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Oracle Fail Safeリリース・ノート
リリース3.4.1 for Microsoft Windows
E05998-03
 

 

Oracle® Fail Safe

リリース・ノート

リリース3.4.1 for Microsoft Windows

部品番号: E05998-03

2008年12月

このドキュメントでは、このリリースの新機能、ソフトウェアの修正済エラー、ソフトウェア互換性、ハードウェア互換性や、インストールと削除の注意点などを説明します。

1 このドキュメントの構成

このリリース・ノートの以降の部分は、次の各項で構成されています。

2 動作要件

Oracle Fail Safeの最新の動作要件は、次に示すOracleMetaLinkを参照してください。

https://metalink.oracle.com

Microsoft Windows Server 2008のサポート

Oracle Fail Safeは、Windows Server 2008の32ビット版に対しては3.4.1.1パッチ・セットから、64ビット版に対しては3.4.1.2パッチ・セットから動作保証されています。

信頼できるアプリケーションのみがコンピュータで実行されるように、Windows Server 2008では、ユーザー・アカウント制御が提供されています。このセキュリティ機能を有効にした場合、構成方法によっては、Oracle Universal Installerで、インストール中に承諾または資格証明を要求されます。

3 新機能および変更された機能

次の項で、このリリースのOracle Fail Safeの新機能と変更された機能について説明します。

3.1 Oracle Database 11gのサポート

このリリースでは、Oracle Database 11g(管理エージェントを除く)のサポートが追加されました。サポートされている各リソースの詳細は、「ソフトウェアの互換性」を参照してください。

3.2 サンプル・データベースのシード・ファイルはインストールに含まれない

以前のリリースのOracle Fail Safeには、Oracle Databaseのサポートされている各リリースのFail Safeインストール・キットに、データベース・シード(.DFB)ファイルが含まれていました。このファイルは含まれなくなりました。Oracle Fail Safeによってサンプル・データベースが作成される場合、Database Configuration Assistantのテンプレート・ディレクトリのデータベース・シード・ファイルが使用されます。

たとえば、Oracle Fail Safeの以前のリリースでは、Oracle Database 10gリリース2用のサンプル・データベースを作成する場合、Oracle_Fail_Safe_Sample_102.dfbファイルをDatabase Configuration Assistantのテンプレート・ディレクトリORACLE_HOME\assistants\dbca\templatesにコピーし、Database Configuration Assistantを起動してサンプル・ファイルを作成していました。このリリースでは、かわりに、Oracle Databaseインストールで提供されるテンプレート・ファイルSeed_Database.dfbが使用されます。

Database Configuration Assistantのテンプレート・シード・ファイルを使用すれば、そのテンプレート・ファイルはインストールされているOracle Databaseのバージョンと確実に互換性がとれます。

3.3 新規の代理プロセスのトレース・ログ

以前のリリースでは、Oracle Fail Safeのトレース機能が有効な場合、別のノードからリモート操作を起動すると、Fail Safe Server(FSS)のトレース・ファイルが上書きされることがありました。


関連項目:

トレース機能の詳細は、『Oracle Fail Safe概要および管理ガイド』のB.3項「Oracle Fail Safeの問題のトレース」を参照してください。

この問題は、2つの異なるプロセスが同じトレース・ファイル定義FSS_TRACE_OUTPUTを使用していたことが原因でした。Fail Safe Server(FsSvr.exe)はログ・ファイルの対象とするユーザーですが、一方でこのファイルは、Microsoft DCOMサブシステムによって起動される一時的なFail Safeの代理プロセス(FsSurrogate.exe)によりオープンされ書込みが行われます。プロセスが起動されると、トレース・ファイルの新規コピーが作成されるため、主要なFail Safe Serverによって作成された内容は削除されます。

Oracle Fail Safeのこのリリースでは、代理プロセスが独自のトレース・ファイル指定を持つことができる新規レジストリ・エントリが作成されるので、代理プロセスによりトレース・ファイルが上書きされることはありません。この新機能の使用方法の詳細は、『Oracle Fail Safe概要および管理ガイド』のB.3項「Oracle Fail Safeの問題のトレース」を参照してください。

3.4 Oracle管理エージェントのサポート

リリース3.3.4では、Oracle Management Agentのサポートが追加されました。また、次のOracleリソースは引き続きサポートされます。

  • Oracle Database

  • Oracle Intelligent Agent(リリース9.2以下)

サポートされている各リソースの詳細は、「ソフトウェアの互換性」を参照してください。


関連項目:

高可用性に対応するOracle Management Agentの構成の詳細は、『Oracle Fail Safe概要および管理ガイド』の第9章を参照してください。

