ASKサーバーについて

現在では、ADFモバイルにより、電子メール、インスタント・メッセージ(IM)およびショート・メッセージング・サービス(SMS)などの双方向のメッセージ・システムのエンタープライズ・アプリケーションを開発できます。

Oracle Application Server(AS)Wirelessでは、双方向のメッセージ・システムでの対話が可能なASKアプリケーションをサポートしています。Oracle AS Wirelessでは、企業がASKアプリケーションをデプロイすると、従業員は、たとえば固定電話番号へのSMS calの送信により、その日の予定を迅速に検索したり、固定電話番号へのSMS inv 654321の送信により、部品番号の在庫ステータスを問い合せることができます。Oracle AS Wirelessでは、これらのメッセージをモバイル・オペレータのネットワークを介して受信し、問合せをそれぞれのアプリケーションに配信し、結果をユーザーに返します(SMSの場合)。

Oracle Application Server 10g R3のリリースでは、ADFモバイルは標準Java Server Faces(JSF)プログラミング・モデルによるASKアプリケーションの開発もサポートしています。これらのアプリケーションを開発する場合、低レベルのトランスポート・プロトコルについて学習する必要はなく、ADF Facesコンポーネントを簡単な単一ページまたは多様な複数ページの対話型サービスに迅速にアセンブルできます。

ASKアーキテクチャ

ASKサーバーは、Webアプリケーションと対話するためのメッセージ・デバイスを有効化するコンポーネントです。これにより、メッセージ・デバイスのユーザーが情報についてask(問い合せること)ができるため、ASKと呼ばれます。このコンポーネントは様々なメッセージ・チャネルからのリクエストを受信し、これらのリクエストを標準JSFアプリケーションにプロキシし、その結果をリクエスト元のデバイスに返します。この間、各クライアントのセッション状態も管理します。ASKサーバーでは、簡単な問合せ/応答サービスから、メニュー、複数フォームおよび複数画面へのナビゲーションのある精巧なアプリケーションまで、様々なレベルのアプリケーションを迅速に開始できます。

ASKアプリケーションへのアクセスの例

双方向メッセージ・デバイスのユーザーがASKアプリケーションにアクセスする方法の例を次に示します。

SMS対応の電話で「株価」アプリケーションにアクセスするには、ユーザーは次のように操作します。

  1. メッセージの本文としてテキストstk orclのメッセージを作成します。

    注意: stkは「株価」アプリケーションを識別する短縮名であり、orclはアプリケーションに必要な引数です。

  2. サービス・プロバイダから提供された宛先アドレスにメッセージを送信します(たとえば、SMSショート・コードの場合は223などです)。

次に、サーバーがリクエストを含むメッセージを処理し、その結果を別のメッセージで返します。


ASKアプリケーションの詳細
Oracle JDeveloper 10.1.3でのシンプルなASKアプリケーションの作成方法