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Oracle Identity Manager Password Synchronization Module for Microsoft Active Directoryインストレーションおよび構成ガイド
リリース9.0.4
E05520-01
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2 Password Synchronization Moduleのデプロイ

このマニュアルでは、2つのシナリオを説明します。

Password Synchronization Moduleをデプロイするには、次の手順を実行します。

Microsoft Active Directoryの強力なパスワード認証(パスワードの複雑さのチェック)機能を使用する場合は、次の項の手順を実行してください。

手順1: Password Synchronization Moduleのインストールの準備

インストールの準備をするには、まず、次のデプロイ要件に対応していることを確認します。

項目 要件
Microsoft Active Directory Active Directory Server
ホスト・オペレーティング・システム 次のいずれか:
  • Microsoft Windows 2000 Service Pack 4以上

  • Microsoft Windows Server 2003



注意:

Oracle Identity Managerが管理するユーザー・アカウント・ストアとのパスワードの同期を必要とする各Active Directoryドメイン・コントローラに、Password Synchronization Moduleの別々のインスタンスをインストールする必要があります。

手順2: Password Synchronization Moduleのインストール

Password Synchronization Moduleをインストールするには、次のようにします。

  1. 次のようにして、Microsoft Active Directoryサーバーでインストーラを起動します。

    1. Password Synchronization Moduleのインストール・ファイルは、インストール・メディアの次のディレクトリにあります。

      Directory Servers/Microsoft Active Directory/Microsoft Active Directory Password Sync
      
      

      このディレクトリの内容を一時ディレクトリにコピーします。


      関連項目:

      インストール・ファイルの詳細は、「Password Synchronization Moduleを構成するファイルとディレクトリ」の項を参照してください。

    2. 一時ディレクトリで、setup_ad.exeファイルを実行してインストーラを起動します。

  2. 言語を指定します。

  3. 「次へ」をクリックします。

  4. 「ターゲット・ディレクトリ」ページでは、デフォルトのインストール・ディレクトリをそのまま使用することも、インストール先のディレクトリのパスを指定することもできます。たとえば、次のようなパスを指定できます。

    C:\OracleProvisioningAD

    また、「参照」ボタンを使用して、インストール・ディレクトリに移動することもできます。

  5. 「次へ」をクリックします。

    インストーラにより、指定したインストール・ディレクトリ内にadsynchという名前のディレクトリが作成されます。その後、Password Synchronization Moduleのコンポーネントがadsynchディレクトリにコピーされ、adsynchディレクトリ内に特定のディレクトリが複数作成されます。


    注意:

    これ以降、このマニュアルでは、ディレクトリuser_specified_install_directory/adsynchADSYNC_HOMEと呼びます。

  6. 「アプリケーション・サーバー」ページで、Active Directoryの接続先であるOracle Identity Managerサーバーをホスティングするアプリケーション・サーバーを指定します。「次へ」をクリックします。


    注意:

    アプリケーション・サーバーとしてIBM WebSphereを指定する場合には、次のステップを実行します。それ以外の場合には、ステップ7に進みます。

  7. 「WebSphereディレクトリ」ページで、インストール先のコンピュータでIBM WebSphere Application Clientがインストールされているディレクトリのパスを指定します。「次へ」をクリックします。

  8. 「JRE」ページで、モジュールで使用するJREオプションを指定します。次の選択が可能です。

    • Oracle Identity ManagerにバンドルされているJRE。

    • Password Synchronization Moduleのインストール先であるコンピュータの既存のJRE 1.4.2インストール。次の表に、サポートされているアプリケーション・サーバーの適切なJREのバージョンを示します。

    アプリケーション・サーバー 必要なJRE コメント
    JBoss Application Server Sun JRE 1.4.2_09以上 ただし、Sun JRE 1.5のすべてのリリースはサポートされていません。
    BEA WebLogic Sun JRE 1.4.2_09以上 ただし、Sun JRE 1.5のすべてのリリースはサポートされていません。
    IBM WebSphere IBM JRE 1.4.2_x Oracle Identity Managerがインストールされているサーバー上のIBM WebSphereと互換性のある、IBM WebSphere Application Clientインストールの一部として提供されています。
    OC4J Sun JRE 1.4.2_09以上 ただし、Sun JRE 1.5のすべてのリリースはサポートされていません。