3.5 Microsoft Windows(32ビット)のOracle Application Serverコンポーネントのサポート

3.3.4より前のリリースでは、高可用性に対応するOracle Application Serverコンポーネントを構成する場合、コンポーネントを汎用サービスとして構成する必要がありました。このリリースでは、Oracle Application Serverコンポーネントを構成するためのカスタム・サポートが提供されています。これには、次のコンポーネントが含まれます。

  • Oracle Process Manager and Notification Server(OPMN)

  • Application Server Controlサービス

  • メタデータ・リポジトリ(Oracle Application ServerがインストールされているOracleホームに存在する場合)


関連項目:

高可用性に対応するOracle Applicationサーバー・コンポーネントの構成の詳細は、『Oracle Fail Safe概要および管理ガイド』の第10章を参照してください。

3.6 Oracle HTTPのサポートの廃止

高可用性に対応するOracle HTTP Serverの構成は、以前のリリースではサポートされていましたが、このリリースのOracle Fail Safeではサポートされていません。

4 修正されたソフトウェア・エラー

この項では、Oracle Fail Safeのこのリリースで修正されているソフトウェア・エラーについて説明します。

4.1 英語以外のシステムでOracle Services for MSCSのセキュリティ・セットアップが失敗する

デフォルト言語として英語を使用しないシステムでは、Microsoftのローカル・カルチャ定義が、現行ユーザーの表現として文字列Selfを認識しなかった場合、システムのDCOMセキュリティ設定がOracle Services for MSCSのセキュリティ・セットアップ・ツール(FsSecurity.exe)で正しく更新されません。この問題が発生した場合、メッセージがWindowsのアプリケーション・イベント・ログに次のテキストで追加されます。

Failed to look up user account SELF with error: 1332
Unable to add SELF to DCOM access ACL.

この問題は、FsSecurity.exeアプリケーションが汎用自己ユーザーIDに文字列Selfを使用することが原因でした。この文字列は、英語圏以外では無効な場合があります。

この問題は、Windowsレジストリ(HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Ole)からDefaultAccessPermission ACLを一時的に削除してMSCSのセキュリティ・セットアップ・ツールを実行した後に、DefaultAccessPermission ACLを追加して戻すことで回避できます。この操作は、Windowsレジストリを手動で編集するリスクを理解し、レジストリのバックアップおよびリカバリ方法を知っているシステム管理者によってのみ実行される必要があります。

FsSecurity.exeは、文字列Selfを使用するのではなく、事前定義済の定数を使用してバイナリ形式でセキュリティID(SID)を作成するよう変更されました。この変更によって、DCOMのDefaultAccessPermission ACLへのSID追加時に、FsSecurity.exeはカルチャに依存しなくなりました。

4.2 スタンバイ・データベースがオンライン状態のままにならない

Data Guardスタンバイ・データベースとして構成されたデータベースが、オンラインにしたときにオンライン状態のままにならず、かわりに、連続的にオンライン状態とオフライン状態を繰り返していました。

この問題は、Oracle Fail Safeでデータベースのロールおよびオープン・モードが正しく指定されていないことが原因でした。Is Alive処理に対して様々なデータベース問合せが使用されていて、データベース・ロール(プライマリまたはスタンバイ)およびオープン・モード(マウント済または読取り専用)によって異なっていました。Fail Safeでは、スタンバイ・データベースのポーリング時に常に正しい問合せが発行されていなかったため、問合せから予期しない結果が発生し、データベースが強制的に停止されていました。

Fail SafeのIs Alive問合せコードは、データベース・ロールを正しく指定し、Is Aliveポーリングの実行時に正しい問合せを常に使用するよう修正されました。

4.3 「クラスタの検証」がエラー・メッセージを出力せずに失敗する

クラスタの検証」を実行すると、完了する前にコマンドが終了し特定のエラー・メッセージが出力されません。たとえば、コマンドからの出力は次のようになります。

FS-10660: NODE1 : Gathering cluster information
The clusterwide operation failed !

