Business Event SystemおよびE-Business統合

E-Business統合では、統合するアプリケーションは通常別々のシステムに属しています。システム自体に、Oracle AQやOracle以外のシステムなど、メッセージ・システムがすでに存在している場合があります。Oracle WorkflowのBusiness Event System(BES)は、アプリケーションで非同期の情報交換を可能にするフレームワークを提供することにより、これらの異なるメッセージ・システム間にリンクを提供します。BESは、ブロードキャスト可能な通信、またはメッセージを正しい受信者に配信するための内容ベースのメッセージ・ルーティングが必要な通信をサポートします。

BESは、ワークフローに対応した、E-Business統合要件に対する解決方法を提供します。この方法とは、システム間でのビジネス・イベントの転送にAQを使用するアプリケーション・サービスで、次のタイプの統合をサポートします。

E-Business統合ではハブ・ベースのアーキテクチャのみをサポートし、分散メッセージはサポートしません。

BESには、他のシステムの他のアプリケーションで発生した事柄を、受信して別のシステムのアプリケーションに通知するイベントおよびシステムが登録されます。BESイベントの名前は、そのイベントが表す状態の分類子の完全修飾名から付けられます。

BESはまた、JMSなど、独自のメッセージ形式が存在するシステム間で送受信されるメッセージを処理するためのAPIも提供します。イベントがエンキューするメッセージに関係なく、イベントをそれぞれ識別することもできます。このため、イベントおよびメッセージの独立した処理が可能です。これらのイベントの呼出しを監視することで、ビジネス・プロセスの特定のインスタンスの進捗を追跡できます。

BESは、他のスポーク、または実際にハブそのもので使用されているメッセージ・システムを各スポークで認識する必要がないよう、異なるメッセージ・システムを処理するように構成できるルーティング・ハブです。実際に、ソース・システムおよびターゲット・システムの両方でメッセージにAQを使用する場合、BESはまったく必要ありません。ただし、BESの使用には明確な利点があります。BESでは、次のことが可能です。

ソース・システムまたはターゲット・システムがAQを使用していない場合、BESは、AQ以外のシステムにメッセージを転送するために、この目的を満たす製品(Oracle Message Brokerなど)と通信します。


関連項目

Business Event System定義について
BESおよび統合点について
BESおよび判断について
BESおよびハブについて