DesignerのADF Business Componentsジェネレータを使用してOracle Designerの定義を読み込み、ADF Business Componentsを生成すると、次のように出力が導出されます。
Oracle DesignerのオブジェクトとADF Business Componentsとの対応付けの詳細は、「DesignerからADF Business Componentsへのマッピング」を参照してください。
生成の最初の過程では、Oracle Designerの表定義を列定義とあわせてソースとして使用し、JDeveloperにエンティティ・オブジェクトを生成します。 Oracle Designerでは、有効な値を保持するドメイン定義を設定し、これを1つ以上の列に関連付けることができます。 また、列に対して有効な値の範囲を定義することも可能です。 どちらの場合にも、ADF Business ComponentsのListValidationBeanが作成されます。
主キー制約の定義はADF Business Componentsのキーになり、外部キー制約の定義はADF Business Componentsのアソシエーションとして生成されます。
Designer ADF Business Componentsジェネレータがモジュール・コンポーネントのOracle Designerリポジトリ定義を読み込み、ビュー・オブジェクトを生成します。 モジュール・コンポーネントにバインドされた項目はビュー・オブジェクト属性として生成され、キーに基づくリンクはADF Business Componentsのビュー・リンクとして生成されます。 プロンプト、ヒントおよび項目の幅と高さなどのUI詳細の設定も、属性プロパティに生成されます。
計算済のアンバウンド項目を含むモジュール・コンポーネントは、独立したADF Business Componentsのビュー・オブジェクトになります。 「SQL式」または「サーバー側ファンクション」タイプのアンバウンド項目は、ADF Business Componentsの計算済ビュー属性になり、「計算」タイプのアンバウンド項目は、ADF Business Componentsのサマリー・ビュー属性として生成されます。
Oracle DesignerでWHERE句が定義されている場合は、次のようにビュー・オブジェクトのSQL問合せに追加されます。
生成プロセスは1回の反復とはかぎりません。JDeveloperでWHERE句が問合せに追加されると、それ以降の生成では、Oracle Designerで定義されたWHERE句の文があれば追加されます。
生成プロセスでは、Oracle Designerで定義された値リスト(LOV)に対して別個のビュー・オブジェクトが作成されます。つまり、LOVからの独自のWHERE句を持つ独立した問合せが作成されることになります。 Oracle DesignerでのLOVの取扱いは、ADF Business ComponentsのListValidationBeanになります。
アプリケーション・モジュールは、作成したビュー・リンクに基づいて、定義したすべてのビュー・オブジェクトから作成されます。
次の表に示すように、一部のOracle Designerのモジュール言語のみがADF Business Componentsの生成に使用できます。
アイコン |
名前 |
生成可/不可 |
---|---|---|
|
Oracle Forms |
可 |
|
Oracle Reports |
可 |
|
Oracle Web PL/SQL |
可 |
|
Visual Basic |
可 |
|
Oracle Common Library |
不可 |
|
生成不可能なすべてのモジュール(PASCAL、COBOLなど) |
不可 |
Designer ADF Business Componentsジェネレータを使用すると、既存のOracle Designerモジュールに基づいて簡単にADF Business Componentsアプリケーションを作成できます。 JDeveloperプロジェクトで作業を開始してビジネス・コンポーネントを作成し、その後Designer ADF Business Componentsジェネレータを起動してOracle Designerのモジュールから追加のコンポーネントを作成することも、同様に可能です。 再生成機能を使用すると、Oracle Designerでモジュールを変更し、それを再生成してプロジェクトを更新できます。
Designer ADF Business Componentsジェネレータは、Forms、Reports、Web PL/SQLおよびVisual Basicのアプリケーション・モジュールを読み込み、前述のように、モジュール・コンポーネントおよび関連する詳細を取得します。
JDeveloperで開始するには、作業するワークスペースおよびプロジェクトが必要です。ワークスペースおよびプロジェクトの設定後、生成ウィザードを起動できます。
生成プロセス中には、次のものに対する接続情報を指定する必要があります。
生成に必要なモジュールを所有しているワークエリアとアプリケーションについても情報が必要です。
生成プロセスからの出力には、エンティティ・オブジェクト、ビュー・オブジェクト、アプリケーション・モジュール、ビュー・リンクおよびアソシエーションがあります。
Business Component Browserは、JDeveloperで提供されているJavaクライアントです。Business Component Browserでは、カスタム・クライアントとGUIをコーディングすることなくデータの表示および更新が可能です。
Designer ADF Business Componentsジェネレータでは、UIは生成されません。 プロンプトや幅と高さなどの特定のプロパティは設定されますが、UIには構築が必要です。 JDeveloperを使用すれば、これも容易です。
生成されたアプリケーションのUIを作成する際には、主として2つのオプションがあります。Java/Swing UIか、JSP/HTML UIを選択できます。JDeveloperで構築できるフォームのUIとJavaクライアントの間には、多くの類似点があります。
生成されたフォームのユーザー・インタフェースに慣れている場合、JSP/HTMLではユーザー・インタフェースが異なるというのみでなく、エンド・ユーザーがアプリケーションと対話する根本的な方法が大きく変わることも意味します。 たとえば、豊富なフォーム・メニューやキーボード・ショートカットなどの柔軟性がHTMLにはなく、スタック・キャンバスの概念もHTML構造にはありません。
Java UIは非常に多様で、多くのビジュアル・コントロール、ポップアップ・ダイアログ、画面やダイアログの積重ねを含む洗練されたナビゲーションなどを実現できます。
Oracle UIX Webアプリケーション・フレームワークでは、洗練された完全なWebアプリケーションを簡単に実装できます。再利用可能なテクノロジを提供することによって、通常ならコードを記述しなければ処理できない多くの側面を支援します。たとえば、UIXはWebページのレンダリング、データ・バインド、イベント処理、ページ間のナビゲーション、カスタマイズなどにすぐ役立ちます。広範囲に及ぶビルトインのページ・レイアウト要素を提供し、様々なタイプのクライアント・エージェントにおいて、豊富で一貫したWebアプリケーションのルック&フィールを実現します。 UIXはADF Business Componentsのデータ・バインドをビルトインでサポートしているため、ADF Business Componentsのビュー・オブジェクトからのデータの組込みや変更が容易に行えます。JDeveloperには、基本的なUIXクライアントの構築を簡単にするウィザードが用意されています。 「UIX JSPページの操作」を参照してください。
ADF Business Componentsのデータ・タグは、任意のアプリケーション・モジュール内の任意のビュー・オブジェクトからデータのレンダリング、ナビゲーションおよび更新を簡単に行える、JSP 1.1互換のタグ・ライブラリです。Oracle9i JDeveloperは、ウィザードを使用したタグ支援やポップアップ・メニューによるタグ・インサイト・ヘルプなどによって、JSPページでのデータ・タグの使用を統合的にサポートしています。 また、テスト-修正-再テストを迅速に繰り返せるように、JSPページのローカルでの実行およびデバッグもサポートされているため、開発段階でデプロイを行う手間が省かれます。JDeveloperには、基本的なJSPクライアントの構築を簡単にするウィザードが用意されています。 「ウィザードを使用したJClientフォームの生成」を参照してください。
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