表示されるポップアップ・ボックスには、テキストはなく、「X」というエラー・イメージと「OK」ボタンのみが含まれています。エラーはWindowsのアプリケーション・イベント・ログに報告されず、Oracle Fail Safeのトレース・ログにもエラーは出力されません。

この問題は、DCOMのセキュリティ設定が正しくないことが原因でした。リモート・ノードがOracle Fail Safeサーバーが稼働しているノードに戻る通信リンクが確立できないため、サーバーおよびクライアントにエラーを報告できませんでした。Microsoft Component Servicesの管理ツールを使用してDCOMのアクセス権限を修正することで、この問題は解決しました。

DCOMの使用に問題があるかどうかを確認するには、次のMicrosoft Knowledge Baseの手順に従ってください。

http://support.microsoft.com/kb/892500/en-us

Oracle Fail Safeでは、Windowsのアプリケーション・イベント・ログおよびOracle Fail Safeのトレース・ログへのDCOMエラーのログ出力が改善されています。

4.4 Oracle Fail Safeリリース3.3.4のインストール後にリリース3.3.3を再インストールすると「クラスタの検証」が失敗する

インストールされていたOracle Fail Safeリリース3.3.4をOracle Universal Installerを使用して削除してから、3.3.3など以前のリリースをインストールすると、「クラスタの検証」操作が次のようなエラーで失敗します。

FS-10665: Checking DLLs for resource provider
** WARNING : FS-10669: The  resource provider DLL
D:\ORACLE\OFS333\FS\FSSVR\BIN\ was not found on node NUMBERONE

この問題は、削除時にリリース3.3.4で導入された新規レジストリ・エントリの削除が無視されることが原因でした。

この問題は、Windowsのレジストリ・キー\HKEY_CLASSES_ROOT\OracleFailSafe\Resourcesから次のレジストリ・エントリを削除すると解決できます。

  • Oracle10gAgent

  • OracleAS

リリース3.4.1の製品の削除処理は修正され、現在このレジストリ・キー・エントリは適切に削除されます。また、「クラスタの検証」コマンドは、レジストリ内の認識されないリソース名を無視するよう変更されています。

4.5 Oracle Fail Safeのインストールで、Microsoft Windows Server 2003 R2のDCOMのACLが破損する

システムにDCOM(OLE)のDefaultAccessPermission ACLの明示的な定義がある場合、Oracle Services for MSCSのセキュリティ・セットアップ・ツール(FsSecurity.exe)を実行すると、DCOMアプリケーションがウィンドウをオープンできないことがありました。システム・イベント・ログには「レジストリの値が無効です」というエラー・メッセージが出力されます。

この問題は、Microsoft Windows Server 2003 R2で追加された新しいACL書式が、FsSecurity.exeで生成される書式と互換性がないことが原因でした。詳細は、次のMicrosoftのサイトを参照してください。

http://msdn2.microsoft.com/en-us/library/ms693364.aspx

この問題は、Windowsレジストリ(HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Ole)からDefaultAccessPermission ACLを一時的に削除してMSCSのセキュリティ・セットアップ・ツールを実行した後に、DefaultAccessPermission ACLを追加して戻すことで回避できます。この操作は、Windowsレジストリを手動で編集するリスクを理解し、レジストリのバックアップおよびリカバリ方法を知っているシステム管理者によってのみ実行される必要があります。

FsSecurity.exeは古い形式のアクセス権を使用してユーザーSELFACEを追加していましたが、既存のACLには新しい形式のACEが含まれていました。このリリースでは、FsSecurity.exeによって作成されるACLは、新しいWindows Server 2003 SP2後の形式を使用しています。

4.6 Oracle Databaseのアップグレード後にサンプル・データベースを作成できない

Oracle Databaseリリース10.2.0.2以上にアップグレードした後にスタンドアロン・データベースを作成すると、ORA-1219エラーで失敗します。次のようなエラーが表示されます。

FS-10356:  Validating the database for service name OFS3
ORA-1219: database not open: queries allowed on fixed tables/views only
FS-10260: The attempt to create standalone sample database OFS3 failed

この問題は、Oracle Database 10gリリース2以前に導入されていたDatabase Configuration Assistantのシード・データベース・テンプレートの変更によって発生していました。以前のOracle Fail Safeキットで提供されていたテンプレート・ファイルは、新しいDatabase Configuration Assistantと互換性がありませんでした。

この問題は、Oracle Fail Safeのテンプレート・フォルダのテンプレート・ファイルを更新することで回避できます。手順は次のとおりです。Oracle Fail Safeがインストールされている各ノードで、この手順を実行する必要があります。

  1. 各ノードで、サンプル・データベースのテンプレート・ファイルを編集して互換性のあるバージョン要素を更新します。テキスト・エディタを使用して、次のファイルを編集します。

    OFS_home\fs\fssvr\sample\Oracle_Fail_Safe_Sample_102.dbc
    

    次の文字列を含む行を検索します。

    <initParam name="compatible" value="10.2.0.1.0"/>
    

    この文字列のバージョン番号を新しいOracle RDBMSのバージョンと一致するよう変更します。

    例:

