ADF JClientパネルとフォームの作成について

ADFアプリケーションのADF JClientパネルとフォームを作成するプロセスは、他のADFクライアント・テクノロジを使用するユーザー・インタフェースの作成プロセスに似ています。 主な違いは、Strutsなどのコントローラに基づいたページ・フローは作成せず、JClientウィザードなどの複数のJClient固有の編集ツールが存在するという点です。

注意: JDeveloper 10gより前に作成されたアプリケーションで作業する場合は、9.0.4以前の形式のJClientプロジェクトを変更する際に、データ・コントロール・パレットとADFデータ・バインディングを使用できないことを認識しておく必要があります。 JDeveloper 10gで既存のJClientアプリケーションを維持する場合は、次の手順で説明するとおり、引き続きコンポーネント・パレットおよびプロパティ・インスペクタのモデル/ドキュメント・プロパティを使用してください。

JDeveloper 10gでJClientパネルとフォームを作成するプロセス

  1. アプリケーションのワークスペースを作成し、「Javaアプリケーション」(デフォルト)アプリケーション・テンプレートを選択します。
  2. ビジネス・サービスのエントリを作成します。
  3. ADF Business Components以外のビジネス・サービスを使用している場合は、Oracle ADFデータ・コントロールを使用してビジネス・サービスを登録します。
  4. クライアント・プロジェクトにJClientパネルまたはフォームを追加します。 これにはいくつかの方法があります。
  5. フォームまたはパネルをJavaビジュアル・エディタで開きます。
  6. 「コンポーネント・パレット」を使用して、データ・バインドされないSwingコントロールを挿入します。たとえばJScrollPaneなどのレイアウト・コンポーネントです。
  7. 「データ・コントロール・パレット」を使用して、データ・バインドされたUIコンポーネントをJClientフレームまたはパネルに挿入します。
  8. 「構造」ウィンドウを使用して、ページのUIコンポーネントとデータ・バインディングを参照してください。
  9. プロパティ・インスペクタを使用して、ページのUIコンポーネントとデータ・バインディングの属性を変更します。
  10. ADFバインディング・エディタを使用してバインド・コントロールの特性を変更します。
  11. 編集がすべて完了したら、JClientプロジェクトをビルドします。
  12. JDeveloperを使用してアプリケーションを実行またはデバッグします。
  13. JClientプロジェクトのデバッグを終了したら、JDeveloperに組み込まれているOC4JサーバーとSun社のJava Web Startアプリケーション・デプロイ・テクノロジを使用して、デプロイ・テストを実行できます。 Java Web Startでは、アプリケーションおよびアプレットのダウンロードはWebブラウザから行いますが、実行はWebブラウザを使用せずにすべてクライアント上で行われます。
  14. 本番用JClientアプリケーションおよびビジネス・サービスを、作成されたWebアプリケーション・アーカイブ(WAR)・ファイルを使用して本番用Webサーバーにデプロイします。
  15. クライアント・マシンにインストールされているJava Web Startを使用して、ユーザーは簡単にアプリケーションをダウンロードして起動できます。Webサーバー上のアプリケーションに対する更新は、Java Web Startでユーザーがアプリケーションを起動するたびに処理されます。

JClientを使用してJava Swingクライアントをビルドする主な利点は、次のとおりです。

JClientとADF Business Componentsを使用するアプリケーションでは、データ・アクセスおよび更新ロジックの実装は必要ありません。 かわりに、JClientおよびADF Business Componentsによってデータ・アクセス・コードがUIコードから完全に分離されるため、ビュー・レイヤーに負荷のかからないThinクライアントを実現できます。 また、ADF Business ComponentsへのバインドによってADF Business Componentsが提供する多数のパフォーマンス機能を利用できるため、JClientではデータ・アクセスが最適化されます。さらに、JClientはModel-View-Controller(MVC)アーキテクチャに基づいているため、JClientフォームの設計はSwingコンポーネントの場合とまったく同じです。

ADF Business Componentsへのアクセス方法を、そのデプロイ方法に応じて変更する必要がないため、Javaクライアント・コードはさらに単純化されます。 かわりに、ADF Business Componentsの機能により、単純な構成定義ファイルを介してJClientアプリケーションをアプリケーション・モジュールに接続します。 デプロイの状況が次のどちらの場合でも、Javaクライアント・コードは変更されません。

