |
使用しているアプリケーション・サーバーに対応したOracle Identity Managerのインストレーション・ガイドの手順に従って、Oracle Identity Managerを停止します。
Microsoft Windowsプラットフォームでは、短い日付書式をdddd M/d/yyyy
として指定する必要があります。また、時間書式をH:mm:ss
として指定する必要があります。日付書式および時間書式をカスタマイズするには、「コントロール パネル」で「地域と言語のオプション」コマンドを使用します。
注意: 日付書式および時間書式を変更すると、Microsoft Windowsプラット・フォームで実行中のすべてのアプリケーションにその変更が適用されます。 |
LinuxおよびUNIXプラットフォームで、次のコマンドを実行してOIM_ReconArch.sh
ファイルの実行権限を設定し、このファイルが有効なLinuxおよびUNIXテキスト・ファイルであることを確認します。
chmod 755 path/OIM_ReconArch.sh dos2unix path/OIM_ReconArch.sh
LinuxおよびUNIXプラットフォームでは、path/OIM_ReconArch.sh
ファイルを実行します。Microsoft Windowsプラットフォームでは、path\OIM_ReconArch.bat
ファイルを実行します。
Oracle Databaseインストール環境で、求められた場合には次のパラメータの値を入力します。
Oracleホーム・ディレクトリ
Oracle Identity Managerデータベース名またはOracle Identity Managerデータベースがリモート・コンピュータで稼働している場合はTNS文字列
Oracle Identity Managerデータベース・ユーザー名およびパスワード
Microsoft SQL Serverインストール環境で、求められた場合には次のパラメータの値を入力します。
Microsoft SQL Serverデータベースが稼働しているサーバー名
Oracle Identity Managerデータベース名
Oracle Identity Managerデータベース・ユーザー名およびパスワード
求められた場合には、次のオプションのいずれかを選択します。
1) アクティブ・リコンシリエーション表からデータをアーカイブ
2) アーカイブ・リコンシリエーション表からすべてのデータを削除
3) アクティブ・リコンシリエーション表からすべてのデータを削除
4) 終了
データのアーカイブを選択した場合は、次の手順を実行します。
次のアーカイブ・オプションのいずれかを選択します。
選択したデータのアーカイブ
すべてのデータのアーカイブ
終了
選択したデータをアーカイブする場合は、開始日と終了日を求められたらYYYYMMDD書式で入力します。
注意: 開始日以降となる終了日を入力する必要があります。そうでない場合、データはアーカイブされません。 |
アーカイブするデータのリコンシリエーション・イベント・ステータスを選択します。
- クローズ済の場合は「1」を入力します。
- リンク済の場合は「2」を入力します。
- クローズ済およびリンク済の場合は「3」を入力します。
データをアーカイブするには、入力を求められたときにyまたはYの値を入力します。または、nまたはNを入力して、ユーティリティを終了します。
アーカイブ・リコンシリエーション表またはアクティブ・リコンシリエーション表からデータを削除する場合は、データ削除の確認を求められたらYと入力します。
Microsoft Windowsプラットフォームでは、ユーティリティの実行後に、短い日付書式を地域またはロケールの日付書式に再設定します。「コントロール パネル」で「地域と言語のオプション」コマンドを使用して日付書式を再設定します。
アクティブ・リコンシリエーション表からデータが削除されるため、DBAは統計を更新するためにアクティブ・リコンシリエーション表およびその索引を分析する必要があります。Oracle Identity ManagerのデータベースとしてOracle Databaseを使用している場合のみ、この手順を実行してください。
表9-1に、リコンシリエーション・アーカイブ・ユーティリティによって生成される出力ファイルを示します。
表9-1 リコンシリエーション・アーカイブ・ユーティリティにより生成される出力ファイル
ファイル | 説明 |
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ユーティリティが指定された資格証明を使用してデータベースに接続できなかった場合に生成されます。 |
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アーカイブ・プロセスまたは削除プロセスが失敗した場合に生成されます。 |
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アーカイブ・プロセスまたは削除プロセスが成功した場合に生成されます。 |
注意: ユーティリティを再度実行するときに、これらのエラー・ログ・ファイルは削除されます。 |