    <initParam name="compatible" value="10.2.0.3.0"/>
    
  2. ファイルの名前を変更して、OFSのサンプル・データベースDFBのテンプレートの古いコピーを保持します。このファイル名

    OFS_home\fs\fssvr\sample\Oracle_Fail_Safe_Sample_102.dfb
    

    を次のように別の名前に変更します。

    OFS_home\fs\fssvr\sample\Oracle_Fail_Safe_Sample_102.dfb_old
    
  3. 新しいRDBMSキットで提供されるシード・データベースのテンプレートをOFSのサンプル・ディレクトリにコピーします。このファイル

    ORACLE_HOME\assistants\dbca\templates\Seed_Database.dfb
    

    を次の場所にコピーして、OFSの名前を使用するよう名前を変更します。

    OFS_home\fs\fssvr\sample\Oracle_Fail_Safe_Sample_102.dfb
    

前述の手順を実行後に、サンプル・データベースが作成できるようになります。

Oracle Fail Safeのこのリリースでは、サンプル・データベース作成機能は、3.2項で説明しているように変更されています。

4.7 スタンドアロン・データベース検証時のエラー

スタンドアロン・データベースを検証しようとすると、Oracle Fail Safeで各種Fail Safeエラー(10916、10341、10342、10496、10491、10343、10347、10999、10989、10795、10890など)が返されます。Windowsのアプリケーション・イベント・ログを調べると、通常、エントリではモジュールFsDdbsUpi.cが示されています。例:

リクエストは、モジュール.\FsDdbsUpi.cの5932行のOpenOdbsHst()コール時に、内部エラーのため中断されました。

このエラーは一般的に64ビットのプラットフォームで発生しますが、32ビットのプラットフォームでも発生することがあります。この問題の回避策はありません。このエラーが発生しないように、データベース・インタフェース・モジュールFsDdbsUpi.cに対して多くの修正が行われています。

4.8 グループへのリソースの追加時のエラー

グループにリソースを追加しようとすると、各種エラーで失敗することがあります。通常、Fail Safe10999エラーが表示され、Windowsのアプリケーション・イベント・ログおよびOracle Fail Safeのトレース・ファイルには「未処理の例外」エラーが示されます。たとえば、Fail Safe Managerでは、次のようなメッセージが表示される場合があります。

FS-10427: Creating database instance ORCL for Oracle Net service name ORCL
** ERROR : FS-10999: An internal programming error has occurred
** ERROR : FS-10989: The resource provider Oracle Database raised an unhandled exception
** ERROR : FS-10778: The Oracle Database resource provider failed to configure the cluster resource ORCL
** ERROR : FS-10890: Oracle Services for MSCS failed during the add operation

これらのエラーは、データベース・インタフェース・モジュールFsDdbsUpi.cで引数の受渡しが正しく行われず、エラー処理が十分でないことが原因でした。この問題の回避策はありません。エラーはこのリリースで修正されています。

5 ソフトウェアの互換性

この項では、Oracle Fail Safeのこのリリースにおけるソフトウェアの互換性について説明します。


注意:

Oracle Fail Safeでは、自動ストレージ管理はサポートされません。また、Oracle Fail Safe ServerおよびOracle Fail Safe Managerは、Windows Vistaをサポートしていません。

5.1 Microsoft Windows(32ビット)のソフトウェアの互換性

Microsoft Windows 2000 Advanced ServerまたはDatacenter Serverには、Oracle Services for MSCSがインストールされている必要があります。この条件が満たされている場合は、次のようになります。

  • Oracle Fail Safe Managerは、次のオペレーティング・システムと互換性があります。

    • Microsoft Windows 2000

    • Microsoft Windows XP

    • Microsoft Windows Server 2003

    • Microsoft Windows Server 2003 R2

    • Microsoft Windows Server 2008

  • Oracle Fail Safe Serverは、次の表に示すソフトウェアと互換性があります。

    ソフトウェア リリースまたはバージョン
    Oracle Database(Standard EditionおよびEnterprise Edition) Oracle9iリリース2(9.2)

    Oracle Database 10gリリース1(10.1)

    Oracle Database 10gリリース2(10.2)

    Oracle Database 11gリリース1(11.1)

    Oracle Intelligent Agent リリース9.2.0
    Oracle Management Agent リリース10.1.0.2

    リリース10.1.0.3

    リリース10.2

    (Microsoft Windows専用の管理エージェントのリリース)

    Oracle Enterprise Manager リリース9.2.0

    リリース10.1.0

    Oracle Application Server リリース10.1.2

5.2 Microsoft Windows x64のソフトウェアの互換性

Oracle Fail Safeの64ビット版はサーバーのみのリリースです。32ビット版のOracle Fail Safe Managerリリース3.3.1、3.3.2、3.3.3、3.3.4または3.4.1とともに使用できます。Oracle Fail Safe ManagerはOracle Databaseキットに含まれるOracle Fail SafeのCD-ROM(32ビット)には含まれていません。

