JDeveloperでは、Business Components for Javaフレームワークを統合的にサポートしています。ウィザードやプロパティ・エディタのような設計ツールを使用し、属性、関係およびビジネス・ルールといったオブジェクトの特性を定義します。これによって、JDeveloperで、実行可能なJavaコードとXMLが生成され、コンポーネントに定義した動作が実装されます。
理論的には、ユーザーがこのコードを書くことは可能です。しかし実際は、必要なすべてのコードを確実に生成し、すべての依存性を解決するため、ウィザードを使用することをお薦めします。その後、アプリケーションのニーズに合せて生成されたコードを編集できます。JDeveloperに限定されたものではありませんが、通常、開発プロセスでは次のような問いに答える必要があります。
エンティティおよびビジネス・オブジェクトは何ですか。エンティティ・オブジェクトを個別に使用する(たとえば、顧客など)ことも、複数のエンティティ・オブジェクトを組み合せる(たとえば、ヘッダー、明細品目、出荷および配送で構成された発注書など)こともできます。
エンティティをどのように関連付けますか。たとえば、部門と従業員との間に1対多のAssociationを定義できます。
検証規則を何にしますか。たとえば、ビジネス・ルールにより、勤続年数が5年を超える従業員の最低給与を指定できます。規則は、属性、エンティティおよびビジネス・オブジェクトに適用できます。
どのようなデータを表示し、操作しますか。ビューを作成することで、エンティティからのデータ選択およびフィルタリングを行うSQL問合せを定義し、ネットワーク通信量やクライアント側の処理要件を最小限に抑えます。
データベース内の表に格納されているデータを表すには、実世界のエンティティ(たとえば、従業員など)が使用されます。
JDeveloperでは、表のデータおよびメタデータを使用し、エンティティを表すJavaクラスが作成されます。このJavaコードを編集し、デフォルトの属性および動作を変更できます。
JDeveloperではメタデータを、カスタマイズ可能なXMLファイルでも表します。
JDeveloperでは、データを選択する条件を指定するためのデフォルトのビュー・オブジェクトが作成されます。デフォルトの他に(またはかわりに)、独自のビュー・オブジェクトも定義できます。
JDeveloperでは、各ビュー・オブジェクトについてカスタマイズ可能なJavaクラスが生成されます。このクラスは、ビュー・オブジェクト定義のクラスと行のクラスです。また、ビュー・オブジェクトごとにXMLファイルも生成されます。
アプリケーション・モジュールを定義するには、ウィザードを使用します。アプリケーション・モジュールは、関連するオブジェクトの論理コンテナです。アプリケーション・モジュールにより、トランザクションを定義および実行するコンテキストが提供されます。
ビジネス・コンポーネントを構成するアプリケーション・サービスを設計、構築、テストおよびデバッグした後、このアプリケーション・サービスをデプロイできます。
クライアント・コードによりアプリケーション・モジュールが初期化され、これに含まれるエンティティとビューがロードされます。
ビュー・オブジェクトは、実行時に問合せを実行する際、対応するエンティティ(複数も可)からのデータを操作します。
各ビュー・オブジェクトは、結果セット内の移動に使用できるデフォルトのイテレータを提供します。
問合せで1行以上の結果の行がフェッチされると、各行がRowオブジェクトによって表されます。結果の行の各列値には、Rowオブジェクトの属性を使用してアクセスします。
クライアント・フォーム内のコントロールにより、ユーザーはデータの表示および編集ができます。これらのコントロールはビュー・オブジェクトによって提供された行を表示し、ビュー・オブジェクト自体は基礎となるエンティティ・オブジェクトにバインドされています。このため、ユーザーがコントロール内の値を変更すると、処理が、Business Components for Javaフレームワークからビュー・オブジェクトに送られ、次にビュー・オブジェクトからエンティティ・オブジェクトに送られます。エンティティ・オブジェクトにビジネス・ルールが含まれていれば、このビジネス・ルールにより新しい値は、フレームワークからデータベースに送信される前に検証されます。
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