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Oracle Identity Manager IBM i5/OS Advanced Connectorガイド
リリース9.0.4
E05522-01
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3 ターゲットのi5/OSシステムのコネクタのデプロイ

IBM i5/OS Advanced ConnectorのProvisioning AgentおよびReconciliation Agentコンポーネントは、IBM i5/OSにデプロイされます。この章では、次に示す項で、Provisioning AgentおよびReconciliation Agentのインストールおよび構成について説明します。

手順1: デプロイ要件の確認

次の表には、Provisioning AgentおよびReconciliation Agentをインストールするための、ハードウェア、ソフトウェアおよび認可の前提条件を示します。

項目 要件
オペレーティング・システム IBM i5/OS

すべての現行パッチが用意されていることを確認

メッセージ・トランスポート・レイヤー JTOpen
i5/OS IDリポジトリ i5/OSの現行パッチ・レベル
Provisioning AgentおよびReconciliation Agentのターゲット・システムのユーザー・アカウント IBM i5/OSのSystemAdministrators権限

Provisioning AgentおよびReconciliation Agentはi5/OSにインストールされます。どちらにも初期タスクのインストールが必要です。また、これらのエージェントは、i5/OSシステムのユーザー・アカウントで機能します。このユーザー・アカウントは、Provisioning AgentおよびReconciliation Agentのデプロイ時にi5/OSの管理者が作成する必要があります。


注意:

Provisioning AgentおよびReconciliation Agentのどちらのユーザー・アカウントもi5/OSのSystemAdministratorsグループ権限が必要です。

環境の設定および要件

Reconciliation Agentは、i5/OSのオペレーティング・システム外で、ユーザーのexitテクノロジを使用して動作します。

通常、ミッドレンジ・オペレーティング・システム製品には、特定のパスワード書式の保持用などにカスタムのexitがインストールされています。コネクタのexitは、既存のexitが通常に機能できるよう、最後に呼び出されるexitとして開発されています。

手順2: Reconciliation Agentのインストール

ターゲットのIBM i5/OSシステムにコネクタをインストールするには、次のようにします。

  1. 次の場所からOIMIDFEX.SAVFファイルをターゲットのi5/OSシステムのいずれかのディレクトリにバイナリでFTP転送します。

    IBM i5 Advanced Connector Rev 9.0.3/etc/Provisioning and Reconciliation Connector/OIMIDFEX.SAVF

  2. この手順では、ファイルの転送先のディレクトリをOIMI5ADVとします。

  3. 保存したライブラリおよび含まれるオブジェクトを表示するには、次のようにDSPSAVFコマンドを使用します。

    DSPSAVF   FILE(SAMPLIB/OIMIDFEX)
    
    i5 Screen output from the DSPSAVF command:
    
    ==============================================================================
                           Display Saved Objects - Save File          ,
    
    Library saved  . . . :   ORIGLIB               Release level  . . . :
    V4R5M0
    ASP  . . . . . . . . :   1                     Data compressed  . . :   No
    Save file  . . . . . :   OIMIDFEX              Objects displayed  . :   3
      Library  . . . . . :     ORIGLIB             Objects saved  . . . :   3
    Records  . . . . . . :   688                   Access paths . . . . :   0
    Save command . . . . :   SAVOBJ
    Save active  . . . . :   *NO
    Save date/time . . . :   01/20/07   01:28:35
    
    Type options, press Enter.
      5=Display saved data base file members
    
    Opt  Object             Type     Attribute     Owner         Size (K)   Data
         XUSRPWD            *PGM     CLE           ORIGLIB            236   YES
         NOTIFY             *PGM     CLE           ORIGLIB             68   YES
         QCSRC              *FILE    PF            ORIGLIB             24   YES
    
    F3=Exit        F12=Cancel
    
    =================================================================================
    
    
  4. 保存後のライブラリの名前およびオブジェクトを把握しているので、RSTOBJ(リストア・オブジェクト)コマンドを使用して保存ファイルのオブジェクトをリストアできます。リストアされたオブジェクトは新しいターゲット・ライブラリに保存されるため、SAVLIBおよびRSTLIBパラメータを使用する必要があります。SAVLIBは元のライブラリ名を使用し、RSTLIBは保存ファイルのオブジェクトのリストア先である新しいライブラリを使用します。このコマンドの構文は、次のようになります。

    RSTOBJ OBJ(*ALL) SAVLIB(ORIGLIB) DEV(*SAVF) SAVF(SAMPLIB/OIMIDFEX) RSTLIB(NEWLIB)
    
    

    必要な場合は、新しいライブラリは汎用ライブラリ(QGPL)にできます。


注意:

