コンテンツ・リポジトリのデータ・コントロールの作成

Java Content Repository(JCR)のデータ・コントロールにより、Oracle Content DBやOracleAS PortalなどのJSR 170レベル1準拠のリポジトリからコンテンツを公開できるようになります。データ・コントロールはコンテンツ・リポジトリ(Oracle Content DB、Oracle Portal Repositoryまたはファイル・システム)を、サービス・メソッドおよび属性のセットとして公開します。これらはデータ・バインド・レイヤーを使用してUIコンポーネントにバインドできます。このトピックの手順に従って、コンテンツ・リポジトリのデータ・コントロールを作成し、設計したコンテンツ・リポジトリに格納されているコンテンツを公開します。

データ・コントロールを作成すると、Oracle JDeveloperの「データ・コントロール」パレットで使用できるようになります。ここからデータ・コントロールをJSF JSP(jspx)ページにドラッグ・アンド・ドロップできます。

注意: コンテンツ・リポジトリのデータ・コントロールでは、JCR(Java Content Repository)をアダプタ標準として使用します。

コンテンツ・リポジトリにデータ・コントロールを作成する手順は、次のとおりです。

  1. アプリケーション・ナビゲータで、データ・コントロールの作成に合うプロジェクト(「モデル」プロジェクトなど)を右クリックし、ポップアップ・メニューで「新規」を選択します。
  2. 「新規ギャラリ」の「カテゴリ」の下で、Business Tierノードを開き、「コンテンツ・リポジトリ」を選択します。
  3. 「項目」の下で、「コンテンツ・リポジトリのデータ・コントロール」を選択します。
  4. 「OK」をクリックします。
  5. ようこそページで「次へ」をクリックします。

    オプションとして、ようこそページから移動する前に、「次回にこのページを表示しない」チェック・ボックス選択し、このウィザードを次に使用するときにようこそページを表示させないようにできます。

  6. 「名前」フィールドに、コンテンツ・リポジトリのデータ・コントロールの名前を入力します。

    データ・コントロール名には、World Wide Web ConsortiumのXML標準の定義に従った有効なXML名を指定してください。

  7. 「次へ」をクリックします。
  8. 「リポジトリ・タイプ」ドロップダウン・リストから、接続するリポジトリのタイプを選択します。

    次の中から選択します。

  9. 「構成パラメータ」表で、選択したリポジトリの接続パラメータの値を指定します。

    注意: アダプタに接続するには、ユーザー名/パスワードとJAASという2つの方法があります。アダプタに接続するために、ユーザー名/パスワードまたはJAASのいずれかを使用しますが、同時に両方は使用しないでください。

    パラメータの要件は、ユーザー名/パスワードによるリポジトリ接続(「セキュリティにJAASを使用」の選択を解除)の構成か、JAASリポジトリ接続(「セキュリティにJAASを使用」を選択)の構成かによって異なります。次の表に、リポジトリ・タイプと関連するデフォルトのパラメータ、および必要な値のタイプの説明を示します。

    リポジトリ・タイプ デフォルトのパラメータ 値の説明
    Oracle Content DB キーストア・パスワード

    キーストアを作成した場合に設定するキーストアのパスワード。

    キーストアには、署名に使用される証明書および秘密鍵が格納されます。

    このパラメータ値は、WS-Securityの場合にのみ関係します。

    S2Sアプリケーションのパスワード

    サービス・ツー・サービスのパスワード。

    パラメータ値は、S2Sの場合にのみ関係します。

    KeyStoreファイルの場所

    キーストアの位置を示すパス。

    相対パス(この場合はファイルがCLASSPATH内にあることが必要)またはファイル・システムのフルパスを指定できます。

    このパラメータ値は、WS-Securityの場合にのみ関係します。

    サーバー公開鍵別名

    サーバーの公開鍵。

    このキーは、サーバーに送信されるメッセージの暗号化に使用されます。

    このパラメータ値は、WS-Securityの場合にのみ関係します。

    サーバーURL

    コンテンツ・リポジトリをホスティングしているサーバーのURL。

    このパラメータには常に値が必要です。リポジトリへの認証にユーザー名/パスワードの方法を使用する場合、すべてのOracle Content DBパラメータの中で、常に値を必要とするのはこのパラメータのみです。

    S2Sアプリケーション名

    トラステッド・クライアント・アプリケーション名。

    通常はLDAP識別名(DN)の形式で指定します。このパラメータ値はS2Sの場合にのみ関係します。

    秘密鍵のパスワード

    キーストアからキーを取得するために必要なクライアントの秘密鍵パスワード。

    このパラメータ値は、WS-Securityの場合にのみ関係します。

    KeyStoreタイプ

    キーストアのタイプ。

    たとえば、JKS(Java Key Store)またはPKCS#12(秘密鍵と証明書を格納する方式である公開鍵暗号方式)があります。Oracle Walletなどの他のフォーマットは、プロデューサがインストールされている場合はサポートされます。