  • Oracle Fail Safe Managerは、次のオペレーティング・システムと互換性があります。

    • Microsoft Windows 2000

    • Microsoft Windows XP

    • Microsoft Windows Server 2003

    • Microsoft Windows Server 2003 R2

    • Microsoft Windows Server 2008

  • Oracle Fail Safe Serverは、次の表に示すソフトウェアと互換性があります。

    ソフトウェア リリースまたはバージョン
    Oracle Database(Standard EditionおよびEnterprise Edition) Oracle Database 10gリリース2(10.2)

    Oracle Database 11gリリース1(11.1)

    Oracle Management Agent リリース10.1.0.2

    リリース10.1.0.3

    リリース10.2

    (Microsoft Windows専用の管理エージェントのリリース)

    Microsoft Cluster Server バージョン5.0以上
    Oracle Fail Safe Manager(32ビット) リリース3.3.1、3.3.2、3.3.3、3.3.4、3.4.1

6 ハードウェアの互換性

ハードウェア・ベンダーに連絡を取り、Oracle Fail Safeを使用するハードウェアで、Microsoft Cluster Serverソフトウェアの使用が保証されていることを確認してください。

7 インストールと構成

この項では、Oracle Fail Safeのインストールについて説明します。

インストールと削除の詳細は、『Oracle Fail Safeインストレーション・ガイド』を参照してください。

7.1 MSCSクラスタ アドミニストレータによるフェイルセーフ・リソース・タイプの問題の表示

Oracle Fail Safeのインストールの完了後、MSCSクラスタ アドミニストレータでフェイルセーフ・リソース・タイプ(データベースなど)の問題が表示される場合があります。MSCSクラスタ アドミニストレータでは、そのリソース・タイプ名の上にオースラッシュ(Ø)記号を表示して、問題が発生したことを示します。

この問題が発生した場合は、次の手順に従います。

  1. Oracle Fail Safeのインストール後にクラスタ・ノードを再起動していなかった場合は、再起動します。

  2. PATH環境変数に、Oracle Services for MSCSパスが含まれていることを確認します。(コマンド・プロンプト・ウィンドウで、PATHと入力してください。)Oracle Services for MSCSパス(ORACLE_HOME\fs\fssvr\bin)が含まれている必要があります。含まれていない場合は、これを追加し、Oracle Services for MSCSパスがないノードを再起動します。

  3. Oracle Fail SafeリソースDLLのFsResOdbs.dllが、ORACLE_HOME\fs\fssvr\binにインストールされていることを確認します。

    リソースDLLがない場合は、Oracle Fail Safeを再インストールします。

  4. Oracle Fail Safe Managerを使用してクラスタを検証(「トラブルシューティング」メニューで「クラスタの検証」を選択)して、その後、各クラスタ・ノードを1つずつ再起動します。「クラスタの検証」コマンドは自動的にOracleリソースDLLの登録を検証します。すべてのクラスタ・ノードを再起動する必要がない場合もあります。1つのノードを再起動した後、MSCSクラスタ アドミニストレータでリソース・タイプ名からオースラッシュ記号が削除されているか確認します。オースラッシュ記号がなくなっている場合は、すべてのクラスタ・ノードを再起動する必要はありません。

7.2 Windows Server 2008でのfssvrsec.batの使用

Fail Safeサービスを構成する際に使用するfssvrsec.batコマンドは、完全な管理権限で実行する必要があります。このコマンドを完全な管理権限で実行するには、Administratorコマンド・プロンプトから起動するか、「管理者として実行」コンテキスト・メニュー・オプションを使用します。

8 Oracle Services for MSCS

この項では、Oracle Services for MSCSについて説明します。

8.1 Microsoft Windows 2000におけるDCOMセキュリティ変更

分散コンポーネント・オブジェクト・モデル(DCOM)のデフォルト設定のアクセス権限リストが空の場合、SYSTEMおよびSELFアカウントは暗黙的アクセス権限を持ちます。Microsoft Windows 2000では、ユーザーまたはグループがリストに追加されると、暗黙的権限が適用されることはなくなり、明示的に指定されたユーザーまたはグループのみに権限が付与されます。Microsoft Windows NTでは、SYSTEMおよびSELFアカウントは暗黙的権限を保持します。

Oracle Services for MSCSのインストールの際に、Oracle Fail Safeのユーザー・アカウントがデフォルトのアクセス権限リストに追加されます。アカウント・リストが空ではない場合、SYSTEMおよびSELFアカウントは自動的に追加されます。

