Oracle DesignerからのBC4Jオブジェクトの作成について

Oracle DesignerからBC4Jオブジェクトを導出する方法

Designer BC4J Generatorを使用してOracle Designerの定義を読み込み、BC4Jコンポーネントを生成すると、次のように出力が導出されます。

Oracle DesignerオブジェクトとBC4Jオブジェクトとのマッピングの詳細は、「DesignerからBC4Jへのマッピング」を参照してください。

表定義はBC4Jエンティティ・オブジェクトとして実装される

生成の最初の過程では、Oracle Designerの表定義と列定義をあわせてソースとして使用し、JDeveloperにエンティティ・オブジェクトを生成します。 Oracle Designerでは、有効な値を保持して1つ以上の列に関連付けるドメイン定義を設定できます。また、列に対して有効な値の範囲を定義することも可能です。どちらの場合にも、BC4JのListValidationBeanが作成されます。

主キー制約の定義はBC4Jのキーになり、外部キー制約の定義はBC4JのAssociationとして生成されます。

モジュール・コンポーネントはBC4Jビュー・オブジェクトとして生成される

BC4J GeneratorがOracle Designerリポジトリでモジュール・コンポーネントの定義を読み込み、エンティティ・オブジェクトを生成します。モジュール・コンポーネントのバウンド項目がビュー・オブジェクト属性として生成され、キーに基づくリンクがBC4Jのビュー・リンクとして生成されます。プロンプト、ヒントおよび項目の幅と高さなどUI詳細の設定も、属性プロパティに生成されます。

計算アンバウンド項目を持つモジュール・コンポーネントは、独立したBC4Jビュー・オブジェクトになります。「SQL式」または「サーバー側ファンクション」タイプのアンバウンド項目は、BC4Jの計算済ビュー・オブジェクトになり、「計算」タイプのアンバウンド項目は、BC4Jのサマリー・ビュー・オブジェクトとして生成されます。

Oracle DesignerでWHERE句が定義されている場合は、次のようにビュー・オブジェクトのSQL問合せに追加されます。

View Object wizard displaying  the generated query including a Where Clause

生成プロセスは1回の反復とは限りません。JDeveloperでWHERE句が問合せに追加されると、それ以降の生成では、Oracle Designerで定義されたWHERE句の文があれば追加されます。

Oracle Designerの値リストはBC4Jビュー・オブジェクトとして生成される

List of Values SQL query includes the Where Clause

生成プロセスにおいて、Oracle Designerで定義された値リスト(LOV)に対しては別個のビュー・オブジェクトが作成されます。つまり、LOVからの独自のWHERE句を持つ独立した問合せが作成されることになります。Oracle DesignerのLOV取扱いは、BC4JのListValidationBeanになります。

モジュールはアプリケーション・モジュールになる

アプリケーション・モジュールは、作成したビュー・リンクに基づいて、定義したすべてのビュー・オブジェクトから作成されます。

サポートされるOracle Designerのモジュール言語

次の表に示すように、Oracle Designerのモジュール言語のうちでBC4Jオブジェクトの生成に使用できるのは一部のみです。

アイコン

名前

生成可/不可

Oracle Forms

Oracle Forms

Oracle Reports

Oracle Reports

Oracle Web PL/SQL

Oracle Web PL/SQL

Visual Basic

Visual Basic

Oracle Common Library

Oracle Common Library

不可

All non-generatable modules

生成不可能なすべてのモジュール(PASCAL、COBOLなど)

不可

Designer BC4J生成のプロセス

作業方法

Designer BC4J Generatorを使用すると、既存のOracle Designerモジュールに基づいて簡単にBC4Jアプリケーションを作成できます。JDeveloperプロジェクトで作業を開始してビジネス・コンポーネントを作成し、それからDesigner BC4J Generatorを起動してOracle Designerのモジュールから追加のコンポーネントを作成することも、同様に可能です。再生成の機能を使用すると、Oracle Designerでモジュールを変更し、それを再生成してプロジェクトを更新できます。

