クライアント開発者は、データ・コントロール・パレットを使用して、データ・バインドされたHTML要素(JSPページの場合)、データ・バインドされたOracle ADF UIX要素(UIX XMLページの場合)、およびデータ・バインドされたSwing UIコンポーネント(JClientパネルの場合)を作成できます。データ・コントロール・パレットには、次の2つの選択リストがあります。
使用可能なビジネス・オブジェクト、メソッドおよびデータ・コントロール操作の階層表示。
適切なビジュアル要素のドロップダウン・リスト。特定のビジネス・オブジェクトに対してビジュアル要素を選択し、開いているクライアント・ドキュメントにドロップできます。
クライアント・ドキュメントの場合、表示されるビジネス・サービスの階層構造は、次の項目によって決まります。
.xml
定義ファイル内で生成されます。BeanのXML定義により、Beanのプロパティ・アクセッサおよびメソッドは次で説明する様々なカテゴリに分類されます。
注意: ADF BCの場合、モデル・プロジェクト内のADF BCアプリケーション・モジュールはデータ・コントロールとして自動的に公開されます。ADF BCアプリケーション・モジュールのXMLメタデータ・ファイルには、ADF BCデータ・コントロールで必要な情報がすでに含まれています。また、モデル・プロジェクトを作成する場合には、追加のXML定義ファイルは不要です。Webサービスの場合、Beanは含まれず、XML定義にはWebサービスで公開されるメソッドのみが記述されます。
設計時、データ・コントロール・パレットでは最初のステップとして、クライアントのユーザー・インタフェースをレイアウトし、ADFバインディングを準備します。ビジネス・オブジェクトを選択し、サービスにビジュアル要素を選択してページにドロップするタスクにより、次の項目が生成されます。
ビジュアル要素。クライアント・ドキュメントのバインディング(JSPページではHTMLとタグ、UIX XMLページではUIXコンポーネント、JClient生成パネルおよびフォームではJavaメソッド・コール)にアクセスするようソース・コードで定義されます。
ページに存在しない場合は、バインディング・コンテナ。バインディング・コンテナはXMLファイルです。現在プロジェクトのデフォルトに設定されているパッケージに対応するディレクトリに生成されます。(デフォルトのパッケージを変更するには、アプリケーション・ナビゲータでプロジェクト・ノードを選択してプロパティ・インスペクタを表示し、defaultPackageプロパティを設定します。)
ビジュアル要素をサポートする適切なバインディング定義がバインディング・コンテナに追加されます。
別の方法として、バインディングを作成し、データ・コントロール・パレットからドラッグ・アンド・ドロップせずに、ソース・コード内で後から参照することもできます。
データ・コントロール・パレットによりクライアント・ドキュメント内に生成されるコードおよびバインディングは、次のことによって決まります。
ビジュアル・エディタに表示されるドキュメントのタイプ(JSPページ、UIXページ、JClient生成パネルまたはJClient生成フォーム)
選択し、開いているドキュメントにドロップするビジネス・サービスとビジュアル要素の組合せ
データ・コントロール・パレットでクライアント・ドキュメントのレイアウトを完了すれば、個々のバインディング定義を表示してカスタマイズする準備が整います。
データ・コントロール・パレットのルート・ノードは、ビジネス・サービスに登録されているデータ・コントロールを表しています。データ・コントロール自体は選択可能な項目ではありませんが、データ・コントロールでサポートされている操作は選択可能です。データ・コントロール固有のすべての操作は、ルート・ノードの「Operations」フォルダに表示されます。ADF BCのデータ・コントロールで提供されるコミットやロールバックの操作など、ADFバインディング・コンテキスト全体に適用される操作を実行する場合は、このタイプの操作を使用できます。
ルート・データ・コントロール・ノードから階層を下に進むと、パレットに次のBeanベースのビジネス・サービスのいずれかが表示されます。
属性。Beanプロパティなど(単純なスカラー値オブジェクト、構造化オブジェクト(Bean)またはコレクションを定義可能)。
または
操作。Beanメソッドなど。値を返す場合と返さない場合、メソッドのパラメータをとる場合ととらない場合があります。
(Webサービスの場合は例外で、データ・コントロール・パレットには操作のみが表示されます)。
データ・コントロール・パレットでは、属性および操作は次の固有のアイコンで表されます。複数回示されているアイコンは、アクセッサの様々な戻り型を表しており、表で説明している別のビジュアル要素でもサポートされています。
アイコン | 説明 | ビジュアル要素の選択項目 |
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スカラー値(IntegerやStringなどの単純なオブジェクト)を表す属性 |
テキスト入力、チェック・ボックス、ラジオ・ボタンなどの、属性バインディングされたビジュアル要素の完全なリスト。これらの選択項目は、作成するドキュメントのタイプによって異なります。 |
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スカラー値のコレクション(Integerの配列やStringのリストを提供するコレクションなど)を表すアクセッサ属性 |
表、グラフ、ナビゲーション・ボタン、フォームなどの、コレクション・バインドされたビジュアル要素の完全なリスト。これらの選択項目は、作成するドキュメントのタイプによって異なります。 |
|
属性および操作を含む構造化オブジェクトのコレクション(従業員オブジェクトのコレクションなど)を表すアクセッサ属性 |
表、グラフ、ナビゲーション・ボタン、フォームなどの、コレクション・バインドされたビジュアル要素の完全なリスト。これらの選択項目は、作成するドキュメントのタイプによって異なります。 |
|