    既存のJREインストールの場合は、インストールのパスを指定する必要があります。「次へ」をクリックします。

  9. 「システム管理者」ページで、Oracle Identity Managerサーバーへのログインに必要なアカウント名およびパスワードを指定します。

    ログイン用のデフォルトのアカウントはxelsysadmです。

    必要な情報を指定したら、「次へ」をクリックします。

  10. 「アプリケーション・サーバー構成」ページで、次の情報を指定します。

    • Oracle Identity Managerをホスティングしているアプリケーション・サーバー・コンピュータのホスト名またはIPアドレス。

    • アプリケーション・サーバーと関連付けられているネーミング・ポート。次の表に、サポートされているアプリケーション・サーバーのデフォルトのネーミング・ポートを示します。

      アプリケーション・サーバー デフォルトのネーミング・ポート
      JBoss Application Server 1099
      BEA WebLogic 7001
      IBM WebSphere 2809
      OC4J 12401

    Oracle Identity Managerのアプリケーション・サーバーでデフォルト以外のネーミング・ポートが使用されている場合には、そのポート番号を使用し、その他の注意事項についてシステム管理者に相談してください。

    必要な情報を指定したら、「次へ」をクリックします。

  11. 「サマリー」ページで、「ターゲット・ディレクトリ」ページで指定したモジュールのインストール・ディレクトリが正しく表示されていることを確認します。

    インストール・ディレクトリを変更する必要がある場合には、「ターゲット・ディレクトリ」ページが表示されるまで「戻る」をクリックし、必要な変更を行ってからインストール手順を再度進めます。

    インストール・ディレクトリが正しく表示されたら、「インストール」をクリックします。

  12. 「完了」ページに、インストールが成功したことを示すメッセージが表示されます。

    「終了」をクリックしてインストーラを終了します。

  13. コンピュータを再起動します。


注意:

Password Synchronization Moduleのインストール後に、Oracle Identity Manager管理者パスワードを変更しないでください。インストール後にパスワードを変更すると、Password Synchronization Moduleは機能しなくなります。

パスワードを変更する場合は、Password Synchronization Moduleを再インストールする必要があります。


Password Synchronization Moduleのインストール中にコピーされるファイル

次の表に、Password Synchronization Moduleのキー・コンポーネントのインストール場所を示します。

ファイル 説明
Windows_System32_Directory\Adsync.dll
このファイルは、Active Directoryドメイン・コントローラのパスワード変更のリスナーとして登録されます。Active Directoryのパスワードが変更されるたびに、このファイルにより、ChangePassword.cmdという名前のパスワード変更スクリプトが呼び出されます。
ADSYNC_HOME\config\xlconfig.xml
このファイルには、ユーザーによる構成が可能なPassword Synchronization Moduleの設定がすべて含まれています。ユーザーは、モジュールのインストール後にこのファイルを編集できます。詳細は、「手順4: Password Synchronization Moduleの構成」の項を参照してください。
ADSYNC_HOME\lib\xliADSync.jar
このJARファイルには、パスワード変更スクリプトに必要なクラス・ファイルが含まれます。
ADSYNC_HOME\ChangePassword.cmd
パスワードの変更に応じてadsync.dllによって呼び出されるこのスクリプトでは、ChangePasswordクラスの呼び出しに必要なクラスパスおよびコマンドライン・パラメータが使用されます。このクラスは、xliADSync.jarファイルにあります。
ADSYNC_HOME\wsChangePassword.cmd
IBM WebSphereによって使用されるバージョンのパスワード変更スクリプトです。
ADSYNC_HOME\lib\xliADSync.ear
このファイルには、IBM WebSphereによって使用されるバージョンのパスワード変更スクリプトに必要なクラス・ファイルが含まれます。

手順3: Password Synchronization Moduleのインストール後の手順の実行

Password Synchronization Moduleのインストール後に、次の手順を行います。

  1. 次のファイルをOIM_home\extディレクトリから、Password Synchronization ModuleをインストールしたコンピュータのADSYNC_HOME\extディレクトリにコピーします。

    • javagroups-all.jarまたはjgroups-all.jar

    • oscache-2.0.2-22Jan04.jarまたはoscache.jar

  2. Oracle Identity Manager Design ConsoleをホスティングしているコンピュータのOIM_Design_Console_installation_dir\libディレクトリから、Password Synchronization ModuleをインストールしたコンピュータのADSYNC_HOME\libディレクトリにすべてのJARファイルをコピーします。

  3. 使用するアプリケーション・サーバーに応じて、次のいずれかの手順を行います。

    • JBoss Application Serverの場合は、JBOSS_HOME\client\jbossall-client.jarADSYNC_HOME\extディレクトリにコピーします。

