E-Business統合でサポートされるハブ・アンド・スポーク・アーキテクチャは、通信するアプリケーションの中心として機能する中央サーバーを使用します。この中央マシンがハブであり、ハブを介して通信するアプリケーションがスポークです。
ハブ・アンド・スポーク・アーキテクチャでは、必要なインタフェース数がポイント・ツー・ポイントの統合よりもはるかに少なくなります。各アプリケーションには、ハブへのアウトバウンド用とハブからのインバウンド用の2種類のインタフェースが必要です。新規アプリケーションを追加するには、インバウンド・インタフェースおよびアウトバウンド・インタフェースを使用してハブに接続します。メッセージはすべてハブを通過するため、メッセージ処理のサービスをハブに集中できます。
ハブ・アンド・スポーク・アーキテクチャでは、スポークを変更から分離させることもできます。すべてのルーティングおよび決定はハブで実行されるため、スポークではプロセスは認識されません。プロセスが変更された場合、直接影響がないかぎり、スポークは変更プロセスには関係しません。メッセージのソースおよびターゲットが変更されても、スポークで同じメッセージを送受信する場合は、変更はすべてハブで管理されるため、スポークでプロセスの変更を認識する必要はありません。
ハブが提供する主要サービスは、次のとおりです。
変換: ソース・システムおよびターゲット・システムにより使用されるメッセージ形式が異なる場合があり、互換性がない場合もあります。ハブはデータ変換ツールを使用し、あるメッセージ形式を別の形式に割り当てます。
メッセージ保存: メッセージには、企業間で発生するビジネス・イベントについての情報が含まれます。転送したメッセージをハブで保存すると、後で情報のデータベースを分析できます。
ルーティング: ハブは、メッセージのルーティングの制御や、パブリッシュとサブスクライブ、非ブロードキャストとブロードキャストなどの異なるルーティング・モデルのサポートに、規則を適用します。
監視: ビジネス・プロセスの効率を監視し、重要なプロセスを追跡するには、実行中のプロセスの進捗をトレースする機能が不可欠です。ハブを使用すると、実行中のビジネス・プロセスを集中的に監視できます。
ハブ・アンド・スポーク統合は、一般に、Oracle Advanced Queuing(AQ)などのMessage Oriented Middleware(MOM)を使用して実装されます。
アプリケーションは、メッセージを生成することによりビジネス・イベントに応答します。メッセージは、アプリケーションによりハブに送信(パブリッシュ)されます。ハブのMOMの機能に応じて、メッセージは単一アプリケーションまたは複数アプリケーションに転送できます。 アプリケーションでNew Ordersなどの特定のメッセージ・タイプを明示的に受信(サブスクライブ)することも、メッセージをすべてのアプリケーションまたはアプリケーションの特定のサブセットにブロードキャストすることもできます。
メッセージ交換インフラストラクチャは一般に非同期です。これは、メッセージのソース・アプリケーションはメッセージを単にパブリッシュするのみで、受信アプリケーションからの応答は待機しないことを意味します。メッセージをキューに格納し、障害回復の手段を提供します。メッセージは、受信アプリケーションが使用可能になるまで、ソース・アプリケーションまたはハブによりバッファリングされます。
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