Oracle9i JDeveloper(9.0.4)以前で作成されたJClientアプリケーションを使用するためのプロセス

次の手順では、JDeveloper 9.0.4以前で作成された既存のJClientプロジェクトをJDeveloper 10gで扱うプロセスを説明します。 このプロセスとJDeveloper 10gで新しいアプリケーションを開始している場合の前述のプロセスとの主な違いは、古いスタイルのアプリケーションでは、データ・コントロール・パレットを利用してデータ・バインドされたコンポーネントをドラッグ・アンド・ドロップできないという点にあります。

  1. JDeveloperを使用してADF Business Componentsプロジェクトを作成します。エンティティ・オブジェクト、ビュー・オブジェクト、およびアプリケーション・モジュールを追加します。このADF Business Componentsプロジェクトを構築します。
  2. 新しい空のプロジェクトを作成します。 新規のJClientフレームをプロジェクトに追加します。 「新規ギャラリ」に表示される「Swing/JClient for ADF」カテゴリのJClientフォーム作成ウィザードに従って、操作を順に進めます。
  3. フレームを作成する段階で、使用するアプリケーション・モジュールを指定するクライアント・データ・モデルを(ADF Business Componentsプロジェクトから)定義します。ウィザードによって、このデータ・モデル定義がクライアント・プロジェクト構成ファイル(.cpx)に追加されます。
  4. ウィザードを完了すると、作成されたフレーム・クラスおよびパネル・クラスがナビゲータのプロジェクト内に表示されます。 これらはJavaコード・エディタからコードを編集することによって、またはJavaビジュアル・エディタを使用することによってさらにカスタマイズできます。
  5. Javaビジュアル・エディタを使用する場合、コンポーネント・パレットからJClientレイアウト・パネルにコントロールを追加できます。コントロールにバインディングを設定するには、プロパティ・インスペクタを使用します。 バインディングはコントロールとADF Business Componentsデータソースとの対話方法を決定するもので、コンポーネントのmodelプロパティまたはdocumentプロパティで設定します。
  6. 編集がすべて完了したら、JClientプロジェクトをビルドします。
  7. JDeveloperを使用してアプリケーションを実行またはデバッグします。
  8. JClientプロジェクトのデバッグを終了したら、JDeveloperに組み込まれているOC4JサーバーとSun社のJava Web Startアプリケーション・デプロイ・テクノロジを使用して、デプロイ・テストを実行できます。Java Web Startでは、アプリケーションおよびアプレットのダウンロードはWebブラウザから行いますが、実行はWebブラウザを使用せずにすべてクライアント上で行われます。
  9. 本番用JClientアプリケーションおよびビジネス・コンポーネントを、作成されたWebアプリケーション・アーカイブ(WAR)ファイルを使用して本番用Webサーバーにデプロイします。
  10. クライアント・マシンにインストールされているJava Web Startを使用して、ユーザーは簡単にアプリケーションをダウンロードして起動できます。Webサーバー上のアプリケーションに対する更新は、Java Web Startでユーザーがアプリケーションを起動するたびに処理されます。

MVCの詳細は、次のWebページを参照してください。

http://java.sun.com/products/jfc/tsc/articles/getting_started/getting_started2.html


標準的なJClientフォームについて
JClientアーキテクチャについて
クライアント・プロジェクト構成ファイルについて
JClient用ビジネス・コンポーネントの構成について
JClientのデータ・バインディングについて
JClient設計時ウィザードについて
生成されるJClientコードについて
JClientのコード生成方法の設定について
ADFバインディングとSwingコントロールについて
JClientのマスター/ディテール・フォームについて
JClientログイン・ダイアログについて
ADF JClientアプリケーションのマルチメディアについて
JClientコントロールの検索モードについて
JClient固有のコントロールについて
JClientでのLOVダイアログのサポートについて
JClientコントロールを使用したUIのナビゲートについて
JClient検証イベントについて
JClientとDACの互換性について
Java Web StartとJClientアプリケーションについて

ウィザードを使用したJClientフォームの生成
コンポーネント・パレットを使用したJClientフォームの作成
ADF JClientフォームとパネルの変更
JClientでのADFバインディングの使用
ADF JClientコントロールの使用
ADF JClientランタイム・パフォーマンスの最適化
Java Web StartとJClientアプリケーションの使用

 

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