Oracle Access Managerの各マニュアルは、職場で特定の業務を担当するユーザーに役立つように作成されています。個々のOracle Access Managerのデプロイでは、全実装プロセスの様々な時点で、次のユーザーが関与する可能性があります。
技術アーキテクト
ネットワーク、システム、データベース、およびWebの管理者
ITおよびアプリケーションの開発者
品質保証(QA)エンジニア
ビジネス・アナリスト
この章では、表6-1に示すOracle Access Managerスイートの各マニュアルの概要を説明します。各説明では、対象読者と、各マニュアルに記載されたタスクの前提条件(推奨される知識およびスキル)の概要を示します。表の後に個別の説明が記載されています。
表6-1 Oracle Access Managerのマニュアル
タイトル | 内容 |
---|---|
Oracle Application Serverのリリース・ノート |
製品、変更点と新機能などについての最新の詳細情報を提供します。 |
『Oracle Access Manager Patchset Notes』 |
パッチ・セットをインストールまたは削除するための手順、パッチ・セットの既知の問題などを示します。 |
『Oracle Access Manager List of Bugs Fixed』 |
パッチ・セットで修正されたOracle Access Managerの一般的な不具合をすべて、コンポーネントごとに並べて示します。 |
|
Oracle Access Manager 10g(10.1.4.0.1)の概念、機能、およびアプリケーションについて説明します。 |
『Oracle Access Managerインストレーション・ガイド』 |
環境の準備、およびOracle Access Managerのインストールと設定について説明します。 |
『Oracle Access Managerアップグレード・ガイド』 |
Oracle Access Managerの以前のインストールを最新バージョンにアップグレードする方法について説明します。 |
『Oracle Access Manager IDおよび共通管理ガイド』 |
アイデンティティ・システムおよび共通管理タスクを実行するために必要な詳細情報を提供します。 |
『Oracle Access Managerアクセス管理ガイド』 |
アクセス・システムの管理タスクを実行するために必要な詳細情報を提供します。 |
『Oracle Access Managerデプロイメント・ガイド』 |
Oracle Access Managerのインストールの微調整および管理について説明します。 |
『Oracle Access Managerカスタマイズ・ガイド』 |
アプリケーションの表示形式を変更するためのOracle Access Managerのカスタマイズ、およびOracle Access Managerの制御方法の変更に関する詳細説明します。 |
|
Oracle Access Managerによって提供されるApplication Program Interface(API)について、およびOracle Access Managerの機能にアクセスし、場合によってはその機能を拡張するために提供されているプログラム・アクセスを使用するカスタム・アプリケーションおよびプラグインを作成する方法について説明します。 |
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Oracle Access Managerとサポートされるサード・パーティ製品を統合する方法について説明します。 |
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Oracle Access Managerの動作を制御するOracle提供のオブジェクトと属性について説明します。 |
『Oracle Access Manager Configuration Managerインストレーションおよび管理ガイド』 |
Oracle Access Manager 10g(10.1.4.0.1)またはOracle COREidリリース7.0.4のデプロイ間での構成データの変更の送信について説明します。 |
製品リリースに関する最新の詳細情報については、Oracle Application Serverのリリース・ノートを参照してください。このマニュアルでは次の情報が提供されています。
Oracle Access Managerの変更点と新機能
既知の問題
ドキュメントの更新と解決済の問題
『Oracle Access Manager Patchset Notes』は、パッチ・セットをインストールまたは削除するための手順、パッチ・セットに関連する既知の問題の一覧およびこのOracle Access Managerパッチ・セットで修正されたプラットフォーム固有の不具合の一覧を提供します。
『Oracle Access Manager List of Bugs Fixed』は、パッチ・セット・ノートを補足します。パッチ・セットで修正されたOracle Access Managerの一般的な(すべてのオペレーティング・システムに共通の)不具合のすべてをコンポーネントごとに並べて示します。
次のことについての概要を説明します(このガイドです)。
このリリースでの新機能の一覧
製品の概念、機能、コンポーネント、アプリケーションの概要