    • BEA WebLogicの場合は、BEAWebLogic_home\weblogic81\server\lib\weblogic.jarADSYNC_HOME\extディレクトリにコピーします。

    • IBM WebSphereの場合は、次のようにしてADSYNC_HOME\libディレクトリにxlDataObjectBeans.jarファイルを抽出およびコピーします。

      a. 次のURLを使用してIBM WebSphere管理コンソールに接続します。

      http://localhost:9090/admin
      
      

      b. Oracle Identity Manager管理者アカウント資格証明を使用して、ログインします。

      c. 「Applications」「Enterprise Applications」の順にクリックします。

      d. 「Xellerate」を選択します。

      c. 「Export」をクリックします。

      f. Xellerate.earファイルを一時ディレクトリに保存します。

      g. xlDataObjectBeans.jarファイルをXellerate.earファイルから抽出します。

      h. xlDataObjectBeans.jarファイルをADSYNC_HOME\libディレクトリにコピーします。


      注意:

      抽出およびコピーしたファイルが、xlDataObjects.jarファイルではなく、xlDataObjectBeans.jarファイルであることを確認してください。

    • OC4Jの場合は、次に示すファイルをADSYNC_HOME\extディレクトリにコピーします。

      OC4J_home/j2ee/home/oc4jclient.jar
      OC4J_home/j2ee/home/lib/ejb.jar
      
      
  4. Oracle Identity Managerをクラスタ化されたアプリケーション・サーバーで実行する場合は、次のようにします。

    1. Oracle Identity Managerクラスタを表す仮想サーバーとPassword Synchronization Moduleのインストール先であるActive Directoryドメイン・コントローラをホスティングするコンピュータの間に信頼関係を確立します。

    2. Password Synchronization Moduleのインストール先であるActive Directoryドメイン・コントローラをホスティングするコンピュータのhostsファイルに、仮想サーバーのホスト名を追加します。

    3. インストールするPassword Synchronization Moduleに関連付けられているxlconfig.xmlファイルを編集します。このファイルは、ADSYNC_HOME\configディレクトリにあります。

      xlconfig.xmlファイルで、<java.naming.provider.url>タグの値を仮想サーバーの完全修飾ホスト名に変更します。


      注意:

      xlconfig.xmlファイルの各インスタンスは、configディレクトリにあります。このディレクトリは、構成ファイルが関連付けられているコンポーネントのルート・インストール・ディレクトリにあります。たとえば、Password Synchronization Moduleに関連付けられているxlconfig.xmlファイルのパスは次のとおりです。
      ADSYNC_HOME\config
      

      Password Synchronization Moduleに関連付けられているxlconfig.xmlファイルの<java.naming.provider.url>タグの値を更新したら、ファイルを保存して閉じます。

手順4: Password Synchronization Moduleの構成

Password Synchronization Moduleのインストールが完了したら、xlconfig.xmlファイルを編集して構成できます。このファイルは、ADSYNC_HOME\configディレクトリにあります。

xlconfig.xmlファイルのパラメータを構成するには、まず任意のテキスト・エディタを使用してファイルを開きます。次の表に、xlconfig.xmlファイルの<ADsync>タグ内の構成可能な要素を示します。

<ADSync>タグ内のタグ 説明
<UserMatch> </UserMatch>
MatchingMethodパラメータは、adsync.dllファイルに渡されたActive Directory IDを、Oracle Identity ManagerがOracle Identity Managerユーザーと一致する方法を指定します。次の3つのうち、1つ目のオプションがデフォルトです。これは、Oracle Identity ManagerのすべてのログインIDが、すべてのActive DirectoryユーザーのIDと一致する場合に使用します。Oracle Identity ManagerのログインIDとActive Directory IDが一致しない場合には、その他のオプションのいずれか1つを使用します。
  • UserID: Active DirectoryユーザーのIDがOracle Identity Managerユーザーのログインと一致する場合。

  • UDF: Active DirectoryユーザーのIDが<FieldName>属性に指定されたUDFと一致する場合。

  • ResourceField: Active DirectoryユーザーのIDが、Oracle Identity Managerユーザーのプロセス・フォームの<FieldName>属性と一致する場合。このユーザーに対して、<ResourceObject>属性で指定されたリソース・オブジェクトがプロビジョニングされます。

