このトピックでは、ADF Facesのコマンド・コンポーネントと移動コンポーネントについて説明します。
ビジュアルなボタンおよびリンクを作成するには、ADF Facesのコマンド・コンポーネント(oracle.adf.view.faces.component.UIXCommand
)および移動コンポーネント(oracle.adf.view.faces.component.UIXGo
)を使用します。いずれのコンポーネントも、javax.faces.component.StateHolder
インタフェースを実装します。2つのコンポーネントの間の主な違いは、コマンド・コンポーネントでは、アクティブ化されるとリクエストを発行してアクション・イベントを起動しますが、移動コンポーネントでは実行されない点にあります。通常、移動コンポーネントは、サーバー側のアクションなしで、destination
属性に指定されている別の場所に直接移動します。
コマンド・コンポーネントと移動コンポーネントはいずれも同じように見えます(次の図のように、作成時はコンポーネントのデフォルト名が表示されます)。
javax.faces.component.ActionSource
の実装に加え、ADF Facesコマンド・コンポーネントはoracle.adf.view.faces.component.DialogSource
インタフェースも実装します。ADF Facesコマンド・コンポーネントには、次のものがあります。
commandButton
: アクティブ化されたときにリクエストを発行するボタン表現を作成します。
commandLink
: アクティブ化されたときにリクエストを発行するリンク表現を作成します。単独で使用するか、メニュー・バーやメニュー・タブなどのコンテナ・タイプ内で使用できます。
commandMenuItem
: アクティブ化されたときにリクエストを発行するメニュー項目表現を作成します。MenuModel
オブジェクト(af:page
コンポーネントやメニュー・コンポーネントなど)にバインドできるADF FacesコンポーネントのnodeStamp
ファセットでも使用できます。
ADF Facesコマンド・コンポーネントとJSF標準コマンド・コンポーネント間の一般的な相違点と類似点は、次のとおりです。
text
属性(h:commandButton
またはh:commandLink
のvalue
属性のかわりに)を使用します。
h:commandButton
でtype="reset"
を指定するかわりに、af:resetButton
を使用します。
h:commandButton
でimage
属性を指定するかわりに、af:objectImage
を使用します。
af:commandLink
コンポーネントでのf:param
の使用をサポートしています。これは、リンクがアクティブ化されたときに、名前と値が指定されたリクエスト・パラメータが作成されることを意味します。このリクエスト・パラメータは、ナビゲーション結果の変更に使用するなど、任意の方法で使用できます。
ADF Facesコマンド・コンポーネントに設定する属性は、次のとおりです。
text
: ボタンまたはリンクのラベル。
action
: 静的なアクション結果、またはナビゲーションという結果になるアクション・メソッドへのメソッド・バインディング参照。詳細は、「ナビゲーションに影響を与えるアクション・メソッドおよび結果について」を参照してください。
actionListener
: アクション・リスナー・メソッドへのメソッド・バインディング参照。アクション・リスナーの詳細は、「アクション・イベントおよびJSFでのリスナーについて」を参照してください。
blocking
: true
に設定すると、アクションの開始時にコンポーネントへのユーザー入力が遮断されます。サーバーからレスポンスを受け取ると、ユーザー入力の遮断は解除されます。この属性は、commandMenuItem
ではサポートされません。
immediate
: イベントがコンポーネントによって生成されたときに、クライアント側またはサーバー側の検証を実行するかどうかを判断します。デフォルトはfalse
です。true
に設定すると、アプリケーションの起動フェーズではなくリクエスト値の適用フェーズに、デフォルトのActionListener
が実行されます。これは、フォーム発行時には検証が実行されないことを意味します。コマンド・コンポーネントのimmediate属性および入力コンポーネントのrequired属性の詳細は、「必須値およびimmediate属性について」を参照してください。
launchListener
: 起動リスナーのメソッド・バインディングへの参照。
returnListener
: 戻りリスナーへのメソッド・バインディング参照。
partialSubmit
: 部分ページ発行を介してアクションを実行するかどうかを判断します。true
に設定すると、ADF Facesは部分ページ発行を介してアクションを実行するため、ページ全体のリフレッシュではなく部分ページ・レンダリングとなります。デフォルトでは、partialSubmit
はfalse
で、発行時はページ全体のリフレッシュとなることを意味します。この属性はcommandMenuItem
ではサポートされません。
selected
: 選択されたときにコンポーネントをレンダリングするかどうかを判断します。この属性はcommandButton
ではサポートされません。この属性は、メニュー・コンポーネントで使用される場合にのみ、commandLink
およびcommandMenuItem
に適用できます。
useWindow
、windowHeight
、windowWidth
: ダイアログの起動時に使用する属性。"dialog:
"で開始するアクション結果と併用します。これらの属性の詳細は、「ADF Facesコマンド・コンポーネントからのダイアログの起動について」を参照してください。
ADF Facesの移動コンポーネントには、次のものがあります。
goButton
: アクティブ化されたときにリクエストを発行しないボタン表現を作成します。
goLink
: アクティブ化されたときにリクエストを発行しないリンク表現を作成します。h:outputLink
のかわりに使用します。単独で使用するか、メニュー・バーやメニュー・タブなどのコンテナ・タイプ内で使用できます。
goMenuItem
: アクティブ化されたときにリクエストを発行しないメニュー項目表現を作成します。MenuModel
オブジェクト(af:page
コンポーネントやメニュー・コンポーネントなど)にバインドできるADF FacesコンポーネントのnodeStamp
ファセットでも使用できます。
移動コンポーネントで使用する主な属性は、次のとおりです。
destination
: コンポーネントが参照するURI。
text
: リンクに対するテキスト・ラベル。
ADF Facesメニューのファセットおよびコンポーネントについて
af:setActionListenerおよびprocessScopeについて
JSF HTMLタグにかわるADF Facesタグについて
フォームのデフォルトの発行ボタンについて
ADF Facesナビゲーション・コンポーネントの概要
アクション・イベントおよびリスナーの使用
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