詳細アイコン カスタマイズ・レイヤー

Oracle Application Developer Framework(ADF)アプリケーションでは、Oracle Metadata Services(MDS)フレームワークを使用して、カスタマイズ可能なアプリケーションを作成できます。メタデータ・コンテンツのカスタマイズをサポートするカスタマイズ・クラスとカスタマイズ・レイヤーを作成してから、指定したレイヤーのコンテキスト内でメタデータをカスタマイズします。このキュー・カードでは、カスタマイズ・レイヤーを作成します。カスタマイズ・クラスは次のキュー・カードで作成します。

カスタマイズ可能なアプリケーションには、産業やサイトのような特定のグループのニーズにあわせて複数のカスタマイズ・レイヤーを使用できます。各カスタマイズ・レイヤーには、複数のカスタマイズ・レイヤー値を設定できます。たとえば、カスタマイズ可能なアプリケーションのindustryレイヤーには、healthcareおよびfinancial産業の値を含めることができます。各カスタマイズ・レイヤーは、基礎となるメタデータを変更する一連の指示を含んだカスタマイズ・ドキュメントに対応します。階層化された変更内容は、リポジトリ内のアプリケーションのベース・メタデータとは別に格納され、管理されます。

CustomizationLayerValues.xmlファイルには、JDeveloperのインスタンスで使用される定義済のすべてのカスタマイズ・レイヤー値と表示名が含まれています。レイヤーとレイヤー値は、設計時に複数のアプリケーション間で使用できます。あるアプリケーションで特定のカスタマイズ・レイヤーを有効化するには、adf-config.xml内でレイヤーをカスタマイズの適用順に指定します。

この例では、まず2つの構成可能なレイヤー値headquartersおよびremoteofficesを使用してsiteカスタマイズ・レイヤーを定義します。

XMLソース・エディタ、cust-layer値

JDeveloperでカスタマイズをアプリケーションに実装する前に、カスタマイズ・レイヤー1つとレイヤー値1つを選択する必要があります。カスタマイズは、そのレイヤーとレイヤー値にのみ適用されます。

アプリケーションの実行時には、MDSによりアプリケーションのベース定義に異なるカスタマイズ・レイヤーが適用されます。カスタマイズされたアプリケーションのカスタマイズ・コンテキストは、適用された一連のカスタマイズ・レイヤーにより定義されます。たとえば、カスタマイズされたアプリケーションでは、industryレイヤーのfinancialレイヤー値とsiteレイヤーのheadquartersレイヤー値にカスタマイズを含めることができます。複数のカスタマイズ・レイヤーは、adf-config.xml内のカスタマイズ・クラスの順序で指定された優先順位に従って適用されます。

次のステップでは、ファイル名customization.propertiesを使用してプロパティ・ファイルを作成します。

「ファイルの作成」ダイアログ

プロパティ・ファイルには、アプリケーションの1つ以上のカスタマイズ・レイヤーに対して定義された、構成可能なレイヤー値が含まれます。たとえば、プロパティ・ファイルには、siteレイヤーとindustryレイヤーに対して定義された次の構成可能なカスタマイズ・レイヤー値を含めることができます。

#Configured values for the default layer values
industry=financial
#industry=healthcare
#site=remoteoffices 
site=headquarters 

接頭辞#が付いていない値は、実行時にそのレイヤー内でアクティブなレイヤー値です。メタデータがカスタマイズされているアプリケーションの実行時には、カスタマイズ・クラスによりcustomization.propertiesからアクティブな値が読み取られ、その値を使用してカスタマイズ・コンテキストが判別されます。アクティブなレイヤー値に属していて適用可能なカスタマイズのみが、対応するリポジトリからロードされてアプリケーションのベース・メタデータ上に階層化され、表示用に目的どおりカスタマイズされたコンテンツが生成されます。