統合およびカスタマイズのオプションの概要
システムの動作のまとめを含む、グローバリゼーション、ローカリゼーション、およびマルチバイト言語サポートの概要
システムの動作の概要
インストールおよびマルチ言語環境の概要
Oracle Access Managerの全マニュアルに対するロード・マップと対象読者および推奨される前提知識とスキル
用語集
『Oracle Access Managerインストレーション・ガイド』では、環境の準備、およびOracle Access Managerのインストールと設定を行う際に役立ちます。次の情報が含まれます。
インストールおよび実行する必要のあるタスクのシーケンスの概要
インストールの前提条件、考慮事項、およびオプション
経験を整理し、Oracle Access Managerのインストールを文書化するのに役立つ準備ワークシート
Oracle Access Managerのインストール成功に役立つステップごとの説明
トラブルシューティングのヒント
次の情報が必要な場合は、『Oracle Access Managerインストレーション・ガイド』を読む必要があります。
インストールと構成のタスクの概要、およびそれぞれの詳細な情報が提供されている場所
インストールの前に環境を準備する方法の詳細
アイデンティティ・サーバーのインストールと設定
アイデンティティ・サーバーとの通信を可能にするためのWebPassのインストール
アクセス・システム・コンソールを含むポリシー・マネージャのインストールと設定
ディレクトリ・サーバーおよびWebGateとの通信を可能にするためのアクセス・サーバーのインストール
アクセス・サーバーとの通信を可能にするためのWebGateのインストール
Oracle Virtual Directory、SNMPエージェント、および言語パックを含む、オプション・コンポーネントのインストール
インストールを開始する前に、『Oracle Access Manager概要』を必ず読んでください。このマニュアルは、読者が次のことについての知識と経験を持っていることを想定しています。
オペレーティング・システムとファイル・システム(WindowsベースまたはUNIXベース)
インターネットに接続されているサイトおよびネットワーク・プロトコル
ネットワーク・セキュリティ: ファイアウォールの構築、認証システムのデプロイなど
ホスト・セキュリティ: パスワード、UID、ファイル権限、ファイル・システムの整合性など
Webサーバー、Webブラウザ、および構成の詳細
データベース管理
『Oracle Access Managerアップグレード・ガイド』では、既存のOblix NetPointまたはOracle COREidのインストールをOracle Access Manager 10g(10.1.4.0.1)にアップグレードする際に役立つ情報を提供します。次の情報が含まれます。
アップグレードのタスク、計画、およびデプロイ・シナリオの概要
アップグレードの概念と方法の概要
アップグレードの前提条件、考慮事項、および準備手順
以前のシステムの動作と10g(10.1.4.0.1)システムの動作の違いを簡単に理解するのに役立つサマリー
すべてのコンポーネントとインスタンスを10g(10.1.4.0.1)に正しくアップグレードするのに役立つステップごとの説明
アップグレードされた環境で以前のカスタマイズとの互換性を確保するために行う必要のあるアップグレード終了後の手順
トラブルシューティングのヒント
以前のOblix NetPointまたはOracle COREidのインストールをOracle Access Manager 10g(10.1.4.0.1)にアップグレードする必要のあるすべてのユーザーは、『Oracle Access Managerアップグレード・ガイド』を読む必要があります。次の作業が含まれます。
古いインストール環境の準備とインベントリの取得
アイデンティティ・システムのコンポーネントのアップグレードと、カスタム・プラグインおよびカスタマイズとの下位互換性の確保
アクセス・システムのコンポーネントのアップグレードと、カスタム・アクセス・クライアントおよびプラグインとの下位互換性の確保
統合コンポーネントのアップグレード
『Oracle Access Managerアップグレード・ガイド』は、読者が次のことについての知識と経験を持っていることを想定しています。
以前のOblix NetPointまたはOracle COREidのインストール
オペレーティング・システムとファイル・システム(WindowsベースまたはUNIXベース)
インターネットに接続されているサイトおよびネットワーク・プロトコル
ネットワーク・セキュリティ: ファイアウォールの構築、認証システムのデプロイなど
ホスト・セキュリティ: パスワード、UID、ファイル権限、ファイル・システムの整合性など
Webサーバー、Webブラウザ、および構成の詳細
データベース管理
『Oracle Access Manager IDおよび共通管理ガイド』では、アイデンティティ・システムの管理に焦点が当てられています。また、アイデンティティ・システムとアクセス・システムに共通するタスクも含まれます。『Oracle Access Manager IDおよび共通管理ガイド』では、次の方法について説明されています。
管理者およびエンド・ユーザーが利用可能な権限とタスクを構成する。
管理を準備する。
アイデンティティ・システム管理者を指定する。
スキーマ・データをアイデンティティ・システムで使用できるようにする。