<Result> </Result>
このオプションの構成要素は、パスワード変更操作の結果が記録される必要のある場所(adsync.logファイル以外)を指定します。次のパラメータの値は、<Result>タグ内のタグとして指定されます。
  • UpdateUDF: ユーザー・フォームのステータス・フィールドを更新するためにTrueまたはFalseに設定します。

  • FieldName: UpdateUDFタグがTrueに設定されている場合にフィールド名を指定します。たとえば、FieldNameUSR_UDF_STATUSになります。

  • FailureValue: この文字列は、パスワードのリセット操作に失敗した場合にステータス・フィールドに入力されます。

  • SuccessValue: この文字列は、パスワードのリセット操作が成功した場合にステータス・フィールドに入力されます。

  • AppendTimeStamp: ステータス・フィールドの文字列にタイムスタンプを追加するためにTrueまたはFalseに設定します。


次のサンプルのXMLコードに、<ADSync>タグの元(デフォルト)の内容を示します。

<ADSync>
  <!--
  The Login section provides information about how the utility is authenticated.
  If UseSignature is true, then the username is used for authentication, using the
  signature-based login. The key in the "PrivateKey" alias is used.
  If UseSignature is false, then the username and password are used for
  authentication.
  -->
  <Login>
   <UseSignature>false</UseSignature>
   <Username>xelsysadm</Username>
   <Password encrypted="true">tPzEM127PIQxO64w2g7wgw==</Password>
  </Login>
  <!--
  The Active Directory name should match an Oracle Identity Manager username.
  If the MatchingMethod is UserID, the Active Directory username is assumed to be
  the Oracle Identity Manager user name.
  For UDF, FieldName must contain the name of the User Defined field that
  contains the active directory user ID.
  For ResourceField, process forms of the users who have ResourceObject
  specified are searched to find the required user. This can be used if
  Active Directory is provisioned as an account, but not a trusted source.
  -->
  <UserMatch>
   <!-- UserID, UDF and ResourceField -->
   <MatchingMethod>UserID</MatchingMethod>
   <FieldName>UD_ADUSER_LOGIN</FieldName>
   <ResourceObject>AD User</ResourceObject>
  </UserMatch>
  <!--
  If required, a UDF field can be updated with the result of the operation and
  Timestamp so that additional workflow can be started.
  -->
  <Result>
   <UpdateUDF>false</UpdateUDF>
   <FieldName>USR_UDF_ADPWDRES</FieldName>
   <SuccessValue>SUCCESS</SuccessValue>
   <FailureValue>FAIL</FailureValue>
   <AppendTimeStamp>true</AppendTimeStamp>
  </Result>
</ADSync>


xlconfig.xmlファイルのユーザーによる構成が可能なタグに必要な変更を加えたら、ファイルを保存して閉じます。

手順5: コネクタのインストール後のxlconfig.xmlファイルの構成

Microsoft Active Directoryコネクタのインストール後に、次のようにしてパスワードの同期のxlconfig.xmlを変更し、コネクタのプロパティを反映させる必要があります。

  1. xlconfig.xmlファイルを開きます。

  2. ファイルで、<ADConnectorConfig>タグを検索します。

  3. <ADConnectorConfig>タグの子要素に次の変更を行います。

    • <Installed>タグ: 値をtrueに設定します。

    • <ITResourceType>タグ: コネクタのITリソース・タイプの名前を指定します。

    • <ITResourceName>タグ: コネクタのITリソースの名前を指定します。

  4. ファイルを保存して閉じます。

次のXMLコードは、<ADConnectorConfig>セクションに入力したサンプル値を示します。

<ADConnectorConfig>
     <Installed>true</Installed>
     <ITResourceType>AD Server</ITResourceType>
     <ITResourceName>AD34</ITResourceName>
</ADConnectorConfig>

Microsoft Active Directoryの強力なパスワード認証(パスワードの複雑さのチェック)機能の有効化


注意:

この項の手順は、Microsoft Active Directoryの強力なパスワード認証(パスワードの複雑さのチェック)機能を使用する場合のみ実行してください。

Microsoft Active Directoryでは、パスワード・フィルタの実装によって強力なパスワード認証機能が提供されます。このパスワード・フィルタをPassword Synchronization Moduleとともに使用する場合は、Microsoft社のWebサイトにある手順に従って、「パスワードは、複雑さの要件を満たす必要がある」というポリシー設定を有効にしてください。このポリシー設定を有効にした場合、Microsoft Active Directoryでのパスワード変更は、強力なパスワードの要件を満たしているかチェックされてからPassword Synchronization Moduleに渡されます。