ここでは、Oracle9i JDeveloperの前のリリースで使用されていたデータベース対応コンポーネント(DAC)テクノロジを使用して構築されたJavaクライアントから現在のJava UIクライアント用JClientテクノロジへ移行する場合について、その概要を説明します。
JDeveloper 2.0では、データソースへのバインドが可能な一連のSwingベースのコントロールが導入されました。このデータ・アクセスに特化したコントロールは、データベース対応コントロールと呼ばれていました。DACは、Sun社が開発した標準のInfoBusを使用するように設計されたものです。InfoBusは標準としてそれほど普及せず、InfoBusのユーザーからは、利点はあるもののコントロールの複雑さの問題が大きいとの指摘がありました。
このため、Oracle9i JDeveloperでは、データ・バインドされたJava UIの作成方法を改善するためにJClientフレームワークが提供されます。JClientは、JFC/Swingデフォルト・モデルに基づいてカスタマイズされたモデルのセットを使用し、ビジネス・コンポーネントと連係して動作します。
Oracle9i JDeveloperでは、引き続きJDeveloper 3.2のDACプロジェクトを開き、Oracle9i JDeveloper IDEを使用してアプリケーションの編集、コンパイル、デバッグおよびテストを実行できます。ただし、Oracle9i JDeveloperでは、DACアプリケーションまたはアプレットにUIデザイナを使用できません。
DACアプリケーションをJClientにアップグレードする場合、Oracle Technology Network(OTN)で入手可能な移行ガイドに記載されている移行ツールを使用できます。アドレスは次のとおりです。
http://otn.oracle.com/products/jdev/howtos/JClient/jclient_migration.html
詳細は、OTNの次のページにある「JDeveloper Java Clients - Statement of Direction」を参照してください。
http://otn.oracle.com/products/jdev/htdocs/JavaClientSOD.html
移行ツールを使用するかわりに、DACとJClientのコンポーネントを結合して、段階的にDACアプリケーションを移行する方法もあります。DACアプリケーションを段階的に移行する手順については、同じくOTNにある技術資料「How To Use a JClient Connection in DAC Applications」に記載されています。
まず、移行ツールでの処理を理解しておく必要があります。移行ツールは、DACプロジェクトをJClientプロジェクトに変換します。次の手順は、移行処理の概要を示しています。
移行ツールは、DACコントロールのすべてのインスタンスを、対応するJClientコントロールで置き換えます。