User Manager、Group ManagerおよびOrganization Managerを構成する
ID機能をワークフローに組み込む。
Oracle Access Managerのグローバル設定を構成する。
トランスポート・セキュリティ・モードを変更する。
監査、アクセス・レポート、ロギングおよびSNMPモニターを設定する。
Active Directoryにデプロイする。
.NET機能を実装する。
実装のこのフェーズでは、『Oracle Access Managerスキーマ詳細』も役に立ちます。
『Oracle Access Manager IDおよび共通管理ガイド』は、次の読者を対象にしています。
ID管理者および委任ID管理者
ユーザー、グループ、またはリソースに関する情報を入力または管理するユーザー
サーバーを管理するユーザー
システム・イベントおよびユーザー・セッションのアクティビティを監査または監視するユーザー
レポートを生成するユーザー
『Oracle Access Managerインストレーション・ガイド』または『Oracle Access Managerアップグレード・ガイド』に従って、Oracle Access Managerがインストールされ、動作が確認されている必要があります。
『Oracle Access Manager IDおよび共通管理ガイド』のアクティビティを実行するには、読者は次のことについての知識と経験を持っている必要があります。
ブラウザ・ベースのインタフェース、ウィンドウおよびメニュー
使用しているWebサーバーとLDAPディレクトリ・サーバー
データの入力
ポリシーの設定
レポートの生成
有用
認証と認可の概念の知識
システムまたはデータベースの管理
『Oracle Access Managerアクセス管理ガイド』では、アクセス・システムの管理に焦点が当てられています。次の方法の詳細が含まれます。
アクセス管理者およびサーバーの設定を構成する。
アクセス・ゲートおよびアクセス・サーバーを構成する。
ポリシー・ドメインでリソースを保護する。
ユーザー認証を構成する。
ユーザー認可を構成する。
シングル・サインオンを設定する。
他のOracle製品でアクセス・システムを使用する。
アクセス・システムを構成および管理する。
フォーム・ベースの認証を設定する。
アクセス・システムで暗号化を有効にする。
実装のこのフェーズでは、『Oracle Access Managerスキーマ詳細』も役に立ちます。
『Oracle Access Managerアクセス管理ガイド』は、次の読者を対象にしています。
アクセス管理者および委任アクセス管理者
ポリシー・ドメインを作成および管理するユーザー
サーバー、WebGateおよびアクセス・システムを構成および管理するユーザー
認証および認可のスキームを作成および管理するユーザー
システム・イベントおよびユーザー・セッションのアクティビティを監査または監視し、レポートを生成するユーザー
『Oracle Access Managerインストレーション・ガイド』または『Oracle Access Managerアップグレード・ガイド』に従って、Oracle Access Managerがインストールされ、動作が確認されている必要があります。
『Oracle Access Managerアクセス管理ガイド』のアクティビティを実行するには、読者は次のことについての知識と経験を持っている必要があります。
ブラウザ・ベースのインタフェース、ウィンドウおよびメニュー
使用しているWebサーバーとLDAPディレクトリ・サーバー
データの入力
ポリシーの設定
レポートの生成
有用
認証と認可の概念の知識
システムまたはデータベースの管理
『Oracle Access Managerデプロイメント・ガイド』では、Oracle Access Managerのインストールを微調整して管理するために必要な情報を提供します。このガイドには次の範囲が含まれます。
容量計画
システム・チューニング
パフォーマンスとスケーラビリティに関する考慮事項
フェイルオーバーとロード・バランシング
キャッシング
Oracle Access Managerをテスト環境から本番環境に移すための移行計画
『Oracle Access Managerデプロイメント・ガイド』は、Oracle Access Managerの実装の最適化を担当するシステム管理者、ネットワーク管理者、またはマスター管理者に必要な知識およびスキルを対象にしています。
『Oracle Access Managerデプロイメント・ガイド』のアクティビティを実行するには、読者は次のことについての深い知識と経験を持っている必要があります。
ネットワーク、サイト計画およびネットワーキングの概念
分散コンピューティング環境の概念
整合性のあるネットワーク全体のファイル・システムのレイアウトの設計
ルーティングの原理
クライアント/サーバー・プログラミング
オペレーティング・システムの詳細とプロセス間通信
システム・パフォーマンスのチューニング
ファイアウォールとインターネットのセキュリティ
コンピューティング・ポリシー
有用
フェイルオーバーの概念と実現に関する知識
ネットワーク通信
『Oracle Access Managerカスタマイズ・ガイド』では、プログラミングを行わないでOracle Access Managerの表示と動作を制御する方法について説明します。このガイドには次のトピックが含まれます。
