JSR 168およびOracle PDK-Javaポートレットについて

ポートレットは、様々なリソースのコンテンツを使用できる、再利用可能で、接続可能なWebコンポーネントです。たとえばニュースを提供するポートレットは、リンクされたニュース記事の見出し(記事の説明付き)を提供します。ユーザーはリンクされた見出しをクリックして、外部のニュース・サービスがホストしている記事全体を取得できます。ポートレットは動的で、ニュースがソースで追加および削除が行われるたびに自動的に見出しを変更します。

ポートレットは複数のソースからのデータのシームレスな単一ビューを提供します。ポートレットは他のWebサイトからの抜粋を表示し、重要な情報の概要を生成し、検索を実施し、様々なデータ・ソースからの情報の集積にアクセスします。

Oracle WebCenter Frameworkは、規格に基づいたJavaポートレット(JSR 168)ウィザード、およびOracle PDK-Javaポートレット・ウィザードの2つのウィザードを提供します。JSR 168規格に基づいたポートレットを構築するには、規格に基づいたJavaポートレット(JSR 168)ウィザードを使用します。Oracle Application Server Portal Developer Kit for Java (Oracle PDK-Java) のAPIに基づいたポートレットを構築するには、Oracle PDK-Javaポートレット・ウィザードを使用します。

ポートレットには様々なタイプがあります。このトピックでは、2つのタイプのポートレットに関するハイレベルな説明を提供し、性能の一部を比較します。

JSR 168 Javaポートレット

JSR 168はJavaポートレットを作成するための標準のJavaアプリケーション・プログラミング・インタフェース(API)です。

JSR 168標準は、次を定義します。

JSR 168ポートレットの主な特徴には、次があります。

Web Services for Remote Portlets(WSRP)とJSR 168間は緊密に統合されています。WSRPはアプリケーション・サーバーおよびポートレット・コンテナ間の通信プロトコルです。JSR 168 APIを使用すると、開発者は内外のあらゆるコンテンツのアプリケーションをWSRPに対応したアプリケーション内のポートレットとして統合できます。

Oracle WebCenter Frameworkは標準JSR 168ポートレットの宣言的な作成のための規格に基づいたJavaポートレット(JSR 168)ウィザードを提供します。ウィザードでは、モードの選択、キャッシュの指定、プリファレンスの作成、デフォルト言語の選択、初期化パラメータの指定、セキュリティ・ロールの選択などに進みます。

Oracle PDK-Javaポートレット

J2EE準拠のWebサーバーにデプロイするJavaポートレットを作成するには、Oracle PDK-Javaを使用します。Oracle PDK-Javaは、一般的に要求されるユーティリティを提供し、JSP、サーブレット、静的HTMLページなどの既存のアプリケーション・コンポーネントを利用することで、ポートレット・デプロイメントを簡素化します。Oracle PDK-Javaにより、Webサーバーとポートレット・プロデューサ間の複雑な通信を直接扱うことなくポートレットを作成できます。

Oracle PDK-Javaポートレットの構築、テスト、デバッグおよびデプロイには、Oracle WebCenter Frameworkを使用します。JDeveloperはポートレットのテスト環境として使用できるOracle Containers For Java(OC4J)が組み込まれて出荷されます。

Oracle PDK-Javaと標準JSR 168ポートレットの比較

機能 Oracle PDK-Javaポートレット 標準JSR168ポートレット
ポートレットの構築技術 WebCenterアプリケーションおよびOracleAS Portal用に構築されたポートレットのAPI 規格に基づいた(JSR 168)ポートレット用API。Oracleのポートレット・コンテナ(OC4J)にデプロイする場合、WSRP対応のアプリケーション(WebCenterアプリケーションとOracleAS Portalを含みます)によって使用されます。
必要な専門知識 JavaサーブレットとJSPの知識 JavaサーブレットとJSPの知識
宣言的開発か。 はい。Oracle WebCenter Frameworkから利用できるPDKポートレットの作成ウィザードを介して行います。 はい。Oracle WebCenter Frameworkから利用できる規格に基づいたJavaポートレット(JSR 168)ウィザードを介して行います。
サポートされるデータ・ソース 制限なし 制限なし
デプロイメント・タイプ PDK-Javaプロデューサ WSRP
キャッシュ・スタイル 有効期限ベース、検証ベースおよび無効化ベースのキャッシュ、Edge Side Includes (ESI)

検証ベースおよび有効期限ベースのキャッシュ

注意: JSR 168は検証ベースのキャッシュをサポートしていません。ただしWSRP 1.0はサポートしています。純粋なWSRPポートレットを使用した場合は、検証ベースのキャッシュもサポートされます。JSRポートレットを(Oracle WebCenterで行うように)WSRP上にホスティングすると、検証ベースのキャッシュはサポートされません。

ユーザー・インタフェースの柔軟性 柔軟性が高い 柔軟性が高い
コンテンツをインラインでレンダリングする機能 プライベート・ポートレット・バラメータを使用 次のメソッドを使用して、サーブレットおよびJSPを組み込みます。
(PortletContext.getRequestDispatcher()
パブリック・ポートレット・パラメータのサポート はい

いいえ

注意: 規格に基づいたポートレットでは、WSRP 2.0のナビゲーション・パラメータ機能とJSR 168のOracle WebCenterの拡張機能で、パブリック・パラメータがサポートされます。

プライベート・ポートレット・パラメータのサポート はい はい

イベントのサポート

注意: ポートレット・イベントはOracle Portal 10gの機能であり、WebCenterアプリケーションには影響を与えません。

はい

ポートレットのプライベート・イベント(アクション)

注意: 規格に基づいたポートレットに対しては、コードを記述することで、イベントのサポートを手動で実装できます。

ユーザー権限に基づいてポートレットの表示/非表示する機能
あり。セキュリティ・マネージャを使用します。 あり。サーブレット・セキュリティ・モデルは、次のようなメソッドを使用して、サポートされます。
PortletRequest.isUserInRole()
PortletRequest.getUserPrincipal()
シングル・サインオンおよび外部アプリケーションの統合 外部アプリケーションの統合がサポートされます。LDAP統合は、ポートレットがLDAPサーバーと同じファイアウォールの内側で実行される場合にサポートされます。 なし(カスタム・ユーザー属性を介して実行可能です)。LDAP統合がサポートされます。


Oracle WebCenter Frameworkの使用
Oracle PDK-Javaポートレット・ウィザードの使用
規格に基づいたJavaポートレット(JSR 168)ウィザードの使用
JSR 168 Javaポートレットの編集
Oracle PDK-Javaポートレットの編集
アプリケーション・ページからのポートレットの削除