IBM i5/OS Advanced Connectorのデプロイ時に、Provisioning Agentに特別な構成は必要ありません。このコネクタのプロビジョニング機能を使用するために、LDAP Gatewayおよびメッセージ・トランスポート・レイヤーが正確に構成されていることを確認してください。

手順3: Reconciliation Agentのexitのインストール

OIMI5ADVライブラリにコネクタ保存ファイルをコピーした後で、Reconciliation Agentのexitをインストールします。すでに述べたように、コネクタのexitは既存のexitが通常に機能できるよう、最後に呼び出されるexitとして開発されています。exitをインストールするには、次のようにします。

  1. i5/OS Reconciliation Agentは、メニュー方式またはコマンド方式のいずれかのインストール・プロトコルでインストールできます。次の手順は、メニュー方式のプロトコルの使用を仮定しています。

  2. システム管理者としてi5/OSシステムにログオンします。

  3. コネクタ・ライブラリ・ファイルおよびオブジェクトがOIMI5ADVライブラリに存在することを確認します。


    関連項目:

    「手順2: Reconciliation Agentのインストール」ではコネクタ・ファイルのライブラリへのコピー手順を説明しています。

  4. ユーザーのexit登録プログラムWRKREGINFを起動します。

         Parameters or command
         ===> WRKREGINF
    
    

    i5/OSで、exitプログラムが動的にコールされます。つまり、exitプログラムがシステムで登録されている場合、新しいバージョンのプログラムを登録することなく置換できます。

  5. 主にCHG_PROFILE(変更)、CRT_PROFILE(作成)およびDLT_PROFILE(削除)エントリを使用して実行します。1人のユーザーが複数のオブジェクトを所有して、複数のリストおよび内部表に存在する可能性があるため、1つのユーザー・プロファイルの削除に長時間かかることもあります。

    1人のユーザーの後のクリーンアップは、処理に長時間(数分)かかる場合があるため、クリーンアップ処理にバッチ・ジョブが使用されます。クリーンアップ・ジョブの開始前および終了時の2つの削除ポイントがあります。Reconciliation Agentが監視するのは、最初の削除ポイント(クリーンアップ・ジョブの前)のみです。

    さらに、各exitポイントには関連するexitポイント形式があります。exitプログラムに渡される形式により、他に渡される情報の形式も決定されます。次に示す例では、これらのexitポイントに、グループ単位または一度に1つのいずれの場合にも、オプション8が選択されています。次のexitを変更します。

    QIBM_QSY_CHG_PROFILE  CHGP0100     *YES     Change User Profile
    QIBM_QSY_CRT_PROFILE  CRTP0100     *YES     Create User Profile
    QIBM_QSY_DLT_PROFILE  DLTP0200     *YES     Delete User Profile - before
    QIBM_QSY_RST_PROFILE  RSTP0100     *YES     Restore User Profile
    QIBM_QSY_VLD_PASSWRD  VLDP0100     *YES     Validate Password
    
    
  6. RST_PROFILE(リストア)exitポイントも、他の通常の操作時に(スクラッチからのシステム全体のリストア時を除く)ユーザー・プロファイルを保存ファイルからリストアする場合に必要です。

    VLD_PASSWRD exitポイントも、ユーザーがパスワードを変更する場合にコールする際に使用します。このexitポイントは、初期パスワードを使用してユーザー・プロファイルを作成する場合またはセキュリティ管理者がユーザーのパスワードを変更する場合にはコールされません。


    注意:

    このIBM社の設計の制限事項は、別のexitポイントQIBM_QSY_CHK_PASSWRDを導入することにより、IBM i5/OS V5R4では修正されています。

  7. QIBM_QSY_CHG_PROFILEとともにXUSRPWD exitプログラムを登録する必要があります。ただし、その際にこのポイントに登録されている既存のexitプログラムが見つかる場合があります。次のコードの例では、これはメイン・システム・ライブラリQSYSQGLDPUEXITです。これは、i5/OSシステム自体がこのexitポイントを使用して機能を拡張しているということを意味しています。

    exitプログラムが実行する順番を決定するexitプログラム番号を考慮に入れる必要もあります。通常、システムexitプログラムは処理順序の最後に実行されるため、exitプログラム番号の数字は非常に大きくなります(2147483647)。Oracle Identity Managerカスタム・ユーザーのexitプログラムに入力して、「Add」のオプション「1」を選択します。

                   Exit
                 Program     Exit
     Opt          Number     Program        Library
     1                       XUSRPWD        OIMI5ADV
              2147483647     QGLDPUEXIT     QSYS
    