    このパラメータ値は、WS-Securityの場合にのみ関係します。

    トラステッド認証方法

    リポジトリへのログインに使用される認証方法。

    このパラメータは、JAASチェック・ボックスが選択されている場合に値が必要です。値はWS-Security以外にはなりません。WS-Securityは、サーバー・バージョンが10.1.3.2以上の場合に使用されます。S2Sセキュリティは、サーバー・バージョンが10.1.2.xの場合に使用可能です。

    秘密鍵の別名

    キーストア内のクライアントの秘密鍵別名。

    鍵は、サーバーへのメッセージの署名に使用されます。この秘密鍵に対応する公開鍵をサーバー・キーストアにインポートする必要があります。

    このパラメータ値は、WS-Securityの場合にのみ関係します。

    サーバーのバージョン

    サーバーのバージョン。

    このパラメータ値は、WS-Securityの場合にのみ関係します。

    Oracle Portal 接続

    Oracle Portalインスタンスへの接続文字列の名前。

    既存の接続を選択し、「新規」をクリックして接続ウィザードを起動し、新しい接続を追加します。

    ユーザー名 接続に対して用意されているユーザー名をリストする読取り専用フィールド。
    ドライバ 接続に使用されるドライバをリストする読取り専用フィールド。
    接続文字列 Oracle PortalインスタンスへのURL/接続文字列をリストする読取り専用フィールド。
    ファイルシステム ベース・パス

    ファイル・システム・リポジトリへのディレクトリ・フルパス。

    次に例を示します。

    c:/SRContent

  10. 「ユーザー名」フィールドに、コンテンツ・リポジトリにアクセスするために必要なユーザー名を入力します。

    JAASのかわりにユーザー名/パスワードによる方法を使用して、リポジトリへの認証を実行します。

    コンテンツ・リポジトリのタイプとして「ファイル・システム」を選択した場合は、このフィールドはグレー表示されます。Oracle Portalの接続では、このフィールドを空白にすると、パブリック・ユーザーとみなされます。Oracle Content DBでは、ユーザー名/パスワードでの接続方法を使用する場合、必要なのはサーバーURLパラメータの値の入力のみです。

  11. 「パスワード」フィールドに、コンテンツ・リポジトリにアクセスするために必要なパスワードを入力します。

    コンテンツ・リポジトリ・タイプとして「ファイル・システム」を選択した場合、このフィールドはグレー表示されます。

  12. 「セキュリティにJAASを使用」チェック・ボックスを選択し、実行時のコンテンツ・リポジトリへのアクセスを制御するためにJava Authentication and Authorization Service(JAAS)を使用します。

    リポジトリへの認証のために、ユーザー名/パスワードによる方法のかわりにJAASを使用します。JAASにより、WebCenterアプリケーションへログオンしたユーザーのバックエンド・リポジトリへの認証情報の伝播が容易になります。Oracle Content DBおよびOracle PortalのアダプタではJAASがサポートされています。ファイル・システムのアダプタではサポートされていません。

  13. 「テスト」ボタンをクリックして、コンテンツ・リポジトリへの接続をテストします。

    テストが正常に終了すると、成功メッセージが表示されます。テストが正常に終了しなかった場合は、エラー・メッセージが表示されます。

  14. 「次へ」をクリックします。
  15. 属性構成ページで、データ・コントロール定義に表示するカスタム属性を定義します。

    注意: デフォルトの属性namepathURLおよびprimaryTypeは、常に表示されており、変更ができません。さらに、ファイル・システムのデータ・コントロールではlastModifiedという1つのカスタム属性のみがサポートされます。

    1. 「追加」をクリックし、カスタム属性を定義します。
    2. 「名前」に属性名を入力します。
    3. 「タイプ」に、属性に必要な値の型を選択します。

      「String」「Date」「Double」「Long」および「Boolean」から選択します。

    4. JCRパスにJCRパスを入力します。

      たとえば、Content DBアダプタを使用してカテゴリを表示する場合、JCRパスでは次の構文が使用されます。

      jcr:content/csjcr:categories/<CategoryName>/<AttributeName>

      例:

      jcr:content/csjcr:categories/CustomerInfo/CustomerName

      同一のカテゴリを複数回入力する必要があります。また、カテゴリのそれぞれのインスタンスを区別するために、カテゴリ名に番号を付ける必要があります。

      例:

      jcr:content/csjcr:categories/CustomerInfo/CustomerName
      jcr:content/csjcr:categories/CustomerInfo[2]/CustomerName

      目的のアダプタに使用する構文が不明確な場合は、getAttributesを使用して、特定のファイルまたはフォルダについて属性のリストを取得し、そこからリポジトリの構文を判断できます。

  16. 「終了」をクリックするとウィザードが終了します。

    ウィザードが正常に完了すると、コンテンツ・リポジトリのデータ・コントロールがOracle JDeveloperの「データ・コントロール」パレットで使用できるようになります。ここからデータ・コントロールをJSF JSP(jspx)ページにドラッグ・アンド・ドロップできます。

注意: コンテンツ・リポジトリのデータ・コントロールの詳細は、Oracle WebCenter Framework開発者ガイドのコンテンツの統合に関する章を参照してください。


コンテンツ・リポジトリのデータ・コントロール・ウィザードの使用