UMLシーケンス図の開始

システムに関するメッセージの交換をモデル化するには、UMLシーケンス図を使用します。同じダイアグラムに、後で他のUML要素を追加できます。

UMLシーケンス図は、次のいずれかの方法で作成できます。

UMLシーケンス図上の要素のレイアウトは重要であるため、可能なかぎり自動的に決定されます。オブジェクト・ライフラインは同じレベルに垂直に配置されます。ただし、別のオブジェクト・ライフラインで作成された場合は、1レベル下げて配置されます。同期メッセージと非同期メッセージは、ページの上から下へ時系列に配置されます。

シーケンス図に要素を表すために使用するUML表記法の詳細は、「UMLシーケンス図の読み方」を参照してください。UMLシーケンス図の作成方法については、「UMLシーケンス図の作成」を参照してください。

オブジェクト・ライフライン

オブジェクト・ライフラインをダイアグラムに追加するには、オブジェクト・ライフライン・アイコン(オブジェクト・ライフライン )をクリックし、ダイアグラム上でオブジェクト・ライフラインを追加する位置をクリックします。編集ボックスが開き、オブジェクトのインスタンス名を入力できます。匿名のインスタンスの場合は空白のままにできます。

分類子を追加するには、オブジェクト・ライフラインを右クリックし、「分類子の添付」を選択します。要素のリストが開き、オブジェクト・ライフラインに関連付ける要素を選択できます。分類子を添付するには、分類オブジェクトをナビゲータからオブジェクト・ライフラインにドラッグする別の方法もあります。これらの方法は、分類要素を表すアイコンの外観(オブジェクト・ライフラインの左上)によって確認できます。

オブジェクト・ライフラインは左右に移動できます。シーケンス図のプロパティ「ライフラインのレイアウト」を「True」に設定している場合は、オブジェクト・ライフラインを重ねたりシーケンス外に移動することはできません。「ライフラインのレイアウト」のプロパティを「False」に設定している場合は、オブジェクト・ライフラインを任意の位置に水平に移動できます。「ライフラインのレイアウト」のプロパティを「False」から「True」にリセットすると、ダイアグラムは従来のレイアウトに自動的に再描画されます。

実行発生と同期メッセージ

同期メッセージとそのメッセージの終わりに実行発生(適切な場合)を追加するには、メッセージ・アイコン( メッセージ )をクリックし、そのメッセージの開始ポイントとなる垂直の破線、つまり実行発生をクリックします。次に、そのメッセージの宛先になる垂直の破線をクリックします。

同じライフライン上にある実行発生は、1つの実行発生をドラッグして別の実行発生にドロップすることで、マージできます。

実行発生(および添付されているメッセージ)は、元の位置から上下に移動できます。この移動によって、ダイアグラムが無効になる場合があります。ダイアグラムが無効になると、メッセージ線が赤に変わり、宛先のオブジェクトに矢印アイコンが付きます。この矢印アイコンは、ダイアグラムを有効にするためにオブジェクトを移動する方向を示します。

「実行発生」ボックスのサイズは、「実行発生」ボックスを選択したときに下隅に表示される黒色の小さいボックスをドラッグして変更できます。メッセージ線をドラッグして延長すると、実行発生のサイズが変更されます。

メッセージ・テキストの編集ボックスを開くには、メッセージ線をクリックし、表示されたグレーのボックス内をクリックします。

同期メッセージの開始ポイントと宛先ポイントが同じオブジェクト・ライフラインである場合があります。この場合は、セルフ・コールを作成したことになります。

同期メッセージは、シーケンス図上では実線と塗りつぶされた矢印で表示されます。

作成メッセージ

作成メッセージを追加するには、作成メッセージ・アイコン( 作成メッセージ )をクリックし、元のオブジェクトをクリックします。次に、作成されるオブジェクト(すでにダイアグラム上にある場合)をクリックします。作成されるオブジェクトを表す四角形と破線が元のオブジェクトより下方向にシフトします。

作成されるオブジェクトがダイアグラム上にない場合は、ダイアグラムの空き部分をクリックします。これによって、作成されるオブジェクトを表すオブジェクト・ライフラインが作成されます。

デフォルトでは、作成メッセージには「create」という名前が指定されます。メッセージ名の編集ボックスを開くには、メッセージ線をクリックし、表示されたグレーのボックス内をクリックします。

停止メッセージ

停止メッセージを追加する前に、このメッセージによって削除されるオブジェクトのオブジェクト・ライフラインがすでに追加されている必要があります。

停止メッセージは、停止メッセージ・アイコン(停止メッセージ)、元のオブジェクト、削除されるオブジェクトをクリックして追加します。同じオブジェクトで停止メッセージを開始して終了すると、自己削除オブジェクトが作成されます。停止メッセージの終了時の実行発生は、大きな十字によって示されます。メッセージ行をクリックして、表示される灰色のボックス内をクリックすると、メッセージ名(たとえば、close)の編集ボックスを開くことができます。

戻りメッセージ

シーケンス図には、同期メッセージの戻りメッセージを追加できます。

戻りメッセージを追加するには、戻るアイコン( 戻る )をクリックし、終了実行発生をクリックします。次に、対応する開始実行発生をクリックします。この戻りメッセージ線は別のオブジェクトで終了できません。戻りメッセージは、破線と塗りつぶされた矢印で表示されます。メッセージ・テキストの編集ボックスを開くには、メッセージ線をクリックし、表示されたグレーのボックス内をクリックします。

非同期メッセージ

非同期メッセージとそのメッセージの終わりに実行発生(適切な場合)を追加するには、非同期メッセージ・アイコン( 非同期メッセージ )をクリックし、そのメッセージの開始ポイントとなる垂直の破線、つまり実行発生をクリックします。次に、そのメッセージの宛先になる垂直の破線をクリックします。メッセージ・テキストの編集ボックスを開くには、メッセージ線をクリックし、表示されたグレーのボックス内をクリックします。

非同期メッセージの開始ポイントと宛先ポイントが同じオブジェクト・ライフラインである場合があります。この場合は、セルフ・コールを作成したことになります。

非同期メッセージは、シーケンス図上では階段状の線と棒線の矢印で表示されます。

依存性

UMLダイアグラムの依存性の線は、通常、ある要素の定義を変更すると別の要素も変更されることを示すために使用します。

依存性の線は、UMLダイアグラムの一般機能です。

依存性の線をシーケンス図に追加するには、依存性アイコン( 依存性 )をクリックし、元のオブジェクトをクリックします。次に、関連先オブジェクトをクリックします。依存性を説明するテキストの編集ボックスを開くには、依存性の線をクリックし、表示されたグレーのボックス内をクリックします。依存性は、破線と棒線の矢印で表されます。


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