Oracle Access Managerアプリケーションの表示形式の変更
カタログ・ファイルのチューニング
XMLファイルの変更によるグラフィカル・ユーザー・インタフェース(GUI)の設計
Oracle Access Managerの画面へのCGIファイルまたはJavaScriptの接続
オペレーティング・システム、Webまたはディレクトリ・サーバー、またはディレクトリの内容の構成を変更することによる、Oracle Access Managerの動作方法の制御
管理者の観点からのAccess Manager API(以前のアクセス・サーバーAPI)、認可プラグインAPI、および認証プラグインAPIの導入
『Oracle Access Managerカスタマイズ・ガイド』は、動作を制御するためにOracle Access Managerをカスタマイズするすべてのユーザーに役に立ちます。
このマニュアルで説明する技法は不具合を起こしやすいので、最大限の注意を払って使用する必要があります。このマニュアルは、読者が次のことについての知識と経験を持っていることを想定しています。
Oracle Access Managerの使用
アイデンティティ・システムとアクセス・システムの間の論理的な接続
ディレクトリとLDAPに関する一般的な実用的知識
コマンドライン・レベルでのファイルの操作とアプリケーションの実行
『Oracle Access Managerインストレーション・ガイド』または『Oracle Access Managerアップグレード・ガイド』に従って、Oracle Access Managerがインストールされ、動作が確認されている必要があります。
有用
システムまたはデータベースの管理
CGIファイルまたはJavaScriptに関する知識
Webサーバー、Webブラウザ、オペレーティング・システムおよび構成の詳細
『Oracle Access Manager開発者ガイド』では、Oracle Access Managerが提供するApplication Program Interface(API)について説明します。また、Oracle Access Managerの機能にアクセスし、場合によってはその機能を拡張するために、Oracle Access Managerによって提供されているプログラム・アクセスを使用するカスタム・アプリケーションおよびプラグインを作成する方法についても説明します。このガイドでは次の方法を説明します。
ブラウザを使用せずに、IdentityXMLを使用してOracle Access Managerのアイデンティティ・システムと対話する。
IDイベント・プラグインAPIを使用して、アイデンティティ・システム内のイベントによってトリガーされる機能と実行可能ファイルを実装する。
ブラウザを使用せずに、AccessXMLを使用してOracle Access Managerのアクセス・システムにアクセスする。
Java、C、C++、およびC#(.NETマネージ・コード)でAccess Manager API(Access Manager Software Developer Kitのサブセット)を使用してカスタム・アクセス・ゲートを開発する。
プログラム・インタフェース(Java、C、およびC#(.NETマネージ・コード))を使用してポリシー・ドメインとその内容を作成、変更、削除、および取得するアプリケーションを、ポリシー・マネージャAPI(Access Manager Software Developer Kitのサブセット)を使用して作成する。
認証および認可プラグインAPIを使用して、カスタム・フィルタおよびロジックを適用するサーバー側プラグインを開発する。
『Oracle Access Manager統合ガイド』では、Oracle Access Managerと次のようなサード・パーティ製品を統合する方法について説明します。
Oracle Application Server
Siebel
WebLogic SSPI用セキュリティ・プロバイダ
IBM WebSphere
Plumtreeポータル
RSA SecurID
SharePoint Portal Server、Content Management Server
その他
サポートされる統合の完全な一覧については、最新の『Oracle Access Manager統合ガイド』を参照してください。このガイドでは、各統合を行うための考慮事項と手順が説明されています。
『Oracle Access Managerスキーマ詳細』では、Oracle Access Managerの動作を制御するOracle提供のオブジェクトと属性について説明します。この情報は、製品の構造と動作の理解を助けるために提供されています。
『Oracle Access Manager Configuration Managerインストレーションおよび管理ガイド』は、Oracle Access Manager 10g(10.1.4.0.1)またはOracle COREidリリース7.0.4のデプロイ間で構成データの変更を送信する際の考慮事項、前提条件およびステップごとの手順を提供します。たとえば、開発デプロイから本番前デプロイに変更を送信する場合があります。成功を確保できるように、考慮事項、前提条件およびステップごとの説明などが記載されています。構成データとは、LDAPディレクトリに格納されるOracle Access ManagerまたはOracle COREidの構成データとアクセス・ポリシー・データを指します。