クライアント上のユーザーが指定した値によって、ビュー・オブジェクトから除外されている属性の値がビジネス・ロジックにより要求されると、ビジネス・ロジック層では、データベースに移動し、主キー値を使用して行のすべての属性(除外されている属性を含む)を取得する。これはフォルトインと呼ばれる。クライアントがビューに含まれていないエンティティ属性へのアクセスを試行すると、エンティティ・オブジェクトは残りの属性をすべて取得する。フォルトインは、エンティティ・オブジェクト・インスタンス・レベルで行われる。影響を受けた行のみがフォルトインされる。フォルトイン後キャッシュには、フォルトインの結果である完全に移入された1行が含まれる。このオンデマンド・フォルトインにより、要求の失敗が回避される。
たとえば、従業員のレベルおよび名前を含むビュー・オブジェクトがあるとする。エンティティ・オブジェクトによる給与のチェックのレベルを4から3に変更すると、ビューに含まれていない属性の読込みを試行していることになる。フォルトインおよびデータベースへの2回のアクセスを回避するには、給与をビューに含める。
ビュー・オブジェクトを設計する際は、次のことを考慮する必要がある。
フォルトインは、エンティティ・ビジネス・ロジックにより参照される属性がビュー・オブジェクトに必ず含まれているようにすることで回避できる。このことは、大量の行を問合せおよび変更する場合に特に重要である。
パフォーマンスを最適化する際には、フォルトインによるメモリーとパフォーマンスへの影響に注意する。フォルトインが何度も発生すると、パフォーマンスが著しく低下する。多数の属性を含むエンティティ・オブジェクトについては特に、ビュー属性リストの調整が重要である。