操作のみを含み、属性は含まない構造化オブジェクトのコレクション(サービスBeanのコレクションなど)を表すアクセッサ属性 |
読取り専用の動的表およびナビゲーション・ボタン(JSP)、さらに多くの選択項目(UIX)、およびコレクション・バインドされたコントロールの完全なリスト(JClient)。 |
|
属性および操作を含む構造化オブジェクト(住所オブジェクトなど)を返すアクセッサ属性 |
表、グラフ、ナビゲーション・ボタン、フォームなどの、コレクション・バインドされたビジュアル要素の完全なリスト。これらの選択項目は、作成するドキュメントのタイプによって異なります。 |
|
操作のみを含み、属性は含まない構造化オブジェクト(サービスBeanなど)を返すアクセッサ属性 |
読取り専用の動的表およびナビゲーション・ボタン(JSP)、さらに多くの選択項目(UIX)、およびコレクション・バインドされたコントロールの完全なリスト(JClient)。 |
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パラメータ値をとる場合ととらない場合がある操作(JavaメソッドやBeanなど) |
ボタンまたはフォーム付きボタン(JSP)、SubmitButton(UIX)、Button(JClient)。 |
|
ビルトイン操作(行への移動、実行など) |
ボタンまたはフォーム付きボタン(JSP)、SubmitButton(UIX)、Button(JClient)。 |
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行セットの主キー値を渡すビルトイン操作(setCurrentRowWithKeyなど) |
ボタンまたはフォーム付きボタン(JSP)、SubmitButton(UIX)、Button(JClient)。 |
データ・コントロール・パレットでは、戻り値を指定する操作は次の固有のアイコンで表されます。返される固有のオブジェクトによって、使用可能なビジュアル要素が決まります。
アイコン | 説明 | ビジュアル要素の選択項目 |
---|---|---|
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スカラー値(IntegerやStringなどの単純なオブジェクト)を返す操作 |
結果を表示する読取り専用のビジュアル要素(JSPおよびUIX)。属性バインディングされたコントロールの完全なリスト(JClient)。 |
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スカラー値のコレクション(Integerの配列やStringのリストを提供するコレクションなど)を返す操作 |
表、グラフ、ナビゲーション・ボタン、フォームなどの、コレクション・バインドされたビジュアル要素の完全なリスト。これらの選択項目は、作成するドキュメントのタイプによって異なります。 |
|
属性および操作を含む構造化オブジェクトのコレクション(従業員オブジェクトのコレクションなど)を返す操作 |
表、グラフ、ナビゲーション・ボタン、フォームなどの、コレクション・バインドされたビジュアル要素の完全なリスト。これらの選択項目は、作成するドキュメントのタイプによって異なります。 |
|
操作のみを含み、属性は含まない構造化オブジェクトのコレクション(サービスBeanのコレクションなど)を返す操作 |
読取り専用の動的表およびナビゲーション・ボタン(JSP)、さらに多くの選択項目(UIX)、およびコレクション・バインドされたコントロールの完全なリスト(JClient)。 |
|
操作のみを含み、属性は含まない構造化オブジェクト(サービスBeanなど)を返す操作 |
読取り専用の動的表およびナビゲーション・ボタン(JSP)、さらに多くの選択項目(UIX)、およびコレクション・バインドされたコントロールの完全なリスト(JClient)。 |
|
属性および操作を含む構造化オブジェクト(住所オブジェクトなど)を返す操作 |
表、グラフ、ナビゲーション・ボタン、フォームなどの、コレクション・バインドされたビジュアル要素の完全なリスト。これらの選択項目は、作成するドキュメントのタイプによって異なります。 |
ビジネス・サービスの定義によっては、データ・コントロール・パレットに表示されるメソッドの戻り値に、ビジネス・サービスに定義されているデータ・コントロールの属性が含まれ冗長な場合があります。選択可能な場合は、メソッドの戻り値のかわりに属性ノードおよびアクセッサ・ノードを選択することが適切です。ADFバインディングは、データ・コントロールの属性およびアクセッサのみで完全にサポートされます。たとえば、イテレータ・バインディングはメソッドの戻り値として使用できません。
個々のビジネス・サービスのコンテキストでデータ・コントロール・パレットに表示されるオブジェクトの詳細は、「Oracle ADFデータ・コントロールについて」を参照してください。
Oracle ADFを使用するためのツールおよび手順の詳細は、次のトピックを参照してください。
J2EEアプリケーション・クライアントとOracle ADFについて
設計時のOracle ADFについて
データ・コントロール・パレットおよびコンポーネント・パレットについて
ビジュアル要素および操作の詳細は、次のトピックを参照してください。
Oracle ADFでサポートされているデータ・コレクション操作について
Oracle ADF Webページ内のUIコンポーネントについて
Oracle ADF JavaクライアントにおけるUIコンポーネントについて
データ・コントロール・パレットを使用して実行可能な作業は、次のトピックを参照してください。
データ・コントロール・パレットを使用したUIコンポーネントの挿入
データ・コントロール・パレットを使用したビジネス・サービス・アクションの挿入
データ・コントロール・パレットを使用したビジネス・サービス・メソッドの結果の挿入
データ・コントロール・パレットを使用した構造化属性の挿入
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