JDeveloperによるコンパイルについて
JDeveloperでは、完全な機能を備えた強力なコンパイラであるOracle Java Compiler(OJC)を使用して、プロジェクトまたはその一部を作成します。OJCはインナー・クラスやJARファイルを含むJava言語をサポートします。他のコンパイラと同様、OJCはソース・レベルの文をマシン・レベルの命令に変換します。コンパイル済コードは、正常にコンパイルされたソース文または生成されたマシン命令を意味します。ソース・レベルの文は、プログラミング言語で記述されます。ソース・プログラムが正常にコンパイルされるということは、プログラミング言語の構文にエラーが存在しないことを意味します。ただし、ロジック・エラーが存在しないということではありません。 Windows NTやSolarisなど特定のプラットフォームで生成されたJavaプログラムを実行すると、そのプラットフォームのJava Virtual Machineによって、クラス・ファイルに含まれているバイトコードが実行されます。
ここでは、次の内容について説明します。
コンパイル、メイクおよび再ビルドの相違点
JDeveloperでは、様々な方法でコンパイラを起動することができます。ツールバー、ナビゲータまたは「プロジェクト」メニューにアクセスし、「メイク」コマンドまたは「再ビルド」コマンドを選択します。これらのコマンドの違いについて、次に説明します。
- コンパイル
- JDeveloperで「メイク」コマンドまたは「再ビルド」コマンドを使用することは、OJCを使用して、Javaソース・ファイル(
.java
)をクラス・ファイル(.class
)にコンパイルすることを意味します。これらのコマンドは、メイクまたは再ビルドの対象となるファイルを実際にコンパイルする場合にのみ、使用する必要があります。XML、XSQL、XSLおよびUIXなどのファイルに対しては、それぞれのポップアップ・メニューから「メイク」または「再ビルド」を選択することができません。ただし、構文を確認することは可能です。
- メイク
- 「メイク」コマンドを使用すると、アプリケーションがアプリケーションのソースから最適な方法で再ビルドされます。「メイク」コマンドは、そのアプリケーションが、1つ以上のソース・ファイルに由来する各ファイル(1つ以上のファイル)で構成されていることを前提としています。メイク操作では、各アプリケーション・ファイルの作成日が考慮されます。そして、ファイルのファミリ・ツリーをたどります。ファミリ・ツリーに含まれるファイルの中に、最終ファイルの作成日より後で変更されたものがあれば、最終ファイルが再構成されます。メイク・プロセスは、アプリケーション全体を最初から再ビルドせずに、アプリケーションを常に最新の状態に保つことを可能にします。数百ものソース・ファイルを持つ大規模なアプリケーションでは、最適化が重要になります。JDeveloperでは、依存性がプロジェクトの設定に格納されます。プロジェクト内の単一ファイルまたはプロジェクト全体に対して「メイク」を選択できます。
- 再ビルド
- 「再ビルド」コマンドを使用すると、依存性および日付を考慮せずに、アプリケーションがソースから完全に再ビルドされます。JDeveloperでは、再ビルドはファイルまたはプロジェクトに対して行われます。Javaソース・ファイル(
.java
)の場合、「メイク」メニュー・オプションおよび「再ビルド」メニュー・オプションの両方で、コンパイルが実行されます。
JDeveloperでのコンパイラの起動
ワークスペース全体、プロジェクト全体、Javaファイル、Javaパッケージ、JSP、Business Components for Java(BC4J)プロジェクト、Enterprise JavaBeans(EJB)プロジェクトなどの、ワークスペース内のいくつかのノードをコンパイルできます。
JDeveloperからコンパイラを起動するには、ナビゲータ、ツールバー、「プロジェクト」メニュー、またはコード・エディタの現在のノードから、コンパイル(メイクまたは再ビルド)するノードを選択します。
- ワークスペース全体のメイク
- メイク<ワークスペース名>.jws
- プロジェクト全体のメイク
- メイク<プロジェクト名>.jpr([Ctrl]+[F9])
- 選択したノードのメイク
- メイク<ノード名>([Ctrl]+[Shift]+[F9])
- ワークスペースの再ビルド
- 再ビルド<ワークスペース名>.jws
- プロジェクトの再ビルド
- 再ビルド<プロジェクト名>.jpr([Alt]+[F9])
- 選択したノードの再ビルド
- 再ビルド<ノード名>([Alt]+[Shift]+[F9])
注意:
- OJCコマンドは、次のように入力してコマンドラインから直接実行することもできます。
ojc [ options ] file...
- JDeveloperでは、Apache Antを使用したビルドが可能です。Antはコンパイラではなくビルド・システムであるため、OJCが置き換えられることはありません。OJCはコンパイラであり、AntまたはJDeveloperのビルド・システムからコールできます。
関連項目
依存性チェックについて
メイクによるコンパイル
再ビルドによるコンパイル
コマンドラインまたはシェルからのコンパイルについて
プロジェクトをコンパイル用に設定
Oracle Java Compilerについて
Setvarsコマンドについて(Windows)