CVSおよびJDeveloperについて

CVSは、開発者向けのファイル管理機能を多数含んだ一般的なバージョン・コントロール・システムです。 JDeveloperには、CVSをアプリケーション開発プロセスの統合部分として使用できるツールが用意されています。

CVSの特長 JDeveloperでCVSを使用するためのアクティビティ
CVSは簡単にダウンロードしてインストールできるバージョン・コントロール・システムです。 CVSソフトウェアは別個にインストールする必要があります。 このソフトウェアはwww.cvsnt.orgまたはwww.cvshome.orgからダウンロードできます。
『Version Management with CVS』、Per Cederqvist他著(以下、CVSマニュアル)はリポジトリ、ブランチおよびファイル・メンテナンスの解説書であり、CVSユーザーとCVSリポジトリ管理者を対象とした参照資料が含まれています。 CVSマニュアルをお読みになることをお薦めします。このマニュアルは、www.cvshome.orgから無償で入手できます。
CVSリポジトリは、ローカルPCまたはリモート・サーバーに作成できます。 複数のCVSリポジトリを使用できます。 CVSマニュアルの説明に従って1つ以上のCVSリポジトリを作成する必要があります。
クライアントからリモート・サーバーへの接続には、rshプロトコルまたはパスワード・サーバー・プロトコルを使用できます。 CVSを使用するようにJDeveloperを構成し、CVSリポジトリに接続する必要があります。 これについては、「CVSを使用するためのJDeveloperの構成」で説明しています。 JDeveloperでは、rshプロトコルを使用した接続とパスワード・サーバーを介した接続をサポートしています。
ソース・ファイルはCVSリポジトリに保持されます。 CVSリポジトリ内のソース・ファイルは、モジュール単位でグループ化されます。 新規ファイルがある場合は、JDeveloperのウィザードに表示される指示に従ってCVSリポジトリにインポートし、バージョン・コントロール対象とすることができます。 オリジナル・ファイルのコピーが作成され、いずれかのインポート元のサブディレクトリ(.backup)に置かれます。
作業するファイルはCVSリポジトリからチェックアウトされます。 これにより、ファイルのローカル・コピーが作成されます。

CVSリポジトリの内容はJDeveloperの接続ナビゲータで表示し、読取専用バージョンのファイルを開くことができます。 そこで、どのファイルをチェックアウトして作業するかを決定できます。

JDeveloperには、CVSリポジトリからファイルをチェックアウトするためのウィザードが用意されています。

注意: 既存のチェックアウト済モジュールをJDeveloperのCVSバージョン・コントロールで使用する方法を知っている場合も、この方法は使用しないでください。 JDeveloperから新たにチェックアウトすることをお薦めします。

CVSでは新規ディレクトリが作成され、ソース・ファイルのコピーが移入されます。 ファイルはアプリケーション・ナビゲータで表示できます。 ここから開くこともできます。
ソース・ファイルは、実行された操作に応じたステータスになっています。 設定を使用すると、ファイルのバージョン・コントロール・ステータスをアプリケーション・ナビゲータに表示するかどうかを選択できます。 ステータスは、ファイル・タイプを表すアイコン上に小さい記号で示されます。 たとえば、黒いアウトラインを持つ小さいオレンジの丸file addedは、そのファイルがリポジトリから作業ディレクトリに最後にコピーされた後に変更されていないことを意味します。 JDeveloperでは、CVSのSTATUSコマンドでレポートされるのと(同一ではなく)同様のステータスが使用されます(「CVSファイルのステータスの表示」を参照)。 アイコン上に表示される記号とその意味の詳細リストは、「CVSのコントロール下にあるファイルのステータスのリフレッシュ」を参照してください。
マルチユーザー環境の場合、CVSではリザーブ・モードによるチェックアウト(ファイル・ロック)、非リザーブ・モードによるチェックアウトおよびユーザー間通信がサポートされます。 CVSには、同時に複数のユーザーにより変更された後のファイルを調整する広範な機能が用意されているため、推奨方式は非リザーブ・モードによるチェックアウトです。 ファイルをロックせずに編集(および、必要に応じて他のユーザーによるファイルの編集時に受け取る通知を設定)する必要がある場合は、「CVSでの編集および監視」を参照してください。 編集機能と監視機能を使用すると、ファイルに対するエディタの取得や終了、チーム内でどのユーザーがファイルを編集しているか、およびどのユーザーがファイルの編集を監視しているかの確認ができます。2人以上の開発者が同じファイルを同時に編集できます。 また、ファイル・ロックを使用する必要がある場合は、「CVS内のファイルのロックおよびロック解除」を参照してください。
ファイルのバージョンを比較できます。 ファイルのバージョンを比較するには、「CVS内のファイルの比較」を参照してください。
ソース・ファイルはローカル・エディタで変更します。 アプリケーション・ナビゲータからファイルを開いて作業できます。 ファイルのローカル・コピーに対して変更が加えられ、変更内容は、コミットの実行時にのみCVSリポジトリで更新されます。 これは、たとえば新規ファイルを作成してCVSに追加した場合にも、そのファイルはバージョン・コントロール下にないことを意味します。そのファイルのコミット時に初めてCVSリポジトリが更新されます。 変更済の(ただし、リポジトリにコミットされていない)ファイルすべてのリストは、「コミットされていないファイル」ビューアに表示できます。
複数開発者環境では、作業ファイルはCVSリポジトリ内のファイルで定期的に更新されます。 競合は、可能な場合は自動マージにより処理され、それ以外の場合は容易に手動でマージできます。 未解決の競合を含むファイルは、CVSでは受け入れられません。

接続ナビゲータからファイル読取専用バージョンを開くと、CVSリポジトリ内のファイルの最新の内容を確認できます。 これにより、チェックアウト後にファイルに対して他の開発者が行った作業の内容を確認できます。 その後、ファイルのバージョンをCVSリポジトリからのバージョンで更新する必要があるかどうかを決定できます。

プロジェクト、フォルダおよびファイルを更新するには、「CVS内のプロジェクト、フォルダまたはファイルの更新」を参照してください。

ファイルをコミットすると新バージョンが作成されてリポジトリに格納されるため、同じリポジトリを使用する他のユーザーが新バージョンを使用できるようになります。

作業内容をCVSリポジトリにコミットする前に、接続ナビゲータで現在の内容(ヘッド・リビジョン)をチェックできます。

作業内容をCVSリポジトリにコミットするには、「CVSへのファイルのコミット」を参照してください。

 

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