JClientフォームの設計について

JClientは、SwingベースのJavaコントロールをOracleのBusiness Components for Java(BC4J)フレームワークのオブジェクトにバインドするためのフレームワークです。JDeveloperでは、データ・バインドされたアプリケーションおよびアプレットを、ビジネス・コンポーネント用のJava UIクライアントとしてビルドするためにJClientフレームワークが用意されています。JClientフレームワークは、クライアント・コントロールとビジネス・コンポーネント間の通信を処理するバインド・クラスで構成されています。

JClientとビジネス・コンポーネントを使用する場合の利点

JDeveloperには、Swingアプリケーションの開発者にとって有用な、次のような機能があります。

JClientとBC4Jを使用するアプリケーションでは、データ・アクセスおよび更新ロジックの実装は必要ありません。かわりに、JClientおよびBC4Jによってデータ・アクセス・コードがUIコードから完全に分離されるため、UIレイヤーに負荷のかからないThinクライアントを実現できます。また、BC4Jへの直接バインドによってBC4Jが提供する多数のパフォーマンス機能を利用できるため、JClientではデータ・アクセスが最適化されます。さらに、JClientはModel-View-Controller(MVC)アーキテクチャに基づいているため、JClientデータ・フォームの設計はSwingコンポーネントの場合とまったく同じです。

ビジネス・コンポーネントへのアクセス方法を、そのデプロイ方法に応じて変更する必要がないため、UIクライアント・コードはさらに単純化されます。かわりに、BC4Jフレームワークのリモート対応機能により、単純な構成定義ファイルを介してJClientアプリケーションをビジネス・コンポーネントに接続します。デプロイの状況が次のどちらの場合でも、UIクライアント・コードは変更されません。

JClientおよびビジネス・コンポーネントを使用するためのプロセス

ビジネス・コンポーネントおよびJClientをJDeveloperで使用する際の一般的なデプロイ・シナリオの例を次に示します。手順の詳細は、最後に記載する関連項目のトピックを参照してください。

  1. JDeveloperでBC4Jプロジェクトを作成します。エンティティ・オブジェクト、ビュー・オブジェクト、およびアプリケーション・モジュールを追加します。このBC4Jプロジェクトをビルドします。
  2. 新しい空のプロジェクトを作成します。新規のJClientフレームをプロジェクトに追加します。「新規」ギャラリに表示されるJClientフォーム・ウィザードに従って、操作を順に進めます。
  3. フレームを作成する段階で、使用するBC4Jアプリケーション・モジュールを指定するクライアント・データ・モデルを(BC4Jプロジェクトから)定義します。 ウィザードによって、このデータ・モデル定義がクライアント・プロジェクト構成ファイル(.cpx)に追加されます。
  4. ウィザードを完了すると、作成されたフレーム・クラスおよびパネル・クラスがナビゲータのプロジェクト内に表示されます。これらのクラスをさらにカスタマイズするには、コード・エディタでコードを編集するか、またはUIエディタを使用します。
  5. UIエディタを使用する場合、コンポーネント・パレットからJClientレイアウト・パネルにコントロールを追加できます。コントロールにバインドを設定するには、プロパティ・インスペクタを使用します。バインドはコントロールとBC4Jデータソースとの対話方法を決定するもので、コンポーネントのmodelプロパティまたはdocumentプロパティで設定します。
  6. 編集がすべて完了したら、JClientプロジェクトをビルドします。
  7. JDeveloperを使用してアプリケーションを実行またはデバッグします。
  8. JClientプロジェクトのデバッグを終了したら、JDeveloperに組み込まれているOC4JサーバーとSun社のJava Web Startアプリケーション・デプロイ・テクノロジを使用して、デプロイ・テストを実行できます。Java Web Startでは、アプリケーションおよびアプレットのダウンロードはWebブラウザから行いますが、実行はWebブラウザを使用せずにすべてクライアント上で行われます。
  9. 本番用JClientアプリケーションおよびビジネス・コンポーネントを、作成されたWebアプリケーション・アーカイブ(WAR)ファイルを使用して本番用Webサーバーにデプロイします。
  10. クライアント・マシンにインストールされているJava Web Startを使用して、ユーザーは簡単にアプリケーションをダウンロードして起動できます。Webサーバー上のアプリケーションに対する更新は、Java Web Startでユーザーがアプリケーションを起動するたびに処理されます。


Javaクライアント・データ・フォームについて
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JClientコントロールの使用
JClientランタイム・パフォーマンスの最適化
Java Web StartとJClientアプリケーションの使用

MVCの詳細は、次のjava.sun.comのWebページを参照してください。

http://java.sun.com/products/jfc/tsc/articles/getting_started/getting_started2.html