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Oracle Identity Manager CA-Top Secret Advanced Connectorガイド
リリース9.0.4
E05494-01
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B コネクタのアーキテクチャ

この付録では、次に示す項で、CA-Top Secret Advanced Connectorの機能を詳細に説明します。

Oracle Identity Manager LDAP Gateway

CA-Top Secret Advanced Connectorのアーキテクチャは、Oracle Identity Manager LDAP Gatewayから始まります。LDAP GatewayはJava 1.4.2で作成されており、異なるプラットフォームおよびオペレーティング・システムへの移植や、Oracle Identity Managerシステムとの完全な統合が可能です。

LDAP GatewayはOracle Identity Managerと透過的に連携し、z/OS環境の機能と通信します。LDAP Gatewayは、Oracle Identity Managerとともに同じサーバーにインストールされます。また、Reconciliation Agentにより、LDAP GatewayサーバーはCA-Top SecretからのセキュリティおよびIDイベントへのサブスクライバとなることが可能です。

Oracle Identity Managerは、LDAP DNでメインフレーム認証リポジトリをマップします。LDAP DNを変更することで、異なる認証リポジトリおよび異なるメインフレーム・リソースに対応できます。

Oracle Identity Manager Provisioning Agent

Provisioning Agentはメインフレーム・コンポーネントで、メインフレームのネイティブのプロビジョニング・コマンドをLDAP Gatewayから受信します。これらのリクエストは、解析されたレスポンスとともに認証リポジトリに対して処理され、LDAP Gatewayに戻されます。

Oracle Identity Managerプロビジョニング・コネクタ
図topsec_prov.gifの説明

Provisioning Agentには、LDAPバインドおよび認可リクエストが含まれます。従来のプロビジョニング機能に加え、Provisioning Agentは、CLISTファイルの作成や既存のメインフレーム・ユーザーのプロファイル・シナリオのレプリケート作業を含め、必要なTSOログオン機能を作成することもできます。Provisioning Agentは、Oracle Identity Managerによって設定されたエンタープライズ規則を使用して、データセット、グループおよびリソースに対する認可を拡張することも可能です。

メインフレーム・アーキテクチャの内部では複数のコネクタ・リソースの重要な通信が行われ、エンタープライズの最大負荷に対応するための内部メインフレーム・メモリー・サブプールがあり、1日当たり100万を超えるトランザクションをサポートしています。AES 128暗号化およびAPF認可リソースによって、Provisioning Agent全体が保護されています。

Provisioning AgentはIDおよび認可変更イベントを受信し、リクエストされた変更をCA-Top Secretのz/OSメインフレーム認証リポジトリに反映します。Provisioning Agentはメインフレームにインストールされるコンポーネントで、ネイティブのメインフレーム・リクエストをLDAP Gatewayから受信します。

Provisioning Agentの構造上の重要な特徴は、プロビジョニングの更新がLDAP Gatewayから認証リポジトリに行われることです。そのため、Provisioning Agentは少なくとも1つのz/OS LPARにインストールする必要があります。Oracle Identity Managerから送信されたプロビジョニング・コマンドは、認証リポジトリが処理するすべてのLPARの認証および認可を変更します。このフレームワーク内において、外部と同期していない複数のシステムには、2つ目のProvisioning Agentが必要です。

多くのプロビジョニング・コマンドはCA-Top Secretへ直接アクセスできるよう設計されていますが、一部のLDAPプロビジョニング・コマンドは複数のメインフレーム・コマンドで実行されます。たとえば、TSOアクセスにプロビジョニングするために、一部のシステムではCLISTプロファイルを変更する必要があります。コマンドのタイプは、どのメインフレーム・プロセスにアクセスするかによって異なります。

標準のOracle Identity Managementプロビジョニングの範囲内ではありませんが、Provisioning AgentはTSOコマンド、CICSコマンド、バッチ・ジョブおよびその他のメインフレーム・リソースに対するコントロールを拡張できます。

