Apache Antは、Makeと類似した機能を持つ、XMLベースまたはJavaベースのビルド・ユーティリティです。Makeと異なるのは、Apache Antがクロス・プラットフォームであり、簡単に拡張できる点です。Antでは、プロジェクトのビルドに必要なステップを指定するために、XMLビルドファイルが使用されます。Antビルドファイルは、JDeveloperのXMLエディタで編集できます。1つのプロジェクトには、一連のタスクである1つ以上のターゲットがあります。それぞれのタスクは、Antに含まれるビルトイン・タスクか、ユーザーまたはサード・パーティによって記述されたカスタム・タスクのどちらかです。
Apache AntはApache Software Foundationで開発されたものです。詳細は、次のトピックを参照してください。
http://jakarta.apache.org/ant/
Apache Antバージョン1.5は、JDeveloperにシームレスに統合されています。この機能の主要目的は、既存のAntプロジェクトをJDeveloperで使用できるようにすることです。これは、AntビルドファイルをJDeveloperプロジェクトに追加するか、既存のJDeveloperプロジェクトから新規のAntビルドファイルを生成して行います。Antビルドファイルをプロジェクトに関連付けない場合は、選択したビルドファイルに対して手動でAntを実行できます。
「プロジェクトの設定」で、指定のプロジェクトのデフォルトのビルド・システムとしてAntを設定すると、JDeveloperでプロジェクトをビルドまたはメイクする際にAntが使用されます。メイクおよびビルドの処理は、Antビルドファイルの特定のターゲットに割り当てることも、Antのコマンドライン・オプションを設定することもできます。すべてのエラーおよびメッセージは、Antビルドファイルの実行後にログ・ウィンドウに表示されます。
プロジェクトのビルドがAntとJDeveloperのビルド・システムどちらで実行されるかは、ユーザーに対して透過的です。1つのワークスペース内で、Antを使用するプロジェクトと、使用しないプロジェクトを混在させることができます。「再ビルド<ワークスペース名>」コマンドを実行すると、すべてのプロジェクトからの出力がログ・ウィンドウに表示されます。エラーをダブルクリックすれば、参照ソース・ファイルの適切な場所に直接移動できます。