    
  8. [Enter]キーを押すと、「Add」画面が表示されます。画面には次の値が表示されます。

     Exit point . . . . . . . . . > QIBM_QSY_CHG_PROFILE
     Exit point format  . . . . . > CHGP0100      Name
     Program number . . . . . . . > 1             1-2147483647, *LOW, *HIGH
     Program  . . . . . . . . . . > XUSRPWD       Name
       Library  . . . . . . . . . >   OIMI5ADV  Name, *CURLIB
     Threadsafe . . . . . . . . .   *UNKNOWN      *UNKNOWN, *NO, *YES
     Multithreaded job action . .   *SYSVAL       *SYSVAL, *RUN, *MSG, *NORUN
     Text 'description' . . . . .   *BLANK
    
    

    [Enter]キーを押してプログラムを追加し、[F5]キーを押してシステムをリフレッシュして操作の結果を表示します。


    注意:

    exitプログラムは、exitプログラムのコールにつながるコマンドを発行するジョブまたはユーザーの環境(アクティベーション・グループという)で実行されます。すなわち、現行ライブラリ(*CURLIB)値の変更が多く、システムがexitプログラムを検索できない場合があります。システムがexitプログラムを検索できるライブラリを、前述の画面出力で示したようにexitプログラム登録にコード化することは、一般的に簡単ではありません。

  9. 次のようにして、残りのexitポイントを操作します。

                 Program     Exit
     Opt          Number     Program        Library
    
                       1     XUSRPWD        OIMI5ADV
              2147483647     QGLDPUEXIT     QSYS
    
    
    Exit point:   QIBM_QSY_CHG_PROFILE     Format:   CHGP0100
    
    Exit point:   QIBM_QSY_CRT_PROFILE     Format:   CRTP0100
    
    Exit point:   QIBM_QSY_DLT_PROFILE     Format:   DLTP0200
    
    Exit point:   QIBM_QSY_RST_PROFILE     Format:   RSTP0100
    
    Exit point:   QIBM_QSY_VLD_PASSWRD     Format:   VLDP0100
    
    

    注意:

    IBM i5/OS V5R4では、CHK_PASSWRD exitポイントも登録します。

  10. 汎用登録機能が導入される前は、パスワード検証プログラムが使用されていました。これは、システム値設定を介して処理されました。WRKSYSVALコマンドを使用すると、システム構成のほとんどを制御するシステム値を使用して実行できます。WRKSYSVALコマンドを入力して、次に示す行にスクロール・ダウンします。

    QPWDVLDPGM  *SEC     Password validation program
    
    
  11. QPWDVLDPGMのオプション「2」を選択します。

  12. XUSRPWD exitプログラムを様々なexitポイントに追加した後で、NOTIFY exitプログラムも追加する必要があります。NOTIFY exitプログラムは、XUSRPWD exitプログラムの後にトリガーする必要があるため、プログラム番号2で指定する必要があります。NOTIFY exitプログラムは、CHGP0100CRTP0100およびDLTP0200 exitのためにのみ登録する必要があります。

  13. これでReconciliation Agentのexitのインストールが完了します。


注意:

  • *REGFACのかわりにexitプログラムが指定されている場合は、既存の検証プログラムを妨げるため続行しないでください。この検証プログラムの指定方法は、現在廃止されています。コールの形式が登録されたプログラムのものとは異なり、最近のドキュメントには記載されていません。IBM i5/OS Advanced Connectorのコードは、旧式の検証プログラムをサポートしていません。

  • QSECURITYシステム値がシステムのセキュリティ・レベルを決定します。最高(最も安全)レベルはレベル50です。Oracle Identity Manager i5/OS Advanced Connectorは、最高のセキュリティ・レベルであるレベル50向けに設計され、合格しています。


手順4: メッセージ・トランスポート・レイヤーの構成

i5/OSシステムのメッセージ・トランスポート・レイヤーを構成するには、Notify exit IPアドレスを構成します。

  1. Notify exitは、QCSRC/IPPARMSファイルのLDAP Gateway(Oracle Identity Managerサーバーにインストール済)のIPアドレスおよびポート番号パラメータを使用します。

  2. LDAP GatewayのIPアドレスおよびポート番号を指定するには、QCSRC/IPPARMSファイルを開いて編集します。

  3. 標準のポート番号は5490です。この番号は、実際のポート番号の前に0を付けて6桁で入力する必要があります。たとえば、5490005490と入力する必要があります。

  4. ポート番号の後ろにコロン(:)記号、LDAP GatewayサーバーIP、さらにコロン記号の順に入力します。

    次に例を示します。

    00590:10.0.0.1:
    
    
  5. QCSRC/IPPARMSファイルを保存します。IBM i5/OSへのこの変更は、IPLを必要としません。


    注意:

    ポート番号は、最初に0を付けた状態で最初の6文字の位置に使用してください。コロンの文字位置は7番目です。IPアドレスの文字位置は8番目から始まり、そのサイズは様々です。ただし、その後にコロンを使用してください。