Oracle Services for MSCSをインストールした後、HTMLファイルのハイパーリンクを開くときや、Microsoft OutlookまたはOutlook Expressを使用するときに問題がある場合は、dcomcnfg.exeツールを使用して必要なユーザーをデフォルトのアクセス権限リストに追加します。

詳細は、MicrosoftサポートのQ274696および892500を参照してください。

8.2 異なるアカウントのもとで実行可能なOracle Services for MSCSとMicrosoft Cluster Server

クラスタが最初に構成され、Microsoft Cluster Serverが最初にインストールされた場合、これはMicrosoft Windowsユーザー・アカウントのもとにインストールされています。

Oracle Services for MSCSは、(システム・アカウントではなく)全クラスタ・ノードに管理者権限を持つドメイン・ユーザー・アカウントのもとでMicrosoft Windowsサービスとして実行されます。Oracle Services for MSCSをインストールする際、必要な権限を持つユーザー・アカウントのユーザー名およびパスワードの組合せを入力するように求められます。このアカウントは、Microsoft Cluster Serverをインストールしたアカウントと同じである必要はありません。

Oracle Fail SafeリソースのIs Aliveポーリングは、Oracle Services for MSCSのサーバーではなく、Microsoft Cluster Serverによって実行されます。ポーリングを正しく動作させるために、Microsoft Cluster Serverに使用されるアカウントは、ポーリングされるリソースへのアクセスに必要な権限を持っている必要があります。

9 Oracle Database

この項では、Oracleデータベースについて説明します。

9.1 「スタンドアロン・データベースの検証」コマンド実行時のエラー

Microsoft Windowsでは、時として(別プログラムがファイルを更新している場合など)データベース用の初期化パラメータ・ファイルが別ユーザーによってロックされていると判断され、ファイルの名前変更や、読込み/書込みアクセスのためにファイルを開くことが一時的に拒否されます。このために、「スタンドアロン・データベースの検証」コマンドが実行されたときに問題が発生し、不可解なエラー・メッセージが返される原因ともなります。「スタンドアロン・データベースの検証」コマンドの実行時に次のようなエラー・メッセージが表示された場合は、オペレーティング・システムのエラー・メッセージの確認ではなく、データベース用の初期化パラメータ・ファイルの名前を一時的に変更できるかどうかを確認してください。

FS-10890: Oracle Services for MSCS failed during the Verify Standalone operation
FS-10818: The Oracle Database resource provider failed during preparation for configuration processing for resource TESTDB1.US.ORACLE.COM
FS-10160: Failed to verify standalone Oracle database TESTDB1.US.ORACLE.COM
FS-10611: Failed to open file d:\oracle\database\initestdb1.ora for read
0xB: An attempt was made to load a program with an incorrect format

別のアプリケーションがファイルを制御し始めた場合は、ファイルが常駐するディスクを所有するクラスタ・ノードを再起動することで、問題を解決できます(再起動後に必ず、データベース・ファイルを含むすべてのクラスタ・ディスクを、データベースのホストとなるノードに移動しなおしてください)。

9.2 データベースのシャットダウン時に停止して再起動されるデフォルトのOracle Intelligent Agent

デフォルトのOracle Intelligent Agentは、デフォルトのOracle Intelligent Agentが稼働中のノードでフェイルセーフ・データベースを検出してデータベースへの接続を保持しますが、これは適切ではありません。(デフォルトのOracle Intelligent Agentはノードのホスト・アドレスでリスニングし、仮想アドレスを使用するためフェイルセーフ・データベースを検出するべきではありません。)このため、フェイルセーフ・データベースがOracle Fail Safe Managerを使用してnormalまたはtransactionalモードでオフラインに設定されると、Oracle Fail Safeはデータベースをシャットダウンする前にデフォルトのOracle Intelligent Agentをシャットダウンします。Oracle Fail Safeは、データベースのシャットダウン操作が完了した後、デフォルトのOracle Intelligent Agentを再起動します。

9.3 サンプル・データベースの作成

Oracle Fail Safeには「サンプル・データベースの作成」コマンドが用意されており、事前構成済のサンプル・データベースがユーザーの指定したクラスタ・ディスクにインストールされます。サンプル・データベースは、テストおよびOracle Fail Safeオンライン・チュートリアルでの使用を目的とするもので機能もかぎられています。本番には使用しないでください。本番用のデータベースを作成するには、Oracle Database Configuration Assistantを使用するか、手動でデータベースを作成します。