Designerからの入力

Designer BC4J Generatorは、Forms、Reports、Web PL/SQLおよびVisual Basicのアプリケーション・モジュールを読み込み、モジュール・コンポーネントと、前述した関連の詳細を取得します。

生成のプロセス

JDeveloperで開始する場合、作業するワークスペースおよびプロジェクトが必要です。ワークスペースおよびプロジェクトを設定したら、生成ウィザードを起動できます。

生成プロセス中には、次のものに対する接続情報を指定する必要があります。

生成に必要なモジュールを所有しているワークエリアとアプリケーションについても情報が必要です。

出力

生成プロセスからの出力には、エンティティ・オブジェクト、ビュー・オブジェクト、アプリケーション・モジュールのビュー・リンクとAssociationがあります。

結果のテスト

Business Component Browserは、JDeveloperで提供されているJavaクライアントです。Business Component Browserでは、カスタム・クライアントとGUIをコーディングすることなくデータの表示および更新が可能です。

Generated output displayed in  the Business Components Browser

ユーザー・インタフェース(UI)の構築

Designer BC4J Generationでは、UIは生成されません。 プロンプトや幅と高さなど特定のプロパティは設定されますが、UIは構築が必要です。JDeveloperを使用すれば、これも容易です。

生成されたアプリケーションのUIを作成する際には、主として2つのオプションがあります。Java/Swing UIか、JSP/HTML UIを選択できます。JDeveloperで構築できるフォームのUIとJavaクライアントの間には、多くの類似点があります。

生成されたフォームのユーザー・インタフェースに慣れている場合、JSP/HTMLではユーザー・インタフェースが異なるというだけでなく、エンド・ユーザーがアプリケーションと対話する根本的な方法が大きく変わることも意味します。たとえば、豊富なフォーム・メニューやキーボード・ショートカットなどの柔軟性がHTMLにはなく、スタック・キャンバスの概念もHTML構造にはありません。

Java UIは非常に多様で、多くのビジュアル・コントロール、ポップアップ・ダイアログ、画面やダイアログの積重ねを含む洗練されたナビゲーションなどを実現できます。

Oracle UIX Webアプリケーション・フレームワーク

Oracle UIX Webアプリケーション・フレームワークでは、洗練された完全なWebアプリケーションを簡単に実装できます。再利用可能なテクノロジを提供することによって、通常ならコードを記述しなければ処理できない多くの側面を支援します。たとえば、UIXはWebページのレンダリング、データ・バインド、イベント処理、ページ間のナビゲーション、カスタマイズなどにすぐ役立ちます。広範囲に及ぶビルトインのページ・レイアウト要素を提供し、様々なタイプのクライアント・エージェントにおいて、豊富で一貫したWebアプリケーションのルック&フィールを実現します。UIXはBC4Jデータ・バインドもビルトインでサポートしているため、BC4Jビュー・オブジェクトからのデータを含めたり変更したりするのも簡単です。JDeveloperには、基本的なUIXクライアントの構築を簡単にするウィザードが用意されています。「BC4Jプロジェクトに基づいたUIX JSPアプリケーションの生成」を参照してください。

UIX Client

BC4Jデータ・タグでデータ・バインドされたJSPページ

BC4Jデータ・タグは、アプリケーション・モジュール内のビュー・オブジェクトからのデータのレンダリング、ナビゲーションおよび更新を簡単に行える、JSP 1.1互換のタグ・ライブラリです。Oracle9i JDeveloperは、ウィザードを使用したタグ支援やポップアップ・メニューによるタグ・インサイト・ヘルプなどによって、JSPページでのデータ・タグの使用を統合的にサポートしています。また、テスト-修正-再テストを迅速に繰り返せるように、JSPページのローカルでの実行およびデバッグもサポートされているため、開発段階にデプロイを行う手間が省かれます。JDeveloperには、基本的なJSPクライアントの構築を簡単にするウィザードが用意されています。「ウィザードを使用したJClientフォームの生成」を参照してください。

JSP Client