Oracle Identity Manager Reconciliation Agent

メインフレームでイベントが発生すると、カスタムでインストールされたテクノロジとは無関係に、そのイベントは適切なメインフレームのexitを使用して処理されます。Reconciliation Agentでexitテクノロジが使用されているため、z/OSメインフレーム・オペレーティング・システムにはフックはありません。

TSOログイン時にユーザーから発生するIDイベント、コマンド・プロンプトからの管理者による変更、またはバッチ・ジョブから発生するイベントは検出され、通知メッセージがリアルタイムで安全に送信されます。Reconciliation Agentは、ユーザー属性への変更(任意のALTUSERの変更)、ユーザー・アカウントへの変更(REVOKE、RESUME)およびグループやリソースのユーザー認証への特定の変更を取得します。メインフレームでユーザー・アカウントが作成または削除されると、Reconciliation AgentはOracle Identity Managerに通知し、対応するアカウントをOracle Identity Managerに作成します。

Oracle Identity Managerリコンシリエーション・コネクタ

パスワードは特別なカテゴリに分類されます。ビジネス・ルールで許可されている場合、パスワードの変更はクリアテキストでリアルタイムにOracle Identity Managerに渡されます。テスト環境の場合は、即時に行われます。その他のビジネス・ルールでは、パスワードが変更されたという通知のみが渡されます。

メインフレーム・アーキテクチャの内部では複数のコネクタ・リソースの重要な通信が行われ、エンタープライズの最大負荷に対応するための内部メインフレーム・メモリー・サブプールがあります。Reconciliation Agentは、特に、メインフレームのバッチ・ジョブからの最大負荷を処理するよう設計されています。メッセージ・サブプールに1MBのメインフレーム・メモリーを割り当てることで、バッチ・ジョブで生成されるのと同じくらい迅速に50,000のIDイベント・メッセージを保存できます(約8分)。これらのメッセージは、LDAP Gatewayにスプールされます。LDAP Gatewayは、後続の処理(通常は次の1時間)のためにOracle Identity Managerにそのメッセージを提供します。AES 128暗号化およびAPF認可リソースによって、Reconciliation Agent全体が保護されています。

Reconciliation Agentは、Oracle Identity Manager LDAP Gatewayからz/OSメインフレームに通知イベントを送信します。このアーキテクチャはCA-Top Secretのものではありませんが、exitテクノロジを使用してオペレーティング・システム外のイベントをリアルタイムに取得します。

コマンドの実行は、ネイティブのメインフレーム・コマンドが完全に完了する直前に、exitを介して渡されます。このテクノロジの一般的な使用方法は、ユーザー・アカウントまたはパスワードを適切な長さにすること、または少なくとも文字および数値が1つずつ含まれるよう要求することです。exitが失敗すると、コマンドも失敗してエラー・メッセージが戻されます。exitでIDまたは認証イベントを取得することで、コマンドを完了して認証リポジトリに結果を格納する直前に、Reconciliation Agentはオペレーティング・システム外のこれらのイベントを取得します。

Provisioning Agentと同様に、LPARに基づいた構造上の依存性があります。ユーザー・アカウントが作成された場合、何かに対して認可された場合、またはメインフレームで使用されている場合には、LPARでこれが実行されます。すべての処理がLPAR内で行われ、Reconciliation AgentはLPARのexitからイベントを検出するため、Reconciliation Agentは各LPARにインストールする必要があります。これはスケジュール済イベントで、LPARのexitはIPLの後にのみ認識されるため、通常はメンテナンス・スケジュールで処理されます。

メッセージ・トランスポート・レイヤー

メッセージ・トランスポート・レイヤーは、LDAP GatewayおよびProvisioning AgentとReconciliation Agent間でメッセージが交換されるプロセスです。

全般的に見ると、TCP/IPメッセージ・トランスポート・レイヤー全体は、IBM MQ Seriesのパフォーマンスおよびセキュリティ・レベルに匹敵しています。Oracle Identity Manager TCP/IPメッセージ・トランスポート・レイヤーは、無料で同梱されています。