9.4 SYSにする必要があるデータベース・ユーザー名

データベースがオペレーティング・システム認証を使用しない場合、Oracle Fail Safeリリース3.2.1、3.3.1、3.3.2、3.3.3および3.4.1のすべての操作を成功させるには、データベース・ユーザー名がSYSであることが必要です。オペレーティング・システム認証が使用される場合、Oracle Fail SafeはSYSアカウントを使用しません。

10 ディスク・リソース

Oracle Fail Safeでは、EMC SRDF/CEディスク(正式にはEMC GeoSpanとして知られる)を使用できます。ただし、リソースのグループへの追加時にリソースで使用されているEMC SRDF/CEディスクがそのグループにまだ含まれていない場合、Oracle Fail SafeではFS-10203エラーが返され、処理がロールバックされます。

このエラーが発生した場合は、リソースに必要なEMC SRDF/CEディスクがすでに含まれているグループに、リソースを追加します。

11 仮想アドレス

MSCSネットワーク名に後続スペースが含まれている場合に、Oracle Fail Safe Managerで仮想アドレスをグループに追加しようとすると、操作は失敗し、次のエラーが返されます。

NT-5045: The cluster network was not found

MSCSクラスタ アドミニストレータを使用して、後続スペースを削除するようにネットワーク名を変更すると、この問題を回避できます。

12 Oracle Enterprise Managerとの統合

この項では、Oracle Fail SafeとOracle Enterprise Managerの統合について説明します。

12.1 JobOutサブディレクトリの部分的サポート

Oracle Intelligent Agentリリース8.1.7は、ジョブ出力ファイルをJobOutというサブディレクトリに置きます。可用性の高いIntelligent Agentの場合、JobOutサブディレクトリは、クラスタ・ディスク上のエージェントのConfigPathディレクトリにあります。Intelligent Agentには、ジョブを実行するためのJobOutサブディレクトリが必要です。

Oracle Intelligent Agentを作成し、グループに追加すると、Oracle Fail Safeはクラスタ・ディスク上にJobOutサブディレクトリを作成します。ただし、可用性の高いIntelligent Agentが属するグループを検証するときに、Oracle Fail Safeは、JobOutサブディレクトリが存在するかどうかを検証しません。また、可用性の高いIntelligent Agentのクラスタ・ディスクを変更したときに、Oracle Fail Safeは、新規ディスクにJobOutサブディレクトリを作成せず、旧ディスクからJobOutサブディレクトリも削除しません。

12.2 Oracle Fail Safe Managerでクラスタの検証中にOracle Enterprise Managerエージェントが正しく表示されない

Oracle Fail Safe Managerで、クラスタの検証プロセス中に、10.2.0.4のOracle Enterprise Managerエージェントが、誤って10.1.0.2のOracle Enterprise Managerエージェントとして表示されます。

12.3 Oracle Enterprise Managerエージェントが起動しない

グループへのリソースの追加プロセスを使用してOracle Fail Safeによりデプロイされた後、Oracle Enterprise Manager管理エージェントはセキュアな構成で起動しません。

これを回避するには、エージェントのデプロイ中にemctl secure agentコマンドを手動で実行します。

13 このリリースで更新されたドキュメント

詳細は、キットに付属のこのリリース用にアップグレードされた次のドキュメントを参照してください。

キットに付属のOracle Fail Safeチュートリアルは、このリリースで更新されていません。前述のドキュメント・リストで、Oracle HTTP Serverに関する記述箇所を除き、リリース3.3.3に特有の記述箇所はリリース3.4.1に対しても適用できます。高可用性に対応するOracle HTTP Serverの構成は、このリリースのOracle Fail Safeではサポートされていません。

キットに付属のドキュメントは、HTMLおよびPDFオンライン形式で提供されます。PDFファイルを表示するには、Adobe Acrobat Reader 4.0以上が必要です。最新バージョンは、次のAdobe Webサイトからダウンロードできます。

http://www.adobe.com/prodindex/acrobat/readstep.html

14 Oracle Fail Safeの追加情報

Oracle Fail Safeの詳細は、次のWebサイトを参照してください。

15 ドキュメントのアクセシビリティについて

オラクル社は、障害のあるお客様にもオラクル社の製品、サービスおよびサポート・ドキュメントを簡単にご利用いただけることを目標としています。オラクル社のドキュメントには、ユーザーが障害支援技術を使用して情報を利用できる機能が組み込まれています。HTML形式のドキュメントで用意されており、障害のあるお客様が簡単にアクセスできるようにマークアップされています。標準規格は改善されつつあります。オラクル社はドキュメントをすべてのお客様がご利用できるように、市場をリードする他の技術ベンダーと積極的に連携して技術的な問題に対応しています。オラクル社のアクセシビリティについての詳細情報は、Oracle Accessibility ProgramのWebサイトhttp://www.oracle.com/accessibility/を参照してください。

ドキュメント内のサンプル・コードのアクセシビリティについて

スクリーン・リーダーは、ドキュメント内のサンプル・コードを正確に読めない場合があります。コード表記規則では閉じ括弧だけを行に記述する必要があります。しかしJAWSは括弧だけの行を読まない場合があります。

外部Webサイトのドキュメントのアクセシビリティについて

このドキュメントにはオラクル社およびその関連会社が所有または管理しないWebサイトへのリンクが含まれている場合があります。オラクル社およびその関連会社は、それらのWebサイトのアクセシビリティに関しての評価や言及は行っておりません。

Oracleサポート・サービスへのTTYアクセス

アメリカ国内では、Oracleサポート・サービスへ24時間年中無休でテキスト電話(TTY)アクセスが提供されています。TTYサポートについては、 (800)446-2398にお電話ください。アメリカ国外からの場合は、+1-407-458-2479にお電話ください。

16 サポートおよびサービス

次の各項に、各サービスに接続するためのURLを記載します。

Oracleサポート・サービス

オラクル製品サポートの購入方法、およびOracleサポート・サービスへの連絡方法の詳細は、次のURLを参照してください。

http://www.oracle.com/lang/jp/support/index.html

製品マニュアル

製品のマニュアルは、次のURLにあります。

http://www.oracle.com/technology/global/jp/documentation/index.html

研修およびトレーニング

研修に関する情報とスケジュールは、次のURLで入手できます。

http://education.oracle.com/pls/web_prod-plq-dad/db_pages.getpage?page_id=3

その他の情報

オラクル製品やサービスに関するその他の情報については、次のURLから参照してください。

http://www.oracle.com/lang/jp/index.html 
http://www.oracle.com/technology/global/jp/index.html 

注意:

ドキュメント内に記載されているURLや参照ドキュメントには、Oracle Corporationが提供する英語の情報も含まれています。日本語版の情報については、前述のURLを参照してください。 



Oracle Fail Safeリリース・ノート, リリース3.4.1 for Microsoft Windows

部品番号: E05998-03

Oracle Fail Safe Release Notes, Release 3.4.1 for Microsoft Windows

原本部品番号: E10719-04

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制限付権利の説明

このプログラム(ソフトウェアおよびドキュメントを含む)には、オラクル社およびその関連会社に所有権のある情報が含まれています。このプログラムの使用または開示は、オラクル社およびその関連会社との契約に記された制約条件に従うものとします。著作権、特許権およびその他の知的財産権と工業所有権に関する法律により保護されています。

独立して作成された他のソフトウェアとの互換性を得るために必要な場合、もしくは法律によって規定される場合を除き、このプログラムのリバース・エンジニアリング、逆アセンブル、逆コンパイル等は禁止されています。

このドキュメントの情報は、予告なしに変更される場合があります。オラクル社およびその関連会社は、このドキュメントに誤りが無いことの保証は致し兼ねます。これらのプログラムのライセンス契約で許諾されている場合を除き、プログラムを形式、手段(電子的または機械的)、目的に関係なく、複製または転用することはできません。

このプログラムが米国政府機関、もしくは米国政府機関に代わってこのプログラムをライセンスまたは使用する者に提供される場合は、次の注意が適用されます。

U.S. GOVERNMENT RIGHTS

Programs, software, databases, and related documentation and technical data delivered to U.S. Government customers are "commercial computer software" or "commercial technical data" pursuant to the applicable Federal Acquisition Regulation and agency-specific supplemental regulations.As such, use, duplication, disclosure, modification, and adaptation of the Programs, including documentation and technical data, shall be subject to the licensing restrictions set forth in the applicable Oracle license agreement, and, to the extent applicable, the additional rights set forth in FAR 52.227-19, Commercial Computer Software--Restricted Rights (June 1987).Oracle USA, Inc., 500 Oracle Parkway, Redwood City, CA 94065.

このプログラムは、核、航空、大量輸送、医療あるいはその他の本質的に危険を伴うアプリケーションで使用されることを意図しておりません。このプログラムをかかる目的で使用する際、上述のアプリケーションを安全に使用するために、適切な安全装置、バックアップ、冗長性(redundancy)、その他の対策を講じることは使用者の責任となります。万一かかるプログラムの使用に起因して損害が発生いたしましても、オラクル社およびその関連会社は一切責任を負いかねます。

Oracle、JD Edwards、PeopleSoft、Siebelは米国Oracle Corporationおよびその子会社、関連会社の登録商標です。その他の名称は、他社の商標の可能性があります。

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